JP6956340B2 - 細胞培養装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医学、薬学、生物学、組織工学、再生医療学等に用いる細胞の培養技術に係り、特に、培養細胞の成長や分化を促進して培養時間を短縮することができる細胞培養装置に関するものである。
近年、組織工学や再生医療学の分野では、移植のための人工組織・臓器の開発が盛んである。代表的な例として皮膚移植の場合を説明する。現在はスキンバンクで保存している同種皮膚(他者の皮膚)が移植皮膚としての重要な役割を果たしているが、慢性的なドナー不足が続いているため、迅速かつ安定的に皮膚を供給する手法として、人工皮膚の開発が進められている。そして、人工皮膚を作製する有力な方法の一つとして、培養細胞から人工的に移植組織を作製する様々な三次元細胞培養技術が注目されている。
下記特許文献1に示すように、松崎・明石らは、Layer-by-Layer法(Lb L法)を用いて接着膜で被覆した細胞を調製し、被覆細胞同士を互いに接着した状態で積層することで三次元構造体を製造する技術を発明した。この発明によれば、移植皮膚の迅速な生着に重要となる血管系をも有する培養皮膚を作製することが可能である。
特開2012−115254号
前記特許文献1に記載の細胞培養技術を含む従来の三次元細胞培養技術には、組織が必要機能を獲得するまでに数週間程度の培養時間を要するという共通の問題があった。そのため、移植の必要性が生じた際に迅速に組織を提供できず、治療が遅延する可能性があった。例えば、広範囲重症熱傷では創部における感染を併発しやすく、皮膚移植による治療が遅れると細菌が体内に移行して致死的な敗血症を来しやすくなる。
本願発明者等は、このような従来の細胞培養技術における問題を解決し、迅速な細胞培養を実現するための研究開発に鋭意努力してきたが、その途上において、次の報告に開示された内容に着目した。すなわち、細胞ないし組織に可視から近赤外領域の光を照射すると、細胞のミトコンドリアの電子伝達系の末端酵素であるシトクロムcオキシダーゼがその光を吸収し、電子伝達が促進され(Karu et al., Lasers Surg. Med., 2005)、アデノシン三リン酸(adenosine triphosphate, ATP)や活性酸素種(reactive oxygen species,ROS)等の産生量が増大するという報告である(Avci et al., Semin. Cutan. Med. Surg., 2013 )。この報告に開示された作用は、低レベルレーザー作用(Low Level Light Treatment,LLLT)、光生体調整作用(Photobiomodulation, PBM)等と呼ばれている。
本願発明者等は、前記PBM等において産生量が増大するとされたATPが生体内のエネルギー源であり、また適量のROSは細胞の分化の重要なメディエーターとなることから、前記PBMが細胞や組織の分化および成長に直接的に寄与すると考えるに至った。
本願発明は、前述した従来の三次元細胞培養技術における課題を解決するためになされたものであり、前記PBMを効率的に生起させ、培養組織の成長と分化を促進することで培養時間を短縮し、上記移植治療開始の遅延の問題を解決することができる細胞培養装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された細胞培養装置は、
細胞の三次元構造体を製造する三次元細胞培養を行なうための細胞培養装置であって
胞を収納した容器が配置され、内面が光学反射する特性を有している培養室と、
前記容器の細胞に光を照射する光源と、
前記光源と前記培養室の間に設けられた光透過性の隔板と、
前記光源又は白色光源から照射されて前記培養室内にある細胞で拡散反射を起こした光を分光してスペクトルを取得する分光器と、
前記分光器で取得したスペクトルから細胞の状態を評価する制御手段と、
を具備し、
前記制御手段による前記評価に基づき、前記光源と、前記培養室内の酸素濃度を制御することを特徴としている。
請求項2に記載された細胞培養装置は、請求項1記載の細胞培養装置において、
前記光源から照射される光の波長が400〜2500nmの範囲内であることを特徴とする。
請求項に記載された細胞培養装置は、請求項1又は2に記載の細胞培養装置において、
前記隔板は断熱性を有することを特徴としている。
請求項に記載された細胞培養装置は、請求項1〜3の何れか一つに記載の細胞培養装置において、
前記光源を冷却するための冷却手段を有することを特徴としている。
請求項に記載された細胞培養装置は、請求項1〜4の何れか一つに記載の細胞培養装置において、
前記光源の放射照度を5W/cm2 以下の範囲内で制御する制御手段を有することを特徴としている。
請求項に記載された細胞培養装置は、請求項に記載の細胞培養装置において、
前記光源の制御を、前記光源が光を照射する時間または光を照射する位置の少なくとも何れか一方について行うことを特徴としている。
請求項7に記載された細胞培養装置は、請求項1〜6の何れか一つに記載の細胞培養装置において、
前記培養室内の気体、前記培養室内に配置された前記容器、前記培養室内に配置された前記容器に収納された細胞の少なくとも一つの温度を測定する温度測定手段と、
前記培養室内に設けられた温度調節手段と、
前記温度測定手段の測定結果に応じて前記温度調節手段を制御して前記温度が37℃となるように制御する制御手段と、
を有することを特徴としている。
請求項に記載された細胞培養装置は、請求項1〜7の何れか一つに記載の細胞培養装置において、
前記培養室内の酸素濃度を検知する酸素センサと、
前記培養室に接続されて前記培養室に酸素を供給する酸素供給手段と、
前記酸素センサの検知結果に応じて前記酸素供給手段を制御することにより前記培養室内の酸素濃度を大気中の酸素濃度と実質的に同程度となるように制御する制御手段と、
を有することを特徴としている。
請求項9に記載された細胞培養容器は、
細胞の三次元構造体を製造する三次元細胞培養を行なうための細胞培養装置の培養室に設けられ、光源から光が照射される細胞を収容するための細胞培養容器であって、
前記光源に近い側に開口部が設けられ前記光源に向けて径が拡がる形状の収容部と、前記光源と対面する表面に反射防止膜が設けられ前記開口部を閉止する光透過性の蓋部とを有することを特徴としている。
請求項10に記載された細胞培養装置は、
細胞の三次元構造体を製造する三次元細胞培養を行なうための細胞培養装置であって、
内面が光学反射する特性を有している培養室と、
前記培養室に光を照射する光源と、
前記光源と前記培養室の間に設けられた光透過性の隔板と、
前記光源に近い側に開口部が設けられ光源に向けて径が拡がる形状の収容部と、前記光源と対面する表面に反射防止膜が設けられ前記開口部を閉止する光透過性の蓋部とを有し、細胞を収容して前記培養室に設けられる細胞培養容器と、
前記光源又は白色光源から照射されて前記培養室内にある細胞で拡散反射を起こした光を分光してスペクトルを取得する分光器と、
前記分光器で取得したスペクトルから細胞の状態を評価する制御手段と、
を具備し、
前記制御手段による前記評価に基づき、前記光源と、前記培養室内の酸素濃度を制御することを特徴としている。
請求項1に記載された細胞培養装置によれば
胞(組織を含む。この項において以下同じ。)を収納した容器を培養室に配置して光源から光を照射することにより、細胞の分化を促して細胞の三次元構造体を製造し、細胞を迅速かつ大量に培養することができる。例えば前述した皮膚移植の場合であれば、ドナーから採取した皮膚細胞(他家細胞)を用いることで、移植皮膚を大量に生産・貯蔵することが可能となる。また、作製した皮膚のATP産生を促進し続けることで、同組織のバイアビリティ(活性)の低下や細胞死を防ぎ、高品質のまま貯蔵できる期間を延長することが可能となる。以上の2点の効果から、移植を必要とする患者や受傷者が多発した場合の迅速な対応が可能になるという効果が得られる。すなわち、ドナー不足の問題が解決され、また、患者・受傷者自身の細胞(自家細胞)を用いる場合には、従来よりも早期に移植が行えるようになり、治療の効果や成功率の向上が期待できる。
また、光源と培養室の間を仕切る隔板は光透過性であるため、光源からの光は培養室内の細胞に確実に到達して細胞の分化を促進する前記効果が確実に得られ、加えて培養室内の高湿度雰囲気により光源の電気系に支障が生じることが防止され、さらに光源から発生する熱が培養室内にある細胞に直接的に作用するのを防止する効果も得られる。
また、培養室内に照射された光のうち、培養室の内面に入射した光が多重反射することにより、光の照射方向と直交する方向における光の強度分布が一様となり、細胞に照射される光の強度が培養室内での位置に関わらず可及的に均一化される効果が得られる。
また、PBMによる細胞の分化の促進及び同組織のバイアビリティ(活性)の低下や細胞死を防ぐために使用する光源又は白色光源から培養室内に光を照射し、細胞で拡散反射を起こした光を分光器で分光してスペクトルを取得し、このスペクトルを制御手段が分析して細胞の状態や品質を評価できる。この分析結果(細胞の状態や品質)をPBMの光照射条件、培養室内の酸素濃度等にフィードバックして制御することにより、PBMによる細胞の分化の促進及び同組織のバイアビリティ(活性)の低下や細胞死の防止をより一層効果的に行わせることができる。
請求項2に記載された細胞培養装置によれば、
光源から照射される光の波長が400〜2500nmの範囲内であるため、多種多様な細胞についてPBMにより分化を促進することができる。
請求項3に記載された細胞培養装置によれば、
隔板は断熱性を有しているため、光源から発生する熱が培養室内に伝導しにくくなり、この熱が細胞に与える影響を減少させる効果が得られる。
請求項4に記載された細胞培養装置によれば、
光源は冷却手段で冷却されるため、光源から発生して培養室内に伝導する熱の量が減少し、この熱が培養室内の細胞に与える影響を減少させる効果が得られる。
請求項5に記載された細胞培養装置によれば、
多種多様な細胞についてPBMによる分化の促進を必要十分なエネルギー範囲で行うことができる。
請求項6に記載された細胞培養装置によれば、
光源の制御を光の照射時間に関して行うことができる。例えば、細胞に対して間欠的に光を照射すれば、PBMにより枯渇しやすい酸素を周囲からの自然拡散によって供給を受けるために有効な場合がある。または、光源の制御を光の照射位置に関して行うことができる。例えば、細胞が収納された多数の容器を培養室内に並べて培養する場合に、状態や品質の悪い細胞・組織に選択的に光を照射することができる。
請求項7に記載された細胞培養装置によれば、
培養室内の気体、培養室内に配置された容器、その容器に収納された細胞のうち、少なくとも一つの温度を温度測定手段が測定し、その測定結果に応じて制御手段が温度調節手段を制御することによって前記温度が37℃となるように制御することができるため、PBMによる細胞の分化の促進を効果的に行わせることができる。
請求項8に記載された細胞培養装置によれば、
培養室内の酸素濃度を酸素センサで検知し、その検知結果に応じて制御手段が酸素供給手段を制御することによって培養室内の酸素濃度を大気中の酸素濃度と実質的に同程度となるように制御することができるため、PBMによる細胞の分化の促進を効果的に行わせることができる。
請求項9に記載された細胞培養容器によれば
胞を収容する収容部は光源に向けて径が拡がっているため、容器内の細胞は高い効率で光を受けることができる。
また、収容部の開口部を閉止する光透過性の蓋部には、光源と対面する側の表面に反射防止膜が設けられているので、細胞培養容器に照射された光をなるべく反射することなく、高い効率で容器内に導入して細胞に照射させることができる。
請求項10に記載された細胞培養装置によれば
胞の培養において、前述した請求項1に記載された細胞培養装置による効果と、請求項9に記載された細胞培養容器による効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明の細胞培養装置及び細胞培養容器によれば、細胞および組織を迅速かつ大量に培養することができる。例えば上記した皮膚移植の場合、ドナーから採取した皮膚細胞(他家細胞)を用いることで、移植皮膚を大量に生産・貯蔵することが可能となる。また、作製した皮膚のATP産生を促進し続けることで、同組織のバイアビリティ(活性)の低下や細胞死を防ぎ、高品質のまま貯蔵できる期間を延長することが可能となる。以上2点の特徴により、移植を必要とする患者や受傷者が多発した場合の迅速な対応が可能になる。すなわち、ドナー不足の問題が解決される。また、患者・受傷者自身の細胞(自家細胞)を用いる場合には、従来よりも早期に移植が行えるようになり、治療の効果や成功率の向上が期待できる。
実施形態の細胞培養装置の模式的構造図である。 実施形態の細胞培養容器の断面図である。 実施形態の細胞培養容器において一収容部を拡大して示す断面図である。 実施形態の細胞培養容器における収容部の形状例を模式的に示す斜視図である。 実施形態の細胞培養容器において光源による光の照射を照射時間について制御する例を示す図である。 実施形態の細胞培養容器において光源による光の照射を照射位置について制御する例を示す図である。 実施形態の細胞培養容器を用いて培養したヒト細胞を用いて培養した三次元皮膚体を、光照射群(+PBM)と非光照射群(−PBM)に分け、それぞれについて経上皮電気抵抗測定法を用いて電気抵抗を測定した結果を示す図である。 図7に結果を示した三次元細胞培養皮膚体の実験における光照射群(+PBM)と非光照射群(−PBM)の病理組織断層画像(HE染色)を示す図である。 実施形態の細胞培養容器で培養中の皮膚の状態等を評価するために、白色光源から照射した光の拡散反射光の強度を、脂質の吸収ピーク付近の1210nmと、生体分子による光吸収がほとんど生じない900nmにおいて、それぞれ経時的に測定した結果を示す図である。
光照射機能を具備し、PBMによって細胞の分化及び成長を促進して培養を行う実施形態の細胞培養装置1について、図1〜図9を参照して説明する。
なお、以下の説明において、「細胞」なる用語は、細胞そのものはもちろん、1種類以上の細胞を含む生体の組織も含む意味で使用している。従って、実施形態の細胞培養装置は組織培養装置であるとも言える。
図1を参照して細胞培養装置1の構成を説明する。
図1に示すように、本実施形態の細胞培養装置1は、培養しようとする細胞を収納する筐体2を備えている。筐体2の内部は、隔板5により、PBM用光源としてのLED光源7等が設けられた上部の機器収容部3と、細胞を収納した細胞培養容器(以下、容器6と称する。詳細は後述する。)が配置される下部の培養室4に仕切られている。
機器収容部3と培養室4を区画する隔板5は、細胞培養に必要な培養室4内の高湿度雰囲気が、機器収容部3にあるLED光源7等の機器類に電気ショート等のトラブルを起こすことを防止する機能を有する。また、隔板5は光透過性であるため、隔板5によって培養室4と隔てられた機器収容部3にあるLED光源7からの光は、実質的な減衰をみることなく必要な放射強度で培養室4の細胞に到達することができる。また、隔板5は高い断熱性を有し、LED光源7の温度上昇が与える細胞・組織への熱影響を防ぐ機能を有する。このような各種の機能を備える隔板5の材料(素材)としては、例えば熱線吸収フィルタの機能を有する透光性の耐熱プラスチック等を例示することができる。
図1に示すように、筐体2の機器収容部3には、隔板5を通して培養室4の容器6の細胞に光を照射するPBM用光源としてのLED光源7と、LED光源7の冷却手段であるラジエータ8と、後述するその他の機器類(分光器9及び白色光源10)と、これらを統括して制御する制御機11が設けられている。なお、LED光源7の冷却手段はラジエータ8に限るものではなく、例えば空冷式の冷却装置等でもよく、冷却原理は問わない。
LED光源7は、培養対象である細胞の種類に応じてPBMに有効な波長範囲の素子を高い自由度で選択できるとともに、安価、長寿命、メンテナンスフリーという実用上重要な特長を有するため、本実施形態の細胞培養装置1のPBM用光源として適している。
LED光源7が照射する光の波長範囲は、PBMを効果的に生起させる有効な波長範囲である400〜2500nmとする。特にヒトの皮膚細胞の培養に好ましいのは、450〜900nmの範囲であり、この範囲内でさらに好ましい範囲をより細かく示せば、450〜540nm、620〜680nm、750〜830nmとなる。さらに、750〜830nmの範囲内で好ましい範囲をより細かく示せば、750〜770nm及び800〜830nmとなる。これらのより細かく示した好ましい波長範囲は、ミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼの吸収帯が存在する範囲である。
LED光源7として、これらの波長範囲の光を放射する複数種類の素子を予め設けておき、培養しようとする細胞の種類に応じて、必要な波長の光を放射するLEDに切り替えて光を照射する構成としてもよいし、特定種類の細胞のみを対象とするのであれば、当該細胞に対応した特定の必要な波長範囲のみを照射できるLED光源7を設けておいて、それを使用する構成としてもよい。
図1に示すように、筐体2の機器収容部3に設けられたLED光源7は制御機11に接続されており、制御機11によって制御される。LED光源7が放射する光の放射照度は5W/cm2 以下とされており、LED光源7は、培養しようとする細胞の種類や、細胞の状態等に応じた必要な放射強度で光を照射するように制御される。また、詳細は後述するが、制御機11によるLED光源7の放射照度の制御は、LED光源7が光を照射する時間または光を照射する位置の少なくとも何れか一方について行うことができる。
図1に示すように、筐体2の機器収容部3には、LED光源7の背面側(図示上側)に、LED光源7の熱を筐体2外に放出する冷却手段として、ラジエータ8が設けられている。ラジエータ8は、培養室4に設けられた後述する温度センサ22からの信号に基づき、又は予想されるLED光源7の発熱量に応じて、制御機11によって制御される。LED光源7を適宜に冷却することにより、PBMにとって好ましくない無用な熱を培養室4の細胞に伝導せずに済み、またLED光源7の長寿命化と出力の安定化が達成される効果も得られる。
図1に示すように、筐体2の培養室4は、細胞を収納した細胞培養容器6(以下、容器6とも称する。詳細は後述する。)を配置するためのスペースであり、PBMによる細胞の培養に適した環境条件(例えば湿度、温度、気体の濃度等)を維持できる程度の密閉性を有するとともに、前記環境条件を維持するための機器類として、各種センサ(酸素センサ20、二酸化炭素センサ21、温度センサ22、湿度センサ23、受光センサ24)と、容器6の温度を調節する加熱・冷却器(温度調節手段)25と、培養室4内の湿度を調節する加湿・除湿器(湿度調節手段)26を有している。
各種センサは、制御機11に接続されており、検出した環境データを制御機11に送るようになっている。また、加熱・冷却器25と加湿・除湿器26は、制御機11に接続されており、各種センサから得た環境データを基に制御機11によって制御される。これによって、加熱・冷却器25と加湿・除湿器26は培養室4内を必要な環境条件に設定することができる。具体的には、PBMによる細胞の培養に適した値として、温度については37度程度が好ましく、湿度については概ね90〜100%の範囲が好ましい。
前述した各種センサのうち、温度測定手段としての温度センサ22は、具体的にはサーモグラフィーや放射温度計等で構成できる。また、温度センサ22は、模式図である図1では培養室4内の上隅部に示されているが、より具体的には、温度測定対象である培養室4内の気体と、容器6と、容器6内の細胞のうち、何れか少なくとも一つの温度を測定するのに適した配置とするのが好ましいが、細胞そのものの温度を検出できるように構成するのが最も好ましい。
前述した各種センサのうち、受光センサ24は、機器収容部3に設けられた分光器9を介して制御機11に接続されている。詳細は後述するが、分光器9は、LED光源7又は白色光源10から照射されて培養室4内にある細胞を透過し又は反射した光を分光し、スペクトルを取得して制御機11に送る。制御機11は、分光器9から送られたスペクトルから細胞の状態を評価することができる。
図1に示すように、筐体2の培養室4には、酸素ガスボンベ(酸素供給手段)30と二酸化炭素ガスボンベ(二酸化炭素供給手段)31がガス通路32,32を介して接続されており、これら両ガスボンベ30,31の開閉機構(図示せず)は制御機11に接続されている。制御機11は、培養室4にある酸素センサ20と二酸化炭素センサ21がそれぞれ検出した培養室4内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度に応じて、開閉機構の開閉又は開度を制御し、培養室4内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度をPBMによる細胞の培養に適した値に維持することができる。具体的には、酸素濃度は大気中の酸素濃度である20%程度が好ましく、二酸化炭素濃度は5%程度が好ましい。
ミトコンドリアの電子伝達反応には酸素が必要であることから、この反応を促進することが機序の一つと考えられるPBMでは、細胞・組織およびその周囲にある培養液中の酸素はより多く消費されて枯渇しやすいと考えられる。本実施形態の細胞培養装置1において、培養室4内の二酸化炭素濃度だけでなく、酸素濃度を測定して制御する機構が設けられているのはこれが理由である。
図1に示すように、培養室4の内壁15は光学反射する特性を有している。内壁15としては反射率の高い金属板や誘電体薄膜等を用いることができる。この内壁15により、LED光源7からの照射光Lは培養室4内の壁面において多重反射を生じ、照射光Lの水平方向の強度分布が均一化される。
図2〜図4を参照して培養室4に配置される容器6(細胞培養容器6)の構成を説明する。
図2及び図3に示すように、容器6は、基箱体41(ウェルプレートとも称する。)と、基箱体41内に取り付けられた複数の収容部42(インサートとも称する。)と、基箱体41の開口41aを閉止する蓋部43とを有している。これらの各構成部品は透明な樹脂を成形して製造することができる。
図2に示すように、基箱体41は上面に開口41aを有する中空直方体状の部材であり、その内部には緩衝溶液50(又は培地50)が収納される。基箱体41の内部は壁体41bによって同一形状の複数の区画に区分されている。図2では、第1列を構成する4つの区画が示されているが、紙面の奥側に第1列と平行に第2列〜第6列まで、各列あたり4つの区画があるため、基箱体41の全体としては24の区画を有している。
なお、緩衝溶液50とは、培養対象となる細胞内外のpHや浸透圧を維持するとともに、同細胞に必要な水分や無機イオンを供給し、細胞を損傷することなく細胞を保持することができる液体である。また、培地50とは、例えばグルコースやL−グルタミンのような細胞の培養に有用な養分を供給するための培養基である。本実施形態はLED光源7からの照射光LによってPBMによる細胞培養を行う装置であるため、緩衝溶液50や培地50は光透過性であることが望ましい。そこで、緩衝溶液50としては、例えば光学的に透明なリン酸緩衝生理食塩水(PBS)やHank's平衡塩溶液(HBSS)等が利用できる。しかしながら、採用したLED光源7の照射光Lの波長によっては必ずしも透明でなくてもよく、LED光源7の照射光Lの色(波長)と、緩衝溶液50や培地50の色が合致していればよい。
図3に示すように、収容部42は、基箱体41の各区画に取り付けられる部材であり、その内部には培養しようとする細胞60が収納される。収容部42は中空逆円錐台状であって、図3中上側にある光源に向けて径が拡がり、光源に近い側の上端が最大径の上開口部42aとなっている。上開口部42aの側にあるLED光源7からの照射光Lは、拡がりながら伝搬するが、光源に向けて開口径が広がるテーパ構造の収容部42には照射光Lが効率的に照射され、培養すべき細胞は照射光Lを高効率に受光することができる。このように、細胞60を収納・保持・培養するための細胞培養容器6は、PBM用のLED光源7から放射された照射光Lが細胞に効率よく照射される構造となっている。
収容部42の下端は最小径の下開口部42bとなっているが、ここには多孔質膜44(トランスメンブレンとも称する。)が張設されている。多孔質膜44は、大きさが数100nm〜数1000nmである多数の孔を備えたフィルムであり、分子レベルの大きさの物質は通過できるが、細胞レベルの大きさの物質は通過できない。収容部42内に収容された細胞60は多孔質膜44の上に載置され、多孔質膜44を介して基箱体41内の緩衝溶液50や培地50に接触することができる。なお、収容部42内の細胞60の上を緩衝溶液50や培地50で覆う必要があるか否かは、当該細胞60の種類による。
図2に示すように、蓋部43は、基箱体41の開口41aの外側に係止する枠部43aを備えた板体であって、基箱体41内にある細胞60の乾燥を防ぐために基箱体41の開口41aを覆っている。図2及び図3に示すように、蓋部43のLED光源7と対面する表面(図2及び図3において上面)には、反射防止膜45が設けられている。従って、同図中の上側にあるLED光源7からの照射光Lは、蓋部43の表面での反射が最小限に抑えられて大部分が蓋部43を透過し、収容部42内に入射することができる。
図4は、細胞培養容器6の収容部42の形状を模式的に示す斜視図である。図4(a)は図2及び図3に示した実施形態の例であり、中空逆円錐台状である。図4(b)は変形例の収容部46であり、中空逆四角錐台状である。図4(b)に示す変形例の収容部46は、図3及び図4(a)に示した実施形態と同様、最大径の上開口部46aと、最小径であり多孔質膜44が張設された下開口部46bを有する。変形例の収容部46によれば、実施形態の場合と同等の効果が得られる。
図5〜図9を参照して実施形態の細胞培養装置1及び細胞培養容器6を用いた細胞培養方法、又は当該方法を実行するための細胞培養装置1の制御手法について説明する。
実施形態の細胞培養容器6においてPBMにより得られる効果の特性や大きさは、LED光源7の光照射条件(波長、エネルギー、照射時間等)や、培養室4内の環境条件(温度・湿度、大気濃度等)のわずかな違いによって変化し得るため、所望の効果を得るためには光照射条件及び環境条件の精密な制御が重要である。本実施形態においては、環境条件の制御とともに、LED光源7からの照射光Lを目的に適合した時間パターンに応じて、また目的に適合した空間パターンに応じて制御することにより、効果を得ている。
図5は、実施形態の細胞培養装置1において、LED光源7による光照射の制御を照射時間に関して行う例を示す図である。
実施形態の細胞培養装置1において、PBMにより分化を促進された細胞は多くの酸素を消費する。これによって、容器6内の酸素濃度は低下していくが、培養室4内に必要量の酸素があれば、この酸素が容器6内に自然に流入する。従って、容器6内で消費される酸素の量と、容器6外(培養室4内)から容器6内へ流入する酸素の量との間でバランスがとれていれば、PBMによる細胞の培養は問題なく連続して行われる。
しかしながら、培養室4内の酸素濃度が低下した状態で、LED光源7による光照射を連続させると、前記バランスが崩れて容器6内の酸素濃度が低下する場合がある。そこで、実施形態の細胞培養装置1では、まず第1に、酸素センサ20が培養室4内の酸素濃度の有意な低下を検知すると、制御機11が酸素ガスボンベ30の開閉機構を操作し、培養室4内に適量の酸素ガスを供給して約20%の酸素濃度の維持を図るようにした。
しかしながら、培養室4内に酸素ガスが供給されても、その酸素ガス容器6内に入るには一定の時間が必要になる。そこで、実施形態の細胞培養装置1では、第2に、LED光源7による光の照射を、図5に示すように間欠的に行うこととした。
PBMによって容器6内の酸素が消費されるのは、LED光源7による光照射が行われている間だけであり、LED光源7による光照射が行われていなければ酸素は消費されない。従って、図5に示すように光照射を、所定時間間隔をおいて間欠的に行うものとし、酸素が消費されない時間帯を定期的に設けることにより、酸素ガスが容器6内に流入して細胞60に供給されるまでの時間を確保し、光照射を行うことで酸素が消費される時間帯では容器6内には常に十分な濃度の酸素ガスが存在しているようにした。
このように、実施形態の細胞培養装置1によれば、PBMを利用した細胞培養では酸素が枯渇しがちである点に鑑み、培養室4外から培養室4内へ酸素ガスを適時に供給するとともに、培養室4内では容器6内へ酸素を自然に拡散させ、さらにLED光源7による光照射を間欠的に行うことによって、細胞60の酸素消費量と容器6内への酸素流入量がバランスするようにした。これによって光が照射されている時間帯ではPBMに必要な酸素が確保され、確実にPBMによる細胞60の分化を促進する効果が得られる。
図6は、実施形態の細胞培養装置1において、LED光源7による光照射の制御を照射位置に関して行う例を示す図である。
実施形態の細胞培養装置1において多数の細胞を培養する場合には、同じ条件で培養したとしても、状態や品質が悪い細胞と良い細胞が生じてしまう場合がある。このような場合、図6に示すように、状態や品質が悪い細胞60に選択的に光を照射することにより、当該細胞60の状態や品質を改善し、培養室4内の細胞60を全体として良好な状態、品質に均一化する効果が得られる。
上述のように細胞60の状態や品質を検知するため、実施形態の細胞培養装置1では、LED光源7と、受光センサ24と、分光器9と、制御機11(以上、図1参照)を使用する。
PBMのためにLED光源7が照射した光の一部は、細胞60で拡散反射を起こす。拡散反射光には細胞60に含まれる光の散乱体・吸収体の情報が含まれるため、これを解析することで細胞60の状態や品質を評価することができる。
すなわち、実施形態の細胞培養装置1では、細胞60からの拡散反射光を受光センサ24が検出する。分光器9が受光センサ24の出力を分析してスペクトルを出力する。制御機11がこのスペクトルを分析し、その分析結果(細胞・組織の状態や品質)をLED光源7の光照射条件にフィードバックして制御する。例えば、分析の結果、細胞60の分化に伴う形態変化による散乱光強度の時間変化が相対的に小さい場合、その細胞60に対して選択的に光を照射し、分化を促すことができる。
図7は、実施形態の細胞培養容器6を用いて培養したヒトの皮膚の三次元細胞培養皮膚体を、光照射群(+PBM)と非光照射群(−PBM)に分け、それぞれについて経上皮電気抵抗測定法を用いて電気抵抗を測定した結果を示す図である。図8は、図7に結果を示した三次元細胞培養皮膚体の実験における光照射群(+PBM)と非光照射群(−PBM)の病理組織断層画像(HE染色)を示す図である。
前述したLb L法により、ヒト真皮線維芽細胞と血管内皮細胞を積層させて真皮層を形成させ、翌日に表皮角化細胞を積層させて表皮・真皮一体型の三次元細胞培養皮膚体とし、これを実施形態の細胞培養装置1によって37℃・5%CO2 濃度の条件で培養した。この培養皮膚体の表皮を気相に晒すことで分化の誘導を開始し、その5日後に一部のサンプルにLED光源7(波長660nm)で光照射(15mW/cm2 、600s)を行った。その2日後に光照射群(+PBM)と非光照射群(−PBM)とで分化の進展より得られるバリア機能を評価した。バリア機能の評価には経上皮電気抵抗測定法を用い、培養皮膚体に交流電圧を付加して電気抵抗を測定した。その結果、電気抵抗値は光照射群(n=4)で平均431Ω・cm2 、非光照射群(n=4)で平均329Ω・cm2 となり、光照射群で高い値が得られた(図7)。
一般に皮膚の電気抵抗は角質が支配的であるため、上記結果は実施形態の細胞培養装置1において、三次元培養皮膚体の表皮角化細胞の角質化(分化)が光照射によって促進されたことを示唆する。また、図8に示す培養皮膚体の断面の組織画像から分かるように、培養皮膚体の角質層の厚さは光照射サンプル(+PBM)では41μmであったのに対し、非光照射サンプル(−PBM)では25μmであり、光照射により厚くなる傾向が見られた。以上の結果は、実施形態の細胞培養装置1におけるPBMにより、三次元培養皮膚体の表皮角化細胞の分化が促進されたことを示唆する。
実施形態の細胞培養装置1において、培養中の培養皮膚体について上述したような評価が得られた場合、その分析結果に基づいてLED光源7の光照射条件や培養室4内の環境条件を制御すれば、評価が思わしくない細胞・組織に対して選択的に光を照射し、また環境条件を整えることで、分化を促すことができる。
図9は、実施形態の細胞培養容器6で培養中の皮膚の状態等を評価するために、白色光源10(具体的にはハロゲンランプ)から照射した光の拡散反射光の強度を、脂質の吸収ピーク付近の1210nmと、生体分子による光吸収がほとんど生じない900nmにおいて、それぞれ経時的に測定した結果を示す図である。
この測定例は、実施形態の細胞培養容器6で培養中の皮膚の状態や品質を評価することを目的として行った。実施形態の細胞培養容器6において、白色光源10を照射して広帯域スペクトルの光を培養室4にある同皮膚の表皮側から照射した。その拡散反射光を受光センサ24で受け、分光器9でスペクトルを取得して制御機11において記録した。測定は経時的に行った。
図9に示すように、脂質の吸収ピーク付近の1210nmと、生体分子による光吸収がほとんど生じない900nmの拡散反射光の強度(分化誘導開始日の光強度で規格化)を比較した結果、900nmでは分化誘導開始3日後から5日後にかけて拡散反射光強度が上昇したのに対し、1210nmでは低下した。
前者は、三次元培養皮膚の分化(角質化)に伴う組織の光散乱係数の増大を示し、後者は、培養皮膚の成長による含有脂質量の増大を示すものと考えられる。以上の結果は、本実施形態の細胞培養装置1における光照射により生じる細胞の拡散反射光のスペクトルに基づき、その状態や品質を評価できることを示している。
実施形態の細胞培養装置1において、培養中の培養皮膚体について上述したような評価が得られた場合、その分析結果に基づいてLED光源7の光照射条件や培養室4内の環境条件を制御すれば、評価が思わしくない細胞・組織に対して選択的に光を照射し、また環境条件を整えることで、分化を促すことができる。
またこのような組織の品質評価には、白色光源10ではなく、PBM用光源であるLED光源7の光を利用することも可能である。例えば、上記ミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼの吸収波長(例えば660nm付近または830nm付近)のLED光を用いたPBMにおいて、同時にその組織からの拡散反射光強度を測定することで、同組織に含まれるミトコンドリアの量や活性度を評価できる。このように組織の品質評価にLED光源7を利用するものとすれば、実施形態の細胞培養装置1から白色光源10を省略することができ、装置を簡素化することができる。
1…細胞培養装置
4…培養室
5…隔板
6…細胞培養容器(容器)
7…LED光源
8…冷却手段としてのラジエータ
9…分光器
10…白色光源
11…制御手段としての制御機
15…反射膜
20…酸素センサ
22…温度センサ
25…温度調節手段としての加熱・冷却器
30…酸素供給手段としての酸素ガスボンベ
42…細胞培養容器の収容部
42a…細胞培養容器の収容部の上開口部
43…細胞培養容器の蓋部
45…反射防止膜
46…変形例の収容部
50…緩衝溶液又は培地
60…細胞
L…照射光

Claims (10)

  1. 細胞の三次元構造体を製造する三次元細胞培養を行なうための細胞培養装置であって
    胞を収納した容器が配置され、内面が光学反射する特性を有している培養室と、
    前記容器の細胞に光を照射する光源と、
    前記光源と前記培養室の間に設けられた光透過性の隔板と、
    前記光源又は白色光源から照射されて前記培養室内にある細胞で拡散反射を起こした光を分光してスペクトルを取得する分光器と、
    前記分光器で取得したスペクトルから細胞の状態を評価する制御手段と、
    を具備し、
    前記制御手段による前記評価に基づき、前記光源と、前記培養室内の酸素濃度を制御することを特徴とする細胞培養装置。
  2. 前記光源から照射される光の波長が400〜2500nmの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  3. 前記隔板は断熱性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞培養装置 。
  4. 前記光源を冷却するための冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の細胞培養装置。
  5. 前記光源の放射照度を5W/cm2 以下の範囲内で制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の細胞培養装置。
  6. 前記光源の制御を、前記光源が光を照射する時間または光を照射する位置の少なくとも何れか一方について行うことを特徴とする請求項に記載の細胞培養装置。
  7. 前記培養室内の気体、前記培養室内に配置された前記容器、前記培養室内に配置された前記容器に収納された細胞の少なくとも一つの温度を測定する温度測定手段と、
    前記培養室内に設けられた温度調節手段と、
    前記温度測定手段の測定結果に応じて前記温度調節手段を制御して前記温度が37℃となるように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の細胞培養装置。
  8. 前記培養室内の酸素濃度を検知する酸素センサと、
    前記培養室に接続されて前記培養室に酸素を供給する酸素供給手段と、
    前記酸素センサの検知結果に応じて前記酸素供給手段を制御することにより前記培養室内の酸素濃度を大気中の酸素濃度と実質的に同程度となるように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の細胞培養装置。
  9. 細胞の三次元構造体を製造する三次元細胞培養を行なうための細胞培養装置の培養室に設けられ、光源から光が照射される細胞を収容するための細胞培養容器であって、
    前記光源に近い側に開口部が設けられ前記光源に向けて径が拡がる形状の収容部と、前記光源と対面する表面に反射防止膜が設けられ前記開口部を閉止する光透過性の蓋部とを有することを特徴とする細胞培養容器。
  10. 細胞の三次元構造体を製造する三次元細胞培養を行なうための細胞培養装置であって、
    内面が光学反射する特性を有している培養室と、
    前記培養室に光を照射する光源と、
    前記光源と前記培養室の間に設けられた光透過性の隔板と、
    前記光源に近い側に開口部が設けられ光源に向けて径が拡がる形状の収容部と、前記光源と対面する表面に反射防止膜が設けられ前記開口部を閉止する光透過性の蓋部とを有し、細胞を収容して前記培養室に設けられる細胞培養容器と、
    前記光源又は白色光源から照射されて前記培養室内にある細胞で拡散反射を起こした光を分光してスペクトルを取得する分光器と、
    前記分光器で取得したスペクトルから細胞の状態を評価する制御手段と、
    を具備し、
    前記制御手段による前記評価に基づき、前記光源と、前記培養室内の酸素濃度を制御することを特徴とする細胞培養装置。
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