JP6969539B2 - 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器 - Google Patents

固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6969539B2
JP6969539B2 JP2018508540A JP2018508540A JP6969539B2 JP 6969539 B2 JP6969539 B2 JP 6969539B2 JP 2018508540 A JP2018508540 A JP 2018508540A JP 2018508540 A JP2018508540 A JP 2018508540A JP 6969539 B2 JP6969539 B2 JP 6969539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
photoelectric conversion
charge
conversion unit
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018508540A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017169216A1 (ja
Inventor
貴志 町田
実 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Sony Group Corp
Original Assignee
Sony Corp
Sony Group Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp, Sony Group Corp filed Critical Sony Corp
Publication of JPWO2017169216A1 publication Critical patent/JPWO2017169216A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6969539B2 publication Critical patent/JP6969539B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/50Control of the SSIS exposure
    • H04N25/57Control of the dynamic range
    • H04N25/59Control of the dynamic range by controlling the amount of charge storable in the pixel, e.g. modification of the charge conversion ratio of the floating node capacitance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/14Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation
    • H01L27/144Devices controlled by radiation
    • H01L27/146Imager structures
    • H01L27/14643Photodiode arrays; MOS imagers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/40Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/40Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled
    • H04N25/46Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled by combining or binning pixels
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/50Control of the SSIS exposure
    • H04N25/57Control of the dynamic range
    • H04N25/58Control of the dynamic range involving two or more exposures
    • H04N25/581Control of the dynamic range involving two or more exposures acquired simultaneously
    • H04N25/585Control of the dynamic range involving two or more exposures acquired simultaneously with pixels having different sensitivities within the sensor, e.g. fast or slow pixels or pixels having different sizes
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/76Addressed sensors, e.g. MOS or CMOS sensors
    • H04N25/77Pixel circuitry, e.g. memories, A/D converters, pixel amplifiers, shared circuits or shared components
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/76Addressed sensors, e.g. MOS or CMOS sensors
    • H04N25/77Pixel circuitry, e.g. memories, A/D converters, pixel amplifiers, shared circuits or shared components
    • H04N25/778Pixel circuitry, e.g. memories, A/D converters, pixel amplifiers, shared circuits or shared components comprising amplifiers shared between a plurality of pixels, i.e. at least one part of the amplifier must be on the sensor array itself

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)

Description

本開示は、固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器に関する。
固体撮像素子において、光電変換部を含む単位画素からは、光電変換によって光電変換部に蓄積される電荷量に対してほぼ線形な出力信号が得られる。そして、固体撮像素子のダイナミックレンジは、単位画素が光電変換部に蓄積できる電荷量(飽和電荷量)とノイズレベルで一義的に決まる。すなわち、固体撮像素子の出力レベルの下限はノイズレベルで限定され、上限は光電変換部の飽和レベルで限定される。その結果、固体撮像素子のダイナミックレンジは、光電変換部の飽和電荷量とノイズレベルで一義的に決まる。
従来、固体撮像素子のダイナミックレンジの拡大を図る技術として、次の3つの方式が知られている。
(1)時分割方式:蓄積時間の違いによる異なる感度で時分割で撮影し、時分割に撮影した複数の画像を合成し、ダイナミックレンジを拡大する(例えば、特許文献1参照)。
(2)空間分割方式:感度が異なる画素を複数設け、これら感度が異なる複数の画素でそれぞれ撮影した複数の画像を合成し、ダイナミックレンジを拡大する(例えば、特許文献2参照)。
(3)画素内メモリ追加方式:各画素内に光電変換部から溢れた電荷を蓄積するメモリを設け、1回の露光期間に蓄積できる電荷量を増やすことによってダイナミックレンジを拡大する(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−346096号公報 特開平5−64083号公報 特開2005−328493号公報
上述した特許文献1乃至特許文献3に記載の従来技術には、次のような問題がある。
(1)特許文献1に記載の時分割方式:時分割の分割数を増やすことによってダイナミックレンジを拡大することができる一方、分割数が増えるとアーチファクトが生じる。
(2)特許文献2に記載の空間分割方式:空間分割の分割数を増やすことによってダイナミックレンジを拡大することができる一方、分割数が増えると解像度の低下等による画質の劣化が発生する。
(3)特許文献3に記載の画素内メモリ追加方式:メモリの容量が限られるため、拡大できるダイナミックレンジに限界がある。
本開示は、時分割方式、空間分割方式、及び、画素内メモリ追加方式とは異なる方式にて、任意に制御可能な感度比で複数の画像を撮影し、ダイナミックレンジを拡大できる固体撮像素子、その駆動方法、及び、当該固体撮像素子を有する電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本開示の固体撮像素子は、
複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
を備え
複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する排出する排出ゲート部を有する。また、上記の目的を達成するための本開示の電子機器は、上記の構成の固体撮像素子を撮像部として有する。
上記の目的を達成するための本開示の固体撮像素子の駆動方法は、
複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部を備え
複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する排出する排出ゲート部を有する、
固体撮像素子の駆動に当たって、
複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動し、かつ、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部で光電変換された電荷に加算することによって複数の光電変換部の感度比を変える。
上記の構成の固体撮像素子、その駆動方法、あるいは、電子機器においては、複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動(間欠的な駆動)を行うという、時分割方式、空間分割方式、及び、画素内メモリ追加方式とは異なる方式により、複数の光電変換部の感度比を任意に制御できる。そして、任意に制御可能な感度比で複数の画像を撮影することで、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
本開示によれば、複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動によって複数の光電変換部の感度比を任意に制御できるため、物理的に感度差をつける場合に比べて、自由にダイナミックレンジを変更できる。
尚、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、これに限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
図1は、本開示の技術が適用されるCMOSイメージセンサのシステム構成の概略を示すシステム構成図である。 図2は、本開示の技術が適用されるCMOSイメージセンサの他のシステム構成の概略を示すシステム構成図(その1)である。 図3は、本開示の技術が適用されるCMOSイメージセンサの他のシステム構成の概略を示すシステム構成図(その2)である。 図4は、本開示の技術の技術が適用されるCMOSイメージセンサの使用例を示す図である。 図5は、第1実施形態に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。 図6は、第1実施形態に係る単位画素の平面レイアウトを示すレイアウト図である。 図7は、第1実施形態に係る単位画素の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 図8Aは、シャッター信号及び転送信号のパルス信号に基づく、信号電荷の蓄積に関する間欠駆動の際の回路動作をより具体的に説明するためのタイミング波形図であり、図8Bは、図8Aの間欠駆動の変形例となるタイミング波形図である。 図9は、第1実施形態に係る単位画素におけるダイナミックレンジ拡大についての説明図である。 図10Aは、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードのサイズが同じ場合のレイアウト図であり、図10Bは、第2のフォトダイオードの方が第1のフォトダイオードよりも大きい場合のレイアウト図である。 図11は、第2実施形態に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。 図12は、第2実施形態に係る単位画素におけるダイナミックレンジ拡大についての説明図である。 図13は、第2実施形態に係る単位画素の回路動作の説明に供するポテンシャル図である。 図14は、第2実施形態の変形例1に係る単位画素の回路動作の説明に供するポテンシャル図である。 図15は、第2実施形態の変形例2に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。 図16は、第2実施形態の変形例2に係る単位画素の回路動作の説明に供するポテンシャル図である。 図17は、第3実施形態に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。 図18は、第3実施形態に係る単位画素の他の回路構成を示す回路図である。 図19は、第3実施形態に係る単位画素における高変換効率モードの回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 図20は、第3実施形態に係る単位画素における低変換効率モードの回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 図21は、第4実施形態に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。 図22は、第4実施形態に係る単位画素の他の回路構成を示す回路図である。 図23は、第4実施形態に係る単位画素の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 図24は、第5実施形態に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。 図25は、第5実施形態に係る単位画素の平面レイアウトを示すレイアウト図である。 図26は、第5実施形態に係る単位画素の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 図27は、入射光量に対する低感度差分信号SNL、高感度差分信号SNH、及び、補正低感度差分信号SNL’の関係を示す図である。 図28Aは、画素信号の演算処理の処理例1についての説明図であり、図28Bは、画素信号の演算処理の処理例2についての説明図である。 図29は、第6実施形態に係る単位画素及びその制御系の構成の一例を示す構成図である。 図30は、第6実施形態に係る単位画素の制御系の処理の流れを示すフローチャートである。 図31は、第6実施形態に係る単位画素の制御系の処理についての説明図である。 図32は、第6実施形態に係る単位画素及びその制御系の構成の他の例を示す構成図である。 図33は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成を示すブロック図である。 図34は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサのシステム構成の概略を示すシステム構成図である。 図35は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサにおける単位画素の内部構成図である。 図36Aは、4水準の参照電圧を用いる被写体輝度評価ユニットの構成例を示す図であり、図36Bは、2水準の参照電圧を用いる被写体輝度評価ユニットの構成例を示す図である。 図37は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサのシステムの立体構成を示す概略斜視図である。 図38は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサにおける、第1の半導体素子層における光電変換部と画素トランジスタの平面レイアウトを示すレイアウト図である。 図39A、図39Bは、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサが画像として撮影する被写体の輝度分布を表すヒストグラムである。 図40は、被写体輝度評価ユニットによる電荷量の評価内容と、露光時間制御ユニットによる露光時間の長さの設定についての説明図である。 図41A、図41Bは、被写体輝度評価ユニットによる電荷量の評価結果に基づき、露光時間制御ユニットによって露光時間の長さが設定された結果を表す図である。 図42は、間欠的な駆動を用いない撮像装置を自動車に搭載した場合における画素データの分析及び撮像条件の制御についての説明図である。 図43は、間欠的な駆動を用いる撮像装置を自動車に搭載した場合における画素データの分析及び撮像条件の制御についての説明図である。 図44は、被写体輝度評価ユニットによる電荷量の評価と、露光時間制御ユニットによる間欠駆動の設定についての処理の流れを示すフローチャートである。 図45は、デューティ比=100%の場合の第1の光電変換部及び第2の光電変換部の露光時間の制御に関するタイミング波形図である。 図46は、デューティ比=50%の場合の第1の光電変換部及び第2の光電変換部の露光時間の制御に関するタイミング波形図である。 図47は、デューティ比=25%の場合の第1の光電変換部及び第2の光電変換部の露光時間の制御に関するタイミング波形図である。 図48は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサの第1の光電変換部と第2の光電変換部との露光動作によって得られる出力電圧をプロットした図である。 図49は、第7実施形態の変形例1に係るCMOSイメージセンサのシステムの立体構成を示す概略斜視図である。 図50は、第7実施形態の変形例2に係るCMOSイメージセンサにおける単位画素の内部構成図である。 図51は、第7実施形態の変形例2に係るCMOSイメージセンサの第2の光電変換部の露光動作によって得られる出力電圧をプロットした図である。 図52は、第7実施形態の変形例3に係るCMOSイメージセンサにおける単位画素の内部構成図である。
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示の技術は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料などは例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器、全般に関する説明
2.本開示の技術が適用される固体撮像素子
2−1.基本的なシステム構成
2−2.他のシステム構成
3.ノイズ除去処理に関する説明
3−1.ノイズ除去処理の処理例1
3−2.ノイズ除去処理の処理例2
4.本開示の技術術が適用される固体撮像素子の使用例
5.第1実施形態(第2のフォトダイオードの信号電荷の排出先が電源VDDの例)
5−1.単位画素の回路構成
5−2.単位画素の回路動作
5−3.ダイナミックレンジの拡大方法
6.第2実施形態(第2のフォトダイオードの信号電荷の排出先が第1のフォトダイオードの例)
6−1.単位画素の回路構成
6−2.単位画素の回路動作
6−3.第2実施形態の変形例1
6−4.第2実施形態の変形例2
7.第3実施形態(FD切替えトランジスタを第1のフォトダイオード側の転送トランジスタとリセットトランジスタとの間に配置する例)
7−1.単位画素の回路構成
7−2.高変換効率モードの回路動作
7−3.低変換効率モードの回路動作
8.第4実施形態(FD切替えトランジスタを第2のフォトダイオード側の転送トランジスタとリセットトランジスタとの間に配置する例)
8−1.単位画素の回路構成
8−2.単位画素の回路動作
9.第5実施形態(第2実施形態、第3実施形態、及び、第4実施形態を合体した例)
9−1.単位画素の回路構成
9−2.単位画素の回路動作
9−3.画素信号の演算処理
10.第6実施形態(フォトダイオードの感度を適応的に制御する例)
10−1.制御系の構成
10−2.制御系の処理の流れ
11.第1実施形態乃至第6実施形態の作用、効果
12.第1実施形態乃至第6実施形態の変形例
13.本開示の電子機器(撮像装置の例)
14.第7実施形態(単位画素の露光時間を画素毎に調整する機構を備える例)
14−1.システム構成
14−2.単位画素の内部構成
14−3.システムの立体構成
14−4.単位画素の平面レイアウト
14−5.1つの露光期間内のある時点での被写体対輝度評価
14−6.画素データの分析及び撮像条件の制御
14−7.露光時間の制御フロー
14−7−1.デューティ比=100%で露光を続ける場合
14−7−2.デューティ比=50%で露光を続ける場合
14−7−3.デューティ比=25%で露光を続ける場合
14−7−4.露光動作によって得られる第1、第2の光電変換部の出力について
14−8.第7実施形態の変形例1(1つの画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットが、複数個の単位画素の制御と信号処理とを担う例)
14−9.第7実施形態の変形例2(単位画素が光電変換部を1個有する例)
14−10.第7実施形態の変形例3(被写体輝度に応じて、画素毎に電荷蓄積部の容量の大きさを変える例)
14−11.第7実施形態の変形例4(露光時間制御と電荷蓄積部の容量制御の双方を備える例)
15.本開示の構成
<本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器、全般に関する説明>
本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、複数の光電変換部について、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成る構成とすることができる。また、単位画素について、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出ゲート部を有する構成とすることができる。
上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、排出ゲート部について、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する構成とすることができる。また、間欠駆動について、排出ゲート部及び第2の転送ゲート部を駆動するパルス信号による間欠的な駆動とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、駆動部について、第2の転送ゲート部及び排出ゲート部を、露光期間において、導通期間が重ならないように、交互に同じ周波数で動作させる構成とすることができる。また、排出ゲート部を形成するゲート電極は、第1の光電変換部の一部と重なるように設けられている構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、排出ゲート部について、第2の光電変換部と第1の光電変換部との間に直列に配置された2つのゲート部から成る構成とすることができる。このとき、2つのゲート部のうち、第1の光電変換部側のゲート部のゲート電極については、第1の光電変換部の一部と重なるように設けられていることが好ましい。
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、単位画素について、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、第1の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第1の切換ゲート部を有する構成とすることができる。また、電荷電圧変換部について、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第1の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、及び、第1の切換ゲート部とリセットトランジスタと第2の転送ゲート部とによって囲まれる第2領域から成る構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、第1の切換ゲート部について、第1の光電変換部の信号電荷を読み出す際に、電荷電圧変換部に関して、高変換効率モードと低変換効率モードとの切替えが可能な構成とすることができる。また、単位画素について、第2領域に接続された容量素子を有する構成とすることができる。
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、単位画素について、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、及び、第2の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第2の切換ゲート部を有する構成とすることができる。また、電荷電圧変換部について、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第2の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、及び、第2の転送ゲート部と第2の切換ゲート部との間に位置する第2領域から成る構成とすることができる。また、単位画素について、第2領域に接続された容量素子を有する構成とすることができる。
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、単位画素について、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、第1の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第1の切換ゲート部、及び、第2の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第2の切換ゲート部を有する構成とすることができる。また、電荷電圧変換部について、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第1の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、第1の切換ゲート部と第2の切換ゲート部とリセットトランジスタとによって囲まれる第2領域、及び、第2の転送ゲート部と第2の切換ゲート部との間に位置する第3領域から成る構成とすることができる。また、単位画素について、第3領域に接続された容量素子を有する構成とすることができる。
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、複数の光電変換部について、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成る構成とすることができる。また、単位画素について、電荷蓄積部、第1の転送ゲート部、第2及び第3の転送ゲート部、第4の転送ゲート部、排出ゲート部、露光時間制御部、並びに、電荷量評価部を有する構成とすることができる。第1の転送ゲート部は、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する。第2及び第3の転送ゲート部は、電荷蓄積部と電荷電圧変換部とのポテンシャルを結合する。第4の転送ゲート部は、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷蓄積部に転送する。排出ゲート部は、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する。露光時間制御部は、第4の転送ゲート部及び排出ゲート部の導通/非導通を制御することによって第2の光電変換部での露光動作の露光時間を制御する。電荷量評価部は、1回の第2の光電変換部での露光動作の期間内のある時点で電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を評価する。このとき、転送ゲート部のゲート電極の下部には、第2の光電変換部から溢れた電荷を電荷蓄積部に転送するオーバーフローパスが形成されていることが好ましい。また、露光時間制御部について、電荷量評価部の評価結果に応じて、1回の第2の光電変換部での露光動作における、電荷量評価部による評価以降の露光時間を制御する構成とすることができる。
本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、
光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、
光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動する駆動部、及び、
光電変換部から得られる信号レベルを基に、当該光電変換部の露光時間を制御する制御系、
を備える構成とすることができる。
また、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、制御系について、被写体輝度評価部及び露光時間制御部を有する構成とすることができる。被写体輝度評価部は、光電変換部から得られる信号レベルに基づいて被写体の輝度を評価する。露光時間制御部は、被写体輝度評価部の評価結果に基づいて、光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動するパルス信号のパルス幅を制御することによって露光時間を制御する。
本開示の固体撮像素子、その駆動方法、及び、電子機器にあっては、光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部を備える構成とすることができる。また、単位画素は、電荷蓄積部、転送ゲート部、排出ゲート部、露光時間制御部、及び、電荷量評価部を有する構成とすることができる。転送ゲート部は、光電変換部で光電変換された電荷を電荷蓄積部に転送する。排出ゲート部は、光電変換部で光電変換された電荷を排出する。露光時間制御部は、転送ゲート部及び排出ゲート部の導通/非導通を制御することによって光電変換部での露光動作の露光時間を制御する。電荷量評価部は、1回の光電変換部での露光動作の期間内のある時点で電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を評価する。また、露光時間制御部について、電荷量評価部の評価結果に応じて、1回の光電変換部における露光動作における、電荷量評価部による評価以降の露光時間を制御する構成とすることができる。
<本開示の技術が適用される固体撮像素子>
[基本的なシステム構成]
図1は、本開示の技術が適用される固体撮像素子、例えばX−Yアドレス方式固体撮像素子の一種であるCMOSイメージセンサの構成の概略を示すシステム構成図である。ここで、CMOSイメージセンサとは、CMOSプロセスを応用して、または、部分的に使用して作成されたイメージセンサである。
本適用例に係るCMOSイメージセンサ10は、図示せぬ半導体基板(半導体チップ)上に形成された画素アレイ部11と、当該画素アレイ部11と同じ半導体基板上に集積された周辺回路部とを有する構成となっている。周辺回路部は、例えば、垂直駆動部12、カラム処理部13、水平駆動部14、及び、システム制御部15から構成されている。
CMOSイメージセンサ10は更に、信号処理部18及びデータ格納部19を備えている。信号処理部18及びデータ格納部19については、本CMOSイメージセンサ10と同じ基板上に搭載しても構わないし、本CMOSイメージセンサ10とは別の基板上に配置するようにしても構わない。また、信号処理部18及びデータ格納部19の各処理については、本CMOSイメージセンサ10とは別の基板に設けられる外部信号処理部、例えば、DSP(Digital Signal Processor)回路やソフトウェアによる処理でも構わない。
画素アレイ部11は、光電変換を行うことで、受光した光量に応じた光電荷を生成しかつ蓄積する光電変換部を含む単位画素(以下、単に「画素」と記述する場合がある)20が行方向及び列方向に、即ち、行列状に2次元配置された構成となっている。ここで、行方向とは画素行の画素の配列方向(即ち、水平方向)を言い、列方向とは画素列の画素の配列方向(即ち、垂直方向)を言う。単位画素20の具体的な回路構成や画素構造の詳細については後述する。
画素アレイ部11において、行列状の画素配列に対して、画素行毎に画素駆動線16(161〜16m)が行方向に沿って配線され、画素列毎に垂直信号線17(171〜17n)が列方向に沿って配線されている。画素駆動線16は、画素から信号を読み出す際の駆動を行うための、後述する駆動信号を伝送する。図1では、画素駆動線16について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。画素駆動線16の一端は、垂直駆動部12の各行に対応した出力端に接続されている。
垂直駆動部12は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部11の各画素を全画素同時あるいは行単位等で駆動する。すなわち、垂直駆動部12は、当該垂直駆動部12を制御するシステム制御部15と共に、画素アレイ部11の各画素を駆動する駆動部を構成している。この垂直駆動部12はその具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
読出し走査系は、単位画素20から信号を読み出すために、画素アレイ部11の単位画素20を行単位で順に選択走査する。単位画素20から読み出される信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対し、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の単位画素20の光電変換部から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換部がリセットされる。そして、この掃出し走査系による不要電荷の掃き出す(リセットする)ことにより、所謂電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換部の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。
読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作または電子シャッタ動作以降に受光した光量に対応するものである。そして、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素における光電荷の露光期間となる。
垂直駆動部12によって選択走査された画素行の各単位画素20から出力される信号は、画素列毎に垂直信号線17の各々を通してカラム処理部13に入力される。カラム処理部13は、画素アレイ部11の画素列毎に、選択行の各画素20から垂直信号線17を通して出力される信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。
具体的には、カラム処理部13は、信号処理として少なくとも、ノイズ除去処理、例えばCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)処理や、DDS(Double Data Sampling)処理を行う。例えば、CDS処理により、リセットノイズや画素20内の増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズが除去される。カラム処理部13にノイズ除去処理以外に、例えば、AD(アナログ−デジタル)変換機能を持たせ、アナログの画素信号をデジタル信号に変換して出力することも可能である。
水平駆動部14は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部13の画素列に対応する単位回路を順番に選択する。この水平駆動部14による選択走査により、カラム処理部13において単位回路ごとに信号処理された画素信号が順番に出力される。
システム制御部15は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成され、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミングを基に、垂直駆動部12、カラム処理部13、及び、水平駆動部14などの駆動制御を行う。
信号処理部18は、少なくとも演算処理機能を有し、カラム処理部13から出力される画素信号に対して演算処理等の種々の信号処理を行う。データ格納部19は、信号処理部18での信号処理に当たって、その処理に必要なデータを一時的に格納する。
上記構成のCMOSイメージセンサ10において、本開示の技術は、単位画素20の回路構成及び単位画素20の駆動部、特に、垂直駆動部12の駆動タイミングを特徴としている。単位画素20の回路構成及び垂直駆動部12の駆動タイミングの具体的な実施形態については後述する。
[他のシステム構成]
本開示の技術が適用されるCMOSイメージセンサ10としては、上述したシステム構成のものに限られるものではない。他のシステム構成として、以下のようなシステム構成のものを挙げることができる。
例えば、図2に示すように、データ格納部19をカラム処理部13の後段に配置し、カラム処理部13から出力される画素信号を、データ格納部19を経由して信号処理部18に供給するシステム構成のCMOSイメージセンサ10Aを挙げることができる。
更には、図3に示すように、画素アレイ部11の列ごとあるいは複数の列ごとにAD変換するAD変換機能をカラム処理部13に持たせるとともに、当該カラム処理部13に対してデータ格納部19及び信号処理部18を並列的に設けるシステム構成のCMOSイメージセンサ10Bを挙げることができる。
<ノイズ除去処理に関する説明>
上述したCMOSイメージセンサ10(10A,10B)において、単位画素20からは、低感度データ信号SL、低感度リセット信号NL、高感度リセット信号NH、及び、高感度データ信号SHの順に、垂直信号線17に対して各信号が出力される。あるいは又、単位画素20からは、高感度リセット信号NH、高感度データ信号SH、低感度データ信号SL、及び、低感度リセット信号NLの順に、垂直信号線17に対して各信号が出力される。
そして、後段の信号処理部、例えば、画1乃至図3に示すカラム処理部13や信号処理部18において、低感度データ信号SL、低感度リセット信号NL、高感度リセット信号NH、及び、高感度データ信号SHに対して所定のノイズ除去処理及び信号処理が行われる。低感度データ信号SL、低感度リセット信号NL、高感度リセット信号NH、及び、高感度データ信号SHを出力する単位画素20の具体的な構成については、後述する実施形態で詳細に説明する。
以下では、低感度データ信号SL、低感度リセット信号NL、高感度リセット信号NH、及び、高感度データ信号SHの順に垂直信号線17に出力する場合を例に挙げて、カラム処理部13におけるノイズ除去処理及び信号処理部18における演算処理の例について説明する。
[ノイズ除去処理の処理例1]
まず、カラム処理部13は、低感度データ信号SLと低感度リセット信号NLとの差分をとることにより、低感度差分信号SNLを生成する。従って、低感度差分信号SNL=低感度データ信号SL−低感度リセット信号NLとなる。次に、カラム処理部13は、高感度データ信号SHと高感度リセット信号NHとの差分をとることにより、高感度差分信号SNHを生成する。従って、高感度差分信号SNH=高感度データ信号SH−高感度リセット信号NHとなる。
このように、処理例1では、低感度の信号SL、NLに対しては、画素20内の増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズは除去されるものの、リセットノイズは除去されないDDS処理が行われる。高感度の信号SH、NHについては、リセットノイズや画素20内の増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズが除去されるCDS処理が行われる。また、処理例1では、フレームメモリを用いる必要がない演算処理であることから、回路構成の簡略化、及び、低コスト化が図れる利点がある。
[ノイズ除去処理の処理例2]
ノイズ除去処理の処理例2では、前のフレームの情報を用いるために、記憶手段、例えば、フレームメモリが必要になる。従って、処理例2の演算処理は、例えば、信号処理部18において、データ格納部19を記憶手段として用いたり、外部のDSP回路において、フレームメモリを用いたりして行うことになる。
具体的には、まず、カラム処理部13は、低感度データ信号SLと、前フレームにおける低感度リセット信号NLとの差分をとることにより、低感度差分信号SNLを生成する。従って、低感度差分信号SNL=低感度データ信号SL−低感度リセット信号NLとなる。次に、カラム処理部13は、高感度データ信号SHと高感度リセット信号NHとの差分をとることにより、高感度差分信号SNHを生成する。従って、高感度差分信号SNH=高感度データ信号SH−高感度リセット信号NHとなる。
このように、ノイズ除去処理の処理例2では、低感度の信号SL、NLについても、リセットノイズや画素20内の増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズが除去されるCDS処理が行われる。従って、処理例2によれば、フレームメモリ等の記憶手段が必要になるものの、処理例1に比べてリセットノイズを大幅に抑制できる利点がある。
<本開示の技術が適用される固体撮像素子の使用例>
次に、本開示の技術が適用されるCMOSイメージセンサの使用例について説明する。図4は、上記構成の本開示の技術が適用されるCMOSイメージセンサの使用例を示す図である。
上述したCMOSイメージセンサ10(10A,10B)は、例えば、以下のように、可視光、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々な装置に使用することができる。
・デジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用途に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の分野で用いる装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビジョン受像機、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電の分野で用いる装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの分野で用いる装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの分野で用いる装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の分野で用いる装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの分野で用いる装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の分野で用いる装置
<第1実施形態>
第1実施形態は、固体撮像素子及びその駆動方法に関し、より具体的には、単位画素20の回路構成及び垂直駆動部12の駆動タイミングの基本形に関する。図5〜図9を用いて、本開示の第1実施形態に係る固体撮像素子及びその駆動方法について説明する。第1実施形態に係る単位画素20の回路構成を図5に示し、第1実施形態に係る単位画素20の平面レイアウトを図6に示す。
[単位画素の回路構成]
第1実施形態に係る単位画素20は、複数の光電変換部として、例えば、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2の2つのフォトダイオードを有する。単位画素20は、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2に加えて、転送トランジスタ(転送ゲート部)21、転送トランジスタ22、シャッタートランジスタ(排出ゲート部)23、リセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25、及び、選択トランジスタ26を有する構成となっている。
尚、ここでは、転送トランジスタ21、転送トランジスタ22、シャッタートランジスタ23、リセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25、及び、選択トランジスタ26の6つのトランジスタとして、例えばN型MOSFETを用いている。但し、ここで例示した6つのトランジスタ21〜26の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。後述する各実施形態においても同様である。
この単位画素20に対して、先述した画素駆動線16(161〜16m)として、複数の画素駆動線が同一画素行の各画素に対して共通に配線されている。これら複数の画素駆動線は、垂直駆動部12の各画素行に対応した出力端に画素行単位で接続されている。垂直駆動部12は、複数の画素駆動線に対して転送信号TG1、転送信号TG2、シャッター信号SHG、リセット信号RST、及び、選択信号SELを適宜出力する。
第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2は、アノード電極が低電位側電源VSS(例えば、グランド)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。第1のフォトダイオードPD1のカソード電極は、転送トランジスタ21を介して増幅トランジスタ25のゲート電極と電気的に接続されている。同様に、第2のフォトダイオードPD2のカソード電極は、転送トランジスタ22を介して増幅トランジスタ25のゲート電極と電気的に接続されている。
ここで、増幅トランジスタ25のゲート電極が電気的に繋がった領域は、フローティングディフュージョン(浮遊拡散領域/不純物拡散領域)FDである。フローティングディフュージョンFDは、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
転送トランジスタ21のゲート電極21Gには、高レベル(例えば、VDDレベル)がアクティブとなる転送信号TG1が垂直駆動部12から与えられる。転送トランジスタ21は、転送信号TG1に応答して導通状態となることで、第1のフォトダイオードPD1で光電変換され、当該フォトダイオードPD1に蓄積された光電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。転送トランジスタ22のゲート電極22Gには、高レベルがアクティブとなる転送信号TG2が垂直駆動部12から与えられる。転送トランジスタ22は、転送信号TG2に応答して導通状態となることで、第2のフォトダイオードPD2で光電変換され、当該フォトダイオードPD2に蓄積された光電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
シャッタートランジスタ23は、第2のフォトダイオードPD2のカソード電極と高電位側電源VDDとの間に接続されている。シャッタートランジスタ23のゲート電極23Gには、高レベルがアクティブとなるシャッター信号SHGが垂直駆動部12から与えられる。シャッタートランジスタ23は、シャッター信号SHGに応答して導通状態となることで、第2のフォトダイオードPD2に蓄積された電荷を、例えば高電位側電源VDDに排出する(捨てる)。すなわち、本実施形態では、高電位側電源VDDが第2のフォトダイオードPD2の電荷の排出部となっている。
リセットトランジスタ24は、高電位側電源VDDとフローティングディフュージョンFDとの間に接続されている。リセットトランジスタ24のゲート電極24Gには、高レベルがアクティブとなるリセット信号RSTが垂直駆動部12から与えられる。リセットトランジスタ24は、リセット信号RSTに応答して導通状態となり、フローティングディフュージョンFDの電荷を高電位側電源DDのノードに捨てることによってフローティングディフュージョンFDをリセットする。
増幅トランジスタ25は、ゲート電極25GがフローティングディフュージョンFDに、ドレイン電極が高電位側電源VDDにそれぞれ接続されている。増幅トランジスタ25は、第1のフォトダイオードPD1又は第2のフォトダイオードPD2での光電変換によって得られる信号を読み出すソースフォロワの入力部となる。すなわち、増幅トランジスタ25は、ソース電極が選択トランジスタ26を介して垂直信号線17に接続される。そして、増幅トランジスタ25と、垂直信号線17の一端に接続される電流源31とは、フローティングディフュージョンFDの電圧を垂直信号線17の電位に変換するソースフォロワを構成している。
選択トランジスタ26は、例えば、ドレイン電極が増幅トランジスタ25のソース電極に、ソース電極が垂直信号線17にそれぞれ接続されている。選択トランジスタ26のゲート電極26Gには、高レベルがアクティブとなる選択信号SELが垂直駆動部12から与えられる。選択トランジスタ26は、選択信号SELに応答して導通状態となることで、単位画素20を選択状態として増幅トランジスタ25から出力される信号を垂直信号線17に伝達する。
尚、選択トランジスタ26については、高電位側電源VDDと増幅トランジスタ25のドレイン電極との間に接続する回路構成を採ることも可能である。また、本例では、単位画素20の画素回路として、転送トランジスタ21、転送トランジスタ22、シャッタートランジスタ23、リセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25、及び、選択トランジスタ26から成る、即ち6つのトランジスタ(Tr)から成る6Tr構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、選択トランジスタ26を省略し、増幅トランジスタ25に選択トランジスタ26の機能を持たせる5Tr構成とすることもできるし、必要に応じて、トランジスタの数を増やした構成とすることもできる。後述する各実施形態においても同様である。
[単位画素の回路動作]
次に、上記の構成の第1実施形態に係る単位画素20の回路動作について、図7のタイミング波形図を用いて説明する。図7には、垂直駆動部12から出力される、選択信号SEL、リセット信号RST、転送信号TG1、転送信号TG2、及び、シャッター信号SHGの各波形を示している。
時刻t11でリセット信号RSTをアクティブ状態(高レベル状態)にすることによって、リセットトランジスタ24を導通状態にし、リセット信号RSTのアクティブ期間における時刻t12で転送信号TG1及び転送信号TG2をアクティブ状態する。これにより、転送トランジスタ21及び転送トランジスタ22が導通状態になるため、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2がリセットされる。もちろん、リセット信号RSTがアクティブ状態になり、リセットトランジスタ24が導通状態になることにより、フローティングディフュージョンFDもリセットされる。
リセット信号RSTのアクティブ期間において、時刻t13で転送信号TG1を非アクティブ状態(低レベル状態)にし、転送トランジスタ21を非導通状態にすることで、第1のフォトダイオードPD1において、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD1への蓄積が開始される(露光開始)。第2のフォトダイオードPD2においても、時刻t13で転送信号TG2を非アクティブ状態にし、転送トランジスタ22を非導通状態にすることで、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD2への蓄積が開始される。
次に、時刻t14でリセット信号RSTを非アクティブ状態にし、リセットトランジスタ24を非導通状態にした後、シャッター信号SHG及び転送信号TG2のアクティブ状態/非アクティブ状態を交互に繰り返す。シャッター信号SHGがアクティブ状態になると、シャッタートランジスタ23が導通状態になるため、第2のフォトダイオードPD2に蓄積された信号電荷が高電位側電源VDDに排出される。また、転送信号TG2がアクティブ状態になると、転送トランジスタ22が導通状態になるため、第2のフォトダイオードPD2に蓄積された信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この動作を、時刻t14以降の露光期間に交互に繰り返すと、露光期間に第2のフォトダイオードPD2で光電変換した信号電荷のうち、シャッター信号SHGのアクティブ期間を除く、転送信号TG2のアクティブ期間だけで発生した信号電荷のみがフローティングディフュージョンFDに転送される。そして、この第2のフォトダイオードPD2から転送された信号電荷は、フローティングディフュージョンFDで蓄積/保持される。すなわち、時刻t14以降の露光期間において、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関して、シャッター信号SHG及び転送信号TG2のパルス信号による間欠的な駆動(以下、単に「間欠駆動」と記述する場合がある)が行われる。
フローティングディフュージョンFDで電荷電圧変換された信号の読出しは、フローティングディフュージョンFDに蓄積した第2のフォトダイオードPD2の信号から先に行う。
具体的には、時刻t15で選択信号SELをアクティブ状態にし、選択トランジスタ26を導通状態にして単位画素20を選択状態にする。これにより、フローティングディフュージョンFDに蓄積されている第2のフォトダイオードPD2の信号を、増幅トランジスタ25及び選択トランジスタ26を介して垂直信号線17に読み出す。このとき読み出される第2のフォトダイオードPD2の信号が、先述した低感度データ(D相)信号SLである。
その後、選択信号SELのアクティブ期間、即ち、単位画素20の選択期間において、時刻t16でリセット信号RSTをアクティブ状態にし、リセットトランジスタ24を導通状態にすることで、フローティングディフュージョンFDをリセットする。そして、時刻t17でリセット信号RSTを非アクティブ状態にした後、フローティングディフュージョンFDのレベルを垂直信号線17に読み出す。このとき読み出される信号が、先述した低感度リセット(P相)信号NLである。このときの低感度リセット(P相)信号NLは、次の第1のフォトダイオードPD1のための、先述した高感度リセット(P相)信号NHでもある。
次に、選択信号SELのアクティブ期間において、時刻t18で転送信号TG1をアクティブ状態にし、転送トランジスタ21を導通状態にして、第1のフォトダイオードPD1で露光/蓄積した信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。そして、転送した第1のフォトダイオードPD1の信号電荷に基づくフローティングディフュージョンFDのレベルを、増幅トランジスタ25及び選択トランジスタ26を介して垂直信号線17に読み出す。このとき読み出される第1のフォトダイオードPD1の信号が、先述した高感度データ(D相)信号SHである。
上述したシャッター信号SHG及び転送信号TG2のパルス信号に基づく、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動の際の回路動作について、図8Aのタイミング波形図を用いてより詳しく説明する。この間欠駆動は、転送トランジスタ22及びシャッタートランジスタ23を、露光期間において、導通期間が重ならないように、交互に同じ周波数で動作させることによって実現される。
図8Aのタイミング波形図は、シャッター信号SHG及び転送信号TG2を、それぞれT11,T12のアクティブ時間で交互に駆動している状態を表している。これにより、全露光期間×T11/(T11+T12)で光電変換した信号電荷のみを転送トランジスタ22を介してフローティングディフュージョンFDに転送することになる。つまり、実効的に感度をT11/(T11+T12)に落とすことができる。このT11,T12の時間を変えれば、任意の感度調整を行うことができる。
因みに、1回の短シャッタでもシャッタ時間で感度の低下を実現できるが、LED照明下での撮像の場合には、LEDフリッカなどの問題が生じてしまう。LEDは、常時点灯ではなくある周波数で点滅している。このため、短シャッタにしたときに、露光タイミングがこのLED点滅の消灯タイミングと重なると、LEDが消えた画素が取れてしまう。これがLEDフリッカである。従って、LEDフリッカなどの観点からすると、1回の短シャッタは好ましくない。
尚、図8Aの駆動タイミングに基づく動作では、シャッター信号SHGと転送信号TG2とを排他的に動作させているが、これに限られるものではない。すなわち、信号電荷を完全転送ができるパルス幅があれば、図8Bの駆動タイミングに基づく動作でも構わない。具体的には、シャッター信号SHG及び転送信号TG2の一方のパルス信号を立ち下げてから他方のパルス信号を立ち下げるまでの期間が、T11,T12の時間となることで、図8Aの駆動タイミングに基づく動作の場合と同様の効果を得ることができる。
[ダイナミックレンジの拡大方法]
次に、第1実施形態に係る単位画素20において、上述した回路動作によって読み出した信号電荷を用いて、ダイナミックレンジを拡大する方法について、図9を用いて説明する。
図9において、横軸は入射光の光量、縦軸は出力(電子数)を表している。第1のフォトダイオードPD1の単位時間当たりの感度をα、第2のフォトダイオードPD2の単位時間当たりの感度をβとする。第1のフォトダイオードPD1の出力は光量に対し感度αの傾きで増加し、第1のフォトダイオードPD1の飽和レベルに達したところで収束する。一方、第2のフォトダイオードPD2の出力は光量に対し、β×{T11/(T11+T12)}の傾きで増加し、転送トランジスタ22で転送する先のフローティングディフュージョンFDが飽和に達したところで収束する。
図9では、第1のフォトダイオードPD1の飽和レベルよりもフローティングディフュージョンFDの飽和レベルが大きいとして書いているが、同程度でも、フローティングディフュージョンFDの方が小さくても破綻はしない。ただし、ダイナミックレンジ拡大の効果については、フローティングディフュージョンFDの飽和レベルをより大きくした方が効果も大きくなる。
このようにして、第2のフォトダイオードPD2の信号を、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2の感度比の分だけゲインアップし、第1のフォトダイオードPD1の傾き(感度)と同じにした出力を得る。そして、第1のフォトダイオードPD1の飽和前の光量は第1のフォトダイオードPD1の信号を使い、それ以上の光量ではゲインアップした第2のフォトダイオードPD2の信号を使うことで、ダイナミックレンジを拡大することができる。
尚、全領域をゲインアップした第2のフォトダイオードPD2の出力を使う、というのは不適である。何故なら、第2のフォトダイオードPD2はフローティングディフュージョンFDでの保持を前提としているため、第1のフォトダイオードPD1と比べてノイズ成分が大きい。そのため、出力の小さい領域では出力に対するノイズの影響が大きくなってしまう。
上述したように、第1実施形態に係る固体撮像素子及びその駆動方法では、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関して、露光期間において、シャッター信号SHG及び転送信号TG2のパルス信号によって間欠駆動する。ここで、第1のフォトダイオードPD1の信号電荷の蓄積に関しては、第1のフォトダイオードPD1の感度を相対的に高く設定することから、露光期間の全体で(デューティ比100%で)信号電荷の蓄積が行われる。この第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠的な駆動により、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2の感度比を制御できる。
そして、任意に制御可能な感度比で複数の画像を撮影することで、上述したように、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。また、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠的な駆動によって第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2の感度比を任意に制御できることで、物理的に感度差をつける場合に比べて、自由にダイナミックレンジを変更できる。
また、信号電荷の蓄積に関する間欠的な駆動によって第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2の感度差を制御できることで、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2のサイズの大小関係を問わなくて済む。すなわち、図10Aに示すよう、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2が同じ大きさでも、図10Bに示すように、第2のフォトダイオードPD2の方が第1のフォトダイオードPD1よりも大きい構造でも構わない。このように、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2のサイズの大小関係を問わないことで、単位画素20のレイアウトの自由度を上げることができる。
<第2実施形態>
第2のフォトダイオードPD2の電荷の排出先を、第1実施形態では、高電位側電源VDDとしているのに対し、第2実施形態では、第1のフォトダイオードPD1としている。図11〜図13を用いて、本開示の第2実施形態に係る固体撮像素子及びその駆動方法について説明する。図11は、第2実施形態に係る単位画素20の回路構成を示す回路図である。
[単位画素の回路構成]
第2実施形態に係る単位画素20の構成素子は、第1実施形態に係る単位画素20の構成素子と同じである。すなわち、第2実施形態に係る単位画素20は、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2に加えて、転送トランジスタ21、転送トランジスタ22、シャッタートランジスタ23、リセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25、及び、選択トランジスタ26を有する構成となっている。
そして、シャッタートランジスタ23は、第1のフォトダイオードPD1のカソード電極と第2のフォトダイオードPD2のカソード電極との間に接続されている。すなわち、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷を高電位側電源VDDに排出するのではなく、第1のフォトダイオードPD1に排出し、当該フォトダイオードPD1の信号電荷に加算する構成となっている。
第2実施形態に係る単位画素20におけるダイナミックレンジ拡大についての説明図を図12に示す。図12に示すように、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷を第1のフォトダイオードPD1の信号電荷に加算することにより、第1のフォトダイオードPD1の感度が、α+β×{T12/(T11+T12)}と、第1実施形態より大きくなる。これにより、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2とにより感度差をつけることができるため、ダイナミックレンジをより拡大することができる。
[単位画素の回路動作]
次に、上記の構成の第2実施形態に係る単位画素20の回路動作について、図13のポテンシャル図を用いて説明する。
図13の最上部には、転送トランジスタ22−第2のフォトダイオードPD2−シャッタートランジスタ23−第1のフォトダイオードPD1−転送トランジスタ21の断面構造を示している。また、状態1、状態2、及び、状態3には、各動作時の上記の断面のポテンシャルを表している。尚、図13の各動作状態では、簡単のため、第1のフォトダイオードPD1で発生した信号電荷については図示していないが、実動作では、第2のフォトダイオードPD2に信号電荷が発生するのと同じように、第1のフォトダイオードPD1にも信号が発生する。
図11に示すように、シャッタートランジスタ23は、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2との間に設けられている。この場合、第1のフォトダイオードPD1のポテンシャルについては、第2のフォトダイオードPD2のポテンシャルよりも深くなるように設定する(状態1)。
このようなポテンシャル関係の下で、シャッター信号SHG及び転送信号TG2のパルス信号による、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動が行われる。この間欠駆動において、シャッター信号SHGのアクティブ期間では、シャッタートランジスタ23のゲート電極23G下のポテンシャルが深くなるため、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷が第1のフォトダイオードPD1へ転送される(状態2)。これにより、図12で説明したように、第1のフォトダイオードPD1の感度向上の効果が得られる。
また、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動において、転送信号TG2のアクティブ期間では、転送トランジスタ22のゲート電極22G下のポテンシャルが深くなるため、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(状態3)。
[第2実施形態の変形例1]
図14は、第2実施形態の変形例1に係る単位画素20の回路動作の説明に供するポテンシャル図である。図14の最上部には、転送トランジスタ22−第2のフォトダイオードPD2−シャッタートランジスタ23−第1のフォトダイオードPD1−転送トランジスタ21の断面構造を示している。
図14に示すように、第2実施形態の変形例1では、シャッタートランジスタ23のゲート電極23Gを第1のフォトダイオードPD1の上まで延伸させた画素構造となっている。すなわち、シャッタートランジスタ23のゲート電極23Gは、第1のフォトダイオードPD1の一部と重なるように設けられている。このとき、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2のポテンシャル関係については、同程度であってもよい(状態1)。あるいは又、第2のフォトダイオードPD2の方が第1のフォトダイオードPD1よりも浅くてもよい。
このような画素構造にすることで、シャッター信号SHGアクティブ状態にし、シャッタートランジスタ23を導通状態としたとき、シャッタートランジスタ23のゲート電極23G下のポテンシャルと同時に、第1のフォトダイオードPD1のポテンシャルも深くなる(状態2)。従って、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2のポテンシャルが同程度であっても、第2のフォトダイオードPD2 から第1のフォトダイオードPD1へ信号電荷を転送することができる。
[第2実施形態の変形例2]
図15は、第2実施形態の変形例2に係る単位画素の回路構成を示す回路図である。また、変形例2に係る単位画素20の回路動作の説明に供するポテンシャル図を図16に示す。図16の最上部には、転送トランジスタ22−第2のフォトダイオードPD2−シャッタートランジスタ23−第1のフォトダイオードPD1−転送トランジスタ21の断面構造を示している。
第2実施形態の変形例2では、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2との間に、排出ゲート部として、シャッタートランジスタ23とシャッタートランジスタ27の2つのシャッタートランジスタを直列に配置した画素構造となっている。この変形例2に係る画素構造は、変形例1に係る画素構造のシャッタートランジスタ23を2つに分割した形態である。具体的には、図16の最上部に示すように、直列に配置された2つのシャッタートランジスタのうち、第1のフォトダイオードPD1側のシャッタートランジスタ27はそのゲート電極27Gが、第1のフォトダイオードPD1の一部と重なるように設けられている。
続いて、図16のポテンシャル図を参照して、変形例2に係る画素構造の回路動作について説明する。ここでは、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2のポテンシャル関係を同程度に設定している(状態1)。この状態で、シャッタートランジスタ23を駆動するシャッター信号SHG1と、シャッタートランジスタ27を駆動するシャッター信号SHG2とを、これまでのシャッター信号SHGと同じタイミングで同時にアクティブ状態にする(状態2)。
また、シャッター信号SHG1とシャッター信号SHG2とを非アクティブ状態にするときに、シャッター信号SHG1を先に非アクティブ状態にしてから、シャッター信号SHG2を非アクティブ状態にするという回路動作を行う(状態3)。転送信号TG2のアクティブ期間では、転送トランジスタ22のゲート電極22G下のポテンシャルが深くなるため、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(状態4)。
第2実施形態の変形例2では、状態3のような回路動作を行う、即ち、シャッター信号SHG1を先に非アクティブ状態にしてから、シャッター信号SHG2を非アクティブ状態にすることを特徴としている。このような回路動作とすることにより、第2のフォトダイオードPD2と第1のフォトダイオードPD1との間において、シャッタートランジスタ23を先に非導通状態にすることができる。従って、シャッタートランジスタ23及びシャッタートランジスタ27の動作時に、第1のフォトダイオードPD1から第2のフォトダイオードPD2に電荷が逆流することを防止できる。換言すれば、第1のフォトダイオードPD1と第2のフォトダイオードPD2のポテンシャル関係を自由に設定できるため、当該ポテンシャル関係の設定の自由度が上がる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態に係る単位画素20において、第1のフォトダイオードPD1側の転送トランジスタ21とリセットトランジスタ24との間に、第1の切換ゲート部としてFD切替えトランジスタ281を配置した例である。第3実施形態に係る単位画素20の回路構成を図17に示す。
[単位画素の回路構成]
図17に示すように、転送トランジスタ21とリセットトランジスタ24との間にFD切替えトランジスタ281を配置することにより、第2実施形態に係る単位画素20でフローティングディフュージョンFDとしている部分が2つに分割されたことと等価となる。この2つに分割された部分のうち、転送トランジスタ21と増幅トランジスタ25とFD切替えトランジスタ281とによって囲まれる第1領域をフローティングディフュージョンFD11とし、FD切替えトランジスタ281とリセットトランジスタ24と転送トランジスタ22とによって囲まれる第2領域をフローティングディフュージョンFD12とする。FD切替えトランジスタ281のゲート電極には、高レベルがアクティブとなるスイッチ信号SW1が垂直駆動部12(図1参照)から与えられる。
FD切替えトランジスタ281を駆動するスイッチ信号SW1による制御により、第1のフォトダイオードPD1の信号電荷を読み出す際に、フローティングディフュージョンFDに関して、高変換効率モードと低変換効率モードの2つのモードの切替えが可能になる。高変換効率モードでは、フローティングディフュージョンFD11だけを電荷電圧変換部として使う動作となる。低変換効率モードでは、FD切替えトランジスタ281を導通状態にしてフローティングディフュージョンFD11とフローティングディフュージョンFD12とを電荷電圧変換部として使う動作となる。
第3実施形態に係る単位画素20によれば、転送トランジスタ21とリセットトランジスタ24との間に配置したFD切替えトランジスタ281により、高変換効率モードと低変換効率モードとを任意に切り替えて動作させることができる。高変換効率モード及び低変換効率モードの動作の詳細については後述する。
また、FD切替えトランジスタ281により、フローティングディフュージョンFD12を、フローティングディフュージョンFD11と分離できるため、図18に示すように、フローティングディフュージョンFD12に容量素子Capを付加することができる。容量素子Capとしては、MOS(Metal Oxide Semiconductor)容量やMIM(Metal Insulator Metal)容量などを例示することができる。
フローティングディフュージョンFD12に容量素子Capを付加することにより、フローティングディフュージョンFD12による電荷電圧変換の際の変換効率を下げ、保持できる信号電荷を増大させることができるため、ダイナミックレンジを更に拡大することが可能となる。
尚、転送トランジスタ21とリセットトランジスタ24との間にFD切替えトランジスタ281を配置しなくても、容量素子Capを付加すること自体は可能である。但し、第1のフォトダイオードPD1の信号電荷を読み出す際の変換効率も下がってしまうことになるため、ダイナミックレンジ拡大の観点からすると、FD切替えトランジスタ281を配置しない構成は好ましくない。
[高変換効率モードの回路動作]
第3実施形態に係る単位画素20における高変換効率モードの回路動作について、図19のタイミング波形図を用いて説明する。図19には、垂直駆動部12から出力される、選択信号SEL、スイッチ信号SW1、リセット信号RST、転送信号TG1、転送信号TG2、及び、シャッター信号SHGの各波形を示している。
露光開始前に、第1のフォトダイオードPD1、第2のフォトダイオードPD2、フローティングディフュージョンFD11、及び、フローティングディフュージョンFD12をリセットするために、時刻t21でスイッチ信号SW1及びリセット信号RSTをアクティブ状態にする。しかる後、時刻t22で転送信号TG1及び転送信号TG2をアクティブ状態にする。
リセット信号RSTのアクティブ期間において、時刻t23で転送信号TG1を非アクティブ状態(低レベル状態)にし、転送トランジスタ21を非導通状態にすることで、第1のフォトダイオードPD1において、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD1への蓄積が開始される(露光開始)。第2のフォトダイオードPD2においても、時刻t23で転送信号TG2を非アクティブ状態にし、転送トランジスタ22を非導通状態にすることで、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD2への蓄積が開始される。
時刻t23での露光開始以降の回路動作については、第1実施形態の場合と同じであるため、ここでの説明は省略する。尚、図19のタイミング波形図では、露光期間中、スイッチ信号SW1を非アクティブ状態としているが、アクティブ状態のままでも構わない。
露光期間における、シャッター信号SHG及び転送信号TG2による、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動の後、時刻t25で選択信号SELをアクティブ状態にし、選択トランジスタ26を導通状態にすることで、単位画素20を選択状態にする。
その後、選択信号SELのアクティブ期間、即ち、単位画素20の選択期間において、時刻t26でスイッチ信号SW1をアクティブ状態にし、FD切替えトランジスタ281を導通状態にする。そして、第2のフォトダイオードPD2のD相(低感度データ信号SL)を、FD切替えトランジスタ281、増幅トランジスタ25、及び、選択トランジスタ26を通して垂直信号線17に読み出す。露光期間中、スイッチ信号SW1をアクティブ状態にしていた場合はそのままアクティブ状態を継続する。
次に、時刻t27でリセット信号RSTをアクティブ状態にし、リセットトランジスタ24を導通状態にすることで、フローティングディフュージョンFD11及びフローティングディフュージョンFD12をリセットする。そして、時刻t28でリセット信号RSTを非アクティブ状態にした後、フローティングディフュージョンFD(FD11+FD12)のレベルを、第2のフォトダイオードPD2のP相(低感度リセット信号NL)として垂直信号線17に読み出す。
その後、時刻t29でスイッチ信号SW1を非アクティブ状態にし、FD切替えトランジスタ281を非導通状態にすることで、フローティングディフュージョンFDがフローティングディフュージョンFD11だけになる。この状態において、フローティングディフュージョンFD11のレベルを、第1のフォトダイオードPD1のP相(低感度リセット信号NL)として垂直信号線17に読み出す。
次に、時刻t30で転送信号TG1をアクティブ状態にし、転送トランジスタ21を導通状態にして、第1のフォトダイオードPD1で露光/蓄積した信号電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送する。そして、フローティングディフュージョンFD11のレベルを、第1のフォトダイオードPD1のD相(高感度データ信号SH)として垂直信号線17に読み出す。しかる後、時刻t31で転送信号TG1を非アクティブ状態にする。
[低変換効率モードの回路動作]
続いて、第3実施形態に係る単位画素20における低変換効率モードの回路動作について、図20のタイミング波形図を用いて説明する。図20には、図19と同様に、垂直駆動部12から出力される、選択信号SEL、スイッチ信号SW1、リセット信号RST、転送信号TG1、転送信号TG2、及び、シャッター信号SHGの各波形を示している。
低変換効率モードの場合は、図20のタイミング波形図に示すように、時刻t26でアクティブ状態にしたスイッチ信号SW1を、選択信号SELのアクティブ期間において、転送信号TG1を非アクティブ状態にした時刻t31以降の時刻t32で非アクティブ状態にする。これにより、フローティングディフュージョンFDがFD11+FD12の状態において、第1のフォトダイオードPD1のP相(低感度リセット信号NL)及びD相(高感度データ信号SH)を、垂直信号線17に読み出すことになる。
尚、以上では、第3実施形態に係る単位画素20の回路構成について、第2実施形態に係る単位画素20の回路構成をベースに説明したが、第1実施形態に係る単位画素20の回路構成に、FD切替えトランジスタ281を加える回路構成でも、同様の作用、効果を得ることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態の変形例である。第3実施形態は、FD切替えトランジスタ281を第1の切換ゲート部として、第1のフォトダイオードPD1側の転送トランジスタ21とリセットトランジスタ24との間に、配置する例である。これに対して、第4実施形態では、FD切替えトランジスタ282を第2の切換ゲート部として、第2のフォトダイオードPD2側の転送トランジスタ22とリセットトランジスタ24との間に配置する例である。第4実施形態に係る単位画素20の回路構成を図21に示す。
[単位画素の回路構成]
図21に示すように、転送トランジスタ22とリセットトランジスタ24との間にFD切替えトランジスタ282を配置することにより、第2実施形態に係る単位画素20でフローティングディフュージョンFDとしている部分が2つに分割されたことと等価となる。この2つに分割された部分のうち、転送トランジスタ21と増幅トランジスタ25とFD切替えトランジスタ282とによって囲まれる第1領域をフローティングディフュージョンFD21とし、転送トランジスタ22とFD切替えトランジスタ282との間に位置する第2領域をフローティングディフュージョンFD22とする。FD切替えトランジスタ282のゲート電極には、高レベルがアクティブとなるスイッチ信号SW2が垂直駆動部12(図1参照)から与えられる。
第4実施形態に係る単位画素20によれば、転送トランジスタ22とリセットトランジスタ24との間にFD切替えトランジスタ282を配置したことにより、第1のフォトダイオードPD1の信号を、第2のフォトダイオードPD2の信号よりも先に読み出すことができるようになる。
また、FD切替えトランジスタ282により、フローティングディフュージョンFD22を、フローティングディフュージョンFD21と分離できるため、図22に示すように、フローティングディフュージョンFD22に容量素子Capを付加することができる。これにより、フローティングディフュージョンFD22の変換効率を下げ、保持できる信号電荷を増大させることができるため、ダイナミックレンジを更に拡大することが可能となる。
尚、転送トランジスタ22とリセットトランジスタ24との間にFD切替えトランジスタ282を配置しなくても、容量素子Capを付加すること自体は可能である。但し、第1のフォトダイオードPD1の信号電荷を読み出す際の変換効率も下がってしまうことになるため、ダイナミックレンジ拡大の観点からすると、FD切替えトランジスタ282を配置しない構成は好ましくない。
[単位画素の回路動作]
次に、上記の構成の第4実施形態に係る単位画素20の回路動作について、図23のタイミング波形図を用いて説明する。図23には、垂直駆動部12から出力される、選択信号SEL、スイッチ信号SW2、リセット信号RST、転送信号TG1、転送信号TG2、及び、シャッター信号SHGの各波形を示している。
第4実施形態の場合の回路動作は、第1のフォトダイオードPD1の信号を、第2のフォトダイオードPD2の信号よりも先に読み出すモードの動作となる。このモードの動作について、以下に具体的に説明する。
露光開始前に、第1のフォトダイオードPD1、第2のフォトダイオードPD2、フローティングディフュージョンFD21、及び、フローティングディフュージョンFD22をリセットするために、時刻t41でスイッチ信号SW2及びリセット信号RSTをアクティブ状態にする。しかる後、時刻t42で転送信号TG1及び転送信号TG2をアクティブ状態にする。
次に、リセット信号RSTのアクティブ期間において、時刻t43で転送信号TG1を非アクティブ状態にし、転送トランジスタ21を非導通状態にすることで、第1のフォトダイオードPD1において、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD1への蓄積が開始される(露光開始)。第2のフォトダイオードPD2においても、時刻t43で転送信号TG2を非アクティブ状態にし、転送トランジスタ22を非導通状態にすることで、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD2への蓄積が開始される。
時刻t43での露光開始以降の回路動作については、第1実施形態の場合と同じであるため、ここでの説明は省略する。図23の例では、露光期間中、スイッチ信号SW2を非アクティブ状態にする。
露光期間における、シャッター信号SHG及び転送信号TG2による、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動の後、時刻t45で選択信号SELをアクティブ状態にし、選択トランジスタ26を導通状態にすることで、単位画素20を選択状態にする。
その後、選択信号SELのアクティブ期間、即ち、単位画素20の選択期間において、時刻t46でリセット信号RSTをアクティブ状態にし、リセットトランジスタ24を導通状態にすることで、フローティングディフュージョンFD21をリセットする。そして、時刻t47でリセット信号RSTを非アクティブ状態にした後、フローティングディフュージョンFD21のレベルを、第1のフォトダイオードPD1のP相(高感度リセット信号NH)として垂直信号線17に読み出す。
次いで、時刻t48で転送信号TG1をアクティブ状態にし、転送トランジスタ21を導通状態にして、第1のフォトダイオードPD1で露光/蓄積した信号電荷をフローティングディフュージョンFD21に転送する。そして、フローティングディフュージョンFD21のレベルを、第1のフォトダイオードPD1のD相(高感度データ信号SH)として垂直信号線17に読み出す。
次に、時刻t50でリセット信号RSTをアクティブ状態にし、リセットトランジスタ24を導通状態にすることで、フローティングディフュージョンFD21をリセットし、次いで、時刻t51でリセット信号RSTを非アクティブ状態にする。その後、時刻t52でスイッチ信号SW2をアクティブ状態にし、FD切替えトランジスタ282を導通状態にする。
FD切替えトランジスタ282が導通状態になることで、フローティングディフュージョンFD22に蓄積していた第2のフォトダイオードPD2の信号電荷が、フローティングディフュージョンFD(FD21+FD22)で保持される。そして、この保持状態でのフローティングディフュージョンFDのレベルを、第2のフォトダイオードPD2のD相(低感度データ信号SL)として垂直信号線17に読み出す。
次に、スイッチ信号SW2のアクティブ期間において、時刻t53でリセット信号RSTをアクティブ状態にし、リセットトランジスタ24を導通状態にすることで、フローティングディフュージョンFD22をリセットする。そして、時刻t54でリセット信号RSTを非アクティブ状態にした後、フローティングディフュージョンFD22のレベルを、第2のフォトダイオードPD2のP相(低感度リセット信号NL)として垂直信号線17に読み出す。しかる後、時刻t55でスイッチ信号SW2を非アクティブ状態にする。
尚、以上では、第4実施形態に係る単位画素20の回路構成について、第2実施形態に係る単位画素20の回路構成をベースに説明したが、第1実施形態に係る単位画素20の回路構成に、FD切替えトランジスタ282を加える回路構成でも、同様の作用、効果を得ることができる。
また、第4実施形態におけるFD切替えトランジスタ282を、第3実施形態におけるFD切替えトランジスタ281と同様に、第1のフォトダイオードPD1の低変換効率モードとして使うこともできる。但し、この場合は、信号の読出し順が第2のフォトダイオードPD2→第1のフォトダイオードPD1の順に限定される。
<第5実施形態>
第5実施形態は、第2実施形態、第3実施形態、及び、第4実施形態を合体させたものである。第5実施形態に係る単位画素20の回路構成を図24に示し、第5実施形態に係る単位画素20の平面レイアウトの構成を図25に示す。
[単位画素の回路構成]
第5実施形態では、FD切替えトランジスタを2つ備えている。具体的には、図24に示すように、転送トランジスタ21とリセットトランジスタ24との間に第1の切換ゲート部として配置されたFD切替えトランジスタ281と、転送トランジスタ22とリセットトランジスタ24との間に第2の切換ゲート部として配置されたFD切替えトランジスタ282とを備えている。FD切替えトランジスタ281のゲート電極281Gには、高レベルがアクティブとなるスイッチ信号SW1が印加され、FD切替えトランジスタ282のゲート電極282Gには、高レベルがアクティブとなるスイッチ信号SW2が印加される。
これにより、第2実施形態に係る単位画素20でフローティングディフュージョンFDとしている部分が3つに分割されたことと等価となる。この3つに分割された部分のうち、転送トランジスタ21と増幅トランジスタ25とFD切替えトランジスタ281とによって囲まれる第1領域をフローティングディフュージョンFD31とする。また、FD切替えトランジスタ281とFD切替えトランジスタ282とリセットトランジスタ24とによって囲まれる第2領域をフローティングディフュージョンFD32とし、転送トランジスタ22とFD切替えトランジスタ282との間に位置する第3領域をフローティングディフュージョンFD33とする。
このように、2つのFD切替えトランジスタ281,282により、フローティングディフュージョンFDを、FD31、FD32、及び、FD33の3つの領域に選択的に分割することで、第1のフォトダイオードPD1の信号電荷の変換効率を3通りに切り替えることができる。具体的には、フローティングディフュージョンFDがFD31のみの場合の高変換効率、FD31+FD32の場合の低変換効率、及び、FD31+FD32+FD33の場合の超低変換効率の3通りである。また、FD31のみの高変換効率と、FD31+FD32の低変換効率の場合には、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2の各信号の読出し順を自由に変えることができる。
また、FD切替えトランジスタ282により、フローティングディフュージョンFD33を、フローティングディフュージョンFD32と分離できるため、フローティングディフュージョンFD22に容量素子Capを付加することができる。これにより、フローティングディフュージョンFD33の変換効率を下げ、保持できる信号電荷を増大させることができるため、ダイナミックレンジを更に拡大することが可能となる。
[単位画素の回路動作]
次に、上記の構成の第5実施形態に係る単位画素20の回路動作について、図26のタイミング波形図を用いて説明する。図26には、垂直駆動部12から出力される、選択信号SEL、スイッチ信号SW1、スイッチ信号SW2、リセット信号RST、転送信号TG1、転送信号TG2、及び、シャッター信号SHGの各波形を示している。
ここで、第5実施形態に係る単位画素20の回路動作の動作の一例として、第1のフォトダイオードPD1の信号を先に、高変換効率モードで読み出す場合の動作を例に挙げて説明する。
露光開始前に、第1のフォトダイオードPD1、第2のフォトダイオードPD2、フローティングディフュージョンFD31、フローティングディフュージョンFD32、及び、フローティングディフュージョンFD33をリセットするために、時刻t61でスイッチ信号SW1、スイッチ信号SW2、及び、リセット信号RSTをアクティブ状態にする。その後、時刻t62で転送信号TG1及び転送信号TG2をアクティブ状態にする。
次に、リセット信号RSTのアクティブ期間において、時刻t63で転送信号TG1を非アクティブ状態にし、転送トランジスタ21を非導通状態にすることで、第1のフォトダイオードPD1において、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD1への蓄積が開始される(露光開始)。第2のフォトダイオードPD2においても、時刻t63で転送信号TG2を非アクティブ状態にし、転送トランジスタ22を非導通状態にすることで、光電変換した信号電荷の当該フォトダイオードPD2への蓄積が開始される。
時刻t63での露光開始以降の回路動作については、第1実施形態の場合と同じであるため、ここでの説明は省略する。図26の例では、露光期間中、スイッチ信号SW1及びスイッチ信号SW2を非アクティブ状態にする。
露光期間における、シャッター信号SHG及び転送信号TG2による、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動の後、時刻t65で選択信号SELをアクティブ状態にし、選択トランジスタ26を導通状態にすることで、単位画素20を選択状態にする。
その後、選択信号SELのアクティブ期間において、時刻t66でスイッチ信号SW1及びリセット信号RSTをアクティブ状態にすることで、フローティングディフュージョンFD31をリセットする。そして、時刻t67でスイッチ信号SW1及びリセット信号RSTを非アクティブ状態にした後、フローティングディフュージョンFD31のレベルを、第1のフォトダイオードPD1のP相(高感度リセット信号NH)として垂直信号線17に読み出す。
次いで、時刻t68で転送信号TG1をアクティブ状態にし、転送トランジスタ21を導通状態にして、第1のフォトダイオードPD1で露光/蓄積した信号電荷をフローティングディフュージョンFD31に転送する。そして、フローティングディフュージョンFD31のレベルを、第1のフォトダイオードPD1のD相(高感度データ信号SH)として垂直信号線17に読み出す。
次に、時刻t70でスイッチ信号SW1及びリセット信号RSTをアクティブ状態にすることで、フローティングディフュージョンFD31をリセットし、次いで、時刻t71でスイッチ信号SW1及びリセット信号RSTを非アクティブ状態にする。その後、時刻t72でスイッチ信号SW1及びスイッチ信号SW2をアクティブ状態にし、FD切替えトランジスタ281及びFD切替えトランジスタ282を共に導通状態にする。
FD切替えトランジスタ281及びFD切替えトランジスタ282が共に導通状態になることで、フローティングディフュージョンFD33に蓄積していた第2のフォトダイオードPD2の信号電荷が、フローティングディフュージョンFD(FD31+FD32+FD33)で保持される。そして、この保持状態でのフローティングディフュージョンFDのレベルを、第2のフォトダイオードPD2のD相(低感度データ信号SL)として垂直信号線17に読み出す。
次に、スイッチ信号SW1及びスイッチ信号SW2のアクティブ期間において、時刻t73でリセット信号RSTをアクティブ状態にすることで、フローティングディフュージョンFD33をリセットする。そして、時刻t74でリセット信号RSTを非アクティブ状態にした後、フローティングディフュージョンFD33のレベルを、第2のフォトダイオードPD2のP相(低感度リセット信号NL)として垂直信号線17に読み出す。しかる後、時刻t75でスイッチ信号SW1及びスイッチ信号SW2を非アクティブ状態にする。
以上では、第1のフォトダイオードPD1の信号を高変換効率モードで読み出す場合の動作について説明したが、低変換効率モードで読み出す場合には、第1のフォトダイオードPD1のP相/D相の読出し時にFD切替えトランジスタ281を非導通状態にしておけばよい。また、第1のフォトダイオードPD1のP相/D相と、第2のフォトダイオードPD2のP相/D相を入れ替えれば、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2の各信号の読出し順を変えることもできる。
[画素信号の演算処理]
ここで、CMOSイメージセンサ10(10A,10B)において、単位画素20として、第5実施形態に係る単位画素20を用いる場合の、信号処理部18での画素信号の演算処理について説明する。
(画素信号の演算処理の処理例1)
まず、画素信号の演算処理の処理例1について説明する。処理例1では、信号処理部18は、低感度差分信号SNLが所定の範囲内となったときに、低感度差分信号SNLと高感度差分信号SNHとの比を画素毎、複数画素毎、色毎、共有画素単位内の特定画素毎、もしくは全画素一律にゲインとして算出してゲインテーブルを生成する。そして、信号処理部18は、低感度差分信号SNLと当該ゲインテーブルとの積を低感度差分信号SNLの補正値として算出する。
ここで、ゲインをG、低感度差分信号SNLの補正値(以下、「補正低感度差分信号」と称する)をSNL’とすると、ゲインG及び補正低感度差分信号SNL’は、次式(1)−(4)に基づいて求めることができる。
(1) G=SNH/SNL
=(Cfd31+Cfd32+Cfd33)/Cfd31×SENS_H/SENS_L
(2) SENS_H=α+β×{T2/(T1+T2)}
(3) SENS_L=β×{T2/(T1+T2)}
(4) SNL’=G×SNL
ここで、Cfd31,Cfd32,Cfd33は、フローティングディフュージョンFD313233の容量値、αは第1のフォトダイオードPD1の単位時間あたりの感度、βは第2のフォトダイオードPD2の単位時間あたりの感度である。従って、ゲインGは、感度比と容量比との積と等価である。
図27に、入射光量に対する低感度差分信号SNL、高感度差分信号SNH、及び、補正低感度差分信号SNL’の関係を示している。
次に、信号処理部18は、図28Aに示すように、予め設定された所定の閾値Vtを用いて信号処理を行う。所定の閾値Vtは、光応答特性において、高感度差分信号SNHが飽和前かつ光応答特性がリニアな領域において予め設定される。
そして、信号処理部18は、高感度差分信号SNHが所定の閾値Vtに達しない場合、当該高感度差分信号SNHを処理対象画素の画素信号SNとして出力する。すなわち、SNH<Vtの場合、画素信号SN=高感度差分信号SNHとなる。
一方、信号処理部18は、高感度差分信号SNHが所定の閾値Vt以下の場合、低感度差分信号SNLの補正低感度差分信号SNL’を処理対象画素の画素信号SNとして出力する。すなわち、Vt≦SNHの場合、画素信号SN=補正低感度差分信号SNL’となる。
(画素信号の演算処理の処理例2)
次に、画素信号の演算処理の処理例2について説明する。処理例2では、信号処理部18は、図28Bに示すように、高感度差分信号SNHが所定の範囲内において、補正低感度差分信号SNL’と高感度差分信号SNHとを予め設定された比率で合成し、画素信号SNとして出力する。
例えば、信号処理部18は、所定の閾値Vtを基準としてその前後の範囲において、下記のように、段階的に、補正低感度差分信号SNL’と高感度差分信号SNHとの合成比率を変化させる。所定の閾値Vtは、先述したように、光応答特性において、高感度差分信号SNHが飽和前かつ光応答特性がリニアな領域において予め設定される値である。
・SNH<Vt×0.90の場合に、SN=SNH
・Vt×0.90≦SNH< t ×0.94の場合に、
SN=0.9×SNH+0.1×SNL’
・Vt×0.94≦SNH< t ×0.98の場合に、
SN=0.7×SNH+0.3×SNL’
・Vt×0.98≦SNH< t ×1.02の場合に、
SN=0.5×SNH+0.5×SNL’
・Vt×1.02≦SNH< t ×1.06の場合に、
SN=0.3×SNH+0.7×SNL’
・Vt×1.06≦SNH< t ×1.10の場合に、
SN=0.1×SNH+0.9×SNL’
・Vt×1.10≦SNHの場合に、SN=SNL’
因みに、第1実施形態乃至第4実施形態に係る単位画素20を用いる場合には、高感度データ信号SH及び高感度リセット信号NHの読出し時の容量や感度が可変であるため、その容量/感度の値により、上述した式(1)のゲインGの値が変化する。
信号処理部18において、上述した処理例1や処理例2の演算処理を行うことにより、低照度時の信号から高照度時の信号へより滑らかに切り替えることができる。
<第6実施形態>
第6実施形態は、被写体輝度に応じてフォトダイオードの感度を適応的に制御する例である。第6実施形態に係る単位画素20及びその制御系の構成の一例を図29に示す。図29では、図11に示す第2実施形態に係る単位画素20をベースとしている。
[制御系の構成]
図29に示すように、第6実施形態に係る単位画素20の制御系は、被写体輝度評価部31及び露光時間制御部32を有し、間欠駆動対象の第2のフォトダイオードPD2から得られる信号レベルを基に、当該第2のフォトダイオードPD2の露光時間を制御する構成となっている。
この制御系において、被写体輝度評価部31は、増幅トランジスタ25に入力されるフローティングディフュージョンFDのレベルに基づいて被写体輝度を評価する。露光時間制御部32は、例えば垂直駆動部12内に構成され、被写体輝度評価部31の評価結果に基づいて露光時間を制御する。露光時間は、転送信号TG2及びシャッター信号SHGのパルス幅で決まる。従って、露光時間制御部32は、間欠駆動する転送信号TG2及びシャッター信号SHGの各パルス信号のパルス幅を制御することになる。
[制御系の処理の流れ]
続いて、図30のフローチャートを用いて、第6実施形態に係る単位画素20の制御系の処理の流れについて説明する。
露光開始すると、転送信号TG2のパルス信号による間欠駆動で第2のフォトダイオードPD2の信号がフローティングディフュージョンFDに読み出される。この露光期間の初期に、被写体輝度評価部31は、フローティングディフュージョンFDに読み出された信号レベルに基づいて被写体輝度を評価し(ステップS11)、露光時間の変更が必要か否かを判断する(ステップS12)。
そして、露光時間の変更の必要がある場合には、被写体輝度評価部31は、被写体輝度が基準よりも高いか低いかを判断し(ステップS13)、高い場合は、第2のフォトダイオードPD2の感度を下げる指令を露光時間制御部32に与える(ステップS14)。また、低い場合は、被写体輝度評価部31は、第2のフォトダイオードPD2の感度を上げる指令を露光時間制御部32に与える(ステップS15)。
露光時間制御部32は、被写体輝度評価部31からの指令を受けて、第2のフォトダイオードPD2の感度を下げる指令であれば、転送信号TG2のパルス幅を短くする制御を行う(ステップS16)。また、第2のフォトダイオードPD2の感度を上げる指令であれば、露光時間制御部32は、転送信号TG2のパルス幅を長くする制御を行う(ステップS17)。
尚、本例では、被写体輝度について、高い/低いの2段階評価としたが、これに限られるものではなく、3段階以上の多段階評価としてもよい。
上述した第6実施形態に係る単位画素20の制御系による一連の制御により、1つの露光期間内で、被写体輝度に応じて第2のフォトダイオードPD2の感度を適応的に制御することが可能となる。そして、この制御系による制御の下で第2のフォトダイオードPD2から得られる信号は、図31に示す信号Sに相当する。転送信号TG2のパルス幅を変更したタイミングは把握しているので、全露光時間に対して、感度変更前後の露光時間t1,t2とそれぞれの感度(=パルス幅で決まる感度)β1,β2は分かっている。このため、全露光期間で得られた信号Sは下記式で表すことができる。
S=β1×t1+β2×t2
このため、ここから、任意の感度で全期間を露光した時の信号に換算することが可能となる。
尚、本実施形態では、2つのフォトダイオードPD1,PD2を有する第2実施形態に係る単位画素20をベースとして、被写体輝度に応じて第2のフォトダイオードPD2の感度を適応的に制御する例について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、被写体輝度に応じたフォトダイオードPDの感度の制御は、図32に示すように、フォトダイオードPDが1つの単位画素20に対しても適用可能である。この場合、フォトダイオードPDの排出先は、第1実施形態の場合と同様に、高電位側電源VDDとなる。
また、第3実施形態、第4実施形態、及び、第5実施形態の場合のように、第2のフォトダイオードPD2側の転送トランジスタ22とフローティングディフュージョンFDとの間に、FD切替えトランジスタ28が複数あっても、露光期間中にFD切替えトランジスタ28を導通状態とすれば、同様に本実施形態の適用が可能となる。
<第1実施形態乃至第6実施形態の作用、効果>
以上説明した第1実施形態乃至第6実施形態に係る単位画素20を備えるCMOSイメージセンサ10(10A,10B)によれば、以下のような作用、効果を得ることができる。すなわち、第2のフォトダイオードPD2の信号電荷の蓄積に関する間欠駆動によって第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2の感度比を任意に制御できるため、物理的に感度差をつける場合に比べて、自由にダイナミックレンジを変更できる。
また、CMOSイメージセンサ10(10A,10B)では、低感度の第2のフォトダイオードPD2に対して容量素子Capを付加することにより、低感度データ信号SLが飽和するレベルを引き上げることができる。これにより、ダイナミックレンジの最小値を保持したまま、ダイナミックレンジの最大値を大きくすることができ、ダイナミックレンジを拡大することができる。
例えば、車載向けのイメージセンサにおいて、LED光源のように点滅する被写体を、点滅するタイミングによって撮像できないLEDフリッカという現象が発生する場合がある。このLEDフリッカは、例えば、従来の固体撮像素子のダイナミックレンジが低く、被写体毎に露光時間を調整する必要があるために生じる。
すなわち、従来の固体撮像素子は、様々な照度の被写体に対応するため、低照度の被写体に対しては露光時間を長く、高照度の被写体に対しては露光時間を短くしている。これにより、低いダイナミックレンジでも様々な照度の被写体に対応することが可能になる。一方、露光時間に関わらず読出し速度は一定であるため、読出し時間よりも短い単位で露光時間を設定する場合、露光時間以外に光電変換部に入射した光は、光電変換されて電荷になるものの、読み出されることなく破棄される。
これに対し、上述したように、CMOSイメージセンサ10(10A,10B)では、ダイナミックレンジを拡大することができ、露光時間を長く設定することができるため、LEDフリッカの発生を抑制することができる。また、CMOSイメージセンサ10(10A,10B)では、時分割方式や空間分割方式で分割数を増やした場合に発生するアーチファクトの発生や解像度の低下を防止することができる。
<第1実施形態乃至第6実施形態の変形例>
第1実施形態乃至第6実施形態では、1画素内に感度が異なる2つの光電変換部(第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2)を設ける例を示したが、1画素内に3つ以上の光電変換部を設けることも可能である。この場合、感度が最も高い光電変換部に電荷蓄積部を設けずに、少なくとも感度が最も低い光電変換部に電荷蓄積部を設けるようにすればよい。また、この条件を満たしていれば、感度が同じ光電変換部を2つ以上設けることも可能である。
上記の各実施形態では、単位画素20が行列状に配置されて成るCMOSイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本開示の技術はCMOSイメージセンサへの適用に限られるものではない。すなわち、本開示の技術は、単位画素20が行列状に2次元配置されて成るX−Yアドレス方式の固体撮像素子全般に対して適用可能である。
また、本開示の技術は、転送トランジスタ22と増幅トランジスタ25との間のいずれかに、pn接合容量やMIS容量などの画素内メモリを備え、第2のフォトダイオードPD2から転送トランジスタ22を介して転送した電荷を、当該画素内メモリに蓄積する構造の固体撮像素子全般に対して適用可能である。
更に、本開示の技術は、表面照射型、裏面照射型のいずれの画素構造に対しても適用可能である。ここで、単位画素20が形成される半導体基板において、配線層が形成される基板面を表面とするとき、表面側から入射光が照射される画素構造が表面照射型であり、裏面側から入射光が照射される画素構造が裏面照射型である。
更に、本開示の技術は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像素子への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像素子全般に対して適用可能である。
<本開示の電子機器>
上述した第1実施形態乃至第6実施形態に係る固体撮像素子は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像素子を用いる複写機などの電子機器全般において、その撮像部(画像取込部)として用いることができる。尚、固体撮像素子はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ち、カメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
[撮像装置]
図33は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成を示すブロック図である。図33に示すように、本例に係る撮像装置50は、レンズ群等を含む光学系51、撮像部52、DSP回路53、フレームメモリ54、表示装置55、記録装置56、操作系57、及び、電源系58等を有している。そして、DSP回路53、フレームメモリ54、表示装置55、記録装置56、操作系57、及び、電源系58がバスライン59を介して相互に接続された構成となっている。
光学系51は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像部52の撮像面上に結像する。撮像部52は、光学系51によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。DSP回路53は、一般的なカメラ信号処理、例えば、ホワイトバランス処理、デモザイク処理、ガンマ補正処理などを行う。
フレームメモリ54は、DSP回路53での信号処理の過程で適宜データの格納に用いられる。表示装置55は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置から成り、撮像部52で撮像された動画または静止画を表示する。記録装置56は、撮像部52で撮像された動画または静止画を、可搬型の半導体メモリや、光ディスク、HDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体に記録する。
操作系57は、ユーザによる操作の下に、本撮像装置50が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源系58は、DSP回路53、フレームメモリ54、表示装置55、記録装置56、及び、操作系57の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
このような撮像装置50は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、更には、スマートフォン、携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールに適用される。そして、この撮像装置50において、撮像部52として、先述した第1実施形態乃至第6実施形態に係る単位画素を有する固体撮像素子を用いることができる。第1実施形態乃至第6実施形態に係る単位画素を有する固体撮像素子は、信号電荷の蓄積に関する間欠駆動によってダイナミックレンジの拡大を図ることができる。これにより、撮像装置50の画質を向上させることができる。
<第7実施形態>
第7実施形態は、第1実施形態乃至第6実施形態に係る技術、即ち、光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠的な駆動を行う技術を用いた固体撮像素子、例えばCMOSイメージセンサの例である。第7実施形態に係るCMOSイメージセンサのシステム構成図を図34に示す。
[システム構成]
図34に示すように、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100は、半導体素子を形成した半導体素子層(所謂、シリコンダイ)を例えば5個積層して相互に信号線を接続した構造となっている。尚、以下の説明においては、便宜上、CMOSイメージセンサ100への光の入射面側を「上側」、当該入射面と対向する側を「下側」として説明する。
最もレンズ(図33の光学系51のレンズに相当)に近い側(CMOSイメージセンサ100への光の入射側、上側)に、第1の半導体素子層101が配置される。第1の半導体素子層101の下側には、第2の半導体素子層102が配置される。第2の半導体素子層102の下側には、第3の半導体素子層103が配置される。第3の半導体素子層103の下側には、第4の半導体素子層104が配置される。第4の半導体素子層104の下側には、第5の半導体素子層105が配置される。第5の半導体素子層105の下側には、CMOSイメージセンサ100の外部端子106が配置される。
図34において、点線で囲んだ部分が、1個の単位画素20を表している。1個の単位画素20は、第1、第2、第3の半導体素子層101,102,103に亘って形成されている。第1、第2、第3の半導体素子層101,102,103に亘って形成された単位画素20は、各半導体素子層の表面と平行となる面上に、列方向及び行方向の2次元のアレイ状に配列されている。尚、図34において、単位画素20の内部構成についてはその概略のみを記載している。
[単位画素の内部構成]
第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100における単位画素20の内部構成の一例を図35に示す。図35には、図34に記載の単位画素20の1個の内部構成を示している。単位画素20は、第1の半導体素子層101に形成された部分と、第2の半導体素子層102に形成された部分と、第3の半導体素子層103に形成された部分とから成る。図35を用いて、単位画素20の内部構成について具体的に説明する。
単位画素20に含まれる第1の半導体素子層101は、光電変換部と、光電変換部を駆動するトランジスタ(所謂、画素トランジスタ)を備える。これらを光電変換ユニットと呼ぶ。光電変換ユニットは、以下の素子を含む。すなわち、光電変換ユニットは、第1の光電変換部111、第2の光電変換部112、第1の転送ゲート部113、第2の転送ゲート部114、第3の転送ゲート部115、及び、第4の転送ゲート部116を含む。第1の光電変換部111は第1のフォトダイオードPD1を含み、第2の光電変換部112は第2のフォトダイオードPD2を含む。
第5実施形態に係る単位画素20との対応関係において、第1の転送ゲート部113が転送トランジスタ21に相当し、第2の転送ゲート部114がFD切替えトランジスタ281に相当し、第3の転送ゲート部115がFD切替えトランジスタ282に相当し、第4の転送ゲート部116が転送トランジスタ22に相当する。そして、第1の転送ゲート部113のゲート電極には転送信号TG1が印加され、第2の転送ゲート部114のゲート電極にはスイッチ信号SW1が印加され、第3の転送ゲート部115のゲート電極にはスイッチ信号SW2が印加され、第4の転送ゲート部116のゲート電極には転送信号TG2が印加される。
第1の光電変換部111は、第2の光電変換部112よりも、フォトダイオードの受光面積が大きい。このため、第1の光電変換部111と第2の光電変換部112の双方において、同じ時間光電変換動作を行った場合、第1の光電変換部111では、第2の光電変換部112よりも、多くの信号電荷が発生する。第1の光電変換部111は第2の光電変換部112よりも多くの信号電荷が得られることから、第1の光電変換部111は第2の光電変換部112よりも感度が相対的に高い光電変換部、第2の光電変換部112は第1の光電変換部111よりも感度が相対的に低い光電変換部となっている。
第1の光電変換部111には、第1の転送ゲート部113が接続されている。第1の光電変換部111には更に、第1排出ゲート部117が接続されている。第1排出ゲート部117は、その先にオーバーフロードレイン(例えば、電源VDD)が接続され、ゲート電極に印加される駆動信号OFG1によって駆動されることで、第1の光電変換部111に備わる第1のフォトダイオードPD1の信号電荷をオーバーフロードレインに排出する。第1実施形態乃至第6実施形態に係る単位画素20にあっても、第1のフォトダイオードPD1の信号電荷をオーバーフロードレインに排出する第1排出ゲート部117に相当する電荷排出部を備える構成とすることができる。
第1の転送ゲート部113と第2の転送ゲート部114とは、フローティングディフュージョン(所謂、浮遊拡散層)FDを介して接続されている。第2の転送ゲート部114と第3の転送ゲート部115とは、第1ノードN1を介して接続されている。第1ノードN1には、第2の転送ゲート部114と第3の転送ゲート部115の他に、リセットトランジスタ(リセットゲート部)24が接続され、リセットトランジスタ24の先には、特定の電位線(例えば、電源VDD)が接続されている。リセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25、及び、選択トランジスタ26の接続関係については、第1実施形態に係る単位画素20と同じである。
第3の転送ゲート部115と第4の転送ゲート部116とは、第2ノードN2を介して接続されている。第2ノードN2には、第3の転送ゲート部115と第4の転送ゲート部116の他に、電荷蓄積部118が接続されている。第2の転送ゲート部114と第3の転送ゲート部115とは、電荷蓄積部118とフローティングディフュージョンFDとのポテンシャルを結合する。第2の光電変換部112には、第4の転送ゲート部116が接続されている。第2の光電変換部112には更に、第2排出ゲート部119が接続されている。第2排出ゲート部119は、その先にオーバーフロードレイン(例えば、電源VDD)が接続され、ゲート電極に印加される駆動信号OFG2によって駆動される。
第5実施形態に係る単位画素20との対応関係において、第2排出ゲート部119がシャッタートランジスタ23に相当し、電荷蓄積部118が容量素子Capに相当し、第2排出ゲート部119の駆動信号OFG2がシャッター信号SHGに相当する。また、フローティングディフュージョンFDがフローティングディフュージョンFD31に相当し、第1ノードN1がフローティングディフュージョンFD32に相当し、第2ノードN2がフローティングディフュージョンFD33に相当し、電荷蓄積部118が容量素子Capに相当する。
第4の転送ゲート部116のゲート電極の下部のチャネル領域は、ポテンシャルが若干プラスの方向になっている(言い換えれば、ポテンシャルが若干深くなっている)。これにより、電荷のオーバーフローパスが形成されている。第2の光電変換部112における光電変換の結果、第2の光電変換部112の飽和電荷量を超える電荷が発生した場合には、飽和電荷量を超えた電荷が、上記オーバーフローパスを介して、第2の光電変換部112から電荷蓄積部118へとオーバーフローする(溢れ出す)。オーバーフローした電荷は、電荷蓄積部118に蓄積される。尚、以下、第4の転送ゲート部116のゲート電極の下部のチャネル領域に形成されているオーバーフローパスを、単に第4の転送ゲート部116のオーバーフローパスと称する。
第4の転送ゲート部116のオーバーフローパスのポテンシャルは、第2排出ゲート部119のオーバーフローパスのポテンシャルよりもプラスの方向になっている(言い換えれば、ポテンシャルが若干深くなっている)。このため、第4の転送ゲート部116及び第2排出ゲート部119に同じゲート電圧(例えば、0V)が印加された場合は、第2の光電変換部112からオーバーフローする電荷は、第4の転送ゲート部116のオーバーフローパスを経由して電荷蓄積部118へとオーバーフローする。
一方、第4の転送ゲート部116のゲートに負バイアスが印加された場合には、第4の転送ゲート部116のオーバーフローパスが閉じられる。このため、第4の転送ゲート部116に負バイアスが印加され、第2排出ゲート部119に0Vが印加された場合は、第2の光電変換部112からオーバーフローする電荷は、第2排出ゲート部119のオーバーフローパスを経由してオーバーフロードレイン(例えば、電源VDD)へと排出される。
電荷蓄積部118としては、例えば、MISキャパシタやMOSキャパシタを用いることができる。電荷蓄積部118にMISキャパシタもしくはMOSキャパシタを用いる場合、電荷蓄積部118が有する2つの電極のうち、第1電極は、第2ノードN2に接続されたノード電極である。電荷蓄積部118が有する第2電極は、接地された接地電極である。尚、第2電極は、実施形態の変形例として、接地電位以外の特定電位、例えば電源電位に接続されていてもよい。
また、電荷蓄積部118にMISキャパシタもしくはMOSキャパシタを用いる場合、一例として、第2電極は、シリコン基板等の半導体基板に形成された不純物領域であり、容量を形成する誘電膜は、半導体基板上に形成された酸化膜や窒化膜である。また、第1電極は、第2電極と誘電膜の上に導電性を有する材料、例えばポリシリコンや金属で形成された電極である。
また、電荷蓄積部118にMISキャパシタもしくはMOSキャパシタを用いる場合、第2電極は、例えば、第1の光電変換部111又は第2の光電変換部112が形成されている半導体基板に更に形成された不純物領域である。第2電極を接地電位にする場合、第2電極は、第1の光電変換部111又は第2の光電変換部112のフォトダイオードに備わるp型不純物領域と電気的に接続されたp型不純物領域である。第2電極を接地電位以外の特定電位にする場合、第2電極は、p型不純物領域内に形成されたn型不純物領域であってもよい。
電荷蓄積部118の単位面積あたりの容量を、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2に備わる電荷蓄積部の単位面積あたりの容量よりも大きくするために、第2電極となる不純物領域は、半導体基板の深さ方向における内部に形成するよりも、半導体基板の表面に形成する方が好ましい。また、電荷蓄積部118の単位面積あたりの容量を、第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2に備わる電荷蓄積部の単位面積あたりの容量よりも大きくするために、第2電極となる不純物領域の不純物濃度は濃い方が好ましい。
半導体基板の表面は、半導体基板の深さ方向の内部よりも、結晶欠陥や界面準位が多く存在する場合があるため、電荷蓄積部118の第2電極として、半導体基板表面に形成した不純物領域を用いると、半導体基板の深さ方向の内部に電荷を貯める第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2に備わる電荷蓄積部よりも、ノイズが多い電荷蓄積部となる可能性がある。その代り、電荷蓄積部118の第2電極として、半導体基板表面に形成した不純物領域を用いることにより、半導体基板の深さ方向の内部に電荷を貯める第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2に備わる電荷蓄積部よりも、単位面積あたりの容量値が大きな容量(キャパシタ)を得ることができる。
単位画素20は、電荷蓄積部118として、蓄積できる電荷の量が、第2の光電変換部112が蓄積できる電荷の量よりも2倍以上大きな、より具体的には、例えば100倍程度大きな電荷蓄積部を備えることが特徴である。つまり、単位画素20は、第2の光電変換部112で発生した電荷の多くを、電荷蓄積部118に蓄積する構成となっている。また、電荷蓄積部118が蓄積できる電荷の量は、フローティングディフュージョンFDが蓄積できる電荷の量よりも2倍以上大きくてよく、より具体的には例えば100倍程度大きくてよい。
図34において、単位画素20に含まれる第2の半導体素子層102は、上記構成の光電変換ユニットの動作制御する画素制御ユニットと、光電変換ユニットにおける光電変換動作の結果生じた信号に対して信号処理を加える画素信号処理ユニットと、を備える。画素制御ユニットは、以下のサブユニットを含む。すなわち、画素制御ユニットは、被写体輝度評価ユニット201、露光時間制御ユニット202、及び、画素動作制御ユニット203を含む。画素信号処理ユニットは、以下のサブユニットを含む。すなわち、画素信号処理ユニットは、A/D(アナログ/デジタル)変換ユニット204、ゲイン演算ユニット205、及び、ブレンド合成ユニット206を含む。
被写体輝度評価ユニット201は、ある1つの露光期間中のある時点において、第2の光電変換部112からオーバーフローパスを介して電荷蓄積部118へオーバーフローした電荷の量を評価する手段である。より具体的には、第2の光電変換部112でオーバーフローが発生すると、オーバーフローした電荷によってフローティングディフュージョンFDの電圧が変化するが、そのフローティングディフュージョンFDの電圧を評価することによって、オーバーフローした電荷の量を評価するものである。
被写体輝度評価ユニット201は、例えば2水準もしくは4水準の参照電圧と、フローティングディフュージョンFDとの電圧の大きさを比較する電圧比較器であってよい。4水準の参照電圧は、例えば、図36Aに示すように、電源VDDとグランドの間に5個の抵抗R1〜R5を直列に配置し、これらの抵抗分割によって生じる4種の電圧V1〜V4を用いてよい。このように、4水準の参照電圧V1〜V4をフローティングディフュージョンFDと電圧の大きさを比較するには、これら4種の参照電圧V1〜V4と、4個の電圧比較器61〜64があればよい。図36Aにおいて、電源VDDや抵抗R1〜R5の大きさを変えることで、参照電圧V1〜V4を任意の大きさに設定することができる。
2水準の参照電圧は、例えば、図36Bに示すように、電源VDDとグランドの間に3個の抵抗R1〜R3を直列に配置し、これらの抵抗分割によって生じる2種の電圧V1,V2を用いてよい。このように、2水準の参照電圧V1,V2をフローティングディフュージョンFDと電圧の大きさを比較するには、これら2種の参照電圧V1,V2と、2個の電圧比較器61,62があればよい。図36Bにおいて、電源VDDや抵抗R1〜R3の大きさを変えることで、参照電圧V1,V2を任意の大きさに設定することができる。
露光時間制御ユニット202は、上記のある1つの露光期間中のある時点における電荷蓄積部118へオーバーフローした電荷の量の評価結果を基に、当該露光期間における、上記評価を行った時点から先の露光期間の長さを決める。そして、露光時間制御ユニット202は、第2の光電変換部112の露光期間の開始と停止を担う転送信号TG2及び駆動信号OFG2、並びに、第1の光電変換部111の露光期間の開始と停止を担う、転送信号TG1及び駆動信号OFG1を制御する。
画素動作制御ユニット203は、光電変換ユニットに含まれる、リセットトランジスタ24のリセット信号RST、第2の転送ゲート部114のスイッチ信号SW1、第3の転送ゲート部115のスイッチ信号SW2、及び、選択トランジスタ26の選択信号SELを制御する。
A/D変換ユニット204は、単位画素20の露光動作の結果、第2の光電変換部112において発生し、第2の光電変換部112と電荷蓄積部118に蓄積された信号電荷と、第1の光電変換部111において発生し、第1の光電変換部111に蓄積された信号電荷と、をそれぞれA/D変換する。
ゲイン演算ユニット205は、下記の出力特性(1)と出力特性(2)とを線形に連続させるため、信号電荷のA/D変換結果とこれを得るための露光時間の情報とを基に、A/D変換結果にゲインを掛ける信号処理を行う。
(1)被写体の輝度に対する、第1の光電変換部で生じた信号電荷のA/D変換結果得られるデジタル値の出力特性
(2)被写体の輝度に対する、第2の光電変換部で生じた信号電荷のA/D変換結果得られるデジタル値の出力特性
現在、市場に流通している画像表示装置や画像印刷装置が受け取る画像データのビット幅は8ビットが一般的である。上記ゲインを掛けた結果得られる、被写体の輝度に対して線形な画素データのビット幅は画像表示装置や画像印刷装置が受け取るビット幅よりも大きく、14ビットであったり、16ビットであったりする。このビット幅は、後述するブレンド合成を行った後、後述の非線形圧縮処理ユニットにおいて、画像表示装置や画像印刷装置が受け取れる画像データのビット幅へと非線形圧縮される。この線形な画素データを非線形圧縮する際には、例えば、被写体輝度に対する人の視感度の非線形な特性に合わせて非線形圧縮してよい。
ブレンド合成ユニット206は、ゲイン演算ユニット205によってゲイン演算された後の、第1の光電変換部111からの出力データと、第2の光電変換部112からの出力データとをブレンドする信号処理を行う。このブレンド処理は、例えば公知のαブレンド処理であってよい。
単位画素20に含まれる第3の半導体素子層103は、画素データメモリである。この画素データメモリは、上記の画素制御ユニットとの間で各画素のデータの書込み/読出しを行うための画素データメモリ、及び、上記の画素信号処理ユニットとの間で各画素のデーの書込み/読出しを行うための画素データメモリを備える。より具体的には、第3の半導体素子層103の画素データメモリは、露光時間メモリ211、ゲイン演算前画素データメモリ212、ゲイン演算後画素データメモリ213、及び、ブレンド後ワイドD画素データメモリ214を備える。
露光時間メモリ211は、露光時間制御ユニットで制御の結果決まった各画素の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の露光時間の書込み/読出しを行うメモリである。ゲイン演算前画素データメモリ212は、A/D変換ユニット204でのA/D変換された各画素の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の出力のA/D変換結果の書込み/読出しを行うメモリである。ゲイン演算後画素データメモリ213は、ゲイン演算ユニット205でのゲイン演算を行った後の、各画素の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の出力の書込み/読出しを行うメモリである。ブレンド後ワイドD画素データメモリ214は、ブレンド合成ユニット206で、各画素の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の出力をブレンド処理した後のデータの書込み/読出しを行うメモリである。
単位画素20の撮影動作の結果得られた出力は、ブレンド後ワイドD画素データメモリ214へ書き込まれ、図34に示す第4の半導体素子層104によって読み出される。
図34を用いた、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100に関わる、システム構成の説明に戻る。CMOSイメージセンサ100に含まれる第1、第2、第3の半導体素子層101,102,103においては、これら3層に亘って形成された単位画素20が、各半導体素子層の表面と平行となる面上に、列方向及び行方向の2次元アレイ状に配列されて画素アレイ部(図1の画素アレイ部11に相当)を構成している。
これに対し、CMOSイメージセンサ100に含まれる第4の半導体素子層104は、上記の画素アレイ部に含まれる複数個の画素20からの出力結果を集積して、1枚の画像を作り出すためのフレーム信号処理を行う信号処理プロセッサ(もしくは、信号処理回路)を備える。
信号処理プロセッサ(もしくは、信号処理回路)は、非線形圧縮処理ユニット221及び画像信号処理ユニット222をサブユニットとして含む。非線形圧縮処理ユニット221は、画像データのビット幅を非線形に圧縮する処理を行う。画像信号処理ユニット222は、非線形圧縮以外の画像信号処理、例えば、ノイズリダクションや、輪郭強調や、出力用画像データのデータ量を圧縮するための符号化処理を行う。
CMOSイメージセンサ100に含まれる第5の半導体素子層105は、上記の信号処理プロセッサ(もしくは、信号処理回路)が、フレーム信号処理の間に使用する画像データを保存するため、及び、フレーム信号処理の結果出来上がった出力用の画像データを保存するためのフレームメモリ231を備える。第5の半導体素子層105は更に、CMOSイメージセンサ100を装置外部と外部端子106を介して接続する入出力部232を備える。
[システムの立体構成]
次に、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100のシステムの立体構成について、図37を用いて説明する。図37は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100のシステムの立体構成を示す概略斜視図である。
第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100のシステムの立体構成は、
(1)単位画素20が第1、第2、第3の半導体素子層101,102,103の3層に亘って形成され、かつ、これら3層において、複数個の画素20が2次元アレイ状に配置されていること
(2)第4の半導体素子層104には、フレーム信号処理を行う信号処理プロセッサ(もしくは、信号処理回路)が備わること
(3)第5の半導体素子層105には、フレームメモリ231が備わること
を特徴としている。図37には、第1の半導体素子層101、第2の半導体素子層102、第3の半導体素子層103、第4の半導体素子層104、及び、第5の半導体素子層105を立体的に図示している。
[単位画素の平面レイアウト]
次に、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100における単位画素20の平面レイアウトについて、図38を用いて説明する。図38は、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100における、第1の半導体素子層101における光電変換部と画素トランジスタの平面レイアウトを示すレイアウト図である。ここでは、単位画素20の平面レイアウトを4画素分示している。図38において、破線が単位画素20の境界線を表わしている。
第1の光電変換部111に備わる第1のフォトダイオードPD1の周囲に配置された大きい円は、CMOSイメージセンサ100の光の入射面に配置された第1のオンチップレンズ301の外形を表す線である。第2の光電変換部112に備わる第2のフォトダイオードPD2の周囲に配置された小さい円は、CMOSイメージセンサ100の光の入射面に配置された第2のオンチップレンズ302の外形を表す線である。第1のオンチップレンズ301及び第2のオンチップレンズ302は、入射光を集光して第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2へと光を入射させる。
第1のオンチップレンズ301及び第2のオンチップレンズ302以外の構成要素については、図35を参照しての説明において、既に詳細に説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
[1つの露光期間内のある時点での被写体対輝度評価]
次に、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100において、単位画素20の露光時間を画素毎に調整する機構を備えることにより、ダイナミックレンジの広い画像を撮影する際の、1つの露光期間内のある時点での被写体対輝度評価について説明する。
図39A、図39Bに、第7実施形態に係るCMOSイメージセンサ100が画像として撮影する被写体の輝度分布を表すヒストグラムを示す。図39A、図39Bには、単位画素20が出力する画像データが、例えば14ビットである場合を例にして記載されている。図39A、図39Bにおいて、X軸と平行に記載された白抜きの矢印は、CMOSイメージセンサ100が、本開示の技術の特長である間欠的な駆動(間欠駆動)によるワイドダイナミックレンジ撮影機構を用いずに、階調性を持って画像を撮影できる被写体の輝度の範囲、即ちダイナミックレンジを表す。
図39Aにおいて、被写体の輝度分布は、CMOSイメージセンサ100が間欠駆動を用いずに撮影できるダイナミックレンジよりも広い。このような場合、間欠駆動を用いずに画像を撮影する際には、被写体の輝度分布の中から一部だけを階調性を持って撮影できるように露光時間を設定するしかない。図39Aでは、そのような露光時間設定の一例として、輝度L1の被写体を、CMOSイメージセンサ100が階調性を持って撮影できる輝度範囲の中央となるように露光時間T1を設定した場合の例を表している。
図39Aに記載の輝度L1の被写体からは、デジタルデータとして2047の値が出力される。そして、図39Aに白抜きの矢印で記載のダイナミックレンジ下限となる輝度の被写体からは、デジタルデータとして0の値が出力される。図39Aに白抜きの矢印で記載のダイナミックレンジ上限となる輝度の被写体からは、デジタルデータとして4095の値が出力される。
本開示の技術の特長である間欠駆動によるワイドダイナミックレンジ撮影機構を用いて撮影を行う場合、上記の方法で露光時間T1を設定して露光を開始した後、露光期間中のある時点において、単位画素20に備わる被写体輝度評価ユニット201(図34参照)を用いて、電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を、画素毎に評価する。例えば、露光開始後、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点で、電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を、画素毎に評価する。
先に述べたように、単位画素20は、電荷蓄積部118として、蓄積できる電荷の量が、第2の光電変換部112が蓄積できる電荷の量の例えば100倍程度大きな電荷蓄積部を備えることが特徴である。つまり、単位画素20は、第2の光電変換部112で発生した電荷のほとんどを、電荷蓄積部118に蓄積する構成となっている。
そこで、単位画素20に備わる露光時間制御ユニット202(図34参照)は、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量の評価結果を基にして、露光時間T1の終了後の電荷の量を、画素毎に予測する。これにより、露光時間制御ユニット202は、露光時間T1の終了後、各単位画素20が飽和しているか、それとも飽和せずに階調性を持っているかを、画素毎に予測する。
そして、露光時間制御ユニット202は、電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を評価した当該露光期間において、その評価を行った時点から先となる当該露光期間の長さを、上記の予測結果を基にして設定する。
図40は、被写体輝度評価ユニット201による電荷量の評価内容と、露光時間制御ユニットによる露光時間の長さの設定についての説明図である。図39Aに示す被写体輝度分布のヒストグラムにおいて、輝度L1となる被写体を撮影している画素は、露光時間T1となる露光の結果、デジタルデータとして2047の値が出力される。
このため、図40に記載のように、単位画素20について、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を評価した場合、輝度L1となる被写体を撮影している画素からは、デジタルデータとして204の値が得られる。
露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118の電荷の量を評価して、デジタルデータとして204の値が得られた画素は、露光時間T1の終了後、デジタルデータとして約2040の値が得られると予測される。この値は、単位画素20が14ビットの階調性を持って画素データを出力できるダイナミックレンジ内に当然入っている。上記評価の結果、露光時間T1の終了後、階調性を持ったデータを出力できると予測される画素は、露光時間制御ユニット202によって、露光時間がT1となるように露光動作が制御される。
同様にして、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を評価した結果、デジタルデータとして409の値が得られた画素は、露光時間T1終了後、デジタルデータとして約4090の値が得られると予測され、14ビットの階調性を持って画素データを出力できるダイナミックレンジ内に入っていると予測されるため、露光時間制御ユニット202によって、間欠駆動を用いずに、実効的な露光時間がT1となるように露光動作が制御される。
一方、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を評価した結果、デジタルデータとして410から819の値が得られた画素は、露光時間T1の終了後、デジタルデータとして4100から8190に相当する露光量になると予測される。そして、14ビットの階調性を持って画素データを出力できるダイナミックレンジ内に入らないと予測される。この範囲の画素については、T1の露光期間中、実効的な露光時間がT1の50%となるように、第4の転送ゲート部116が、露光時間制御ユニット202によって、間欠的に駆動される。この間欠的な駆動により、上記画素からも階調性を備えた画素データが得られる。
更に、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118にオーバーフローして蓄積されている電荷の量を評価した結果、デジタルデータとして820以上の値が得られた画素は、露光時間T1の終了後、デジタルデータとして8200に相当する露光量になると予測される。そして、14ビットの階調性を持って画素データを出力できるダイナミックレンジ内に入らないと予測される。この範囲の画素については、T1の露光期間中、実効的な露光時間がT1の25%となるように、第4の転送ゲート部116が、露光時間制御ユニット202によって間欠的に駆動される。この間欠的な駆動により、上記画素のうちデジタルデータとして820以上1638以下の値となっていた画素からは、階調性を備えた画素データが得られる。
図39Bにおいて、上で述べた被写体輝度評価ユニット201による電荷量の評価と、露光時間制御ユニット202による間欠的な駆動を用いた結果、階調性を持って画像を撮影できる被写体の輝度の範囲、即ちダイナミックレンジを、X軸と平行に配置した白抜きの矢印によって表している。図39Aと比較して、ダイナミックレンジが拡大していることがわかる。
図41A、図41Bは、被写体輝度評価ユニット201による上記電荷量の評価結果に基づき、露光時間制御ユニット202によって露光時間の長さが設定された結果を表す図である。ここでは、露光期間T1で露光する予定であった各画素において、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷蓄積部118に蓄積されている電荷の量の評価結果に基づいて、露光時間制御ユニット202が間欠駆動を行うことで、露光期間T1内における実効的な露光時間を画素毎に変更した結果を表している。
図41A、図41Bに記載の画像内で、平均的な被写体の輝度となっている地面401を撮影した領域は、露光開始前に設定された露光時間T1のまま露光されることを表している。
一方、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点での電荷量の評価の結果が、露光時間T1で露光すると階調性を持って画素データを出力できるダイナミックレンジ内に入らないと予測される場合は、露光時間制御ユニット202による間欠駆動が行われる。
具体的には、T1の露光期間中、実効的な露光時間がT1の50%となるように間欠駆動を行うことで、階調性を備えた画素データが得られると予測される空402の領域を撮影した領域については、T1の露光期間中、実効的な露光時間がT1の50%となるように間欠駆動されて露光される。
更に、T1の露光期間中、実効的な露光時間がT1の25%となるように間欠駆動を行うことで、階調性を備えた画素データが得られると予測される太陽403の領域を撮影した領域については、T1の露光期間中、実効的な露光時間がT1の25%となるように間欠駆動されて露光される。
[画素データの分析及び撮像条件の制御]
尚、画素の飽和レベルを評価して、飽和している画素の露光時間を短縮する制御を、上記評価した画像の次のフレームへと反映させる技術が知られている。しかし、例えば、撮像装置を自動車等の移動手段に搭載して移動しながら露光を行う場合を想定すると、次のような問題が生じ得る。すなわち、特定の画素の飽和の状況を評価してその評価結果を次のフレームの制御へ反映させても、次のフレームでは被写体の位置が移動してしまっているため、飽和を評価した被写体とは異なる被写体に対して、当該飽和に基づく露光時間制御を施してしまうという問題が生じ得る。
これに対して、本実施形態は、1つの露光期間中のある時点において被写体の輝度を評価し、この評価結果に基づいて、当該露光期間における、上記評価時点から先の露光期間の長さを制御する、というものである。従って、本実施形態によれば、輝度の評価と露光期間の制御が1つの露光期間中、つまり1つのフレーム露光中に行われるため、上述した既存の技術よりも、迅速に露光制御を行うことが可能である。これにより、被写体が移動している場合でも、上述した既存の技術よりも被写体の輝度を適正に調整して適正な画像を得ることができる、という作用効果を得ることができる。
上述したことについて、自動車に搭載する撮像装置の場合を例に挙げて、図42及び図43を用いてより具体的に説明する。
例えば、自動車に搭載する撮像装置の場合、走行する自動車に搭載された撮像装置が動画で撮影する被写体は常に移動している。撮像装置は、動画のあるフレーム(第1のフレーム)において撮影した画像を画素毎に分析して画素毎に適切な撮影条件を求め、その求めた撮影条件を前記分析の対象とした第1のフレームの次のフレームとなる第2のフレームへ画素毎にフィードバックする。しかし、第2のフレームにおいて撮影される被写体は、図42に示すように、フレーム内の全ての画素において、第1のフレームと異なったものとなっている。このため、第2のフレームへフィードバックされた撮影条件は、第2のフレームにおいて撮影される被写体にとって必ずしも適切なものではない。
これに対して、第7の実施形態では、図43に示すように、撮像装置は、動画のあるフレーム(第1のフレーム)において全画素同時に露光を開始し、露光期間の中の一定の期間が経過した時点で、それまでの期間において各画素が撮影した画素データを画素毎に分析する。そして、撮像装置は、当該露光期間における一定の期間が経過した時点から先の露光期間の撮影条件として適切な撮影条件を求め、この求めた撮影条件を、当該露光期間における上記の先の露光期間の撮影条件としてフィードバックする。これにより、被写体が移動している場合でも、間欠駆動を用いない既存の技術よりも被写体の輝度を適正に調整して適正な画像を得ることができる。
[露光時間の制御フロー]
次に、露光時間の制御の流れについて、図44を用いて説明する。図44は、被写体輝度評価ユニット201による電荷量の評価と、露光時間制御ユニット202による間欠的な駆動の設定についての処理の流れを示すフローチャートである。
まず、露光時間制御ユニット202は、露光時間を設定する(ステップS21)。具体的には、露光時間制御ユニット202は、階調再現したい被写体輝度範囲の中央値(輝度L1)の被写体を露光して、飽和画素データDsの50%の値Dhを得るように露光時間T1を設定する。そして、露光時間制御ユニット202は、この設定した露光時間T1で露光を開始する(ステップS22)。
露光開始後T1/10の時間が経過すると(ステップS23)、被写体輝度評価ユニット201は、T1/10の間に電荷蓄積部118へオーバーフローした電荷による電圧Voを評価し(ステップS24)、A/D変換ユニット204(図34参照)においてA/D変換可能な入力電圧の最大値Vomaxへ係数を掛けた値に対する大小関係の判定(比較判定)を行う(ステップS25)。最大値Vomaxは、図40との対応では、A/D変換によって得られる最大値4095に相当するデジタルデータが得られる入力電圧となる。
ステップS25では、(1)Vo≦Vomax/10、(2)Vomax/10<Vo≦Vomax/5、(3)Vomax/5<Voの判定が行われる。ここで、Vomax/10は、図40との対応では、間欠駆動を行わなくても露光期間T1の終了後に階調性を持ったデータを出力できるとの判定の閾値となる409に相当するデジタルデータが得られる入力電圧となる。Vomax/5は、図40との対応では、50%間欠駆動を行うと露光期間T1終了後に階調性を持ったデータを出力できるとの判定の閾値となる819に相当するデジタルデータが得られる入力電圧となる。
画素動作制御ユニット203は、ステップS25での判定結果に応じて、第4の転送ゲート部116を駆動する、パルス信号である転送信号TG2のデューティ比を制御する。具体的には、判定結果が(1)Vo≦Vomaxの場合、当該露光期間の残りT1×9/10の間で、転送信号TG2をデューティ比100%で駆動する(ステップS26)。判定結果が(2)Vomax/10<Vo≦Vomax/5の場合、当該露光期間の残りT1×9/10の間で、転送信号TG2をデューティ比50%で駆動する(ステップS27)。(3)Vomax/5<Voの場合、当該露光期間の残りT1×9/10の間で、転送信号TG2をデューティ比25%で駆動する(ステップS28)。
以下に、単位画素20に備わる第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の露光時間の制御について、より具体的に説明する。
(デューティ比=100%で露光を続ける場合)
まず、デューティ比=100%で露光を続ける場合について図45を用いて説明する。図45は、デューティ比=100%の場合の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の露光時間の制御に関するタイミング波形図である。図45には、被写体輝度評価ユニット201による評価の結果、間欠駆動を用いずに実効的な露光時間がT1となるように露光動作を行っても階調性を持った画素データが得られる、と予測された画素の駆動例を示している。
第1の光電変換部111の露光動作は、第1の転送ゲート部113を駆動する転送信号TG1及び第1排出ゲート部117を駆動する駆動信号OFG1によって制御される。露光開始前、駆動信号OFG1がアクティブ状態では、第1の光電変換部111は、第1排出ゲート部117の先に接続されたオーバーフロードレイン(例えば、電源VDD)に接続された状態で、フォトダイオードPD1内の電荷が全て排出された状態となっている。
そして、駆動信号OFG1が非アクティブ状態になることで、第1の光電変換部111で光電変換の結果生じた電荷の蓄積が開始される、言い換えれば露光動作が開始される。露光時間T1の経過後、転送信号TG1がアクティブ状態となり、露光期間中に第1の光電変換部111に蓄積された電荷が、フローティングディフュージョンへと転送される。これにより、第1の光電変換部111の1回の露光動作が終了する。
第2の光電変換部112の露光動作は、第4の転送ゲート部116を駆動する転送信号TG2及び第2排出ゲート部119を駆動する駆動信号OFG2によって制御される。転送信号TG2が0Vの状態では、第4の転送ゲート部116のチャネル領域に形成されたオーバーフローパスを経由して、第2の光電変換部112から電荷蓄積部118へと電荷がオーバーフローできる状態となる。
転送信号TG2が負バイアスVgnの状態では、このオーバーフローパスが閉じられ、第2の光電変換部112から電荷蓄積部118へ電荷がオーバーフローできない状態となっている。転送信号TG2が正バイアスVgpの状態では、第2の光電変換部112に光電変換の結果蓄積された電荷が全て、電荷蓄積部118へと転送される。
露光開始前、転送信号TG2がアクティブ状態にあるときは、第2の光電変換部112は、第2排出ゲート部119の先に接続されたオーバーフロードレイン(例えば、電源VDD)に接続された状態で、フォトダイオードPD2内の電荷が全て排出された状態となっている。
転送信号TG2が非アクティブ状態になることで、第2の光電変換部112で光電変換の結果生じた電荷の蓄積が開始される、言い換えれば露光動作が開始される。露光期間中、転送信号TG2は0Vとなっている。これにより、露光期間中、第2の光電変換部112から溢れた電荷は、第4の転送ゲート部116のオーバーフローパスを経て電荷蓄積部118へとオーバーフローする。露光時間T1の経過後、転送信号TG2がアクティブ状態となり、露光期間中に第2の光電変換部112に蓄積された電荷が、電荷蓄積部118へと転送される。これにより、第2の光電変換部112の1回の露光動作が終了する。
ここで、第1の光電変換部111の露光動作と、第2の光電変換部112の露光動作とが、同じタイミングで開始され、同じ期間露光動作を行い、同じタイミングで終了している。この動作は、以下のような作用、効果をもたらす。
すなわち、第1の光電変換部111から出力される画像データと、第2の光電変換部112から出力される画像データは、各画素に備わるブレンド合成ユニット206によって、画素毎にブレンド処理が行われ、結果として、1枚の画像データが作り出される。
ここで、撮影対象となる被写体が露光期間中にも移動している動被写体である場合、あるいは、CMOSイメージセンサ100が、自動車等の移動手段に搭載されて移動しながら露光を行う場合を考える。このとき、第1の光電変換部111の露光動作が行われる露光期間と、第2の光電変換部112の露光動作が行われる露光期間とが一致していないと、第1の光電変換部111から得られる画像に写っている被写体の位置と、第2の光電変換部112から得られる画像に写っている被写体の位置とがずれている場合がある。被写体の位置がずれている画像をブレンド合成すると、被写体の輪郭の先鋭度が低下した画像が出来上がってしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、図45のタイミング波形図に示すように、第1の光電変換部111の露光動作が行われる露光期間と、第2の光電変換部112の露光動作が行われる露光期間とを一致させて露光を行うようにしている。これにより、第1の光電変換部111から得られる画像に写っている被写体の位置と、第2の光電変換部112から得られる画像に写っている被写体の位置とが一致するため、これらの画像をブレンド合成すると、被写体の輪郭の先鋭度が高い画像を得ることができる。
(デューティ比=50%の間欠駆動による露光を行う場合)
次に、デューティ比=50%で露光を続ける場合について図46を用いて説明する。図46は、デューティ比=50%の場合の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の露光時間の制御に関するタイミング波形図である。
第1の光電変換部111の露光動作については、図45のタイミング波形図に基づく動作と同じである。従って、ここではその動作の説明を省略する。
露光開始前、駆動信号OFG2がアクティブ状態にあるときは、第2の光電変換部112は、第2排出ゲート部119の先に接続されたオーバーフロードレイン(例えば、電源VDD)に接続された状態で、フォトダイオードPD2内の電荷が全て排出された状態となっている。駆動信号OFG2が非アクティブ状態になることで、第2の光電変換部112で光電変換の結果生じた電荷の蓄積が開始される、言い換えれば露光動作が開始される。
露光開始後、露光期間T1の1/10の時間が経過した時点で、被写体輝度評価ユニット201によって電荷蓄積部118に蓄積された電荷量が評価され、露光時間制御ユニット202によって50%の間欠駆動による露光動作が開始される。
50%の間欠駆動による露光動作は、以下のように行われる。すなわち、露光期間T1が複数個のサブ露光期間へと分割される。分割数は極端に少ない(例えば、2個)よりも多い(例えば、10個以上)方が、移動している被写体を撮影する際に、移動する被写体を露光時間は短いものの逐次的確に捉えて露光を行うことができるため好ましい。
分割した各サブ露光期間において、50%の間欠駆動となる間は、転送信号TG2及び駆動信号OFG2の双方を0Vにする。この場合、この期間中に第2の光電変換部112からオーバーフローする電荷は、第4の転送ゲート部116に備わるオーバーフローパスを経由して電荷蓄積部118へとオーバーフローする。つまり、この期間中に第2の光電変換部112で光電変換の結果発生した電荷は、電荷蓄積部118に蓄積され、露光期間終了後、画素データとして出力される。
一方、分割した各サブ露光期間において、残りの50%となる間は、転送信号TG2を負バイアスVgn、駆動信号OFG2を0Vにする。この場合、この期間中に第2の光電変換部112からオーバーフローする電荷は、第2排出ゲート部119に備わるオーバーフローパスを経由してオーバーフロードレインへと排出される。この期間中に第2の光電変換部112で光電変換の結果発生した電荷が排出されることにより、電荷蓄積部118が飽和しにくくなるため、階調性を持った画像データが得られる範囲、即ちダイナミックレンジが拡大するという作用、効果が得られる。
更に、図46のタイミング波形図に基づく動作においても、図45のタイミング波形図に基づく動作と同様に、第1の光電変換部111の露光動作と、第2の光電変換部112の露光動作とが、同じタイミングで開始され、同じ期間露光動作を行い、同じタイミングで終了している。これにより、第1の光電変換部111と第2の光電変換部112とによって、移動している被写体を撮影して両者をブレンド合成する場合、両者の画像における被写体の位置が一致しているため先鋭度の高い画像を得ることができる。
(デューティ比=25%の間欠駆動による露光を行う場合)
次に、デューティ比=25%で露光を続ける場合について図47を用いて説明する。図47は、デューティ比=25%の場合の第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の露光時間の制御に関するタイミング波形図である。
第1の光電変換部111の露光動作については、図45のタイミング波形図に基づく動作と同じである。従って、ここではその動作の説明を省略する。
第2の光電変換部112の露光動作については、露光期間T1が複数個のサブ露光期間へと分割され、分割された各サブ露光期間において、25%の間欠駆動となる間は、転送信号TG2及び駆動信号OFG2の双方を0Vにする。そして、残りの75%となる間は、転送信号TG2を負バイアスVgn、駆動信号OFG2を0Vにする。その以外は、図46のタイミング波形図に基づく動作と同じである。
(露光動作によって得られる第1、第2の光電変換部の出力について)
ここで、露光動作によって得られる第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の出力について、図48を用いて説明する。図48は、第1の光電変換部111と第2の光電変換部112との露光動作によって得られる出力電圧をプロットした図である。図48において、横軸は単位画素20によって撮影される被写体の輝度、縦軸は単位画素20のフローティングディフュージョンFDからA/D変換ユニット204へ出力される電圧、言い換えればA/D変換ユニット204から出力されるデジタルデータに相当する値である。
既に述べたように、第1の光電変換部111は、第2の光電変換部112よりも、フォトダイオードの受光面積が大きい。このため、第1の光電変換部111及び第2の光電変換部112の双方について、同じ時間だけ光電変換動作を行った場合、第1の光電変換部111は、第2の光電変換部112よりも多くの信号電荷を得ることができる。言い換えれば、第1の光電変換部111は、感度が高い一方で飽和しやすく、ダイナミックレンジの小さい光電変換部となっている。
これに対して、第2の光電変換部112は、第1の光電変換部111よりも得られる信号電荷が少ない、言い換えれば感度が低い一方で飽和しにくくダイナミックレンジの大きい光電変換部となっている。そして、本実施形態では、第2の光電変換部112に関して、信号電荷を蓄積する電荷蓄積部118をより飽和しにくくしてダイナミックレンジをより拡大する手法として、間欠駆動を用いている。
図48において、一点鎖線が、第1の光電変換部111における、被写体輝度に対する出力特性を表している。また、図48において、傾きが異なる3本の実線のうち、最も傾きが大きな実線は、間欠駆動を行っていない場合(言い換えれば、デューティ比が100%となる間欠駆動を行った場合)の第2の光電変換部112における、被写体輝度に対する出力特性を表している。
傾きが異なる3本の実線のうち、次に傾きが大きな実線は、デューティ比が50%となる間欠駆動を行った場合の第2の光電変換部112における、被写体輝度に対する出力特性を表している。傾きが異なる3本の実線のうち、最も傾きが小さな実線は、デューティ比が25%となる間欠駆動を行った場合の第2の光電変換部112における、被写体輝度に対する出力特性を表している。
図48には、X軸に平行して、ノイズレベルも模式的に示している。図48からわかるように、間欠駆動を導入することによって、第2の光電変換部112のダイナミックレンジを拡大する作用、効果が得られている。一方、間欠駆動を行うと、図48に記載の出力特性の傾きが小さくなる。言い換えれば、間欠駆動を導入し、そのデューティ比を下げるほど、ダイナミックレンジは拡大する一方、ある輝度の被写体を撮影する場合には、間欠駆動を導入し、そのデューティ比を下げるほど、得られる信号の値が小さくなる、つまり、S/Nが低下する。被写体輝度が小さいほど、そもそもの信号の大きさが小さいため、このS/Nの低下の影響が大きくなる。
この問題を解決するために、本実施形態では、間欠駆動を導入してデューティ比を下げた画像そのものを出力するのではなく、次のような構成を採っている。すなわち、感度が高くS/Nが優れた第1の光電変換部111を各画素に併せて備え、間欠駆動を導入してダイナミックレンジを拡大した第2の光電変換部112から得た画像と、S/Nが優れた第1の光電変換部111から得た画像とをブレンド合成して出力する、という構成を採っている。
人間の視感度は、輝度の高い被写体よりも、輝度の低い被写体に対して高い。従って、間欠駆動を導入してダイナミックレンジを拡大した第2の光電変換部112から得た画像そのものを出力するのではなく、感度が高くS/Nが優れた第1の光電変換部111から得た画像とブレンド合成した画像を出力するようにしている。これにより、本実施形態に係るCMOSイメージセンサ100によれば、ダイナミックレンジ及びS/Nの双方に優れ、人間の目が感知できるノイズを低減した画像を取得する、という優れた作用、効果を得ることができる。
尚、第1の光電変換部111から得た画像と、第2の光電変換部112から得た画像とをブレンド合成するために、ブレンド合成する前に、次の処理を行っている。すなわち、被写体輝度に対する第2の光電変換部112の出力特性の傾きを、被写体輝度に対する第1の光電変換部111の出力特性の傾きと同じになるように、ゲインを掛ける処理を行っている。具体的には、図34に示すように、単位画素20は、画素毎にゲイン演算ユニット205を備えている。
ゲイン演算ユニット205は、第1の光電変換部111と第2の光電変換部112の感度の差に起因した出力特性の傾きの差と、画素毎の露光時間の違いによる出力特性の差との、それぞれに応じたゲインを画素毎に掛ける処理を行う。この処理により、被写体輝度に対する第2の光電変換部112の出力特性の傾きを、被写体輝度に対する第1の光電変換部111の出力特性の傾きと同じにする。
図48に記載の破線が、ゲインを掛けた後の、被写体輝度に対する第2の光電変換部112の出力特性を示している。破線で示す出力特性の傾きは、被写体輝度に対する第1の光電変換部111の出力特性に一致させている。これにより、第1の光電変換部111と第2の光電変換部112の感度の差や露光時間の差があっても、ブレンド後にはこれらの差が解消されたブレンド画像が得られる、という作用、効果がもたらされる。
[第7実施形態の変形例1]
第7実施形態の変形例1は、第2の半導体素子層102に形成した1つの画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットが、複数個の単位画素20の制御と信号処理とを担う例である。第7実施形態の変形例1に係るCMOSイメージセンサ100のシステムの立体構成を図49に示す。
第7実施形態では、第2の半導体素子層に形成した画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットが、単位画素20毎に備わる構成となっていた。これに対して、第7実施形態の変形例1では、第2の半導体素子層に形成した1つの画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットが、複数個の画素20を単位として制御と信号処理とを担う構成となっている。これに伴って、第3の半導体素子層103に形成したメモリも、複数個の単位画素20の制御と信号処理とを担う画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットに対応して備わる構成になっている。
上述した第7実施形態の変形例1に係るCMOSイメージセンサ100によれば、1個の画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットの面積を大きくすることが可能となる。これにより、画素制御ユニット及び画素信号処理ユニットにより多くのトランジスタを搭載することができるため、更に高度な機能を実現することが可能になる、という作用、効果がもたらされる。
[第7実施形態の変形例2]
第7実施形態の変形例2は、単位画素20が光電変換部を1個有する例である。第7実施形態の変形例2に係るCMOSイメージセンサ100における単位画素20の内部構成図を図50に示す。
図50に示すように、第7実施形態の変形例2に係る単位画素20は、光電変換部として、図35に記載の第1の光電変換部111を省略し、第2の光電変換部112のみを備えている。第2の光電変換部112及びその周辺の構成については、図35に記載の単位画素20と同じである。
すなわち、第2の光電変換部112、オーバーフローパスを備えた第4の転送ゲート部116、電荷蓄積部118、第2排出ゲート部119、及び、第2の半導体素子層102に形成された、電荷量評価部としての被写体輝度評価ユニット201、及び、露光時間制御部としての露光時間制御ユニット202を備える。電荷蓄積部118は、第2の光電変換部112に蓄積できる電荷よりも多くの電荷(例えば、第2の光電変換部112に蓄積できる電荷の100倍の量の電荷)を蓄積できる。
上記の構成の第7実施形態の変形例2に係る単位画素20では、第2の光電変換部112に関して、ダイナミックレンジ拡大のための間欠駆動を、第7実施形態で説明した間欠駆動と同様に行うことができる。第2の光電変換部112からオーバーフローした電荷を評価する方法と、第2の光電変換部を間欠駆動する方法は、第7実施形態の場合と同じであるため、その説明は省略する。
第7実施形態の変形例2において、露光動作によって得られる第2の光電変換部112の出力について、図51を用いて説明する。図51は、第2の光電変換部112の露光動作によって得られる出力電圧をプロットした図である。
変形例2は、第7実施形態と同様に、被写体の輝度に応じて画素毎に露光を間欠動作させてダイナミックレンジの高い画像を得る機構を備えている。画素毎に異なる時間で撮影した画像を出力する前に、露光時間の差を解消するためのゲイン演算を行う。図48と同様に図51に記載の実線が、間欠駆動を100%、50%、25%のデューティ比で行った場合の出力特性を表わしている。この出力特性に対して、画素毎に上記ゲイン演算を行い、図51の破線で記載したように、間欠駆動のデューティ比によらず出力特性の傾きを同じにするゲイン演算を行い、演算後の画像を出力する。
[第7実施形態の変形例3]
第7実施形態の変形例3は、被写体輝度に応じて、画素毎に電荷蓄積部の容量の大きさを変える例である。第7実施形態の変形例3に係るCMOSイメージセンサ100における単位画素20の内部構成図を図52に示す。
変形例3も、第7実施形態と同様に、1個の単位画素20は、第1、第2、第3の半導体素子層101,102,103に亘って形成されている。そして、これらの各半導体素子層101,102,103において、複数個の単位画素20が、列方向及び行方向の2次元アレイ状に配列されている。
図52に記載の変形例3において、単位画素20は、電荷蓄積部118の容量の大きさを、画素毎に変更する機構を備える。具体的には、電荷蓄積部118は、複数個の電荷蓄積部、例えば3個の電荷蓄積部1181,1182,1183から成る。これら3個の電荷蓄積部1181,1182,1183は、それぞれの間に配置される転送ゲート部1201,1202,1203を介して並列に接続されている。
電荷蓄積部118の容量として、大きな容量が必要となる場合は、これら転送ゲート部1201,1202,1203を導通状態にし、3個の電荷蓄積部1181,1182,1183を並列に接続して容量の大きさを大きくする。必要とされる容量の大きさが小さい場合は、電荷蓄積部1181,1182,1183の間の転送ゲート部1201,1202,1203を非導通状態にし、容量を切り離す。
転送ゲート部1201,1202,1203の導通/非導通の制御は、露光時間制御ユニット202による制御の下に行われる。すなわち、露光時間制御ユニット202は、電荷蓄積部118の容量の大きさを制御する容量制御ユニットとしての機能も有する。
先述した第7実施形においては、単位画素20が、露光期間中のある時点において、それまでの期間に電荷蓄積部118に蓄積された電荷の量を、被写体輝度評価ユニット201を用いて評価して、被写体の輝度の大小に応じて、その先の露光期間の長さを制御していた。
変形例3においては、単位画素20が、露光期間中のある時点において、それまでの期間に電荷蓄積部118に蓄積された電荷の量を、被写体輝度評価ユニット201を用いて評価して、被写体の輝度の大小に応じて、単位画素20に備わる電荷蓄積部118の容量の大きさを画素毎に変える、という制御が行われる。
被写体の輝度が高い場合は、電荷蓄積部118が飽和することを回避し、階調性のあるデータを得るために、電荷蓄積部118の容量の値は大きい方がよい。但し、光電変換動作の結果得られた信号電荷をフローティングディフュージョンFDへ転送して電荷電圧変換する場合、電荷蓄積部118の容量が大きいほど、フローティングディフュージョンFDの出力電圧が小さくなる、つまり感度が低くなる。
そこで、変形例3においては、電荷蓄積部118が飽和しないと予想される場合には、電荷蓄積部118の容量の大きさを小さくする制御を行うことにより、フローティングディフュージョンFDから感度の高い出力を得る。電荷蓄積部118の容量として、大きな容量が必要とされないのは、被写体の輝度が低い場合である。図49の出力特性からわかるように、被写体の輝度が低い場合は、被写体の輝度が高い場合よりも、そもそもの信号が小さいため、被写体の輝度が高い場合よりもS/Nが劣る。
一方、人間の視感度は、輝度の高い被写体よりも、輝度の低い被写体において高い。人間の視感度が高いにもかかわらず、そもそも信号が小さくS/Nが劣る、輝度の小さな被写体を撮影する画素において、変形例3は、単位画素20で用いる電荷蓄積部118の容量を小さくすることによってS/Nを改善する、という作用効果をもたらす。
[第7実施形態の変形例4]
第7実施形態の変形例4は、(1)第7実施形態に備わる、被写体の輝度を評価してその結果に応じて露光時間を変更する手段と、(2)第7実施形態の変形例3に備わる、被写体の輝度を評価してその結果に応じて電荷蓄積部118の容量を変更する手段と、の双方を画素毎に備える(不図示)。
変形例4は、輝度の大きな被写体を撮影する画素においては、電荷蓄積部118の容量を最大として、かつ間欠的な露光動作を行うことで、階調性を持って画像を撮影できる被写体の輝度の範囲を拡大し、これによってダイナミックレンジの広い画像を撮影することを可能にする。
同時に、変形例4は、輝度の小さな被写体を撮影する画素においては、間欠的な露光動作を行わず露光期間中に露光動作を行い続けることにより、できるだけ多くの信号電荷を得る。更に、電荷蓄積部118の容量を小さくすることにより、信号電荷をフローティングディフュージョンFDへ転送して電荷電圧変換する場合の容量を小さくして、フローティングディフュージョンFDから大きな出力電圧を得る。これによって、S/Nの高い画像を撮影することを可能にする。
このように、変形例4は、上記(1)と(2)の双方を画素毎に備えることにより、輝度の大きな被写体と輝度の小さな被写体の双方が混在した被写体を撮影した場合に、ダイナミックレンジが広くかつS/Nの高い画像を撮影することを可能にする、という作用効果をもたらす。
以上説明した第7実施形態及びその変形例に係る固体撮像素子にあっても、第1実施形態乃至第6実施形態に係る固体撮像素子と同様に、図33に記載した撮像装置などの電子機器において、その撮像部として用いることができる。第7実施形態及びその変形例に係る固体撮像素子は、第1実施形態乃至第6実施形態に係る固体撮像素子と同様に、信号電荷の蓄積に関する間欠駆動によってダイナミックレンジの拡大を図ることができる。これにより、撮像装置50の画質を向上させることができる。
尚、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
[1]複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
を備える固体撮像素子。
[2]複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出ゲート部を有する、
上記[1]に記載の固体撮像素子。
[3]排出ゲート部は、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する、
[2]に記載の固体撮像素子。
[4] 間欠駆動は、排出ゲート部及び第2の転送ゲート部を駆動するパルス信号による間欠的な駆動である、
上記[2]又は[3]に記載の固体撮像素子。
[5]駆動部は、第2の転送ゲート部及び排出ゲート部を、露光期間において、導通期間が重ならないように、交互に同じ周波数で動作させる、
上記[2]乃至[4]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[6]排出ゲート部を形成するゲート電極は、第1の光電変換部の一部と重なるように設けられている、
上記[3]に記載の固体撮像素子。
[7]排出ゲート部は、第2の光電変換部と第1の光電変換部との間に直列に配置された2つのゲート部から成り、
2つのゲート部のうち、第1の光電変換部側のゲート部のゲート電極は、第1の光電変換部の一部と重なるように設けられている、
上記[3]に記載の固体撮像素子。
[8]単位画素は、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、第1の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第1の切換ゲート部を有し、
電荷電圧変換部は、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第1の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、及び、第1の切換ゲート部とリセットトランジスタと第2の転送ゲート部とによって囲まれる第2領域から成る、
上記[2]又は[3]に記載の固体撮像素子。
[9]第1の切換ゲート部は、第1の光電変換部の信号電荷を読み出す際に、電荷電圧変換部に関して、高変換効率モードと低変換効率モードとの切替えが可能である、
上記[8]に記載の固体撮像素子。
[10]単位画素は、第2領域に接続された容量素子を有する、
上記[8]又は[9]に記載の固体撮像素子。
[11]単位画素は、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、及び、第2の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第2の切換ゲート部を有し、
電荷電圧変換部は、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第2の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、及び、第2の転送ゲート部と第2の切換ゲート部との間に位置する第2領域から成る、
上記[2]又は[3]に記載の固体撮像素子。
[12]単位画素は、第2領域に接続された容量素子を有する、
上記[11]に記載の固体撮像素子。
[13]単位画素は、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、第1の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第1の切換ゲート部、及び、第2の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第2の切換ゲート部を有し、
電荷電圧変換部は、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第1の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、第1の切換ゲート部と第2の切換ゲート部とリセットトランジスタとによって囲まれる第2領域、及び、第2の転送ゲート部と第2の切換ゲート部との間に位置する第3領域から成る、
上記[2]又は[3]に記載の固体撮像素子。
[14]単位画素は、第3領域に接続された容量素子を有する、
上記[13]に記載の固体撮像素子。
[15]複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
単位画素は、電荷蓄積部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、電荷蓄積部と電荷電圧変換部とのポテンシャルを結合する第2及び第3の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷蓄積部に転送する第4の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出ゲート部、第4の転送ゲート部及び排出ゲート部の導通/非導通を制御することによって第2の光電変換部での露光動作の露光時間を制御する露光時間制御部、並びに、1回の第2の光電変換部での露光動作の期間内のある時点で電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を評価する電荷量評価部を有し、
第4の転送ゲート部のゲート電極の下部には、第2の光電変換部から溢れた電荷を電荷蓄積部に転送するオーバーフローパスが形成されており、
露光時間制御部は、電荷量評価部の評価結果に応じて、1回の第2の光電変換部での露光動作における、電荷量評価部による評価以降の露光時間を制御する、
上記[1]に記載の固体撮像素子。
[16]光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、
光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動する駆動部、及び、
光電変換部から得られる信号レベルを基に、当該光電変換部の露光時間を制御する制御系、
を備える固体撮像素子。
[17]制御系は、光電変換部から得られる信号レベルに基づいて被写体の輝度を評価する被写体輝度評価部、及び、被写体輝度評価部の評価結果に基づいて、光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動するパルス信号のパルス幅を制御することによって露光時間を制御する露光時間制御部を有する、
上記[16]に記載の固体撮像素子。
[18]光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部を備え、
単位画素は、電荷蓄積部、光電変換部で光電変換された電荷を電荷蓄積部に転送する転送ゲート部、光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出ゲート部、転送ゲート部及び排出ゲート部の導通/非導通を制御することによって光電変換部での露光動作の露光時間を制御する露光時間制御部、及び、1回の光電変換部での露光動作の期間内のある時点で電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を評価する電荷量評価部を有し、
露光時間制御部は、電荷量評価部の評価結果に応じて、1回の光電変換部における露光動作における、電荷量評価部による評価以降の露光時間を制御する、
固体撮像素子。
[19]複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部を備える固体撮像素子の駆動に当たって、
複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える、
固体撮像素子の駆動方法。
[20]複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部と、
複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部と、
を備える固体撮像素子を有する電子機器。
10(10A,10B),100・・・CMOSイメージセンサ、11・・・画素アレイ部、12・・・垂直駆動部、13・・・カラム処理部、14・・・水平駆動部、15・・・システム制御部、16(161〜16m)・・・画素駆動線、17(171〜17n)・・・垂直信号線、18・・・信号処理部、19・・・データ格納部、20・・・単位画素、21,22・・・転送トランジスタ(転送ゲート部)、23,27・・・シャッタートランジスタ(排出ゲート部)、24・・・リセットトランジスタ、25・・・増幅トランジスタ、26・・・選択トランジスタ、28(281,282)・・・FD切替えトランジスタ、31・・・被写体輝度評価部、32・・・露光時間制御部、50・・・撮像装置、51・・・光学系、52・・・撮像部、53・・・DSP回路、54・・・フレームメモリ、55・・・表示装置、56・・・記録装置、57・・・操作系、58・・・電源系、59・・・バスライン、101・・・第1の半導体素子層、102・・・第2の半導体素子層、103・・・第3の半導体素子層、104・・・第4の半導体素子層、105・・・第5の半導体素子層、111・・・第1の光電変換部、112・・・第2の光電変換部、113・・・第1の転送ゲート部、114・・・第2の転送ゲート部、115・・・第3の転送ゲート部、116・・・第4の転送ゲート部、117・・・第1排出ゲート部、118・・・電荷蓄積部、119・・・第2排出ゲート部、201・・・被写体輝度評価ユニット、202・・・露光時間制御ユニット、203・・・画素動作制御ユニット、204・・・A/D(アナログ/デジタル)変換ユニット、205・・・ゲイン演算ユニット、206・・・ブレンド合成ユニット、211・・・露光時間メモリ、212・・・ゲイン演算前画素データメモリ、213・・・ゲイン演算後画素データメモリ、214・・・ブレンド後ワイドD画素データメモリ、221・・・非線形圧縮処理ユニット、222・・・画像信号処理ユニット、301・・・第1のオンチップレンズ、302・・・第2のオンチップレンズ、Cap・・・容量素子、FD,FD1,FD2・・・フローティングディフュージョン、PD1・・・第1のフォトダイオード、PD2・・・第2のフォトダイオード

Claims (15)

  1. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
    を備え
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する排出する排出ゲート部を有する、
    固体撮像素子。
  2. 排出ゲート部を形成するゲート電極は、第1の光電変換部の一部と重なるように設けられている、
    請求項に記載の固体撮像素子。
  3. 排出ゲート部は、第2の光電変換部と第1の光電変換部との間に直列に配置された2つのゲート部から成り、
    2つのゲート部のうち、第1の光電変換部側のゲート部のゲート電極は、第1の光電変換部の一部と重なるように設けられている、
    請求項に記載の固体撮像素子。
  4. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
    を備え、
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出する排出ゲート部を有し、
    駆動部は、第2の転送ゲート部及び排出ゲート部を、露光期間において、導通期間が重ならないように、交互に同じ周波数で動作させる、
    体撮像素子。
  5. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
    を備え、
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出する排出ゲート部、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、及び、第1の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第1の切換ゲート部を有し、
    電荷電圧変換部は、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第1の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、及び、第1の切換ゲート部とリセットトランジスタと第2の転送ゲート部とによって囲まれる第2領域から成る、
    体撮像素子。
  6. 第1の切換ゲート部は、第1の光電変換部の信号電荷を読み出す際に、電荷電圧変換部に関して、高変換効率モードと低変換効率モードとの切替えが可能である、
    請求項に記載の固体撮像素子。
  7. 単位画素は、第2領域に接続された容量素子を有する、
    請求項に記載の固体撮像素子。
  8. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
    を備え、
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出する排出ゲート部、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、及び、第2の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第2の切換ゲート部を有し、
    電荷電圧変換部は、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第2の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、及び、第2の転送ゲート部と第2の切換ゲート部との間に位置する第2領域から成る、
    体撮像素子。
  9. 単位画素は、第2領域に接続された容量素子を有する、
    請求項に記載の固体撮像素子。
  10. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
    を備え、
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出する排出ゲート部、電荷電圧変換部で変換された電圧を出力する増幅トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、第1の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第1の切換ゲート部、及び、第2の転送ゲート部とリセットトランジスタとの間に設けられた第2の切換ゲート部を有し、
    電荷電圧変換部は、第1の転送ゲート部と増幅トランジスタと第1の切換ゲート部とによって囲まれる第1領域、第1の切換ゲート部と第2の切換ゲート部とリセットトランジスタとによって囲まれる第2領域、及び、第2の転送ゲート部と第2の切換ゲート部との間に位置する第3領域から成る、
    体撮像素子。
  11. 単位画素は、第3領域に接続された容量素子を有する、
    請求項10に記載の固体撮像素子。
  12. 間欠駆動は、排出ゲート部及び第2の転送ゲート部を駆動するパルス信号による間欠的な駆動である、
    請求項1乃至11のいずれかに記載の固体撮像素子。
  13. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部、
    を備え、
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷蓄積部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、電荷蓄積部と電荷電圧変換部とのポテンシャルを結合する第2及び第3の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷蓄積部に転送する第4の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を排出する排出ゲート部、第4の転送ゲート部及び排出ゲート部の導通/非導通を制御することによって第2の光電変換部での露光動作の露光時間を制御する露光時間制御部、並びに、1回の第2の光電変換部での露光動作の期間内のある時点で電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を評価する電荷量評価部を有し、
    第4の転送ゲート部のゲート電極の下部には、第2の光電変換部から溢れた電荷を電荷蓄積部に転送するオーバーフローパスが形成されており、
    露光時間制御部は、電荷量評価部の評価結果に応じて、1回の第2の光電変換部での露光動作における、電荷量評価部による評価以降の露光時間を制御する、
    体撮像素子。
  14. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部を備え
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する排出する排出ゲート部を有する、
    固体撮像素子の駆動に当たって、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動し、かつ、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部で光電変換された電荷に加算することによって複数の光電変換部の感度比を変える、
    固体撮像素子の駆動方法。
  15. 複数の光電変換部を含む単位画素が複数配置されて成る画素アレイ部、及び、
    複数の光電変換部の信号電荷の蓄積に関して間欠駆動することによって複数の光電変換部の感度比を変える駆動部と、
    を備え、
    複数の光電変換部は、第1の光電変換部及び第2の光電変換部から成り、
    単位画素は、電荷電圧変換部、第1の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第1の転送ゲート部、第2の光電変換部で光電変換された電荷を電荷電圧変換部に転送する第2の転送ゲート部、及び、第2の光電変換部で光電変換された電荷を第1の光電変換部へ排出する排出する排出ゲート部
    を備える固体撮像素子を有する電子機器。
JP2018508540A 2016-03-31 2017-02-15 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器 Active JP6969539B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016069981 2016-03-31
JP2016069981 2016-03-31
PCT/JP2017/005417 WO2017169216A1 (ja) 2016-03-31 2017-02-15 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017169216A1 JPWO2017169216A1 (ja) 2019-02-07
JP6969539B2 true JP6969539B2 (ja) 2021-11-24

Family

ID=59963912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018508540A Active JP6969539B2 (ja) 2016-03-31 2017-02-15 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10498984B2 (ja)
JP (1) JP6969539B2 (ja)
KR (1) KR102641555B1 (ja)
CN (1) CN107801425B (ja)
WO (1) WO2017169216A1 (ja)

Families Citing this family (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10341592B2 (en) 2015-06-09 2019-07-02 Sony Semiconductor Solutions Corporation Imaging element, driving method, and electronic device
EP3554065B1 (en) * 2016-12-08 2021-12-29 Nuvoton Technology Corporation Japan Solid-state imaging apparatus and imaging apparatus
CN108337409B (zh) * 2017-01-19 2021-06-22 松下知识产权经营株式会社 摄像装置及照相机***
KR102406996B1 (ko) * 2017-04-07 2022-06-08 삼성전자주식회사 이미지 센서
US10944927B2 (en) * 2017-07-14 2021-03-09 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. Semiconductor structure and operating method for improving charge transfer of image sensor device
CN108366213B (zh) * 2017-12-19 2020-09-04 思特威(上海)电子科技有限公司 像素及其成像方法和成像装置
CN108270982B (zh) * 2017-12-19 2020-09-04 思特威(上海)电子科技有限公司 像素单元及其成像方法和成像装置
CN108270981B (zh) * 2017-12-19 2021-05-14 思特威(上海)电子科技股份有限公司 像素单元及其成像方法和成像装置
US10714517B2 (en) 2018-01-23 2020-07-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Image sensor
US11658193B2 (en) 2018-01-23 2023-05-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Image sensor
CN108419030B (zh) * 2018-03-01 2021-04-20 思特威(上海)电子科技股份有限公司 具有led闪烁衰减的hdr图像传感器像素结构及成像***
CN108419032B (zh) * 2018-03-01 2021-01-05 思特威(上海)电子科技有限公司 支持多种曝光模式的hdr图像传感器像素结构及成像***
CN108322676B (zh) * 2018-03-01 2021-06-29 思特威(上海)电子科技股份有限公司 对led光源闪烁免疫的图像传感器像素结构及成像***
CN108282621B (zh) * 2018-03-01 2021-02-26 思特威(上海)电子科技有限公司 降低led光源闪烁影响的图像传感器像素结构及成像***
JP6857856B2 (ja) * 2018-03-28 2021-04-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体撮像装置、固体撮像システム、固体撮像装置の駆動方法
CN111971952B (zh) * 2018-04-04 2024-06-18 索尼半导体解决方案公司 固态摄像元件和摄像装置
US11049448B2 (en) 2018-05-08 2021-06-29 Apple Inc. Memory-in-pixel architecture
US10867548B2 (en) * 2018-05-08 2020-12-15 Apple Inc. Systems and methods for memory circuitry in an electronic display
US10909926B2 (en) 2018-05-08 2021-02-02 Apple Inc. Pixel circuitry and operation for memory-containing electronic display
CN108649059B (zh) 2018-05-14 2020-12-08 京东方科技集团股份有限公司 一种阵列基板、显示装置及其驱动方法
WO2019225071A1 (ja) * 2018-05-23 2019-11-28 ソニー株式会社 信号処理装置及び信号処理方法、並びに撮像装置
TWI833775B (zh) * 2018-07-10 2024-03-01 日商索尼半導體解決方案公司 固態攝像裝置及電子裝置
JP7297546B2 (ja) * 2018-08-31 2023-06-26 キヤノン株式会社 光電変換装置、撮像システム、移動体、および積層用の半導体基板
JP7356214B2 (ja) * 2018-09-04 2023-10-04 キヤノン株式会社 撮像装置、その製造方法及びカメラ
CN109151293B (zh) * 2018-11-02 2020-10-27 思特威(上海)电子科技有限公司 具有增益补偿的hdr图像传感器、读出电路及方法
CN111385486B (zh) * 2018-12-29 2022-04-08 北京小米移动软件有限公司 图像采集设备的控制方法和装置
JP2020141362A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 光検出装置
US11550060B2 (en) * 2019-03-25 2023-01-10 Sony Semiconductor Solutions Corporation Imaging portion, time-of-flight device and method
JP7507152B2 (ja) 2019-05-31 2024-06-27 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 固体撮像装置、撮像装置および撮像方法
WO2021044737A1 (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像素子、および、撮像装置
CN114731376A (zh) 2019-12-02 2022-07-08 索尼半导体解决方案公司 固体摄像装置和电子设备
JP7491363B2 (ja) * 2020-02-17 2024-05-28 株式会社ニコン 撮像素子及び撮像装置
JP2022003747A (ja) * 2020-06-23 2022-01-11 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 撮像装置
WO2022244328A1 (ja) * 2021-05-17 2022-11-24 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像装置および電子機器
DE112022003084T5 (de) * 2021-06-15 2024-04-11 Sony Semiconductor Solutions Corporation Bildgebungsvorrichtung, elektronische einrichtung
WO2023027143A1 (ja) * 2021-08-25 2023-03-02 株式会社ニコン 撮像素子および撮像装置
JPWO2023042498A1 (ja) * 2021-09-17 2023-03-23
KR20230041388A (ko) * 2021-09-17 2023-03-24 삼성전자주식회사 단위 픽셀, 이미지 센서 및 차량
JP2023069540A (ja) * 2021-11-05 2023-05-18 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 撮像装置および電子機器
WO2023080177A1 (ja) * 2021-11-05 2023-05-11 株式会社ニコン 撮像素子および撮像装置
CN114302078B (zh) * 2021-12-28 2023-04-07 锐芯微电子股份有限公司 像素结构控制方法及设备、计算机可读存储介质
US20240022800A1 (en) * 2022-07-15 2024-01-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Image sensor and electronic device including the same
JP2024032194A (ja) * 2022-08-29 2024-03-12 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 光検出素子及び電子機器

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51132514A (en) 1975-04-02 1976-11-17 Hitachi Ltd Automatic control device for train
JP3071891B2 (ja) 1991-08-30 2000-07-31 富士写真フイルム株式会社 固体電子撮像装置
JP2000316164A (ja) * 1999-05-06 2000-11-14 Sanyo Electric Co Ltd 固体撮像素子の駆動方法及び装置
JP4403635B2 (ja) 2000-05-31 2010-01-27 パナソニック株式会社 ダイナミックレンジ拡大カメラ
JP2005006047A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Fuji Photo Film Co Ltd 電子カメラの露出制御装置
JP4317115B2 (ja) 2004-04-12 2009-08-19 国立大学法人東北大学 固体撮像装置、光センサおよび固体撮像装置の動作方法
KR100818724B1 (ko) * 2006-07-19 2008-04-01 삼성전자주식회사 Cmos 이미지 센서와 이를 이용한 이미지 센싱 방법
JP2009277798A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Sony Corp 固体撮像装置及び電子機器
JP5251736B2 (ja) * 2009-06-05 2013-07-31 ソニー株式会社 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および電子機器
JP2011071481A (ja) * 2009-08-28 2011-04-07 Fujifilm Corp 固体撮像装置,固体撮像装置の製造方法,デジタルスチルカメラ,デジタルビデオカメラ,携帯電話,内視鏡
CN103258829A (zh) 2012-02-16 2013-08-21 索尼公司 固态成像装置、图像传感器及其制造方法以及电子设备
JP2013207321A (ja) 2012-03-27 2013-10-07 Sony Corp 固体撮像装置、及び、電子機器
JP2015228388A (ja) * 2012-09-25 2015-12-17 ソニー株式会社 固体撮像装置、電子機器
JP2014154982A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Canon Inc 撮像装置およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR102641555B1 (ko) 2024-02-28
US10498984B2 (en) 2019-12-03
CN107801425B (zh) 2021-05-14
WO2017169216A1 (ja) 2017-10-05
CN107801425A (zh) 2018-03-13
KR20180128823A (ko) 2018-12-04
JPWO2017169216A1 (ja) 2019-02-07
US20190075261A1 (en) 2019-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6969539B2 (ja) 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器
US10362246B2 (en) Solid-state image pickup device, method of driving the same, and electronic apparatus
JP7178644B2 (ja) 撮像装置および画像取得装置
US11050955B2 (en) Solid-state imaging device, method for driving solid-state imaging device, and electronic apparatus
US11818487B2 (en) Imaging apparatus, driving method, and electronic device
JP6694605B2 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器
JP4571179B2 (ja) 撮像装置
JP6743011B2 (ja) 撮像装置、駆動方法、電子機器
JP2017084892A (ja) 撮像装置
JP2008167004A (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および撮像装置
JP2019193184A (ja) 撮像装置及び撮像装置の駆動方法
JP2017175345A (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器
CN114600447A (zh) 摄像元件、光检测元件和电子设备
JP6740230B2 (ja) 固体撮像装置および電子機器
JP2016208402A (ja) 固体撮像素子およびその駆動方法、並びに電子機器
US20190116329A1 (en) Solid-state imaging device, signal processing method, and electronic device
WO2021157261A1 (ja) 撮像装置および画像処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200207

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20210301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211011

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6969539

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151