JP6951297B2 - 有機膜形成用組成物及び有機膜 - Google Patents
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Description
本発明の有機膜形成用組成物は、高分子化合物と有機溶媒とを含むものである。以下、各成分について、さらに詳細に説明する。
本発明の有機膜形成用組成物における高分子化合物は、下記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上を有するものである。
本発明の有機膜形成用組成物は有機溶媒を含む。有機溶媒の具体例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル,プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有機膜形成用組成物により、有機膜を形成することができる。本発明の有機膜形成用組成物を用いて有機膜を形成する方法としては、上記の本発明の有機膜形成用組成物をスピンコート法等で被加工基板上にコーティングする方法が挙げられる。スピンコート後、溶媒を蒸発させ、レジスト上層膜やレジスト中間層膜とのミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベークを行う。ベークは100℃以上、400℃以下の範囲内で行い、10〜600秒、好ましくは10〜300秒の範囲内で行う。ベーク温度は、より好ましくは150℃以上350℃以下である。
[合成例(A1)]
500mlの3口フラスコにレゾルシノール40.00g(0.36mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物の20質量%PGME溶液10.00g、及び2−メトキシ−1−プロパノール72.00gを採り、攪拌しながら80℃まで加熱した。そこへ37%ホルマリン23.59g(ホルムアルデヒド0.29mol)を加え、11時間攪拌した。反応液に超純水160gと酢酸エチル200gを加えて分液ロートに移し、酸触媒と金属不純物を除去するために超純水150gで10回洗浄した。得られた有機層を76gまで減圧濃縮した後、酢酸エチルを加えて150gの溶液とし、n−ヘキサン217gを加えた。n−ヘキサン層が上層、高濃度ポリマー溶液が下層となって分離し、この上層を除いた。同様の操作を2度繰り返し、得られたポリマー溶液を濃縮、さらに80℃で13時間減圧乾燥して高分子化合物A1を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=800、Mw/Mn=1.3であった。この高分子化合物A1は、一般式(4)で示される繰り返し単位を有するものである。
1,000mlの3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン80.1g(0.50mol)、37%ホルマリン溶液26.4g(0.24mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール250gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、20%パラトルエンスルホン酸2−メトキシ−1−プロパノール溶液18gをゆっくり加え、液温110℃で12時間撹拌した。室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン500gを加え、有機層を純水200gで5回洗浄後、有機層を減圧乾固した。残渣にTHF300mLを加え、ヘキサン2,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A2を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=3,000、Mw/Mn=2.7であった。この高分子化合物A2は、一般式(4)で示される繰り返し単位を有するものである。
2,000mlの3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン80.1g(0.50mol)、3,4−ジ−t−ブトキシベンズアルデヒド100.1g(0.40mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール600gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液6.4gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル1,500gを加え、有機層を3%硝酸水溶液300gで洗浄後、さらに純水300gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF400mLを加え、ヘキサン3,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A3を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=2,900、Mw/Mn=2.9であった。この高分子化合物A3は、一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
1,000mLのフラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン80g(0.50mol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド36.6g(0.30mol)、及びメチルセロソルブ145gを加え、70℃で撹拌しながらp−トルエンスルホン酸の20質量%メチルセロソルブ溶液20gを添加した。温度を85℃に上げ6時間撹拌後、室温に冷却し、酢酸エチル800mLで希釈した。分液ロートに移し変え、脱イオン水200mLで洗浄を繰り返し、反応触媒と金属不純物を除去した。得られた溶液を減圧濃縮した後、残渣に酢酸エチル600mLを加え、ヘキサン2,400mLでポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをろ別、回収後、減圧乾燥して高分子化合物A4を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=3,800、Mw/Mn=2.4であった。この高分子化合物A4は、一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
2,000mlの3口フラスコに2,7−ジヒドロキシナフタレン80.1g(0.50mol)、テレフタルアルデヒド酸=t−ブチル100.1g(0.40mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール600gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液6.4gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル1,500gを加え、有機層を3%硝酸水溶液300gで洗浄後、さらに純水300gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF400mLを加え、ヘキサン3,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A5を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=2,900、Mw/Mn=2.9であった。この高分子化合物A5は、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものである。
2,000mlの3口フラスコに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸94.4g(0.50mol)、テレフタルアルデヒド酸=t−ブチル100.1g(0.40mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール600gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液6.4gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル1,500gを加え、有機層を3%硝酸水溶液300gで洗浄後、さらに純水300gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF400mLを加え、ヘキサン3,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A6を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=3,500、Mw/Mn=2.8であった。この高分子化合物A6は、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものである。
2,000mlの3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン80.1g(0.50mol)、テレフタルアルデヒド酸60.1g(0.40mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール600gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液6.4gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル1,500gを加え、有機層を3%硝酸水溶液300gで洗浄後、さらに純水300gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF400mLを加え、ヘキサン3,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A7を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=2,200、Mw/Mn=2.9であった。この高分子化合物A7は、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものである。
200mlの3口フラスコに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸9.4g(0.05mol)、テレフタルアルデヒド酸5.3g(0.05mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール60gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液0.6gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル150gを加え、有機層を3%硝酸水溶液30gで洗浄後、さらに純水30gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF40mLを加え、ヘキサン300mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A8を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=2,000、Mw/Mn=2.6であった。この高分子化合物A8は、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものである。
2,000mlの3口フラスコにo−クレゾール54.1g(0.50mol)、3,4−ビス(t−ブトキシカルボニルメトキシ)ベンズアルデヒド140.2g(0.40mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール600gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液6.4gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル1,500gを加え、有機層を3%硝酸水溶液300gで洗浄後、さらに純水300gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF400mLを加え、ヘキサン3,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A9を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=3,200、Mw/Mn=3.0であった。この高分子化合物A9は、一般式(3)で示される繰り返し単位を有するものである。
2,000mlの3口フラスコに1,6−ジヒドロキシナフタレン80.1g(0.50mol)、4−t−ブトキシカルボニルメトキシベンズアルデヒド94.5g(0.40mol)、及び2−メトキシ−1−プロパノール600gを窒素雰囲気下、液温80℃で均一溶液とした後、25%水酸化ナトリウム水溶液6.4gをゆっくり加え、液温110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル1,500gを加え、有機層を3%硝酸水溶液300gで洗浄後、さらに純水300gで5回洗浄を行い減圧乾固した。残渣にTHF400mLを加え、ヘキサン3,000mLでポリマーを再沈させた。沈降したポリマーをろ過で分別し減圧乾燥して高分子化合物A10を得た。GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、Mw=2,700、Mw/Mn=2.7であった。この高分子化合物A10は、一般式(3)で示される繰り返し単位を有するものである。
上記の高分子化合物A1〜A10、添加剤として架橋剤XL1〜3、熱酸発生剤AG1、界面活性剤としてFC−4430(住友スリーエム(株)製)0.1質量%を含む有機溶媒を表1に示す割合で混合し、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって有機膜形成用組成物(Sol.1〜22)をそれぞれ調製した。なお、Sol.1〜10、15〜16、20〜22が本発明の有機膜形成用組成物であり、Sol.11〜14、17〜19は比較用の有機膜形成用組成物である。また、調製した有機膜形成用組成物中、プロピレングリコールエステル、ケトン、及びラクトンから選ばれる1種以上の合計が全有機溶媒を占める量を表1に併せて示す。
PGMEA:プロピレングリコ−ルメチルエーテルアセテート
Cyho:シクロヘキサノン
PGEE:プロピレングリコールエチルエーテル
GBL:γ−ブチロラクトン
4M2P:4−メチル−2−ペンタノール
本発明の有機膜形成用組成物により形成される有機膜は、直上にケイ素含有レジスト中間膜がスピンコートされることから、形成される有機膜がインターミキシングが起こらない有機膜であるかを調べるために有機溶剤への耐性を評価した。上記の有機膜形成用組成物(Sol.1〜22)をそれぞれシリコン基板上に塗布し、285℃で60秒間焼成して有機膜を形成して膜厚T1を測定した。得られた有機膜上にPGMEA/PGME=30/70(質量比)をスピンコートした後、100℃で30秒間加熱処理して膜厚T2を測定した。これらの測定結果から、T1−T2で示される膜厚減を算出した。結果を表2に示す。
本発明の有機膜形成用組成物により形成される有機膜は有機レジスト下層膜上に積層されることから、有機レジスト下層膜上での成膜性を確認した。シリコンウエハ上に、有機レジスト下層膜として信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−102を塗布し、膜厚200nmの有機レジスト下層膜を形成した。この上に有機膜形成用組成物(Sol.1〜22)を塗布し、285℃で60秒間焼成して有機膜を形成し、有機膜の成膜状態を確認した。結果を表3に示す。
上記の有機膜形成用組成物(Sol.1〜10、15〜16)をそれぞれシリコン基板上に塗布し、285℃で60秒間焼成して25nmになるように有機膜を形成して膜厚T1を測定した。この膜を29%アンモニア水/35%過酸化水素水/水=1/1/8で混合し65℃に保ったアンモニア過水中に5分間浸漬し、純水で洗浄した後に100℃で60秒間加熱乾燥させ、膜厚T3を測定した。また、このときの膜除去速度を求めた。これらの結果を表4に示す。
シリコンウエハ上に、有機レジスト下層膜として信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−102を膜厚200nmで形成した。その上に本発明の有機膜形成用組成物(Sol.1〜10、15〜16、20〜22)をそれぞれ塗布し、285℃で60秒間加熱して有機膜を積層した。一方、比較例4−1では、有機膜を導入しなかった。
Claims (6)
- 有機膜形成用組成物であって、
該有機膜形成用組成物が、下記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上を有する高分子化合物と有機溶媒とを含み、該有機溶媒において、プロピレングリコールエステル、ケトン、及びラクトンから選ばれる1種以上の合計が全有機溶媒中の30wt%を超える量を占めるものであり、かつ、
前記有機膜形成用組成物が、アンモニア過水に可溶であるケイ素含有レジスト中間膜の直下、かつ、アンモニア過水に難溶である有機レジスト下層膜の直上に導入する有機膜を形成するためのものであることを特徴とする有機膜形成用組成物。
- 前記ケイ素含有レジスト中間膜が、ホウ素及びリンのいずれかもしくは両方を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の有機膜形成用組成物。
- 前記有機膜形成用組成物が、さらに、熱酸発生剤及び架橋剤のいずれかもしくは両方を含有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機膜形成用組成物。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機膜形成用組成物から形成されたものであり、かつ、29%アンモニア水/35%過酸化水素水/水=1/1/8で混合した65℃の溶液による処理によって、5nm/分以上の溶解速度を有するものであることを特徴とする有機膜。
- 前記有機膜形成用組成物が、膜厚が10nm以上100nm未満である有機膜を与えるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機膜形成用組成物。
- 前記有機膜が、膜厚が10nm以上100nm未満である有機膜であることを特徴とする請求項4に記載の有機膜。
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