JP6956911B1 - 帯電防止剤 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上記の高分子型帯電防止剤を練り込む方法においても、帯電防止性について十分に満足できるとは言えなかった。
(1)優れた帯電防止性を付与する。
(2)成形品に優れた機械的強度(機械物性)を付与する。
(3)成形時の連続成形性(脱型性)に優れる。
本発明における疎水性ポリマー(a)としては、例えば、ポリアミド(a1)、ポリオレフィン(a2)、ポリエステル(a3)が挙げられる。
上記疎水性ポリマー(a)のうち、帯電防止性の観点から、好ましいのはポリアミド(a1)、ポリオレフィン(a2)、ポリエステル(a3)、さらに好ましいのはポリアミド(a1)、ポリオレフィン(a2)、とくに好ましいのはポリオレフィン(a2)である。
本発明における疎水性ポリマー(a)は、好ましくは1×1011Ω・cmを超える体積固有抵抗値を有するポリマーである。
なお、本発明における体積固有抵抗値は、ASTM D257(1984年)に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定して得られた数値のことである。
上記(a)は、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリアミド(a1)は、アミド形成性モノマー(a10)を開環重合又は重縮合したものが挙げられる。
アミド形成性モノマー(a10)としては、ラクタム(a101)、アミノカルボン酸(a102)が挙げられる。また、ジアミン(a103)とジカルボン酸(a104)の組み合わせをアミド形成性モノマー(a10)としてもよい。
具体的には、ポリアミド(a1)としては、ラクタム(a101)、アミノカルボン酸(a102)を開環重合又は重縮合したもの、及びジアミン(a103)とジカルボン酸(a104)との重縮合物等が挙げられる。
ラクタム(a101)の開環重合体としては、例えばナイロン4、ナイロン5、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン11及びナイロン12が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしてはC2〜40の脂肪族ジアミン(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン及び1,20−エイコサンジアミン等)等が挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、C5〜40の脂環式ジアミン(例えば1,3−又は1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン及び2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン等)等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、C6〜40の芳香族ジアミン(例えばp−フェニレンジアミン、2,4−又は2,6−トルイレンジアミン及び2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパン等)等が挙げられる。
芳香脂肪族ジアミンとしては、C7〜20の芳香脂肪族ジアミン(例えばキシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼン及びビス(アミノブチル)ベンゼン等)等が挙げられる。
芳香環含有ジカルボン酸としてはC8〜40(帯電防止性の観点から好ましくはC8〜16、さらに好ましくはC8〜14)の芳香環含有ジカルボン酸(例えばオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸アルカリ金属(上記に同じ)塩等)等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、C5〜40(帯電防止性の観点から好ましくはC6〜18、さらに好ましくはC8〜14)の脂環式ジカルボン酸(例えばシクロプロパンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸及びショウノウ酸等)等が挙げられる。
・装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
・カラム(一例):「TSKgelGMHXL」[東ソー(株)製](2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」[東ソー(株)製](1本)
・試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
・溶液注入量:100μl
・流量:1ml/分
・測定温度:135℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
本発明におけるポリオレフィン(a2)は、好ましくは反応性基を有するポリオレフィンである。ポリオレフィン(a2)としては、例えば、反応性基を両末端に有するポリオレフィン(a21)及び反応性基を片末端に有するポリオレフィン(a22)が挙げられる。
なお、反応性基とは、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基及びイソシアネート基を指す。
(a21)としては、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21−1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21−2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21−3)及びイソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21−4)等が挙げられる。これらの内で、変性の容易さ及び成形時の耐熱性の観点から好ましいのは(a21−1)である。
尚、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の繰り返し構造が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味する。
なお、「主成分」とは、ポリオレフィン全体の重量に占める両末端が変性可能なポリオレフィンの重量が、ポリオレフィン全体の重量の50重量%以上であることを意味する。
ただし、両末端が変性可能なポリオレフィンの重量がポリオレフィン全体の重量の50重量%未満であっても、両末端が変性可能なポリオレフィンの重量と、後述する片末端が変性可能なポリオレフィンの重量の合計がポリオレフィン全体の重量の50重量%以上であり、両末端が変性可能なポリオレフィンの重量が片末端が変性可能なポリオレフィンの重量以上である場合には、(a21−0)であるとする。
炭素数2〜30のオレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィン及び炭素数4〜30のジエンが挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンの内、分子量制御の観点から好ましいのは、炭素数2〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、炭素数2〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物であり、特に好ましいのは、炭素数2〜3のα−オレフィンであるエチレン及びプロピレン並びにこれらの混合物である。
(a2)としては、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a22−1)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a22−2)、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−3)、イソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a22−4)及びカルボキシル基及び水酸基の両方をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a22−5)等が挙げられる。
これらの内で、変性の容易さ及び成形時の耐熱性の観点から好ましいのは、(a22−1)である。
尚、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
なお、「主成分」とは、ポリオレフィン全体の重量に占める片末端が変性可能なポリオレフィンの重量が、ポリオレフィン全体の重量の50重量%以上であることを意味する。
ただし、片末端が変性可能なポリオレフィンの重量がポリオレフィン全体の重量の50重量%未満であっても、片末端が変性可能なポリオレフィンの重量と、上述した両末端が変性可能なポリオレフィンの重量の合計がポリオレフィン全体の重量の50重量%以上であり、片末端が変性可能なポリオレフィンの重量が両末端が変性可能なポリオレフィンの重量よりも多い場合には、(a22−0)であるとする。
なお、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)は、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物を意味する。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びモノ又はジカルボン酸の無水物が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸(無水物)、フマル酸、イタコン酸(無水物)及びシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から、好ましいのはモノ又はジカルボン酸の無水物及びジカルボン酸であり、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)及びフマル酸であり、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。
酸化法によるカルボキシル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボキシル基の導入は、公知の方法を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a21−1−4)は、(a21−1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
変性に使用できる水酸基を有するアミンとしては、炭素数2〜10の水酸基を有するアミンが挙げられ、具体的には2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
ジアミンとしては、炭素数2〜12のジアミン等が使用でき、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミン等)であり、更に好ましいのはエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
ポリイソシアネートとしては、炭素数(イソシアネート基中の炭素原子を除く。以下同様。)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
二次変性に用いるジオールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミンが挙げられる。
本発明におけるポリエステル(a3)は、例えば、ジオール(a31)とジカルボン酸(a32)とを構成単量体とするポリマーである。
前記ジカルボン酸(a32)としては、脂肪族ジカルボン酸(a321)、芳香族ジカルボン酸(a322)が挙げられる。
なお、ジオールは(a31)、1種単独でも、2種以上の混合物でもよい。
なお、(a321)は、上記のアルキルエステル、酸ハライドを使用してもよい。
なお、(a322)は、上記のアルキルエステル、酸ハライドを使用してもよい。
本発明における親水性ポリマー(b)としては、特許第3488163号に記載の親水性ポリマーが挙げられ、具体的には、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)等が挙げられる。帯電防止性及び樹脂物性の観点から望ましいのはポリエーテル(b1)である。
なお、本発明における親水性ポリマー(b)は、好ましくは1×1011Ω・cm以下の体積固有抵抗値を有するポリマーである。
ポリエーテルジオール(b1−1)としては、ジオール(b0)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記する。)を付加反応させることにより得られるものが挙げられ、具体的には一般式(1)で表されるものが挙げられる。
H−(OR1)a−O−E1−O−(R2O)b−H (1)
一般式(1)におけるE1は、ジオール(b0)からすべての水酸基を除いた残基である。
一般式(1)におけるR1及びR2は、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、炭素数5〜12のアルキレン基、スチレン基及びクロロメチル基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基等が挙げられる。
一般式(1)におけるa及びbは、(OR1)及び(R2O)の平均付加モル数であり、それぞれ独立に1〜300であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(1)におけるa、bがそれぞれ2以上の場合のR1、R2は、同一でも異なっていてもよく、(OR1)a、(R2O)b部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
炭素数5〜12の脂環式2価アルコールとしては、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,5−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘプタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の芳香族2価アルコールとしては、単環芳香族2価アルコール(キシリレンジオール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン及びウルシオール等)及び多環芳香族2価アルコール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシナフタレン及びビナフトール等)等が挙げられる。
これらのうち、ビスヒドロキシアルキル化物との反応性の観点からジオール(b0)として好ましいのは、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール及び炭素数6〜18の芳香族2価アルコールであり、更に好ましいのはEG及びビスフェノールAである。
AOとしては、炭素数2〜4のAO[エチレンオキサイド(以下EOと略記する。)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド、及びこれらの2種以上の併用系が用いられるが、必要により他のAO[炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等]を少しの割合(AOの全重量に基づいて30重量%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式は、ランダム結合、ブロック結合のいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独及びEOと他のAOとの併用である。
一般式(1)で表されるポリエーテルジオール(b1−1)の重量に基づく、(OR1)a及び(R2O)bの含有率は、好ましくは5〜99.8重量%であり、更に好ましくは8〜99.6重量%、特に好ましくは10〜98重量%である。
一般式(1)における(OR1)a及び(R2O)bの重量に基づくオキシエチレン基の含有率は、好ましくは5〜100重量%であり、更に好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
ポリエーテルジオール(b1−1)としては、ビスフェノールAのEO付加物、及び、ポリエチレングリコールが好ましい。
H2N−R3−(OR4)c−O−E2−O−(R5O)d−R6−NH2 (2)
一般式(2)におけるE2は、ジオール(b0)からすべての水酸基を除いた残基である。
ジオール(b0)としては、上記ポリエーテルジオール(b1−1)について例示したものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)におけるR3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、炭素数5〜12のアルキレン基、スチレン基及びクロロメチル基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、一般式(1)におけるR1及びR2として例示したものと同様のものが挙げられる。
一般式(2)におけるc及びdは、(OR4)及び(R5O)の平均付加モル数であり、それぞれ独立に1〜300であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(2)におけるc、dがそれぞれ2以上の場合のR4、R5は、同一でも異なっていてもよく、(OR4)c、(R5O)d部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
アミノカルボン酸変性物は、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)と、アミノカルボン酸又はラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)と、ポリイソシアネートとを反応させるか、ポリエーテルジアミン(b1−2)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル及び脂環式ジエポキシド等のエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、ポリエーテルジオール(b1−1)とエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
本発明の帯電防止剤(Z)におけるブロックポリマー(A)は、上記疎水性ポリマー(a)のブロックと親水性ポリマー(b)のブロックとを構成単位として有する。ブロックポリマー(A)を構成する疎水性ポリマー(a)及び親水性ポリマー(b)は、それぞれ1種又は2種以上であってもよい。
ブロックポリマー(A)の構造としては、導電性の観点から疎水性ポリマー(a)と親水性ポリマー(b)とが繰り返し交互に結合した[(a)−(b)]n型のものが好ましい。
[(a)−(b)]n型の構造におけるnは、帯電防止性及び機械的強度(機械物性)の観点から、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。nは、ブロックポリマー(A)のMn及び1H−NMR分析により求めることができる。
上記結合のうち、工業的な観点から、好ましいのは、エステル結合、アミド結合である。
エステル化反応の場合、反応を促進させるために、疎水性ポリマー(a)及び親水性ポリマー(b)の合計重量に基づいて、0.05〜0.5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、無機酸(硫酸及び塩酸等)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)、アンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(モノブチル錫オキサイド及びジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート、ビストリエタノールアミンチタネート及びシュウ酸チタン酸カリウム等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート、オキシ酢酸ジルコニウム等)及び亜鉛触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。触媒を使用した場合は、エステル化反応終了後必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
(1)水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
(2)反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
(3)反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
本発明における分岐型アルキル(アルキルの炭素数6〜18)ベンゼンスルホン酸塩(S)は、後述のカチオンと分岐型アルキルベンゼンスルホン酸アニオンとから構成される。
本発明において分岐型アルキルとは、メチル基を2個又は2個以上有するアルキル基を有するものである。一方、分岐型以外の直鎖型アルキルは、メチル基を1個有するアルキル基である。
分岐型アルキル(アルキルの炭素数6〜18)ベンゼンスルホン酸塩(S)により、成形時の連続成形性(脱型性)に優れる。
本発明の帯電防止剤(Z)は、前記ブロックポリマー(A)と、前記塩(S)とを含有してなる。
上記ブロックポリマー(A)と塩(S)の重量比[(A)/(S)]は、好ましくは90/10〜99/1、さらに好ましくは92/8〜98/2、さらに好ましくは94/6〜97/3である。
(1)ブロックポリマー(A)と塩(S)とを混合する。
(2)疎水性ブロック(a)のポリマーと親水性ブロック(b)のポリマーを、公知の方法で反応させて、ブロックポリマー(A)を得る際に、反応前又は反応途中で、塩(S)を加える。
本発明の帯電防止性樹脂組成物(Y)は、上記帯電防止剤(Z)と、後述の熱可塑性樹脂(E)とを含有してなる。
帯電防止剤(Z)と熱可塑性樹脂(E)との重量比[帯電防止剤(Z)/熱可塑性樹脂(E)]は、帯電防止性及び機械的強度(機械物性)の観点から、好ましくは3/97〜20/80、さらに好ましくは5/95〜15/85である。
樹脂用添加剤(G)としては、相溶化剤(カルボン酸変性ポリプロピレン等)、難燃剤(グアナミン等)、顔料(酸化チタン等)、染料(アゾ系染料等)、核剤(タルク等)、滑剤(カルバナロウワックス等)、可塑剤(ジオクチルフタレート等)、酸化防止剤(トリフェニルホスファイト等)、紫外線吸収剤[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]が挙げられる。
樹脂用添加剤(G)の含有量は、用途によって異なるが、帯電防止剤(Z)と熱可塑性樹脂(E)との合計重量に基づいて、例えば45重量%以下、添加効果の観点から、好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状の成分を適切な混合機、例えばヘンシェルミキサー等で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に限定はないが、例えば、
(1)帯電防止剤(Z)、熱可塑性樹脂(E)及び必要により樹脂用添加剤(G)を一括して溶融混合する方法、
(2)帯電防止剤(Z)、及び熱可塑性樹脂(E)の一部を予め溶融混合して帯電防止剤(Z)の高濃度樹脂組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製し、その後、残りの熱可塑性樹脂(E)並びに必要により樹脂用添加剤(G)を溶融混合する方法、が挙げられる。
本発明の成形品は、上記帯電防止性樹脂組成物(Y)を成形して得られる。該成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて任意の方法で成形できる。
このため、各種成形法[射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形及びフィルム成形(例えばキャスト法、テンター法及びインフレーション法)等]で成形されるハウジング製品[家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器用等]、プラスチック容器材[クリーンルームで使用されるトレー(ICトレー等)、その他容器等]、各種緩衝材、被覆材(包材用フィルム、保護フィルム等)、床材用シート、人工芝、マット、テープ基材(半導体製造プロセス用等)、並びに各種成形品(自動車部品等)用材料とし幅広く用いることができ、極めて有用である。
[ポリアミド(a−1)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム79.4部、テレフタル酸11.5部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、BASFジャパン(株)製]0.3部及び水6部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a−1)を得た。
なお、(a−1)の酸価は78、Mnは1,400であった。
[カルボキシル基を両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。
次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)95部を得た。
なお、(a2−1−1α)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
[(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1α)88部及び12−アミノドデカン酸12部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)96部を得た。
なお、(a2−1−2)の酸価は24.8、Mnは4,000であった。
[ポリエステル(a−3)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ドデカン2酸68.4部、1,6−ヘキサンジオール31.6部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、BASFジャパン(株)製]0.3部を投入し、160℃から210℃まで徐々に昇温しながら常圧で4時間、その後210℃、減圧下で3時間重合して、両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(a−3)を得た。
なお、(a−3)の酸価は37、Mnは3,000であった。
[ブロックポリマー(A−1)]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、ポリアミド(a−1)223部、ビスフェノールAのEO付加物(Mn:1,800)279部、及びオキシ酢酸ジルコニウム7部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間重合させて、ブロックポリマー(A−1)を得た。
なお、(A−1)のMnは22,000、重量比[(a)/(b)]は44/56であった。
[ブロックポリマー(A−2)]
製造例11と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−2)60.1部、ポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×10×7Ω・cm)]39.9部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A−2)を得た。
なお、(A−2)のMnは30,000、重量比[(a)/(b)]は60/40であった。
[ブロックポリマー(A−3)]
製造例11と同様の耐圧反応容器に、(a−3)50部、ポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×10×7Ω・cm)]50部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A−3)を得た。(A−3)のMnは24,000、重量比[(a)/(b)]は50/50であった。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、ブロックポリマー(A−1)97部、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C−1)3部を仕込み、220℃で1時間混合、撹拌した後、ベルト上にストランド状で取出し、ペレット化し、帯電防止剤(Z−1)を得た。
表1の配合組成(部)にしたがった以外は、実施例1と同様にして、各帯電防止剤(Z)を得た。
表2に示す配合組成に従って、帯電防止剤(Z)、熱可塑性樹脂(E)をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、回転速度100rpm、滞留時間3分間の条件で、230℃で溶融混錬して、各帯電防止性樹脂組成物(Y)を得た。
得られた各帯電防止性樹脂組成物(Y)について、後述の<評価方法>にしたがって、評価した。結果を表2に示す。
各樹脂組成物について射出成形機[ 商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)]を用い、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒にて、平板試験片(縦70mm、横70mm、厚さ2mm) を2000ショット射出成形後、下記の<評価基準>により脱型性の評価を行った。
1ショット目の脱型に要する抵抗力(単位:N)を(D1)、2000ショット目の脱型に要する抵抗力を(D2000)として、脱型性を下記式(1)に基づいて評価した。
脱型性(%)=(D2000)×100/(D1) (1)
◎:110%未満
○:110%以上、120%未満
△:120%以上、130%未満
×:130%以上
各樹脂組成物について射出成形機[ 商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)]を用い、シリンダー温度260℃、金型温度80℃にて、平板試験片(縦100mm、横100mm、厚さ2mm)を作製した。平板試験片について、超絶縁計「DSM−8103」[東亜電波工業(株)製]を用いて23℃、湿度40%RHの雰囲気下で測定した。
各樹脂組成物について射出成形機[商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株
)]を用い、シリンダー温度260℃、金型温度80℃にて、試験片を作製、ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
(E−1):
ABS樹脂[商品名「セビアン−V320」、ダイセルポリマー(株)製]
(E−2):
ポリプロピレン樹脂[商品名「サンアロマーPM771M」、サンアロマー(株)製]
(E−3):
耐衝撃性PS樹脂[商品名[HIPS 433]、PSジャパン(株)製]
このため、各種成形法[射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形およびフィルム成形(例えばキャスト法、テンター法およびインフレーション法)等]で成形されるハウジング製品[家電・OA機器、ゲーム機器および事務機器用等]、プラスチック容器材[クリーンルームで使用されるトレー(ICトレー等)、その他容器等]、各種緩衝材、被覆材(包材用フィルム、保護フィルム等)、床材用シート、人工芝、マット、テープ基材(半導体製造プロセス用等)、並びに各種成形品(自動車部品等)用材料とし幅広く用いることができ、極めて有用である。
Claims (8)
- 疎水性ポリマー(a)のブロックと親水性ポリマー(b)のブロックとを構成単位として有するブロックポリマー(A)と、分岐型アルキル(アルキルの炭素数6〜18)ベンゼンスルホン酸塩(S)とを含有してなる帯電防止剤(Z)。
- 前記疎水性ポリマー(a)が、ポリアミド(a1)、 ポリオレフィン(a2)、及びポリエステル(a3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の帯電防止剤。
- 前記親水性ポリマー(b)が、ポリエーテル(b1)である請求項1又は2記載の帯電防止剤。
- 前記分岐型アルキル(アルキルの炭素数6〜18)ベンゼンスルホン酸塩(S)を構成するカチオンが、イミダゾリウム又はナトリウムである請求項1〜3のいずれか記載の帯電防止剤。
- 前記ブロックポリマー(A)と分岐型アルキル(アルキルの炭素数6〜18)ベンゼンスルホン酸塩(S)との重量比[(A)/(S)]が90/10〜99/1である請求項1〜4のいずれか記載の帯電防止剤。
- 請求項1〜5のいずれか記載の帯電防止剤(Z)と、熱可塑性樹脂(E)とを含有してなる帯電防止性樹脂組成物(Y)。
- 前記帯電防止剤(Z)と熱可塑性樹脂(E)との重量比[(Z)/(E)]が3/97〜20/80である請求項6記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 請求項6又は7に記載の帯電防止性樹脂組成物(Y)を成形してなる成形品。
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