JP6970697B2 - 物質分注評価システム - Google Patents

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Description

本出願は、PCT国際特許出願として2017年6月30日に出願されており、2016年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/357,096号、名称「SUBSTANCE DISPENSE EVALUATION SYSTEM」に対する優先権の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの生体試料分析器具は、分析のために、血液試料又は他の体液等の液体物質、及び分析のために、試薬又は血液試料を分注するためのシステムを利用する。例えば、血液分析システムにおいて、試薬は、トレイの反応ウエル上に分注される。いくつかの事例において、トレイは、様々な可能な理由から、試薬ピペッターと正確に整列されない場合があり、試薬は、反応ウエルの中ではなくトレイの表面上へ不注意に分注され得る。試薬の不適切な分注は、真の結果と同じ様式で分析器具によって報告される、偽の結果を生じる場合がある。例えば、血液分析システムにおいて、試薬の不適切な分注は、偽陰性の凝集パターンをもたらす場合がある。また、分注の誤りによって、偽陽性結果が生じる場合もある。
試薬の不適切な分注を検出しようと試みるために、複数の手法が使用されてきた。特定の例では、センサを使用して、分注時にトレイに対する分注プローブの位置を検出するか、又はプローブチュービングの内部圧力を監視して、試薬又は試料の排出を検出する。他の例では、凝集パターンを画像処理し、評価する。しかしながら、これらの手法が十分であることは見出されていない。例えば、そのような手法は、偽陽性パターンから真陰性パターンを、及び/又は真陽性パターンから偽陰性パターンを完全に分離することができない。
一般的には、本開示は、流体物質の分注を評価するためのシステムに関する。1つの可能な構成において、また、非限定的な例として、本システムは、流体物質が分注されるトレイの光分析を用いる。以下の態様を含むが、これらに限定されない様々な態様が本開示に記載される。
1つの態様は、自動化された分析器具内のトレイ上への流体物質の分注を評価する方法である。本方法は、画像捕捉装置を使用して、トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することであって、トレイの少なくとも一部分が、受容凹部部分及び受容凹部部分の周りの周囲部分を含む、捕捉することと、少なくとも1つのコンピューティング装置を使用して、画像内のトレイの少なくとも一部分の周囲部分を識別することと、トレイの少なくとも一部分の周囲部分に対応する画像の色成分を評価することと、色成分のうちの少なくとも1つに基づいて、流体物質がトレイの少なくとも一部分の周囲部分上に存在するかどうかを判定することと、を含む。
別の態様は、自動化された分析装置において分注された流体物質の分注を評価するためのシステムである。本システムは、複数の受容凹部及び複数の受容凹部の周りの複数の周囲部分を含むトレイと、流体物質をトレイ上に分注するように構成された分注装置と、トレイの少なくとも一部分の少なくとも1つの画像を捕捉するように構成された画像捕捉装置と、少なくとも1つの処理装置と、ソフトウェア命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、このソフトウェア命令が少なくとも1つの処理装置によって実行されたときに、本システムに、トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉させることであって、トレイの少なくとも一部分が、受容凹部部分及び受容凹部部分の周りの周囲部分を含む、捕捉させることと、画像内のトレイの少なくとも一部分の周囲部分を識別させることと、トレイの少なくとも一部分の周囲部分に対応する画像の色成分を評価させることと、色成分のうちの少なくとも1つに基づいて、流体物質がトレイの少なくとも一部分の周囲部分上に存在するかどうかを判定させることと、を行わせる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含む。
更に別の態様は、ソフトウェア命令を備えるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であり、このソフトウェア命令が物質分注評価システムの少なくとも1つの処理装置によって実行されたときに、自動化された分析装置の物質分注評価システムに、トレイの少なくとも一部分の画像を取得させることであって、トレイの少なくとも一部分が、受容凹部部分及び受容凹部部分の少なくとも1つの開口端部の周りの周囲部分を含む、取得させることと、画像の第1の画像部分を識別させることであって、第1の画像部分が、トレイの少なくとも一部分の周囲部分に対応し、第1の画像部分が、複数の画像断片を含む、識別させることと、複数の画像断片ごとに、画像断片の色と関連付けられた値を取得させることと、値を第1の閾値と比較させることと、画像断片の値が第1の閾値を満たしていない場合に、画像断片を、計数した画像断片に指定させることと、計数した画像断片を第2の閾値と比較させることと、計数した画像断片の数が第2の閾値を満たしていない場合に、トレイの少なくとも一部分をフラグ付きトレイに指定させることであって、フラグ付きトレイが、トレイの少なくとも一部分に対する流体物質の不適切な分注であることを表す、指定させることと、を含む。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
自動化された分析器具内のトレイ上への流体物質の分注を評価する方法であって、
画像捕捉装置を使用して、前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することであって、前記トレイの前記少なくとも一部分が、受容凹部部分及び前記受容凹部部分の周りの周囲部分を含む、捕捉することと、
少なくとも1つのコンピューティング装置を使用して、前記画像内の前記トレイの前記少なくとも一部分の前記周囲部分を識別することと、
前記トレイの前記少なくとも一部分の前記周囲部分に対応する前記画像の色成分を評価することと、
前記色成分のうちの少なくとも1つに基づいて、前記流体物質が前記トレイの前記少なくとも一部分の前記周囲部分上に存在するかどうかを判定することと、を含む、方法。
(項目2)
前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉する前に、前記トレイの前記少なくとも一部分上に前記流体物質を分注することを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記周囲部分を識別することが、
前記画像の第1の画像部分を識別することであって、前記第1の画像部分が、前記トレイの前記周囲部分に対応し、複数の画像断片を含む、識別することと、
前記複数の画像断片ごとに、
前記画像断片の色と関連付けられた値を取得することと、
前記値を第1の閾値と比較することと、
前記画像断片の前記値が前記第1の閾値を満たしていない場合に、前記画像断片を、計数した画像断片に指定することと、を含む、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記流体物質が前記周囲部分上に存在するかどうかを判定することが、
前記計数した画像断片の数を第2の閾値と比較することを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記計数した画像断片の前記数が前記第2の閾値を満たしていない場合に、前記トレイの前記少なくとも一部分をフラグ付きトレイに指定することを更に含み、前記フラグ付きトレイが、前記トレイの前記少なくとも一部分上への前記流体物質の不適切な分注を表す、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記複数の画像断片が、前記トレイの前記少なくとも一部分の前記画像の複数の画素を含む、項目3〜5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記値が、第1の色パラメータと第2の色パラメータとの間の比率を含み、前記第1及び第2の色パラメータが、互いに異なり、前記画像断片の前記色成分を表す、項目3〜6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第1及び第2の色パラメータが、前記画像断片の赤、緑、及び青成分から選択される、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記値が、第1の色パラメータと第2の色パラメータとの間の差を含み、前記第1及び第2の色パラメータが、互いに異なり、前記画像断片の色成分を表す、項目3〜6のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することが、前記トレイの一部分の画像を捕捉することを含み、前記トレイの前記一部分が、単一の受容凹部部分を含み、前記周囲部分が、前記単一の受容凹部部分の周りにある、項目1〜9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することが、
前記トレイの画像を捕捉することと、
前記トレイの画像を複数のサブ画像に分割することであって、各サブ画像が、少なくとも1つの受容凹部部分及び前記少なくとも1つの受容凹部部分の周りの周囲部分を含む、分割することと、を含む、項目1〜10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記第1の閾値が、前記トレイ上に分注された前記流体物質の種類に基づいて判定される、項目3〜11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記トレイが、少なくとも1つのウエル及び前記少なくとも1つのウエルの周りの少なくとも1つの周囲表面を有するマイクロプレートを含む、項目1〜12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記流体物質が、反応試薬及び血液試料のうちの少なくとも1つを含む、項目1〜13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
自動化された分析装置において分注された流体物質の分注を評価するためのシステムであって、
複数の受容凹部及び前記複数の受容凹部の周りの複数の周囲部分を含むトレイと、
流体物質を前記トレイ上に分注するように構成された分注装置と、
前記トレイの少なくとも一部分の少なくとも1つの画像を捕捉するように構成された画像捕捉装置と、
少なくとも1つの処理装置と、
ソフトウェア命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記ソフトウェア命令は、前記少なくとも1つの処理装置によって実行されたときに、前記システムに、項目1〜14のいずれか一項に記載の方法を行わせる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を備える、システム。
生体試料を分析するための例示的な器具を概略的に示す。
生体試料を分析するための器具の別の実施例を概略的に示す。
本開示の態様を実施するために使用することができるコンピューティング装置の例示的な構造を示す。
図1の生体試料分析器具の物質分注システム及び生体試料分析器具の例示的な動作方法を概略的に示す。
分注評価システムの例示的な動作方法を示すフロー図である。
例示的なトレイの概略上面図である。
図6のトレイの側断面図である。
分注評価システムの例示的な動作方法を示すフロー図である。
マイクロプレートの一部分の例示的な画像を示す。
図8の動作を行う例示的な方法を示すフロー図である。
図9の画像の一部分を概略的に示す。
各画像断片を表す色パラメータ値を含む例示的なデータセットを示す。
流体物質の種類に基づいて3つの色パラメータから2つの色パラメータが選択される、例示的なデータセットを示す。
比較値を生成するための例示的な比較値計算器のブロック図である。
分注評価システムの例示的な動作方法を示すフロー図である。
捕捉し、分析する各画像と関連付けられた例示的なデータを示す。
捕捉し、分析する各画像と関連付けられた別の例示的なデータを示す図である。
分注評価の結果として生成された例示的な一組のデータを示す図である。
第1及び第2の閾値の例示的な表を示す。
図19に示される第1及び第2の閾値に基づく十分な分注を示す、例示的な試験結果の表を示す。
図19に示される第1及び第2の閾値に基づく不適当な分注を示す、例示的な試験結果の表を示す。
トレイ上の流体物質の不適当な分注を検出する別の例示的な方法を示す。
様々な実施形態が図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は、いくつかの図を通して同様の部品及びアセンブリを表す。様々な実施形態への言及は、本明細書に添付された特許請求の範囲を限定しない。加えて、本明細書に述べられたいかなる例も、限定することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲の多数の可能な実施形態のうちのいくつかについて述べたものであるに過ぎない。
図1は、生体試料を分析するための例示的な器具100を概略的に示す。いくつかの実施形態において、器具100は、物質分注システム102と、物質分注評価システム104とを含む。トレイ108は、流体物質110を受容し、含むように使用され、また、器具100のシステム102及び104によって利用される。いくつかの実施形態において、器具100は、自動化又は半自動化され、トレイ108は、器具の人間オペレータから独立して、又はオペレータによる最小の介入によって、システム102及び104によって使用される。
他の実施形態において、器具100は、物質評価システム106を更に含む。トレイ108は、流体物質110を受容し、含むように使用され、また、器具100のシステム102、104、及び106によって利用される。いくつかの実施形態において、器具100は、自動化又は半自動化され、トレイ108は、器具の人間オペレータから独立して、又はオペレータによる最小の介入によって、システム102、104、及び106によって使用される。
生体試料分析器具100は、様々な目的で生体試料を分析するように動作する。いくつかの実施形態において、生体試料分析器具100は、血液試料分析器具又は機器を含む。いくつかの実施形態において、生体試料分析器具100は、例えば、血液及びその成分を採集し、試験し、処理し、記憶し、及び/又は注入するように動作する。血液の採集は、ドナーセンターで行われ得る。次いで、採集した血液及びその成分は、しばしば、血液銀行又は臨床検査室で、又はそこを通して処理され、試験され、そして、分配される。
示される実施例において、器具100は、血液ドナーのスクリーニング等の様々な種類の血液検査を行うように構成される。例えば、器具100は、弱陽性D(weak D)を含むABO/Rh、サイトメガロウイルス試験、及び梅毒スクリーニングに関する自動化された同時試験を提供する。いくつかの実施例において、ABO血液型の判定は、ヒトの赤血球の表面における抗原A及び/又はBの有無を明らかにし、血漿中の抗A及び/又は抗B抗体の有無を検出することによって定義される。本明細書で説明されるように、器具100は、複数の反応ウエルを有するマイクロプレート等のトレイ108上に分注された、血液試料、希釈剤、及び/又は試薬の混合物等の生体試料(すなわち、流体物質110)を分析する。
物質分注システム102は、トレイ108に流体物質110を分注するように動作する。いくつかの実施形態において、物質分注システム102は、1つ以上のピペッティング装置を含む。ピペッティング装置は、例えば、試薬、希釈剤、及び緩衝剤を送達するための1つ以上のバルク容器に流体接続することができる。代替的に、ピペッティング装置は、試料容器からトレイ108のウエルの中へ流体物質をピペットで移すように動作する。そのようなピペッティングは、試料チューブからトレイ108へ方向付けることができ、又は試料のアリコートがトレイ108に転送される前に二次チューブ内で保持される場合等の、複数のピペッティング工程を含むことができる。血液試料分析の示される実施例において、流体物質110は、血液試料、希釈剤、及び試薬のうちのいずれか、又はこれらの任意の混合物とすることができる。血液試料は、赤血球と、血漿とを含む。試薬は、様々な種類のものとすることができる。試薬のいくつかの例としては、抗体を含む液体試薬、非反応性成分を含む液体試薬、赤血球懸濁液、及び粒子懸濁液が挙げられる。試薬は、異なる色を有する。いくつかの試薬は、ユーザが試薬を他の物質と区別することを可能にするように着色することができる。そのような試薬の色は、緑、紫、黄、青、及び赤を含む、様々である。試薬の例としては、抗A、抗B、抗A,B、抗D、抗C、抗E、抗c、抗e、及び抗K試薬等の、血液型分類試薬が挙げられる。抗A、抗B、及び抗A,B試薬は、ヒトの赤血球の表面の赤血球抗原A及び/又はBの有無を判定することによって、ABO血液型の赤血球判定において使用される。抗D、抗D(PK1)、及び抗D(PK2)等の抗D試薬は、ヒトの赤血球の表面のD(Rh)抗原の有無を検出することによってRh型を判定するために使用される。抗C、抗E、抗c、抗e、及び抗Kは、赤血球の表面の抗原C、E、c、e、及びKの有無を検出することによって、ヒトの赤血球のRh−Kell表現型検査を行うために使用される。他の実施形態において、流体物質110は、更なる分析のために容器又はトレイ上に分注し、提供するのに適した任意の種類のものとすることができる。
分注評価システム104は、流体物質110の分注を評価するように動作する。特に、分注評価システム104は、例えば物質評価システム106によって、流体物質110が次の分析のために意図したとおりにトレイ108上に適切に分注されたかどうかを判定する。トレイ108上への流体物質の不適切な分注は、例えば、真の結果と区別がつかない場合がある、又は別の場合であれば、生体試料分析器具100の動作を危殆化する場合がある、誤った結果を生じさせ得る。
物質評価システム106は、トレイ108に含まれる流体物質110を評価するように動作する。一例として、物質評価システム106は、血液ドナーのスクリーニング又は輸血検査を行うが、これは、図2を参照してより詳細に説明する。他の種類の分析又は評価を、様々な目的で、物質評価システム106によって行うことができる。例として、物質評価システム106は、任意の既知の分析的方法及びトレイ108と互換性のある検出システムを利用して、複数の流体物質110を分析することができる。一般的な例としては、蛍光標識化プライマー及びプローブを使用した、臨床化学試験、イムノアッセイ、微生物学的同定及び抗生感受性試験、並びに核酸検査を行うために行われる、分光光度検出及び分析が挙げられる。トレイでの半自動化又は自動化された試料処理と互換性のある他の分析法も知られており、本開示の原理原則に適合する。いくつかの生体試料分析器具100は、様々な研究又は診断分析に適した物質評価システム106を選択するように、ユーザが構成することができる。
トレイ108は、物質評価システム106によって行われる過程のために、物質分注システム102から流体物質110を受容し、流体物質110を保持するように構成される。例として、トレイ108は、マルチウェルプレート、マイクロプレート、マルチウエルパネル、マルチウエルカセット、マルチウエルマイクロ流体装置、マルチウエルスライド、マルチウエル容器、流体を受容する、保持する、及び/若しくは反応させるための複数のウエルを有する任意の保持装置、又は上記の任意の組み合わせとすることができる。トレイ108の一実施例は、図4、図6、及び図7を参照して示し、説明する。
流体物質110は、物質分注システム102によってトレイ108上に分注される。いくつかの実施形態において、次いで、流体物質110は、物質評価システム106によって調査される。流体物質としては、物質分注システム102によって分注し、トレイ108に含むことができる任意の物質が挙げられる。いくつかの実施形態において、流体物質110は、単一の物質の流体である。他の実施形態において、流体物質110は、複数の物質の混合物である。種々の実施形態において、流体物質110は、分析を受ける試料、試料調製成分、希釈剤、緩衝剤、試薬、又は上記の任意の組み合わせとすることができる。流体物質110が血液又はその成分を含む場合、流体物質110の例としては、全血、血漿、血清、赤血球、白血球、血小板、希釈剤、試薬、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
血液試料分析の示される実施例において、流体物質110は、血液試料、希釈剤、及び試薬のうちのいずれか、又はこれらの任意の混合物とすることができる。試薬は、様々な種類のものとすることができる。試薬のいくつかの例としては、標識化された特異的結合試薬、例えば抗体又は核酸プローブを含有する液体試薬、反応性及び/又は非反応性成分を含有する液体試薬、赤血球懸濁液、並びに粒子懸濁液が挙げられる。試薬は、異なる色を有することができ、又は反応時に異なる色を生成することができる。いくつかの試薬は、ユーザが試薬を他の物質と区別することを可能にするように着色することができる。そのような試薬の色は、緑、紫、黄、青、及び赤を含む、様々である。試薬の例としては、抗A、抗B、抗A,B、抗D、抗C、抗E、抗c、抗e、抗K、及び抗k試薬等の、血液型判定試薬が挙げられる。抗A、抗B、及び抗A,B試薬は、ヒトの赤血球の表面の赤血球A抗原及び/又はB抗原の有無を判定することによって、ABO血液型の赤血球判定において使用される。抗D、抗D(PK1)、及び抗D(PK2)等の抗D試薬は、ヒトの赤血球の表面のD(Rh)抗原の有無を検出することによってRh型を判定するために使用される。抗C、抗E、抗c、抗e、抗K、及び抗kは、赤血球の表面の抗原C、E、c、e、並びにK及びkの有無を検出することによって、ヒトの赤血球のRh表現型検査及びKell表現型検査を行うために使用される。他の実施形態において、流体物質110は、更なる分析のために容器又はトレイ上に分注し、提供するのに適した任意の種類のものとすることができる。更に、流体物質は、対象の分析物を含有することが疑われる、唾液、脳脊髄液、尿、羊水、尿、***物、粘液、細胞若しくは組織抽出液、核酸、又は任意の他の種類の体液、組織、若しくは材料等の、他の種類の体液物質とすることができる。
いくつかの実施形態において、流体物質110は、トレイ108の色と異なる色を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも、トレイ108の周囲部分322(図4)は、流体物質110の色と区別できる色を有する。
引き続き図1を参照すると、いくつかの実施形態において、器具100は、データ通信ネットワーク114を介して管理システム112と通信するように動作する。例えば、器具100は、器具100が管理システム112と通信する通信装置(図3の通信装置246等)を含む。
いくつかの実施形態において、管理システム112は、器具100から遠隔に位置付けられ、また、器具100からのデータに基づいて診断を行うように構成される。加えて、器具100は、器具の性能を評価し、報告を生成することができる。管理システム112の1つの例としては、Beckman Coulter,Inc.,Brea,CAから入手可能なPROSeviceリモートサービスアプリケーションを実行する1つ以上のコンピューティング装置が挙げられる。
Beckman CoulterのProSeviceリモートサービスアプリケーションは、リモートアプリケーションプロセッサ(RAP、Remote Application Processor)ボックスを使用して、ネットワーク(例えば、ネットワーク114)を通じて、生体試料分析器具100と遠隔診断コマンドセンター(例えば、管理システム112)との間の安全かつ継続的な接続を提供することができる。RAPボックスは、Ethernet(登録商標)ポート、Wi−Fi、又はセルラーネットワークを介したインターネットを経由して、生体試料分析器具100を遠隔診断コマンドセンターに接続することができる。生体試料分析器具100は、フラグ付きトレイのインスタンス等の器具データをRAPボックスに送信することができる。次いで、RAPボックスは、このデータを保護し、それを遠隔診断コマンドセンターに転送することができる。生体試料分析器具100と遠隔診断コマンドセンターとの間の全ての通信は、RAPボックスを通して調整することができる。RAPボックスは、静的又は動的ホスト構成プロトコル(DHCP、Dynamic Host Configuration Protocol)のIPアドレスを使用して、ネットワークに接続することができる。RAPボックスは、生体試料分析器具100から遠隔診断コマンドセンターへの器具データの安全な転送を提供することができるコンピュータ処理ボード及び接続ポートを有する、ハードウェアとすることができる。例えば、RAPボックスは、1つ以上のEthernet(登録商標)接続ポート、Wi−Fi又はセルラーネットワーク接続用の1つ以上のコンピュータ処理ボード、電気アウトレット接続ポート、又は上記の任意の組み合わせを有することができる。
RAPボックスは、生体試料分析器具100及び遠隔診断コマンドセンターからの器具データの安全かつ継続的な転送を提供するために、内部ファイアウォールを有することができる。この内部ファイアウォールは、ネットワーク上に存在する他のネットワークトラフィックから生体試料分析器具100を隔離する、プライベート器具ネットワークを作成することができる。更に、RAPボックスは、次の1つ以上の機構によって、1つ以上の分析装置から生体試料分析器具100へのデータ伝送を保護することができる。第1に、アウトバウンド起動のデータメッセージは、暗号化を介して保護され、安全にインターネットを使用するための標準ポートであるポート443上のHTTPを介して、ファイアウォールを通して送信される。データは、インターネットを介して安全に情報を送信するためのプロトコルであるセキュアソケットレイヤー(SSL、Secure Sockets Layer)を通じて伝送される。SSLは、クライアントとサーバとの間に安全な接続を確立し、それを通じてデータを安全に送信することができる。デュアル証明認証は、伝送データへの無許可のアクセスを防止するのを補助する。SSL接続の一例は、128ビットAESのFIPS準拠暗号化アルゴリズムである。RAPボックスがデータを保護することができる別の機構は、リモートデスクトップシェアリング(RDS、Remote Desktop Sharing)セッションを使用している。RDSセッションは、安全な仮想プライベートネットワーク(VPN、Virtual Private Network)トンネルを通して行われ、これは、生体試料分析器具100と遠隔診断コマンドセンターとの間のセッションをカプセル化して、共有されているデータのいかなる第三者傍受もないことを確実にする。
更に図1を参照すると、データ通信ネットワーク114は、データ収集装置108とデータ処理システム112との間等の、1つ以上のコンピューティング装置の間でデジタルデータを通信する。ネットワーク114の例としては、ローカルエリアネットワーク及びインターネット等のワイドエリアネットワークが挙げられる。いくつかの実施形態において、ネットワーク114は、無線通信システム、有線通信システム、又は無線及び有線通信システムの組み合わせを含む。有線通信システムは、様々な可能な実施形態において、電気又は光学信号を使用してデータを送信することができる。無線通信システムは、典型的に、光信号又は無線周波数(RF、radio frequency)信号の形態等で、電磁波を介して信号を伝送する。無線通信システムは、典型的に、光又はRF信号を伝送するための光又はRF送信機、及び光又はRF信号を受信するための光又はRF受信機を含む。無線通信システムの例としては、Wi−Fi通信装置(無線ルータ又は無線アクセスポイントを利用するもの等)、セルラー通信装置(1つ以上のセルラー基地局を利用するもの等)、及び他の無線通信装置が挙げられる。
図2は、生体試料を分析するための器具100の別の例を概略的に示す。図1で説明したように、器具100は、物質分注システム102と、分注評価システム104と、物質評価システム106とを含む。
示される実施例において、生体試料分析器具100は、血液試料を分析するように構成される。いくつかの実施形態において、物質分注システム102は、試料分注システム120と、希釈剤分注システム122と、試薬分注システム124とを含む。
試料分注システム120は、血液試料を分注するように動作する。いくつかの実施形態において、試料分注システム120は、1つ以上の試料ラック132を格納する試料ラック送給装置130を含む。試料ラック132のうちの少なくとも1つが選択され、試料吸引ユニット134に隣接する場所に転送される。試料吸引ユニット134は、試料ピペッター136を含み、この試料ピペッターは、転送された試料ラックから血液試料を吸引し、吸引した血液試料を転送し、そして、血液試料を1つ以上の反応チューブ138に分注する。いくつかの実施形態では、血液試料を含む反応チューブ138が希釈剤分注システム122へ転送される。代替的には、希釈剤分注システム122を、血液試料を含む反応チューブ138の近くに移動させる。
希釈剤分注システム122は、試料を希釈するように動作する。いくつかの実施形態において、希釈剤分注システム122は、希釈剤分注ユニット142と、希釈試料転送ユニット144とを含む。希釈剤分注ユニット142は、血液試料を含む反応チューブ138の中へ希釈剤を分注するように動作する。希釈試料移送ユニット144は、血液試料と希釈剤の混合物を含む反応チューブ138をトレイ108に転送する。いくつかの実施形態において、希釈試料移送ユニット144は、反応チューブ138から血液試料と希釈剤の混合物を吸引し、吸引した物質をトレイ108上に分注するように動作する。
試薬分注システム124は、血液試料と希釈剤の混合物を含むトレイ108に試薬を分注するように動作する。試薬分注システム124は、試薬転送及び分注ユニット150を含む。いくつかの実施形態において、試薬転送及び分注ユニット150は、1つ以上の試薬分注ピペッター152を含む。いくつかの実施形態において、試薬転送及び分注ユニット150は、試薬供給154へ移動し、分注ピペッター152を介してそこから試薬を吸引し、そして、トレイ108に戻る。次いで、試薬転送及び分注ユニット150は、分注ピペッター152がトレイ108の受容凹部部分(例えば、反応ウエル)と整列されるように、トレイ108の上に配置される。反応転送及び分注ユニット150は、分注ピペッター152を介してトレイ108に試薬を分注するように動作する。
更に図2を参照すると、いくつかの実施形態において、分注評価システム104は、画像捕捉装置160と、画像処理装置162とを含む。
流体物質110(例えば、示される実施例では、血液試料、希釈剤、及び試薬の混合物)がトレイ108上に分注されると、トレイ108を分注評価システム104へ搬送することができる。代替的には、分注評価システム104をトレイ108へ移動させる。
画像捕捉装置160は、トレイ108の少なくとも一部分の画像を捕捉するように動作する。いくつかの実施形態において、画像捕捉装置160は、カメラユニット164と、光源166とを含む。カメラユニット164は、カラーデジタル画像を取得するための電荷結合素子(CCD、charge-coupled device)画像センサを含む。光源166は、所望に応じて、撮影するトレイ108に照射するために使用される。光源166は、様々な場所に配設することができる。示される実施例において、光源166は、カメラユニット164の反対側のトレイ108の裏に位置付けられる。光源166の他の場所も可能である。
画像処理装置162は、画像捕捉装置160によって捕捉したトレイ108の画像を処理し、評価して、流体物質110がトレイ108上に適切に分注されたかどうかを判定するように動作する。いくつかの実施形態において、画像処理装置162は、図3に示される少なくともいくつかの構成要素を含む。画像処理装置162の例示的な動作は、図4及び図5を参照して説明し、示す。
図3は、本開示の態様を実施するために使用することができるコンピューティング装置の例示的な構造を示し、このコンピューティング装置は、生体試料分析器具100、又は物質分注システム102、分注評価システム104、及び物質評価システム106等の、器具100の様々なシステムを含む。更に、器具100に含まれる1つ以上の装置又はユニットはまた、図3に示されるように、コンピューティング装置の少なくともいくつかの構成要素によって実施することもできる。そのようなコンピューティング装置は、本明細書で参照番号200に指定される。コンピューティング装置200は、本明細書で説明されるオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及びソフトウェアモジュール(ソフトウェアエンジンを含む)を実行するために使用される。
コンピューティング装置200は、いくつかの実施形態において、中央演算処理装置(CPU、central processing unit)等の少なくとも1つの処理装置202を含む。様々な処理装置を、多岐にわたる製造者、例えば、Intel社又はAdvanced Micro Devices社から入手可能である。この例において、コンピューティング装置200はまた、システムメモリ204、及びシステムメモリ204を含む様々なシステム構成要素を処理装置202に結合するシステムバス206も含む。システムバス206は、メモリバス又はメモリコントローラ;周辺バス;及び種々のバスアーキテクチャーのいずれかを使用するローカルバスを含む任意の数の種類の1つである。
コンピューティング装置200に適したコンピューティング装置の例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイル装置(スマートフォン、iPad(登録商標)モバイルデジタル装置、又は他のモバイル装置等)、又はデジタル命令を処理するように構成された他の装置が挙げられる。
システムメモリ204は、ROM208と、RAM210とを含む。スタートアップ中等にコンピューティング装置200内で情報を転送するように作用する基本ルーチンを含む基本入力/出力システム212は、典型的に、ROM208内に記憶される。
コンピューティング装置200はまた、いくつかの実施形態において、デジタルデータを記憶するための、ハードディスクドライブ等の二次記憶装置214も含む。二次記憶装置214は、二次記憶装置インターフェース216によってシステムバス206に接続される。二次記憶装置及びそれらの関連付けられたコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピューティング装置200のための、コンピュータ読み取り可能な命令(アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールを含む)、データ構造、及び他のデータの不揮発性記憶装置を提供する。
本明細書に記載の模範的な環境は、ハードディスクドライブを二次記憶装置として用いるものの、他の実施形態では他の種類のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が使用される。これらの他の種類のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の例としては、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、Bernoulliカートリッジ、コンパクトディスクROM、デジタル汎用ディスクROM、RAM、又はROMが挙げられる。いくつかの実施形態は、非一時的な媒体を含む。
オペレーティングシステム218、1つ以上のアプリケーションプログラム220、他のプログラムモジュール222、及びプログラムデータ224を含むいくつかのプログラムモジュールを、二次記憶装置214又はメモリ204に記憶することができる。
いくつかの実施形態において、コンピューティング装置200は、ユーザがコンピューティング装置200への入力を提供することができるように、入力装置を含む。入力装置226の例としては、キーボード228、ポインタ入力装置230、マイクロフォン232、及びタッチセンシティブ表示装置240が挙げられる。他の実施形態は、他の入力装置226を含む。入力装置は、しばしば、システムバス206に結合される入力/出力インターフェース238を通して、処理装置202に接続される。これらの入力装置226は、パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、又はユニバーサルシリアルバス等の、任意の数の入力/出力インターフェースによって接続することができる。入力装置とインターフェース238との間の無線通信も同様に可能であり、いくつかの可能な実施形態では赤外線、Bluetooth(登録商標)無線技術、WiFi技術(802.11a/b/g/n、その他)、又は他の無線周波数通信システムが挙げられる。
この例示的な実施形態において、タッチセンシティブ表示装置240はまた、ビデオアダプタ242等のインターフェースを介して、システムバス206にも接続される。タッチセンシティブ表示装置240は、ユーザが表示装置にタッチしたときのユーザからの入力を受信するためのタッチセンサを含む。そのようなセンサは、静電容量センサ、圧力センサ、又は他のタッチセンサとすることができる。センサは、表示装置との接触だけでなく、接触の場所及び経時的な接触の移動も検出する。例えば、ユーザは、画面全体にわたって指又はスタイラスを移動させて、書き込まれた入力を提供することができる。書き込まれた入力は評価され、いくつかの実施形態において、テキスト入力に変換される。
表示装置240に加えて、コンピューティング装置200は、スピーカー又はプリンタ等の様々な他の周辺装置(図示せず)を含むことができる。
コンピューティング装置200は、ネットワーク全体にわたって通信を確立するように構成された通信装置246を更に含む。いくつかの実施形態において、ローカルエリアネットワーキング環境又は(インターネット等の)ワイドエリアネットワーキング環境で使用するときに、コンピューティング装置200は、典型的に、無線ネットワークインターフェース248等のネットワークインターフェースを通してネットワークに接続される。他の可能な実施形態は、他の有線及び/又は無線通信装置を使用する。例えば、コンピューティング装置200のいくつかの実施形態は、Ethernet(登録商標)ネットワークインターフェース、又はネットワーク全体にわたって通信するためのモデムを含む。更に他の実施形態において、通信装置246は、近距離無線通信が可能である。近距離無線通信は、一方向又は双方向の近距離〜中距離無線通信である。近距離無線通信は、様々な技術及びプロトコルに従って確立することができる。近距離無線通信の例としては、無線周波数識別(RFID、radio frequency identification)、近距離無線通信(NFC、nearfield communication)、Bluetooth(登録商標)技術、及びWi−Fi技術が挙げられる。
コンピューティング装置200は、典型的に、少なくともいくつかの形態のコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体としては、コンピューティング装置200によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体が挙げられる。一例として、コンピュータ読み取り可能な媒体としては、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、及びコンピュータ読み取り可能な通信媒体が挙げられる。
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報を記憶するように構成された任意の装置に実装された揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体が挙げられる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては、限定するものではないが、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブルROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD−ROM、DVD若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティング装置200によってアクセスすることができる任意の他の媒体が挙げられる。
コンピュータ読み取り可能な通信媒体は、典型的にはコンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール又は搬送波若しくは他の移送機構等の変調データ信号中の他のデータを包含し、任意の情報配信媒体を含む。用語「変調データ信号」は、その特性セットの1つ以上を有する信号、又は情報を信号に符号化するように変更された信号を指す。例として、コンピュータ読み取り可能な通信媒体には、有線ネットワーク又は直接配線接続(direct-wired connection)等の有線媒体、並びに音響、無線周波数、赤外線、及び他の無線媒体等の無線媒体が挙げられる。上記の任意の組み合わせもまた、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれる。
図3を再度参照すると、コンピューティング装置200は、場所識別装置250を含むことができる。場所識別装置250は、コンピューティング装置200の場所又は地理的場所情報を識別するように構成される。場所識別装置250は、ネットワークベースのシステム、ハンドセットベースのシステム、シムベースのシステム、Wi−Fi測位システム、及びハイブリッド測位システム等の、様々な種類の地理的場所測定又は測位システムを使用することができる。ネットワークベースのシステムは、基地局三角測量等の、サービスプロバイダのネットワークインフラストラクチャを利用する。ハンドセットベースのシステムは、典型的に、全地球測位システム(GPS、Global Positioning System)を使用する。Wi−Fi測位システムは、多重経路及び信号遮断屋内を含む様々な原因によりGPSが不向きであるときに使用することができる。ハイブリッド測位システムは、補助GPS等の、ネットワークベース及びハンドセットベースの技術の組み合わせを使用して場所の判定を行う。
図4は、生体試料分析器具100の物質分注システム102及び分注評価システム104を動作させる例示的な方法300を概略的に示す。また、トレイ108の実施例も、示される。方法300は、一般に、動作302及び304を含む。
動作302で、物質分注システム102は、トレイ108に流体物質110を分注するように動作する。物質分注システム102は、分注プローブ312を有する分注装置310を含む。
一例として、分注装置310は、試薬分注システム124(例えば、試薬転送及び分注ユニット150)として構成することができる。他の実施例において、試料分注システム120(例えば、試料吸引ユニット134)又は希釈剤分注システム122(例えば、希釈剤分注ユニット142)は、分注装置310として実装される。更に他の実施例において、流体物質の分注又は注入に適した任意の他の分注装置を、分注装置310として使用することができる。
いくつかの実施形態において、分注プローブ312は、トレイ108上に流体物質を分注するように構成されたピペッターである。一例として、分注プローブ312は、試料ピペッター136、希釈剤分注ユニット142からの分注先端部、又は試薬分注ピペッター152とすることができる。
いくつかの実施形態において、トレイ108は、受容凹部部分320と、周囲部分322とを含む。受容凹部部分320は、トレイ108上に形成され、分注装置310から流体物質を受容するように構成された、凹状部分である。周囲部分322は、受容凹部部分320の周りに配設されるトレイ108の一部分であり、受容凹部部分320の一部ではない。いくつかの実施形態において、周囲部分322は、受容凹部部分320の開口部の周りのトレイ108の表面である。
物質分注システム102(例えば、分注装置310)は、理想的には、トレイ108の受容凹部部分320の中へだけ流体物質110を分注し、トレイ108の周囲部分322又は任意の他の部分には分注しないように構成される。しかしながら、流体物質110は、様々な理由により、受容凹部部分320にだけでなく、周囲部分322にも注入又は分注され得る。いくつかの事例では、トレイ108に対する分注装置310の位置ずれ、及びシステムの故障又は取り扱いの誤りにより、トレイ108上への流体物質の不適切な分注又は溢流を生じさせ得る。例えば、流体物質がトレイ108の受容凹部部分320に分注されるときに、トレイ108は分注プローブ312と適切に整列されていない。その結果、分注プローブ312は、受容凹部部分320を外れ、流体物質の少なくとも一部をトレイ108の周囲部分322上に分注し得る。そのようなトレイ108への流体物質の不適切な分注は、物質評価システム106等のその後の評価過程において不正確で、信頼できない結果を生じさせ得る。輸血検査が行われる図2の示される実施例において、物質評価システム106は、トレイ108への不適切な分注により、真陰性凝集パターンと偽陰性凝集パターンとを区別することができない。したがって、そのような誤った結果を排除するために、流体物質がトレイ上に適切に分注されたという確認が重要である。
流体物質110が(動作302で)物質分注システム102によってトレイ108に分注されると、動作304で、分注評価システム104を使用してトレイ108が評価される。いくつかの実施形態において、トレイ108は、分注評価システム104へ搬送される。他の実施形態において、分注評価システム104が物質分注システム102を置き換える間、トレイ108は静止したままである。分注評価システム104は、物質分注システム102がトレイ108から遠ざかった後に、トレイ108に接近することができる。代替的に、分注評価システム104は、トレイ108が静止している間に動作302及び304が順次行われるように、物質分注システム102と一体的に構成される。
上で説明したように、分注評価システム104は、画像捕捉装置160と画像処理装置162とを含む。動作304の一実施例は、図5を参照してより詳細に説明される。
図5は、分注評価システム104を動作させる(すなわち、図4の動作304)例示的な方法350を示すフロー図である。いくつかの実施形態において、方法350は、動作352、354、及び356を含む。いくつかの実施形態において、方法350は、分注評価システム104によって行われる動作を含む。例えば、方法350の動作は、図3に示されるような処理装置202等の1つ以上のプロセッサによって実行される。本明細書では、主に、分注評価システム104が方法350の動作を行うことを示しているが、方法350の動作のうちの少なくとも1つは、分注評価システム104から独立して、又はそれと連携して、器具100の他のシステム又は構成要素によって行うことができる。
動作352で、分注評価システム104は、図4の動作302のように、流体物質110が分注されたトレイ108の画像を捕捉するように動作する。いくつかの実施形態において、画像捕捉装置160は、受容凹部部分320及び受容凹部部分320の周りの周囲部分322が画像330に含まれるように、トレイ108の上に配置され、トレイ108の少なくとも一部分の画像330(図4及び図9)を撮影する。
動作354で、分注評価システム104は、画像330を分析するように動作する。いくつかの実施形態において、画像処理装置162は、画像330を処理し、トレイ108上への流体物質の分注を評価するために使用することができる1つ以上のパラメータを生成するように動作する。動作354の一実施例は、図8を参照して説明し、示す。
動作356で、分注評価システム104は、物質注入の適切さを評価するように動作する。いくつかの実施形態において、画像処理装置162は、画像330を分析することによって生成されたパラメータを使用し、流体物質がトレイ108上に適切に分注されたかどうかを判定する。動作456の一実施例は、図8を参照して説明し、示す。
図6及び図7を参照して、トレイ108の一実施例を説明する。特に、図6は、例示的なトレイ108の概略上面図であり、図7は、図6のトレイ108の側断面図である。
示される実施例において、トレイ108は、マイクロプレート370として構成される。マイクロプレート370は、流体物質(例えば、標本)の成分を分析するための反応容器を提供する、複数のウエル372を含む。ウエル372は、マイクロプレート370の分注表面374に形成される円形開口部を有し、周囲部分又は表面376は、ウエル372の開口部を囲む分注表面374として画定される。いくつかの実施形態において、ウエル372は、実質的に凹状の形状に形成され、マイクロプレート370の分注表面374のマトリックスで配設される。したがって、マイクロプレート370のウエル372は、トレイ108の受容凹部部分320に対応し、マイクロプレート370の周囲の表面376は、トレイ108の周囲部分322に対応する。いくつかの実施形態において、マイクロプレート370は、アクリル等の射出成型用合成樹脂によって形成される。
いくつかの実施形態において、マイクロプレート370の各ウエル372は、試験される標本、及び標本との抗原抗体反応を生じさせる反応試薬を受容するように構成される。この分注から所定の時間の後に、本明細書で説明されるように、ウエル372において反応を生じさせたマイクロプレート370の少なくとも一部分を画像捕捉装置160によって撮像し、捕捉した画像によって分注を分析する。
図7に示されるように、ウエル372の開口面(すなわち、分注表面374)と平行である任意の断面(線A−Aに沿って切断した水平断面)は、円形であり、各水平断面上の円の直径は、開口面から底部に向かって徐々に小さくなる。特に、分注時に液体を含むボウルとしての役割を果たす底部378は、実質的に円錐形状である。いくつかの実施形態において、底部378に含まれる部分は、その直径を段階的に僅かに変化させて、表面積を増加させ、よって、抗原抗体反応の結果として濃縮された反応物の沈殿が促進されるような構成を有する。
一例として、血液及び体液等の標本、並びに標本中の特定の物質との固有の反応を生じさせる物質を含む試薬が、それぞれ、適切な量でマイクロプレート370のウエル372に分注されたときに、物質は、マイクロプレート370のウエル372の中で抗原抗体反応を生じる。例えば、血液中の赤血球を使用して血液型判定を行うとき、赤血球は、凝集させる試薬に含まれる特定の抗体との抗原抗体反応を生じさせる。凝集する赤血球は、底部378の段部の傾斜部分に沈殿する。沈殿によって形成された凝集パターンは、血液型に応じて異なり、したがって、適切な画像化手段による凝集パターンを撮像することによって取得される画像データを分析することによって、標本の血液型が判定される。抗原抗体反応によって得られた凝集パターンがウエル372の底部378の傾斜部分に現れるので、この縮合パターンを撮像するためには、撮像手段の焦点位置を底部378の近くに合わせる必要がある。
図8及び図9を参照して、分注評価システム104を動作させる例示的な方法400をより詳細に説明する。図8は、分注評価システム104を動作させる例示的な方法400を示すフロー図である。方法400は、図9も参照して説明し、この図は、マイクロプレート370の一部分の例示的な画像330を示す。
方法400は、分注評価システム104の画像処理装置162によって実行することができる動作を含む。いくつかの実施形態において、図5で説明したように、動作354は、方法400で実施される。示される実施形態において、方法400は、動作402、404、及び406を含む。
方法400は、トレイ108の少なくとも一部分の画像330が画像捕捉装置160によって捕捉されると行われる。方法400の前に、トレイ108は、図4に示される画像捕捉装置160(例えば、図5に示されるように動作352)によって撮像される。画像捕捉装置160は、画像330が1つ以上の受容凹部部分320及び受容凹部部分320の周りの周囲部分322を含むように、トレイ108の少なくとも一部分の画像330を捕捉することができる。
本開示において、方法400は、主に、複数の受容凹部部分320(例えば、複数のウエル372)及び複数の周囲部分322(例えば、複数の周囲部分376)を含む、トレイ108としてのマイクロプレート370によって説明される。示される実施形態において、画像捕捉装置160は、1つの受容凹部部分320(例えば、単一のウエル372)及び受容凹部部分320の周りの1つの周囲部分322(例えば、単一の周囲部分376)だけを含むように、トレイ108の一部分の画像330を撮影するように動作する。この構成でトレイ108全体を評価するためには、複数の画像を組み合わせてトレイ108全体(例えば、マイクロプレート370)を表すことができるように、トレイ108の異なる部分に複数の画像を撮影する。本明細書で説明されるように、画像のそれぞれは、流体物質の分注の適切さを評価するために処理し、分析することができる。
他の実施形態において、画像捕捉装置160は、画像が受容凹部部分と関連付けられた2つ以上の受容凹部部分及び周囲部分を含むように、トレイ108の一部分の画像を捕捉する。この構成において、画像捕捉装置160は、トレイ108全体を評価する場合に、複数のそのような画像を捕捉することが必要である。
代替的に、トレイ108(例えば、マイクロプレート370)は、方法400を実行するための異なる様態で撮像することができる。トレイ108が単一の受容凹部部分320及び受容凹部部分320の周りの周囲部分322を含む場合、画像330は、受容凹部部分320及び周囲部分322の少なくとも一部を含むように捕捉される。トレイ108が複数の受容凹部部分320及び複数の周囲部分322を含む場合(例えば、トレイ108がマイクロプレート370である場合)、画像捕捉装置160は、画像が複数の受容凹部部分及び複数の周囲部分を含むように、トレイ108全体の画像を一度に捕捉することができる。次の過程において、トレイ全体の画像は、複数の部分(本明細書においてサブ画像とも称される)に分割することができ、この部分のそれぞれは、本明細書で説明されるように画像評価を受ける。画像の各部分は、受容凹部部分のうちの少なくとも1つ及び受容凹部部分のうちの1つの周りにある周囲部分のうちの少なくとも1つを含むことができる。他の実施形態において、画像の各部分は、受容凹部部分のうちの2つ以上及び受容凹部部分のうちの2つ以上の周りにある周囲部分のうちの2つ以上を含むことができる。
更に他の実施形態では、トレイ108の所定の領域が撮像され、評価されて、トレイ108全体の、又はトレイ108のその領域の分注の適切さを判定する。
更に図8を参照すると、動作402で、画像処理装置162は、画像330内のトレイ108の受容凹部部分320の周りの周囲部分322を識別する。画像330は、トレイ108の周囲部分322に対応する画像330の一部分を識別するために、様々な画像処理技術を使用して分析することができる。図9の示される実施例において、画像330は、1つのウエル372及びウエル372の周りの周囲部分376を含む、マイクロプレート370の一部分を表す。いくつかの実施形態において、ウエル372の周りの周囲部分376に対応する画像330の周囲画像部分430は、エッジ検出を使用して識別することができ、ウエル372との境界線が画像330内に見出される。例えば、画像330内の輝度の不連続部を検出して、ウエル372との境界線を見出すことができる。ウエル372の周りの周囲部分376に対応する、画像330の周囲画像部分430を識別するために、他の技術を使用することができる。
動作404で、画像処理装置162は、画像330の周囲画像部分430の色成分を評価する。そのような色成分は、画像捕捉装置160の出力した信号から取得することができる。色成分は、異なる色モデルに応じて、異なる色成分とすることができる。例えば、RGB色モデルにおいて、色成分は、赤、緑、青の成分を含む。CMYK色モデルにおいて、色成分は、シアン、マゼンタ、黄、及び黒を含む。他の実施形態では、他の色成分の組み合わせも可能である。動作404の一実施例は、図10を参照してより詳細に説明される。
動作406で、画像処理装置162は、流体物質110がマイクロプレート370のウエル372の周りの周囲部分376上に存在するかどうかを判定する。いくつかの実施形態において、判定は、画像330の周囲画像部分430の色成分のうちの少なくとも1つに基づいて行われる。動作404の一実施例は、図10を参照してより詳細に説明される。
図10は、図8の方法400の動作のうちのいくつかを行う例示的な方法450を示すフロー図である。方法450は、図9の画像330の一部分を概略的に示す図11を更に参照して説明される。いくつかの実施形態において、例示的な方法450は、動作404及び406を実施する。方法450は、動作452、454、456、及び458を含むことができる。
動作452で、画像処理装置162は、画像330の周囲画像部分430内の複数の画像断片470を識別する。図11に示されるように、画像330の周囲画像部分430は、その後の分析のために、複数の画像断片470に分割することができる。いくつかの実施形態において、画像断片470は、画像330の画素に対応する。画像断片470は、様々な様態で識別することができる。いくつかの実施形態において、画像断片470は、識別のために番号付けされる。図11の示される実施形態において、画像断片のうちの1つは、シリアル番号「564」によって識別され、別の画像断片は、シリアル番号「754」によって識別される。
動作454で、画像処理装置162は、画像断片470ごとに色パラメータ472を取得する。示される実施形態では、画像断片470ごとに、3つの色パラメータ(すなわち、図11の第1の色パラメータ474、第2の色パラメータ476、及び第3の色パラメータ478)が取得される。色パラメータは、様々な様態によって測定される。いくつかの実施形態において、色成分の値は、例えば0〜99でスケーリングされる。一例として、図11において、「564」によって識別された画像断片は、30の第1の色パラメータ値、79の第2のパラメータ値、及び3の第3のパラメータ値を有し、「754」によって識別された画像断片は、45の第1の色パラメータ値、65の第2のパラメータ値、及び2の第3のパラメータ値を有する。
いくつかの実施形態において、3つの色パラメータ474、476、及び478は、様々な色モデルに基づいて、色成分から判定される。例えば、色パラメータ474、476、及び478は、RGB色モデルの赤、緑、青成分の値である。他の実施形態では、他の種類及び数の色パラメータを取得することができる。例えば、CMYK色モデルでは、シアン、マゼンタ、黄、及び黒の成分等の4つの色成分を使用することができる。カラー断片の例示的な一組のパラメータデータを図12に示す。
動作456で、画像処理装置162は、トレイ108上に分注された流体物質110の種類に基づいて、色パラメータ472のうちの1つ以上を選択する。示される実施形態では、流体物質110の特性に応じて、3つの色パラメータ472から2つの色パラメータを選択している。色パラメータ(すなわち、パラメータ選択494)の例示的な選択を図13に示す。
動作458で、画像処理装置162は、画像断片470のそれぞれの選択した色パラメータに基づいて、比較値502(図14)を計算する。比較値502のいくつかの例は、図14を参照してより詳細に説明し、示す。
図12は、各画像断片470を表す色パラメータ472の値を含む、例示的なデータセット480を示す。一例として、第1の色パラメータ474、第2の色パラメータ476、及び第3の色パラメータ478は、画像330の周囲画像部分430内の各画素の赤、緑、青の成分の値である。示される実施形態において、画像330の周囲画像部分430は、130、569の画素を含み、それぞれが3つの異なる色パラメータの値を有する。
図13は、トレイ108上に分注した流体物質の種類に基づいて2つの色パラメータ(例えば、パラメータ選択494)が3つの色パラメータから選択される、例示的なデータセット490を示す。血液試料を試験する示される実施例において、物質種類492は、血液試料種類及び試薬種類のうちのどちらか又は両方によって判定することができる。
いくつかの実施形態において、色パラメータ472は、選択した色パラメータのうちの1つが流体物質の色に密接に一致し、他の色パラメータが流体物質の色と異なるように選択される。図13の示される実施例では、流体物質が赤血球及び第1の種類の試薬(「試薬1」)の混合物であるとき、第1の色パラメータ474及び第2の色パラメータ476が分注評価のために選択される。赤血球及び試薬1の混合物の色にできる限り密接に一致し、他の色パラメータができる限り異なる色を有するように、第1の色パラメータ474及び第2の色パラメータ476のうちの1つを選択することができる。例えば、他の色パラメータは、流体物質の色に対して相補的であるように選択することができる。一例として、画像330を分析するためにRGB色モデルを使用する場合、赤血球が血液試料として使用されるときに(赤血球の色が赤なので)赤の色パラメータを第1の色パラメータとして選択し、緑の色パラメータ又は青の色パラメータのいずれかを第2の色パラメータとして選択することができる。血液試料が、実質的に黄色である血漿であるときに、緑の色パラメータを、血液試料の色に密接に一致する第1の色パラメータとして使用することができ、赤の色パラメータ又は青の色パラメータのいずれかを血液試料の色とは全く異なる第2の色パラメータとして選択することができる。他の例において、使用する試薬の色は、色パラメータを選択する際に参照することができる。例えば、試薬が緑の場合、緑の色パラメータを第1の色パラメータとして使用し、赤の色パラメータ又は青の色パラメータのいずれかを第2の色パラメータとして選択する。
図14は、比較値502を生成するための、例示的な比較値計算器500のブロック図である。いくつかの実施形態において、比較値計算器500は、トレイ108に分注された流体物質の種類に基づいて選択した色パラメータ(すなわち、選択した色パラメータ494)を受容し、トレイ108上への物質分注を評価するのに適した比較値502を生成する。
比較値502は、選択した色パラメータ494の関数である。示される実施形態では、第1の色パラメータ494A及び第2の色パラメータ494B等の2つの色パラメータが、比較値502の変数として使用される。いくつかの実施形態において、比較値502は、第1の色パラメータ494Aと第2の色パラメータ494Bとの比率504を含む。他の実施形態において、比較値502は、第1の色パラメータ494Aと第2の色パラメータ494Bとの差506を含む。更に他の実施形態において、比較値502は、選択した色パラメータ494と関連付けられた他の値を含む。
図15は、分注評価システム104を動作させる例示的な方法530を示すフロー図である。特に、方法530は、分注評価システム104の画像処理装置162によって実行することができる動作を含む。いくつかの実施形態では、図5で説明したような動作356が、方法530において実施される。示される実施形態において、方法530は、動作532、534、536、538、540、542、及び544を含む。方法530は、図16及び図17を更に参照して説明する。
動作532で、画像処理装置162は、画像断片470ごとに、比較値520と第1の閾値552とを比較する。第1の閾値552は、画像断片470を評価するための基準値を提供する。
図13を再度参照すると、複数の第1の閾値552が提供される。第1の閾値552は、トレイ108上に分注される物質の種類に従って変動する。いくつかの実施形態では、物質分注評価の結果の正確度及び信頼性を向上させるように、一組の第1の閾値552が実験的に判定される。更に、第1の閾値552は、比較値502の種類について、異なって提供される。例えば、第1の閾値552Aは、比率比較値504に適合され、第1の閾値552Bは、差比較値506に提供される。例示的な一組の第1の閾値は、図19を参照して説明される。
図15を再度参照すると、動作534で、画像処理装置162は、第1の閾値552を満たしていない画像断片470の数を判定する。画像断片470ごとに、比較値502が第1の閾値552を満たしていないかどうかが判定される。特定の画像断片の比較値502が第1の閾値552を満たしていない場合、その画像断片は、計数した画像断片に指定することができる。評価中にそのような判定が画像断片の全てについて行われると、第1の閾値552を満たしていない画像断片470の総数が、分注評価を受ける画像断片470全体について取得される。本開示において、そのような満たしていない画像断片の総数は、計数した画像断片の総数と称することができる。いくつかの実施形態では、画像断片470全体のうちの一部分だけを分析して、計数した画像断片の総数を生成する。
いくつかの実施形態において、(例えば、図17において)比較値502が第1の閾値552を超えている場合、比較値502は、第1の閾値552を満たしていない。他の実施形態において、(例えば、図16において)比較値502が第1の閾値552よりも小さい場合、比較値502は、第1の閾値552を満たしていない。
動作536で、画像処理装置162は、計数した画像断片の総数と第2の閾値554とを比較する。第2の閾値554は、トレイ108上に分注された流体物質の溢流があったかどうか判定するための基準値を提供する。本開示において、第2の閾値554は、カットオフ値と称することができる。下で説明するように、第1の閾値552を満たしていない画像断片の数がカットオフ値を超えている場合は、流体物質がトレイの受容凹部部分の周りの周囲部分に溢流したと考えられる。例示的な一組の第2の閾値は、図19を参照して説明する。
動作538で、画像処理装置162は、計数した画像断片の総数が第2の閾値554を満たしているかどうかを判定する。いくつかの実施形態において、計数した画像断片の総数が第2の閾値554よりも小さい場合、計数した画像断片の総数は、第2の閾値554を満たしている。他の実施形態において、計数した画像断片の総数が第2の閾値554以下である場合、計数した画像断片の総数は、第2の閾値554を満たしている。
計数した画像断片の総数が第2の閾値554を満たしていると判定された場合(動作538の「はい」)、方法530は、動作540に移動する。そうでない場合(動作538の「いいえ」)、方法530は、動作544を続ける。
動作540で、画像処理装置162は、動作532、534、536、及び538を通して評価されていない任意の画像断片470が存在するかどうかを判定する。任意の画像断片470が検査されてないことが分かった場合(動作540の「はい」)、方法530は、動作532及び未検査の画像断片について行われる後続の動作に戻る。いかなる未検査の画像断片470も存在しなかった場合(動作540の「いいえ」)、方法530は、動作542を続ける。
動作542で、画像処理装置162は、流体物質がトレイ108上に適切に分注されたことを認識する。いくつかの実施形態において、画像処理装置162は、そのような適切な分注を表す情報を記憶するように動作する。例えば、画像処理装置162は、更なる分析のために、流体物質がトレイ108上に適切に分注されたという情報を含むように、トレイ108と関連付けられたデータを更新することができる。他の実施形態において、画像処理装置162は、いかなる他の動作も行うことなく、分注評価過程を終了する。これは、動作544でフラグを付けることと対照的に、分注の適切さを示すことができる。
動作544で、画像処理装置162は、トレイ108をフラグ付きに指定するように動作する。いくつかの実施形態において、画像処理装置162は、トレイ108上への流体物質の不適切な分注を表すフラグを記憶する。トレイ108と関連付けられたフラグは、トレイ108上への流体物質の不適切な分注を表す。
図16は、本明細書で説明されるように捕捉され、分析された各画像330と関連付けられた例示的なデータ550を示す。いくつかの実施形態において、データ550は、図15の動作のうちのいくつかに示されるように、トレイの少なくとも一部分の画像に関する画像断片分析を表す。示される実施例において、画像は、マイクロプレート370のウエル372ごとに捕捉したものであり、画像内のそのウエル372の周りの周囲部分376を表す、画像の複数の画像断片470を評価する。
いくつかの実施形態において、データ550は、分注を評価するために分析したマイクロプレート370のウエル372を識別するためのウエルID556を含む。データ550は、マイクロプレート(すなわち、物質の種類492)上に分注した物質の種類、分析に使用した色パラメータ494、分析に使用した比較値502、分析に使用した第1の閾値552、及び分析に使用した第2の閾値554等の、分析と関連付けられた様々な情報を含むことができる。
示されるように、データ550は、画像断片ID558によって、画像内の複数の画像断片を識別することができる。画像断片470ごとに、分析のために定義された比較値の種類に基づいて、比較値502を計算する。示される実施例では、比率比較値504が、第2の色パラメータと第3の色パラメータとの比率として使用され、定義される。比率比較値504は、画像断片470ごとに計算され、また、その画像断片470の画像断片ID558と関連付けられる。データ550は、比率比較値504が第1の閾値552を超えているかどうかに関する情報を更に含む。更に、データ550は、第1の閾値(すなわち、計数した画像断片560の総数)を満たしていない画像断片の総数を含む。この事例では、第1の閾値を超えていない比較値を有する画像断片が、計数した画像断片560の総数に計数される。
いくつかの実施形態において、データ550は、計数した画像断片560の総数が第2の閾値554を超えているかどうかに関する情報を更に含む。示される実施例において、計数した画像断片560の総数(例えば、図16の53)は、第2の閾値554(例えば、図16の50)を超えている。この事例において、データ550と関連付けられたマイクロプレート370のウエル372は、ウエル372上への流体物質の不適切な分注を示すためにフラグを付けることができる。
図17は、本明細書で説明されるように捕捉され、分析された各画像330と関連付けられた別の例示的なデータ570である。データ570は、分析に使用される比較値502の種類を除いて、図17のデータ550に類似する。
いくつかの実施形態において、データ570は、図15の動作のうちのいくつかに示されるように、トレイの少なくとも一部分の画像に関する画像断片分析を表す。示される実施例において、画像は、マイクロプレート370のウエル372ごとに捕捉したものであり、画像内のそのウエル372の周りの周囲部分376を表す、画像の複数の画像断片470を評価する。
データ550に類似して、データ570は、ウエルID556(物質の種類492)に関する情報、分析に使用した色パラメータ494、分析に使用した比較値502、分析に使用した第1の閾値552、及び分析に使用した第2の閾値554を含むことができる。
示されるように、データ570は、画像断片ID558によって、画像内の複数の画像断片を識別することができる。画像断片470ごとに、分析のために定義された比較値の種類に基づいて、比較値502を計算する。示される実施例では、差比較値506が、第2の色パラメータと第3の色パラメータとの間の差として使用され、定義される。差比較値506は、画像断片470ごとに計算され、また、その画像断片470の画像断片ID558と関連付けられる。データ570は、差比較値506が第1の閾値552よりも小さいかどうかに関する情報を更に含む。更に、データ570は、第1の閾値(すなわち、計数した画像断片560の総数)を満たしていない画像断片の総数を含む。この事例では、第1の閾値以上である比較値を有する画像断片が、計数した画像断片560の総数に計数される。
いくつかの実施形態において、データ570は、計数した画像断片560の総数が第2の閾値554を超えているかどうかに関する情報を更に含む。示される実施例において、計数した画像断片560の総数は、第2の閾値554を超えている。この事例において、データ570と関連付けられたマイクロプレート370のウエル372は、ウエル372上への流体物質の不適切な分注を示すためにフラグを付けることができる。
図18は、トレイ108の分注評価の結果として生成される例示的な一組のデータ600である。例示される実施例において、トレイ108は、複数のウエル372を含むマイクロプレート370である。いくつかの実施形態において、データ600は、流体物質が分注されたマイクロプレート370を識別するために使用されるマイクロプレートID602を含む。データ600は、マイクロプレートに含まれるウエルの数(すなわち、ウエル604の数)に関する情報、分注日付606、マイクロプレート上に分注した種類の物質(すなわち、物質種類492)、分析に使用した色パラメータ494、分析に使用した比較値502、分析に使用した第1の閾値552、及び分析に使用した第2の閾値554を更に含むことができる。更に、データ600は、フラグ状態608を含む。他の実施形態では、他の情報がデータ600に含まれる。
示されるように、データ600は、第2の閾値554が各ウエル372を満たしているかどうかに関する情報612を含む。上で説明したように、第2の閾値554を満たしていないウエル372には、そのウエル372への不適切な分注を示すように、フラグを付けることができる。そのような情報614もまた、表の第3列に示されるように、データ600に含まれる。
マイクロプレート370への分注の適切さは、全体として、マイクロプレート370のウエル372のフラグ付けの結果に基づいて判定される。マイクロプレート370は、流体物質がマイクロプレート370上に適切に分注されなかったことを示すようにフラグが付けられ、したがって、更なる分析の準備ができていない。フラグ状態608は、マイクロプレート370がフラグ付きであるかどうかを示すために使用される。いくつかの実施形態において、マイクロプレート370は、ウエル372のうちのいずれかにフラグが付けられた場合に、フラグ付きであると判定される。他の実施形態において、マイクロプレート370は、所定の数のウエル372にフラグが付けられた場合に、フラグ付きであるとみなされる。
フラグ状態608は、様々な様態で器具100のユーザに提示される。いくつかの実施形態において、フラグ状態608は、器具100上で提供される画面に表示され、ユーザに、分注の適切さ(したがって、更なる分析の準備)を知らせる。他の実施形態において、フラグ状態608は、ユーザに表示又は印刷することができる報告に含まれる。更に他の実施形態において、データ600の少なくとも一部は、ユーザが参照するために表示又は印刷される。
本明細書で説明されるように、本開示の例示的な一実施形態において、CCDカメラは、マイクロプレート上の各ウエルのカラーデジタル画像を撮影する。例えば、マイクロプレートが120個のウエルを有するときには、120個の色画像を個々の評価のために捕捉することができる。CCDカメラは、画素ごとに3つの個別の信号を出力し、この信号は、RGB色モデルにおける赤、緑、青等の、原色に対応する。各色画像上で、本明細書においてウエルの外側領域と称することができるマイクロプレートの頂面は、例えば、エッジ検出過程に基づいて識別される。ウエルの外側領域は、測光値を分析して、有色の流体物質(例えば、試薬又は試料)がマイクロプレートの表面上へ分注されたかどうかを判定する。一方で、3つの原色のうちの2つは、分注される流体物質の種類に基づいて選択される。次いで、画素ごとに、2つの原色の差及び/又は比率を計算する。計算した差又は比率は、第1の基準値と比較される。この第1の基準値は、流体物質の種類に応じて変動し得る。コンピュータコンソールは、器具100で使用されるコンピュータコンソールに登録される、流体物質ごとの1つ以上の第1の基準値を記憶することができる。一例として、このシステムのコンピュータコンソールは、器具で使用される試薬及び試料の種類について、99個以上の第1の基準値を保持する。各画素について、計算した差又は比率が、第1の基準値を満たしていない(例えば、計算した差又は比率が、第1の基準値を超えている、又はそれ未満である)場合は、1つの画素の値が、計数した画素の合計に加えられる。一例として、各色画像は、560×560のデジタル画像に対して313,600の総画素数を有するので、ウエルの外側領域は、大まかに、約100,000の総画素数を占める。最後に、合計の計数した画素を、第2の基準値と比較する。第2の基準値は、閾値カットオフ値である。合計の計数した画素が第2の基準値よりも大きい場合は、不適切な試薬分注のフラグが付けられる。1つのウエルにフラグが付けられた場合であっても、マイクロプレートの結果全体がフラグ付きになり得る。マイクロプレートのウエルが1つずつ別個に評価されることが示されているが、マイクロプレートの2つ以上のウエルに基づいて、マイクロプレートの特定の領域に基づいて、又はマイクロプレート全体に基づいて、分注の適切さを評価することもできる。
本明細書で論じるように、マイクロプレート上に分注される流体物質(例えば、有色試薬及び/又は血液試料)は、着色される。したがって、マイクロプレートのウエルの間にいかなる溢流又は不適切な分注もない場合、ウエル間の表面の画像は、表面の元々の色(又はマイクロプレートが同じ色で形成された場合は、マイクロプレートの元々の色)を示す。流体物質のマイクロプレート上への分注に失敗した場合、マイクロプレートのウエル間の表面の少なくとも一部分は、マイクロプレートの表面の元々の色と異なって現れる。本明細書で説明されるシステムは、画像を自動的に捕捉し、処理して、画像からの色パラメータに基づいて、マイクロプレート上への流体物質の分注を評価する。
図19〜図21を参照すると、例示的な一組の第1及び第2の閾値、並びに閾値に基づく例示的な試験結果が説明される。この実施例において、第1の閾値552は、十分な分注を伴う画像の間でほぼ最大値であると判定され、第2の閾値554は、外側のウエル領域上の画素数のほぼ1%に対応するように設定される。この実施例において、捕捉した画像はそれぞれ、560×560の解像度を有し、したがって、313,600個の画素を有する。ウエル領域は、165画素の半径を有する円形の頂部分を有し、したがって、約85,530画素のサイズを有する。外側のウエル領域は、約228,070画素(=313,600−85,530画素)のサイズを有する。他の実施例では、第1及び第2の閾値、画像、ウエル領域、及び/又は外側のウエル領域を判定し、異なって設計することができることに留意されたい。
この実施例では、異なる試薬を考慮する。1つの例示的な種類の試薬としては、Beckman Coulter,Inc.によって商品化されている、Diagast試薬が挙げられる。別の例示的な種類の試薬としては、Wako Pure Chemical Industries.Ltdから入手可能なWako試薬が挙げられる。抗A(青)及び抗B(黄)の色は、WHOによって指定されている。色素の種類及び濃度は、異なる製造者の間で異なることに留意されたい。他の例では、TPHAを使用して、茶色を有する抗トレポネーマ抗体を検出することができる。これはまた、同じ又は類似する様態で本開示のシステムによっても検出することができる。
図19は、第1の閾値552及び第2の閾値554の例示的な表700を示す。この実施例において、第1の閾値552は、緑成分と赤成分との比率702、青成分と赤成分との比率704、緑成分と青成分との比率706、緑と赤との間の差708、青と赤との間の差710、及び緑と青との間の差712、のうちの少なくとも1つとすることができる。この実施例において、第2の閾値554は、異なるタイプの第1の閾値552の間で一貫している。他の実施例において、第2の閾値554は、第1の閾値552の種類によって変動し得る。
図20は、図19に示される第1及び第2の閾値に基づいて十分な分注を示す、例示的な試験結果の表730を示す。この実施例では、異なる種類の第1の閾値552について9つの試験が行われる。この実施例では、第1の閾値を超える全ての画素数732は第2の閾値よりも小さい。したがって、分注は、十分であるとみなされる。
図21は、異なる流体物質に応じて、図19に示される第1及び第2の閾値に基づいて不適当な分注を示す、例示的な試験結果の表750を示す。この表において、番号732のうちのいくつか(イタリック体で強調表示される)は、第2の閾値を超えており、これは、不適当な分注を示す。
不適当な分注の検出は、主に、有色流体物質について説明しているが、他の実施形態では、それが適切に分注されるのであれば、無色の流体物質も評価することができる。いくつかの実施例において、システムは、図22に例示するように、トレイ108の周囲部分322を通過する異なる光の屈折率に由来する、1つ以上の色を検出することができる。図22において、左側の光路は、不適当な分注を示し、右側の光路は、十分な分注を示す。右側に示されるように、分注が十分であるときに、周囲部分322は、実質的に平坦なままであり、いかなる屈折も起こらない。しかしながら、分注が不十分であるときに、流体物質は、周囲部分322上に留まり、空中に対して湾曲した境界面を形成する。屈折率は、波長が異なることによって変動するので、光がトレイ108の周囲部分332上の流体物質を通過するときに、異なる波長の光は、異なって屈折する。したがって、トレイ108の画像内で色を検出することができる。周囲部分332において屈折に由来する画像のそのような色を検出することによって、トレイ108上の流体物質の分注を評価することができる。
上記の様々な実施形態は、実例としてのみ提供され、本明細書に添付の特許請求の範囲を制限すると解釈されるべきではない。当業者は、本明細書に説明及び記載された例示の実施形態及び適用例に従わずに、かつ次の特許請求の範囲の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる様々な修正及び変更を容易に認識するだろう。

Claims (14)

  1. 自動化された分析器具内のトレイ上への流体物質の分注を評価する方法であって、
    画像捕捉装置を使用して、前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することであって、前記トレイの前記少なくとも一部分が、受容凹部部分及び前記受容凹部部分の周りの周囲部分を含むことと、
    少なくとも1つのコンピューティング装置、前記画像内の前記トレイの前記少なくとも一部分の前記周囲部分を識別することであって、前記周囲部分を識別することが、
    前記画像を分析することにより、前記画像の第1の画像部分を識別することであって、前記第1の画像部分が、前記トレイの前記周囲部分に対応し、複数の画像断片を含む、こと、及び、
    前記複数の画像断片ごとに、
    前記画像断片の色と関連付けられた値を取得することと、
    前記値を第1の閾値と比較することと、
    前記画像断片の前記値が前記第1の閾値を満たしていない場合に、前記画像断片を、計数した画像断片に指定することと、
    を実行すること、
    を含む、ことと、
    前記トレイの前記少なくとも一部分の前記周囲部分に対応する前記画像の色成分を評価することと、
    前記色成分のうちの少なくとも1つに基づいて、前記流体物質が前記トレイの前記少なくとも一部分の前記周囲部分上に存在するかどうかを判定することと、
    を含む、方法。
  2. 前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉する前に、前記トレイの前記少なくとも一部分上に前記流体物質を分注することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流体物質が前記周囲部分上に存在するかどうかを判定することが、
    前記計数した画像断片の数を第2の閾値と比較することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記計数した画像断片の前記数が前記第2の閾値を満たしていない場合に、前記トレイの前記少なくとも一部分をフラグ付きトレイに指定することを更に含み、前記フラグ付きトレイが、前記トレイの前記少なくとも一部分上への前記流体物質の不適切な分注を表す、請求項に記載の方法。
  5. 前記複数の画像断片が、前記トレイの前記少なくとも一部分の前記画像の複数の画素を含む、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記値が、第1の色パラメータと第2の色パラメータとの間の比率を含み、前記第1及び第2の色パラメータが、互いに異なり、前記画像断片の前記色成分を表す、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1及び第2の色パラメータが、前記画像断片の赤、緑、及び青成分から選択される、請求項に記載の方法。
  8. 前記値が、第1の色パラメータと第2の色パラメータとの間の差を含み、前記第1及び第2の色パラメータが、互いに異なり、前記画像断片の色成分を表す、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することが、前記トレイの一部分の画像を捕捉することを含み、前記トレイの前記一部分が、単一の受容凹部部分を含み、前記周囲部分が、前記単一の受容凹部部分の周りにある、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記トレイの少なくとも一部分の画像を捕捉することが、
    前記トレイの画像を捕捉することと、
    前記トレイの前記画像を複数のサブ画像に分割することであって、各サブ画像が、少なくとも1つの受容凹部部分及び前記少なくとも1つの受容凹部部分の周りの周囲部分を含むことと、
    を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1の閾値が、前記トレイ上に分注された前記流体物質の種類に基づいて判定される、請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記トレイが、少なくとも1つのウエル及び前記少なくとも1つのウエルの周りの少なくとも1つの周囲表面を有するマイクロプレートを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記流体物質が、反応試薬及び血液試料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 自動化された分析装置において分注された流体物質の分注を評価するためのシステムであって、
    複数の受容凹部及び前記複数の受容凹部の周りの複数の周囲部分を含むトレイと、
    流体物質を前記トレイ上に分注するように構成された分注装置と、
    前記トレイの少なくとも一部分の少なくとも1つの画像を捕捉するように構成された画像捕捉装置と、
    少なくとも1つの処理装置と、
    ソフトウェア命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記ソフトウェア命令は、前記少なくとも1つの処理装置によって実行されたときに、前記システムに、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法を行わせる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、
    を備える、システム。
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