JP6957133B2 - ガラス成形レンズ、レンズ成形装置およびレンズ製造方法 - Google Patents

ガラス成形レンズ、レンズ成形装置およびレンズ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス成形レンズ、レンズ成形装置およびレンズ製造方法に関する。
光通信用のレンズには、例えば、レーザダイオードと、光ファイバの端部が搭載された基板上に表面実装されて、レーザ−ダイオードから出力される光を光ファイバの端面に集光するものなどが知られている。
このようなレンズには、一般的に樹脂レンズではなく、ガラスレンズが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、ガラスレンズの外周形状が四角となるスクエアレンズを用いている。基板上に表面実装する上では、レンズの外周に平面(基準面)があることが好ましい。すなわち、基板のレンズを搭載する搭載面(基板上の平面)に、レンズの外周の平面を当接させるように載置することにより、レンズを基板の搭載面に安定して配置することができる。また、レンズの光軸と平面との配置関係が決まっていて、平面が基準面となっていれば、搭載面に基準面を当接させるだけで、光軸の基板からの距離などが決まることになる。したがって、基板の搭載面にスクエアレンズを、例えば、紫外線硬化樹脂等を用いて容易に接着固定することができる。
このようなスクエアレンズによれば、プレフォームを成形後に、ダイシング、ポリッシング等の後加工を行わなくとも、上述のように基板に光軸高さ(基板面からの距離)を決めた状態で実装可能である。これにより、光通信等に用いられるレンズのコストの削減を図ることができる。
また、レンズを光ファイバや半導体レーザに対して固定する際に、固定用の鏡筒や缶を用いる場合よりも、ダウンサイジングが可能であり、レンズを例えた基板に表面実装される実装部品に近いサイズとして、上述のように基板面に接着して使用することができる。これにより、レンズが実装された基板を備える装置の薄型化を図ることができる。
特開2008−150265号公報
ところで、上述のように基板に表面実装されるスクエアレンズにおいては、さらなるダウンサイジングと、コストダウンが求められている。しかし、上述のようなスクエアレンズを小型化した場合に、レンズ有効径が小さくなってしまう。例えば、スクエアレンズの光軸方向に直交する四角形の断面を一辺の長さがaの正方形とした場合に、レンズの有効径はa以下となってしまう。ここで、レンズの有効径が小さ過ぎると、例えば、半導体レーザからの光の多くを光ファイバに入射させることが難しくなり、レンズの光学機能を考慮した場合にダウンサイジングに限界がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、基板に当接する平面部分を備えて、基板に表面実装可能であって、有効径が小さくなるのを抑制しつつダウンサイジングが可能なガラス成形レンズ、レンズ成形装置およびレンズ製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のガラス成形レンズは、光軸方向に沿う4面を備える四角筒状の外周被成形面と、この外周被成形面の両端部にそれぞれ設けられたレンズ被成形面とを備え、
前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面に形成されたレンズ面の前記レンズ被成形面の対角方向に沿ったレンズ有効径が、前記外周被成形面の前記光軸方向に直交する断面を四角形と見なした場合にその四辺のうちの最も短い辺の長さより長くなっており、
前記レンズ被成形面の四隅部分にそれぞれ対応して光軸と直交する平面部が個別に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、レンズの有効径は、四角形状のスクエアレンズの四辺の長さで制限されるのではなく、対角の長さで制限されることになり、ガラス成形レンズのレンズとして機能するレンズ有効径を大きくすることができる。この場合に、対角線の長さまでレンズ有効径を大きくすることができる。なお、従来のスクエアレンズの有効径は、最大でスクエアレンズの四角形の内接円の径となり、スクエアレンズの外形となる4角形と内接円との間の部分がレンズとして機能しない。それに対して本発明では、内接円より大きな範囲をレンズ面として機能させることができ、最大でスクエアレンズの光の入射側の面(レンズ被成形面)と反射側の面(レンズ被成形面)の略全面をレンズ面として機能させることができる。すなわち、スクエアレンズの外形となる四角形の外接円となるレンズを四角に切り落とした形状として、レンズ面の面積を極大とすることができ、この時のレンズ外形の四角の対角線の長さまで、レンズ有効径を延ばすことができる。これにより、ガラス成形レンズのレンズ被成形面の略全面をレンズとして有効に機能するレンズ面とすることができるので、実質的な有効径が、従来のスクエアレンズより大きくなる。
これにより、ガラス成形レンズのダウンサイジングを図る際に、スクエアレンズの四辺の長さを短くすることで、レンズ有効径が小さく成り過ぎてレンズとしての機能が使用目的に対して十分でなくなるのを防止できる。言い換えれば、従来品と比較して、必要な有効径を維持しつつスクエアレンズ外形形状を小さくでき、光通信等の基板に実装されるレンズとしての性能を確保しつつダウンサイジングが可能となる。
本発明の前記構成において、少なくとも1つの前記レンズ被成形面は凸面となっているとともに、当該レンズ被成形面の四隅部分に形成される前記平面部は、当該レンズ被成形面の当該四隅部分の内側に隣接する部分と比較して前記光軸に直交する平面となす角度が小さくなった緩傾斜部を有することが好ましい。
このような構成によれば、ガラス成形レンズを製造する際に、例えば、金型でレンズ被成形面を成形する場合に、レンズ被成形面を凸面とすると、金型のレンズ被成形面を成形するレンズ成形面は凹面となり、レンズ被成形面がガラス成形レンズの外周被成形面に囲まれる部分の略全面となる場合に、金型のレンズ成形面の四隅には、断面略三角形状で先端が尖った状態のシャープエッジが形成されることになる。シャープエッジがあると、金型のひび割れ等の破損の要因になるとともにレンズ成形時にチッピングによる欠けが金型に生じる虞がある。
そのため、金型の四隅部分でシャープエッジがない形状とすると、ガラス成形レンズのレンズ被成形面の四隅に光軸に直交する平面に対する傾斜角が小さくなった緩傾斜部が形成されることになる。なお、緩傾斜部は、例えば、光軸に直交する平面状であってもよいし、平面ではなく曲面であってもよいし、光軸に直交する角度より少し小さな角度であってもよいが、上述のように金型のレンズ成形面のシャープエッジを無くした形状に対応して形成されるものである。
また、本発明の前記構成において、前記緩傾斜部は前記光軸と直交する平面であることが好ましい。このような構成によれば、上述のようにガラス成形レンズのレンズ被成形面を成形する金型のシャープエッジを無くした状態にでき、シャープエッジによる問題を解消できる。
また、本発明の前記構成において、少なくとも1つの前記レンズ被成形面が凸面とされ、前記外周被成形面を構成する4つの外面のうちの少なくとも一つの外面は、前記レンズ被成形面と接合される縁部の少なくとも中央部分が凸となる弧状に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、ガラスを成形した際に金型同士のクリアランスからガラスが薄くはみ出して、ガラス成形レンズにばり状の構造ができたり、このバリ状の構造部分からガラス成形レンズにひび等が発生するのを防止できる。
すなわち、スリーブ内の上型および下型の外周面の断面形状は、スリーブの内周面の断面形状と略同じとなるが、これら内周面と外周面との間には、上型、下型、スリーブを相対的に移動可能なクリアランスを必要とする。これにより、プリフォームをスリーブ内で上型と下型で加圧した際に、クリアランスにガラスが押し出されてバリ状の構造が生じる虞がある。特に、上形、下型の外側面(外周面)のプリフォームが挟まれる側の辺が直線状であると、加圧されるプリフォームがスリーブ内面に当たって、楕円状に拡がる場合に楕円の中央部分がクリアランス側にはみ出し易くなる。
ここで、球状のプリフォームをスリーブ内で上型と下型で加圧した場合に、プリフォームの容量とガラス成形レンズの容量を考慮した場合に、プリフォームは、スリーブにぎりぎり入る程度の大きさとなる。すなわち、プリフォームは、スリーブの四角形状の断面の内接円の径に近い径を有するものとなる。
したがって、プリフォームを上型と下型で加圧して上下から潰すような状態となると、プリフォームのスリーブの内面にそれぞれ近接する部分で、プリフォームが接触するとともに、接触部分が楕円状となる。ここで、上述のように成形されるガラス成形レンズの外周被成形面となる外面は、外側に凸となる弧状の辺を有するものであり、それに対応して、上型および下型の少なくとも一方の金型のスリーブ内側面に接する外側面のレンズを成形する側の辺が弧状に凹んだ状態となり、上述のようにスリーブ内側面で拡がるプリフォームがはみ出ずに収まるような形状となり、スリーブと上型および下型との間にガラスが入り込み難くなる。
また、本発明の前記構成において、前記縁部の少なくとも中央部分が凸となる弧状に形成されている前記外面には、凸となる弧状に形成された中央部分に連続して直線部分が形成されていることが好ましい。このような構成によれば、上述の緩傾斜部に対応する構造が外面にあることになり、上述の緩傾斜部を設けたことによる作用効果が得られる。
また、本発明の前記構成において、前記レンズ被成形面の四隅部分に、光軸を中心とする円弧形状が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、光軸をシフトさせてガラス成形レンズを製造しても光軸位置を円弧の中心から検出することができる。なお、光軸が四角柱状の外周被成形面の中心軸と一致する場合に、例えば、基板にガラス成形レンズを実装する際に、外周被成形面の4つの外面のいずれを当接しても基板面から光軸までの距離が同じになるが、外周被成形面の中心軸に対して光軸をシフトさせてガラス成形レンズを成形すると、外周被成形面のいずれの面を基板面に当接させるかによって、光軸の基板面からの距離(高さ)が異なる。この際に、上述のようにレンズ被成形面の四隅部分の円弧の中心を求めることで、外周被成形面の各外面から光軸までの距離が分かるので、ガラス成形レンズを光軸位置が正しくなるように基板に設置することができる。なお、円弧は、例えば、上述の対角線方向のレンズ有効径を対角線より少し短くしてレンズ有効面の円弧状の外縁部をレンズ被成形面の四隅部分に設けることや、シャープエッジを面取りして緩傾斜部を形成した際に緩傾斜部とレンズ面との境の円弧面を利用することができる。
また、本発明の前記構成において、前記レンズ被成形面の外周縁部には、前記レンズ被成形面の当該外周縁部より内側の部分の前記光軸に直交する平面に対する傾斜角度より前記平面に対する前記傾斜角度が小さくされた被面取り部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば金型のレンズ成形面の周縁部がエッジ状となる場合に面取りした形状に対応する形状がガラス成形レンズに設けられたことになり、金型のエッジが面取りされることで、金型の耐久性を向上させて、コストの低減を図ることができる。
本発明のレンズ成形装置は、前記ガラス成形レンズを成形するレンズ成形装置であって、
前記外周被成形面を成形するために内部に略四角柱状に貫通した内部空間を備える第1金型と、当該第1金型の前記内部空間に互いに反対方向から挿入され、前記第1金型の前記内部空間と略同様となる略四角柱状の第2金型および第3金型とを備え、
前記第2金型および前記第3金型の先端には、前記レンズ被成形面を成形するためのレンズ成形面が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、スクエアレンズのレンズ径を小さくしてもレンズの有効径を大きく取ることができ、小型化によるガラス成形レンズのレンズ特性に問題が生じるのを抑制することができる。すなわち、基板に実装されて基板上のレーザダイオードから照射される光を集光するレンズの性能を確保しつつダウンサイジングを図ることができる。
本発明の前記構成のレンズ成形装置において、少なくとも1つの前記レンズ成形面は凹面となっているとともに、当該レンズ成形面の四隅部分に、当該レンズ成形面の当該四隅部分の内側に隣接する部分と比較して前記レンズ成形面の中心軸に直交する平面となす角度が小さくなった非エッジ部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、ガラス成形レンズのレンズ被成形面の略全面に有効な凸面としてのレンズ面を成形する第2金型および第3金型のレンズ成形面の四隅のシャープエッジを除去すること、または、シャープエッジを設けないことにより、金型のレンズ成形面の四隅部分でチッピングによる欠けや、ひび割れ等の破損が生じるのを抑制できる。
また、本発明の前記構成のレンズ成形装置において、前記非エッジ部は前記中心軸と直交する平面であることが好ましい。このよう構成によれば、上述のようにシャープエッジがないレンズ成形面となるとともに、構造が複雑になるのを抑制し、コスト上昇を抑制することができる。
また、本発明の前記構成のレンズ成形装置において、前記レンズ成形面の四隅部分には、前記レンズ成形面の所定位置を中心とする円弧形状が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、例えば、レンズ成形面の所定位置として、成形されるガラス成形レンズの光軸に対応する位置を外周被成形面の中心軸に対してシフトさせた場合であっても、第2金型および第3金型のレンズ成形面の光軸に対応する位置を円弧の中心によって求めることができ、レンズ成形装置において、例えば、第1金型、第2金型、第2金型を組み合わせる際に、第2金型と第3金型とで光軸に対応する位置を合わせることができる。
本発明のレンズ製造方法は、上述のレンズ成形装置を用いたレンズ製造方法であって、
前記第1金型の前記内部空間内で前記第2金型の前記レンズ成形面と前記第3金型の前記レンズ成形面との間に光学素子用硝材からなるとともに加熱軟化した球状のプリフォームを配置し、
前記第1金型内で前記第2金型と前記第3金型とを相対的に近づけることにより前記プリフォームを加圧して前記ガラス成形レンズとすることを特徴とする。
このようなレンズ製造方法によれば、上述のレンズ成形装置に球状のプリフォームを供給してガラス成形レンズを成形するので、上述のガラス成形レンズやレンズ成形装置と同様の作用効果を奏することができる。さらに、レンズ成形面を凹面とすると、第2金型と第3金型とによりプリフォームを加圧する際に、プリフォームがレンズ成形面の最も凹んだ中心部分に移動し、プリフォームをレンズ成形面の所定位置に位置合わせした状態で、プリフォームを加圧して成形するので、多くのガラス成形レンズを成形する際に、プリフォームが同様の軟化ガラスの変形に基づいてガラス成形レンズとされることになり、各ガラス成形レンズにおいて、レンズ特性が安定し、品質の向上と歩留まりの向上を図ることができる。
本発明によれば、基板に表面実装されるガラス成形レンズの性能を維持しつつダウンサイジングとコストダウンを図ることができる。
本発明の第1の実施の形態のガラス成形レンズを示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は側面図である。 同、ガラス成形レンズを成形するためのレンズ成形装置の第2金型(第3金型)を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は側面図である。 同、レンズ成形装置の金型の概略を示す切断部端面図である。 同、レンズ成形装置の金型の概略を示す切断部端面図である。 本発明の第2の実施の形態のガラス成形レンズを示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は側面図である。 同、ガラス成形レンズを成形するためのレンズ成形装置の第2金型(第3金型)を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1(a)〜(c)に示す本実施の形態のガラス成形レンズ1は、光学素子用硝材からなり、かつ、真球加工により球状になったプリフォームを加熱軟化させた状態で加圧して成形したものである。なお、ガラス成形レンズの製造に用いられる金型等においては、エッジ部分における欠けやひび割れ等の損傷を防止するために、面取りとして、エッジとなる部分に曲率半径Rの曲面や平面を設けてエッジを無くすことになるが、第1の実施の形態では、金型の面取りや、それに基づくガラス成形レンズの形状についての図示や記載を省略して説明し、後述の第2の実施の形態で金型の面取りおよびそれに基づくガラス成形レンズの形状を説明する。ここで、図1(a)は、ガラス成形レンズ1の正面図であり、光が出射する側のレンズ被成形面5(光が入射する側のレンズ被成形面4)を示している。図1(b)は、ガラス成形レンズ1の光軸に沿った光軸部分の断面図である。図1(c)は、ガラス成形レンズ1の側面図であり、実線で端面を示し、破線で端面以外の部分を示している。
このガラス成形レンズ1は、その光軸方向に沿う外周面が四角筒状に成形された外周被成形面2となっている。また、四角筒状の外周被成形面2の4つの角部は、例えば、成形時にプリフォームが完全に金型の角部に行き渡らずに、丸みを帯びた形状となっている。また、外周被成形面の光軸に直交する断面は、角部の丸みを無視すると、正方形状となっているが、正方形状でなく四辺のうちの2辺ずつの長さが異なる長方形状であってもよい。
また、外周被成形面2は、4つの外面3から四角筒状に形成され、各外面3は、図1(c)に示すように、それぞれ光軸方向に沿う平行な直線状の2辺と、光軸方向と交差する略弧状の曲線からなる2辺とで囲まれた形状であり、略弧状の2辺は、それぞれ外側に向かって凸となる曲線である。各外面3は、光軸に沿う2本の直線と、光軸と交差する2本の略弧状の曲線とから略四角形状であるが、2本の直線が2本の弧状の曲線に対して短く、各外面3は、2本の弧状の曲線により、楕円に近い形状となっている。この実施の形態では、外面3の弧状の2辺の左右端部は、レンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の対角線に沿ったレンズ有効径(R)の外側の平面部6により、光軸に直交する直線状となるが、上述のように角部でプリフォームが充填しきれない部分で曲線状となっている。なお、レンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の対角線上におけるレンズ有効径(R)は、レンズ被成形面5(レンズ被成形面4)を正方形と見なした場合の一辺の長さ(D)より長く、最大で対角線の長さとなる。なお、レンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の対角線上のレンズ有効径(R)を対角線と同じにした場合に、レンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の全面に曲面が形成されて、角部に平面部6がなくなることになる。しかし、実際には、角部までレンズの曲面とした場合に、金型側に摩耗や欠けが生じやすいシャープエッジが生じるので、このシャープエッジを無くした形状とすることにより、レンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の角部に平面部6が形成されることになる。なお、平面部6は、例えば、光軸に直交する平面であるが、緩やかな曲面であってもよいし、光軸に対して90度から少しずれた角度であってもよく、基本的にシャープではない光軸に直交する平面または光軸に直交する平面に対して緩やかに傾斜した緩傾斜部となる。なお、緩傾斜部は、光軸に直交する平面も含むとともに、緩やかな曲面も含むものである。なお、ここで、レンズ有効径とは所望のレンズ機能を発揮できる面(レンズ面)の大きさを径で表したものである。
また、ガラス成形レンズ1の外周被成形面2の両端部には、四角筒状の外周被成形面2の両端開口を閉塞するように光が入射する側のレンズ被成形面4と、光が出射する側のレンズ被成形面5が設けられている。
これらレンズ被成形面4、5は、レンズ面を有するものであり、入射面と出射面となるものであり、本実施の形態において、レンズ被成形面4、5は、凸面となっている。なお、レンズ被成形面4とレンズ被成形面5は、略同様の形状の面であっても、異なる形状の面であってもよい。また、ガラス成形レンズ1は、球状のプリフォームから成形されるが、レンズ被成形面4、5は、非球面レンズとなっている。
図1に示すように、各レンズ被成形面4、5は、凸面状のレンズ面を有するが、ガラス成形レンズ1の断面の対角方向に沿ったレンズ有効径(R)が、前記断面の各辺のうちの最も短い辺(D)より長くなっている。なお、対角線における有効径の長さは、対角線の長さと略同様となっていてもよい。したがって、レンズ被成形面4、5では、四角形の外形内に内接する円状のレンズ面が形成されているのではなく、例えば、四角形状の外形に外接する外接円と同径のレンズをガラス成形レンズ1の外形の四角で切り抜いた形状のレンズとなっていてもよい。なお、図1のレンズ被成形面5(レンズ被成形面4)においては、対角線上のレンズ有効径がレンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の一辺より長く、対角線より短くなっている。
すなわち、外形が四角状の各レンズ被成形面4、5は、対角線上のレンズ有効径を略対角線の長さとすれはレンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の略全面が有効なレンズ面となっており、従来のスクエアレンズに比較して略同サイズならば実質的なレンズの有効径が大きくなっている。但し、レンズ被成形面4、5には、四隅の角部分(角部分)に略三角形状の平面部6が設けられている。このため、レンズ被成形面4、5の全面より少しだけ面積が少ない部分が有効なレンズ面となっている。この実施の形態において、平面部6は、光軸に直交する平面となっている。この平面部6としての平面は、レンズ被成形面4、5におけるレンズ有効径が略正方形状のレンズ被成形面4、5の対角線より短くかつ略正方形上の1辺の長さより長くなるように金型面を構成して、レンズ被成形面4,5の四隅部分(角部分)をレンズ有効径の外側の平面としたものである。または、金型面において、レンズ有効径がレンズ被成形面4、5の対角線と有効径を略同じとなるようにした後、金型の四隅のシャープエッジを取り除いたことに対応する形状である。
また、この平面部6の内側の辺、すなわち、平面部6とその内側に隣接するレンズとして機能するレンズ面としての曲面との境界部分が円弧7となっている。四隅部分の4つの円弧7の曲率半径の中心位置は、一点に重なるようになっているとともに、光軸の位置と一致するようになっており、この点を一致点8とする。この円弧7は、上述の平面部6が上述のようにレンズ有効径の外側の場合に、角部分におけるレンズ有効径を示すものであり、1つの円の一部となっている。したがって、これらの円弧7は、その曲率半径の中心位置が一致し、この一致点8がガラス成形レンズ1の光軸位置となっている。したがって、円弧7の曲率半径の中心を求めれば光軸位置が分かることになる。したがって、光軸位置をガラス成形レンズ1の中心位置からずらして設計する場合であっても、円弧7から光軸位置を特定することができる。
図1(b)に示すように、ガラス成形レンズ1の光軸部分の光軸に沿った断面においては、基本的にレンズ被成形面4、5の部分が弧状の曲面となっており、凸レンズとしての断面を有するが、ガラス成形レンズ1の対角線上の有効径は、図1(b)に示す断面における有効径としての断面の左右幅より広いものとなっている。図1(a)、(c)に示すように、ガラス成形レンズ1の周囲の四つの外面3は、基本的に凸レンズの外周側の部分を、光軸方向に沿うとともに半径方向に直交する面で切断した形状となるが、ガラス成形レンズ1においては、四隅部分に上述の平面部6が設けられるとともに、上述のようにガラス成形レンズの四隅部分が、この部分にプリフォームが行き渡らずに丸みを帯びた形状となっていることから、弧状の辺の両端部に弧状ではなく直線状の部分とさらにその端側の丸みを帯びた部分とを備える形状となっている。
このようなガラス成形レンズ1においては、ダウンサイジングを図って、外周被成形面2の断面の各辺の長さ短くしても、実質的なガラス成形レンズ1の有効径が小さく成り過ぎるのを抑制することが可能であり、例えば、1辺が3mm程度またはそれ以下(例えば1mm)のスクエアレンズをガラス成形レンズ1として製造した場合も、十分な有効径を確保した状態でレンズとして用いることが可能であり、1辺が1mm程度であってもレンズとして十分に機能させることができる。
次にこのガラス成形レンズ1を成形するためのレンズ成形装置について図2(a)〜(c)と図3、4を参照して説明する。レンズ成形装置は、加熱軟化したプリフォームを加圧して成形するものであり、図3および図4に示すように、第1金型11、第2金型12、第3金型13を備える。第1金型11は、角形スリーブであり、内部を貫通する四角柱状の内部空間21を備えている。なお、内部空間21の断面は、正方形状である。この四角柱状の内部空間21の内面となる内周成形面によりガラス成形レンズ1の外周被成形面2が四角筒状に成形されることになる。
第2金型12は、上側に配置される上金型であり、かつ、上下に移動する可動金型である。第2金型12は、その下端部分が第1金型11の内部空間21に挿入される第1挿入部22となっており、第1挿入部22の断面形状は、内部空間21の断面形状と略同形状となっているが、クリアランス分だけ第1挿入部22の外形が小さくなっている。第1挿入部22の先端面(下端面)がレンズ成形面14となっている。
第3金型13は、第2金型12の下側に配置される下金型であり、かつ、上下に移動しない固定金型である。第3金型13は、その上端部分が第1金型11の内部空間21に挿入される第2挿入部23となっており、第2挿入部23の断面形状は、内部空間21の断面形状と略同形状となっているが、クリアランス分だけ第2挿入部23の外形が小さくなっている。第2挿入部23の先端面(上端面)がレンズ成形面15となっている。
図2(a)〜(c)は、第2金型12の第1挿入部22(第3金型の第2挿入部23)を示すものであり、図2(a)が正面図であり、図2(b)が中心軸に沿った断面図である。図2(c)が側面図である。断面では、その全幅に渡って凹面の断面となる曲線となっているが、側面図では、左右両端部に後述の平面部(非エッジ部)16に対応する直線部分があり、それらの間が凹面に対応する曲線となっている。
レンズ成形面14、15は、ガラス成形レンズ1のレンズ被成形面4、5に対応する面形状を有するものであり、凹面となっている。レンズ成形面14、15は、第1挿入部22または第2挿入部23の断面形状としての四角形内にレンズ面に対応した凹面が設けられたものである。ここで、金型12、13のレンズ成形面14、15は、ガラス成形レンズ1のレンズ被成形面4、5に対応してレンズの有効径内の部分を成形する面が凹面とされ、レンズ成形面14、15の対角方向に沿って四角形状のレンズ成形面14、15の一辺より長いレンズ有効径が設定されているが、レンズ有効径がレンズ成形面14、15の対角線の長さより短い場合に、第2金型12および第3金型13のレンズ成形面14、15の四隅となる角部分に平面部(非エッジ部)16が形成される。
なお、レンズ有効径をレンズ成形面14、15の対角線の長さとした場合に、レンズ成形面14、15全体が凹面となるが、凹面の四隅部分にシャープエッジができてしまうので、例えば、第1〜第3金型11〜13内で成形されているガラス成形レンズ1の光軸に直交する平面でシャープエッジを取り除いた形状とすると、上述の場合と略同様にレンズ成形面14、15の四隅の角部分に例えば前記光軸に直交する平面を備える平面部16となる。平面部16は、前記光軸に直交する平面に限られるものではなく、曲面であってもよいし、前記光軸に直交する状態から少しずれていてもよい。但し、レンズ成形面14、15において、平面部16の光軸に直交する平面に対する傾斜角は、平面部16の内側に隣接する部分の光軸に直交する平面に対する傾斜角より小さい必要がある。なお、前記光軸は、この実施の形態において、第2金型12の第1挿入部22(第3金型の第2挿入部23)の中心軸に対応している。この中心軸は、レンズ成形面14,15の中心軸と同一であるとともに、第1金型11の内部空間21に第1挿入部22および第2挿入部23を挿入した場合に、これらの中心軸が略一致した状態となる。
また、第2金型12および第3金型13のレンズ成形面14、15は、その四隅部分に平面部16を設けることにより、光軸に略直交する平面である平面部16の内側に隣接する部分との境界となる円弧17が形成されている。レンズ成形面14、15の四隅部分の平面部16の各円弧17の曲率半径に基づく中心は、レンズ成形面14.15の中央の一致点18で一致するようになっている。
この一致点18は、この実施の形態においてガラス成形レンズ1の光軸に対応する部分である。なお、この一致点18が、第2金型12の第1挿入部22の中心軸と一致し、第3金型13の第2挿入部23の中心軸と一致する。また、各円弧17の中心位置となる一致点18は、成形されるガラス成形レンズ1の光軸位置に対応する位置となる。なお、第1挿入部22および第2挿入部23の中心軸に対して、ガラス成形レンズ1の光軸となる位置を成形する部分をずらした場合に、円弧17から光軸を成形する位置を求めることができる。
このような第1金型11、第2金型12、第3金型13を組んで成形装置を組み立てる場合に、上述の一致点18を基準にして第1金型11〜第3金型13、特に第2金型12および第3金型13の位置を決めることで、レンズ成形装置を正確に組み立てることができ、最終的に光軸が所望する位置に配置されたガラス成形レンズ1を得ることができる。
図3、図4を参照して上述のレンズ成形装置を用いたレンズ製造方法を説明する。
図3に示すように、上型である第2金型12が上方に移動し、角形スリーブとしての第1金型11の内部空間21の上側開口が開放された状態となっている。第1金型11の内部空間21の下側の開口からは下型である第3金型13の第2挿入部23が挿入されている。これにより、第1金型11の内部空間21の下側開口が、第3金型13の第2挿入部23により閉塞された状態となっている。
次に、開放された状態の第1金型11の上部開口から内部空間21内の第3金型13のレンズ成形面15上に球状のプリフォーム71を挿入して載置した状態とする。なお、第1金型11、第2金型12、第3金型13およびプリフォーム71は、加熱した状態となっており、プリフォーム71が成形可能な状態となっている。
また、プリフォーム71の外径は、内部空間21の内径(辺の長さ)より僅かに短いものとなっており、内部空間内にぎりぎり入る大きさとなっている。
次に、上型である第2金型12を下側に移動し、プリフォーム71を第2金型12と第3金型13との間に挟み込んで加圧して成形する。
この際に内部空間21内でプリフォーム71が上下から相対的に加圧された状態となり、上下から押し潰されるように成形される。
この際に第2金型12のレンズ成形面14および第3金型13のレンズ成形面15の形状がプリフォーム71のレンズ被成形面4、5となる部分に転写されることになる。この際に、プリフォーム71は、光軸に直交して外方に向かう方向に膨らむように潰されるが、直ぐに第1金型11の内部空間21の4つの内面に当たって光軸に直交する方向に長い楕円となり、この楕円が拡がるように成形される。
ここで、第1金型11の内部空間21の内面には、第2金型12の第1挿入部22の外周面に接することがなく、さらに、第3金型13の第2挿入部23の外周面と接することない部分が上述のように楕円に近い形状となっており、この部分がガラス成形レンズ1の外周被成形面2を構成することになる。この部分で、上述のように加圧されたプリフォーム71が楕円の形状で拡がることになるが、上述のようにこの部分では、内部空間21の内面と、第1挿入部22および第2挿入部の外面が接した状態となっていないので、これらの間にプリフォームが入り込んで、ばり状の構造が形成されるのを抑制し、ガラス成形レンズ1の成形が終わるまで、プリフォーム71が、内部空間21の内面と、第1挿入部22および第2挿入部23の外面とが接した部分に入り込むのを抑制し、上述のばり状の構造が生じるのを抑制できる。言い換えれば、ばり状の構造が発生するぎりぎりまで、プリフォーム71が加圧されて金型で形成される空間内に充填された状態となるので、真空成形を行う必要がない。
また、このようなレンズ成形装置を用いたレンズ成形方法によれば、上述のようにスクエアレンズであるガラス成形レンズ1の有効なレンズ面の面積を確保しつつさらなるダウンサイジングを図ることが可能なガラス成形レンズを製造することができる。また、第2金型12および第3金型13の凹状のレンズ成形面14、15の四隅部分のシャープエッジを除去した形状となる平面部16を設けたので、チッピング等による第2金型12および第3金型13の破損を抑制することができる。
本実施の形態のガラス成形レンズ1は、光通信デバイス、光導波路、ヘッドアップディスプレイ等に用いることが可能であり、特に基板に表面実装されるレンズとして好適に用いることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態のガラス成形レンズ31、レンズ成形装置およびレンズ製造方法は、第1の実施の形態のガラス成形レンズ1、レンズ成形装置およびレンズ製造方法と略同様であるが、レンズ成形装置の第2金型42のレンズ成形面44、第3金型43のレンズ成形面45の外周を囲む4つの辺に面取り部49を設けたことが第1の実施の形態と異なるものとなっており、これによりガラス成形レンズ31の形状が第1の実施の形態と異なる。それ以外の構成は、第1の実施の形態と第2の実施の形態とで略同様となっている。
この実施の形態のガラス成形レンズ31を説明する前に、図6に示す第2金型42(第3金型43)について説明する。第2金型42(第3金型43)は、第1の実施の形態と同様に、第1金型11の内部空間21に挿入される第1挿入部52(第2挿入部53)を備え、その先端面がレンズ成形面44(レンズ成形面45)となっている。レンズ成形面44(レンズ成形面45)は、凸レンズのレンズ面に対応する凹面であるが、第1の実施の形態と同様に略四角形状の凹面の4隅部分に、平面部46が形成されている。平面部46は、上述のようにレンズの有効径がレンズ成形面44(レンズ成形面45)の対角線の長さより短い場合に、レンズ有効径の外側の面であり、レンズ有効径が上述の対角線と同じ場合にシャープエッジとなる部分を取り除いた部分である。なお、第2金型42および第3金型43の製造においては、対角線の長さをレンズ有効径として、レンズ成形面44、45の全体を凹面とした後に例えば面取り加工の一部として、四隅のシャープエッジを取り除いて平面部46を形成するものとしても良いし、設計段階でレンズ成形面44、45の四隅部分にシャープエッジができないように、レンズ有効径を対角線より短くして最初から平面部46を形成するように製造してもよい。
また、第1の実施の形態と同様に平面部46と凹面との境界部分には、円弧47が設けられており、四隅それぞれの円弧47の曲率半径の中心が一致し、この一致点48が、ガラス成形レンズ31の光軸に対応する位置である。この実施の形態では、レンズ成形面44(レンズ成形面45)を囲む4つの辺の平面部46の間となる部分に面取り部49が設けられている。面取り部49は、レンズ成形面44(レンズ成形面45)の4つの辺において、当該辺までレンズ面に対応する凹面となっていることにより、エッジが生じる部分であり、面取りによりエッジをなくし、第2金型42(第3金型43)におけるエッジ部分の欠けやひび割れ等を防止するものである。レンズ成形面44(レンズ成形面45)において、平面部46は、第1の実施の形態で略三角形であったが、第2の実施の形態では、四隅に繋がる辺の部分に帯状の面取り部49が設けられることで、略5角形状となっている。また、平面部46同士の間の各辺は、曲線状(弧状)のエッジであり、面取りした状態で、各辺の面取り部49は弧状に曲がる帯状の曲面となる。すなわち、レンズ成形面44(レンズ成形面45)の外縁の各辺は、幅が細く、長さ方向に弧状に湾曲した帯状の曲面となっている。第2金型42(第3金型43)のエッジとなる部分が取り除かれて緩やかな面となっているので、エッジで生じ易い破損を抑制することができる。
このような第2金型42および第3金型43を用いて第1の実施の形態と同様の方法で、ガラス成形レンズ31が成形されることになる。図5に示すように、第2の実施の形態のガラス成形レンズ31は、上述の金型42,43の面取り部49に対応する形状となっている。面取り部49に対応する部分以外は、第1の実施の形態と同様の構造となっている。このガラス成形レンズ31は、第1の実施の形態と同様に外周部分に、4つの外面33からなる四角筒状の外周被成形面32を有している。この外周被成形面32の両端部にそれぞれレンズの入射面または出射面であるレンズ被成形面34、35が設けられている。また、レンズ被成形面34,35の四隅部分には、上述の金型の平面部46に対応する平面部36が設けられているとともに、平面部36とレンズ面との境界が円弧37となっている。四隅部分それぞれの円弧37の曲率半径の中心位置は、一致し、一致点38が光軸と重なっている。
このガラス成形レンズ31には、上述の第2金型42および第3金型43の面取り部49に対応する被面取り部39が設けられている。被面取り部39は、第2金型42および第3金型43において、外縁に沿って尖った状態のエッジ部分を除去したことにより、ガラス成形レンズ31の凸面の外周縁部で、光軸に直交する平面に対する角度が小さなものとなるが、元々のエッジとなる部分が弧状の曲線なので、平面とはならず、被面取り部39は、上述の面取り部49と同様に弧状に曲がる帯状の曲面となっている。なお、被面取り部39では、それより内側近傍のレンズ面より、光軸に直交する平面に対する傾斜角度が緩やかになっている。
第2の実施の形態によれば、第2金型42および第3金型43の耐久性を向上して、製造コストの低減を図ることができる。
なお、上述の各実施の形態では、基本的にガラス成形レンズ1、31の中心(光軸が通るレンズ内の点)と、ガラス成形レンズの外形となる四角形の中心(2つの対角線の交点)とが一致する(重なる)ものとしているが、これらの位置を一致させずに異なるものとしてもよい。すなわち、2本の対角線の交点に対して光軸の位置をずらしてもよい。
1、31 ガラス成形レンズ
2、32 外周被成形面
3、33 外面
4、34 レンズ被成形面
5、35 レンズ被成形面
6、36 平面部
7、37 円弧
8、18、38、48 一致点
11 第1金型
12、42 第2金型
13、43 第3金型
14、44 レンズ成形面
15、45 レンズ成形面
16、46 平面部(非エッジ部)
17、47 円弧
21 内部空間
22、52 第1挿入部
23、53 第2挿入部
71 プリフォーム

Claims (12)

  1. 光軸方向に沿う4面を備える四角筒状の外周被成形面と、この外周被成形面の両端部にそれぞれ設けられたレンズ被成形面とを備え、
    前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
    2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
    2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面に形成されたレンズ面の前記レンズ被成形面の対角方向に沿ったレンズ有効径が、前記外周被成形面の前記光軸方向に直交する断面を四角形と見なした場合にその四辺のうちの最も短い辺の長さより長くなっており、
    前記レンズ被成形面の四隅部分にそれぞれ対応して光軸と直交する平面部が個別に形成されていることを特徴とするガラス成形レンズ。
  2. 少なくとも1つの前記レンズ被成形面は凸面となっているとともに、当該レンズ被成形面の四隅部分に形成される前記平面部は、当該レンズ被成形面の当該四隅部分の内側に隣接する部分と比較して前記光軸に直交する平面となす角度が小さくなった緩傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載のガラス成形レンズ。
  3. 前記緩傾斜部は前記光軸直交する平面に対して傾斜した曲面を含むことを特徴とする請求項2に記載のガラス成形レンズ。
  4. 少なくとも1つの前記レンズ被成形面が凸面とされ、前記外周被成形面を構成する4つの外面のうちの少なくとも一つの外面は、前記レンズ被成形面と接合される縁部の少なくとも中央部分が凸となる弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス成形レンズ。
  5. 前記縁部の少なくとも中央部分が凸となる弧状に形成されている前記外面には、凸となる弧状に形成された中央部分に連続して直線部分が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガラス成形レンズ。
  6. 前記レンズ被成形面の四隅部分に、光軸を中心とする円弧形状が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス成形レンズ。
  7. 前記レンズ被成形面の外周縁部には、前記レンズ被成形面の当該外周縁部より内側の部分の前記光軸に直交する平面に対する傾斜角度より前記平面に対する前記傾斜角度が小さくされた被面取り部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のガラス成形レンズ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の前記ガラス成形レンズを成形するレンズ成形装置であって、
    前記外周被成形面を成形するために内部に略四角柱状に貫通した内部空間を備える第1金型と、当該第1金型の前記内部空間に互いに反対方向から挿入され、前記第1金型の前記内部空間と略同様となる略四角柱状の第2金型および第3金型とを備え、
    前記第2金型および前記第3金型の先端には、前記レンズ被成形面を成形するためのレンズ成形面が設けられていることを特徴とするレンズ成形装置。
  9. 少なくとも1つの前記レンズ成形面は凹面となっているとともに、当該レンズ成形面の四隅部分に、当該レンズ成形面の当該四隅部分の内側に隣接する部分と比較して前記レンズ成形面の中心軸に直交する平面となす角度が小さくなった非エッジ部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のレンズ成形装置。
  10. 前記非エッジ部は前記中心軸と直交する平面であることを特徴とする請求項9に記載のレンズ成形装置。
  11. 前記レンズ成形面の四隅部分には、前記レンズ成形面の所定位置を中心とする円弧形状が設けられていることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のレンズ成形装置。
  12. 請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のレンズ成形装置を用いたレンズ製造方法であって、
    前記第1金型の前記内部空間内で前記第2金型の前記レンズ成形面と前記第3金型の前記レンズ成形面との間に光学素子用硝材からなるとともに加熱軟化した球状のプリフォームを配置し、
    前記第1金型内で前記第2金型と前記第3金型とを相対的に近づけることにより前記プリフォームを加圧して前記ガラス成形レンズとすることを特徴とするレンズ製造方法。
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