JP6949095B2 - 三価クロム化合物を含む電解液を使用してクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法 - Google Patents

三価クロム化合物を含む電解液を使用してクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6949095B2
JP6949095B2 JP2019221834A JP2019221834A JP6949095B2 JP 6949095 B2 JP6949095 B2 JP 6949095B2 JP 2019221834 A JP2019221834 A JP 2019221834A JP 2019221834 A JP2019221834 A JP 2019221834A JP 6949095 B2 JP6949095 B2 JP 6949095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic
chromium
strip
coating
chromium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019221834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020109204A (ja
Inventor
マルマン アンドレア
マルマン アンドレア
モルス クリストフ
モルス クリストフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ThyssenKrupp Rasselstein GmbH
Original Assignee
ThyssenKrupp Rasselstein GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ThyssenKrupp Rasselstein GmbH filed Critical ThyssenKrupp Rasselstein GmbH
Publication of JP2020109204A publication Critical patent/JP2020109204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6949095B2 publication Critical patent/JP6949095B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D7/00Electroplating characterised by the article coated
    • C25D7/06Wires; Strips; Foils
    • C25D7/0614Strips or foils
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/04Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium
    • C25D3/06Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium from solutions of trivalent chromium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D7/00Electroplating characterised by the article coated
    • C25D7/06Wires; Strips; Foils
    • C25D7/0614Strips or foils
    • C25D7/0628In vertical cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/02Tanks; Installations therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/02Heating or cooling
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/12Process control or regulation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D9/00Electrolytic coating other than with metals
    • C25D9/04Electrolytic coating other than with metals with inorganic materials
    • C25D9/08Electrolytic coating other than with metals with inorganic materials by cathodic processes
    • C25D9/10Electrolytic coating other than with metals with inorganic materials by cathodic processes on iron or steel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/10Agitating of electrolytes; Moving of racks

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Description

本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法に関する。
包装材料の製造において、クロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された電解コーティング鋼板を使用できることが従来技術から知られており、この鋼板は「ティンフリー鋼」(TFS)または「電解クロムコーティング鋼」(ECCS)として知られており、ブリキに代わるものである。このティンフリー鋼は、塗料または有機保護コーティング(例えば、PPまたはPETのポリマーコーティング)に特に有利な接着性を特徴とする。このクロムコーティング鋼板は、原則として20nm未満のクロムおよび酸化クロムの薄いコーティング厚にもかかわらず、包装材料の製造に使用される変形プロセス、例えば深絞り成形法やしごき加工における良好な耐食性と良好な加工性を特徴とする。
金属クロムおよび酸化クロムを含むコーティングで鋼基板をコーティングするために、ストリップコーティングシステムでクロム(VI)含有電解質を使用してストリップ形状の鋼板上にコーティングを施す電解コーティング法を使用できることが従来技術から知られている。しかし、電解プロセスで使用されるクロム(IV)含有電解質には環境的に有害で健康を脅かす特性があるため、これらのコーティング法にはかなりの不利益が伴い、また、クロム(IV)含有材料の使用は間もなく禁止されるため、近い将来、代替のコーティング法に置き換えなければならないであろう。
このため、電解質を含むクロム(IV)の使用を不要にする電解コーティング法が、最新技術で既に開発されている。例えば、特許文献1は、ストリップコーティングシステムでクロム金属/酸化クロム(Cr/CrOx)層を用いて帯状鋼板を電解コーティングする方法を開示しており、この方法では、カソードとして接続されている鋼板が、三価クロム化合物(Cr(III))を含む電解液を100m/分を超える高速のストリップ移動速度で通過する。コーティングの組成は、電解液中の三価クロム化合物(Cr(III))に含まれるクロム金属および酸化クロム成分以外の成分に応じて(さらに硫酸クロムと炭化クロムも含まれていてもよい)、電解液が収容されている電解槽での電析プロセス中に設定されるアノードでの電解の電流密度に大きく依存することが観察された。電流密度の関数として3つの領域(レジームI、レジームII、レジームIII)が形成され、第1の電流密度閾値までの電流密度が低い第1の領域(レジームI)では鋼基板上にクロムを含む析出は起こらず、中程度の電流密度を有する第2の領域(レジームII)では電流密度と析出したコーティングの重量との間に線形関係があり、第2の電流密度閾値を超える電流密度(レジームIII)では、析出したコーティングの部分的な分解が起こるため、この領域では、電流密度が増加するにつれて、析出したコーティング内のクロムのコーティング重量は最初に減少し、その後、より高い電流密度で安定した値に落ち着くことがわかっている。中程度の電流密度を有する領域(レジームII)では、主に金属クロムが(コーティングの総重量に対して)最大80重量%で鋼基板上に析出し、第2の電流密度閾値を超える(レジームIII)と、コーティングはより多くの酸化クロム含量を含み、電流密度がより高い領域ではコーティングの析出総重量の1/4〜2/3になる。領域(レジームI〜III)間の境界を定義する電流密度閾値の値は、鋼板が電解液を通過するストリップ移動速度に依存することが判明した。
特許文献2に記載されているように、クロム/酸化クロムコーティングで被覆されたティンフリー鋼(被覆されていない鋼板)が包装用途で使用するのに十分に高い耐食性を有することを保証するためには、従来のECCSに匹敵する耐食性を実現するために少なくとも20mg/mの最小コーティング重量が必要である。さらに、包装用途での使用に適した十分に高い耐食性を達成するためにコーティングは少なくとも5mg/mの酸化クロムの最小コーティング重量を有する必要があることが示された。コーティングにおける酸化クロムのこのような最小コーティング重量を確保するためには、電解プロセスで高い電流密度を設定して、酸化クロム含量が比較的多いコーティングが鋼基板上に析出できる領域(レジームIII)で動作できるようにすることが有用と思われる。したがって、酸化クロム含量が多いコーティングを得るためには、高い電流密度を使用する必要がある。ただし、電解槽で高い電流密度を達成するには、アノードに高電流を印加するためのかなりのエネルギー量が必要である。
WO2015/177314A1 WO2014/079909A1
本発明により解決される問題は、三価クロム化合物を含む電解液を使用して、クロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップを製造できる最も効率的かつ省エネルギーの方法を利用可能にすることである。
この問題は、請求項1の特徴を備えた方法によって解決される。この方法の好ましい実施形態は、従属請求項以降に続く。
本発明により開示される方法によれば、クロム金属と酸化クロムとを含むコーティングは、カソードとして接続されている金属ストリップを、ストリップ移動方向に互いに連続して接続されている複数の電解槽に、所定のストリップ移動速度でストリップ移動方向に連続して通して電解液に接触させることによって、三価クロム化合物を含む電解液から金属ストリップ、特に鋼ストリップ上に電析され、ここで、ストリップ移動方向で見て第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループは低い電流密度jを有し、ストリップ移動方向に続く第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループは中程度の電流密度jを有し、ストリップ移動方向で見て最後の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループは高い電流密度jを有し、j≦j<jであり、低い電流密度jは20A/dmよりも高い。
低い電流密度j>20A/dmは、第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループで、クロムおよび/または酸化クロムを含むコーティングが金属ストリップ上に析出され得るように選択される。電流密度に使用される下限値20A/dmによって、遅いストリップ移動速度(例えば、v=100m/分)でもクロムおよび/または酸化クロムを含むコーティングの析出が可能になる。高スループットを実現するには、ストリップ移動速度はv≧100m/分が好ましい。
ストリップ走行方向に連続して配置された複数の電解槽を複数のグループに分割することによって、また、個々の電解槽に異なるストリップ移動速度を設定し、ストリップ移動速度がストリップ移動方向に増加することによって、一方では100m/分以上の速いストリップ移動速度を維持することができ、また、金属ストリップの少なくとも片面に十分に高いコーティング重量のコーティングを析出させことができ、他方では十分に高い耐食性を確保するために必要な少なくとも5mg/m、好ましくは7mg/m超の酸化クロム含量を含むコーティングを析出させることができる。
この文脈において、酸化クロムという用語は、水酸化クロム、特に水酸化クロム(III)、酸化クロム(III)水和物、およびそれらの混合物を含むクロムの全ての酸化物形態(CrOx)を指す。
第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループでは、使用される電流密度jおよびjがそれぞれ、ストリップ移動方向で見た最後の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループの電流密度と比べて低いという事実に起因して、第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループでは、アノードへの印加に必要な電流が低いため、エネルギーを節約できる。しかしながら、これにも関わらず、それぞれ第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループに設定されている低い電流密度j、jでさえも、一定量の酸化クロムが金属基板上に析出できるため、十分に高いコーティング重量の酸化クロムがコーティング中に生じる。ストリップ移動方向で見て最後の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループでは、高い電流密度jは、コーティングの析出総重量に対する酸化クロムの割合がより高くなるように設定されているため、酸化クロムの大部分はこれらの槽で析出される。
第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループにおいて、析出したコーティングのコーティング総重量の特定の割合である約9%〜25%は酸化クロムに起因するため、酸化クロムの結晶は、第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループにおいて金属ストリップ表面に形成される。最後の電解槽および/または複数の電解槽のうちの後グループでは、これらの酸化クロム結晶は追加の酸化物結晶の成長のための核セルとして機能し、これは酸化クロムの析出効率、より具体的にはコーティングの析出総重量のうちの酸化クロムの割合が、最後の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループで増加する理由を説明する。したがって、第1および第2の電解槽および複数の電解槽のうちの前および中間グループでそれぞれ低い電流密度jおよびjを使用することでエネルギーを節約しながら、金属ストリップ表面に好ましくは5mg/m超の十分に高いコーティング重量の酸化クロムを生成することができる。
コーティングの酸素含量は、より高い電流密度(結果として、より少ない酸化物含量)での電析中に達成される酸素含量よりも多いため、第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループで生成される酸化クロム含量は、より高密度のコーティングが形成され、その結果耐食性が向上する。
連続して配置された少なくとも3つの電解槽を使用すると、可能な限り低い電流密度で速いストリップ移動速度を維持でき、プロセスの効率が向上する。好ましいストリップ移動速度である少なくとも100m/分を維持して、金属ストリップの少なくとも片面にクロム/酸化クロム層の析出を行うために少なくとも25A/dmの電流密度が必要であることがわかっている。この電流密度25A/dmは、約100m/分のストリップ移動速度での第1の電流密度閾値を表し、これは、レジームI(クロム析出なし)とレジームII(電流密度と析出するコーティングのクロムのコーティング重量との間に線形関係があるクロム析出)とを分ける。
電解槽内の電流密度(j、j、j)は、ストリップ移動速度に合わせて各々調整され、ストリップ移動速度とそれぞれの電流密度(j、j、j)との間に少なくともほぼ線形関係が存在する。第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループの電流密度が、第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループの電流密度よりも低い場合、有利である。第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループの電流密度が低いと、金属ストリップの表面上に直接、好ましくは8%超、より好ましくは8%〜15%、最も好ましくは10重量%超の比較的高い酸化クロム含量を有する、高密度の、したがって耐腐食性のあるクロム/酸化クロムコーティングが生成される。
電解槽に電流密度(j、j、j)を生成するには、好ましくは、2つのアノードが互いに対向して配置されたアノード対を各電解槽に配設し、アノード対の対向するアノード間に、金属ストリップを通過させる。これにより、金属ストリップの周囲に電流密度を均一に分布させることが可能になる。ここで、各電解槽のアノード対にそれぞれ独立して電流を印加することができ、それにより各電解槽に異なる電流密度(j、j、j)を設定することが可能であることが好ましい。
ストリップ移動方向で見て最後の電解槽に高い電流密度jを設定できるように、少なくとも一つのアノード対を最後の電解槽の中に配設することができ、そのアノード対は、ストリップ移動方向でそれよりも前の電解槽のアノード対に比べて長さが短い。これにより、全てのアノード対を同じ電流量で作動させることができるが、最後の電解槽の電流密度jは、それよりも前の電解槽の電流密度よりも高く設定できる。さらに、最後の電解槽の短くなったアノード対を使用することにより、アノードをより低い整流容量を有する整流器に結合できる。
金属ストリップのストリップ移動速度は、各電解槽において、金属ストリップが電解液と電解的に効果的に接触している電解時間(t)が2.0秒未満、具体的には0.5〜1.9秒、好ましくは1.0秒未満、具体的には0.6秒〜0.9秒となるような、移動速度であることが好ましい。これにより、一方ではより高いプロセス効率が確保され、他方では析出したコーティングにおいて好ましくは少なくとも40mg/m、具体的には70mg/m〜180mg/mの十分に高いコーティング重量のクロムを備えたコーティングの析出が確保される。析出したコーティングのコーティング総重量中の酸化クロムの割合は、少なくとも5%、好ましくは10%超、具体的には11%〜16%である。各電解槽における1秒未満の短い電解時間(電流密度は不変)は、酸化クロムの形成を促進し、金属クロムの形成を抑制し、これは可能な限り最高の酸化クロム含量のコーティングの形成を確保するためには短い電解時間(t)を維持することも好ましい理由を説明する。
金属ストリップが電解液(E)と電解的に効果的に接触する総電解時間(t)は、全ての電解槽(1c〜1h)にわたる平均で好ましくは16秒未満、具体的には3〜16秒である。最も好ましくは、総電解時間は8秒未満であり、具体的には4秒〜7秒である。
金属ストリップがストリップ移動方向で通過する電解槽の構成により、コーティングの層ごとの析出が行われ、コーティング組成が異なる層、特にそれぞれの層の酸化クロム含量が異なる層が、各電解槽で使用される電流密度に応じて各電解槽で生成される。したがって、例えば、第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループでは、酸化クロム含量が5%を超える、特に6%〜15%のクロム金属・酸化クロム含有層を金属ストリップ表面に析出させることができ、第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループでは、酸化クロム含量が5%未満、特に1%〜3%のクロム金属・酸化クロム含有層を析出させることが可能である。第3の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループにおける高い電流密度jでは、常に酸化クロム含量が多い層が析出し、多い酸化クロム含量とは好ましくは40%超、特に50%〜80%である。
十分に高い耐食性を達成するために、電解液から析出し、組成としてクロム金属と酸化クロム、およびオプションで硫酸クロムと炭化クロムを少なくとも含むコーディングは、少なくとも40mg/m、具体的には70mg/m〜180mg/mであるクロムの全コーティング重量部を有することが好ましく、コーティング内の析出したクロムの総重量に含まれる酸化クロムの割合は少なくとも5%、好ましくは10%〜15%である。酸化クロム部分では、コーティング内の酸化クロムとして結合したクロムは、1mあたり少なくとも3mgのCr、具体的には3〜15mg/m、好ましくは1mあたり少なくとも7mgのCrである。
本発明による方法では、好都合には、単一の電解液のみが使用され、すなわち、全ての電解槽が同じ電解液で満たされ、好ましくは、電解液の組成および温度の両方が全ての電解槽で少なくともほぼ同じである。電解液の温度に関しては、可能な限り最高の酸化クロム含量を含むコーティングの析出を保証するために、全ての電解槽で40℃未満の(平均)温度が適切であることが判明した。40℃までの電解液の温度では、酸化クロムの形成が促進され、金属クロムの形成が抑制されることが示されている。さらに、複数の電解槽内の電解液の温度を異なる温度に設定することもできる。例えば、可能な限り最高の酸化クロム含量を含むコーティングを得るために、最後の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループの温度設定を、第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループおよび第2の電解槽または複数の電解槽のうちの中間グループの温度設定よりも低くすることができる。したがって、例えば、最後の電解槽または複数の電解槽のうちの後グループの電解液の(平均)温度は20℃〜40℃未満、好ましくは25℃〜38℃、最も好ましくは35℃であり、最後の電解槽よりも前の電解槽内の電解液の温度はそれよりも高く、特に40℃〜70℃、好ましくは55℃であり得る。
これに関連して、電解液の温度または電解槽の温度への任意の言及は、電解槽の全体積の平均として生じる平均温度を意味することを意図している。原則として、温度が電解槽の上部から下部に向かって上昇する温度勾配が存在する。
電解液の好ましい組成は、三価クロム化合物として塩基性硫酸Cr(III)(Cr(SO)を含む。この好ましい組成および他の組成の両方において、電解液中の三価クロム化合物の濃度は少なくとも10g/L、好ましくは15g/L超、より好ましくは少なくとも20g/Lである。電解液の他の有用な成分には、錯化剤、特にアルカリ金属カルボン酸塩、好ましくはギ酸の塩、特にギ酸カリウムまたはギ酸ナトリウムが含まれ得る。三価クロム化合物の重量割合と、錯化剤、特にギ酸塩の重量割合との比は、好ましくは1:1.1〜1:1.4、より好ましくは1:1.2〜1:1.3、最も好ましくは1:1.25である。導電性を高めるために、電解液はアルカリ金属硫酸塩、好ましくは硫酸カリウムまたは硫酸ナトリウムを含んでもよい。電解液は、好ましくはハロゲン化物を含まず、特に塩化物イオンおよび臭化物イオンを含まず、緩衝剤を含まず、特にボロン酸緩衝剤を含まない。
電解液のpH値(温度20℃で測定)は、好ましくは2.0〜3.0、より好ましくは2.5〜2.9、最も好ましくは2.7である。電解液のpH値を調整するために硫酸などの酸を溶液に加えることができる。
腐食に対する追加の保護、および包装材料内の酸含有内容物に対するバリアを提供するために、コーティングの電析後に、有機コーティング、特に塗料または熱可塑性材料、例えば、PET、PE、PP若しくはそれらの混合物のポリマーフィルムをクロム金属および酸化クロムのコーティング表面に施すことができる。
関連する金属ストリップは、(最初は被覆されていない)鋼ストリップ(ティンフリー鋼ストリップ)または錫で被覆された鋼ストリップ(ブリキストリップ)である。
本発明は、添付の図面を参照し、以下の実施例に基づいてより詳細に説明されるが、これらの実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲を決して限定することなく、単に例として本発明を説明することを意図している。
ストリップ移動方向vに連続して配置されている3つの電解槽を備えた第1の実施形態において本発明により開示される方法を実施するためのストリップコーティングシステムの概略図である。 ストリップ移動方向vに連続して配置されている8つの電解槽を備えた第2の実施形態において本発明により開示される方法を実施するためのストリップコーティングシステムの概略図である。 第1の実施形態において本発明により開示された方法によって被覆された金属ストリップの断面図である。 鋼ストリップ上に電析され、クロム金属、酸化クロムおよび炭化クロムを含む層のGDOESスペクトルを示す図であり、酸化クロムは層の表面に位置する。
図1は、本発明によって開示される、第1の実施形態における方法を実施するためのストリップコーティングシステムの概略図を示す。ストリップコーティングシステムは、3つの電解槽1a、1b、1cを含み、これらは並んでまたは順次配置され、各々電解液Eで満たされている。最初の被覆されていない金属ストリップMが電解槽1a〜1cを連続して通過する。この目的のために、金属ストリップMは、コンベヤ装置(図示せず)によって、ストリップ移動方向vに、電解槽1a〜1cを通って所定のストリップ移動速度で引っ張られる。電解槽1a〜1cの上方には導体ローラSが配設され、導体ローラSにより金属ストリップMはカソードとして接続されている。また、各電解槽にはガイドローラUが配設され、ガイドローラUの周りで金属ストリップMが案内され、それによって金属ストリップMは電解槽に出入りする。
各電解槽1a〜1c内には、少なくとも1つのアノード対APが電解液Eの液面より下に配設されている。図示の実施例では、次々に配置された2つのアノード対APが各電解槽1a〜1cに配設されている。金属ストリップMは、アノード対APの対向するアノードの間を通過する。したがって、図1の実施例では、各電解槽1a、1b、1cに2つのアノード対APが配置され、金属ストリップMはこれらのアノード対APを連続して通過するようになっている。ストリップ移動方向vで見て、最後の電解槽1cの最後の下流アノード対APcは、他のアノード対APの長さよりも短い長さを有する。結果として、この最後のアノード対APcでは、同じ量の電流を印加することで、より高い電流密度を生成することができる。
関係する金属ストリップMは、最初は被覆されていない鋼ストリップ(ティンフリー鋼ストリップ)または錫で被覆された鋼ストリップ(ブリキストリップ)であり得る。電解プロセスの準備では、金属ストリップMを最初に脱脂し、すすぎ、酸洗いし、再度すすぎ、この前処理された形で金属ストリップMは電解槽1a〜1cを連続して通過し、金属ストリップMは、導体ローラSを介して電流を供給することによりカソードとして接続されている。金属ストリップMが電解槽1a〜1cを通過するストリップ移動速度は、少なくとも100m/分であり、900m/分まで測定され得る。
ストリップ移動方向vに連続して配置された電解槽1a〜1cは、各々同じ電解液Eで満たされている。電解液Eは、三価クロム化合物、好ましくは塩基性硫酸Cr(III)、Cr(SOを含む。三価クロム化合物に加えて、電解液は、好ましくは、少なくとも1種の錯化剤、例えばギ酸の塩、特にギ酸カリウムまたはギ酸ナトリウムも含む。三価クロム化合物の重量割合と、錯化剤、特にギ酸塩の重量割合との比は、好ましくは1:1.1〜1:1.4、最も好ましくは1:1.25である。導電性を高めるために、電解液Eは、アルカリ金属硫酸塩、例えば硫酸カリウムまたは硫酸ナトリウムを含んでもよい。電解液E中の三価クロム化合物の濃度は、少なくとも10g/L、最も好ましくは20g/L以上である。電解液のpH値は、硫酸などの酸を加えることにより、2.0〜3.0の好ましい値、具体的にはpH=2.7に調整される。
電解液Eの温度は、全ての電解槽1a〜1cで同じであることが便利であり、25℃〜70℃であることが好ましい。しかしながら、本発明による方法の特に好ましい実施例では、電解槽1a〜1c内の電解液の温度を異なる設定に設定することが可能である。例えば、最後の電解槽1cの電解液の温度は、それよりも上流に配設された電解槽1aおよび1bの温度よりも低くすることができる。本方法のこの実施形態では、最後の電解槽1c内の電解液の温度は好ましくは25℃〜38℃、最も好ましくは35℃である。この実施例では、最初の2つの電解槽1a、1b内の電解液の温度は好ましくは40℃〜75℃、最も好ましくは55℃である。電解槽1c内の電解液Eの温度がより低いため、酸化クロム含量がより多いクロム/酸化クロム層の析出が促進される。
電解槽1a〜1cに配設されたアノード対APには、各電解槽1a、1b、1cで電流密度が異なるように直流電流が供給される。ストリップ移動方向vで見て上流に位置する第1の電解槽1aは低い電流密度jを有し、ストリップ移動方向に続く第2の電解槽1bは中程度の電流密度jを有し、ストリップ移動方向で見て最後の電解槽1cは高い電流密度jを有し、j<j<jであり、低い電流密度jはj>20A/dmである。
それぞれの電解槽に設定された電流密度により、クロムおよび酸化クロムを含む層が、各電解槽中で、金属ストリップMの少なくとも片面に電析され、それにより層B1、B2、B3が生成される。個々の電解槽1a、1b、1c内の電流密度j、j、jが異なるため、各電析層B1、B2、B3の組成は異なり、酸化クロム含量が異なる。
図3は、本発明による方法を使用して電解コーティングされた金属ストリップMの断面図を模式的に示す。金属ストリップMの片面に、個々の層B1、B2、B3で構成されるコーティングBが析出している。個々の層B1、B2、B3はそれぞれ、電解槽1a、1b、1cの1つで表面に析出する。
個々の層B1、B2、B3で構成されるコーティングBは、金属クロム(クロム金属)と酸化クロム(CrOx)とを主成分として含み、個々の層B1、B2、B3の組成は、電解槽1a、1b、1c内の電流密度j、j、jがそれぞれ異なるため、クロム金属と酸化クロムのそれぞれの重量割合が異なる。
金属基板上に析出した層の層構造は、GDOESスペクトル(グロー放電発光分析法)によって確認できる。最初に、厚さ10〜15nmの金属クロム層が金属ストリップ基板上に析出する。この層の表面は酸化され、主にCrの形態の酸化クロムとして、またはCr(OH)の形態の混合酸化物/水酸化物として存在する。この酸化物層の厚さはわずか数ナノメートルである。さらに、電解液の有機錯化剤と硫酸塩の還元の結果として、層全体に均一に結合されているクロム炭素および硫酸クロム化合物が形成される。個々の槽で析出された層B1、B2、B3の典型的なGDOESスペクトルは、層の表面の数ナノメートルで酸素シグナルのかなりの増加を示し、このことからそれぞれの層の表面に酸化物層が集中しているという結論が導き出される(図4)。
カソードとして接続され、電解槽1a〜1cを通過する金属ストリップMは、ストリップ移動速度に応じて、電解時間tの間、電解液Eと電解的に効果的に接触する。ストリップ移動速度が100〜700m/分の場合、各電解槽1a、1b、1cの電解時間は0.5〜2.0秒である。好ましくは、ストリップ移動速度は、各電解槽1a、1b、1cにおける電解時間tが2秒未満、特に0.6秒〜1.8秒であるように十分に高く設定される。したがって、金属ストリップMが全ての電解槽1a〜1cにわたって電解液Eと電解的に効果的に接触している総電解時間は1.8〜5.4秒である。
レジームIIで生じる低い電流密度がコーティング中により高い酸化物レベルをもたらすため、第1の電解槽1aの電流密度jが低いことに起因して、第1の電解槽1aで析出される層B1は、第2の(中間)電解槽1bで析出される層B2と比較して酸化物含量が多い。最後の電解槽1cではレジームIIIに存在する電流密度jが設定され、コーティング中に生成される酸化クロム含量が増加し、含量は好ましくは40重量%超、最も好ましくは50重量%超である。
一例として、表1は、異なるストリップ移動速度での電解槽1a、1b、1cの個々の槽における適切な電流密度j、j、jを示す。表1に示すように、第1の電解槽1aの電流密度jは、第2の電解槽1bの電流密度jよりもわずかに低く、下限値j=20A/dmよりも高い。最初の2つの電解槽1a、1bの電流密度j、jはレジームIIの電流密度であり、電流密度と電析クロムの量(または析出コーティング内のクロムのコーティング重量)との間には線形関係がある。第1の電解槽1aで使用される電流密度jは、レジームI(クロムの析出がまだ生じていない)とレジームIIとを分ける第1の電流密度閾値に近いことが好ましい。これらの低い電流密度jでは、クロム金属/酸化クロムコーティング(層B1)は、レジームIIの高い電流密度に比べて酸化クロム含量が多い状態で金属ストリップMの表面に析出される。したがって、第1の電解槽1aで析出される層B1は、第2の電解槽1bで析出されるコーティングB2よりも酸化クロム含量が多い。
最後の電解槽1cでは、電流密度jは、レジームIIとレジームIIIとを分ける第2の電流密度閾値を超えるように設定される。したがって、最後の電解槽1cの電流密度jはレジームIIIにあり、そこではクロム金属/酸化クロムコーティングの部分分解が起こり、レジームIIの電流密度に比べてかなり高い割合の酸化クロムが析出される。したがって、最後の電解槽1cで析出されるコーティングB3は、コーティングB1およびB2の酸化クロム含量よりも多い酸化クロム含量を含む。
コーティングの電析後、コーティングBで被覆された金属ストリップMをすすぎ、乾燥させ、油(例えばDOSオイル)を塗る。続いて、コーティングBで電解コーティングされた金属ストリップM上のコーティングBの表面に有機カバーコートを設けることができる。有機カバーコートは、例えば有機塗料、またはPET、PP若しくはそれらの混合物などの熱可塑性ポリマーのポリマーフィルムであってもよい。有機カバーコートは、コイルコーティング法またはパネルコーティング法によって設けることができ、パネルコーティング法では、被覆された金属ストリップを最初にパネルに分割し、続いて有機塗料で塗装するかポリマーフィルムでコーティングする。
図2は、ストリップ移動方向vに連続して接続された8つの電解槽1a〜1hを備えたストリップコーティングシステムの第2の実施形態を示す。電解槽1a〜1hは、3つのグループ、すなわち最初の2つの電解槽1a、1bを含む前グループ、ストリップ移動方向に続く電解槽1c〜1fを含む中間グループ、および最後の2つの電解槽1g、1hを含む後グループで構成されている。電解槽の各グループは異なる電流密度j、j、jを有し、前グループの電解槽1a、1bは低い電流密度jを有し、中間グループの電解槽1c〜1fは中程度の電流密度jを有し、後グループの電解槽1g、1hは高い電流密度jを有し、j<j<jであり、低い電流密度jはj>20A/dmである。
前グループの電解槽1a、1bでは、クロムおよび酸化クロム含有層B1が、第2グループの電解槽1c〜1fでは、第2の層B2が、後グループの電解槽1g、1hでは、第3の層B3が、金属ストリップM上に電析される。図1の例のように、連続して配置された電解槽内の電流密度j、j、jが異なるため、層B1、B2、B3は異なる組成を有し、層B1は第2の層B2よりも酸化クロム含量が多く、第3の層B3は2つの層B1、B2よりも酸化クロム含量が多い。
表1と同様に、表2には、異なるストリップ移動速度vでの個々の電解槽1a〜1hの例示的で適切な電流密度j、j、jが列挙されており、前グループの電解槽1a、1bは低い電流密度jに設定され、中間グループの電解槽1c〜1fは中程度の電流密度jに設定され、最後のグループの電解槽1g、1hは高い電流密度jに設定され、j<j<jである。
したがって、図2のストリップコーティングシステムにおいて本発明に開示の方法により金属ストリップMの表面上に生成されたコーティングBは、図3に示すものと本質的に同じ組成および構造を有する。
図2のストリップコーティングシステムは電解槽の数が多く、必然的に総電解時間が長くなり、その時間の間、カソードとして接続されている金属ストリップは電解液Eと電解的に効果的に接触するため、コーティングBをより高いコーティング重量で製造することが可能である。
十分に高い耐食性を達成するために、コーティングBに析出されるクロムの総重量は、好ましくは少なくとも40mg/m、より好ましくは70mg/m〜180mg/mである。析出したクロムの総重量に含まれる酸化クロムの割合は、コーティングBの総重量全体にわたる平均で、少なくとも5%であり、好ましくは10%〜15%である。全体として、コーティングBは、酸化クロムとして結合したクロムの析出重量が、1mあたり少なくとも3mgのクロム、特に3〜15mg/mである、酸化クロム含量を有することが好ましい。酸化クロムとして結合したクロムの析出重量は、コーティングBの総表面積全体で平均して、1mあたり少なくとも7mgのクロムである。コーティングB表面への有機塗料または熱可塑性ポリマー材料の良好な接着は、最大約15mg/mの酸化クロム重量で達成できる。したがって、コーティングB内の酸化クロムのコーティング重量の好ましい範囲は5〜15mg/mである。
図2の実施例では、金属ストリップMが電解液Eと電解的に効果的に接触している総電解時間は、全ての電解槽1a〜1hにわたる平均で好ましくは16秒未満、より具体的には4〜16秒である。
Figure 0006949095
Figure 0006949095

Claims (20)

  1. コーティング(B)で被覆された金属ストリップ(M)の製造方法であって、前記コーティング(B)が、クロム金属および酸化クロムを含み、前記コーティング(B)が、カソードとして接続されている金属ストリップ(M)を電解液(E)と接触させることによって、三価クロム化合物を含む前記電解液(E)から前記金属ストリップ(M)上に電析される、製造方法において、前記金属ストリップ(M)は、ストリップ移動方向に連続して配置された複数の電解槽(1a〜1h)を、所定のストリップ移動速度(v)で連続して通過し、ストリップ移動方向で見て第1の電解槽(1a)または複数の電解槽のうちの前グループ(1a、1b)は低い電流密度(j)を有し、前記ストリップ移動方向に続く第2の電解槽(1c)または複数の電解槽のうちの中間グループ(1c〜1f)は中程度の電流密度(j)を有し、前記ストリップ移動方向で見て最後の電解槽(1h)または複数の電解槽のうちの後グループ(1g、1h)は高い電流密度(j)を有し、j≦j<jであり、低い電流密度j、20A/dm よりも高く、前記第1の電解槽または複数の電解槽のうちの前グループにおいて、前記クロムおよび/または酸化クロムを含むコーティングが前記金属ストリップ上に析出されるように選択されることを特徴とする、方法。
  2. 前記電解槽(1a〜1h)内の電流密度(j、j、j)は、前記ストリップ移動速度(v)に合わせて各々調整され、前記ストリップ移動速度(v)とそれぞれの前記電流密度(j、j、j)との間には線形関係が存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記電解槽(1a〜1h)の各々には、2つの対向するアノードを備えた少なくとも1つのアノード対(AP)が配置され、前記金属ストリップは、対向して配置されたアノード対(AP)のアノードの間を通過することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ストリップ移動方向で見て最後の電解槽(1c;1h)に少なくとも1つのアノード対(APc)が配設され、前記ストリップ移動方向でそれよりも前に配設された電解槽(それぞれ1a、1b、および1a〜1g)のアノード対と比較して長さが短いことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記電解槽(1a〜1c;1a〜1h)の各々において、前記金属ストリップ(M)が前記電解液(E)と電解的に効果的に接触している電解時間(t)は、2.0秒未満であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記金属ストリップ(M)が全ての電解槽(1a〜1c;1a〜1h)にわたって前記電解液(E)と電解的に効果的に接触している総電解時間(t)は、16秒未満であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記電解槽(1a〜1c;1a〜1h)は前記電解液(E)で満たされ、全ての電解槽(1a〜1h)内の前記電解液(E)は同じ組成および/または温度であり、全ての電解槽(1a〜1c;1a〜1h)内の前記電解液(E)の平均温度は40℃未満であることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。
  8. 前記最後の電解槽(1c;1h)または複数の電解槽のうちの後グループ(1g、1h)の電解液の平均温度は、20℃〜40℃であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記最後の電解槽(1c;1h)内の電解液の温度は40℃未満であり、前記最後の電解槽(1h)よりも前の電解槽(1a、1b;1a〜1g)の電解液の温度は40℃超であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記電解液(E)の三価クロム化合物は、塩基性硫酸Cr(III)(Cr(SO)を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記電解液(E)は、三価クロム化合物に加えて、少なくとも1種の錯化剤を含み、ここで三価クロム化合物の重量割合と、錯化剤の重量割合との比は1:1.1〜1:1.4であり、および/または、導電性を高めるために、前記電解液は、アルカリ金属硫酸塩を含み、および/またはハロゲン化物を含まず、緩衝剤を含まないことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記電解液中の三価クロム化合物の濃度は、少なくとも10g/Lであり、および/または前記電解液のpH値(温度20℃で測定)は、2.0〜3.0であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記金属ストリップは、少なくとも100m/分のストリップ移動速度で前記電解槽(1a〜1c;1a〜1h)を通過することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記電解液から析出したコーティングは、少なくとも40mg/m クロムのコーティング総重量を有し、析出したクロムの総重量に含まれる酸化クロムの割合は、少なくとも5%であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記電解液から析出したコーティングは、酸化クロムとして結合したクロムの析出重量が、1mあたり少なくとも3mgのCrである、酸化クロム含量を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記コーティングの電析に続いて、有機材料が、クロム金属および酸化クロムのコーティング上に堆積されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記金属ストリップは、ティンフリー鋼ストリップまたは錫で被覆された鋼ストリップであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第1の電解槽(1a)または複数の電解槽のうちの前グループ(1a、1b)では、酸化クロムの重量割合が5%超であるクロム金属および酸化クロム含有コーティング(B)が、前記金属ストリップの表面に析出されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記第2の電解槽(1b)または複数の電解槽のうちの中間グループ(1c〜1f)では、酸化クロムの重量割合が5%未満であるクロム金属および酸化クロム含有コーティング(B)が、前記金属ストリップの表面に析出されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記第3の電解槽(1c)または複数の電解槽のうちの後グループ(1g、1h)では、酸化クロムの重量割合が40%超であるクロム金属および酸化クロム含有コーティング(B)が前記金属ストリップの表面に析出されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
JP2019221834A 2018-12-13 2019-12-09 三価クロム化合物を含む電解液を使用してクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法 Active JP6949095B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102018132074.4 2018-12-13
DE102018132074.4A DE102018132074A1 (de) 2018-12-13 2018-12-13 Verfahren zur Herstellung eines mit einer Beschichtung aus Chrom und Chromoxid beschichteten Metallbands auf Basis einer Elektrolytlösung mit einer dreiwertigen Chromverbindung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020109204A JP2020109204A (ja) 2020-07-16
JP6949095B2 true JP6949095B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=68426330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019221834A Active JP6949095B2 (ja) 2018-12-13 2019-12-09 三価クロム化合物を含む電解液を使用してクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11396713B2 (ja)
EP (1) EP3666928B1 (ja)
JP (1) JP6949095B2 (ja)
KR (1) KR102268790B1 (ja)
CN (1) CN111321432B (ja)
BR (1) BR102019025861A2 (ja)
CA (1) CA3063790C (ja)
DE (1) DE102018132074A1 (ja)
ES (1) ES2975322T3 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018132075A1 (de) 2018-12-13 2020-06-18 thysenkrupp AG Verfahren zur Herstellung eines mit einer Beschichtung aus Chrom und Chromoxid beschichteten Metallbands auf Basis einer Elektrolytlösung mit einer dreiwertigen Chromverbindung
EP4083268A1 (en) * 2021-04-30 2022-11-02 Atotech Deutschland GmbH & Co. KG Electroplating composition for depositing a chromium or chromium alloy layer on a substrate

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE635457A (ja) * 1962-08-16
ES2583372T3 (es) * 2012-03-30 2016-09-20 Tata Steel Ijmuiden Bv Sustrato recubierto para aplicaciones de empaquetado y un método para producir dicho sustrato recubierto
JP6407879B2 (ja) * 2012-11-21 2018-10-17 タタ、スティール、アイモイデン、ベスローテン、フェンノートシャップTata Steel Ijmuiden Bv パッケージング用途のための鋼基材に適用されるクロム−酸化クロムコーティング及び前記コーティングを製造する方法
CA2915523C (en) * 2013-06-20 2017-09-12 Tata Steel Ijmuiden B.V. Method for manufacturing chromium-chromium oxide coated substrates
BR112016025251B1 (pt) * 2014-05-21 2022-06-21 Tata Steel Ijmuiden Bv Método para revestimento de uma tira de metal em movimento
EP3146091B1 (en) 2014-05-21 2019-08-21 Tata Steel IJmuiden BV Method for manufacturing chromium-chromium oxide coated substrates
EP3112502B1 (en) 2015-06-30 2018-08-01 Vazzoler, Evio Method for plating metallic wire or tape and product obtained with said method
US11136685B2 (en) 2015-11-05 2021-10-05 Topocrom Systems Ag Method and device for the galvanic application of a surface coating
WO2017098994A1 (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 Jfeスチール株式会社 缶用鋼板およびその製造方法
BR112019009702B1 (pt) * 2016-11-14 2023-03-28 Tata Steel Ijmuiden B.V. Método para a eletrogalvanização de uma tira de aço não revestida com uma camada de revestimento
ES2927237T3 (es) * 2017-03-21 2022-11-03 Tata Steel Ijmuiden Bv Método para fabricación de placa negra recubierta con cromo-óxido de cromo
EP3728701A1 (en) * 2017-12-22 2020-10-28 Tata Steel IJmuiden B.V. Method for manufacturing chromium-chromium oxide coated blackplate
DE102018132075A1 (de) 2018-12-13 2020-06-18 thysenkrupp AG Verfahren zur Herstellung eines mit einer Beschichtung aus Chrom und Chromoxid beschichteten Metallbands auf Basis einer Elektrolytlösung mit einer dreiwertigen Chromverbindung

Also Published As

Publication number Publication date
DE102018132074A1 (de) 2020-06-18
EP3666928A1 (de) 2020-06-17
KR102268790B1 (ko) 2021-06-28
EP3666928B1 (de) 2024-02-21
KR20200074030A (ko) 2020-06-24
CA3063790A1 (en) 2020-06-13
US20200190684A1 (en) 2020-06-18
JP2020109204A (ja) 2020-07-16
US11396713B2 (en) 2022-07-26
CA3063790C (en) 2022-09-27
ES2975322T3 (es) 2024-07-04
BR102019025861A2 (pt) 2020-06-23
CN111321432B (zh) 2022-06-10
CN111321432A (zh) 2020-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7000405B2 (ja) 三価クロム化合物を含む電解液を使用してクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法
US10422049B2 (en) Method for plating a moving metal strip and coated metal strip produced thereby
KR890001107B1 (ko) Zn-Fe 계합금 전기도금 강판의 제조방법
JP6949095B2 (ja) 三価クロム化合物を含む電解液を使用してクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法
US3989604A (en) Method of producing metal strip having a galvanized coating on one side
JP6934971B2 (ja) 三価クロム化合物を含む電解液を使用するクロムおよび酸化クロムのコーティングで被覆された金属ストリップの製造方法およびこの方法を実施するための電解システム
JP6989646B2 (ja) ブラックプレート又はブリキの表面を不動態化するための方法及びその方法を実施するための電解システム
JP2000256890A (ja) 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPS58133395A (ja) 片面亜鉛系電気メツキ鋼板の非メツキ面の後処理方法
JPH0369996B2 (ja)
JPS61238995A (ja) A▲l▼合金めつき金属材およびその製造方法
JPH03264696A (ja) 耐食性の優れた亜鉛‐シリカ複合電気めつき鋼板
JPH09202993A (ja) 優れた外観を有する電気めっき鋼板及びその製造方法
JP2000345387A (ja) 優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191211

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6949095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150