JP6948644B2 - ジシアノペンタヘリセン化合物、発光材料およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

ジシアノペンタヘリセン化合物、発光材料およびそれを用いた発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、ジシアノペンタヘリセン化合物、発光材料およびそれを用いた発光素子に関する。より詳細に、本発明は、らせん構造に基づくキラリティが安定で、発光特性に優れるジシアノペンタヘリセン化合物、発光材料およびそれを用いた発光素子に関する。
ヘリセンは、複数の芳香環がオルト縮合してらせん状に連なった構造を有する化合物である。ヘリセンはキラル化合物として知られている。例えば、特許文献1は、少なくとも5つの芳香族環が縮合してなるヘリセン誘導体が電荷輸送材料、発光材料及び波長変換材料等として好適であると述べている。特許文献2は、アザヘリセン系化合物が、有機EL素子、蛍光材料、非線形光学材などへの応用に期待が持てると述べている。
ところで、5つのベンゼン環がオルト縮合してなるペンタヘリセン(式(A))は、らせん構造を採りうるが、それに基づくキラリティが不安定であり、室温下においてラセミ化する。
Figure 0006948644
特開2000−195673号公報 特開2013−40145号公報
本発明の課題は、らせん構造に基づくキラリティが安定で、発光特性に優れるジシアノペンタヘリセン化合物、発光材料およびそれを用いた発光素子を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕 式(I)で表される化合物。


Figure 0006948644
〔式(I)中、EDは電子供与性基を示す。〕
〔2〕 EDが式(d1)〜式(d8)で表される基からなる群から選ばれる少なくともひとつである〔1〕に記載の化合物。

Figure 0006948644

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(式(d1)〜(d8)中、Rは置換基を示し、aおよびbはそれぞれ独立に括弧内のRの数を示し且つ0〜4のいずれかの整数であり、cは括弧内のRの数を示し且つ0〜2のいずれかの整数であり、dはそれぞれ独立に括弧内のRの数を示し且つ0〜5のいずれかの整数であり、Rが複数置換するときそれらは同じ置換基であっても異なる置換基であってもよく、隣接する2つのRが繋がって該Rが結合する炭素原子とともに環を成してもよく、*は結合の手を示す。)
〔3〕 前記〔1〕または〔2)に記載の化合物を含む発光材料。
〔4〕 前記〔3〕に記載の発光材料を含有する発光素子。
本発明に係るジシアノペンタヘリセン化合物は、らせん構造に基づくキラリティが安定であり、円偏光発光や円偏光二色性を示すものと考えられる。本発明に係るジシアノペンタヘリセン化合物は、発光材料として有用である。本発明に係る発光材料には、遅延蛍光を放射するものがある。本発明に係る発光材料を含有する発光素子は、優れた発光効率を実現し得る。
実施例1で製造したトルエン溶液のPLスペクトルを示す図である。 実施例2で製造した有機エレクトロミネッセンス素子の電圧−電流密度特性を示す図である。 実施例2で製造した有機エレクトロミネッセンス素子の電圧−発光強度特性を示す図である。 実施例2で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度−外部量子効率特性を示す図である。 実施例2で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子のELスペクトルを示す図である。
本発明のジシアノペンタヘリセン化合物は、式(I)で表される化合物である。


Figure 0006948644
〔式(I)中、EDは電子供与基を示す。〕

式(I)中のEDにおける電子供与基は、ヘリセン中のベンゼン環に電子を供与する性質を有する原子または原子団である。該電子供与基はハメットのσp値が0未満のものであることが好ましい。ハメットのσp値は、パラ置換ベンゼン誘導体の反応速度または平衡に及ぼす置換基の影響を定量化したものである。ハメットのσp値は、具体的には式(h1)または(h2)のいずれか一つで定義される値である。
log(k/k0) = ρ・σp (h1)
log(K/K0) = ρ・σp (h2)
kは無置換ベンゼン誘導体の反応速度定数、k0は置換ベンゼン誘導体の反応速度定数、Kは無置換ベンゼン誘導体の平衡定数、K0は置換ベンゼン誘導体の平衡定数、ρは反応の種類と条件によって決まる反応定数である。ハメットのσp値に関する詳細な説明および各置換基の値については、J.A.Dean編"Lange's Handbook of Chemistry 第13版"、1985年、3-132〜3-137頁、McGrow-Hillを参照することができる。
EDにおける電子供与基としては、例えば、ヘテロ原子を含有し且つハメットのσp値が0未満であるものを挙げることができる。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子などを挙げることができる。好ましい電子供与基は、ヘテロ原子に結合の手を有する基、またはヘテロ原子の少なくとも1つがsp2炭素原子に結合して該sp2炭素原子を含むπ共役がヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基である。
ヘテロ原子に結合の手を有する基としては、置換若しくは無置換のジアリールアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルアリールアミノ基、置換若しくは無置換の環状アミノ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のトリアリールシリル基、置換若しくは無置換のアルキルジアリールシリル基、置換若しくは無置換のジアルキルアリールシリル基、置換若しくは無置換のトリアルキルシリル基、置換若しくは無置換の環状シリル基、置換若しくは無置換のジアリールホスフィノ基、置換若しくは無置換のジアルキルホスフィノ基、置換若しくは無置換の環状ホスフィノ基などを挙げることができる。
ヘテロ原子の少なくとも1つがsp2炭素原子に結合して該sp2炭素原子を含むπ共役がヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基としては、ヘテロ原子に結合の手を有する基により置換されたアリール基、ヘテロ原子に結合の手を有する基により置換されたヘテロアリール基、ヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたアリール基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記アリール基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基、ヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたヘテロアリール基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記ヘテロアリール基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基、ヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたアルケニル基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記アルケニル基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基、ヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたアルキニル基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記アルキニル基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基などを挙げることができる。
EDにおける電子供与基として、好ましいものは、ヘテロ原子に結合の手を有する基、ヘテロ原子に結合の手を有する基により置換されたアリール基、ヘテロ原子に結合の手を有する基により置換されたヘテロアリール基、ヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたアリール基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記アリール基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基、またはヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたヘテロアリール基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記ヘテロアリール基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基であり、より好ましいものは、ヘテロ原子に結合の手を有する基、ヘテロ原子に結合の手を有する基により置換されたアリール基、またはヘテロ原子がsp2炭素原子に結合している構造を有する基により置換されたアリール基であって該sp2炭素原子を含むπ共役が前記アリール基を介してヘリセン中のベンゼン環まで広がる構造を有する基である。
電子供与基の構成要素であるアリール基は、単環または多環のいずれでもよい。多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和環、不飽和環または芳香環のいずれであってもよい。無置換アリール基を構成する炭素原子の数は、6〜40が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜14がさらに好ましい。
無置換アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、インダニル基、テトラリニル基などを挙げることができる。
置換アリール基としては、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、4−メトキシ−1−ナフチル基などを挙げることができる。
電子供与基の構成要素であるヘテロアリール基は、単環または多環のいずれでもよい。多環ヘテロアリール基は、少なくとも一つの環がヘテロ芳香環であれば、残りの環が飽和環、不飽和環または芳香環のいずれであってもよい。無置換ヘテロアリール基を構成する原子の数は、5〜40が好ましく、5〜20がより好ましく、5〜14がさらに好ましい。
無置換ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員環のヘテロアリール基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員環のヘテロアリール基;インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基などの縮合環のヘテロアリール基;などを挙げることができる。
電子供与基の構成要素であるアルケニル基は、分子中に炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有するものである。アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などを挙げることができる。
電子供与基の構成要素であるアルキニル基は、分子中に炭素−炭素三重結合を少なくとも一つ有するものである。アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などを挙げることができる。
EDにおける電子供与基は、式(d1)〜式(d8)で表される基からなる群から選ばれる少なくともひとつであることが特に好ましい。

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(式(d1)〜(d8)中、Rは置換基を示し、aおよびbはそれぞれ独立に括弧内のRの数を示し且つ0〜4のいずれかの整数であり、cは括弧内のRの数を示し且つ0〜2のいずれかの整数であり、dはそれぞれ独立に括弧内のRの数を示し且つ0〜5のいずれかの整数であり、Rが複数置換するときそれらは同じ置換基であっても異なる置換基であってもよく、隣接する2つのRが繋がって該Rが結合する炭素原子とともに環を成してもよく、*は結合位置を示す。)
本発明において、用語「無置換(unsubstituted)」は、母核となる基のみであることを意味する。母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、用語「置換(substituted)」は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。2個以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。
「置換基」となり得る基の具体例としては、以下の基を挙げることができる。
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などのC2〜6アルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などのC2〜6アルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、キュバニル基などのC3〜8シクロアルキル基;
2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのC3〜8シクロアルケニル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基;
ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員環のヘテロアリール基;
ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員環のヘテロアリール基;
インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基などの縮合環のヘテロアリール基;
オキシラニル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ジオキラニル基などの環状エーテル基;
アジリジニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などの環状アミノ基;
水酸基; オキソ基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2〜6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6〜10アリールオキシ基;
チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5〜6員環のヘテロアリールオキシ基;
カルボキシル基;
ホルミル基; アセチル基、プロピオニル基などのC1〜6アルキルカルボニル基;
ホルミルオキシ基; アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのC1〜6アルキルカルボニルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基;
クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基;
3,3−ジフルオロシクロブチル基などのC3〜6ハロシクロアルキル基;
2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基などのC1〜6ハロアルキルカルボニル基;
シアノ基; ニトロ基; アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキルアミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;
ホルミルアミノ基; アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基などのC1〜6アルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基;
S,S−ジメチルスルホキシイミノ基などのC1〜6アルキルスルホキシイミノ基;
アミノカルボニル基;
メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、i−プロピルアミノカルボニル基などのC1〜6アルキルアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノC1〜6アルキル基;
ヒドロキシイミノメチル基、(1−ヒドロキシイミノ)エチル基、(1−ヒドロキシイミノ)プロピル基などのヒドロキシイミノC1〜6アルキル基;
メトキシイミノメチル基、(1−メトキシイミノ)エチル基などのC1〜6アルコキシイミノC1〜6アルキル基;
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;
トリフルオロメチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基などのC1〜6ハロアルキルチオ基;
ビニルチオ基、アリルチオ基などのC2〜6アルケニルチオ基;
エチニルチオ基、プロパルギルチオ基などのC2〜6アルキニルチオ基;
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基;
トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル基などのC1〜6ハロアルキルスルフィニル基;
アリルスルフィニル基などのC2〜6アルケニルスルフィニル基;
プロパルギルスルフィニル基などのC2〜6アルキニルスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1〜6アルキルスルホニル基;
トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基などのC1〜6ハロアルキルスルホニル基;
アリルスルホニル基などのC2〜6アルケニルスルホニル基;
プロパルギルスルホニル基などのC2〜6アルキニルスルホニル基;
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1〜6アルキルシリル基;
トリフェニルシリル基などのトリC6〜10アリールシリル基;
また、これらの「置換基」は、当該置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、エトキシブチル基は、母核となる基がブチル基であり、置換基がエトキシ基であるので、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
Rとしては、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、C1〜20アルキル基、C1〜20アルコキシ基、C1〜20アルキルチオ基、C1〜20アルキル置換アミノ基、C6〜40アリール置換アミノ基、C6〜40アリール基、5〜40員ヘテロアリール基、C2〜10アルケニル基、C2〜10アルキニル基、C2〜20アルキルアミド基、C6〜20アリールアミド基、トリC1〜10アルキルシリル基が好ましく、C1〜20アルキル基、C1〜20アルコキシ基、C1〜20アルキルチオ基、C1〜20アルキル置換アミノ基、C6〜40アリール置換アミノ基、C6〜40アリール基、5〜40員ヘテロアリール基がより好ましい。
隣接する2つのRが繋がって形成される環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプテン環などを挙げることができる。
本発明のジシアノペンタヘリセン化合物の具体例としては、次のようなものを挙げることができる。但し、これらは単なる例示であり、本発明はこれら例示した化合物(I-1)〜(I-7)に限定されない。
Figure 0006948644
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本発明のジシアノペンタヘリセン化合物は、公知の合成反応(例えば、カップリング反応、置換反応など)を組み合わせて行うことによって得ることができる。
例えば、式(I)で表される化合物は、例えば、つぎのようにして得ることができる。
(例1)
Figure 0006948644

500 mLのシュレンク管を窒素置換し、テレフタルアルデヒド(6.71 g, 50.0 mmol)、2-(4-ブロモフェニル)アセトニトリル (19.6 g, 100 mmol) 、t-BuOH (300 mL)を加え、50℃で30分間撹拌した。その後t-BuOK (11.2 g, 100 mmol) をゆっくりと加え、60 ℃で2時間撹拌した。反応物を濾過してメタノールで洗浄した後、その固体をろ取した。クロロホルム/メタノールを用いて再結晶を行い、黄色の固体を得た。(収量 : quant) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02-7.98 (s, 4H), 7.63−7.56 (m, 8H), 7.54 (s, 2H) であった。1H NMR測定により、化合物2であることを確認した。
Figure 0006948644

光反応器に化合物2 (0.80 g, 1.6 mmol) (3) 及びトルエン (1.5 L) を入れた後、ヨウ素 (0.41 g, 1.6 mmol) を加えた。当該反応器に取り付けた高圧水銀UVランプ (400 W) で累積76.5時間照射、及び撹拌した。反応溶液にNa2SO3水溶液を入れて撹拌し、ヨウ素の色が消えて黄色の溶液になったことを確認した。エバポレーターを用いてトルエンを留去した後、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収後、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。昇華精製を行い、黄色の固体を得た。(収量 : 0.62 g, 収率 : 78%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 8.40 (s, 2H), 8.28 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.01 (s, 2H), 7.87 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 2H). であった。1H NMR測定により、化合物3であることを確認した。
Figure 0006948644

200 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物4 (2.09 g, 10.0 mmol)、1,2-ジクロロエタン (50 mL) を加えて、10分以上氷浴した。その後AlCl3 (1.33 g, 10.0 mmol) を加えた。三ツ口フラスコに滴下漏斗を取り付け、その中に2-クロロ-2-メチルプロパン (2.78 g, 30.0 mmol) の1,2-ジクロロエタン (10 mL) 溶液を加えた。ゆっくりと三ツ口フラスコに撹拌しながら滴下したのち、反応系内を60 ℃にして12時間撹拌した。氷水で満たした100 mLビーカーに反応溶液を少量ずつ加えて、さらにNa2CO3水溶液で中和した。その後ジクロロメタンで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収後、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : ジクロロメタン = 3 : 2) で精製し、白色固体を得た。 (収量 : 2.67 g、収率 : 83%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.57 (s, 1H), 7.31 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.05 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 2H), 6.67 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 1.50 (s, 6H), 1.26 (s, 18H) であった。1H NMR測定により、化合物5であることを確認した。
Figure 0006948644
100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物5 (1.61 g, 5.00 mmol) 、1-ブロモ-4-ヨードべンゼン (2.12 g 7.50 mmol)、脱水DMF (25 mL) を加えた。その後、銅粉末 (0.635 g, 10.0 mmol)、K2CO3 (2.76 g, 20.0 mmol) を加え、150 ℃で22時間撹拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収後、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン) で精製し、白色固体 (0.667 g) を得た。この白色固体の一部 (0.524 g) およびTHF (20 mL) を窒素置換した100 mLシュレンク管に加え、−78 ℃に冷却した。1.6 Mのn-BuLi (0.83 mL, 1.3 mmol) を加え、−78 ℃のまま1時間撹拌した。2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン (0.246 g, 1.32 mmol) を加え、−78 ℃で1時間撹拌した後、室温に戻しながら一晩撹拌した。反応溶液に水を加え、HCl水溶液で中和処理した後、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4の水和物をろ取後、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去し、白色固体を得た。 (収量 : 0.330 g、収率 : 13%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.03 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.94 (dd, J = 8.5, 2.3 Hz, 2H), 6.16 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 1.71 (s, 6H), 1.40 (s, 12H), 1.29 (s, 18H) であった。1H NMR測定により、化合物6であることを確認した。
Figure 0006948644

100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物7 (2.08 g, 4.00 mmol) 、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミン (2.81 g, 10.0 mmol) 、脱水トルエン (70 mL) を加えた。その後、t-BuONa (0.846 g, 8.80 mmol)、Pd(OAc)2 (0.045 g, 0.20 mmol)、P(t-Bu)3HBF4 (0.116 g, 0.400 mmol) を加え、100 ℃で4時間撹拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4の水和物をろ取後、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : トルエン = 1 : 1) で精製し、白色固体を得た。(収量 : 2.74 g、収率 : 83%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.16 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 7.25−7.18 (m, 10H), 6.98 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 1.72 (s, 9H), 1.29 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物8であることを確認した。
Figure 0006948644

100 mLのシュレンク管を窒素置換し、化合物8 (2.64 g, 3.20 mmol)、ジオキサン(25 mL )、HCl水溶液 (36% w/w) (5 mL) を加えた。反応系内を60 ℃にして4時間撹拌した。反応溶液をNa2CO3水溶液で中和し、白色沈殿が生じたのを確認した後、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4の水和物をろ取後、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去し、白色固体を得た(収量 : 2.13 g、収率 : 92%)。 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) 11.29 (s, 1H), 7.83 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 7.13 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 1.23 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物9であることを確認した。
Figure 0006948644

100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物9 (2.18 g, 3.00 mmol) 、1-ブロモ-4-ヨードべンゼン(1.10 g, 3.90 mmol) 、ジオキサン (60 mL) を加えた。その後、CuI (0.057 g, 0.30 mmol)、t-BuONa (0.577 g, 6.00 mmol)、シクロヘキサンジアミン (シス-トランス混合、0.07 g, 0.6 mmol) を加え、反応系内を105 ℃にして一晩撹拌した。クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4の水和物をろ取し、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 1 : 1) で精製し、白色固体を得た。(収量 : 2.28 g、収率 : 86%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 7.95 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 7.15 (dd, J = 8.8, 2.3 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 1.23 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物10であることを確認した。
Figure 0006948644

50 mLのシュレンク管を窒素置換し、化合物10 (1.32 g, 1.50 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン (1.14 g, 4.50 mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.109 g, 0.13 mmol)、KOAc(0.442 g、4.50 mmol)、DMF (12 mL)を加え、反応系内を100 ℃にして一晩加熱撹拌した。反応溶液に水を加えて固体を析出させ、水、メタノールで洗浄した後、ろ取した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 : 酢酸エチル : ヘキサン : クロロホルム = 2 : 1 : 1)にて精製したあと、GPCにより精製し、白色の固体を得た。(収率 0.664 g、収率 : 48%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98−7.93 (m, 4H), 7.67 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 7.16 (dd, J = 8.8, 2.3 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 8.8 Hz, 8H), 1.34 (s, 12H), 1.23 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物11であることを確認した。
Figure 0006948644

300 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.500 g, 1.03 mmol)、3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール (0.863 g, 3.09 mmol)、t-BuONa (0.792 g, 8.24 mmol)、脱水トルエン (50 mL) を加えた後、Pd(OAc)2 (12 mg, 0.051 mmol)、P(t-Bu)3HBF4 (45 mg, 0.16 mmol) を加え、44時間還流しながら撹拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 1 : 2) で精製し、黄色の固体を得た。(収量 : 0.628 g、収率 : 69%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.63−8.58 (m, 4H), 8.38 (s, 2H), 8.10 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 2H), 8.04−7.99 (m, 6H), 7.24−7.17 (m, 8H), 1.40 (s, 36H). であった。1H NMR測定により、化合物tBuCz-CNHであることを確認した。
(例2)
Figure 0006948644

300 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.715 g, 1.47 mmol)、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミン (1.24 g, 4.41 mmol)、t-BuONa (0.792 g, 8.24 mmol)、脱水トルエン (80 mL) を加えた後、Pd(OAc)2 (17 mg, 0.075 mmol)、P(t-Bu)3HBF4 (64 mg, 0.22 mmol)を加え、66 時間還流しながら撹拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 2 : 3) で精製し、黄色の固体を得た。(収率 0.951 g、収率 : 73%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.93 (s, 2H), 7.70 (s, 2H), 7.41 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.36 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.8Hz, 8H), 7.10 (d, J = 9.1 Hz, 8H), 1.29 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物tBuDa-CNHであることを確認した。
(例3)
Figure 0006948644

300 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.600 g, 1.23 mmol)、9,9-ジメチルアクリダン (0.774 g, 3.70 mmol)、t-BuONa (0.949 g, 9.87 mmol)、脱水トルエン (60 mL) を加えた後、Pd(OAc)2 (14 mg, 0.062 mmol)、P(t-Bu)3HBF4 (54 mg, 0.19 mmol)を加え、59時間還流しながら撹拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 1 : 5) で精製し、黄色の固体を得た。(収率 0.679 g、収率 : 74%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 8.62 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 8.50 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.43 (s, 2H), 8.01 (s, 2H), 7.55 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 4H), 6.81−6.74 (m, 4H), 6.54−6.47 (m, 4H), 5.96 (dd, J = 7.3 Hz, 1.1Hz, 4H), 1.58 (s, 12H) であった。1H NMR測定により、化合物Ac-CNHであることを確認した。
(例4)
Figure 0006948644

100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.194 g, 0.400 mmol)、化合物12 (0.424 g, 0.880 mmol)、THF (40 mL) を加えた。その後、10分以上窒素バブリングした0.2 MのNa2CO3水溶液 (20 mL)、及びPd(PPh3)4 (0.023 g, 0.020 mmol) を加え、80 ℃で15時間撹拌した。反応物を濾過して水、メタノールで洗浄し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 3 : 2) で精製し、黄色の固体を得た。(収率 0.345 g、収率 : 83%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.95 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 8.56 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.44 (s, 2H), 8.13−8.08 (m, 6H), 8.05 (s, 2H), 7.55 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 7.50 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 7.38 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 4H), 7.27 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 1.43 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物tBuCzP-CNHであることを確認した。
(例5)
Figure 0006948644

100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.194 g, 0.400 mmol)、化合物13 (0.425 g, 0.880 mmol)、THF (40 mL) を加えた。その後、10分以上窒素バブリングした0.20 MのNa2CO3水溶液 (20 mL)、及びPd(PPh3)4 (0.023 g, 0.020 mmol) を加え、80 ℃で15時間撹拌した。クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 1 : 2) で精製し、橙色の固体を得た。(収率 0.378 g、収率 : 91%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.75 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 8.42 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.33 (s, 2H), 7.97−7.92 (m, 4H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 8H), 7.15 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.96 (d, J = 8.5 Hz, 8H), 6.92 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 1.30 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物tBuDaP-CNHであることを確認した。
(例6)
Figure 0006948644

100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.122 g, 0.250 mmol)、化合物6 (0.288 g, 0.550 mmol)、THF (30 mL) を加えた。その後、10分以上窒素バブリングした0.13 MのNa2CO3水溶液 (15 mL)、及びPd(PPh3)4 (0.014 g, 0.013 mmol) を加え、80 ℃で19時間撹拌した。クロロホルムで抽出し、Na2SO4を加えて乾燥した。Na2SO4を除き、ろ液を回収し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 1 : 1) で精製し、黄色の固体を得た。(収率 0.229 g、収率 : 82%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.91 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 8.53 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.44 (s, 2H), 8.08 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 2H), 8.06 (s, 2H), 7.57 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.42 (d, J = 2.3 Hz, 4H), 7.26 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.74 (dd, J = 8.7, 2.4 Hz, 4H), 5.99 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 1.68 (s, 12H), 1.23 (s, 36H) であった。1H NMR測定により、化合物tBuAcP-CNHであることを確認した。
(例7)
Figure 0006948644

100 mLの三ツ口フラスコを窒素置換し、化合物3 (0.156 g, 0.320 mmol)、化合物11 (0.653 g, 0.704 mmol)、THF (40 mL) を加えた。その後、10分以上窒素バブリングした0.15 MのNa2CO3水溶液 (20 mL)、及びPd(PPh3)4 (0.018 g, 0.016 mmol) を加え、80 ℃で12時間撹拌した。反応溶液に水を過剰に加えて固体を析出させ、水、メタノールで洗浄した後、その固体をろ取した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒 : ヘキサン : クロロホルム = 1 : 1 から3 : 2) で精製し、赤茶色の固体を得た。(収率 0.553 g、収率 : 90%) 1H NMR測定で測定された化合物のケミカルシフト値 (δ) は (400 MHz, CDCl3)δ 8.99 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 8.56 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.44 (s, 2H), 8.12 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 2H), 8.06 (s, 2H), 7.64 (d, J = 1.5 Hz, 4H), 7.53 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz, 16H), 7.08−6.99 (m, 8H), 6.92 (d, J = 8.8 Hz, 16H), 1.25 (s, 72H)であった。1H NMR測定により、化合物tBuDaCzP-CNHであることを確認した。
合成された化合物の精製は、カラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法などによって行うことができる。化合物の同定は、NMR分析などによって行なうことができる。
本発明のジシアノペンタヘリセン化合物は発光材料として用いることができる。本発明の発光材料は、有機フォトルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子を提供することができる。本発明のジシアノペンタヘリセン化合物は、他の発光材料(ホスト材料)の発光をアシストする機能を有するので、他の発光材料にドープして用いることができる。
本発明の有機フォトルミネッセンス素子は、基板上に本発明の発光材料を含有する発光層を設けてなるものである。発光層は、スピンコートなどのような塗布法、インクジェット印刷法などのような印刷法、蒸着法などによって得ることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は陽極と陰極との間に有機層を設けてなるものである。本発明における「有機層」とは、陽極と陰極の間に位置する、実質的に有機物からなる層を意味し、これらの層は本発明の発光素子の性能を損なわない範囲で無機物を含んでいてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一実施形態における構造としては、基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、陰極からなるもの、また、電子輸送層と陰極の間にさらに電子注入層を有するものを挙げることができる。これらの多層構造においては有機層を何層か省略することが可能であり、例えば基板上に順次に、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極とすることや、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極とすることもできる。本発明の発光材料は、発光層のみならず、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、電子輸送層、または電子注入層にドープさせてもよい。
基板は発光素子の支持体となるものであり、シリコン板、石英板、ガラス板、金属板、金属箔、樹脂フィルム、樹脂シートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が低すぎると、基板を通過する外気により発光素子が劣化することがある。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保することが好ましい。
基板上には陽極が設けられる。陽極には仕事関数の大きい材料が一般に用いられる。陽極用材料として、例えば、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属;インジウム酸化物、スズ酸化物、ITO、酸化亜鉛、In23−ZnO、IGZOなどの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或は、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などを挙げることができる。陽極の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布して陽極を形成したりすることもできる。
陽極は異なる2種以上の物質を積層して形成することも可能である。陽極の厚さは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常、10〜1000nm、好ましくは10〜200nmである。不透明でよい場合、陽極は基板の厚みと同程度でもよい。陽極のシート抵抗は数百Ω/□以上であることが好ましい。
必要に応じて設けられる正孔注入層として、銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン化合物のほか、ナフタレンジアミン誘導体、スターバースト型のトリフェニルアミン誘導体、分子中にトリフェニルアミン構造を3個以上、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物などのトリフェニルアミン3量体および4量体、ヘキサシアノアザトリフェニレンのようなアクセプター性の複素環化合物や塗布型の高分子材料を用いることができる。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
必要に応じて設けられる正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料としては、陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができることが好ましい。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに耐熱性が高いことが好ましい。従って、Tgとして70℃以上の値を有する材料が望ましい。
必要に応じて設けられる正孔輸送層として、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマーなどを挙げることができる。より具体的に、m−カルバゾリルフェニル基を含有する化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン(以後、TPDと略称する)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン(以後、NPDと略称する)、N,N,N’,N’−テトラビフェニリルベンジジンなどのベンジジン誘導体、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(以後、TAPCと略称する)、種々のトリフェニルアミン3量体および4量体やカルバゾール誘導体などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。正孔輸送層は、単層構造の膜であってもよいし、積層構造の膜であってもよい。また、正孔の注入・輸送層として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以後、PEDOTと略称する)/ポリ(スチレンスルフォネート)(以後、PSSと略称する)などの塗布型の高分子材料を用いることができる。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
また、正孔注入層あるいは正孔輸送層において、該層に通常使用される材料に対し、さらにトリスブロモフェニルアミンヘキサクロルアンチモンをPドーピングしたものや、PDの構造をその部分構造に有する高分子化合物などを用いることができる。正孔注入・輸送性のホスト材料として、CBPやTCTA、mCPなどのカルバゾール誘導体などを用いることができる。
正孔注入材料として用いることができる好ましい化合物(hi1)〜(hi7)を以下に挙げる。
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正孔輸送材料として用いることができる好ましい化合物(ht1)〜(ht38)を以下に挙げる。
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必要に応じて設けられる電子阻止層として、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(以後、TCTAと略称する)、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]フルオレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(以後、mCPと略称する)、2,2−ビス(4−カルバゾール−9−イルフェニル)アダマンタン(以後、Ad−Czと略称する)などのカルバゾール誘導体、9−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−9−[4−(トリフェニルシリル)フェニル]−9H−フルオレンに代表されるトリフェニルシリル基とトリアリールアミン構造を有する化合物などの電子阻止作用を有する化合物を用いることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。電子阻止層は、単層構造の膜であってもよいし、積層構造の膜であってもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
電子阻止材料として用いることができる好ましい化合物(es1)〜(es5)を以下に挙げる。
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発光層は、陽極および陰極のそれぞれから注入される正孔および電子が再結合することにより励起子が生成して、発光する機能を有する層である。発光層は本発明の発光材料単独で形成してもよいし、ホスト材料に本発明の発光材料をドープして形成してもよい。ホスト材料の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(以後、Alq3と略称する)などのキノリノール誘導体の金属錯体、アントラセン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ビピリジル基とオルトターフェニル構造を有する化合物、mCP、チアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体などを挙げることができる。発光層には公知のドーパントが含まれていてもよい。ドーパントとしては、キナクリドン、クマリン、ルブレン、アントラセン、ペリレンおよびそれらの誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、アミノスチリル誘導体などを挙げることができる。また、Ir(ppy)3などの緑色の燐光発光体、FIrpic、FIr6などの青色の燐光発光体、Btp2Ir(acac)などの赤色の燐光発光体などの燐光性の発光体を用いてもよい。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。発光層は、単層構造の膜であってもよいし、積層構造の膜であってもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
ホスト材料を用いた場合、発光層に含有させることができる本発明の発光材料の量は、下限が、好ましくは0.1質量%、より好ましくは1質量%であり、上限が、好ましくは50質量%、より好ましくは20質量%、さらに好ましくは10質量%である。
発光層のホスト材料として用いることができる好ましい化合物(el1)〜(el40)を以下に挙げる。
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必要に応じて設けられる正孔阻止層として、ビピリジル基とオルトターフェニル構造を有する化合物、バソクプロイン(以後、BCPと略称する)などのフェナントロリン誘導体や、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)−4−フェニルフェノレート(以後、BAlqと略称する)などのキノリノール誘導体の金属錯体、各種の希土類錯体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体など、正孔阻止作用を有する化合物を挙げることができる。これらの材料は電子輸送層の材料を兼ねてもよい。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。正孔阻止層は、単層構造の膜であってもよいし、積層構造の膜であってもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
正孔阻止材料として用いることができる好ましい化合物(hs1)〜(hs11)を以下に挙げる。

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必要に応じて設けられる電子輸送層として、Alq3、BAlqをはじめとするキノリノール誘導体の金属錯体のほか、各種金属錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、カルボジイミド誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体などを用いることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。電子輸送層は、単層構造の膜であってもよいし、積層構造の膜であってもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
必要に応じて設けられる電子注入層として、フッ化リチウム、フッ化セシウムなどのアルカリ金属塩、フッ化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、酸化アルミニウムなどの__金属酸化物などを用いることができるが、電子輸送層と陰極の好ましい選択においては、これを省略することができる。
電子注入層あるいは電子輸送層において、該層に通常使用される材料に対し、さらにセシウムなどの金属をNドーピングしたものを用いることができる。
電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物(et1)〜(et30)を以下に挙げる。
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電子注入材料として用いることができる好ましい化合物(ei1)〜(ei4)を以下に挙げる。
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安定化材料として用いることができる好ましい化合物(st1)〜(st5)を以下に挙げる。
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陰極には仕事関数の小さい材料が一般に用いられる。陰極用材料として、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、スズ、マグネシウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀、リチウム/アルミニウム混合物、マグネシウム銀合金、マグネシウムインジウム合金、アルミニウムマグネシウム合金などが用いられる。透明導電性材料を用いることによって透明または半透明な陰極を得ることができる。陰極の厚さは、通常、10〜5000nm、好ましくは50〜200nmである。陰極のシート抵抗は数百Ω/□以上であることが好ましい。
なお、低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、金、白金等の、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性を増すため好ましい。また、陰極と、隣接する有機層(例えば電子輸送層や、電子注入層)とのコンタクトを向上させるために、両者の間に陰極界面層を設けてもよい。陰極界面層に用いられる材料としては、芳香族ジアミン化合物、キナクリドン化合物、ナフタセン誘導体、有機シリコン化合物、有機リン化合物、N−フェニルカルバゾール骨格を有する化合物、N−ビニルカルバゾール重合体などを挙げることができる。
本発明の発光素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について、その効果を示す。
本発明の発光材料を用いて、有機フォトルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンス素子を作製し、発光特性を評価した。
発光特性の評価は、ソースメータ(ケースレー社製:2400シリーズ)、分光放射輝度計(コニカミノルタ社製:CS−2000)、分光蛍光光度計(日本分光社製:FP−8600)、および100mmΦ積分球(日本分光社製:ILF−835)を用いて行った。
窒素雰囲気のグローブボックス中で、tBuCz-CNH、tBuDa-CNH、Ac-CNH、tBuCzP-CNH、tBuDaP-CNH、tBuAcP-CNH、およびtBuDaCzP-CNHのトルエン溶液をそれぞれ調製した。これらの溶液についてPLスペクトル及び発光量子収率(PLQY)をそれぞれ測定した。その結果を図1および表1に示す。
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膜厚50nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に30nm厚のPEDOT:PSS:テトラフルオロエチレンとパーフルオロ[2−(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニル エーテル]との共重合体膜、45nm厚のEML膜、55nm厚の2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾ[b,d]フラン膜をこの順で真空蒸着法(5.0×10-4Pa以下)によって積層させた(図5参照)。
EML膜として表2に示すドープ材料とホスト材料をそれぞれ用いた。ドーブ材料濃度を10.0重量%に設定した。
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次いで、1nm厚の8−ヒドロキシキノリトリチウム膜、および100nm厚のアルミニウム膜をこの順で真空蒸着法にて積層させることにより陰極を形成させて、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
有機エレクトロルミネッセンス素子の特性を測定した。表2に発光特性を示す。図2に電圧−電流密度特性を示す。図3に電圧−発光強度特性を示す。図4に電流密度−外部量子効率特性を示す。図5にELスペクトル(電流密度10mA/cm2)を示す。
以上のとおり、式(I)で表される化合物からなる発光材料は、高い発光特性が得られた。

Claims (3)

  1. 式(I)で表される化合物。


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    〔式(I)中、EDは式(d1)で表される基、式(d4)で表される基、式(d5)で表される基、および式(d8)で表される基からなる群から選ばれる少なくともひとつを示す。〕


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    (式(d1)、式(d4)、式(d5)、および式(d8)中、Rはアルキル基を示し、aおよびbはそれぞれ独立に括弧内のRの数を示し且つ0〜4のいずれかの整数であり、dはそれぞれ独立に括弧内のRの数を示し且つ0〜5のいずれかの整数であり、Rが複数置換するときそれらは同じアルキル基であっても異なるアルキル基であってもよく、*は結合の手を示す。)
  2. 請求項に記載の化合物を含む発光材料。
  3. 請求項に記載の発光材料を含有する発光素子。
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