本発明は、光学形状感知によって細長介入デバイスの位置を特定するために当該デバイスの近位端部が固定される場合に、当該細長介入デバイスの特に回転運動に関する操縦性を向上させることを目的とする。
本発明の一態様では、細長介入デバイスが提案される。細長介入デバイスは、光学形状感知ファイバを受容するように構成され、その近位端に固定要素を含む細長近位部を含む。固定要素は、所定位置における受容部に接続可能である。更に、細長介入デバイスは、近位部に接続される細長遠位部を含む。近位部は、遠位部よりも低いねじり剛性を有し、また、少なくとも2つの実質的に同軸の管を含み、外側管は、内側管よりもねじり剛性が低い。
細長介入デバイスの近位部は、遠位部よりねじり剛性が低いので、遠位部に印加されるトルクは近位部によって吸収される。したがって、細長介入デバイスの遠位部は、遠位部の回転運動に関して、所定位置におけるデバイスの固定から切り離される。これにより、細長介入デバイスが所定位置に固定されていても、細長介入デバイスの操縦性が維持される。
ねじり剛性との用語は、具体的には、印加されたトルク又はねじりモーメントに対する抵抗に関し、より高いねじり剛性は、印加されたトルクに対するより高い抵抗に相当する。
更に、近位部は、少なくとも2つの実質的に同軸の管を含み、外側管は、内側管よりもねじり剛性が低い。この構成によれば、細長介入デバイスの近位部のねじり剛性への最大寄与を提供する外側管の低減されたねじり剛性によって、デバイスの近位部のトルク吸収特性が確保される。
本発明の一実施形態では、近位部及び/又は遠位部は、ねじり剛性が実質的に均一である。近位部に関して、均一な(低い)ねじり剛性によって、近位部がその長手方向の伸長全体に実質的に沿ってトルクを吸収することが確実にされる。遠位部に関して、均一な(高い)ねじり剛性によって、遠位部の近位端の回転が、デバイスの取り扱いを容易にするために通常望まれるように、遠位部の遠位端に伝わることが確実にされる。
一実施形態では、内側管は、外側管よりもねじれ耐性が高い。この実施形態では、内側管は、細長介入デバイスの近位部の十分に高いねじれ耐性を確実にする。ねじれ耐性との用語は、ねじれに対する抵抗に関し、より高いねじれ耐性は、ねじれに対するより高い抵抗に相当する。したがって、光学形状感知による細長介入デバイスの形状及び位置の決定に影響を及ぼしうる細長介入デバイスに組み込まれた光学形状感知ファイバのねじれ又はピンチ点を特に回避することができる。具体的には、ねじれ耐性は、ねじれを生成することなくデバイスの一部に対して採用される最小曲げ半径の逆数、又は、ねじれのみを生成する曲げ半径の逆数に基づいてパラメータ化される。
本発明の1つの関連の実施形態は、内側管のみが少なくとも1つの金属ワイヤを含むことを含む。更なる関連の実施形態は、複数の金属ワイヤがブレイディングを形成し、及び/又は、少なくとも1つの金属ワイヤがスパイラルを形成することを含む。内側管内に含まれる1つ以上の金属ワイヤによって、内側管の所望のねじれ耐性が得られる。
更なる実施形態では、近位部は、3つの実質的に同軸の管を含み、最も内側管は、他の管よりも摩擦係数が低い。これは、具体的には、同じ垂直抗力が表面に印加される場合に、最も内側の管の表面、特に内面と別の材料の表面との間の方が、他の管の表面と同じ材料との間よりも摩擦力が低いことを意味する。この実施形態では、最も内側の管が光学形状検知ファイバを受容する。当該光学形状検知ファイバは上記管内に手動で挿入されてよい。又は、最も内側の管は、当該管に手動で挿入される他の手段を受容してもよい。管のより低い摩擦係数によって、光学形状検知ファイバ又は他の手段の挿入が容易にされる。
本発明の更なる実施形態は、固定要素が、外側管のみを受容部に固定することを含む。関連の実施形態では、内側管は、近位部の外側管に対して動くことができる。この実施形態では、外側管から、より高いねじり剛性を有する内側管へのトルクの伝達は最小限に抑えられるので、トルクは、受容部に固定される外側管によって実質的に全部吸収される。これにより、細長介入デバイスの近位部のねじり剛性が更に減少される。
本発明による細長介入デバイスは、デバイスの所望の目的に応じて様々な態様で構成することができる。幾つかの実施形態では、細長介入デバイスは、具体的には、カテーテル又はガイドワイヤを含む。同様に、細長介入デバイスは、例えば内視鏡を含んでもよい。
本発明の更なる態様では、患者の身体において介入処置を行う介入システムが提案される。介入システムは、光学形状感知ファイバを含む上記細長介入デバイスを含む。システムは更に、所定位置に配置され、細長介入デバイスの固定要素に接続可能である受容部を含む。更に、介入システムは、光学形状感知デバイスを含む。光学形状感知デバイスは、光学形状感知ファイバに結合され、所定位置に対する光学形状感知ファイバの形状及び光学形状感知ファイバの位置を光学形状感知によって決定する。
一実施形態では、光学形状検知デバイスは、決定された形状及び位置に基づいて、細長介入デバイスの画像を生成する。関連の実施形態では、光学形状感知デバイスは、細長介入デバイスの画像及び患者の身体の画像を重ね合わせ、患者の身体の画像は、所定位置に関する患者の身体の相対位置に従って示される。具体的には、光学形状感知デバイスは、細長介入デバイスの画像及び患者の身体の画像の相対位置が、細長介入デバイス及び患者の身体の相対位置に対応するように、画像を重ね合わせる。
細長介入デバイスの画像及び患者の身体の画像がこのように重ね合わされる場合、医師は、特に、介入処置中に患者の体内の細長介入デバイスの位置をモニタリングすることができる。このような重ね合わせは、細長介入デバイス又はその近位端が所定位置に固定されることで可能にされ、これにより、(患者と所定位置との相対位置が分かっている場合に)患者の身体に対する細長介入デバイスの位置が決定される。
細長介入デバイスの画像及び/又は患者の身体の画像は3次元画像であってよい。更に、患者の身体の画像は、好適には、患者の身体の内部を示す。このような画像は、コンピュータ断層(CT)撮像又は磁気共鳴撮像(MRI)といった当業者に知られている適切な撮像技術を使用して取得される。
当然ながら、請求項1の細長介入デバイス及び請求項10の介入システムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、具体的には、従属請求項に規定される実施形態を有する。
当然ながら、本発明の好適な実施形態は更に、従属請求項又は上記実施形態の各独立請求項との任意の組み合わせでもよい。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、また、当該実施形態を参照して説明される。
図1は、細長介入デバイス1を含む介入システムを例示的及び概略的に示す。細長介入デバイスは、カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、又は、患者の身体7が検査領域5内に配置されるときに、医師が介入処置中に患者の体7内に挿入する同様のデバイスとして構成される。検査領域5では、患者の身体は、患者台8又は同様の支持体上に配置される。
介入処置中に細長介入デバイス1の形状を決定するために、光学形状感知技術が適用される。したがって、光学形状感知ファイバ9が、当該光ファイバ9が好適には細長介入デバイス1の長手方向の伸長に沿って、好適であるが必ずしもそうである必要はないが、細長介入デバイス1の全長に亘って延在するように、細長介入デバイス1内に組み込まれる。光学形状感知ファイバ9は、任意の形状感知技術を使用して、光学形状感知ファイバ9の形状を決定する光学形状感知デバイス2に結合される。具体的には、光ファイバ9には、ひずみ感知ファイバブラッグ格子(FBG)センサが設けられ、光学形状感知デバイス2は、光学形状感知ファイバ9内に光を注入し、FBGセンサによって反射された光から光学形状感知ファイバ9の形状を決定する。このように光ファイバ9の形状を決定する適切な技術の一例が、参照することにより本明細書に組み込まれる国際特許公開WO2013/136247A1に開示されている。
更に、細長介入デバイス1の位置は、固定の所定位置3に対して決定される。このために、細長介入デバイス1の近位端は、所定位置3に固定される。結果として、細長介入デバイス1の近位端の位置が分かり、所定位置3に対応する。細長介入デバイス1の任意の他の点又は部分の位置は、光学形状感知ファイバ9の決定された形状に基づいて、光学形状感知デバイス2内で決定される。したがって、光学形状感知デバイス2は、所定位置3に関して細長介入デバイス1全体の位置を決定することができる。
細長介入デバイス1全体の決定された形状及び位置、又は、少なくとも、患者の身体7内に挿入される当該デバイスの一部を含む当該デバイス1の遠位部の形状及び位置は、好適には、光学形状感知デバイス2に接続される表示デバイス4上に表示される。このために、光学形状感知デバイス2は、表示デバイス4に表示され、準連続的に(即ち、短い時間間隔で)決定される光学形状感知ファイバ9の形状及び位置に従って動的に適応される細長介入デバイス1の画像を生成する。したがって、介入処置中に細長介入デバイス1を使用する医師は、患者の身体7内に挿入されることで、見ることのできないデバイス1の一部の位置を含むデバイスの位置をモニタリングすることができる。
一実施態様では、光学形状感知デバイス2は更に、患者の身体7の内部の3次元画像を表示し、患者の身体7の内部の3次元画像を細長介入デバイス1の画像と重ね合わせるように表示デバイス4を制御する。重ね合わせは、細長介入デバイス1の決定された位置に基づいて行われ、具体的には、患者の身体7の画像と細長介入デバイス1の画像との相対位置が、患者の身体7とデバイス1との相対位置に対応するように行われる。患者の身体7の画像と細長介入デバイス1の画像とをこのように重ね合わせるには、患者は、画像内に示される身体の部分が、所定位置3に関して規定された相対位置を有するように、検査領域5内に配置される。
患者の身体7の3次元画像は、当業者に知られている任意の適切な撮像モダリティを使用して取得される。このような撮像モダリティの例には、コンピュータ断層撮影(CT)撮像及び磁気共鳴撮像(MRI)が含まれ、画像は、採用された撮像モダリティに従って構成される撮像デバイス6を使用して取得される。
一実施形態では、撮像デバイス6は、細長介入デバイス1を含む介入システムに組み込まれる。この実施形態では、撮像デバイス6は、検査領域5の少なくとも一部を含む視野に関して3次元画像を取得する。視野は、形状感知デバイス2が、撮像デバイス6を使用して生成された画像と細長介入デバイス1の画像とを上記されたような方法で重ね合わせることができるように、所定位置3に関して規定された相対位置を有する。更に、撮像デバイス6は、介入処置中、特定の時間間隔で画像を準連続的に取得し、各時点において、形状感知デバイス2は、細長介入デバイス1の現在の画像と患者の身体7の一番最近に取得された3次元画像とを重ね合わせる。したがって、医師は、患者の身体7と共に、現在の環境内の細長介入デバイスの位置を実質的にリアルタイムでモニタリングすることができる。
代替案として、患者の身体7の3次元画像は、介入システムに組み込まれていない外部撮像デバイスを使用して取得される。外部撮像デバイスによって、患者の画像は、介入処置の前に取得され、形状感知デバイス2に送信される。介入処置を行うために、患者は、画像内に示される患者の身体7の一部が所定位置3に関して規定された関係位置を有するように配置される。これにより、患者の身体7の3次元画像と細長介入デバイス1の画像との上記重ね合わせが可能にされる。
図2に、細長介入デバイス1の一実施形態が概略的及び例示的に示される。図示されるように、細長介入デバイス1は遠位部21と近位部22とを含む。
図2に示される実施形態では、遠位部21と近位部22とは、移行要素23によって互いに接続される。このために、遠位部21及び近位部22は共に、適切な接続によって移行要素23に固定される。例えば遠位部21及び近位部22はそれぞれ移行要素23と貼り合わされる。又は、遠位部21及び近位部22の関連の端は、移行要素23内にはめ込まれる。遠位部21及び近位部22を、ボルト接続によって移行要素23に固定することも同様に可能である。移行要素23は、細長介入デバイス1の近位部22の管及び/又は内腔が、遠位部の対応する管及び/又は内腔に接続されるように個別に構成される。
代替案として、細長介入デバイス1の遠位部21及び近位部22は、互いに直接接続されてもよい。これは、具体的には、細長介入デバイス1の近位部22の管及び/又は内腔が、遠位部の対応する管及び/又は内腔に直接接続されることを意味する。接続は、遠位部21及び近位部22に含まれる材料に基づいて選択される任意の適切な手段によって確立される。具体的には、遠位部21及び近位部22は、熱的に結合されるか又は接着される。遠位部21及び近位部22が、以下に更に説明されるように金属を含む場合、互いにはんだ付けされてもよい。
使用時、医師は、細長介入デバイス1を、その遠位部21において、具体的には、遠位部21の近位端部において保持する。遠位部21は、介入処置中に患者の身体7内に挿入される(可能性のある)細長介入デバイス1の一部を含む。遠位部21は、関連のタイプの従来の細長介入デバイスの対応する部分と同じ態様で構成される。細長介入デバイス1がカテーテルである場合、遠位部21は、例えば適切な材料で作られ、適切に形成された端部を有する1つの管又は複数の同軸管を含む。細長介入デバイス1がガイドワイヤである場合、遠位部21は、1つの管又は複数の同軸管と、ガイドワイヤコアとを含み、例えば各コンポーネントは適切な材料で作られる。
更に、光学形状感知ファイバ9は、適切な方法で遠位部21に組み込まれる。例えば遠位部21が1つの管又は複数の同軸管を含むならば、光学形状感知ファイバ9は、当該管の中又は当該同軸管の内側管の中を導かれる。代替案として、光学形状感知ファイバ9を受容する追加の内腔が設けられてもよい。遠位部21が複数の同軸管を含む場合、この内腔は、具体的には、内側管の外面と外側管の内面との間に設けられる。
従来の細長介入デバイスと同様に、遠位部21のコンポーネントの材料は、遠位部21が所望の特性を有するように選択される。これらの特性には、通常、十分なねじれ耐性が含まれる。ねじれ耐性は、具体的には、光学形状感知ファイバ9内を進行する光ビームの妨害を阻止する。ねじれ耐性が高い場合、ねじれを生成するには、デバイスにより大きい力が加えられなければならない。ねじれ耐性を定量化するために使用される1つのパラメータは、ねじれを生成することなくデバイスの一部に対して採用される最小曲げ半径の逆数、又は、ねじれのみを生成する曲げ半径の逆数に対応する及び/又は当該逆数から導出されるパラメータである。更に、遠位部21は、好適には、遠位部21の近位端における微妙な回転運動も遠位部21の遠位端に直接伝わるように高いトルク剛性を有する。これにより、介入処置中の細長介入デバイス1の優れた操縦性が確保される。
近位部22の(近位)端は、所定位置3に固定される。固定は、原則的に、任意の適切な方法で実現される。一実施形態では、固定要素24が近位部22の近位端に設けられる。固定要素24は、所定位置3に配置される介入システムの対応する受容部25に接続可能であるように構成される。原則的に、固定要素24及び受容部25は、当事者に知られている任意の適切な方法で構成される。一実施形態では、受容部25は、ソケットとして構成され、固定要素24は、プラグとして構成され、ソケット内に挿入され、適切な手段によって、ソケット内の適切な位置に保持される。更なる構成では、固定要素24及び受容部25は、ネジ結合によって互いに接続可能である。このために、固定要素24は、受容部25の雌ネジに接続される雄ネジを含み、また、その反対であってもよい。
細長介入デバイス1内に組み込まれる光学形状感知ファイバ9は、受容部25を介して、光学形状感知デバイス2にも結合されることが好適である。更に、細長介入デバイス1のコンポーネントは、介入システムの更なるデバイスに接続されてもよい。例えば細長介入デバイス1又はその中に含まれる管は、細長介入デバイス1が吸引カテーテルとして構成される場合には、吸引デバイスに接続される。更なる実施形態では、細長介入デバイス1は、当該細長介入デバイス1が患者の身体7内にステントを挿入するために使用されるならば、ステント送達システムのコンポーネントに接続され、又は、当該介入デバイス1が例えばバルーンカテーテルとして使用されるならば、ポンプに接続される。
細長介入デバイス1の近位端の所定位置における固定によって、当該デバイス1の操縦性は制限される可能性がある。具体的には、固定によって、当該デバイス1の回転運動がより困難になり、ねじり応力が蓄積した後に当該デバイス1を適切な位置に保つことがより困難となる。
細長介入デバイス1の操縦性のこのような制限を回避するために、細長介入デバイス1の近位部22が、ねじり剛性が低いように、具体的には、細長介入デバイス1の遠位部21よりもねじり剛性が低いように構成される。ねじり剛性は、印加されたトルクに対する抵抗を定量化するパラメータに相当し、ねじり剛性が高いということは、印加されたトルクに対する抵抗が高いということである。したがって、細長介入デバイスの近位部は、当該デバイスの遠位部に比べて印加されたトルクに対する抵抗が低い。これにより、細長介入デバイス1の遠位部21に印加されるトルクは、近位部22において吸収され、したがって、近位部22は、遠位部21にトルクを全く印加しないか、非常に低いトルクを印加する。具体的には、ねじり剛性は、トルクとねじれ角との比、即ち、k=M/θによってパラメータ化される。ここでkはねじり剛性であり、Mは印加されたトルクであり、θは結果として得られるねじれ角である。ここでは、ねじれ角は、具体的には、印加されたトルクからもたらされる回転軸に関する本体の一端と反対側の端との相対回転角に関連する。
幾つかの実施形態では、細長介入デバイス1の近位部22は、2つ又は3つの同心管を含む。図3に、これらの実施形態が概略的及び例示的に示される。図3は、外側管31及び第1の内側管32を有する当該デバイス1の近位部22の横断面を示す。任意選択的に、追加の第2の内側管33が、第1の内側管32内に設けられる。近位部22の内側管32、33は、上記されたように、直接接続又は移行要素23によって、細長介入デバイス1の遠位部21の1つ以上の対応する管に接続される。外側管31は、同様に、遠位部21の対応する管に接続される。遠位部21が、近位部22の外側管31に対応する管を有さず、外側管31のみ、移行要素23に接続されることも同様に可能である。
一実施形態では、光学形状感知ファイバ9は、近位部22の最も内側の管32、33の中を導かれる。この最も内側の管32、33は、細長介入デバイス1の遠位部21内の光学形状感知ファイバ9を受容するための管又は内腔に接続されるか、又は、近位部22の最も内側の管32、33は、当該管が遠位部21内の光学形状感知ファイバ9を受容するための管も形成するように、遠位部21内に延在する。したがって、光学形状感知ファイバ9は、細長介入デバイス1の全長に沿って延在する。
光学形状感知ファイバ9は、細長介入デバイス1内に固定して組み込まれても、又は、必要に応じて、細長介入デバイス1内に手動で挿入されてもよい。後者の場合、光学形状感知ファイバ9は、細長介入デバイス1内に、その近位端から挿入される。当該挿入を容易にするために、細長介入デバイス1の近位部21には、好適には、光学形状感知ファイバ9を受容し、摩擦係数の低い材料で作られる上記第2の内側管33が設けられる。更なる実施形態では、光学形状感知ファイバ9は、細長介入デバイス1の近位部22の更なる専用内腔内を導かれる。この内腔は、遠位部21内の光学形状感知ファイバ9を受容する対応する内腔に接続されるか、又は、当該内腔は、遠位部内へと延在する。近位部22が複数の同軸管を含む場合、内腔は例えば2つの管間に配置される。
細長介入デバイス1の近位部22の所望の低ねじり剛性は特に、外側管31が最大直径を有し、近位部22のねじり剛性に最大寄与を提供することにより、外側管31によって確保される。したがって、外側管31は、細長介入デバイス1の遠位部21よりも外側管31が低いねじり剛性を有することを確実とする適切な材料で作られる。内側管31、32は更に、ねじれ耐性といったデバイス1の近位部22の更なる所望の特徴を確保する。これは、少なくとも1つの内側管32又は33が、より高いねじり剛性をもたらす材料で作られることを必要とする。したがって、外側管31も、内側管32、33の片方又は両方よりも低いねじり剛性を有する。
外側管31が低いねじり剛性を有することを確実とするために、外側管31は、ゴム又はポリマー材料といったフレキシブル材料で作られる。また、好適には、外側管31は、(一実施形態における内側管32、33のうちの一方とは異なり)金属製のブレイディング又はコイリングを含まない。外側管31を製作するための適切な材料には、Pebaxとも知られているポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ナイロン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)並びにポリエチレン(PE)、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)及び高分子重量ポリエチレン(HMWPE)が含まれる。
上記されたように、内側管32は、特に、細長介入デバイス1の近位部22の十分なねじれ耐性を確保する。これにより、光学形状感知ファイバ9のねじれ又はピンチ点が特に回避される。十分なねじれ耐性を得るために、内側管32は金属を含む。具体的には、内側管32は、コイリング又はブレイディング状に配置される1つ以上の金属ワイヤを含む。これにより、近位部22にねじり応力が印加される場合に、近位部22の伸長を最小限に抑えることができる。これに加えて、内側管32は更に、ゴム又はポリマー材料も含み、コイリング又はブレイディングは、ゴム又はポリマー材料に組み込まれるか、又は、内側管32は複数の層を含み、1つの層がゴム又はポリマー材料を含み、別の層が金属コイリング又はブレイディングを含んでもよい。内側管がゴム又はポリマー材料を含むと、コイリング又はブレイディングの金属ワイヤ間に特定のより大きい間隔がある。これにより、近位部22の曲げ剛性が減少され、その柔軟性、したがって、操縦性が向上される。曲げ剛性は、曲げ変形に対する管の抵抗に相当する。これは、具体的には、印加された力と結果として生じる管のたわみとの比率によって定量化される。
幾つかの実施形態では、細長介入デバイス1の近位部22は、好適には金属ワイヤの代わりにアラミド繊維を含む。これらの繊維は、外側管31又は内側管32に組み込まれる。代替案として、アラミド繊維の管状のブレイディング又はウェビングも、外側管31と内側管32との間で近位部22に含まれてもよい。アラミド繊維の高い引張強度及び柔軟性によって、当該アラミド繊維は、細長介入デバイス1の近位部22の伸長を最小限に抑え、低曲げ剛性が確保される。
任意選択的に、上記されたように、追加の内側管33が第1の内側管32内に設けられる。具体的には、追加の内側管33は、光学形状感知ファイバ9が細長介入デバイス1内に手動で挿入される場合に設けられる。同様に、追加の内側管33は、細長介入デバイス1の意図される用途が、ワイヤ又は(更なる)カテーテルといった他の手段の細長介入デバイス1内への(手動)挿入を含む場合に設けられる。光学形状感知ファイバ9又は他の手段の挿入を容易にするために、追加の内側管33は、低摩擦係数、特に他の管よりも低い摩擦係数を有する材料で作られる。摩擦係数は、具体的には、管33(又は細長介入デバイス1の他の管)の(内)面と別の材料の面との動摩擦の力と、これらの面を共に押す垂直抗力との比率に相当する。より具体的には、摩擦係数は、光学形状感知ファイバ9及び/又は上記他の手段の材料といった、細長介入デバイスの使用時に通常管33(又は他の管)と接触する他の材料に関して上記比率の平均摩擦係数に相当する。
所望の低摩擦係数を得るために、追加の内側管33は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、PIとPTFEとの組み合わせ又は高密度ポリエチレン(HDPE)といった適切な材料で作られる。更に、追加の内側管33は、好適には、第1の内側管32よりも壁が薄い。これにより、細長介入デバイス1内で追加の内側管33に必要となる空間は最小限に抑えられ、追加の内側管33の細長介入デバイス1の機械的特性への寄与が低減される。好適には、追加の内側管33及び内側管32は共に接合される。これにより、これらの管間の滑らかな移行が確保される。
細長介入デバイス1の近位部22が、外側管31と1つ以上の内側管32、33とを含む場合、好適には、外側管31のみが所定位置3に固定される。したがって、外側管31のみが固定要素24に固定される。内側管32は、外側管31に接触するが、内側管32と外側管31とが互いに移動可能であり、具体的には回転可能であるように、外側管31には接合されていないことが好適である。したがって、細長介入デバイス1の近位部22にトルクが印加されると、外側管31は移動し(ねじれ)、内側管32は、外側管31の上記動きには従わないか又は最小限にしか従わない。これにより、デバイス1の近位部22のねじり剛性が更に低減される。
細長介入デバイス1の近位部22の上記実施形態では、低ねじり剛性及び高ねじれ耐性といった近位部22の所望の特性は、外側管31が低ねじり剛性が得られるように構成され、内側管32が高ねじれ耐性が得られるように構成される複数の同軸管によって得られる。
更なる実施形態では、細長介入デバイス1の近位部22は、固定要素24及び移行要素23が固定される単一の管から構成される。十分なねじれ耐性を確保するために、管は、1つ以上の金属ワイヤ又はアラミド繊維で形成されるコイリング又はブレイディングといった金属又はアラミド補強材を含む。所望の低ねじり剛性及び低曲げ剛性を確保するためには、コイリングの使用の方が好まれる。ブレイディングが設けられるならば、ブレイディングは、好適には、所望の低ねじり剛性を確保するために、小さいブレイディング角度を有する。更に、管の直径及びその壁厚は、低ねじり剛性、低曲げ剛性及び高ねじれ耐性といった所望の特性を確保するために適切に選択される。光学形状感知ファイバ9は、光学形状感知ファイが9を受容するために管内に設けられる内腔に挿入されてもよい。
開示された実施形態の変形態様は、図面、開示内容及び添付の請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、実施される。
請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、また、「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を除外するものではない。
単一のユニット又は他のデバイスが、請求項に記載される幾つかのアイテムの機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
請求項における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。