JP6962084B2 - 鋼管の冷却速度を決定する方法及びそれを用いた鋼管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管の冷却速度を決定する方法及びそれを用いた鋼管の製造方法に関する。
鋼材の熱処理は、機械部品や鉄鋼製品に所望の特性や性能を与えることを目的として古くから広く行われており、その本質は金属組織の調整である。熱処理の一つである焼入れは、被熱処理材をAc点(オーステナイト変態終了温度)以上の温度に加熱してオーステナイト化した後、急冷してマルテンサイト組織を形成する。
特許第5252131号公報には、割れの基点となりやすい管端部を非水冷とすることで、残留応力を低減できる鋼管の焼入れ方法が記載されている。特許第6047947号公報には、熱処理によって表層硬さが調整された、耐サワー性に優れた継目無鋼管が記載されている。
鋼管の熱処理は、加熱炉で加熱された鋼管を所定の速度で搬送しながら冷却帯を通過させる連続冷却が採用される場合が多い。連続冷却のほか、定位置に止めて冷却する形態や、冷却槽に浸漬して冷却する形態もあるが、被熱処理材が長尺の場合には設備の設置スペースが大きくなる。また、操業効率の観点からも、連続冷却の方が有利である。
連続冷却による鋼管の熱処理では、周方向の均一冷却に留意する必要がある。周方向の冷却が不均一になると、冷却中の鋼管に曲がりが発生する。この曲がりは鋼管が長くなるほど大きくなり、ライン搬送時のトラブルや曲がり矯正工程の追加など好ましくない事態を招く。周方向に均一に冷却するには、鋼管を外面から水冷することが好適である。外面水冷の均一化は環状主管に冷却ノズルを均等に配置する等の手段で比較的簡単に実現できるのに対し、内面水冷は技術的な課題が多いことに加え、設備構成が複雑になることがその理由である。
外面から水冷する場合、鋼管内面の冷却速度不足によるマルテンサイト率の低下が懸念される。冷却設備の設計では、冷却速度が最も小さくなる鋼管内面の冷却速度が、上部臨界冷却速度(マルテンサイト組織を確保するための下限冷却速度)以上になるように設備仕様を決定する。また、設備に過剰な冷却能力を持たせるとコストが増大するため、必要最小限の能力とすることが好ましい。
特許第5252131号公報 特許第6047947号公報
K.Hase et al. "Bainite formation influenced by large stress", Material Science and Technology, December 2004, Vol. 20, pp. 1499-1505
熱処理条件は、対象鋼材の連続冷却曲線(CCT:Continuous Cooling Transformation diagram)に基づいて決定される。CCTは通常、フォーマスタ試験と呼ばれる試験法で作成される。具体的には、試験片を種々の冷却速度で冷却し、変態点、硬さ、組織を調査して冷却速度と最終組織との関係を得る。マルテンサイト組織を目標組織とする熱処理では、上述した上部臨界冷却速度が重要な情報となる。
しかし、本発明者らの調査の結果、鋼管の熱処理では、上部臨界冷却速度で冷却しても、マルテンサイト率の高い組織が得られない場合があることが分かった。
本発明の目的は、鋼管の熱処理において、マルテンサイト率の高い組織を得ることができる冷却速度を決定できる方法を提供すること、及びマルテンサイト率の高い組織を有する鋼管を得ることができる製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態による方法は、鋼管の冷却速度を決定する方法であって、所定の大きさの応力を負荷した試験片を複数の冷却速度で冷却して冷却速度毎のマルテンサイト変態開始温度を測定する工程と、応力を負荷せずに試験片を複数の冷却速度で冷却して冷却速度毎のマルテンサイト変態開始温度を測定する工程と、応力を負荷して測定されたマルテンサイト変態開始温度と、応力を負荷せずに測定されたマルテンサイト変態開始温度との差が、所定の閾値以下になる最小の冷却速度を下限冷却速度と決定する工程とを備える。
本発明の一実施形態による鋼管の製造方法は、Ac点以上の温度の素管を、最も冷却速度が小さくなる部分の冷却速度が上記方法によって決定された下限冷却速度以上になるように冷却する工程を備える。
本発明によれば、鋼管の熱処理において、マルテンサイト率の高い組織を得ることができる冷却速度を決定できる。この冷却速度を用いて熱処理をすることで、マルテンサイト率の高い組織を有する鋼管が得られる。
図1は、本発明の一実施形態による鋼管の冷却速度の決定方法のフロー図である。 図2Aは、Ms点の測定に使用する装置の構成の一例を模式的に示す図である。 図2Bは、図2Aの装置の試験片周辺の拡大図である。 図3は、Ms点を測定するときの試験パターンの一例である。 図4は、本発明の一実施形態による鋼管の製造方法を示すフロー図である。 図5は、熱処理ラインの機能的構成の一例を示すブロック図である。 図6は、フォーマスタ試験によって作成された、所定の化学組成を有する鋼のCCTである。 図7は、冷却曲線にMs点を付記した図である。 図8は、Ms点が上昇した状況を模式的に示す図である。 図9は、平板試験片の冷却試験の模式図である。 図10は、数値解析で使用した平板試験片のモデルである。 図11は、冷却面から5mm位置、20mm位置、及び35mm位置の温度履歴である。 図12は、平板試験片の冷却面から35mm位置を評価点とし、冷却中に発生する板幅方向応力σ及びマルテンサイト体積分率ξの時間変化を示すグラフである。 図13は、数値解析に使用した鋼管のモデルである。 図14は、鋼管の冷却面から35mm位置を評価点とし、冷却中に発生する周方向応力σ及びマルテンサイト体積分率ξの時間変化を示すグラフである。 図15Aは、冷却速度が1℃/秒の場合における、温度と伸びとの関係を示すグラフである。 図15Bは、冷却速度が2℃/秒の場合における、温度と伸びとの関係を示すグラフである。 図15Cは、冷却速度が3℃/秒の場合における、温度と伸びとの関係を示すグラフである。 図15Dは、冷却速度が4℃/秒の場合における、温度と伸びとの関係を示すグラフである。 図15Eは、冷却速度が5℃/秒の場合における、温度と伸びとの関係を示すグラフである。 図16は、硬さ及び組織調査のための試験片の調整方法を説明するための図である。 図17は、負荷応力と硬さとの関係を示すグラフである。 図18Aは、冷却速度が2℃/秒の場合における、負荷応力が0MPaのときの組織の顕微鏡写真である。 図18Bは、冷却速度が2℃/秒の場合における、負荷応力が100MPaのときの組織の顕微鏡写真である。 図18Cは、冷却速度が4℃/秒の場合における、負荷応力が0MPaのときの組織の顕微鏡写真である。 図18Dは、冷却速度が4℃/秒の場合における、負荷応力が100MPaのときの組織の顕微鏡写真である。
本発明者らは、鋼材の熱処理条件と組織の関係を調査した。その結果、平板試験片ではマルテンサイト組織が得られる冷却速度であっても、鋼管ではマルテンサイト率の高い組織が得られない場合があることが分かった。
平板試験片は、周囲が拘束されておらず、熱処理中、比較的自由に膨張・収縮できる。これに対し、閉断面構造である鋼管では、周方向の拘束に起因して熱処理中に高い応力が発生する。本発明者らは、熱処理中の応力が組織に影響を及ぼしていると予測してさらに調査を進めた。その結果、上部臨界冷却速度近傍では、熱処理中の応力によってマルテンサイト変態開始温度(以下「Ms点」という。)が上昇することを明らかにした。
組織への応力の影響に関して、等温変態下での応力負荷によってベイナイト変態率が上昇するという研究結果が報告されている(K.Hase et al. "Bainite formation influenced by large stress", Material Science and Technology, December 2004, Vol. 20, pp. 1499-1505)。しかし、上部臨界冷却速度近傍で熱処理応力に起因してマルテンサイト変態開始温度が上昇するというのは、過去にない新たな知見である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成された。以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[鋼管の冷却速度の決定方法]
図1は、本発明の一実施形態による鋼管の冷却速度の決定方法のフロー図である。この方法は、所定の大きさの応力を負荷した試験片を複数の冷却速度で冷却して冷却速度毎のMs点を測定する工程(ステップS1)と、応力を負荷せずに試験片を複数の冷却速度で冷却して冷却速度毎のMs点を測定する工程(ステップS2)と、応力を負荷して測定されたMs点と、応力を負荷せずに測定されたMs点との差が、所定の閾値以下になる最小の冷却速度を下限冷却速度と決定する工程(ステップS3)とを備えている。以下、各工程を詳述する。
ステップS1及びステップS2の各測定で使用される試験片は、熱処理の対象となる鋼管と同じ化学組成を有する試験片である。熱処理の対象となる鋼管に前熱処理(例えば焼きならし)が施される場合には、試験片にも同じ前熱処理を施しておくことが好ましい。
図2Aは、ステップS1及びステップS2において、Ms点の測定に使用する装置の一例である装置20の構成を模式的に示す図である。図2Bは、装置20の試験片Sの近傍を拡大して示す図である(図2Aと図2Bとは、互いに直交する方向から見た図である。)。装置20は、チャンバ21、保持軸22及び23、チャック24及び25、ロードセル26、冷却ノズル27、熱電対28、並びに差動トランス式伸び計29を備えている。
試験片Sは、長さ方向(z方向)の両端をチャック24及び25に把持された状態でチャンバ21内に配置される。チャック24及びチャック25は、それぞれ保持軸22及び23に連結されている。保持軸22は、図示しない油圧サーボシリンダーによって軸方向と平行に移動できるように構成されている。保持軸22を移動させることによって、試験片Sの長さ方向(z方向)に所定の応力を負荷することができる。保持軸23は、ロードセル26に接続されており、試験片Sに負荷されている荷重を測定することができる。また、差動トランス式伸び計29によって、試験片Sの長さ方向(z方向)の伸びを測定することができる。
試験片Sは、図示しない配線を介して通電加熱される。試験片Sはまた、冷却ノズル27から冷媒(例えばHeガス)が吹き付けられることで冷却される。試験片Sの温度は、熱電対28によって測定される。この構成によって、試験片Sに所定の温度履歴を与えることができる。なお、熱処理中、試験片Sの酸化を防ぐため、チャンバ21内の雰囲気は不活性ガス(例えばアルゴンガス)に置換される。
装置20の構成によれば、試験片Sに所定の温度履歴を与えながら、熱処理中の試験片Sに荷重を負荷することができる。応力は荷重を断面積で除することで換算する。温度及び荷重は、例えば試験パターンプログラムにしたがってPID(Proportional-Integral-Differential)制御することができる。なお、装置20は例示であって、本実施形態で使用する装置の構成はこれに限定されない。
Ms点は例えば、試験片の温度と伸びとの関係から求めることができる。冷却中の試験片は、Ms点までは温度の低下に伴って熱収縮するのに対し、マルテンサイト変態が開始すると(すなわち、Ms点を通過すると)変態膨張によって膨張する。本実施形態では、温度−伸び曲線において、伸びが極小値になる温度をMs点と定義する(Ms点は、厳密にはオーステナイトの線膨張の傾きが変化し始める温度である。しかし、伸びが極小値となる温度と定義しても大きな差はなく、また、本実施形態では負荷応力によるMs点の相対的な変化量を比較するため、このように定義しても問題はない。)。
図3は、Ms点を測定するときの試験パターンの一例である。この例では、試験片をAc点以上の温度Taに所定時間保持してオーステナイト化させた後、冷却速度Cで冷却する。冷却速度Cは、Ac点からマルテンサイト変態終了温度(Mf点)までの平均冷却速度とする。冷却速度Cは、一定に保つことが好ましい。冷却過程において、試験片の温度が温度Tbに到達した時点で、試験片に応力σaを発生させる荷重を負荷する。
温度Taは、Ac点以上であれば特に限定されないが、実際の熱処理における保持温度に合わせるのが好ましい。温度Taは、例えばAc+50℃〜Ac+100℃である。
温度Tbは、温度Taよりも低く、Ms点よりも高ければ特に限定されない。ただし、実際の鋼管の熱処理ではある程度温度が下がった時点から応力が発生するため、これを考慮して設定することが好ましい。一方、上部臨界冷却速度近傍では熱処理中の応力によってMs点が上昇するため、温度Tbを低く設定しすぎるとその応力におけるMs点を正確に測定できない可能性がある。ベイナイト変態開始温度をBsとすると、温度Tbは、好ましくはMs点〜Bs点である。
試験片に負荷する応力σaは、特に限定されないが、実際の鋼管の熱処理で発生する応力を考慮して設定することが好ましい。上部臨界冷却速度近傍では、応力σaが大きくなるほどMs点が上昇する傾向がある。応力σaが大きすぎても小さすぎても、実際の状況と乖離する可能性がある。応力σaは、鋼管の化学組成や寸法にも依存するが、好ましくは10〜200MPaであり、さらに好ましくは50〜150MPaである。
ステップS1では、冷却速度Cを変えながら上記測定を実施して冷却速度毎のMs点を測定する。すなわちステップS1は、C、C、・・・、Cを互いに異なる冷却速度として、応力σaを負荷した試験片を速度Cで冷却してMs点を測定する工程(ステップS1−1)と、応力σaを負荷した試験片を速度Cで冷却してMs点を測定する工程(ステップS1−2)と、・・・、応力σaを負荷した試験片を速度Cで冷却してMs点を測定する工程(ステップS1−n)とを含んでいる(図1を参照。)。ただし、nは2以上の整数である。
nは大きい方が好ましい。すなわち、より多くの冷却速度でMs点を測定することが好ましい。また、冷却速度の測定間隔は、細かい方が好ましい。測定間隔は、好ましくは2℃/秒以下、より好ましくは1℃/秒以下である。
ステップS2では、応力を負荷せずにステップS1と同様の測定を実施する。すなわち、ステップS2は、応力を負荷せずに試験片を速度Cで冷却してMs点を測定する工程(ステップS2−1)と、応力を負荷せずに試験片を速度Cで冷却してMs点を測定する工程(ステップS2−2)と、・・・、応力を負荷せずに試験片を速度Cで冷却してMs点を測定する工程(ステップS2−n)とを含んでいる(図1を参照。)。
ここで、応力σaを負荷した試験片を速度Cで冷却して測定されたMs点をMs(σa、C)、応力σaを負荷した試験片を速度Cで冷却して測定されたMs点をMs(σa、C)、・・・、応力σaを負荷した試験片を速度Cで冷却して測定されたMs点をMs(σa、C)とする。同様に、応力を負荷せずに試験片を速度Cで冷却して測定されたMs点をMs(0、C)、応力を負荷せずに試験片を速度Cで冷却して測定されたMs点をMs(0、C)、・・・、応力を負荷せずに試験片を速度Cで冷却して測定されたMs点をMs(0、C)とする。
ステップS3では、応力を負荷して測定されたMs点と、応力を負荷せずに測定されたMs点との差が、所定の閾値以下になる最小の冷却速度を下限冷却速度と決定する。具体的には、ステップS1及びステップS2で求めたMs(σa、C)とMs(、C)との差、Ms(σa、C)−Ms(0、C)を算出し、Ms(σa、C)−Ms(、C)が所定の閾値Tthreshold以下となる最小の冷却速度Cを下限冷却速度と決定する。ただし、kは1以上n以下の整数である。
Ms(σa、C)−Ms(0、C)が小さいほど、応力の影響が低減されていることを意味する。下限冷却速度を決定するための閾値Tthresholdは、ステップS1で負荷する応力σaの大きさにも依存するが、例えば20℃とすることができる。閾値Tthresholdは、好ましくは10℃であり、さらに好ましくは5℃である。
以上、本発明の一実施形態による冷却速度を決定する方法を説明した。図1では、ステップS1、ステップS2、及びステップS3をこの順番で図示しているが、ステップS1とステップS2の順番は入れ替えてもよい。また、ステップS1−1、ステップS2−1、ステップS1−2、ステップS2−2、・・・のように、ステップS1の各サブステップとステップS2の各サブステップとを交互に実施してもよい。あるいは、ステップS1−1、ステップS2−1、ステップS3、ステップS1−2、ステップS2−2、ステップS3、・・・のように、サブステップ毎にステップS3を実施してもよい。
[鋼管の製造方法]
次に、上記の方法で決定した下限冷却速度を用いた鋼管の製造方法を説明する。以下、鋼管の製造方法に関する説明では、熱処理の対象となる鋼管を「素管」と呼ぶ。また、「素管」と区別して、熱処理されて製造された鋼管という意味で「鋼管」の用語を用いる。
図4は、本発明の一実施形態による鋼管の製造方法を示すフロー図である。本実施形態による鋼管の製造方法は、素管をAc点以上の温度に加熱する工程(ステップS4)と、加熱された素管を下限冷却速度以上の冷却速度で冷却する工程(ステップS5)とを備えている。
素管をAc点以上の温度に加熱してオーステナイト変態させる(ステップS4)。加熱温度は、例えばAc+50℃〜Ac+100℃である。加熱温度が高すぎると、オーステナイト粒が粗大化して製品性能が低下する。
加熱した素管を、下限冷却速度以上の冷却速度で冷却する(ステップS5)。ここで、最も冷却速度が小さくなる部分の冷却速度が下限冷却速度以上になるようにする。冷却速度が下限冷却速度未満となる部分があると、その部分でマルテンサイト率の高い組織が得られなくなる。なお冷却速度は、Ac点からマルテンサイト変態終了温度(Mf点)までの平均冷却速度である。
素管を外面から冷却する場合、最も冷却速度が小さくなる部分は素管の内面である(素管の内面よりも少し内側の部分である可能性もあるが、大きくは変わらない。)。素管を内面から冷却する場合、最も冷却速度が小さくなる部分は素管の外面である。素管を内外面から冷却する場合、最も冷却速度が小さくなる部分は素管の肉厚中央部である。
いずれの場合も、素管の肉厚が大きいほど、素管内の冷却速度の差が大きくなる。そのため、最も冷却速度が小さくなる部分の冷却速度を下限冷却速度以上にするためには、肉厚の鋼管ほど冷媒の量を増やす等して、冷却能力を大きくする必要がある。必要な冷却能力は、例えば数値計算によって求めることができる。
一方、冷却速度を過剰に大きくすることは、設備コストが増大するので好ましくない。冷却速度の上限は、好ましくは下限冷却速度+5℃/秒である。すなわち、最も冷却速度が小さくなる部分の冷却速度が、下限冷却速度+5℃/秒以下であることが好ましい。
図5は、熱処理ラインの一例である熱処理ライン100の機能的構成を示すブロック図である。熱処理ライン100は、焼入れ装置60及び焼戻し装置70を備えている。焼入れ装置60は、加熱装置61、及び冷却装置62を備えている。各装置の間には、搬送ローラ80(搬送装置)が配置されている。
搬送ローラ80は、加熱装置61から冷却装置62へ、冷却装置62から焼戻し装置70へ、素管を順次搬送する。素管は、加熱装置61で加熱され、冷却装置62によって冷却される。素管はその後、焼戻し装置70によって再び加熱される。
熱処理ライン100の構成によれば、加熱装置61によって素管をAc点以上に加熱した後、冷却装置62によって素管を冷却することによって、素管を焼入れすることができる。さらに、焼戻し装置70によって素管を所定の温度に加熱することによって、素管を焼戻しすることができる。焼戻しされた素管は例えば、図示しない冷却装置によって冷却された後、探傷装置などに搬送される。
熱処理ライン100の構成によれば、素管に焼入れ焼戻しの熱処理を連続して実施することができる。ただし、焼入れ焼戻しは連続して実施されなくてもよい。この場合、熱処理ライン100は、焼戻し装置70を含んでいなくてもよい。
冷却装置62は、詳しい構成は図示しないが、複数の冷却リングを備えている。複数の冷却リングの各々は複数のノズルを備えており、複数のノズルの各々から、冷却リングの内側を通過する素管の外面に冷媒を吹き付けることができるように構成されている。冷媒の量は冷却リング毎に制御できるように構成されおり、冷却リング毎の冷媒量と素管の搬送速度とを調整することによって、素管を最適な速度で冷却することができる。
以上、本発明の一実施形態による鋼管の製造方法を説明した。上記の例では、製管された素管を加熱してから急冷する熱処理(再加熱焼入れ)を説明した。しかしこれに代えて、熱間加工直後の高温の素管を急冷する熱処理(直接焼入れ)を実施してもよい。この場合、Ac点以上の温度から冷却を開始すればよい。
[本実施形態の効果]
図6は、フォーマスタ試験によって作成された、所定の化学組成を有する鋼のCCTである。図6において、Fはフェライト、Bはベイナイト、Mはマルテンサイトを表す。図6から、この鋼では2℃/秒以上の冷却速度で冷却すれば、マルテンサイトのみの組織が得られることが分かる。すなわち、この鋼の上部臨界冷却速度は約2℃/秒である。
図7は、冷却曲線に本実施形態の方法によって測定されたMs点を付記した図である。図中、白抜の丸印は100MPaの応力を負荷して測定されたMs点、中実の丸印は応力を負荷せずに測定されたMs点である。図7から、上部臨界速度である2℃/秒の冷却速度では、応力によってMs点が約80℃上昇していることが分かる。
図8は、Ms点が上昇した状況を模式的に示す図である。Ms点の上昇は、ベイナイトノーズを短時間側にシフトさせる。そのためMs点が上昇すると、同一の冷却速度であってもベイナイトが混入し、マルテンサイト率の高い組織が得られなくなる。
再び図7を参照して、説明を続ける。図7から、冷却速度を大きくするほど、応力によるMs点の上昇が小さくなることが分かる。また、この鋼では、冷却速度を4℃/秒以上にすれば、応力によるMs点の上昇がほぼなくなることが分かる(具体的な数値等は実施例で詳述する。)。この結果から、この鋼の化学組成において、鋼管の熱処理でマルテンサイト率の高い組織を得るためには、冷却速度を4℃/秒以上にすればよいことが分かる。すなわち、下限冷却速度を4℃/秒と決定することができる。
以上、本実施形態の効果を説明した。本実施形態によれば、鋼管の熱処理において、マルテンサイト率の高い組織を得ることができる冷却速度を決定できる。この冷却速度を用いて熱処理をすることで、マルテンサイト率の高い組織を有する鋼管が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、この実施例は本発明を限定するものではない。
[平板試験片の冷却試験]
幅70mm×長さ100mm×厚さ40mmの平板試験片を作製し、950℃に加熱した後、片方の面から水冷する冷却試験を実施した。図9は、平板試験片の冷却試験の模式図である。冷却面から5mm、20mm、35mm位置に埋め込んだ熱電対と、冷却面と反対側の面に溶着した熱電対で、冷却中の温度を測定した。
冷却面から35mm位置の冷却速度は1.9℃/秒であった。なお、冷却速度はAc点(706℃)からマルテンサイト変態終了温度(Mf点、150℃)までの冷却所要時間から算出した。冷却面と反対側の面(冷却面から40mm)の温度は、冷却面から35mm位置に埋め込んだ熱電対による温度測定結果とほぼ同等であった。これは、最表面から大気雰囲気への輻射による冷却効果が作用したためと考えられる。
冷却後の平板試験片の硬さ測定の結果から、肉厚方向の全範囲にわたってマルテンサイト組織が得られていることを確認した。
[平板試験片の数値解析]
上記の冷却試験を模擬した条件で有限要素法(FEM)による数値解析を実施した。図10は、数値解析で使用した平板試験片のモデルである。試験片の形状と冷却条件の対称性から1/2領域を解析領域とした。一般化平面ひずみ温度−変形連成解析要素を適用し、実鋼管冷却相当の冷却熱伝達をモデル下端面に与えた。
図11は、冷却面から5mm位置、20mm位置、及び35mm位置の温度履歴である。図11において、実線は上述した冷却試験での実測値、破線は数値解析から得られた計算値である。数値解析の結果が実測値と良好に対応していることが確認できる。
図12は、平板試験片の冷却面から35mm位置を評価点とし、冷却中に発生する板幅方向応力σとマルテンサイト体積分率ξの時間変化を示すグラフである。正の応力は引張応力を、負の応力は圧縮応力を表す。評価点ではまず、熱収縮による引張応力が発生する(経過時間50秒付近の山)。次に、冷却面と反対側の面が熱収縮することによる圧縮応力が発生する(経過時間190秒付近の谷)。その後、冷却面側で先行して変態膨張が起こることにより、評価点に引張応力が加わる(経過時間250秒付近の山)。さらにその後、評価点自体が変態膨張することにより、応力は圧縮方向に転じる。変態膨張開始直後の最大引張応力は114MPaであるが、評価点のマルテンサイト変態が進行するとともに応力は低下し、ξが60%となった時点でσは0となる。
[鋼管の冷却試験]
次に、平板試験片と同じ鋼材で外径426mm×肉厚40mmの鋼管を作製し、950℃に加熱した後、外面から水冷する冷却試験を実施した。冷却面(鋼管の外面)から35mm位置の冷却速度は2.9℃/秒であった。これは平板試験片での冷却試験における35mm位置の冷却速度1.9℃/秒よりも大きい値であった(この差異は、平板試験片の冷却試験では単一ノズルでの冷却であったのに対し、鋼管の冷却試験では複数ノズルでの冷却であったことが原因の一つと考えられる。)。しかし、冷却後の鋼管の硬さ測定では、冷却面から30mm位置より内側の領域では硬さが目標値を下回っており、マルテンサイト率の高い組織が得られていないことが分かった。
[鋼管の数値解析]
鋼管の冷却試験についてもFEMによる数値解析を実施した。図13は、数値解析に使用した鋼管のモデルである。平板試験片の場合と同様に、試験片の形状と冷却条件の対称性から1/2領域を解析領域とした。対称面に対称境界条件を与えたモデル(拘束有)と、境界条件のないモデル(拘束無)とを使用し、拘束の有無による発生応力を比較した。
図14は、鋼管の冷却面(鋼管の外面)から35mm位置を評価点とし、冷却中に発生する周方向応力σとマルテンサイト体積分率ξの時間変化を示すグラフである。拘束有のモデルでは、変態開始直前に414MPaの高い引張応力が発生した。これに対し、拘束無のモデルでは最大引張応力は163MPaであり、平板試験片の最大引張応力に近い値となった。
この結果から、周囲が拘束されておらず比較的自由に膨張・収縮できる板状試験片と比較して、閉断面形状の鋼管では、周方向の拘束に起因して熱処理中に高い応力が発生することが分かる。
[負荷応力の影響調査]
次に、図2A及び図2Bに示した構成を有する装置を使用して、負荷応力が変態点や硬さ、組織に与える影響を調査した。上述の平板試験片や鋼管と同じ鋼材で、幅W:20mm、厚さt:1.2mm、長さL:200mm(図2A及び図2Bを参照)の矩形状の試験片を作製した。この試験片を、通電加熱によって10℃/秒で940℃まで加熱して300秒間保持してオーステナイト化させた後、Heガスを冷媒として冷却した。冷却過程の500℃到達時点で応力を負荷した。冷却速度は、1〜5℃/秒を1℃/秒間隔で変化させた。負荷応力は、25〜100MPaを25MPa間隔で変化させた。差動トランス式伸び計の評点間距離G.Lは14.5mmとした。
図15A〜図15Eは、冷却速度がそれぞれ1℃/秒、2℃/秒、3℃/秒、4℃/秒、及び5℃/秒の場合における、温度と伸びとの関係を示すグラフである。これらのグラフにおいて、伸びが極小値となる温度をMs点とした。冷却速度、負荷応力、Ms点の関係を表1に示す。
Figure 0006962084
図15A〜図15D及び表1に示すように、冷却速度が1℃/秒では、負荷応力にほぼ比例してMs点が上昇する。冷却速度が大きくなるにつれてこの変動は小さくなり、本来のMs点である300℃に収束していく。
この原因は、次のように考えられる。拡散変態は僅かな駆動力と時間経過によって起こるのに対し、マルテンサイト変態のような無拡散変態は、駆動力が一定の大きさを超えるまで起こらない。この駆動力(変態を開始する際に必要な界面エネルギーや弾性ひずみエネルギー、マルテンサイト内や周囲の母相で起こる塑性変形に必要なエネルギー等)が機械的な外力によって補われ、Ms点が上昇したものと考えられる。
続いて、冷却後の試験片の硬さ及び組織を調査した。図16は、硬さ及び組織調査のための試験片の調整方法を説明するための図である。試験片の長さ方向の中央部分を切り出し、これをさらに2分割して、長さ方向×厚さ方向の断面を測定面・観察面として硬さ測定及び組織観察を実施した。これは、試験片表面に脱炭層が形成され、表面測定では正確な結果が得られなかったためである。
図17は、負荷応力と硬さとの関係を示すグラフである。冷却速度が1℃/秒では、ベイナイトとマルテンサイトの混合組織となり硬さは低い。冷却速度が2℃/秒以上ではHV700を超えているが、冷却速度が大きいほど硬くなっている。また、すべての冷却速度において、負荷応力の上昇に伴って硬さが低下する傾向がある。
図18A及び図18Bは、冷却速度が2℃/秒で、それぞれ応力を負荷しない場合と負荷応力が100MPaのときの組織の顕微鏡写真である。上部臨界冷却速度近傍では応力負荷によってベイナイト組織(写真中、黒く見える部分)が増加している。一方、図18C及び図18Dは、冷却速度が4℃/秒で、それぞれ応力を負荷しない場合と負荷応力が100MPaのときの組織の顕微鏡写真であるが、観察される組織に応力の依存性は見られない。
これらの結果から、上部臨界冷却速度近傍では、応力が加わることでMs点が上昇し、それに伴ってベイナイトノーズが短時間側にシフトしてマルテンサイト率が低下することが分かる。また、Ms点の上昇及びそれによるベイナイトの混入は、冷却速度を大きくすることで低減できることが分かる。
図7は、冷却曲線に上記の測定で得られたMs点を付記した図(以下「応力負荷CCT」という。)である。既述のとおり、白抜の丸印は100MPaの応力を負荷して測定されたMs点、中実の丸印は応力を負荷せずに測定されたMs点である。図7及び表1から、冷却速度を4℃/秒以上にすれば、応力によるMs点の上昇を10℃以下にできることが分かる。
このように、応力負荷CCTを作成することで、鋼管の熱処理に必要な冷却速度の予測精度を向上させることができる。今回調査対象とした鋼材では4℃/秒以上でMs点の応力依存性がほぼなくなるが、対象鋼材が変われば状況も変化する。そのため、対象鋼材毎に応力負荷CCTを作成する必要がある。これは従来の無負荷CCTのデータを蓄積することと同様であるが、鋼材毎の応力負荷CCTを蓄積することで、従来検討されたことのなかった応力作用下での臨界冷却速度を知ることができる。これによって、適切な冷却条件を決定することできる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。

Claims (3)

  1. 鋼管の冷却速度を決定する方法であって、
    所定の大きさの応力を負荷した試験片を複数の冷却速度で冷却して冷却速度毎のマルテンサイト変態開始温度を測定する工程と、
    応力を負荷せずに試験片を複数の冷却速度で冷却して冷却速度毎のマルテンサイト変態開始温度を測定する工程と、
    応力を負荷して測定されたマルテンサイト変態開始温度と、応力を負荷せずに測定されたマルテンサイト変態開始温度との差が、20℃以下になる最小の冷却速度を下限冷却速度と決定する工程とを備える、方法。
  2. Ac点以上の温度の素管を、最も冷却速度が小さくなる部分の冷却速度が請求項1に記載の方法によって決定された前記下限冷却速度以上になるように冷却する工程を備える、鋼管の製造方法。
  3. 請求項2に記載の鋼管の製造方法であって、
    前記最も冷却速度が小さくなる部分の冷却速度が、請求項1に記載の方法によって決定された前記下限冷却速度+5℃/秒以下である、製造方法。
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