JP6960570B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、HFO1123を含む作動媒体を用いる冷凍サイクル装置に関する。
一般に、空気調和機等の冷凍サイクル装置は、圧縮機、必要に応じて四方弁、放熱器(または凝縮器)、キャピラリーチューブや膨張弁等の減圧器、蒸発器、等を配管接続して冷凍サイクルを構成し、その内部に作動媒体(冷媒)を循環させることにより、冷却または暖房作用を行っている。
これらの冷凍サイクル装置における作動媒体としては、フロン類(フロン類はR○○またはR○○○と記すことが、米国ASHRAE34規格により規定されている。以下、R○○またはR○○○と示す)と呼ばれるメタンまたはエタンから誘導されたハロゲン化炭化水素が知られている。
上記のような冷凍サイクル装置用作動媒体としては、R410Aが多く用いられているが、R410A冷媒の地球温暖化係数(GWP)は2090と大きく、地球温暖化防止の観点から問題がある。
そこで、地球温暖化防止の観点からは、GWPの小さな作動媒体として、例えば、HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)や、HFO1132(1,2−ジフルオロエチレン)が提案されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
国際公開第2012/157764号 国際公開第2012/157765号
しかしながら、HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)や、HFO1132(1,2−ジフルオロエチレン)は、R410Aなどの従来の作動媒体に比べて安定性が低く、ラジカルを生成した場合、不均化反応により別の化合物に変化する恐れがある。不均化反応は大きな熱放出を伴って圧力上昇するため、圧縮機や冷凍サイクル装置の信頼性を低下させる恐れがある。このため、HFO1123やHFO1132を圧縮機や冷凍サイクル装置に用いる場合には、この不均化反応を抑制する必要がある。
特に、このような不均化反応が発生すると圧縮機は破損し、作動媒体は煤となる。煤となった作動媒体は、圧縮機を収納している室外機本体の天板や前板の間の隙間から大気中に吹き出す。この煤により使用者の不安感等が増大するため、使用者の信頼性は大きく低下する。特に、煤となった作動媒体は、室外機の様々な隙間から予想されず吹き出す。したがって使用者はなぜ煤が吹き出したのかが分からず、不安を覚えることになる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、HFO1123を含む作動媒体を用いた空気調和機の不均化反応発生時の信頼性を向上させることを目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、圧縮機、室外熱交換器、膨張手段、室内熱交換器を有し、冷媒として1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を用いる冷凍サイクルであって、前記圧縮機と、前記室外熱交換器と、前記膨張手段とを備える室外機を有し、前記室外機の表面に前記圧縮機を収納する空間と前記室外機の外側の空間とを連通する連通部を設けることを特徴としてある。
これにより、圧縮機内で不均化反応が生じ圧縮機が破損して作動媒体が煤となって圧縮機収納空間内に吐出拡散した際、この煤は室外機に設けた連通部から室外機の外へと排出される。したがって、室外機の隙間や、室外機の天板や前板との間の隙間から煤が勢いよく吹き出ることがなくなる。煤が勢いよく吹き出ることによる使用者が受ける不快感を軽減できるため、使用者の不安感を軽減できる。また、煤の排出箇所を連通部に特定できるので、煤排出の可能性があることを告知しておくなどすれば使用者が受ける不安感をさらに軽減でき、かつ、煤の排出により使用者が危害を受けることを防止できる。
本発明は、上記構成により、不均化反応発生時の煤の吹き出しの勢いを低減する。そのため、煤の吹き出しにより使用者が受ける不安感を軽減し、かつ、使用者が危害を受けることを防止できる。これにより、HFO1123を含む作動媒体を用いた空気調和機の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置としての空気調和機の概略構成図 実施の形態1に係る空気調和機の圧縮機を示す断面図 実施の形態1に係る空気調和機の室外機を示す正面図 実施の形態1に係る空気調和機の室外機を示す分解斜視図 実施の形態1に係る空気調和機の室外機を示す平面図 実施の形態2に係る空気調和機の室外機部分での動作を説明する概略断面図 実施の形態2に係る空気調和機の室外機部分での動作を説明する概略平面図 実施の形態2に係る空気調和機の圧縮機に設けた圧力逃がし機構の説明図
HFO1123やHFO1132の不均化反応は、過度に高温高圧となった雰囲気下にて、高エネルギが付加されると、これが起点となって発生する。
例えば、一例を挙げると、正常な運転条件下ではない状態、すなわち、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等によって、吐出圧力(冷凍サイクルの高圧側)が過度に上昇する。
上記のような状態下では、圧縮機のロック機能に異常が生じる。この異常下において、圧縮機への電力供給を続けられると、圧縮機の電動機に電力が過剰に供給され、電動機が異常に発熱する。その結果、電動機の固定子を構成する固定子巻線の絶縁が溶融破壊され、導線同士でレイヤーショートと呼ばれる電気流路の短縮が起こり、これが高エネルギ源となる。この高エネルギ源が、HFO1123やHFO1132の不均化反応を誘起することになる。
そして、不均化反応が発生すると、圧縮機は破損し、作動媒体は煤となる。煤となった作動媒体は、圧縮機を収納している室外機の隙間や、室外機の天板や前板の間の隙間から大気中に吹き出す。これにより、使用者の不安感が増加し、信頼性が大きく低下する。
本発明は、このような点に鑑みてなしたものである。
第1の発明は、圧縮機と、室外熱交換器と、膨張手段と、室内熱交換器と、を有し、冷媒として1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を用いる冷凍サイクルであって、前記圧縮機と前記室外機と前記膨張手段とを備える室外機を有し、前記室外機の表面に前記圧縮機を収納する空間と前記室外機の外側の空間とを連通する連通部を設ける構成としてある。
これにより、圧縮機内で不均化反応が生じ圧縮機が破損して作動媒体が煤となっても、圧縮機収納空間内に吐出拡散した際、この煤は室外機に設けた連通部から室外機の外へと排出される。したがって、室外機の隙間や、室外機の天板や前板との間の隙間から煤が勢いよく吹き出すことによる使用者が受ける不安感を低減できる。また、煤の排出箇所を連通部に特定できるので、煤排出の可能性があることを告知しておくなどすれば使用者が受ける不安感を低減でき、かつ、煤の排出により使用者が危害を受けることを防止できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記室外機は前記圧縮機と前記室外熱交換器との間を仕切る仕切板を備える構成としてある。
これにより、圧縮機から吐出した煤が熱交換器を収納している空間に吹き出す。このため、室外熱交換器が煤で汚染されることが防止され、室外熱交換器を再利用することができる。
第3発明は、第1または第2の発明において、前記連通部は圧縮機収納空間を構成する部材同士が向き合って形成する隙間の総和面積よりも大きな面積とした構成としてある。
これにより、圧縮機から圧縮機収納空間に吐出した煤は連通部から室外機外に吹き出すことになるので、圧縮機収納空間を構成する部材同士が向き合って形成する隙間、すなわち室外機の室外機本体と天板や前板との間の隙間から煤が勢いよく吹き出すことを防止できる。これにより使用者が受ける不安感を解消することが出る。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記連通部は圧縮機の最下部より上方に設ける構成としてある。
これにより、室外機の底面に溜まるドレン水等で連通部が塞がれる問題等を未然に防止できる。そして、連通部からの煤の排出を確実なものとすることができる。
第5の発明は、第1〜第4の発明において、前記連通部は前記室外機の背面に設ける構成としてある。
これにより、煤の排出を室外機後方の家屋の壁面側に向けることができる。そのため、室外機の周辺、特に前方や側方にいる使用者に煤が吹きかかる可能性を確実に低減できる。
第6の発明は、第1〜第5の発明において、前記圧縮機は不均化反応が生じる過度な圧力を外部に逃がす圧力逃がし部を設けた構成としてある。
これにより、圧縮機自体の極端な破損を防止でき、安全性を高めることができるとともに、不均化反応の急激な進行を抑制して煤の発生量、すなわち、連通部からから室外機外に排出される煤の排出量を抑制でき、使用者の不安感を更に低減することができる。
第7の発明は、第1〜第6の発明において、前記作動媒体に不均化抑制剤を添加した構成としてある。
これにより、不均化反応を抑制して圧縮機自体の破損を未然に防止し安全性を一段と高めることができるとともに、不均化反応の急激な進行を防止できるので、煤の発生量、すなわち、連通部からから室外機外に排出される煤の排出量を少なくでき、使用者の不安感を更に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10の概略構成図、図2は冷凍サイクル装置10に用いた圧縮機の断面図である。
本実施の形態の冷凍サイクル装置10は、空気調和機として使用され、図1に示すように、室内機11および室外機12、並びにこれらを接続する配管13を備えており、室内機11は蒸発器或いは凝縮器として使用される室内熱交換器14を備え、室外機12は凝縮器或いは蒸発器として使用される室外熱交換器15、圧縮機16、膨張手段17、及び制御器18を備えている。
そして、制御器18は外部電源20と接続されており、外部電源20から電力を受け、冷凍サイクル装置10を駆動する。
室内機11の室内熱交換器14と室外機12の室外熱交換器15とは、配管13で環状に接続され、これにより冷凍サイクルが形成されている。具体的には、室内機11の室内熱交換器14、圧縮機16、室外機12の室外熱交換器15、膨張手段17の順で配管13により環状に接続されている。また、室内熱交換器14、圧縮機16、および室外熱交換器15を接続する配管13には、冷暖房切換用の四方弁19が設けられている。なお、室内機11は、図示しない送風ファン、温度センサ、操作部等を備えており、室外機12は、図示しない送風機、アキュームレータ等を備えている。さらに、配管13には、図示しない各種弁装置(四方弁19も含む)、ストレーナ等が設けられている。
室内機11が備える室内熱交換器14は、送風ファンにより室内機11の内部に吸い込まれた室内空気と、室内熱交換器14の内部を流れる作動媒体との間で熱交換を行う。室内機11は、暖房時には熱交換により暖められた空気を室内に送風し、冷房時には熱交換により冷却された空気を室内に送風する。室外機12が備える室外熱交換器15は、送風機により室外機12の内部に吸い込まれた外気と室外熱交換器15の内部を流れる作動媒体との間で熱交換を行う。
図2は上記冷凍サイクル回路に用いられる圧縮機16を示し、この圧縮機16は、本実施の形態では密閉型のロータリ式圧縮機によって構成されており、密閉容器161の内部に、電動機部162と圧縮機構部163が収納され、内部は高温高圧の作動媒体と潤滑油で満たされ、底部は潤滑油を溜める貯油部164となっている。
なお、圧縮機16はロータリ式圧縮機に限定しない。
電動機部(モータ)162は、ブラシレス・モータであり、圧縮機構部163のクランクシャフト165に接続された回転子166と、回転子166の周囲に設けられた固定子167とを備えている。
回転子166は、回転子鉄心に永久磁石を装着一体化して構成されている。また、固定子167は、固定子鉄心に絶縁紙169を介して固定子巻線170を集中巻して構成されている。固定子巻線170からはリード線171が吐き出してあり、リード線171の他端は給電ターミナル172に接続されている。給電ターミナル172は、3つの端子を備え、それぞれの端子は、インバータ式の制御器18(図1参照)に接続されている。なお、固定子巻線170を分布巻きにして構成してもよい。
制御器18は、外部電源20(図1参照)から電源供給を受けてスイッチング素子により、回転子166に回転磁界が発生するよう固定子巻線170に電流を流している。回転磁界は、インバータにより可変され、圧縮機16の運転開始直後等には高速で、安定運転時等には低速で運転可能となっている。
圧縮機構部163は、圧縮室173を形成するシリンダ174と、シリンダ174内の圧縮室173に配置したローリングピストン175を有している。ローリングピストン175は、前記クランクシャフト165の回転によりベーン(図示せず)に当接しながら圧縮室内で回転運動し、吸入管179から作動媒体を吸引して圧縮する。
圧縮した作動媒体は、吐出マフラー176から密閉容器161内の吐出作動媒体空間177に吐出され、吐出管178から圧縮機構部163の外へと吐出される。また、上記圧縮室173での液圧縮を防止するため、吸入管179にはアキュームレータ180が設けられている。 図3は上記構成の空気調和機における室外機12の正面図、図4は室外機12の分解斜視図、図5は室外機12を天板125側から見た平面図である。
図3に示すように、室外機12は室外機本体121を有している。室外機本体121は、その上面を天板125が覆っており、正面側を前板126が覆っている。配管13の接続部を有する側面については、側壁カバー127で側壁128を覆っている。側壁カバー127には連通部129が設けられており、室外機本体121の内部と外部とを繋いでいる。そして、正面から見た場合、破線で示した位置に圧縮機16を収納する空間と圧縮機16を収納しない空間とを仕切る仕切板122を備える。
図4に示すように、仕切板122は、送風機21と圧縮機16とを隔てるように設けられている。連通部129は、側壁128と側壁カバー127との両方に設けられており、圧縮機16の収納された空間と外部とを繋いでいる。圧縮機の収納された空間である圧縮機収納空間123の隣は室外熱交換器15と送風機21が設置してあり、その前面は圧縮機収納空間123の前面とともに室外機本体121の前面に装着した前板126によって覆ってある。また、前記圧縮機収納空間123を形成する室外機本体121の側面には側壁カバー127が着脱自在に装着してある。
図5は室外機12を天板125側から見た図である。圧縮機16から噴出される煤は、連通部129から外気へ放出される。煤の放出される方向を破線の矢印で示す。
なお、以上の説明は本実施の形態の代表的に示す一例に関するものであり、これに限定するものではないことは言うまでもない。
以上のように構成された空気調和機は、その冷凍サイクル回路内に作動媒体(冷媒)が封入されている。本実施の形態の作動媒体は、冷媒成分として、少なくとも1,1,2−トリフルオロエチレン(HFO1123)を含有している。1,1,2−トリフルオロエチレンは、次に示す式(1)の構造であり、エチレンの1位の炭素原子(C)に結合する2つの水素原子(H)がフッ素(F)に置換されているとともに、2位の炭素原子に結合する2つの水素原子のうち一方がフッ素に置換されている構造である。
Figure 0006960570
1,1,2−トリフルオロエチレンは、炭素−炭素二重結合を含む。大気中のオゾンは、光化学反応によってヒドロキシルラジカル(OHラジカル)を生成するが、このヒドロキシルラジカルにより二重結合が分解されやすい。そのため、1,1,2−トリフルオロエチレンは、オゾン層破壊および地球温度化への影響が少ないものとなっている。
しかしながら、1,1,2−トリフルオロエチレンは、この良好な分解性により既述した如く高温高圧条件下でレイヤーショート等の高エネルギが付加されると急激な不均化反応を引き起こす。この不均化反応は、1,1,2−トリフルオロエチレンの分子が分解する自己分解反応が発生するとともに、この自己分解反応に続いて、分解により生じた炭素が重合して煤となる重合反応等が発生する。よって、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等により高温高圧状態になって圧縮機16がロック状態にもかかわらず固定子巻線170に通電が継続されて巻線が異常発熱することや、絶縁破壊されてレイヤーショートが生じることなどが起こる。すると、活性ラジカルが発生し、この活性ラジカルと1,1,2−トリフルオロエチレンとが反応して前述した不均化反応が発生する。
上記不均化反応は発熱を伴うことから、この発熱により活性ラジカルが発生し、さらに、この活性ラジカルにより不均化反応が誘発される。このように、活性ラジカルの発生と不均化反応の発生とが連鎖することで、不均化反応が急激に進行し、圧縮機16内の圧力が0.2sec程度で急激に上昇して、ついには圧縮機16の破損に至る。
圧縮機16が破損に至ると、圧縮機16内で不均化反応を起こした作動媒体が煤となって圧縮機16を収納している室外機12内に吐出拡散する。上記の通り、煤となった作動媒体は室外機12の圧縮機収納空間123の隙間、例えば室外機本体121と天板125や前板126との間から吹き出すような形となる。このとき、使用者は室外機12の隙間から煤が勢いよく吹き出し、その結果、使用者は大きな不安を感じることになる。加えて、室外機12の隙間から無作為に煤が吹き出すため、さらに使用者の不快感を増大させる。また、室外機本体121、天板125、前板126の煤が吹き出した部分及びその近傍は煤が付着するため、圧縮機交換等のメンテナンス時に室外機本体121、天板125、前板126からなる筐体そのものまで交換しなければならなくなる。
しかし、本実施の形態の空気調和機では、前記圧縮機収納空間123に室外機12の外、すなわち大気と連通する部分を設けてある。具体的には、図4に示すように、圧縮機収納空間123を構成する室外機本体121の側壁128及び側壁カバー127に連通部としての煤排出用の連通部129が設けてある。
これにより、圧縮機16内で不均化反応が生じ圧縮機16が破損して作動媒体の煤が圧縮機収納空間123内に吐出拡散した際、この煤は室外機本体121の側部、すなわち側壁128及び側壁カバー127に設けた連通部129から室外機12の外へと排出される。よって、室外機12の室外機本体121と天板125や前板126との間の隙間から吹き出すようなことを防止できる。
したがって、室外機12の隙間や室外機本体121の天板125や前板126との間の隙間から煤が勢いよく吹き出すことによる使用者の不安感を軽減することができる。
また、連通部129の近辺に煤放出の趣旨の注意書き、例えば「異常時に煤が放出されることがあります」という注意書きをしておくことによって、連通部129から煤が排出されることがあっても使用者の不安感を和らげ、かつ、煤の排出により使用者が危害を受けることを防止できる。
さらにまた、室外機本体121と天板125や前板126との間の隙間から吹き出す場合に生じる室外機本体121、天板125、前板126の隙間付近の煤汚れも防止することができ、圧縮機交換等のメンテナンス時に室外機本体121、天板125、前板126からなる筐体そのものを交換する必要がなくなって部品交換の費用負担を軽減することができる。
なお、連通部129は、その孔面積を、圧縮機収納空間123を覆う天板125及び前板126と室外機本体121との間に形成される隙間の総和面積よりも大きく形成しておくのが望ましい。つまり、圧縮機16の周辺空間を区切る部材(室外機本体121と天板125、前板126等)同士が向き合って形成する隙間の面積の総和よりも、連通部129の面積を大きく設定しておくのが好ましい。
これによって、圧縮機収納空間123に拡散した煤は開口面積の大きな連通部129から室外機12の外へとスムーズに排出されるようになり、室外機本体121と天板125や前板126との間の隙間からの吹き出しを確実に防止して、不安感の解消効果を上げ、かつ筐体の煤汚れも確実に防止できる。
また、連通部129は本実施の形態では室外機12の側部に設けたが、これは背面に設けてもよく、また、害虫等の侵入を防止するためネットを設けるか多数の小孔群としておくのが好ましい。
そして、連通部129を室外機本体121の背面に設けておけば、煤の排出を室外機の後方に特定することができ、室外機12の前面及び側面の周辺に使用者等がいてもこの使用者等に煤が吹きかかるような恐れを確実に防止することができる。つまり、連通部129を使用者等がいることのできない室外機後方の家屋の壁面側に設けておくことにより、使用者に対する煤危害を確実に防止することができる。
また、連通部129は圧縮機16の最下部よりも上方に設けておくのが好ましい。これにより、圧縮機16の最下部よりも下方、例えば室外機12の底面に設けた場合等に懸念される問題、すなわち室外機底面に溜まるドレン水等への水没による連通部129の閉塞等を未然に防止でき、連通部129からの煤の排出を確実なものとすることができる。
(実施の形態2)
図6は実施の形態2における空気調和機の室外機12を示す概略構成図、図7は室外機12の概略平面図、図8は圧縮機16に設けた圧力逃がし機構の説明図である。
なお、実施の形態2では、実施の形態1で説明した部分については説明を省略する場合がある。
図6〜図8に示すように、本実施の形態においては、上記圧縮機16に作動媒体の不均化反応で急上昇する圧力を逃がす圧力逃し機構181が設けてある。この圧力逃し機構181は、例えば図8に示すように給電ターミナル172の溶接部182の強度を弱くすることによって構成してある。
これによって、圧縮機16内で圧力が上昇して不均化反応が生じると、その圧力で圧力逃し機構181となる給電ターミナル172の溶接個所が外れ、給電ターミナル172の溶接外れ部分から圧力が放出されて、圧縮機16内の作動媒体の圧力が瞬時に低下する。したがって、圧縮機16の密閉容器自体の極端な破損を防止でき、安全性を高めることができる。また、不均化反応の急激な進行を抑制して煤の発生量、すなわち、連通部129からから排出される煤の排出量を少なくすることができ、使用者の不安感を更に低減することができる。
図6は、前板126を除いて室外機12を正面から見た模式図である。圧縮機16が収納された圧縮機収納空間123は送風機21が収納された空間と仕切板122で仕切られている。圧縮機16の上方には制御収納室124が設けられており、制御収納室124に制御器18が収納されている。制御収納室124と圧縮機16との間の高さの側壁128及び側壁カバー127に連通部129を設ける。なお、側壁128と側壁カバー127とが圧縮機収納空間123と外気とを連通できればよい。例えば、側壁128のみの部分に設ける場合は側壁128に連通部129を設ければよい。
図6では、圧縮機収納空間123の内部には、圧縮機16の上方の圧力逃し機構181から連通部129まで繋ぐガイド部材183を設ける。また、室外機本体121の外側には、連通部129の上方から水平方向に延び、下方、すなわち略鉛直下向きに延びる煤排出ガイドを設ける。ガイド部材183は圧縮機収納空間123における煤の吹き出し方向を誘導する。すなわち吹き出された煤を確実に連通部129に誘導する。煤排出ガイド184は連通部129から吹き出される煤を室外機12から下向きに吹き出すように誘導する。 これにより、圧縮機16の圧力逃し機構181から吐出する煤を連通部129へと案内してスムーズに室外機12の外へと排出させることもできる。そして、室外機12の隙間や、室外機本体121の天板125や前板126の隙間から煤が勢いよく吹き出すことを低減できる。
また、連通部129の外側に煤排出ガイド184を設けておくことによって煤が使用者に向かって吹き出すことを防止でき、煤による危害を確実に防止することができる。
なお、上記圧力逃し機構181は、上記構成に限られるものではなく、吐出管178の溶接部分の強度を弱くした構成でもよい。また、別途圧力調整弁を設ける等して構成してもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1または実施の形態2で説明した部分については説明を省略する場合がある。
本実施の形態3は、冷凍サイクル回路内に封入した作動媒体、すなわち、1,1,2−トリフルオロエチレン(HFO1123)を含有した作動媒体に、1,1,2−トリフルオロエチレン(HFO1123)の不均化反応を抑制する不均化抑制剤を添加したものである。
例えば、上記不均化抑制剤は、次に示す式(2)
Figure 0006960570
(ただし、式(2)におけるXは、F,Cl,Br,Iからなる群より選択されるハロゲン原子であり、mは0以上の整数であるとともにnは1以上の整数であり、さらに、mおよびnの和は6であり、nが2以上のときXは同一または異なる種類のハロゲン原子である。)に示す構造を有するハロエタン(XがFのみの場合を除く)である。
上記のように、1,1,2−トリフルオロエチレンを含有する冷媒成分に前記した不均化抑制剤を添加することにより、前記式(2)に示すハロエタンが、不均化反応の連鎖分岐反応を引き起こすフッ素ラジカル、フルオロメチルラジカル、およびフルオロメチレンラジカル等のラジカルを良好に捕捉する。
そのため、1,1,2−トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制することや、不均化反応の急激な進行を緩和することができる。
したがって、圧縮機自体の破損を未然に防止して安全性を一段と高めることができるとともに、不均化反応の急激な進行を抑制できるので、煤の発生量、すなわち、連通部129からから排出される煤の排出量を大幅に抑制でき、使用者の不安感を更に低減することができる。
また、上記この不均化反応を抑制する不均化抑制剤としては、更に次のようなものであってもよい。
すなわち、炭素数2〜5の飽和炭化水素と、炭素数1または2であってハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンと、からなるものである。
前記不均化抑制剤によれば、飽和炭化水素およびハロアルカンが、1,1,2−トリフルオロエチレンの不均化反応で生じるフッ素ラジカル、フルオロメチルラジカル、およびフルオロメチレンラジカル等のラジカルを良好に捕捉することができる。そのため、1,1,2−トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制したり、不均化反応の急激な進行を緩和したりすることができる。しかも、飽和炭化水素単独、または、ハロアルカン単独を不均化抑制剤として添加する場合よりも少ない量で不均化反応の抑制または進行の緩和を実現することも可能となる。その結果、作動媒体およびこれを用いた冷凍サイクル装置の信頼性を向上させることができる。
(実施の形態4)
続いて、別の実施の形態について説明する。なお、実施の形態4では、実施の形態1〜3で説明した部分については説明を省略する場合がある。
本実施の形態は、前述の各実施の形態の構成に加え、例えば圧縮機収納空間123に作動媒体による煤の吐出を検知する検知手段、例えば煤が高温であるので温度センサを設けておき、圧縮機収納空間123内の温度が所定温度以上になればこれを室内機側で表示させるようにしてある。
このようにすることにより、空気調和機が異常停止した場合、その異常停止の原因が不均化反応によるものであることを使用者に知らせることができる。したがって、不均化反応による不安感の低減だけでなく、その原因を明確にして使用者に安心感を与えることができる。
以上、本発明について冷凍サイクル装置を空気調和機とした場合を例にして説明したが、これは圧縮機、凝縮器、膨張手段、および蒸発器等の構成要素が配管にて接続され、かつ、室外機を有する冷凍サイクル装置であれば具体的な適用例は特に限定されず、例えば、ヒートポンプ式給湯機等であってもよいものである。
また、本実施の形態では、圧縮機として、ロータリ式圧縮機を例にして説明したが、これは他の圧縮形式、例えば、スクロール式、レシプロ式などの容積式圧縮機、もしくは、遠心式圧縮機等、いずれの圧縮機であってもよいものである。
上述したように本発明は、不均化反応発生時の煤の吹き出しにより使用者が受ける不安感を和らげ、かつ、使用者に危害を与えるようなことを防止でき、HFO1123を含む作動媒体を用いた冷凍サイクル装置の信頼性を向上させることができる。よって、住居及び業務用の各エアコン、ヒートポンプ式給湯機等に幅広く適用することができる。
10 冷凍サイクル装置
11 室内機
12 室外機
13 配管
14 室内熱交換器
15 室外熱交換器
16 圧縮機
17 膨張手段
18 制御器
19 四方弁
20 外部電源
21 送風機
121 室外機本体
122 仕切板
123 圧縮機収納空間
124 制御収納室
125 天板
126 前板
127 側壁カバー
128 側壁
129 連通部
161 密閉容器
162 電動機部
163 圧縮機構部
164 貯油部
165 クランクシャフト
166 回転子
167 固定子
169 絶縁紙
170 固定子巻線
171 リード線
172 給電ターミナル
173 圧縮室
174 シリンダ
175 ローリングピストン
176 吐出マフラー
177 吐出作動媒体空間
178 吐出管
179 吸入管
180 アキュームレータ
181 圧力逃し機構
182 溶接部
183 ガイド部材
184 煤排出ガイド

Claims (5)

  1. 圧縮機と、室外熱交換器と、膨張手段と、室内熱交換器と、を有し、冷媒として1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を用いる冷凍サイクルであって、前記圧縮機と前記室外熱交換器と前記膨張手段とを備える室外機を有し、前記室外機は、前記圧縮機と前記室外熱交換器との間を区切る仕切板を備え、前記室外機の表面に前記圧縮機を収納する空間と前記室外機の外側の空間とを連通する連通部を設け、前記圧縮機を収納する空間に、前記圧縮機の上方から前記連通部まで繋ぐガイド部材を設け、前記連通部は前記圧縮機を収納する空間を構成する周囲壁面に形成される隙間の総和面積よりも大きな面積とすることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記連通部は前記圧縮機の最下部より上方に設ける請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記連通部は前記室外機の背面に設ける請求項1または2記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記圧縮機は不均化反応が生じる過度な圧力を外部に逃がす圧力逃がし部を設ける請求項1〜3のいずれか1項記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記作動媒体に不均化抑制剤を添加した請求項1〜4のいずれか1項記載の冷凍サイクル装置。
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