JP6965680B2 - 海水淡水化方法および海水淡水化システム - Google Patents

海水淡水化方法および海水淡水化システム Download PDF

Info

Publication number
JP6965680B2
JP6965680B2 JP2017199575A JP2017199575A JP6965680B2 JP 6965680 B2 JP6965680 B2 JP 6965680B2 JP 2017199575 A JP2017199575 A JP 2017199575A JP 2017199575 A JP2017199575 A JP 2017199575A JP 6965680 B2 JP6965680 B2 JP 6965680B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
membrane
reverse osmosis
concentrated
seawater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017199575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019072660A (ja
Inventor
崇人 中尾
秀彦 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2017199575A priority Critical patent/JP6965680B2/ja
Publication of JP2019072660A publication Critical patent/JP2019072660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6965680B2 publication Critical patent/JP6965680B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/124Water desalination
    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

本発明は、海水淡水化方法および海水淡水化システムに関する。
海水から淡水を生産する造水システム(海水淡水化装置)は、昇圧ポンプによって所定の圧力に昇圧された海水を逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜モジュールに供給し、RO膜を通過させることで、海水中の塩分等を除去して淡水を取り出すシステムである。残りの塩水は、濃縮塩水(ブライン)としてRO膜モジュールから排出される。
RO膜で処理された水は、飲料水にも使用されるが、安全意識の高まりとともに、水質基準の遵守が求められている。WHOの水質基準値を達成するために、RO膜処理(高圧RO膜処理)した透過水を再度RO膜で処理(低圧RO膜処理)してホウ素等を除去する2段RO膜処理システムが知られている(特許文献1:特開2004−97911号公報)。
一方、特許文献2(米国特許出願公開第2013/0160435号明細書)には、RO処理において生じた濃縮塩水の浸透圧エネルギーを利用した浸透圧発電システムが開示されている。この浸透圧発電システムでは、正浸透(FO:Forward Osmosis)膜モジュール(発電用半透膜透過器)の半透膜の一方側に、淡水を取り出した後の濃縮塩水(DS:ドロー溶液)を流し、半透膜の他方側に、海水よりも浸透圧が低い低浸透圧水(FS:フィード溶液)を流すことで、正浸透現象によって濃縮塩水側の流量を増加させ、増加した流量で水流発電機を駆動させて発電を行う。このようなエネルギー回収装置によって効率的にエネルギーを回収することで、海水淡水化装置の消費エネルギーを低減させることができる。
特開2004−97911号公報 米国特許出願公開第2013/0160435号明細書
従来の2段RO膜処理システムにおいて、1段目のRO膜処理で生じる濃縮塩水(第1濃縮水)は、河川水や排水等の低浸透圧水と混合し、塩分濃度を薄めて海洋などに放流されていた。しかし、濃縮塩水と低浸透圧水との浸透圧差によって生じるエネルギーを回収し、海水淡水化装置のエネルギー消費量を抑制することが検討されている。ここで、エネルギー回収に利用される河川水等の低浸透圧水は、通常、凝集沈殿ろ過法、限外ろ過(UF)膜精密ろ過(MF)膜などの膜ろ過法などの前処理を施す必要がある。一方で、2段目のRO膜処理で生じる濃縮水(第2濃縮水)は、利用されることなく排水されていた。
本発明は、2段RO膜処理システムにおいて、1段目のRO膜処理で生じる濃縮塩水(第1濃縮水)を低浸透圧水で希釈した後に排水するとともに、濃縮塩水と低浸透圧水との浸透圧差を利用してエネルギーを回収する場合に、低浸透圧水の前処理量を低減し、かつ、2段目のRO膜処理で生じる濃縮水(第2濃縮水)を有効利用することのできる海水淡水化方法を提供することを目的とする。
[1] 第1逆浸透膜を備える第1逆浸透膜モジュールに海水を供給し、前記第1逆浸透膜を通過した第1透過水と、濃縮された前記海水である第1濃縮水とを得る、第1逆浸透工程と、
第2逆浸透膜を備える第2逆浸透膜モジュールに前記第1透過水を供給し、前記第2逆浸透膜を通過した第2透過水と、濃縮された前記第1透過水である第2濃縮水とを得る、第2逆浸透工程と、
前記第1濃縮水と、前記第2濃縮水を含む低浸透圧水との浸透圧差によって生じるエネルギーを回収する、エネルギー回収工程と、
を含む、海水淡水化方法。
[2] 前記エネルギー回収工程では、前記第1濃縮水と前記低浸透圧水とを半透膜を介して接触させて、正浸透現象により前記第1濃縮水の水量を増加させ、水量が増加した前記第1濃縮水のエネルギーを回収する、[1]に記載の海水淡水化方法。
[3] 前記第1逆浸透工程と前記第2逆浸透工程の間に、pH調整剤によって前記第1透過水のpHをアルカリに調整する、[1]または[2]に記載の海水淡水化方法。
[4] 前記半透膜が中空糸膜である、[2]に記載の海水淡水化方法。
[5] 前記低浸透圧水は、河川水または排水を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の海水淡水化方法。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の海水淡水化方法に用いられる海水淡水化システムであって、
前記第1逆浸透膜を有する前記第1逆浸透膜モジュールと、
前記第2逆浸透膜を有する前記第2逆浸透膜モジュールと、
前記第1濃縮水と、前記第2濃縮水を含む前記低浸透圧水との浸透圧差によって生じるエネルギーを回収する、エネルギー回収装置と、
を備える、海水淡水化システム。
本発明によれば、2段RO膜処理システムにおいて、1段目のRO膜処理で生じる濃縮塩水(第1濃縮水)を低浸透圧水で希釈した後に排水するとともに、濃縮塩水と低浸透圧水との浸透圧差を利用してエネルギーを回収する場合に、低浸透圧水の前処理量を低減し、かつ、2段目のRO膜処理で生じる濃縮水(第2濃縮水)を有効利用することができる。
実施形態1に係る海水淡水化方法(海水淡水化システム)の構成を示す模式図である。 実施形態2に係る海水淡水化方法(海水淡水化システム)の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を示す。
<実施形態1>
本実施形態の海水淡水化方法は、以下の第1逆浸透工程と、第2逆浸透工程と、エネルギー回収工程と、を含む。
[第1逆浸透工程]
本工程では、図1に示されるように、第1逆浸透膜11aを備える第1逆浸透膜モジュール11に海水を供給し、前記第1逆浸透膜11aを通過した第1透過水と、濃縮された前記海水である第1濃縮水とを得る。
具体的には、まず、海水は、前処理されたあと、第1昇圧ポンプ31に供給される。
次に、第1昇圧ポンプ31により海水は所定の圧力に昇圧されて、第1RO膜モジュール11へ供給される。ここで、所定の圧力は、海水の浸透圧(約2.5〜3MPa)より高い圧力であり、例えば、6〜8MPaである。
第1RO膜モジュール11は、第1昇圧ポンプ31によって所定の圧力に昇圧された海水から第1RO膜11aを介して第1透過水を分離する。第1RO膜11aを通過することで、海水中の塩分の99質量%以上、好ましくは99.5質量%以上が除去された第1透過水(例えば、塩分含量400mg/L未満)を得ることができる。第1透過水は、第2昇圧ポンプ32に送られて、第2RO膜モジュール12に供給される。
膜を通過せずに濃縮された海水(第1濃縮水)は、高い圧力を維持したまま、第1RO膜モジュール11から排出され、その圧力は、例えば供給海水の入口圧力から膜エレメント内の送液圧力損失分(例えば0.2MPa未満)が下がった圧力である。第1濃縮水は、第1送液ポンプ33によって、所定の圧力でFO膜モジュール2の第2室22に供給される。ここで、所定の圧力は、第1濃縮水と低浸透圧水の浸透圧差より低い圧力であり、例えば、2〜3MPaである。第1送液ポンプ33の上流に減圧装置を設置し、圧力を低下させるとともにエネルギーを回収することもできる。
[第2逆浸透工程]
本工程では、図1に示されるように、第2逆浸透膜12aを備える第2逆浸透膜モジュール12に前記第1透過水を供給し、前記第2逆浸透膜12aを通過した第2透過水と、濃縮された前記第1透過水である第2濃縮水とを得る。
具体的には、第1RO膜モジュール11の第1RO膜11aを通過した第1透過水は、第2昇圧ポンプ32に送られて所定の圧力に昇圧され、第2RO膜モジュール12へ供給される。ここで、所定の圧力は、第1透過水の浸透圧より高い圧力であり、例えば、0.5〜1MPaである。
第2RO膜モジュール12は、第2昇圧ポンプ32によって所定の圧力に昇圧された第1透過水から第2RO膜12aを介して第2透過水を分離する。第2RO膜12aを通過することで、第1透過水に含まれていた塩分、不純物等がさらに除去された第2透過水を得ることができる。分離された第2透過水は、必要により次の精製工程等に送られて生産水(飲料水など)となる。
残りの濃縮された第2濃縮水は、第2RO膜モジュール12から排出され、第2送液ポンプ34によって、FO膜モジュール2の第1室21に供給される。
第2RO膜モジュール12の不純物等の除去効率を向上させるために、第1逆浸透工程と第2逆浸透工程の間に、第1透過水のpH調整を行ってもよい。例えば、pH調整剤によって第1透過水のpHをアルカリに調整してもよい。ホウ素は中性付近で分子状態で存在するためにRO膜による除去が困難であるが、pHを9以上にするとホウ素は主にイオン状態(陰イオン)で存在し、一般的に負に帯電しているポリアミド等のRO膜、NF膜での除去率を大幅に増加させることができるからである。これにより、生産水中のホウ素の含有量をWHOの水道水質基準以下にすることができる。この場合、高pHに耐えるRO膜(例えば、ポリアミド膜など)を使用することが望ましい。
また、第2RO膜モジュール12で処理する第1透過水の量は、第1透過水の水質によって適宜調節すればよい。
本発明において、RO膜(第1RO膜11a,第2RO膜12a)および半透膜(FO膜)2aの形状としては、特に限定されないが、例えば、平膜、スパイラル膜または中空糸膜が挙げられる。第1RO膜11aは、好ましくは、中空糸膜である。第2RO膜12aは、好ましくは、スパイラル膜である。半透膜2aは、好ましくは、中空糸膜である。なお、図1では、RO膜およびFO膜として平膜を簡略化して描いているが、特にこのような形状に限定されるものではない。なお、中空糸膜(中空糸型半透膜)は、スパイラル型半透膜などに比べて、モジュール当たりの膜面積を大きくすることができ、逆浸透および正浸透の効率を高めることができる点で有利である。
RO膜およびFO膜の材質としては、特に限定されないが、例えば、酢酸セルロース、ポリアミドまたはポリスルホンが挙げられる。RO膜(第1RO膜11a,第2RO膜12a)およびFO膜2aの素材は、同一であっても異なっていてもよい。酢酸セルロースは耐塩素性に優れるため、酢酸セルロースを用いた場合、各モジュールへの供給水に殺菌剤として塩素系殺菌剤を添加することができる。
また、RO膜モジュール(第1RO膜モジュール11,第2RO膜モジュール12)およびFO膜モジュール2の形態としては、特に限定されないが、中空糸膜を用いる場合は、中空糸膜をストレート配置したモジュールや、中空糸膜を芯管に巻きつけたクロスワインド型モジュールなどが挙げられる。平膜を用いる場合は、平膜を積み重ねた積層型モジュールや、平膜を封筒状として芯管に巻きつけたスパイラル型モジュールなどが挙げられる。
[エネルギー回収工程]
本工程では、第1濃縮水と、第2濃縮水を含む低浸透圧水との浸透圧差によって生じるエネルギーを回収する。このエネルギー回収工程では、図1に示されるように、前記第1濃縮水と前記低浸透圧水とを半透膜2aを介して接触させて、正浸透現象により前記第1濃縮水の水量を増加させ、水量が増加した前記第1濃縮水のエネルギーを回収することが好ましい。
図1において、正浸透処理に用いられる正浸透(FO)膜モジュール2は、半透膜である正浸透(FO)膜2aと、フィード溶液(FS)が供給される第1室21およびドロー溶液(DS)が供給される第2室22とを備え、第1室21と第2室22とはFO膜2aで仕切られている。
上述のとおり、第1RO膜モジュール11から排出された第1濃縮水は、第1送液ポンプ33によってFO膜モジュール2の第2室22に供給される。また、FO膜モジュール2の第1室21には、第2送液ポンプ34によって、第2濃縮水を含む低浸透圧水が供給される。そして、第2室22内の第1濃縮水には、正浸透現象により、FO膜2aを介して第1室21側から水が流入し、希釈された塩水(希釈塩水)として第2室22の流出口から排出される。
FO膜モジュール2において増量した(圧力が高められた)希釈塩水は、エネルギー回収装置5に供給される。なお、エネルギー回収装置5でエネルギーが回収された後の希釈塩水は、排水処理が施された後、海洋へ排出される。
FO膜モジュール2から排出された希釈塩水は、塩濃度が第1濃縮水よりも低下しているため、高塩濃度水の排出による環境への影響を軽減することができる。
通常、河川水または排水は、FSとして利用する場合(特に、半透膜として中空糸膜を用いた場合)、半透膜の目詰まりを防止するために前処理を行う必要がある。これに対して、本実施形態においては、FO膜モジュール2の第1室21にFSとして供給される低浸透圧水は、RO膜を通過した第2濃縮水である。このため、特別な前処理を行うことなく、第2濃縮水をFO膜モジュール2に供給することができる。
浸透圧差を利用したエネルギー回収方法としては、上記の正浸透膜を透過する水流により発電を行う浸透圧発電(PRO)以外にも、濃度差エネルギーによるイオンの流れを直接電気エネルギーに変換する逆電気透析(RED)などを用いてもよい。
(エネルギー回収装置)
上記のエネルギー回収工程では、以下のエネルギー回収装置(ERD)5を用いて、FO膜モジュール2において増量された(圧力が高められた)希釈塩水のエネルギーを回収する。
本実施形態においては、ERD5によって回収されたエネルギーを、海水淡水化装置内の昇圧ポンプ(第1昇圧ポンプ31または第2昇圧ポンプ32)等に供給することで、海水淡水化装置全体のエネルギー消費量の増加を抑制することができる。
また、ERD5によって回収されたエネルギーを主に電力として他の施設に供給する場合も、海水淡水化装置だけでなく電力供給施設等も含めた全体として、エネルギー消費量の増加を抑制することができる。
エネルギー回収装置(ERD)としては、例えば、機械式のERD、または、電気式のERDが挙げられる。
機械式のERDは、塩水のエネルギーを機械的に回収する装置である。機械式のERDは、電気式のERDよりもエネルギー変換ロスが少なく、エネルギー回収効率が高いという利点がある。したがって、ERDとして機械式のERDを採用することにより、昇圧ポンプ等の消費動力をより削減することができる。機械式のERDとしては、例えば、動力伝達式ERDまたは圧力伝達式ERDが挙げられる。
動力伝達式ERDは、希釈塩水の流量(圧力)エネルギー等を動力として回収する装置である。動力伝達式ERDとしては、例えば、ターボチャージャー、または、昇圧ポンプの駆動軸と同軸上に結合された水車が挙げられる。
なお、一般に、ターボチャージャーは、昇圧ポンプの駆動軸と同軸上に結合された水車などに比べて、処理可能な流量範囲が広いため、大量処理に適しているという利点がある。
また、ERDとして、昇圧ポンプ等の駆動軸(モータ軸)と同軸上に結合された水車を用いる場合、水車としては、緩衝水車、反動水車などを用いることができる。緩衝水車としては、例えば、ペルトン水車、ターゴインパルス水車、クロスフロー水車などが挙げられる。これらの中でも、回収効率やメンテナンスの容易性の観点から、ペルトン水車を用いることが好ましい。
なお、昇圧ポンプ等と水車(ERD5)との間にクラッチを設けてもよい。これにより、造水システムを始動してから定常状態に至る初期状態において、クラッチを切ることで、初期状態においても水車が昇圧ポンプ等の負荷とならないようにすることができる。
圧力伝達式ERD(Pressure Exchanger)は、希釈塩水の圧力を昇圧ポンプで昇圧される流体の圧力に変換する装置である。圧力伝達式ERDは、一般に動力伝達式ERDよりも変換ロスが小さくエネルギー回収効率に優れている。
電気式のERDは、電気としてエネルギーを回収する装置である。電気式のERDとしては、タービン等を用いた水流発電機などが挙げられる。電気式のERDは、発電した電気を昇圧ポンプ等へ配線を介して供給すればよく、電気を他の施設へ供給することもできるため、設計の自由度が高いという利点がある。
上述のFO膜モジュール2およびエネルギー回収装置5により、第1RO膜モジュール11から排出された第1濃縮水の流量(圧力)エネルギー(浸透圧エネルギーともいえる)を回収することができる。回収したエネルギーを用いて、昇圧ポンプ等の消費エネルギーを低減し、海水淡水化装置の消費エネルギーを低減することができる。
<実施形態2>
本実施形態の海水淡水化方法は、FO膜モジュール2に供給するFSとして、第2ROモジュール12から排出された第2濃縮水に加えて、河川水または排水を含む低浸透圧水を利用する点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、基本的に実施形態1と同じであるため、重複する詳細な説明は省略する。
低浸透圧水は、河川水(湖沼水を含む)または排水(例えば、工業排水、生活排水(下水処理水)など)以外にも、例えば、海水よりも濃度の低い低濃度塩水(例えば、かん水、汽水)、不純物を含む淡水(例えば、下水処理水)などを含んでもよい。
図2を参照して、本発明の実施形態2に係る海水淡水化方法においては、第1昇圧ポンプ31によって海水の浸透圧より高い所定の圧力に昇圧された海水を第1RO膜モジュール11に供給し、第1RO膜11aを通過させることで、海水から塩分等のほとんどが除去された第1透過水、および、海水が濃縮された第1濃縮水が取り出される。続いて、第2昇圧ポンプ32によって第1透過水の浸透圧より高い所定の圧力に昇圧された第1透過水を第2RO膜モジュール12に供給し、第2RO膜12aを通過させることで、第1透過水に含まれる塩分、不純物等がさらに除去された第2透過水(生産水)、および、第1透過水が濃縮された第2濃縮水が取り出される。
第1RO膜モジュール11から排出された第1濃縮水は、第1送液ポンプ33によって正浸透(FO)膜モジュール2の第2室22に供給される。FO膜モジュール2の第1室21には、第2送液ポンプ34によって、第2濃縮水と、河川水または排水とを含む低浸透圧水が供給される。第2室22内の第1濃縮水には、正浸透現象により、FO膜2aを介して第1室21側から水が流入し、希釈された塩水(希釈塩水)として第2室22の流出口から排出される。
FO膜モジュール2において増量した(圧力が高められた)希釈塩水は、エネルギー回収装置5に供給される。なお、エネルギー回収装置5でエネルギーが回収された後の希釈塩水は、排水処理が施された後、海洋へ排出される。
FO膜処理において、FSとして河川水または排水を含む低浸透圧水を使用することで、FO膜モジュールの第1室21に安定してFSを供給することができるため、第1濃縮水は十分に希釈され、エネルギー回収の効率を高めることができる。また、FSとして第2濃縮水と、河川水または排水とを含む低浸透圧水を使用した場合でも、従来のように河川水、排水などのみからなる低浸透圧水を用いる場合よりも、前処理を行う量を少なくすることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 第1逆浸透膜モジュール(第1RO膜モジュール)、11a 第1逆浸透膜(第1RO膜)、12 第2逆浸透膜モジュール(第2RO膜モジュール)、12a 第2逆浸透膜(第2RO膜)、2 正浸透膜モジュール(FO膜モジュール)、2a 半透膜、21 第1室、22 第2室、31 第1昇圧ポンプ、32 第2昇圧ポンプ、33 第1送液ポンプ、34 第2送液ポンプ、5 エネルギー回収装置(ERD)。

Claims (6)

  1. 第1逆浸透膜を備える第1逆浸透膜モジュールに海水を供給し、前記第1逆浸透膜を通過した第1透過水と、濃縮された前記海水である第1濃縮水とを得る、第1逆浸透工程と、
    第2逆浸透膜を備える第2逆浸透膜モジュールに前記第1透過水を供給し、前記第2逆浸透膜を通過した第2透過水と、濃縮された前記第1透過水である第2濃縮水とを得る、第2逆浸透工程と、
    前記第1濃縮水と、前記第2濃縮水を含む低浸透圧水との浸透圧差によって生じるエネルギーを回収する、エネルギー回収工程と、
    を含み、
    前記第2逆浸透膜はポリアミド膜である、海水淡水化方法。
  2. 前記エネルギー回収工程では、前記第1濃縮水と前記低浸透圧水とを半透膜を介して接触させて、正浸透現象により前記第1濃縮水の水量を増加させ、水量が増加した前記第1濃縮水のエネルギーを回収する、請求項1に記載の海水淡水化方法。
  3. 前記第1逆浸透工程と前記第2逆浸透工程の間に、pH調整剤によって前記第1透過水のpHをアルカリに調整する、請求項1または2に記載の海水淡水化方法。
  4. 前記半透膜が中空糸膜である、請求項2に記載の海水淡水化方法。
  5. 前記低浸透圧水は、河川水または排水を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の海水淡水化方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の海水淡水化方法に用いられる海水淡水化システムであって、
    前記第1逆浸透膜を有する前記第1逆浸透膜モジュールと、
    前記第2逆浸透膜を有する前記第2逆浸透膜モジュールと、
    前記第1濃縮水と、前記第2濃縮水を含む前記低浸透圧水との浸透圧差によって生じるエネルギーを回収する、エネルギー回収装置と、
    を備える、海水淡水化システム。
JP2017199575A 2017-10-13 2017-10-13 海水淡水化方法および海水淡水化システム Active JP6965680B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017199575A JP6965680B2 (ja) 2017-10-13 2017-10-13 海水淡水化方法および海水淡水化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017199575A JP6965680B2 (ja) 2017-10-13 2017-10-13 海水淡水化方法および海水淡水化システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019072660A JP2019072660A (ja) 2019-05-16
JP6965680B2 true JP6965680B2 (ja) 2021-11-10

Family

ID=66542871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017199575A Active JP6965680B2 (ja) 2017-10-13 2017-10-13 海水淡水化方法および海水淡水化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6965680B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022059737A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24
CN112340938B (zh) * 2020-10-26 2021-08-03 烟台金正环保科技有限公司 一种实现高倍浓缩的膜***
US11502323B1 (en) 2022-05-09 2022-11-15 Rahul S Nana Reverse electrodialysis cell and methods of use thereof
US11502322B1 (en) 2022-05-09 2022-11-15 Rahul S Nana Reverse electrodialysis cell with heat pump
CN115259418B (zh) * 2022-07-22 2023-12-22 淄博格瑞水处理工程有限公司 一种低压海水淡化装置
US11855324B1 (en) 2022-11-15 2023-12-26 Rahul S. Nana Reverse electrodialysis or pressure-retarded osmosis cell with heat pump
US12040517B2 (en) 2022-11-15 2024-07-16 Rahul S. Nana Reverse electrodialysis or pressure-retarded osmosis cell and methods of use thereof

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10128325A (ja) * 1996-10-31 1998-05-19 Kurita Water Ind Ltd 海水淡水化装置
ES2291133B1 (es) * 2006-08-10 2008-12-16 Acciona Agua, S.A.U. Procedimiento de eliminacion del boro del agua de mar por membranas de osmosis inversa.
JP5349435B2 (ja) * 2010-09-16 2013-11-20 株式会社東芝 海水淡水化装置および薬品注入装置
JP5538572B2 (ja) * 2012-03-19 2014-07-02 株式会社東芝 海水淡水化装置
JP6658199B2 (ja) * 2016-03-28 2020-03-04 東洋紡株式会社 造水システム
JP6658198B2 (ja) * 2016-03-28 2020-03-04 東洋紡株式会社 造水システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019072660A (ja) 2019-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6965680B2 (ja) 海水淡水化方法および海水淡水化システム
JP6834360B2 (ja) 濃縮方法および濃縮装置
JP7428127B2 (ja) 膜分離装置、造水システム、膜分離方法および造水方法
KR101489855B1 (ko) 삼투 에너지 회수가 가능한 담수화 시스템 및 방법
TW200302127A (en) Water-generating process and water generator
JPH08108048A (ja) 逆浸透分離装置及び逆浸透分離方法
KR102423788B1 (ko) 해수담수화 압력지연삼투 기술을 이용한 복합 담수화 시스템
JP2018001110A (ja) ブラインの処理方法、塩水の淡水化処理方法、ブラインの処理システム、および、塩水の淡水化処理システム
JP2008100220A (ja) 造水方法
WO2013140848A1 (ja) 海水淡水化装置
KR101817685B1 (ko) 압력지연삼투 기술을 이용한 해수담수화 시스템
TW201309597A (zh) 海水淡化系統以及海水淡化方法
JP6658198B2 (ja) 造水システム
JP6658199B2 (ja) 造水システム
KR20160054230A (ko) 압력지연삼투 기술을 이용한 해수담수화 시스템
WO2016080085A1 (ja) 造水システムおよび造水方法
JP2002085941A (ja) 造水方法および造水装置
JP2003200161A (ja) 造水方法および造水装置
JPH11253761A (ja) 溶液分離装置
JP2016097331A (ja) 造水システムおよび造水方法
CN212832953U (zh) 浓缩***
KR101489853B1 (ko) 초고염도수의 삼투 에너지 회수가 가능한 담수화 시스템 및 방법
JPH10128325A (ja) 海水淡水化装置
WO2022059737A1 (ja) 海水淡水化システム
JP2021094519A (ja) 濃縮システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211004

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6965680

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350