本発明は、左右一対の支柱と、前記支柱間に、所要間隔おきに横架された複数の踏板と、前記支柱の上端部に横架された天板と、前記支柱にそれぞれ取り付けられた手摺と、を備えたトラック昇降ステップであって、前記天板の一端は、前記支柱の上端部に異なる角度で固定可能な角度固定手段により連結され、前記天板の他端下部には、当該天板をトラックの荷台のあおりに係止する係止手段が設けられ、前記手摺は、前記支柱の上下に配設された軸支部により、前記支柱に対して垂直に起立した状態と平行に折り畳まれた状態とに変位可能に軸支され、前記軸支部には、前記手摺の起立状態を固定するための固定手段が設けられ、前記軸支部にそれぞれ設けられた前記固定手段を連結具で連結し、当該連結具を操作することにより、前記手摺の起立状態の固定を解除可能としたトラック昇降ステップに関するものである。
本発明の実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るトラック昇降ステップの使用状態を示す斜視図である。図2は、本発明に係るトラック昇降ステップの未使用状態を示す斜視図である。図3は、本発明に係るトラック昇降ステップの使用状態を示す左側面図である。図4は、本発明に係るトラック昇降ステップの軸支部及び固定部を示す図である。図5は、本発明に係るトラック昇降ステップの固定部の解除状態を示す図である。図6は、本発明に係るトラック昇降ステップの使用状態を示す正面図である。図7は、本発明に係るトラック昇降ステップの天板の角度調整手段を示す拡大図である。図8は、本発明に係るトラック昇降ステップの天板の使用状態を示す側面図である。図9は、本発明に係るトラック昇降ステップの天板の未使用状態を示す側面図である。図10は、本発明に係るトラック昇降ステップの第1伸縮脚のロック手段を示す側面図である。図11は、本発明に係るトラック昇降ステップの第2伸縮脚のロック手段を示す側面図である。図12は、本発明に係るトラック昇降ステップの未使用状態の保管状態を示す図である。
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係るトラック昇降ステップの構成を説明する。図1〜3に示すように、トラック昇降ステップ1は、左右一対の左支柱2L及び右支柱2Rと、左支柱2L及び右支柱2R間に、所要間隔おきに横架された複数(本実施形態では4個)の踏板3と、左支柱2L及び右支柱2Rの上端部に横架された天板4と、左支柱2L及び右支柱2Rにそれぞれ取り付けられた左手摺5L及び右手摺5Rとにより構成されている。
4個の踏板3は、使用状態において、地面と踏板3の表面が水平状態になるように、左支柱2L及び右支柱2Rの間に所要間隔をおいて横架されている。踏板3は矩形板状の形状としており、表面から下面に複数の貫通孔を有している。この貫通孔により、例えば、雨天時において踏板3の表面に雨水は滞留するのを防止して、踏板3を昇降する作業者が足を滑らすことがないようにしている。また、踏板3の一端(図3における左端)には、所定角度の傾斜面3aが形成され、この傾斜面3aを下にして、未使用状態のトラック昇降ステップ1を保管場所の床面に置いた場合に、左支柱2L及び右支柱2Rが床面と水平状態になるようにしている。
左支柱2L及び右支柱2Rに取付けられた左手摺5L及び右手摺5Rは、二本の手摺支柱部52、52と、手摺支柱部52、52の上部に溶接された左側面視で略楕円状の手摺本体部51とにより構成される。手摺本体部51及び二本の手摺支柱部52、52の形状は略円柱状に形成されている。なお、この左手摺5L及び右手摺5Rの形状は、作業者が手摺として把持し易い形状であれば特に限定されるものではない。手摺本体部51の上部51aは、作業者がトラック昇降ステップ1を昇降する際に、天板4上で持ち手として機能するように一部水平に形成されている。
左右一対の左支柱2L及び右支柱2Rは、角柱又は円柱状に形成されており、内部に空間を有することで軽量化を図っている。左支柱2L及び右支柱2Rの所定の位置には、左手摺5L及び右手摺5Rを、使用状態と未使用状態とに変位可能に軸支する上下一対の軸支部である上軸支部6Uと下軸支部6Lがそれぞれ上下に所定間隔を開けて配設されている。この上軸支部6Uと下軸支部6Lには、それぞれ手摺支柱部52、52の下部が軸支されており、左手摺5L及び右手摺5Rを使用状態(左支柱2L及び右支柱2Rに対して垂直に起立した状態)又は未使用状態(左支柱2L及び右支柱2Rに対して平行に折り畳まれた状態)に変位可能としている。
上軸支部6Uと下軸支部6Lには、左手摺5L及び右手摺5Rを使用状態で固定するための固定手段としての固定部90(図4参照)がそれぞれ設けられている。なお、上軸支部6U及び下軸支部6Lと、この上軸支部6U及び下軸支部6Lにそれぞれ設けられた固定部90の構成については、詳細は後述する。さらに、図5に示すように、上軸支部6Uの固定部90と下軸支部6Lの固定部90とは連結具7で連結されている。
天板4の一端と左支柱2L及び右支柱2Rの上端部との連結部には、トラック昇降ステップ1の使用状態と未使用状態とにおいて、天板4の一端と左支柱2L及び右支柱2Rとの上端部を異なる角度で固定可能な角度固定手段である角度固定部80が設けられている。なお、この角度固定部80の構成については、詳細は後述する。天板4の先端下部には、使用状態においてトラックの荷台のあおりに天板4を係止する係止手段としてのフック41がU字状に下方に突設して設けられている。このフック41は、天板4の先端下部の両側端に左右一対で設けられている。また、フック41は、トラック荷台のあおりに係止した際にあおりを傷つけることがないように樹脂コーティングが施されている。また、天板4は、矩形板状の形状としており、表面から下面に複数の貫通孔を有している。この貫通孔により、例えば、雨天時において天板4の表面に雨水は滞留するのを防止して、天板4を昇降する作業者が足を滑らすことがないようにしている。
左支柱2L及び右支柱2Rの下部には、それぞれ左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rが、下方に伸縮可能なように入れ子状に摺嵌されている。さらに、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの内部には、下方に伸縮可能なようにそれぞれ左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rが入れ子状に摺嵌されている。上述したように、左支柱2L及び右支柱2Rは、内部空間を有する角柱状(又は円柱状)に形成されているため、内部に左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rをそれぞれ入れ子状に摺嵌することできる。また同様に、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rも内部空間を有する角柱状(又は円柱状)に形成することで、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rをそれぞれ入れ子状に摺嵌することを可能としている。
左支柱2L及び右支柱2Rの下部には、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの伸縮を固定する第1ロック部70が配設されている。左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下部には、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの伸縮を固定する第2ロック部30が配設されている。
上述した構成のトラック昇降ステップ1は、図1に示すように、トラック昇降ステップ1の使用状態においては、天板4の角度を、天板4の下方に横架された複数の踏板3と同じ角度(つまり、水平)に固定することで、天板4を階段の最上段として使用することができるようにしている。さらに、天板4は踏板3よりも幅広としており、例えば、天板4上において、作業者がトラックの荷台の積み込まれた荷物のロープによる固定作業等を容易に行えるようにしている。
また、左手摺5L及び右手摺5Rは、上軸支部6Uと下軸支部6Lのそれぞれ設けられた固定部90(図4参照)により、左支柱2L及び右支柱2Rに対して使用状態である垂直に起立した状態で固定される。
一方、図2に示すように、トラック昇降ステップ1の未使用状態(以下、保管状態ともいう)では、天板4の角度を、左支柱2L及び右支柱2Rの上端に延長するように同一直線状となる角度に固定し、さらに、左手摺5L及び右手摺5Rは、左支柱2L及び右支柱2Rに対して平行に折り畳まれた状態とする。このように、天板4や左手摺5L及び右手摺5Rを未使用状態に変位することで、例えば、未使用状態の複数のトラック昇降ステップ1を重ね置きして保管することができ、保管スペースを最低限に省スペース化することを可能としている。
上述したトラック昇降ステップ1を構成する各種部材は、改良な耐食アルミニウム合金材及びSUS材が主材として好適に使用されており、一部電気亜鉛メッキが施された鋼材等が好適に使用される。なお、上述してきたトラック昇降ステップ1を構成する各種部材の形状や素材は、本実施形態に限定されるものではなく、強度や耐久性及び軽量化を備えた形状や素材であればよい。
以下、図4及び図5を参照して、左支柱2L及び右支柱2Rに配設された上軸支部6U及び下軸支部6Lと、この上軸支部6U及び下軸支部6Lにそれぞれ設けられた固定部90の構成について説明する。なお、上軸支部6Uと下軸支部6Lとでは、固定部90の配設位置が異なるだけで、他の構成は同様なため、以下の説明では、左支柱2Lに設けられた上軸支部6Uについて説明し、下軸支部6Lの構成については説明を省略する。
図4に示すように、上軸支部6Uは、左支柱の2Lの側面に直交して配設された左右一対の左ブラケット62L及び右ブラケット62Rの間に、手摺支柱部52の下部に設けられた軸支穴52aを軸支ピン61が貫通することにより手摺支柱部52を軸支している。右ブラケット62Rの略中央部には、上述した左手摺5Lを起立状態で固定する固定部90が設けられている。
固定部90は、右ブラケット62Rの外側面に配設されたロックピン取付部91と、ロックピン取付部91の内部を貫通して進退自在に設けられたロックピン92と、ロックピン92の一端92aを左ブラケット62L及び右ブラケット62Rの内部側に付勢するコイルバネ93と、ロックピン92の多端に連結されたリング94とで構成される。
ロックピン92は、コイルバネ93の付勢により、一端92aを左ブラケット62L及び右ブラケット62Rの内部に突出させ、手摺支柱部52の下端近傍に設けられた固定孔52bと嵌合して、軸支ピン61で軸支された手摺支柱部52の左支柱2L及び右支柱2Rの上面への回転を規制(つまり、固定)する。リング94としては、強度を増すため二重リングが好適に用いられる。このリング94には連結具7の一端が連結されている。
図5に示すように、固定部90は、下軸支部6Lにおいては、左ブラケット62Lの略中央部に設けられおり、連結具7の多端は、下軸支部6Lに設けられた固定部90のリング94に連結されている。連結具7としてはビニールコーティングされた鋼線が好適に用いられる。
連結具7の略中央部を作業者が操作(具体的には、任意の方向に引っ張る)すると、上軸支部6Uに設けられた固定部90のロックピン92は、リング94を介して下方(図中では右)方向に引っ張られ、下軸支部6Lに設けられた固定部90のロックピン92は、リング94を介して上方(図中では左)方向に引っ張られる。これにより、ロックピン92の一端92aと手摺支柱部52の下端近傍に設けられた固定孔52bとの嵌合が外れることにより、軸支ピン61で軸支された手摺支柱部52の左支柱2L及び右支柱2Rの上面への回転が解除(つまり、固定解除)されることになる。
上述してきたように、本実施形態においては、上軸支部6U及び下軸支部6Lにそれぞれ設けられた固定部90による左手摺5L及び右手摺5Rの固定を、連結具7を作業者が片手で操作(つまり、任意の方向に連結具7の略中央部を引っ張る)することにより解除することができる。これにより、作業者が片手で連結具を操作するだけで、使用状態(起立状態)から未使用状態(折り畳み状態)へと、左手摺5L及び右手摺5Rの姿勢を容易に変更することが可能となる。
以下、図6〜9を参照して、上述した角度固定部80の構成について説明する。角度固定部80は、左支柱2L及び右支柱2Rの上端に左右対称に設けられており、天板4の一端の左右側面と左支柱2L及び右支柱2Rの上端とを、それぞれ異なる角度で固定可能なように軸支する軸支ピン86と、L型棒状のストッパーピン81と、ストッパーピン81の先端81aを左支柱2L及び右支柱2R側に付勢するコイルスプリング82と、天板4の固定角度を選択可能な半円状のプレート83により構成されている。また、プレート83には、二つの角度位置決め孔84、85が設けられている。
角度固定部80による天板4の一端と左支柱2L及び右支柱2Rの上端との固定を解除する場合は、左右のストッパーピン81の短部81bをコイルスプリング82の付勢力以上の力で、作業者が片手で把持して左右のストッパーピン81を中央に移動させることで、ストッパーピン81の先端81aが左支柱2L及び右支柱2Rに設けられた固定孔2aから外れる。
図8に示すように、天板4を使用状態で固定する場合は、角度固定部80による天板4の固定を解除した後に、天板4を角度固定部80のプレート83の角度位置決め孔84に、ストッパーピン81の先端81aが嵌合するまで回動させる。これにより、ストッパーピン81の先端81aがプレート83の角度位置決め孔84を介して左支柱2L及び右支柱2Rに設けられた固定孔2aに、コイルスプリング82の付勢により嵌合し、天板4は、下部に横架された踏板3と同じ角度(つまり、水平に)で固定されることになる。これにより、天板4を階段の最上段として使用することができ、作業者はトラック昇降ステップ1を昇降することができる。
図9に示すように、天板4を未使用状態で固定する場合は、角度固定部80による天板4の固定を解除した後に、天板4を角度固定部80のプレート83の角度位置決め孔85に、ストッパーピン81の先端81aが嵌合するまで回動させる。これにより、ストッパーピン81の先端81aがプレート83の角度位置決め孔85を介して左支柱2L及び右支柱2Rに設けられた固定孔2aに、コイルスプリング82の付勢により嵌合し、天板4は、左支柱2L及び右支柱2Rの上端に延長するように同一直線状となる角度に固定されることになる。これにより、未使用状態の複数のトラック昇降ステップ1を重ねて保管することができる。
以下、図10を参照して、上述した左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの伸縮を固定する第1ロック部70の構成について説明する。第1ロック部70は、左支柱2L及び右支柱2Rの下端近傍に設けられている。第1ロック部70は、台座74の上部に設けたロック解除部71と、台座74の内部に進退自在に設けられた係止ピン72と、係止ピン72の先端72aを左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rに設けられた係止穴21aに付勢するために、係止ピン72の外周に設けられたコイルスプリング73と、により構成されている。
第1ロック部70による左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの伸縮の固定を解除する場合は、ロック解除部71を外側から持ち上げて略90度回転させて固定することで、コイルスプリング73の付勢力に反して係止ピン72が持ち上がり、係止ピン72の先端72aと左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rに設けられた係止穴21aとの嵌合が解除される。これにより、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rが、左支柱2L及び右支柱2Rの下端において伸縮自在となる。また、係止穴21aは、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの上端近傍及び下端近傍の2か所に設けられている。
左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rに2か所設けられたいずれかの係止穴21aに、係止ピン72の先端72aが嵌合するように左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rを伸縮させた後、ロック解除部71の略90度回転を元に戻すことで、係止ピン72の先端72aは、コイルスプリング73の付勢により、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rに設けられた2か所の係止穴21aとのいずれかに嵌合し、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの伸縮が固定される。
上記構成により、左支柱2L及び右支柱2Rの下部に入れ子状に摺嵌された左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rは、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの上端近傍及び下端近傍の2か所に設けられている係止穴21aのいずれかで固定されることになる。これにより、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの上端近傍に設けられた係止穴21aに第1ロック部70の係止ピン72の先端72aを嵌合させて固定した場合は、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rは最長な状態で固定されることになる。一方、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下端近傍に設けられた係止穴21aに第1ロック部70の係止ピン72の先端72aを嵌合させて固定した場合は、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rは最縮な状態で固定されることになる。この構成により、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rは、左支柱2L及び右支柱2Rの下部において、固定長で伸縮自在としている。
以下、図11を参照して、上述した左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの伸縮を固定する第2ロック部30の構成について説明する。第2ロック部30は、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下端近傍に設けられている。第2ロック部30は、略台形状の台座34の傾斜部に設けたスライド部33と、台座34の内部に斜めにスライド自在に設けられた3個の固定ピン31と、3個の固定ピン31を左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rに設けられた多数の係止穴22aに付勢するために、スライド部33の下端と台座34の底部35との間に設けられたコイルスプリング32と、により構成されている。
第2ロック部30による左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの伸縮の固定を解除する場合は、スライド部33を下方にスライドさせることで、コイルスプリング32の付勢力に反して、3個の固定ピン31と多数の係止穴22aとの嵌合が解除される。これにより、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rは、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下端において伸縮自在となる。また、係止穴22aは、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの側面に等間隔(例えば、20mm)で多数設けられている。
第2ロック部30においては、作業者がスライド部33を下方にスライドさせている状態において、固定ピン31と係止穴22aとの嵌合が解除されて、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rは伸縮自在であり、作業者によるスライド部33を下方にスライドさせる操作が解除されると、コイルスプリング32の付勢により固定ピン31と係止穴22aとが嵌合し、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの伸縮は固定されることになる。
上記構成により、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下部に入れ子状に摺嵌された左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rは、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの側面に多数形成された係止穴22aの範囲内であれば、作業者が望む任意の位置で伸縮自在としている。
上述してきた構成により、トラック昇降ステップ1の高さを、以下の3段階で伸縮可能としている。つまり、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rを左支柱2L及び右支柱2Rの下部に収納した状態、かつ、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rを左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下部に収納した状態では、トラック昇降ステップ1の高さの最縮状態(第1段階)となる。また、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rのみを左支柱2L及び右支柱2Rの下部から伸長した状態では、トラック昇降ステップ1の高さの中間状態(第2段階)となる。また、左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rを左支柱2L及び右支柱2Rの下部から伸長した状態、かつ、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rを左第1伸縮脚21L及び右第1伸縮脚21Rの下部から最大限に伸長した状態では、トラック昇降ステップ1の高さの最長状態(第3段階)となる。
このため、本発明のトラック昇降ステップ1は、荷台の高さの異なる複数の車種のトラックの荷台に対応することが可能となる。特に、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rは、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの側面に多数形成された係止穴22aの範囲内(左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの長さと略同じ)であれば、作業者が望む任意の位置で伸縮自在としているため、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの伸縮可能な長さの範囲内で、荷台の高さが異なる複数の車種のトラックに対応することができるとともに、トラック昇降ステップを使用する場所の地面の段差等にも対応することができる。
また、左支柱2L及び右支柱2Rの下端部(具体的には、左第2伸縮脚22L及び右第2伸縮脚22Rの下端部)には、滑り止めのゴムで外周を被覆した車輪状の端具8が回胴不能に固設されている。このため、地面の形状(凹凸)や状態(例えば、濡れた地面で滑り易い等)に応じて、トラック昇降ステップ1を安全に立て掛けることができる。
また、上述したように、踏板3の一端には所定角度の傾斜面3aが形成されている。図12に示すように、この踏板3の傾斜面3aを下方として、未使用状態のトラック昇降ステップ1を保管場所の床面10に置くと、床面10と左支柱2L及び右支柱2R、また、その上部に折り畳まれた左手摺5L及び右手摺5Rとが水平状態になる。これにより、未使用状態のトラック昇降ステップ1を重ねて保管することができ、保管場所の省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態におけるトラック昇降ステップ1は、未使用状態において、左支柱2L及び右支柱2Rの上部に、左手摺5Lと右手摺5Rとが水平に重畳するように折り畳めるようにしている。このため、左支柱2Lに配設される上軸支部6Uと下軸支部6Lと右支柱2Rに配設される上軸支部6Uと下軸支部6Lとの高さに、左手摺5L及び右手摺5Rの太さ分の高低を設け、その高低を手摺支柱部52の長さで調節している。これにより、未使用状態では、上軸支部6Uと下軸支部6Lを低い位置に設けた方の手摺から折り畳むことにより、左手摺5Lと右手摺5Rとが水平に重畳するように折り畳める。また、使用状態では、左支柱2L及び右支柱2Rにそれぞれ垂直に立設される左手摺5Lと右手摺5Rと高さを同じ高さにすることができる。
また、トラック昇降ステップ1の未使用状態において、左支柱2L及び右支柱2Rの上部に折り畳まれた左手摺5Lと右手摺5Rとを締結バンド等で固定するようにしてもよい。このように、左支柱2L及び右支柱2Rを締結バンドで固定することにより、折り畳まれた状態で固定されていない左支柱2L及び右支柱2Rのどちらか一方を作業者が持ち上げた場合でも、トラック昇降ステップ1全体を持ち上げることができる。
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。