JP6951892B2 - 床版設計補助システム - Google Patents

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Description

本発明は、疲労、塩害及び中性化等に起因する劣化を考慮した床版設計を補助するシステムに関する。
従来、橋や高架等の道路に関する基準である道路橋示方書に従って床版設計がなされていた。道路橋示方書では、床版の耐用年数として100年を想定している。しかしながら、床版の耐用年数は、床版の設置環境等に左右されるものであり、疲労、塩害及び中性化等が発生すると、床版の劣化が著しく進行して想定耐用年数を大きく下回ることがある。
床版の耐用年数を増大させるために、特許文献1に示すように、床版にひび割れ幅を抑制する材料を用いたり、防水層を設けて、床版の耐久性を向上させることが知られている。また、床版の耐力を増大させるために、引張鉄筋量を増やして引張耐力を向上させることが知られている。
実用新案登録第3185723号公報
しかしながら、従来の床版設計は、床版の設置環境から想定される劣化事由に応じて床版に耐久力や耐力を付与する対策を施すものであり、対策施工後の床版の具体的な耐用年数(正味耐用年数)を想定するものではなかった。
そこで、床版に所望の正味耐用年数を付与するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は、この課題を解決することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明に係る床版設計補助システムは、劣化を考慮した床版設計を補助するシステムであって、前記床版の初期耐用年数、前記床版の耐用年数を減少させる少なくとも1つ以上の劣化項目、該劣化項目に応じた減少耐用年数、前記床版の耐用年数を増加させる複数の対策項目、及び各対策項目に応じた増加耐用年数を記憶する記憶装置と、前記床版の目標耐用年数及び前記床版の設置環境に応じた前記劣化項目が入力される入力装置と、前記記憶装置から前記初期耐用年数及び前記入力された劣化項目に応じた減少耐用年数を呼び出し、前記初期耐用年数及び前記入力された劣化項目に応じた減少耐用年数の和が前記目標耐用年数以上となるように必要増加耐用年数を演算し、前記対策項目に応じた増加耐用年数の和が前記必要増加耐用年数以上となるように対策項目の組み合わせを設定する演算装置と、を備えている。
この構成によれば、様々な理由で進行する床版の劣化を総体的に把握した上で、床版の目標耐用年数を得られるように床版の耐久性や耐力を向上させる対策項目の組み合わせを設定することにより、床版に所望の耐用年数を付与することができる。
また、本発明に係る床版設計補助システムは、前記記憶装置には、前記床版の構造に応じた初期施工費用及び前記対策項目に応じた加算施工費用が記憶されており、前記演算装置は、前記初期施工費用及び設定された前記対策項目の加算施工費用の総額が予め設定された目標施工費用以下となるように、前記対策項目の組み合わせを再設定することが好ましい。
この構成によれば、目標耐用年数を得られるように対策項目の組み合わせを設定する際に、対策項目の施工に必要な費用を考慮して組み合わせを再設定することにより、省コストで床版に所望の耐用年数を付与することができる。
本発明に係る床版設計補助システムは、様々な理由で進行する床版の劣化を総体的に把握した上で、床版の目標耐用年数を得られるように床版の耐久性や耐力を向上させる対策項目の組み合わせを設定することにより、床版に所望の耐用年数を付与することができる。
本発明の一実施形態に係る床版設計補助システムの構成を示す模式図。 本発明の一実施形態に係る床版設計補助方法の手順を示すフローチャート。 各対策項目のコストを示す表。 目標耐用年数を100年に設定し、各種劣化項目を設定した場合の対策項目の組み合わせを示す表。 目標耐用年数を50年に設定し、各種劣化項目を設定した場合の対策項目の組み合わせを示す表。
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
図1は、本発明の一実施形態に係る床版設計補助システム1の基本的構成を示す模式図である。
床版設計補助システム10は、橋梁等に敷設される床版の使用環境等を考慮した床版の実質耐用年数に着目して床版設計を補助する。
床版設計補助システム1は、パーソナルコンピュータ等で構成されている。床版設計補助システム1は、入力装置10と、出力装置20と、制御装置30とを備えている。
入力装置10は、ユーザの入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード等の文字情報入力デバイス、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイスを有する。
出力装置20は、例えば、液晶ディスプレイである。出力装置20に表示される画面は制御装置30によって制御されている。
制御装置30は、外部からの入力情報を記憶する記憶部31と、記憶部31に書き込まれた各種データ及び各種処理プログラムを取り出して各種判定を行う演算部32と、演算部32の判定結果に応じて各装置に制御信号を送信して動作制御を行う制御部33と、を備えている。なお、各種データ及びプログラムは、床版設計補助システム1と分離可能な記憶媒体に記憶されても構わない。
記憶部31には、床版の耐用年数を減少させる劣化項目及び床版の耐力耐用年数を増加させる対策項目を含む基本情報が記憶されている。劣化項目とは、床版の設置環境に起因して床版の耐用年数を減少させる事象である。対策項目とは、床版の耐久性を向上させるために施工される工事や床版の耐力を増強させる床版構造の変更等である。基本情報の詳細については後述する。
次に、以上のような構成の実施形態に係る床版設計補助システム1の作用について、図面に基づいて説明する。図2は、床版設計補助システム1の処理手順を示すフローチャートである。
床版は、橋梁を通行する車両等を支え、荷重を受けた際に走行性に支障をきたすような変形をすることなく荷重を主桁等に伝達させる構造部材である。床版は、コンクリートと鋼を合成させたものが用いられている。
床版は、主に、コンクリートのひび割れ、コンクリート内への侵水又は床版に対する荷重等によって劣化が進行する。以下では、主に、床版の劣化が、コンクリートのひび割れに起因する場合を例に説明する。
<基本情報入力工程>
記憶部31に、各種データを記憶する。具体的には、床版の初期耐用年数、床版の耐用年数を減少させる劣化項目及びその減少耐用年数、床版の耐用年数を増加させる対策項目及びその増加耐用年数等を入力する。
床版の初期耐用年数は、床版の基本的構造に起因して決定するものであり、例えば道路橋示方書に基づく設計であれば、初期耐用年数は100年に設定される。
劣化項目は、主に、疲労、塩害及び中性化の3種類が挙げられる。
疲労とは、大型車の走行による活荷重に応じて床版の劣化が進行することをいう。道路橋示方書では、大型車の交通量が2000台/日・方向の場合に耐用年数100年と規定しており、床版の耐用年数に亘って走行可能な大型車交通量は、73百万台である。
したがって、国内最大級の大型車交通量である4800台/日・方向の場合には、床版の耐用年数は、73百万台/(365×4800)=41.7年となり、標準的な大型車交通量の場合と比べて約60年減少する。このように、疲労による耐用年数の減少量は、大型車交通量等に応じて増減する。
塩害とは、コンクリート表面に付着した塩化物イオンが床版内に浸透して鉄筋を腐食させて、鉄筋が耐力を喪失することをいう。塩害は、海岸付近に設置された床版に飛来する塩分、又は寒冷地等で床版に散布される凍結防止剤に含まれる塩分が原因となる。通常のプレキャストPC床版では、コンクリート表面の塩化物イオン量を1.40kg/m3以下の場合に耐用年数100年と規定している。
しかしながら、飛来塩分の環境下におけるコンクリート表面の塩化物イオン量が2.40kg/m3の場合、数式1に示すフィックの拡散方程式によれば、鉄筋位置における塩化物イオン量は30年程で腐食発生限界塩化物イオン量に達することから、床版の耐用年数は、標準的な塩化物イオン量の場合と比べて、約70年減少する。
Figure 0006951892
同様に、凍結防止剤散布の環境下におけるコンクリート表面の塩化物イオン量が1.80kg/m3の場合、フィックの拡散方程式によれば、鉄筋位置における塩化物イオン量は50年程で腐食発生限界塩化物イオン量に達することから、床版の耐用年数は、標準的な塩化物イオン量の場合と比べて、約50年減少する。フィックスの拡散方程式の演算結果を表1に示す。このように、塩害による耐用年数の減少量は、コンクリート表面の塩化物イオン量等に応じて増減する。
Figure 0006951892
中性化とは、走行車両の排ガスに含まれる炭酸ガスによって床版がアルカリ性から中性に変化すると、床版内の鉄筋が腐食して耐力を喪失することをいう。中性化の進行速度は、数式2に示す中性化進行予測式により経過年を算出する。
Figure 0006951892
数式2において、鉄筋のかぶりXを30mm、炭酸ガス濃度(屋外自然環境下)Cを0.034%、耐用年数tを100年とすると、中性化速度係数Aは4.02となる。次に、炭酸ガス濃度が通常の1.5倍(C=0.051%)の場合には、数式2により、床版の耐用年数tは約70年となり、標準的な環境下に比べて、約30年減少する。このように、中性化による耐用年数の減少量は、炭酸ガス濃度等に応じて増減する。
対策項目は、主に、床版の耐力を強化する項目及び床版の耐久性を強化する項目が挙げられる。その要因となる床版のひび割れ幅に着目する。床版のひび割れ幅は、初期ひび割れ、死荷重ひび割れ及び活荷重ひび割れに分類され、試設計の結果によれば、ひび割れの構成比は、初期ひび割れ、死荷重ひび割れ及び活荷重ひび割れの順に2:2:6であった。そこで、これらのひび割れを抑制することで耐用年数を増大させる効果があると仮定して、対策項目の増加耐用年数を算出する。
床版の耐力を強化する項目は、引張鉄筋量の増加及びせん断鉄筋量の増加等である。
引張鉄筋の鉄筋量を増加させることにより、引張耐力が向上して、初期ひび割れ、死荷重ひび割れ及び活荷重ひび割れを抑制することができる。例えば、初期耐用年数100年の床版において、橋軸方向の引張鉄筋量(引張鉄筋断面積及び引張鉄筋本数の積)を23%増やすと、同率だけ耐用年数が増加すると考え、23年すなわち約20年だけ耐用年数が増加する。
また、床版に作用するせん断力は、せん断鉄筋とコンクリートとで受け持つため、せん断鉄筋の鉄筋量を増加させると、せん断鉄筋増加量の半分だけせん断耐力が向上して、初期ひび割れ、死荷重ひび割れ及び活荷重ひび割れを抑制することができる。例えば、初期耐用年数100年の床版において、橋軸方向のせん断鉄筋量(せん断鉄筋断面積及びせんだん鉄筋本数の積)を57%増やすと、その半分だけ耐用年数が増加すると考え、28年すなわち約20年だけ耐用年数が増加する。
なお、床版の耐力を強化する項目として、上述したものの他に、例えば、床版の構造系を変更して主桁と床版とを合成して、耐用年数を維持したままコストダウンを図ることが考えられる。
床版の耐久性を強化する項目は、セメント・骨材に関する項目、配合・養生に関する項目、混和剤に関する項目、高強度鉄筋に関する項目、特殊コンクリートに関する項目、防水層に関する項目及び舗装に関する項目等である。
セメント・骨材に関する項目は、セメントにフライアッシュ(石炭灰)を混合して、初期ひび割れ及び死荷重ひび割れを低減するものである。例えば、セメントの30%をフライアッシュに置換すると、水和熱・乾燥収縮の減少により、初期ひび割れが約20%減少し、水密性の向上により、死荷重ひび割れが約30%減少する。これにより、約10年(=(0.2×0.2+0.2×0.3)×100年)だけ床版の耐用年数が増加する。
配合・養生に関する項目は、骨材の一部を高炉スラグに置換して、初期ひび割れを低減するものである。例えば、骨材の50%を高炉スラグに置換すると、透水係数が0.35mm2/sから0.10mm2/sに向上して、中性化速度が約50%遅くなる。これにより、約10年(=0.2×0.5×100年)だけ床版の耐用年数が増加する。
混和剤に関する項目は、膨張材、収縮低減剤又は減水剤等を混和させることにより、コンクリートの乾燥収縮が低減されて、初期ひび割れを抑制するものである。例えば、収縮低減剤(電気化学工業株式会社 「デンカエスケーガード」)を用いると、初期ひび割れが70%低減される。これにより、14年(=0.2×0.7×100年)すなわち約10年だけ床版の耐用年数が増加する。
また、複数の混和剤をコンクリートに混和する場合、乾燥収縮の低減に最も支配的な混和剤の増加耐用年数と、他の混和剤の増加耐用年数に対策数の逆数をそれぞれ乗じた数値との和を混和材全体の増加耐用年数としても構わない。
例えば、高性能AE減水剤(BASFジャパン株式会社 「マスターグレニウム 800S」)を用いると、初期ひび割れが15%低減され、3年(=0.2×0.15×100年)だけ床版の耐用年数が増加する。また、膨張材(太平洋マテリアル株式会社 「太平洋ハイパーエクスパン」)を用いると、初期ひび割れが40%低減され、8年(=0.2×0.4×100年)だけ床版の耐用年数が増加数。そして、上述した収縮低減剤、高性能AE減水剤及び膨張剤を併用する場合、収縮低減剤が最も支配的であり、他の混和剤は1/3の効果として、14+3/3+8/3=18年すなわち約10年だけ床版の耐用年数が増加する。
高強度鉄筋に関する項目は、橋軸方向の鉄筋の強度を増大させることにより、橋軸方向の活荷重ひび割れを低減するものである。例えば、通常鉄筋(SD345)を高強度鉄筋(SD490)に置き換えることにより、鉄筋の引張強さ(N/mm2)が345から490に約40%増大する。これにより、24年(=0.6×0.4×100年)すなわち約20年だけ床版の耐用年数が増加する。
特殊コンクリートに関する項目は、コンクリートに繊維を混和させた繊維補強コンクリート等を用いることにより、塩化物イオンの浸透深さを低減して、塩害を抑制するものである。例えば、超高強度繊維補強コンクリート(太平洋セメント株式会社 「ダクタル」)を用いることにより、塩化物イオンの浸透深さを、通常のコンクリートの約1/10〜1/20に留めることができる。本実施形態では、繊維補強コンクリートによる床版の耐用年数の増加分は、塩害による耐用年数の低下分の約1/2〜1/3に値する20年に設定した。
防水層に関する項目は、床版上に遮水性を有する防水層を付加することにより、コンクリート内部への侵水を抑制して床版の耐久性を向上させるものである。例えば、通常の床版の耐久性が10年程度であるところ、床版防水工法(ニチレキ株式会社 HQハイブレンAU工法)を施した床版の耐久性が30年以上となっている。したがって、床版防水工法を施すことにより、約20年だけ床版の耐用年数が増加する。
舗装に関する項目は、舗装に遮水層を設けることにより、コンクリート内部への侵水を抑制して床版の耐久性を向上させるものである。例えば、遮水型排水性舗装(POSMAC)は、通常の舗装に対する透水量を15%抑制できる。なお、舗装の耐久性が10年程度のため、本実施形態では、舗装に遮水層を設けることによる床版の耐用年数の増加分は、舗装の耐用年数に相当する10年に設定した。
上述した対策項目は、床版の耐用年数の増加分(増加耐用年数)とともに、対策項目の実施に要する施工費用を記憶する。図3は、各対策項目の実施に要する施工費用を示す表である。
<条件入力工程>
次に、ユーザは、入力装置10を介して床版の目標耐用年数を入力する。床版の目標耐用年数とは、床版の初期耐用年数に劣化項目に応じた減少耐用年数及び対策項目に応じた増加耐用年数を加算した正味の耐用年数を意味する。
目標耐用年数としては、様々な数値が考えられる。例えば、道路橋示方書が想定する耐用年数である100年に設定しても構わないし、床版の更新時に橋桁の残り耐用年数に応じた耐用年数に設定しても構わない。
また、ユーザは、床版の設置環境に応じて発生し得る劣化項目を入力装置10を介して入力する。
図4は、目標耐用年数を100年に設定した場合の対策項目の組み合わせを示す表である。図4では、目標耐用年数が100年に設定され、劣化項目として、大型車両の交通量に応じた疲労、凍結防止剤による塩害及び中性化が設定されている。
<対策項目演算工程>
演算部32が、入力された劣化項目に応じた減少耐用年数を記憶部31から呼び出す。図4では、大型車両の交通量に応じた疲労に対応した減少耐用年数60年、凍結防止剤による塩害に対応した減少耐用年数50年、及び中性化に対応した減少耐用年数30年が記憶部31から呼び出されている。
また、演算部32は、床版の初期耐用年数と減少耐用年数との和が、ユーザに入力された床版の目標耐用年数以上となるように必要増加耐用年数を演算する。すなわち、演算部32は、初期耐用年数100年、総減少耐用年数140年及び目標耐用年数100年から必要増加耐用年数140年を算出する。
その後、演算部32は、対策項目に応じた増加耐用年数の和が必要増加耐用年数以上となるように対策項目の組み合わせを設定する。
また、一旦設定された対策項目の組み合わせは、所定の優先順位に基づいて再設定されるのが好ましい。対策項目間の優先順位としては、例えば、床版の耐久性を強化する項目を床版の耐力を強化する項目より優先させるのが好ましい。また、同一の増加耐用年数であれば、コストが安い対策項目を優先させるのが好ましい。また、必要増加耐用年数は、より少ない数の対策項目の組み合わせで得られるのが好ましい。これらのような優先順位を規定することにより、対策項目の施工コストを削減することができる。
本実施形態では、演算部32は、必要増加耐用年数以上となるように上述した全ての対策項目を選択している。
そして、制御部33は、演算部32が設定した対策項目の組み合わせを示す図4の表を出力装置20に表示する。表4では、演算部32が選択した選択項目を施工した場合のコスト(107,500円/m2)が表示されている。これにより、ユーザは、目標耐用年数を達成するために必要なコストを一見して把握することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。図5は、目標耐用年数を50年に設定した場合の対策項目の組み合わせを示す表である。
図5に示すように、本変形例では、目標耐用年数が50年に設定され、劣化項目として、大型車両の交通量に応じた疲労、飛来塩分による塩害及び中性化が設定されている。
演算部32は、大型車両の交通量に応じた疲労の減少耐用年数60年、飛来塩分による塩害に対応した減少耐用年数70年、及び中性化に対応した減少耐用年数30年を記憶部31から呼び出す。
また、演算部32は、初期耐用年数100年、総減少耐用年数160年及び目標耐用年数50年から必要増加耐用年数110年を算出し、必要増加耐用年数以上となるように、価格が高い混和剤及び耐力を強化する項目であり且つ価格が高い橋軸方向引張耐力に関する項目を除く全て対策項目を選択する。
そして、制御部33は、演算部32が設定した対策項目の組み合わせを示す図5の表を出力装置20に表示する。図5では、演算部32が選択した選択項目を施工した場合のコスト(94,000円/m2)が表示されている。これにより、ユーザは、目標耐用年数を達成するために必要なコストを一見して把握することができる。
このようにして、本実施形態に係る床版設計補助システム1では、様々な理由で進行する床版の劣化を総体的に把握した上で、床版の目標耐用年数を得られるように床版の耐久性や耐力を向上させる対策項目の組み合わせを設定することにより、床版に所望の耐用年数を付与することができる。
また、本実施形態に係る床版設計補助方法では、様々な理由で進行する床版の劣化を総体的に把握した上で、床版の目標耐用年数を得られるように床版の耐久性や耐力を向上させる対策項目の組み合わせを設定することにより、床版に所望の耐用年数を付与することができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
例えば、上述した実施形態ではPC(Prestressed Concrete)床版を例に説明したが、本発明は、RC(Reinforced Concrete)床版や合成床版他の構造であっても同様に適用可能である。
また、上述した実施形態では、コンクリートのひび割れに起因して床版の耐用年数が低下する場合を例に説明したが、本発明は、床版の耐用年数がその他の理由で減少する場合であっても同様に適用可能である。
1 ・・・ 床版設計補助システム
10・・・ 入力装置
20・・・ 出力装置
30・・・ 制御装置
31・・・ 記憶部
32・・・ 演算部
33・・・ 制御部

Claims (2)

  1. 劣化を考慮した床版設計を補助するシステムであって、
    前記床版の初期耐用年数、前記床版の耐用年数を減少させる少なくとも1つ以上の劣化項目、該劣化項目に応じた減少耐用年数、前記床版の耐用年数を増加させる複数の対策項目、及び各対策項目に応じた増加耐用年数を記憶する記憶装置と、
    前記床版の目標耐用年数及び前記床版の設置環境に応じた前記劣化項目が入力される入力装置と、
    前記記憶装置から前記初期耐用年数及び前記入力された劣化項目に応じた減少耐用年数を呼び出し、前記初期耐用年数及び前記入力された劣化項目に応じた減少耐用年数の和が前記目標耐用年数以上となるように必要増加耐用年数を演算し、前記対策項目に応じた増加耐用年数の和が前記必要増加耐用年数以上となるように対策項目の組み合わせを設定する演算装置と、
    を備えていることを特徴とする床版設計補助システム。
  2. 前記記憶装置には、前記床版の構造に応じた初期施工費用及び前記対策項目に応じた加算施工費用が記憶されており、
    前記演算装置は、前記初期施工費用及び設定された前記対策項目の加算施工費用の総額が予め設定された目標施工費用以下となるように、前記対策項目の組み合わせを再設定することを特徴とする請求項1記載の床版設計補助システム。
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