JP6955148B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
しかしながら、ファスナーを開けた状態のままエアバッグ装置が作動すると、表皮に張力が掛からずに、表皮の破断部が破断しない虞がある。
これにより、表皮のファスナーが開いている場合にも、シートに設けた破断部からエアバッグを膨出させることができる。
こうすることで、表皮をサイドフレームに組み付ける作業の作業性を向上できる。
こうすることで、表皮のサイドフレームへの取り付けの安定性を向上できる。
こうすることで、表皮の第2端部をサイドフレームの後端部に取り付けやすくなり、作業性が向上する。
こうすることで、シートのメンテナンス性を向上できる。
こうすることで、表皮の第2端部をサイドフレームの後端部に取り付けやすくなり、作業性が向上する。
こうすることで、エアバッグが作動した際に、表皮の破断部が左右に開裂しやすくなる。
また、上記の乗物用シートにおいて、着座部分となるシートクッションと、背もたれ部分となるシートバックと、前記シートバックの上部に配され乗員の頭部を支持するヘッドレストと、前記サイドフレームを有し、前記シートバックの骨格となるシートバックフレームと、をさらに備えると好適である。
本発明によれば、表皮をサイドフレームに組み付ける作業の作業性を向上できる。
本発明によれば、表皮のサイドフレームへの取り付けの安定性を向上できる。
本発明によれば、シートのメンテナンス性を向上できる。
本発明によれば、エアバッグが作動した際に、表皮の破断部が左右に開裂しやすくなる。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
図1は、車両用シートSの斜視図である。
図2は、シートバックフレーム10の斜視図である。
図3は、左側のサイドフレーム13の外側面図である。
図4は、左側のサイドフレーム13の内側面図である。
図5は、図4のV-V断面図である。
図6は、シートバックS1のファスナー52を開けた状態を示す図である。
図7は、側部表皮50Aの第2端部58の部分拡大図である。
図8は、図6のVIII-VIII断面図である。
そして、シートバックS1の左側部の内側には、エアバッグモジュール20が設けられている。具体的には、図5に示されるように、エアバッグモジュール20は、シートパッド40(第1パッド部40A)と、サイドフレーム13(パイプフレーム11と板状フレーム12の連結部)との間に配される。
エアバッグモジュール20は、車両の衝突時の衝撃を吸収し乗員を保護する装置である。エアバッグモジュール20は、モジュールケースを有しないケースレスエアバッグモジュールとしてもよいし、モジュールケースを有していてもよく、特に限定されない。
ここで、インフレータ22は、図示しないハーネスからの入力信号に応じてガスを発生する装置である。具体的には、車両に設けられたセンサが衝突を検知した場合に、ハーネスを介してインフレータ22に作動信号が入力され、これにより、インフレータ22はガスを発生させてエアバッグ21にガスを注入する。こうして、車両の衝突時に、エアバッグ21が膨出展開するようになっている。
次に、エアバッグモジュール20が取り付けられるシートバックフレーム10の構成について説明する。なお、シートバックフレーム10は、車両用シートSの骨格をなすシートフレームのうち、シートバックS1部分の骨格部分である。すなわち、シートバックフレーム10は、シートフレームの一部である。
なお、本実施形態では、パイプフレーム11の側部11Bと、板状フレーム12とにより構成されるシートバックフレーム10の側部をサイドフレーム13とする。
支持部材30は、車両に加わる外力からシート幅方向において乗員を支持する。また、支持部材30は、エアバッグモジュール20を支持するとともに、エアバッグモジュール20のエアバッグ21の展開方向を案内する機能も兼ねる。すなわち、本実施形態では、一般にエアバッグの展開方向を案内するために設けられる力布の代わりに、支持部材30が力布としての機能を果たす。
なお、支持部材30は、例えばTPO(Thermo Polyolefin)、TPU(Thermoplastic Polyurethane)等の樹脂を材料として形成されることとしてよい。
以下、支持部材30の構成の詳細について説明する。
また、図2及び図3に示されるように、外側板31の下部には、第1穴31A及び第2穴31Bが形成される。この第1穴31Aと第2穴31Bは、板状フレーム12に形成されるエアバッグモジュール20の取付穴と対向する位置に設けられる。
そして、エアバッグモジュール20のスタッドボルト22Aが、支持部材30の第1穴31A及び第2穴31Bと、板状フレーム12の取付穴に通されて、ナット等の締結具を用いて固定される。これにより、エアバッグモジュール20が外側板31に面した状態で、サイドフレーム13に対して固定されることとなる。
この上壁部32は、エアバッグモジュール20の上部の位置を規制する。これにより、エアバッグモジュール20の上方への位置ずれを防止することができる。
後壁部33は、エアバッグモジュール20の後方に配され、エアバッグモジュール20の後部の位置を規制する。これにより、支持部材30は、エアバッグモジュール20の後部への位置ずれを防止することができる。
また、後壁部33を設けることにより、車両用シートSの後部の形状を規定することも可能となっている。
ここで、図5に示されるように、前方延出部34は、シートパッド40に設けられた脆弱部41に向けて延出し、脆弱部41に少なくとも一部が配置される。具体的には、前方延出部34の先端部が、シートパッド40の脆弱部41に差し込まれた状態で配置される。
第1パッド部40Aは、シート幅方向の外側に配され、第2パッド部40Bは、シート前部に配される。そして、第1パッド部40Aと第2パッド部40Bとは、シート前方の端部、すなわち脆弱部41において連結している。
例えば、脆弱部41は、第1パッド部40Aと第2パッド部40Bの接続部に1以上のスリットを形成することにより構成される。
また、脆弱部41は、スリットに限らず、第1パッド部40Aと第2パッド部40Bの接続部を周囲よりも強度の弱い部材により形成することで構成してもよい。
そして、脆弱部41の前方には、表皮50の破断部51が設けられる。すなわち、脆弱部41は、表皮50の破断部51に近接して設けられる。
ここで、側部表皮50Aと前部表皮50Bとは、破断部51において縫合されている。この破断部51は、上下方向に形成され、エアバッグモジュール20のエアバッグ21がシート内部から膨出する際の出口となっている。
このとき、図8に示されるように、支持部材30の外側板31は、板状フレーム12の側板12Aに当接し、支持されているため、外側板31の位置は略変わらない。
そして、前方延出部34が脆弱部41を押し広げることで、エアバッグ21が脆弱部41から破断部51に向けて展開し、その膨張の勢いで脆弱部41及び破断部51を破断しながらシート外側に膨出する。
このように、支持部材30は、前方延出部34を設けたことにより、エアバッグモジュール20のエアバッグ21の展開方向を案内することができる。なお、上記の展開方向とは、膨張前のエアバッグ21から破断部51に向かう方向である。
図6及び図7に示されるように、シートバックS1の表皮50は、側部表皮50A、前部表皮50B及び後部表皮50Cを有する。
側部表皮50Aは、第1パッド部40Aを被覆する表皮である。側部表皮50Aは、第1表皮部に相当する。
前部表皮50Bは、第2パッド部40Bを被覆する表皮である。
後部表皮50Cは、シートバックS1の後面を構成する表皮である。後部表皮50Cは、第2表皮部に相当する。
図6に示されるように、ファスナー52は、第1ファスナーエレメント52A、第2ファスナーエレメント52B及びスライダー52Cを備える。
スライダー52Cは、第1ファスナーエレメント52Aと第2ファスナーエレメント52Bに取り付けられており、スライダー52Cがスライドすることにより、第1ファスナーエレメント52Aと第2ファスナーエレメント52Bが係合し、また係合が解除される。すなわち、スライダー52Cを操作することで、第1ファスナーエレメント52Aと第2ファスナーエレメント52Bが連結されたり、また切り離されたりすることとなる。
すなわち、ファスナー52により側部表皮50Aと後部表皮50Cとは切り離し可能となっている。
なお、ファスナー52(第1ファスナーエレメント52A)は、側部表皮50Aにおいて、第1端部57と第2端部58の間に設けられている。
そのため、ファスナー52が開いた状態であっても、インフレータ22が作動し、エアバッグ21が膨張すると、表皮50の破断部51は左右に引っ張られる力が加えられるため、開裂可能となる。すなわち、ファスナー52が開いた状態であっても、エアバッグ21を、表皮50の破断部51からシート外側に膨出させることができる。
固定部36は、ビス貫通孔と、ビス貫通孔の周囲の肉厚部とから構成される。ビス貫通孔は、ビス等の締結具37が挿通される孔である。このように、固定部36には、ビス貫通孔の周囲に肉厚部を設けていることにより、固定部36の剛性を向上させている。
なお、固定部36は、締結具を用いた固定に限らず、溶接によりパイプフレーム11に対して接合されてもよい。
また、図4に示されるように、支持部材30の下部は、内側板35の下部に設けられた係止部38により、板状フレーム12の前端部12Bに係止されている。そして、係止部38は、固定部36よりも下方に設けられる。
具体的には、本実施形態では、内側板35の下部には、複数のJフック形状の係止部38が形成されている。なお、係止部38の形状は、図示した形状に限られるものではなく、上下に延出した1つのJフックとしてもよい。
なお、係止部38は、板状フレーム12の前端部12Bに係止されるものとしたが、板状フレーム12の後端部12Cに係止されるものとしてもよい。
また、支持部材30は、板状フレーム12の前端部12Bに係止される係止部38と、板状フレーム12の後端部12Cに係止される係止部38を有していてもよい。
すなわち、支持部材30の内側を固定端とし、外側を自由端としたことにより、外側からの衝撃吸収性を向上させている。その一方で、シート内側からの荷重に対しては、シート内側が固定端となっていることで、乗員を支持することができる。
また、上述したように、本実施形態では、エアバッグモジュール20のエアバッグ21が膨張した際に、板状フレーム12の前端部12Bに係止された係止部38を支点として、前方延出部34が作用点として脆弱部41を押し広げることができる。これにより、エアバッグ21が脆弱部41及び破断部51を開裂させながらシート外側に膨出するように、エアバッグ21の展開方向を案内することができる。
図8に示されるように、リブ39は、シート前後方向に延出し、内側板35及び外側板31を連結している。リブ39は、複数設けられていることとしてよい。こうした場合、各々のリブ39は、内側板35と外側板31との間において、上端近傍から下端近傍にかけて略等間隔で配置することとしてよい。
また、リブ39のシート前後方向の長さは、内側板35及び外側板31よりも短くなっており、リブ39よりもシート後方において、内側板35と外側板31との間には空間が形成される。そして、かかる空間に、パイプフレーム11と板状フレーム12の連結部分が配置されることとなる。
なお、図5に示されるように、リブ39と板状フレーム12は少なくとも一部が当接していることとしてよい。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、支持部材30に替えて力布を設けるようにしてもよい。この場合に、力布の取り付けは例えば以下のように行う。
まず、板状フレーム12の前端部12Bにクリップ等の取付部材を設けて、取付部材にインナー力布を取り付ける。また、板状フレーム12の後端部12Cにクリップ等の取付部材を設けて、取付部材にアウター力布を取り付ける。そして、インナー力布とアウター力布を、破断部51で側部表皮50Aと前部表皮50Bとともに縫合するようにする。
車両用シートSによれば、ファスナー52が開いている場合にエアバッグモジュール20が作動しても、側部表皮50A(第1表皮部)に張力が掛かるため破断部51を破断させることができる。
これにより、表皮50のファスナー52が開いている場合にも、車両用シートSに設けた破断部51からエアバッグ21を膨出させることができる。
こうすることで、表皮50をサイドフレーム13に組み付ける作業の作業性を向上できる。
こうすることで、表皮50のサイドフレーム13への取り付けの安定性を向上できる。
こうすることで、表皮50の第2端部58をサイドフレーム13の後端部12Cに取り付けやすくなり、作業性が向上する。
こうすることで、車両用シートSのメンテナンス性を向上できる。
こうすることで、表皮50の第2端部58をサイドフレーム13の後端部12Cに取り付けやすくなり、作業性が向上する。
こうすることで、エアバッグモジュール20が作動した際に、表皮50の破断部51が左右に開裂しやすくなる。
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
10 シートバックフレーム(シートフレーム)
11 パイプフレーム
11A 上部フレーム
11B 側部
12 板状フレーム
12A 側板
12B 前端部
12C 後端部
13 サイドフレーム
14 クロスメンバーフレーム
15 下部フレーム
16 ヘッドレストホルダ
20 エアバッグモジュール
21 エアバッグ
22 インフレータ
22A スタッドボルト
30 支持部材
31 外側板
31A 第1穴
31B 第2穴
32 上壁部
33 後壁部
34 前方延出部
35 内側板
36 固定部
37 締結具
38 係止部
39 リブ
40 シートパッド
40A 第1パッド部
40B 第2パッド部
41 脆弱部
50 表皮
50A 側部表皮(第1表皮部)
50B 前部表皮
50C 後部表皮(第2表皮部)
51 破断部
52 ファスナー
52A 第1ファスナーエレメント
52B 第2ファスナーエレメント
52C スライダー
53 内側延出部
54 フック取付部
55 フック
56 縫合部
57 第1端部
58 第2端部
Claims (8)
- シートフレームの側部を構成するサイドフレームと、
前記サイドフレームの外側に配されるシートパッドと、
前記シートパッドを覆う表皮と、
エアバッグを具備し、前記シートパッドと前記サイドフレームの間に配されるエアバッグモジュールと、を備え、
前記表皮は、
第1表皮部及び第2表皮部と、
前記第1表皮部と前記第2表皮部を切り離し可能に設けられたファスナーと、を有し、
前記第1表皮部は、
前記エアバッグの展開時に破断部となる第1端部と、
前記サイドフレームに係止される第2端部と、を有し、
前記ファスナーは、前記第1端部と前記第2端部との間に設けられ、
前記第2端部は、フックを有し、
前記サイドフレームには、前記エアバッグモジュールが取り付けられる支持部材が設けられ、
前記支持部材は前記エアバッグモジュールの前記エアバッグの展開方向を案内する前方延出部を有し、
前記フックは前記前方延出部と上下方向で同じ位置になるように設けられることを特徴とする乗物用シート。 - 前記第2端部に設けられた前記フックは、
前記サイドフレームの後端部に係止されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記第2端部は、複数の前記フックを有することを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
- 前記フックは、Jフックであることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
- 前記ファスナーは、シート後部に配されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記ファスナーは、前記サイドフレームの後方に配されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記サイドフレームは、平板状の側板を具備する板状フレームを有し、
前記後端部は、シート内側に屈曲していることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。 - 着座部分となるシートクッションと、
背もたれ部分となるシートバックと、
前記シートバックの上部に配され乗員の頭部を支持するヘッドレストと、
前記サイドフレームを有し、前記シートバックの骨格となるシートバックフレームと、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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