以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る徘徊検出システム1を構成する装置が介護施設SS(特許請求の範囲の「施設」に相当)に設けられた様子の一例を模式的に示す図である。本実施形態に係る介護施設SSは、介護を受ける被介護者(特許請求の範囲の「施設利用者」に相当)が入居し、介護を行うスタッフにより介護を受ける施設である。図1では、介護施設SSにおける1つのフロアーを示している。本実施形態において、被介護者には、認知症等の認知障害を有る者が含まれている。認知障害を有する被介護者は、その認知障害に由来して徘徊する可能性がある。後述するように、本実施形態に係る徘徊検出システム1は、被介護者の徘徊を検出する機能を有する。
なお、本実施形態では、徘徊検出システム1が適用される施設を介護施設SSとして実施形態を説明するが、徘徊検出システム1が適用される施設は、介護施設SSに限らず、病院の病棟や、老人ホーム等、施設利用者が徘徊する可能性があり、施設利用者の徘徊を検出することが求められる施設に適用可能である。
図1に示すように、本実施形態に係る介護施設SSのフロアーには、被介護者が入居可能な入居室RMが、複数、設けられている。入居室RMのそれぞれには、ベッドBDが設けられ、入居する被介護者は、ベッドBDで睡眠をとることができる。入居室RMのそれぞれには、部屋番号が割り振られている。本実施形態では、入居室RMは、1人の被介護者が入居可能なタイプの部屋であるが、ベッドBDが複数設けられ、複数の被介護者が入居可能なタイプの部屋であってもよい。
図1に示すように、本実施形態に係る介護施設SSのフロアーには、スタッフ業務室SRが設けられており、このスタッフ業務室SRの出入口には、業務室ドアSDが設けられている。スタッフ業務室SRは、スタッフが各種業務を行うための部屋であり、業務の遂行に必要な各種部材(個人端末や、机、被介護者の介護に供する道具)が設置され、また準備されている。このスタッフ業務室SRには、制御装置2が設けられている。制御装置2は、画像を表示するディスプレイ3およびスタッフ業務室SR内に音声を放音するスピーカー4と接続されたコンピューターであり、後述する第1無線受信機5、第2無線受信機6、第1撮影装置7および第2撮影装置8とLANを介して通信可能に接続されている。制御装置2の機能的構成および処理については後述する。また、本実施形態では、スタッフ業務室SRにおいて、被介護者の入所手続きが行われる。入所手続きについては、後述する。
また、図1に示すように、介護施設SSのフロアーには、エレベーターホールEVが設けられており、このエレベーターホールEVの出入口には、エレベータードアBRが設けられている。本実施形態では、被介護者がエレベータードアBRを介してエレベーターに乗った場合に、被介護者が徘徊している可能性があるものとされている。従って、被介護者がエレベータードアBRの近辺に位置した場合、そのことを検出し、スタッフがそのことを認識できるようにすることが求められる。なお、本実施形態では、介護施設SSのフロアーを説明の便宜を考慮して非常に単純化している。通常は、エレベーターホールEVの出入口以外にも、フロアーから出ることが可能な出入口が存在している。この場合、出入口のそれぞれに、後述する第2無線受信機6および第2撮影装置8が設けられる。
図1に示すように、業務室ドアSDのスタッフ業務室SRに面した側には、業務室ゲートSGが設けられている。スタッフ業務室SRに滞在する者が、スタッフ業務室SRを退室する場合、業務室ゲートSGに近づき、このゲートを通って廊下RKに出る必要がある。業務室ゲートSGには、第1無線受信機5が設けられている。第1無線受信機5は、被介護者が携帯するパッシブ型の非接触ICタグである無線発信機9(後述)と、所定の無線通信規格に従って無線通信可能な装置である。無線発信機9と第1無線受信機5との間で行われる無線通信について簡単に説明すると、第1無線受信機5は、所定周波数の搬送波に重畳して検出信号を継続して送信する。この検出信号を受信可能な位置に無線発信機9が位置している場合、無線発信機9は、非接触型ICタグが有するアンテナに誘起される電力によってICを駆動し、ICのメモリーに記憶された被介護者ID(特許請求の範囲の「識別情報」に相当。詳細は後述)を送信する。第1無線受信機5は、無線発信機9が送信した被介護者IDを受信する。
図1において、符号Q1は、第1無線受信機5と無線発信機9との間で通信が可能な範囲を示している。範囲Q1は、無線発信機9を携帯する被介護者がスタッフ業務室SRを退室するために業務室ゲートSGを通るときに、被介護者に携帯された無線発信機9が必ず範囲Q1内を通るような範囲に設定されている。従って、無線発信機9を携帯する被介護者がスタッフ業務室SRを退室する場合、第1無線受信機5と無線発信機9との間で無線通信が行われ、無線発信機9による被介護者IDの送信および第1無線受信機5による被介護者IDの受信が行われる。
また、業務室ゲートSGには、第1撮影装置7が設けられている。第1撮影装置7は、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー等の撮像素子を有するデジタルカメラである。本実施形態に係る第1撮影装置7は、スタッフ業務室SRに対する人間の出入りにかかわらず、継続して撮影動作を実行し、撮影動作の実行中、所定周期で撮影を実行すると共に、所定周期で撮影結果に基づく画像データである撮影画像を生成する。第1撮影装置7は、以下の位置に設けられている。すなわち、第1撮影装置7は、被介護者がスタッフ業務室SRから退室する際に第1無線受信機5が無線発信機9から被介護者IDを受信したときに、被介護者IDの送信元の無線発信機9を携帯する被介護者の顔を含む領域を撮影可能な位置および向きに設けられている。従って、無線発信機9を携帯する被介護者がスタッフ業務室SRから退出する際に、第1無線受信機5が被介護者IDを受信したタイミングで第1撮影装置7により生成された撮影画像には、その被介護者の顔の画像(以下、撮影画像に含まれる人間の顔の画像を総称して「顔画像」という)が含まれている。
図1に示すように、エレベータードアBRの廊下RKに面した側には、エレベーターゲートEGが設けられている。エレベータードアBRを介してエレベーターに乗る者は、エレベーターゲートEGに近づき、このゲートを通ってエレベーターに乗る必要がある。エレベーターゲートEGには、第2無線受信機6が設けられている。第2無線受信機6自体の機能は、上述した第1無線受信機5自体の機能と同一である。符号Q2は、第2無線受信機6と無線発信機9との間で通信が可能な範囲を示している。範囲Q2は、無線発信機9を携帯する被介護者がエレベーターに乗ろうとしてエレベータードアBRに近づいた場合に、被介護者に携帯された無線発信機9が必ず範囲Q2内を通るような範囲に設定されている。従って、無線発信機9を携帯する被介護者がエレベーターに乗ろうとしてエレベータードアBRに近づいた場合、第2無線受信機6と無線発信機9との間で無線通信が行われ、無線発信機9による被介護者IDの送信および第2無線受信機6による被介護者IDの受信が行われる。
また、エレベーターゲートEGには、第2撮影装置8が設けられている。第2撮影装置8自体の機能は、上述した第1撮影装置7自体の機能と同一である。第2撮影装置8は、以下の位置に設けられている。すなわち、第2撮影装置8は、被介護者がエレベーターに乗ろうとしてエレベータードアBRに近づいた場合に、被介護者の顔を含む領域を撮影可能な位置および向きに設けられている。従って、被介護者が無線発信機9を携帯しているか否かにかかわらず、被介護者がエレベーターに乗ろうとしてエレベータードアBRに近づいた場合、いずれかのタイミングで第2撮影装置8によりその被介護者の顔が撮影され、その被介護者に係る顔画像を含む撮影画像が生成されることになる。
図2は、本実施形態に係る徘徊検出システム1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る徘徊検出システム1は、制御装置2、ディスプレイ3、スピーカー4、第1無線受信機5、第2無線受信機6、第1撮影装置7、第2撮影装置8、無線発信機9を備えて構成されている。ここで、制御装置2は、機能構成として、第1識別情報取得部10、第1撮影画像取得部11、顔認識用情報生成部12、情報登録部13、第2撮影画像取得部14、徘徊検出部15、第2識別情報取得部16および報知部17を備えている。上記各機能ブロック10〜17は、ハードウェア構成、DSP、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えばソフトウェアによって実現する場合、上記各機能ブロック10〜17は、実際にはコンピューターのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。また、本実施形態に係る制御装置2は、記憶手段として、記憶部18を備えている。記憶部18は、不揮発性メモリーを備え、各種データを不揮発的に記憶する。
以下、制御装置2の処理について、介護施設SSに入居する被介護者の顔認識用情報(後述)が、被介護者IDと対応付けて記憶されるまでの「登録処理」と、顔認識用情報が被介護者IDと対応付けて記憶された後、この顔認識用情報を利用して被介護者の徘徊を検出する「徘徊検出処理」とに分けて説明する。
<登録処理>
まず、登録処理について説明する。介護施設SSに入居し、入居室RMが割り当てられた被介護者については、まず、スタッフ業務室SRで入所手続きが行われる。入所手続きでは、被介護者(家族等の付添人を伴っていてもよい)との間で入居のための必要な手続きが行われると共に、無線発信機9が取り付けられた装着部材が被介護者に装着される。装着部材は、快適性を損なわずに被介護者に装着可能な部材であり、例えば、腕に装着される腕輪型の部材である。この装着部材は、被介護者が介護施設SSにいる間、基本的に、被介護者により装着されることが求められており、入所手続きにおいてその説明がなされると共に、取り外しが難しい構造とされている。しかしながら、被介護者が認知障害を有している場合には、被介護者自身が装着部材を取り外してしまうことがある。本実施形態では、被介護者に装着部材が装着されていることを、被介護者が無線発信機9を携帯している、と表現している場合がある。
上述したように、無線発信機9のメモリーには、被介護者IDが記憶されている。一の被介護者には、当該一の被介護者に割り振られた被介護者IDがメモリーに記憶された無線発信機9(装着部材)が引き渡される。従って、被介護者が携帯する無線発信機9には、その被介護者の被介護者IDが記憶されている。なお、無線発信機9固有のIDを被介護者IDとして利用することもできる。
入所手続きにより被介護者に装着部材が装着された後、被介護者は、スタッフの誘導の下、業務室ゲートSGを通ってスタッフ業務室SRから廊下RKに出て、その被介護者に割り当てられた入居室RMに移動する。被介護者が業務室ゲートSGを通る際、上述したように、第1無線受信機5と被介護者が携帯する無線発信機9との間で無線通信が行われ、第1無線受信機5は、無線発信機9が送信した被介護者IDを受信する。第1無線受信機5は、被介護者IDを受信した場合、受信した被介護者IDを制御装置2に送信する。
第1識別情報取得部10は、第1無線受信機5が送信した被介護者IDを受信し、取得する。第1識別情報取得部10は、被介護者IDの取得に応じて、取得した被介護者IDを情報登録部13に出力すると共に、被介護者IDを取得したことを第1撮影画像取得部11に通知する。
第1撮影画像取得部11は、第1識別情報取得部10から上記通知を受けた場合、その通知を受けたタイミング(=第1無線受信機5により被介護者IDが受信されたタイミング)で、第1撮影装置7が生成した撮影画像を取得する。以下、第1撮影装置7が生成する撮影画像を特に「第1撮影画像」という。以下、第1撮影画像取得部11の処理について詳述する。本実施形態では、第1撮影装置7は、撮影動作中、所定の周期で生成する第1撮影画像を所定の周期で制御装置2に送信する。第1撮影画像取得部11は、所定の周期で第1撮影装置7が送信する第1撮影画像を受信する。
そして、第1撮影画像取得部11は、第1識別情報取得部10から上記通知を受けた場合、その通知を受けたタイミングで第1撮影装置7から受信した第1撮影画像を、当該タイミングで第1撮影装置7が生成した第1撮影画像として取得する。当該タイミングは、第1無線受信機5が、被介護者が携帯する無線発信機9から被介護者IDを受信したタイミングであり、上述したように、第1撮影画像取得部11が取得する第1撮影画像には、被介護者の顔画像が含まれている。なお、入所手続きが終わった後、被介護者が業務室ゲートSGを通る際に、被介護者を入居室RMに誘導するスタッフは、第1撮影装置7の撮影範囲にいないようにすることがルール化されており、本実施形態では、第1撮影画像取得部11が取得する第1撮影画像には、スタッフの顔画像は含まれていない。
なお、第1撮影装置7が継続して撮影動作を行うのではなく、第1撮影画像取得部11が、第1識別情報取得部10から上記通知を受けたときに、第1撮影装置7を制御して第1撮影装置7に撮影を実行させ、撮影結果に基づく撮影画像を取得する構成でもよい。また、被介護者を入居室RMに誘導するスタッフが第1撮影装置7の撮影範囲内にいないようにすることをルール化せず、予め情報登録部13にスタッフの顔画像情報を登録しておき、スタッフの顔画像情報と同じ顔画像情報を対象外とするようにしても良い。
第1撮影画像取得部11は、取得した第1撮影画像を、顔認識用情報生成部12に出力する。
顔認識用情報生成部12は、第1撮影画像取得部11から第1撮影画像を入力する。次いで、顔認識用情報生成部12は、入力した第1撮影画像に基づいて顔認識データを生成する。以下、顔認識用情報生成部12の処理について詳述する。まず、顔認識用情報生成部12は、第1撮影画像を分析し、第1撮影画像に含まれる顔画像(=入所手続きを終えた被介護者に係る顔画像)を特定する。顔画像の特定は、既存の顔検出に係る技術により適切に行われる。次いで、顔認識用情報生成部12は、特定した顔画像を分析し、顔画像が示す顔の特徴に関する特徴情報(例えば、複数の特徴点の相対的な位置関係や、特徴点間の相対的な距離を数値によって示す情報)を含む顔認識データ(特許請求の範囲の「顔認識用情報」に相当)を生成する。この顔認識データは、顔認識に際して、顔認識の対象の撮影画像に含まれる顔画像の特徴情報と比較されるテンプレートデータであり、顔認識用情報生成部12は、既存の技術を利用して適切に顔認識データを生成する。
顔認識用情報生成部12は、生成した顔認識データを情報登録部13に出力する。
なお、顔認識用情報生成部12が第1撮影画像から顔画像を検出できない場合もある。例えば、第1撮影装置7により被介護者の顔が正常に撮影されていない場合や、被介護者がスタッフ業務室から退出しているのではなく入室している場合である。このような場合は、顔認識用情報生成部12は、ディスプレイ3に顔画像の検出が正常にできなかった旨の情報を表示させる。これにより、スタッフは、顔画像の検出が正常に行われなかったことを認識でき、当該認識に基づいて対応する処置を行うことができる。例えば、スタッフは、入所手続き後に被介護者が業務室ゲートSGを通るシーンでは、再度、被介護者に業務室ゲートSGを通ってもらうという処置を行う。また例えば、スタッフは、被介護者がスタッフ業務室SRに入室するシーン等、顔画像の検出が正常に行われなくても問題がない状況では、そのまま放置する。顔認識用情報生成部12は、第1撮影画像から顔画像を検出できなかった場合は、顔認識データに代えて、顔画像を検出できなかったことを示す検出失敗情報を情報登録部13に出力する。
なお、顔認識用情報生成部12が、第1撮影画像から顔画像を検出できない場合、第1識別情報取得部10が取得した被介護者IDを取得すると共に、記憶部18の被介護者管理データベース18a(後述)を参照し、取得した被介護者IDと顔認識データとが既に記憶部18に記憶された状態の場合は、ディスプレイ3に顔画像の検出が正常にできなかった旨の情報を表示しない構成でもよい。また、顔認識用情報生成部12は、第1識別情報取得部10が被介護者IDを取得したときに、その被介護者IDに対応する介護者がスタッフ業務室SRに入室しようとしているのか退出しようとしているのかを判定し、入室しようとしている場合には、顔画像の検出に係る処理を行わず、検出失敗情報を情報登録部13に出力する構成でもよい。
情報登録部13は、第1識別情報取得部10から被介護者IDを入力すると共に、顔認識用情報生成部12から顔認識データを入力する。情報登録部13は、入力した被介護者IDと、入力した顔認識データとを対応付けて記憶部18に記憶させる。以下、情報登録部13の処理について詳述する。
なお、情報登録部13は、顔認識用情報生成部12から顔認識データではなく、検出失敗情報を入力した場合は、第1識別情報取得部10から入力した被介護者IDを破棄し、以下の処理を実行しない。以下では、顔認識用情報生成部12から顔認識データを入力した場合の情報登録部13の処理を説明する。
ここで、記憶部18は、被介護者管理データベース18aを記憶している。図3は、被介護者管理データベース18aの1件のレコードの内容を示す図である。被介護者管理データベース18aは、介護施設に入居する被介護者ごとにレコードを有するデータベースであり、図3に示すように、被介護者管理データベース18aの1件のレコードは、キー情報と、被介護者氏名情報と、被介護者部屋番号情報と、被介護者顔認識用情報とを含む。被介護者管理データベース18aには、一の被介護者の入居が決定した場合に、当該一の被介護者についての入所手続きが行われる前の適切なタイミングで、当該一の被介護者に対応するレコードが生成される。
一の被介護者のキー情報の値は、当該一の被介護者に割り振られた被介護者IDである。また、一の被介護者の被介護者氏名情報は、当該一の被介護者の氏名を示す情報である。また、一の被介護者の被介護者部屋番号情報は、当該一の被介護者に割り当てられた入居室RMの部屋番号を示す情報である。被介護者認識用情報については、後述する。被介護者認識用情報の初期値はヌル値である。
情報登録部13は、記憶部18に記憶された被介護者管理データベース18aを参照し、当該データベースが有するレコードのうち、第1識別情報取得部10から入力した被介護者IDと同一の値のキー情報を有するレコードを特定する。そして、情報登録部13は、特定したレコードの被介護者顔認識用情報(ヌル値)を、顔認識用情報生成部12から入力した顔認識データにより更新する。
以上の処理が行われた結果、一の被介護者が入所手続き後に業務室ゲートSGを通った場合、被介護者管理データベース18aのレコードのうち、当該一の被介護者に対応するレコードの被介護者顔認識用情報が、当該一の被介護者の顔に係る特徴情報を含む顔認識データによって更新され、記憶部18において、当該一の被介護者に係る被介護者IDと、当該一の被介護者に係る顔認識データとが対応付けて記憶された状態となる。
このように、本実施形態では、被介護者の入所手続きが終了し、被介護者が業務室ゲートSGを通った場合に、自動で、被介護者管理データベース18a上で被介護者IDと、顔認識データとが対応付けて記憶された状態となる。このため、被介護者IDと顔認識データとを対応付けて記憶部18に記憶するために、スタッフが、自ら撮影に供する機材を利用して被介護者の顔を撮影したり、端末を操作して必要な情報を入力したりして、被介護者IDと、顔認識データとを対応付けて記憶させる、といった作業を行う必要が無い。このため、スタッフが行うべき作業が少なくなり、スタッフが行うべき作業の負担が小さくなる。
また、本実施形態では、第1無線受信機5および第1撮影装置7が、入所手続きが行われるスタッフ業務室SRの出入口に対応する位置に設けられている。上述したように、入所手続きでは、スタッフ同席の下、被介護者に装着部材が装着される。また、入所手続きの後のスタッフ業務室SRからの退室はスタッフの誘導の下行われる。このため、被介護者の介護施設SSへの入居が開始されたタイミングで、確実に、記憶部18における被介護者IDと顔認識データとの対応付けを行うことができる。
以上、顔認識データの記憶部18への記憶が完了していない被介護者を処理対象として情報登録部13が実行する処理について説明した。ここで、被介護者は、スタッフ業務室SRからの退室を、入所手続きが終わった後の1回だけでなく、介護施設SSに入居中、複数回行う場合がある。このような場合、つまり、情報登録部13が被介護者IDと顔認識データとの組み合わせを入力したときに、既に、被介護者IDと対応付けて顔認識データが記憶されている場合(=被介護者顔認識用情報がヌル値ではない場合)に情報登録部13が実行する処理について以下で説明する。
このような場合、情報登録部13は、顔認識用情報生成部12から新たに入力した顔認識データにより、被介護者管理データベース18aの対応するレコードの被介護者顔認識用情報の値を更新する。このような処理が行われた結果、一の被介護者に対応するレコードの被介護者顔認識用情報の値は、当該一の被介護者について情報登録部13が直近で入力した顔認識データとなる。この効果については後述する。
<徘徊検出処理>
次に、徘徊検出処理について説明する。上述したように、第2撮影装置8は、被介護者がエレベーターに乗ろうとしてエレベータードアBRに近づいた場合に、被介護者の顔を含む領域を撮影可能な位置および向きに設けられている。この第2撮影装置8は、継続して撮影動作を行うと共に、撮影動作中、所定周期で撮影領域を撮影し、所定周期で撮影結果に基づく撮影画像を生成する。第2撮影装置8は、所定周期で生成する撮影画像を所定周期で制御装置2に送信する。以下、第2撮影装置8が生成する撮影画像を特に「第2撮影画像」という。
第2撮影画像取得部14は、第2撮影装置8が所定周期で送信する第2撮影画像を受信し、取得する。第2撮影画像取得部14は、所定の周期で取得する第2撮影画像を所定の周期で徘徊検出部15に出力する。
徘徊検出部15は、第2撮影画像取得部14により取得された第2撮影画像を、情報登録部13に登録された被介護者顔認識用情報に基づいて分析し、記憶部18に被介護者IDが登録されている被介護者が、第2撮影装置8により撮影されたか否かを判定する。以下、第2撮影画像取得部14から所定のタイミングで入力した第2撮影画像を処理対象として徘徊検出部15が実行する処理について説明する。
徘徊検出部15は、処理対象の第2撮影画像について、顔検出を行って、第2撮影画像に顔画像が含まれているか否かを判定する。第2撮影画像に顔画像が含まれていないと徘徊検出部15にて判定した場合、徘徊検出部15は、処理対象の第2撮影画像を破棄し、次に第2撮影画像取得部14から入力する第2撮影画像を処理対象とする。
第2撮影画像に顔画像が含まれていると徘徊検出部15にて判定した場合、徘徊検出部15は、第2撮影画像に含まれる顔画像の特徴情報を生成し、生成した特徴情報と、記憶部18が記憶する被介護者管理データベース18aに登録された被介護者顔認識用情報のそれぞれ(=被介護者の顔認識データのそれぞれ)とを比較し、第2撮影画像に含まれる顔画像が示す人物が、被介護者顔認識用情報のいずれかが示す人物(被介護者)と同一人物であるか否かを判定する。同一人物であるか否かの判定は、顔の特徴の近似度を利用した既存の技術により適切に行われる。
第2撮影画像に含まれる顔画像が示す人物が、被介護者管理データベース18aに登録された被介護者顔認識用情報のいずれとも異なる場合、すなわち、第2撮影画像に含まれる顔画像が示す人物が、被介護者顔認識用情報のいずれかが示す人物と同一人物ではないと徘徊検出部15にて判定した場合、徘徊検出部15は、処理対象の第2撮影画像を破棄し、次に第2撮影画像取得部14から入力する第2撮影画像を処理対象とする。一方、第2撮影画像に含まれる顔画像が示す人物が、被介護者管理データベース18aに登録された被介護者顔認識用情報のいずれかが示す人物(被介護者)と同一人物であると徘徊検出部15にて判定した場合、徘徊検出部15は、以下の処理を実行する。すなわち、徘徊検出部15は、被介護者管理データベース18aにおいて、同一人物に係る被介護者顔認識用情報と対応付けて記憶された被介護者IDを報知部17に出力する。被介護者IDの出力後、徘徊検出部15は、処理対象の第2撮影画像を破棄し、次に第2撮影画像取得部14から入力する第2撮影画像を処理対象とする。
なお、一の被介護者IDを出力した後、一定期間の間、徘徊検出部15は、当該一の被介護者IDに対応する被介護者の顔画像が、処理対象の第2撮影画像に含まれていると判定した場合であっても、当該一の被介護者IDの報知部17への出力は行わない。
また、上述したように、第2無線受信機6は、無線発信機9を携帯する被介護者がエレベーターに乗ろうとしてエレベータードアBRに近づいた場合、無線発信機9から被介護者IDを受信する。この第2無線受信機6は、無線発信機9から被介護者IDを受信した場合、制御装置2に送信する。
第2識別情報取得部16は、第2無線受信機6が送信した被介護者IDを受信し、取得する。第2識別情報取得部16は、取得した被介護者IDを報知部17に出力する。
報知部17は、徘徊検出部15が被介護者IDを出力した場合、その被介護者IDを入力し、その被介護者IDの被介護者の徘徊の可能性を報知する。より詳細には、報知部17は、徘徊検出部15から被介護者IDを入力した場合、記憶部18が記憶する被介護者管理データベース18aを参照し、当該データベースにおいて、徘徊検出部15から入力した被介護者IDと対応付けて記憶されている被介護者氏名情報および被介護者部屋番号情報を取得する。そして、報知部17は、スピーカー4を駆動して所定のアラーム音をスタッフ業務室SR内に放音すると共に、ディスプレイ3に所定の態様で被介護者氏名情報および被介護者部屋番号情報を表示する。この結果、スタッフ業務室SRに滞在するスタッフは、被介護者が徘徊している可能性があること、および、その被介護者の氏名と部屋番号とを認識でき、その認識に基づいて対応する処置(例えば、エレベーターホールEVに赴き状況を確認する処置)を取ることができる。
また、報知部17は、第2識別情報取得部16が被介護者IDを出力した場合、その被介護者IDを入力する。そして、報知部17は、第2識別情報取得部16から入力した被介護者IDの被介護者の徘徊の可能性を報知する。報知は、上述した方法で行われる。
ただし、報知部17は、同一の値の被介護者IDについて、徘徊検出部15からの入力と、第2識別情報取得部16からの入力とが一定期間内に連続して行われた場合は、先に入力した被介護者IDに基づく報知のみを実行する。この効果については、後述する。
以上のように、本実施形態に係る制御装置2は、エレベーターホールEVのエレベータードアBRのエレベーターゲートEG(=徘徊していないエリアと、徘徊が認められるエリアとの境界)に、無線発信機9を携帯する被介護者が近づいた場合には、第2無線受信機6からの入力に基づいて、そのことを検出し、徘徊の可能性を報知する。ここで、上述の通り、被介護者は自ら装着部材を取り外してしまうことがある。そして、本実施形態に係る制御装置2は、装着部材を取り外したことにより無線発信機9を携帯しない被介護者がエレベーターゲートEGに近づいた場合には、第2撮影装置8からの入力に基づいて、そのことを検出し、徘徊の可能性を報知する。このため、本実施形態では、無線発信機9を携帯しない被介護者についても、徘徊(徘徊の可能性)を適切に検出することができる。
また、無線発信機9を携帯する被介護者がエレベーターゲートEGに近づいた場合には、同じ被介護者について、徘徊検出部15による徘徊の検出、および、第2識別情報取得部16による被介護者IDの取得の双方が行われることになるが、本実施形態では、報知部17は、徘徊検出部15からの入力と、第2識別情報取得部16からの入力とが一定期間内に連続して行われた場合は、先に入力した被介護者IDに基づく報知のみを実行するため、同じ被介護者について2重に報知が行われることを防止できる。
また、本実施形態では、被介護者管理データベース18aにおいて、一の被介護者に対応するレコードの被介護者顔認識用情報の値は、当該一の被介護者について情報登録部13が直近で入力した顔認識データとなる。ここで、被介護者の容姿は、時間の経過と共に変わっていくものと考えられる。例えば、眼鏡等を装着したり、髪型が変わったり等すると被介護者の容姿は変わっていく。これを踏まえ、上記構成によれば、各被介護者について、徘徊検出部15による顔検出に用いられる顔認識データ(被介護者顔認識用情報)を現時点からできるだけ時間的に近いタイミングで生成されたデータとすることができ、時間の経過と共に被介護者の容姿が変わることに起因した顔検出の精度の低下を抑制することができる。
次に、制御装置2の動作についてフローチャートを用いて説明する。図4のフローチャートFAは、登録処理における制御装置2の動作例を示すフローチャートである。フローチャートFAに示すように、第1識別情報取得部10は、第1無線受信機5が送信した被介護者IDを受信し、取得する(ステップSA1)。上述の通り、第1識別情報取得部10は、被介護者IDの取得に応じて、取得した被介護者IDを情報登録部13に出力すると共に、被介護者IDを取得したことを第1撮影画像取得部11に通知する。
第1撮影画像取得部11は、第1識別情報取得部10から上記通知を受けた場合、その通知を受けたタイミングで、第1撮影装置7が生成した第1撮影画像を取得する(ステップSA2)。上述の通り、第1撮影画像取得部11は、取得した第1撮影画像を、顔認識用情報生成部12に出力する。顔認識用情報生成部12は、第1撮影画像取得部11から入力した第1撮影画像に基づいて顔認識データを生成する(ステップSA3)。上述したように、顔認識用情報生成部12は、生成した顔認識データを情報登録部13に出力する。情報登録部13は、第1識別情報取得部10から入力した被介護者IDと、顔認識用情報生成部12から入力した顔認識データとを対応付けて記憶部18に記憶させる(ステップSA4)。
図5は、徘徊検出処理における制御装置2の動作例を示すフローチャートである。図5のフローチャートFBは、第2撮影画像取得部14および徘徊検出部15の動作例を示している。特に、フローチャートFBは、1つの第2撮影画像を処理対象として第2撮影画像取得部14および徘徊検出部15が実行する処理を示している。
また、図5のフローチャートFCは、第2識別情報取得部16の処理を示し、フローチャートFDは、報知部17の処理を示している。
フローチャートFBに示すように、第2撮影画像取得部14は、第2撮影装置8から第2撮影画像を受信し、取得する(ステップSB1)。上述したように、第2撮影画像取得部14は、取得した第2撮影画像を所定の周期で徘徊検出部15に出力する。徘徊検出部15は、第2撮影画像について顔検出を行い、第2撮影画像に顔画像が含まれているか否かを判定する(ステップSB2)。含まれていないと徘徊検出部15にて判定した場合(ステップSB2:NO)、徘徊検出部15は、処理を終了する。含まれていると徘徊検出部15にて判定した場合(ステップSB2:YES)、徘徊検出部15は、第2撮影画像に含まれる顔画像が示す人物が、記憶部18が記憶する被介護者顔認識用情報のいずれかが示す人物(被介護者)と同一人物であるか否かを判定する(ステップSB3)。同一人物ではないと徘徊検出部15にて判定した場合(ステップSB3:NO)、徘徊検出部15は、処理を終了する。同一人物であると徘徊検出部15にて判定した場合(ステップSB3:YES)、徘徊検出部15は、同一人物に係る被介護者IDを報知部17に出力する(ステップSB4)。
フローチャートFCに示すように、第2識別情報取得部16は、第2無線受信機6が送信した被介護者IDを受信し、取得する(ステップSC1)。第2識別情報取得部16は、取得した被介護者IDを報知部17に出力する(ステップSC2)。
フローチャートFDに示すように、報知部17は、徘徊検出部15から被介護者IDを入力したか否か、および、第2識別情報取得部16から被介護者IDを入力したか否かを監視する(ステップSD1、SD2)。徘徊検出部15から被介護者IDを入力した場合(ステップSD1:YES)、報知部17は、同一の被介護者について一定期間の間に既に報知を行ったか否かを判定する(ステップSD3)。既に報知を行ったと判定した場合(ステップSD3:YES)、報知部17は、処理手順をステップSD1に戻す。一定期間内の間に報知を行っていないと判定した場合(ステップSD3:NO)、報知部17は、徘徊の可能性を報知する(ステップSD4)。なお、実際には、報知部17は、ステップSD4の処理後、再び、ステップSD1からフローチャートFDの処理を実行する。
一方、徘徊検出部15から被介護者IDを入力しなかった場合(ステップSD1:NO)、報知部17は、第2識別情報取得部16から被介護者IDを入力したか否かを監視する(ステップSD2)。第2識別情報取得部16から被介護者IDを入力した場合(ステップSD2:YES)、報知部17は、同一の被介護者について一定期間の間に既に報知を行ったか否かを判定する(ステップSD5)。一方、第2識別情報取得部16から被介護者IDを入力しなかった場合(ステップSD2:NO)、報知部17は、処理手順をステップSD1に戻す。既に報知を行ったと判定した場合(ステップSD5:YES)、報知部17は、処理手順をステップSD1に戻す。一定期間内の間に報知を行っていないと判定した場合(ステップSD5:NO)、報知部17は、徘徊の可能性を報知する(ステップSD6)。なお、実際には、報知部17は、ステップSD6の処理後、再び、ステップSD1からフローチャートFDの処理を実行する。
<変形例>
次いで、変形例について説明する。図6は、変形例に係る徘徊検出システム1Aの構成例を示すブロック図である。以下では、上述した実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。本変形例では、介護施設SSに設けられたベッドBDごとに、被介護者が以下の所定態様で横たわった状態か否かを検出するセンサー20が設けられる。すなわち、ベッドBDでは枕が置かれる大体の位置が予め決まっており、所定態様とは、枕に頭を載せて仰向けで横たわる態様である。本実施形態では、センサー20は、ベッドBDの各部に設けられた複数の荷重センサーであり、複数の荷重センサーの検出値に組み合わせの状態によって所定状態で横たわっているか否かを検出可能である。なお、センサー20は、例示したものに限らず、被介護者のベッドにおける状態を検出する赤外線センサーや、カメラであってもよく、異なる種類のセンサーを組み合わせて構成してもよい。センサー20の各種制御機構を有して構成されたセンサーユニット21は、センサー20の検出結果を制御装置2Aの状態検出部22に送信する。
また、本変形例では、第1無線通信機5が、ベッドBDの近傍に設けられる。また、本変形例では、第1撮影装置7は、ベッドBDに所定態様で横たわる被介護者の顔を含む領域を撮影可能な位置に設けられている。また、図6に示すように、制御装置2Aは、センサー20の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいて被介護者がベッドBDに所定態様で横たわったことを検出する状態検出部22を備える。
そして、本変形例に係る制御装置2Aの第1撮影画像取得部11Aは、以下の処理を実行する。すなわち、第1撮影画像取得部11Aは、第1識別情報取得部10から被介護者IDを取得した旨の通知を受けた場合、当該通知を受けたタイミングではなく、当該通知を受け付けた後、状態検出部22により被介護者がベッドBDに所定態様で横たわったことが検出されたタイミングで第1撮影装置7が生成した第1撮影画像を取得する。このようなタイミングで取得された第1撮影画像には、所定態様でベッドBDに横たわる被介護者に係る顔画像が含まれている。本変形例においても、上述した実施形態と同様、スタッフによる煩雑な作業を伴うことなく、被介護者IDと、顔認識データとを対応付けて記憶部18に記憶させることが可能である。なお、本変形例において、スタッフ業務室SRに、業務室ゲートSGが設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。
次に、その他の変形例について説明する。上述した実施形態では、エレベータードアBR、つまり、徘徊していないエリアと、徘徊が認められるエリアとの境界に第2無線受信機6および第2撮影装置8が設けられていた。しかしながら、第2無線受信機6および第2撮影装置8が設けられる位置は、このような境界に限らず、徘徊を検出するための位置に設けられていればよい。また、上述した実施形態では、制御装置2は、スタッフ業務室SRに設けられたコンピューターであったが、制御装置2の形態は例示した形態に限定されない。一例として、制御装置2は、第1撮影装置7等と、インターネットを介して接続されたサーバーであってもよい。
また、上述した実施形態では、第1撮影画像取得部11は、所定タイミングで第1撮影装置7が生成した1つの第1撮影画像を取得していた。この点に関し、第1撮影画像取得部11が所定タイミングを含む一定期間で第1撮影装置7が生成した複数の第1撮影画像を取得し、顔認識用情報生成部12が複数の第1撮影画像に基づいて顔認識データを生成する構成でもよい。また、本実施形態では、情報登録部13が、被介護者IDと対応づけて、第1撮影画像に基づいて生成された顔認識データを記憶部18に記憶させる構成であった。この点に関し、情報登録部13が、被介護者IDと対応付けて、第1撮影画像そのものを記憶部18に記憶させる構成とすると共に、徘徊検出部15が顔検出に第1撮影画像そのものをテンプレートデータとして用いる構成でもよい。この場合、第1撮影画像が特許請求の範囲の「顔認識用情報」に相当する。この場合、徘徊検出部15は、上述した同一人物に係る顔画像が第2撮影画像に含まれているか否かの判定に際し、随時、第1撮影画像に含まれる顔画像の特徴情報を生成し、第2撮影画像に含まれる顔画像の特徴情報と比較する。
また、上述した実施形態で説明した報知部17による報知の方法は、あくまで一例であり、他の方法で報知部17が報知を行う構成でもよい。一例として、報知部17がスタッフの携帯端末にメールその他の手段でメッセージを送信する構成でもよい。また、上述した実施形態では、無線発信機9は、いわゆるパッシブ型のICタグであった。ただし、無線発信機9は、パッシブ型のICタグに限らず、例えば、電力の供給を受けて信号を発信するアクティブ型のICタグであってもよい。
また、上述した実施形態では、第1無線受信機5および第1撮影装置7に係るゲート(業務室ゲートSG)が、スタッフ業務室SRの出入口に設けられていたが、このようなゲートが、廊下RKの所定の位置や、入居室RMの出入口等の他の場所に設けられる構成であってもよい。また、上述した実施形態では、エレベーターゲートEGに、第2撮影装置8と第2無線受信機6とが設けられる構成であった。この点に関し、徘徊を検出するためのゲートに、第2無線受信機6を設けず、第2撮影装置8のみを設ける構成でもよい。この場合、報知部17は、徘徊検出部15により徘徊が検出された場合に、報知を行う。また、上述した実施形態では、記憶部18において、被介護者IDと対応付けて記憶された顔認識データが随時更新される構成であった。この点に関し、顔認識データが、一旦、登録された後は、担当者の明示的な指示があった場合を除き、自動では更新しない構成であってもよい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。