JP6954000B2 - 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
従来、無線LAN(Local Area Network)等の通信規格として、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式が採用されている。この方式を採用する場合、アクセスポイント(Access Point:AP)は、データ送信前に受信電力の測定(キャリアセンス)を行い、周辺に信号を送信している他の装置が存在しないことを確認してから通信を開始する。
一方、IEEE802.11n以降の無線LANシステムは、複数の送信アンテナの相対的な位相を制御することにより、信号の放射方向を絞って受信電力を向上するビームフォーミング技術を採用する。このビームフォーミングを行う無線LANシステムにおいて、キャリアセンスの方式は、例えば、ビームフォーミングゲインを含めた仮想的な測定点でキャリアセンスを行う第1の方式や、アンテナ毎の平均受信電力でキャリアセンスを行う第2の方式がある。
第1の方式では、ビームフォーミングによりアンテナゲインが低くなっている方向では受信感度が低くなっているため、他の装置からの信号が検出され難い。そのため、ビームフォーミングによりアンテナゲインが低くなっている方向にある第1の装置から信号が送信されていても、APは、キャリアセンスの結果、アイドルと判定してしまう。そして、APは、ビームフォーミングによりアンテナゲインが高くなっている方向にある第2の装置へ送信を開始する。この場合、第2の装置では、APから送信された信号が、第1の装置から送信された信号と干渉してしまい、受信品質が劣化することになる。また、第2の方式では、ビームの方向を考慮せずにキャリアセンスを行うため、APは、他の装置からのビームが送信先の装置に向いていない場合も他の装置からの信号を検出し、信号の送信を無駄に停止する場合がある。
そこで、従来、他の装置からの信号を受信すると、受信信号のMAC(Media Access Control)フレーム部から送信元装置および送信先装置のMAC情報を読み出し、送信元装置への方向および送信先装置への方向に対する通信を禁止するAPが提案されている。このAPによれば、他の装置による信号との干渉を低減しながら通信を行うことができる。
特開2009−159273号公報 特開2010−199804号公報
ところで、無線LANのフレームは、物理ヘッダ部と、その後に続くMACフレーム部によって構成されており、それぞれ個別に誤り訂正がかかっている。したがって、従来のAPは、送信元装置および送信先装置のMAC情報を取得するために、フレームの最後まで受信することになる。言い換えると、従来のAPは、フレームの最後まで受信しなければ、通信の禁止方向を判定することが難しいため、通信処理の高速化には限界があった。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、他の装置による信号との干渉を低減しながら高速に無線通信処理を実行できる無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
一つの態様では、無線通信装置は、アンテナと、グループ特定部と、送信先候補決定部と、選択部と、を有することを特徴とする。アンテナは、信号の物理ヘッダ部に該信号の送信元装置が属するグループの識別情報が含まれる信号を送受信する。グループ特定部は、アンテナが信号の物理ヘッダ部を受信した場合、受信信号の物理ヘッダ部からグループの識別情報を取得し、受信信号の送信元装置が属するグループを特定する。送信先候補決定部は、特定部によって特定されたグループを基に受信信号の送信先装置の候補を決定する。選択部は、送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームを選択してアンテナから信号を送信させる。
他の装置による信号との干渉を低減しながら高速に無線通信処理を実行できる。
図1は、実施例に係る無線通信システムの一例を示す図である。 図2は、無線LANフレームフォーマットを示す図である。 図3は、APの構成の一例を示すブロック図である。 図4は、データベースに記憶される情報の一例を示す図である。 図5は、実施例に係る無線通信システムの処理を説明する図である。 図6は、実施例に係る無線通信システムの処理を説明する図である。 図7は、実施例に係る無線通信システムの処理を説明する図である。 図8は、実施例に係る無線通信システムの処理を説明する図である。 図9は、実施例に係る無線通信システムの処理を説明する図である。 図10は、実施例に係る無線通信システムの処理を説明する図である。 図11は、APにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図12は、従来技術におけるデータ送信タイミングを説明する図である。 図13は、本実施例におけるデータ送信タイミングを説明する図である。 図14は、APのハードウェアの一構成例を示す図である。
以下に、本願の開示する無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例は一例であり、以下の実施例により開示の技術における構成等は限定されない。
[通信システムの一例]
図1は、実施例に係る無線通信システムの一例を示す図である。図1に示すように、無線通信システム1は、複数のAP10−1〜10−2(基地局)と、複数の端末20−1〜20−4とを有する。なお、以下では、複数のAP10−1〜10−2のそれぞれを区別することなく総称する場合に単にAP10と記載する。また、複数の端末20−1〜20−4のそれぞれを区別することなく総称する場合に単に端末20と記載する。また、図1に例示された無線通信システム1は、2つのAP10と、4つの端末20を有するが、AP10および端末20の台数は、これに限るものではない。また、以下では、それぞれのAP10およびそれぞれの端末20をまとめて無線通信装置と記載する場合がある。
端末20は、無線LANによって、AP10と無線通信を行う。端末20は、無指向性アンテナを搭載する。AP10は、無線LANによって、端末20と無線通信を行う。AP10は、ビームフォーミングを行い、ビームフォーミング後の信号を送信する。
そして、AP10−1は、通信が可能な強度でAP10−1から送信された電波が届く範囲内に位置する例えば端末20−1および端末20−3との間で無線LANに基づく無線通信を行う。AP10−2は、通信が可能な強度でAP10−2から送信された電波が届く範囲内に位置する例えば端末20−2および端末20−4との間で無線LANに基づく無線通信を行う。
AP10−1〜10−2および複数の端末20−1〜20−4は、例えばIEEE802.11axまたはIEEE802.11ah等の無線LAN規格に従った無線通信を行う。そこで、図2を参照して、AP10および端末20が送信するIEEE802.11axまたはIEEE802.11ahのフレームフォーマットについて説明する。
図2は、無線LANフレームフォーマットを示す図である。図2に示すように、フレームは、物理ヘッダ部と、その後に続くMACフレーム(PSDU)部(以降、MACフレーム部と記載する。)と、を有し、それぞれ個別に誤り訂正がかかっている。
物理ヘッダ部は、物理的な接続形式に関する情報を有するヘッダである。物理ヘッダ部は、PLCP(Physical Layer Convergence Protocol)プリアンブル部と、PLCPヘッダ部とを有する。PLCPプリアンブル部は、フレームの先頭に付加される時間同期のための信号を含む。PLCPヘッダ部は、送信レート等のデータ部の受信のための情報や、データ長などの情報を含む。
また、MACフレーム部は、ユーザデータに対応する。MACフレーム部は、MACヘッダ部とデータ部とを有する。MACヘッダ部には、本フレームの送信元の無線通信装置のMACアドレス、本フレームの送信先の無線通信装置のMACアドレス、および、BSSIDなどが含まれる。データ部は、ユーザデータが格納されるペイロードである。
ここで、IEEE802.11axまたはIEEE802.11ahでは、BSS Colorという新しいフィールドがPLCPプリアンブル部に追加された。BSS Colorは、そのフレームが属するBSS(Basic Service Set)を特定するものである。言い換えると、BSS Colorは、信号の送信元装置が属するグループの識別情報である。
図1に示すように、以降の説明では、AP10−1、端末20−1および端末20−3とは、グループA1(BSS Color「1」)に属するものとする。したがって、AP10−1、端末20−1および端末20−3が送信する各信号の物理ヘッダ部のPLCPプリアンブル部には、BSS Color「1」が含まれる。
また、AP10−2、端末20−2および端末20−4とは、グループA2(BSS Color「2」)に属するものとする。したがって、AP10−2、端末20−2および端末20−4が送信する各信号の物理ヘッダ部のPLCPプリアンブル部には、BSS Color「2」が含まれる。そして、以降の通信方法については、AP10−1が、端末20−1および端末20−3にデータ送信を行う場合の処理を例に説明する。
AP10−1は、キャリアセンス時に、無線LANフレームの物理ヘッダ部を受信し、受信した物理ヘッダ部内のPLCPプリアンブル部からBSS Colorを読み出す。そして、AP10−1は、読み出したBSS Colorにより、受信した無線LANフレームが異なるBSSに属する装置から送信された信号であると判定した場合、判定されたBSSを基に受信された無線LANフレームの送信先装置の候補を決定する。続いて、AP10−1は、送信先装置の候補において受信される干渉電力が所定値以下となるように、ビームの方向を調整し、調整されたビームによりデータ送信を行う。これによって、AP10−1は、他の装置による信号との干渉を低減しながら高速に無線通信処理を実行することができる。
[APの構成例]
次に、図3を参照して、AP10の構成について説明する。図3は、AP10の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、AP10は、アンテナ11、受信処理部12、データベース13、受信データ処理部14、選択部15、データバッファ16、送信データ処理部17および送信処理部18を含む。
アンテナ11は、特定の方向に指向性を形成可能な指向性アンテナである。アンテナ11は、例えば、複数のアンテナ素子を有する。本実施例において、アンテナ11は、異なる方向に指向性を有する複数のアンテナ素子を有する。AP10は、この複数のアンテナ素子のうち目的の放射方向に対応するアンテナ素子を動作させてビームフォーミングを行う。なお、AP10は、例えば、この複数のアンテナ素子に対しアンテナ素子の相対的な位相を制御することによって、特定の方向のアンテナゲインを相対的に高めることにより、特定の方向の電波の送信電力および受信電力を高めるビームフォーミングを行ってもよい。また、アンテナ11は、1方向に指向性を有するアンテナ素子を回転させることにより、任意の方向に指向性を向けることができる回転式のアンテナであってもよい。
受信処理部12は、アンテナ11が受信した信号に対して、ダウンコンバートおよびアナログ/デジタル変換等の処理を行い、処理後のデータを受信データ処理部14に出力する。
データベース13は、予め、他の無線通信装置の識別情報、他の無線通信装置の種別、他の無線通信装置のBSS Color、および、他の無線通信装置によるビームの自装置における到来方向を、他の無線通信装置ごとに対応付けて記憶する。
図4は、データベース13に記憶される情報の一例を示す図である。データベース13に記憶される情報は、図4の表に示すように、BSS Color、送信元装置の識別情報、および、AP10において観測されたビームの到来方向の複数の項目によって構成される。送信元装置の識別情報には、送信元装置の種別を示す情報も含まれる。なお、以降の説明では、説明の簡易化のために、AP10が、異なる方向に指向性を有する6個のアンテナ素子を有するアンテナ11を用いて、受信信号の到来方向の推定、および、データの無線通信を行う場合を例に説明する。
例えば、データベース13は、図4の表の1行目に示すように、送信元装置の識別情報が「10−2」である「AP」については、BSS Colorが「2」であり、ビームの到来方向が、6方向のうちの第3の方向であることを記憶している。また、図4の表の2行目に示すように、送信元装置の識別情報が「20−2」である「端末」については、BSS Color「2」であり、ビームの到来方向が第2の方向であることを記憶している。
受信データ処理部14は、受信処理部12から出力されたデータを処理する。受信データ処理部14は、受信信号の物理ヘッダ部からBSS Colorを読み出す。そして、受信データ処理部14は、読み出したBSS Colorにより、この信号が異なるBSSに属する信号であると判定された場合には、判定されたBSSを基に受信信号の送信先装置の候補を決定する。また、受信データ処理部14は、受信信号の物理ヘッダ部およびMACフレーム部からデータを読み出す。そして、受信データ処理部14は、物理ヘッダ部およびMACフレーム部から読み出したデータと受信信号の到来方向とを基に、受信信号の送信元装置の種別、識別情報、BSS Color、および、受信信号の到来方向を対応付けて、データベース13に格納する。
受信データ処理部14は、到来方向推定部141、BSS Color特定部142、送信元候補決定部143、送信先候補決定部144および格納部145を有する。BSS Color特定部142は、グループ特定部の一例である。
到来方向推定部141は、アンテナ11が受信した受信信号の受信電力を基に受信信号の到来方向を推定する。そして、到来方向推定部141は、推定した受信信号の到来方向を送信元候補決定部143および格納部145へ出力する。例えば、到来方向推定部141は、6方向のそれぞれのアンテナ素子の受信電力を測定し、最も受信電力が大きいアンテナ素子の方向を、受信信号の到来方向であると推定する。なお、到来方向推定部141は、他の方法を用いて、受信信号の到来方向を推定してもよい。
BSS Color特定部142は、受信処理部12から出力されたデータの中から物理ヘッダ部を特定し、特定された物理ヘッダ部からBSS Colorを取得し、BSS Colorを特定する。そして、BSS Color特定部142は、取得されたBSS Colorを、送信元候補決定部143、送信先候補決定部144および格納部145へ出力する。また、BSS Color特定部142は、受信処理部12から出力されたデータの中からMACフレーム部を特定し、特定されたMACフレーム部から送信元装置の識別情報を取得する。また、BSS Color特定部142は、MACフレーム部のヘッダ部の情報に基づいて、送信元装置の種別を特定する。BSS Color特定部142は、例えば、MACフレーム部のヘッダ部に含まれるFrame Controlビットを参照し、受信信号がビーコン信号か否かを判定する。そして、BSS Color特定部142は、受信信号がビーコン信号である場合、送信元装置の種別をAP10と判定し、受信信号がビーコン信号でない場合、送信元装置の種別を端末20と判定する。そして、BSS Color特定部142は、送信元装置の種別および識別情報を格納部145へ出力する。
格納部145は、BSS Color特定部142から出力されたBSS Color、送信元装置の識別情報および送信元装置の種別を、到来方向推定部141から出力された到来方向に対応付けてデータベース13に格納する。
送信元候補決定部143は、BSS Color特定部142によって特定されたBSS Colorに属し、受信信号の到来方向に対する場所に位置する無線通信装置を、受信信号の送信元装置の候補として決定する。送信元候補決定部143は、データベース13を参照して受信信号の送信元装置の候補を決定する。
言い換えると、送信元候補決定部143は、データベース13を参照して、到来方向推定部141が推定した受信信号の到来方向とBSS Color特定部142が特定したBSS Colorとの双方に該当する装置を送信元装置の候補として決定する。例えば、送信元候補決定部143は、BSS Colorが「2」と特定され、推定された到来方向が第3の方向であった場合には、図4の表を参照し、AP10−2および端末20−4を送信元装置の候補として決定する。
送信先候補決定部144は、BSS Color特定部142によって特定されたBSS Colorを基に受信信号の送信先装置の候補を決定する。送信先候補決定部144は、BSS Color特定部142によって特定されたBSS Colorに属する無線通信装置のうち送信元装置の候補が無線通信可能である無線通信装置を、受信信号の送信先装置の候補として決定する。送信先候補決定部144は、データベース13を参照し、特定されたBSS Colorに属する無線通信装置のうち、送信元装置の候補の種別に応じて、送信元装置の候補が無線通信可能である無線通信装置を、受信信号の送信先装置の候補として決定する。
例えば、BSS Color「2」のAP10−2および端末20−4が送信元装置の候補である場合、この受信信号の送信先は、BSS Color「2」に属するAP10−2、端末20−2および端末20−4であることが分かる。したがって、この場合には、送信先候補決定部144は、AP10−2、端末20−2および端末20−4を送信先装置候補として決定する。また、例えば、BSS Color「2」の端末20−2が送信元装置の候補である場合、この受信信号の送信先は、BSS Color「2」に属するAP10−2であることが分かる。したがって、この場合には、送信先候補決定部144は、AP10−2を送信先装置候補として決定する。
選択部15は、送信先候補決定部144が決定した送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームを選択してアンテナ11から信号を送信させる。言い換えると、選択部15は、送信先候補決定部144が決定した送信先装置の候補に対応する方向のビームを禁止する。そして、選択部15は、送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる複数の方向のビームを基に、送信先の無線通信装置を選択する。選択部15は、ビーム選択部151および端末選択部152を有する。
ビーム選択部151は、送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームを選択する。ビーム選択部151は、データベース13を参照して、送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームを選択する。例えば、ビーム選択部151は、送信先装置の候補がAP10−2および端末20−4である場合には、図4に示す表を参照し、このAP10−2の到来方向「3」の方向のアンテナゲインが低くなる放射パターンのビームを選択する。例えば、ビーム選択部151は、AP10−2の到来方向「3」以外の方向である到来方向「1」、「2」および「4」〜「6」のビームを選択する。
端末選択部152は、端末20へ送信されるデータが発生した場合、ビーム選択部151によって選択されたビームの方向を基に、送信先の端末20へ向けたビームの形成が可能か否かを判定する。送信先の端末20へ向けたビームの形成が可能である場合、端末選択部152は、送信先の端末20へ向けたビームを選択し、データの送信をデータバッファ16に指示し、選択したビームの情報を送信処理部18へ出力する。例えば、ビーム選択部151によって選択された方向の中に、送信先の端末20へのデータ送信に用いられるビームの方向が含まれている場合、端末選択部152は、送信先の端末20へ向けたビームの形成が可能と判定する。一方、送信先の端末20へ向けたビームの形成が困難である場合、端末選択部152は、データの送信を所定期間待機する。例えば、ビーム選択部151によって選択された方向の中に、送信先の端末20へのデータ送信に用いられるビームの方向が含まれていない場合、端末選択部152は、送信先の端末20へ向けたビームの形成が困難であると判定する。
データバッファ16は、上位レイヤから出力された送信データを蓄積する。データバッファ16は、送信データの有無を受信データ処理部14に通知する。また、データバッファ16は、送信データの宛先の端末20の情報を端末選択部152に通知する。また、データバッファ16は、端末選択部152からデータの送信が指示された場合、送信データを送信データ処理部17へ出力する。また、データバッファ16は、端末選択部152によって送信待機が通知された場合、送信データの送信を所定時間待機する。
送信データ処理部17は、データバッファ16から出力された送信データに対し、物理ヘッダの付与、変調等の処理を行い、送信用信号を生成する。
送信処理部18は、送信データ処理部17が生成した送信用信号に対し、デジタル/アナログ変換およびアップコンバートの処理を行う。そして、送信処理部18は、ビーム選択部151の端末選択部152から出力された情報に対応する方向のビームが形成されるように、送信用信号にビームフォーミング処理を行い、アンテナ11を介して、送信先の端末20へ送信する。
[データベース作成処理]
次に、AP10−1におけるデータベースの作成処理について説明する。図5および図6は、実施例に係る無線通信システム1の処理を説明する図である。図5および図6では、領域A1のAP10−1がデータベースを作成する処理について説明する。なお、AP10−1は、第1〜第6の方向(図5では(1)〜(6)と記載されている)の6方向のビームを形成できるものとする。
ここで、無線LANのAP10は、自装置の存在を端末20に報知するためのビーコン信号を、無指向性のアンテナゲインにより周期的に送信している。このため、AP10−1は、他のAP10から送信されたビーコン信号を受信した場合、この受信信号は、他のAP10からの信号であると判定できる。
例えば、AP10−1が、図5に示すように、第3の方向からAP10−2が送信したビーコン信号W1を受信した場合を例に説明する。図5では、第3の方向に形成されたビームがハッチングで塗りつぶされている。
この場合、AP10−1は、第3の方向に対応するアンテナ素子の受信電力が他のアンテナ素子の受信電力よりも相対的に大きいことを検出することにより、第3の方向から信号が到来したことを検知する。また、AP10−1は、受信された信号の物理ヘッダ部からBSS Color「2」を取得する。そして、AP10−1は、受信された信号のMACヘッダ部に含まれるFrame Controlビットを参照し、受信信号がビーコン信号か否かを判定する。図5の例では、第3の方向から受信された信号がビーコン信号であるため、このビーコン信号の送信元装置が、他のAP10であると判定される。さらに、AP10−1は、ビーコン信号のMACヘッダ部から、このビーコン信号の送信元装置の識別情報(例えばMACアドレス)および送信先装置の識別情報(例えばMACアドレス)を取得する。この結果、AP10−1は、このビーコン信号の送信元装置が、BSS Color「2」のAP10−2であることを特定する(図5の枠Ca参照)。
続いて、AP10−1は、取得した情報のうち、このビーコン信号の送信元装置が属するBSS Color「2」、送信元装置の種別「AP」と識別情報「10−2」、到来方向「3」を対応付けて、データベース13に格納する。この結果、図4の1行目に示す情報が、データベース13に記録される。
続いて、図6を参照する。例えば、端末20−2からAP10−2に信号W2の送信が発生した場合を例に説明する。端末20−2は、無指向性のアンテナゲインで信号W2を送信するため、図6に示すように、AP10−1は、第2の方向から端末20−2から送信された信号W2を受信する。なお、図6では、第2の方向に形成されたビームがハッチングで塗りつぶされている。
この場合、AP10−1は、第2の方向に対応するアンテナ素子の受信電力が他のアンテナ素子の受信電力よりも相対的に大きいことを検出することにより、第2の方向から信号が到来したことを検知する。また、AP10−1は、受信信号の物理ヘッダ部から、BSS Color「2」を取得する。そして、AP10−1は、受信信号のMACヘッダ部に含まれるFrame Controlビットを参照し、受信信号がビーコン信号でないと判定する。さらに、AP10−1は、受信信号のMACヘッダ部から、この受信信号の送信元装置の識別情報および送信先装置の識別情報を取得する。この結果、AP10−1は、この受信信号の送信元装置が、BSS Color「2」の端末20−2であることを特定する(図6の枠Cb参照)。
続いて、AP10−1は、受信信号がビーコン信号でないため、受信信号の送信元装置が端末20であると判定する。そして、AP10−1は、取得した情報のうち所定の情報をデータベース13に格納する。具体的には、AP10は、取得した情報のうち、この受信信号の送信元装置が属するBSS Color「2」、送信元装置の種別「端末」と識別情報「20−2」、および、到来方向「2」を対応付けて、データベース13に格納する。この結果、図4の2行目に示す情報が、データベース13に記録される。
このように、AP10−1は、他の無線通信装置による信号の物理ヘッダ部から取得されたBSS Colorと、MACアドレス部から取得された送信元装置の識別情報とを、到来方向および装置の種別に対応付けてデータベース13に格納する。
[送信処理]
次に、図7〜図10を参照して、無線通信システム1における送信処理について説明する。図7〜図10は、実施例に係る無線通信システム1の処理を説明する図である。以降では、図7〜図10を参照し、領域A1のAP10−1が、同じBSS Colorに属する端末20−1および20−3に対してデータを送信する処理を例に説明する。
例えば、図7に示すように、AP10−1において、端末20−1および20−3への送信データが発生した場合に、端末20−2がAP10−2へ信号を送信したと仮定する。AP10−1は、キャリアセンスの結果として、第2の方向において信号を検出する。なお、図7では、第2の方向に形成されたビームがハッチングで塗りつぶされている。AP10−1は、端末20−2から受信された信号の物理ヘッダ部からBSS Color「2」を検出する。
続いて、AP10−1は、自装置内のデータベース13を参照し、BSS Color「2」であり、到来方向が「2」である端末20−2(図8の枠C1参照)を送信元装置として決定する。端末20−2は、AP10−2と無線通信を行うため、AP10−1は、この受信信号の送信先装置がAP10−2(図8の枠C2参照)であると判定する。
このため、AP10−1は、AP10−2の到来方向である第3の方向(図8では、第3の方向に形成されたビームにハッチングが付されている。)に干渉しない方向のビームを選択する。すなわち、AP10−1は、第3の方向のビームを禁止し、この第3の方向以外の方向のビームの中から、端末20−1および端末20−3の方向へのビームの形成が可能か否かを判定する。図8の例では、端末20−1へ向けたビームは第4の方向であり、端末20−3へ向けたビームは第2の方向であるため、AP10−1は、端末20−1および端末20−3の方向へのビームの形成が可能であると判定する。したがって、AP10−1は、第2および第4の方向のビームを選択する。このため、AP10−1は、矢印W4aおよびW4bのように、第4の方向の端末20−1および第2の方向の端末20−3のそれぞれ、または一方(例えば送信バッファへの入力が早い方)にデータを送信することができる。
このように、AP10−1は、第3の方向以外の方向のビームを選択して、端末20−1および20−3にデータ送信を行うことによって、AP10−2への干渉を低減しつつ、高速に無線通信処理を実行することができる。
次に、図9および図10を参照して、AP10−1が、キャリアセンスの結果として、第3の方向からの受信信号を検出した場合について説明する。なお、図9では、第3の方向に形成されたビームがハッチングで塗りつぶされている。AP10−1は、信号の物理ヘッダ部を受信し、この物理ヘッダ部からBSS Color「2」を検出する。
続いて、AP10−1は、自装置内のデータベース13を参照し、BSS Color「2」であり、到来方向が「3」である端末20−4(図9の枠C3参照)およびAP10−2(図9の枠C4参照)を送信元装置の候補として決定する。この端末20−4は、AP10−2と無線通信を行う(図10の矢印W5参照)。また、AP10−2は、端末20−2および20−4と無線通信を行う(図10の矢印W6aおよび6b参照)。このため、AP10−1は、この受信信号の送信先装置の候補が、AP10−2、端末20−2および端末20−4(図10の枠C5〜C7参照)であると判定する。
この結果、AP10−1は、AP10−2の到来方向である第3の方向、端末20−2の到来方向である第2の方向、端末20−4の到来方向である第3の方向に干渉しない方向のビームを選択する。なお、図10では、第2および第3の方向に形成されたビームにハッチングが付されている。すなわち、AP10−1は、第2の方向および第3の方向のビームを禁止し、この第2の方向および第3の方向以外の方向のビームの中から、端末20−1および端末20−3の方向へのビームの形成が可能か否かを判定する。図10の例では、端末20−1へ向けたビームは第4の方向であり、端末20−3へ向けたビームは第2の方向であるため、AP10−1は、端末20−1の方向へのビームの形成は可能であるが、端末20−3の方向へのビームの形成は困難であると判定する。したがって、AP10−1は、第4の方向のビームを選択し、端末20−3へのデータ送信を所定期間待機する。この結果、AP10−1は、第4の方向の端末20−1のみにデータを送信し(図10の矢印W7a参照)、第2の方向の端末20−3に対するデータ送信は停止する(図10の矢印W7b参照)。
このように、AP10−1は、第2および第3の方向以外の方向のビームを選択して、端末20−1のみにデータ送信を行うことによって、AP10−2、端末20−2および端末20−4への干渉を低減しつつ、高速に無線通信処理を実行することができる。
[APにおける処理の流れ]
次に、AP10におけるデータ処理の流れについて説明する。図11は、AP10における処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、AP10は、物理ヘッダ部を受信した否かを判定する(ステップS1)。続いて、AP10は、物理ヘッダ部を受信したと判定した場合(ステップS1:Yes)、到来方向推定部141が、アンテナ素子毎に測定された受信信号の受信電力を基に受信信号の到来方向を推定する(ステップS2)。
このステップS2の処理と並行して、BSS Color特定部142が、受信信号の物理ヘッダ部からBSS Colorを取得し、受信信号の送信元装置が属するBSS Colorを特定する(ステップS3)。また、BSS Color特定部142は、受信処理部12から出力されたデータの中からMACフレーム部を特定し、特定されたMACヘッダ部から送信元装置の識別情報を取得する。また、BSS Color特定部142は、MACフレーム部の情報に基づいて、送信元装置の種別を特定する。なお、図11の例では、ステップS2およびステップS3が並列に実行される場合を示したが、ステップS2およびステップS3の順、または、ステップS3およびステップS2の順で実行されてもよい。
次に、受信データ処理部14は、データバッファ16に送信データが存在するか否かを判定する(ステップS4)。受信データ処理部14は、データバッファ16に送信データが存在しないと判定した場合(ステップS4:No)、送信処理は不要となるため、データベース13の作成のための処理を行う。具体的には、BSS Color特定部142は、受信信号のMACフレーム部から送信元装置および送信先装置の識別情報を取得する(ステップS5)。そして、格納部145は、送信元装置の識別情報を、到来方向、送信元装置の種別およびBSS Colorを対応付けてデータベース13に格納する(ステップS6)。そして、再びステップS1に示した処理が実行される。
一方、受信データ処理部14は、データバッファ16に送信データが存在すると判定した場合(ステップS4:Yes)、この送信データの送信のために以下の処理を行う。まず、送信元候補決定部143は、BSS Colorと到来方向から、データベース13を用いて送信元装置の候補を決定する(ステップS7)。そして、送信先候補決定部143は、送信先装置の候補を決定し、ビーム選択部151は、データベース13を用いて、その候補に対応する方向を取得する(ステップS8)。
続いて、ビーム選択部151は、送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームとして、送信先候補の方向に対応するビーム以外のビームを選択する(ステップS9)。そして、端末選択部152は、ビーム選択部151によって選択されたビームの方向を基に、送信先の端末20へ向けたビームの形成が可能か否かを判定する。送信先の端末20へ向けたビームの形成が可能である場合、端末選択部152は、送信先の端末20へ向けたビームを選択し、データの送信をデータバッファ16に指示し、選択したビームの情報を送信処理部18へ出力する(ステップS10)。なお、送信先の端末20へ向けたビームの形成が困難である場合、端末選択部152は、データの送信を所定期間待機する。そして、AP10は、送信データ処理部17および送信処理部18による送信データの処理後、アンテナ11から信号を送信する(ステップS11)。そして、再びステップS1に示した処理が実行される。
また、AP10は、物理ヘッダ部を受信していないと判定した場合(ステップS1:No)、受信データ処理部14は、データバッファ16に送信データが存在するか否かを判定する(ステップS12)。AP10は、受信データ処理部14が、データバッファ16に送信データが存在すると判定した場合(ステップS12:Yes)、送信先の端末20へ向けたビームを用いてデータ送信を実施する(ステップS13)。一方、受信データ処理部14が、データバッファ16に送信データが存在しないと判定した場合には(ステップS12:No)、再びステップS1に示した処理が実行される。
[データ送信タイミング]
ここで、図12および図13を参照して、AP10と従来のAPとにおけるデータ送信タイミングについて説明する。図12は、従来技術におけるデータ送信タイミングを説明する図である。図13は、本実施例におけるデータ送信タイミングを説明する図である。
従来のAPは、データ送信時に、他の装置との干渉を低減する方向でのデータ送信を行うため、他の装置による受信信号から送信元装置および送信先装置のMACアドレスを取得していた。このため、図12に示すように、従来のAPは、他の装置から送信されたフレームDr1´のMACフレーム部まで受信することになる。すなわち、従来のAPは、フレームDr1´の最後まで受信しなければ、通信の禁止方向を判定することが難しい。
したがって、従来のAPは、フレームDr1´の全ての受信時間T1の経過後でなければ、送信データ用のフレームDs´を送信することが難しく、通信処理の高速化には限界があった。
これに対し、本実施例のAP10では、送信元装置および送信先装置のMACアドレスではなく、物理ヘッダ部のBSS Colorを取得して、他の装置との干渉を低減する方向を選択している。すなわち、AP10は、図13に示すように、他の装置から送信されたフレームDr1の物理ヘッダ部まで受信すれば、通信の禁止方向を判定することができる。
したがって、本実施例のAP10は、フレームDr1の物理ヘッダ部までの受信時間T2(<T1)で、通信の禁止方向の判定処理を実行して、送信データ用のフレームDsを送信することができる。このため、本実施例のAP10は、従来のAPと比して、他の装置への干渉を低減しつつ、通信処理の高速化を図ることができる。
[実施例の効果]
本実施例の無線通信システム1では、信号の物理ヘッダ部に該信号の送信元装置が属するBSS Colorが含まれる信号を無線通信する。本実施例のAP10は、信号の物理ヘッダ部を受信した場合、受信信号の物理ヘッダ部からBSS Colorを取得し、受信信号の送信元装置が属するBSS Colorを特定する。そして、AP10は、特定されたBSS Colorを基に受信信号の送信先装置の候補を決定する。続いて、AP10は、送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームを選択してアンテナ11から信号を送信させる。
このように、本実施例のAP10は、受信信号の物理ヘッダ部の情報に基づいて、他の装置による信号との干渉電力を低減するビーム方向を選択する。これにより、受信信号全体を受信し終えてから他の装置による信号との干渉電力を低減するビーム方向を選択する場合に比べて、より高速な無線通信処理を実行できるとともに、他の装置に与える干渉も低減できる。
また、本実施例のAP10は、受信信号の受信電力を基に受信信号の到来方向を推定する。そして、AP10は、特定されたBSS Colorに属し、受信信号の到来方向に対する場所に位置する無線通信装置を、受信信号の送信元装置の候補として決定する。続いて、AP10は、特定されたBSS Colorに属する無線通信装置のうち送信元装置の候補が無線通信可能である無線通信装置を、受信信号の送信先装置の候補として決定する。
このように、AP10は、BSS Colorと推定した受信信号の到来方向から、受信信号の送信元装置の候補および送信先装置の候補として決定するため、他の装置による信号との干渉を低減することができる。
また、本実施例のAP10は、他の装置の識別情報、他の装置の種別、他の装置が属するグループの識別情報、および、他の装置によるビームの自装置における到来方向を、装置ごとに対応付けてデータベース13に記憶する。そして、AP10は、データベース13を参照して受信信号の送信元装置の候補を決定する。さらに、AP10は、データベース13を参照して、特定されたBSS Colorに属する装置のうち送信元装置の候補の種別に応じて、送信元装置の候補が無線通信可能である装置を、受信信号の送信先装置の候補として決定する。
このように、本実施例のAP10は、上記のデータベース13を保持し、このデータベース13を参照することによって、送信元装置の送信先候補を決定することができる。
また、本実施例のAP10は、受信信号のMACフレーム部まで受信した場合に、MACフレーム部から求めた受信信号の送信元装置の識別情報を求める。そして、AP10は、求めた受信信号の送信元装置の識別情報を、物理ヘッダ部から求めたBSS Color、推定された到来方向、および、送信元装置の種別に対応付けてデータベース13に格納する。
このように、実施例のAP10は、データ送信時以外には、適宜、他の装置による受信信号のMACフレーム部まで受信する。そして、AP10は、物理フレーム部から読み出した情報に加え、MACフレーム部から読み出した送信元装置の識別情報や種別、受信信号の到来方向をデータベース13に格納する。この結果、AP10は、適切なデータベース13を作成できるとともに、データベース13のデータを最新のものにすることができる。
また、実施例のAP10は送信先装置の候補における干渉電力が所定値以下となる方向のビームを選択し、選択したビームを基に、送信先の端末20を選択している。したがって、AP10は、データ送信対象の端末20が複数存在する場合には、全ての端末20にデータ送信を行うのではなく、選択したビームを基に送信対象の端末20を選択することで、他の装置による信号との干渉の低減を可能にする。また、AP10は、選択したビームのうち、ゲインが所定値よりも大きくなる端末20に対してデータ送信を行うなど、選択したビームに応じて送信対象を柔軟に設定できる。
[変形例1]
本実施例は、ビームフォーミング処理を行って無線通信を行う装置であれば、AP10以外の装置にも適用が可能である。本実施例は、例えば、AP10に対向する端末20に適用されてもよい。
[変形例2]
また、本実施例では、AP10が、受信信号の物理ヘッダ部から取得したBSS Colorに加え、受信信号の到来方向を用いて送信先装置の候補を決定した例について説明したが、開示の技術はこれに限られない。AP10は、受信信号の物理ヘッダ部から取得したBSS Colorのみを用いて送信先装置の候補が決定されてもよい。
この場合、AP10は、取得したBSS Colorに属する全てのAP10および端末20を送信先装置の候補として決定する。そして、AP10は、このBSS Colorに属する全てのAP10および端末20による信号との干渉電力を低減するビーム方向を選択すればよい。
例えば、図7に示す例において、AP10−1は、受信信号の物理ヘッダ部からBSS Color「2」を取得した場合、このBSS Color「2」に属する全てのAP10−2および端末20−2,20−4を送信先装置の候補とする。そして、AP10は、AP10−2と端末20−4とに対応する第3の方向および端末20−2に対応する第2の方向以外の第1、第4〜第6の方向の中からビームを選択して、データ送信を行えばよい。
このように、AP10が、BSS Colorのみを用いて送信先装置の候補を決定する場合、データベース13に到来方向を対応付けなくてもよくなるため、データベース13の容量を小さくすることができる。また、この場合には、AP10は、到来方向を推定する処理を省略できるため、データ送信までの処理を簡易化することができる。
また、上記した実施例では、AP10に対して複数の端末20が無線通信を行う無線通信システム1が例示されたが、開示の技術はこれに限られない。実施例の無線通信システム1は、AP10に対して1つの端末20が無線通信を行う構成であってもよい。
[APのハードウェア]
上記した各実施例のAP10は、例えば図14に示すようなハードウェアにより実現される。図14は、AP10のハードウェアの一構成例を示す図である。AP10は、例えば図14に示すように、ハードウェアの構成要素として、プロセッサ101、メモリ102、無線通信モジュール103およびインターフェイス回路104を有する。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等である。また、AP10は、プロセッサ101と周辺回路とを含むLSI(Large Scale Integrated circuit)を有してもよい。メモリ102は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリ等である。
受信処理部12および送信処理部18は、無線通信モジュール103により実現される。受信データ処理部14、選択部15および送信データ処理部17は、プロセッサ101により実現される。データベース13およびデータバッファ16は、メモリ102によって実現される。プロセッサ101によって使用されるデータ等は、メモリ102に格納される。インターフェイス回路104は、例えばNIC(Network Interface Card)等により実現される。
1 無線通信システム
10,10−1,10−2 AP
11 アンテナ
12 受信処理部
13 データベース
14 受信データ処理部
15 選択部
16 データバッファ
17 送信データ処理部
18 送信処理部
20,20−1〜20−4 端末
141 到来方向推定部
142 BSS Color特定部
143 送信元候補決定部
144 送信先候補決定部
145 格納部
151 ビーム選択部
152 端末選択部

Claims (6)

  1. 信号の物理ヘッダ部に該信号の送信元装置が属するグループの識別情報が含まれる信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナが信号の物理ヘッダ部を受信した場合、受信信号の前記物理ヘッダ部から前記グループの識別情報を取得し、前記受信信号の送信元装置が属するグループを特定するグループ特定部と、
    他の無線通信装置の識別情報、および、前記他の無線通信装置が属するグループの識別情報を、前記他の無線通信装置から送信された信号の自装置における到来方向に対応付けて記憶する記憶部と、
    前記記憶部を参照し、前記グループ特定部によって特定されたグループに対応付けられている到来方向に基づいて、前記受信信号の送信先装置の候補の方向を決定する送信先候補決定部と、
    前記送信先装置の候補の方向における干渉電力が所定値以下となる放射パターンのビームを選択る選択部と、
    前記選択部によって選択された放射パターンのビームを用いて信号を送信する送信処理部と
    を有することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記受信信号の受信電力を基に前記受信信号の到来方向を推定する到来方向推定部と、
    前記記憶部を参照し、前記グループ特定部によって特定されたグループに属し、前記受信信号の到来方向に対する場所に位置する無線通信装置を、前記受信信号の送信元装置の候補として決定する送信元候補決定部と、
    をさらに有し、
    前記記憶部は、前記他の無線通信装置から送信された信号の自装置における到来方向に対応付けて、前記他の無線通信装置の種別をさらに記憶し、
    前記送信先候補決定部は、前記記憶部に記憶された前記種別を参照して、前記グループ特定部によって特定されたグループに属する無線通信装置のうち前記送信元装置の候補が無線通信可能である無線通信装置の方向を、前記受信信号の送信先装置の候補の方向として決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 受信信号のMAC(Media Access Control)フレーム部まで受信した場合に前記MACフレーム部から求めた前記受信信号の送信元の他の無線通信装置の識別情報、前記物理ヘッダ部から求めたグループの識別情報、前記受信信号の種別から求めた前記受信信号の送信元の他の無線通信装置の種別を、前記到来方向推定部によって推定された到来方向に対応付けて、前記記憶部に格納する格納部をさらに有することを特徴とする請求項に記載の無線通信装置。
  4. 前記選択部は、前記送信先装置の候補の方向における干渉電力が所定値以下となる複数の放射パターンのビームの中から、自装置から他の無線通信装置へ信号を送る際に用いられる放射パターンを選択することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の無線通信装置。
  5. 基地局と、前記基地局と無線通信を行う複数の端末と、を含む複数の無線通信装置を有する無線通信システムであって、
    前記基地局は、
    信号の物理ヘッダ部に該信号の送信元装置が属するグループの識別情報が含まれる信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナが信号の物理ヘッダ部を受信した場合、受信信号の前記物理ヘッダ部から前記グループの識別情報を取得し、前記受信信号の送信元装置が属するグループを特定するグループ特定部と、
    前記基地局以外の他の無線通信装置の識別情報、および、前記他の無線通信装置が属するグループの識別情報を、前記他の無線通信装置から送信された信号の前記基地局における到来方向に対応付けて記憶する記憶部と、
    前記記憶部を参照し、前記グループ特定部によって特定されたグループに対応付けられている到来方向に基づいて、前記受信信号の送信先装置の候補の方向を決定する送信先候補決定部と、
    前記送信先装置の候補の方向における干渉電力が所定値以下となる放射パターンのビームを選択る選択部と、
    前記選択部によって選択された放射パターンのビームを用いて信号を送信する送信処理部と
    を有することを特徴とする無線通信システム。
  6. 無線通信装置が、
    信号の物理ヘッダ部に該信号の送信元装置が属するグループの識別情報が含まれる信号を受信し、
    受信信号の前記物理ヘッダ部から前記グループの識別情報を取得し、前記受信信号の送信元装置が属するグループを特定し、
    他の無線通信装置の識別情報、および、前記他の無線通信装置が属するグループの識別情報を、前記他の無線通信装置から送信された信号の自装置における到来方向に対応付けて記憶する記憶部を参照し、特定したグループに対応付けられている到来方向に基づいて、前記受信信号の送信先装置の候補の方向を決定し、
    前記送信先装置の候補の方向における干渉電力が所定値以下となる放射パターンのビームを選択し
    選択された放射パターンのビームを用いて信号を送信する、
    処理を実行することを特徴とする無線通信方法。
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