JP6948193B2 - クラッド板材の接合構造 - Google Patents
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Description
このような塔槽類の胴板の部分更新工法の一例として、特許文献1および特許文献2に記載のものが知られている。
この工法は、塔槽類の胴板の一部分の大型円筒状胴板部分を更新する工法であって、更新する前記大型円筒状胴板部分を上下方向に複数個の円筒状胴板部分に分け、この円筒状胴板部分を周方向に部分的に切断して取り除き、取り除いて生じた開口に新規部分胴板を溶接により取り付けることを繰り返すことにより、前記各円筒状胴板部分を順次更新して、前記大型円筒状胴板部分を更新する工法である。
また、このような工法において、胴板等の鋼板を耐食性のあるチタンクラッド金属材等のクラッド材に代えて更新すると、胴板等を腐食に強いものにすることができる。
その解決法として、チタンクラッド材によって形成された仕切リングを軟鋼等の鋼材との境に設置し縁切りする方法がある。
この方法を図9を参照して説明する。この図に示すように、鋼材からなる胴板1に、鋼板3aにチタン材(ライニングプレート)2を接合してなるチタンクラッド材からなる胴板3を接合するには、まず、接合すべきチタンクラッド材3からなる上側の胴板3の鋼板3aと、接合される下側の鋼板(胴板)1とを溶接する。
次に、チタンクラッド材からなる胴板3の下端部のチタン材(ライニングプレート)2を切除し、この切除によって現れた鋼板3aに、チタンクラッド材からなる仕切リング5の下側の鋼材6を溶接する。
この場合、仕切リング5は非常に直径の大きいものであるため、周方向に複数に分割してなる仕切リング片5a,5aどうしを溶接によって接合する。
溶接によって接合する場合、仕切リング片5aの上側のチタン材7どうしをチタン溶接する(符号W1で示す。)とともに、仕切リング片5aの下側の鋼材6どうしを溶接する(符号W2で示す。)。
その後、チタンクラッド材からなる上側の胴板3のライニングプレート2と、仕切リング片5aの上側のチタン材7とを、チタン材で形成されたL形のチタンアングル8によって接合する。
このように、未溶融部Sの発生に起因する空洞Sが形成されると、この空洞Sから内容液が浸入し、本体母材、すなわち、胴板3の鋼板3aに到達して、鋼板3aとライニングプレート2との接合端部に腐食を起こさせるという問題がある。
このような問題は、チタンクラッド材からなる仕切リング片以外のチタンクラッド材どうしを溶接によって接合する場合でも生じ得るし、チタンクラッド材以外の溶接が困難なクラッド材どうしを溶接によって接合する場合も生じ得る。
前記母材と前記クラッド金属材とが爆発圧着法により接合されていることを特徴とする。
ここで、前記クラッド金属材とは、母材と異なる金属で形成され、当該母材にクラッド接合される金属材のことを意味する。
また、母材が耐食性を有する非鉄金属材からなる場合、当該非鉄金属材としてインコネルやハステロイ等を使用することができる。
また、母材がインコネルやハステロイ等の非鉄金属材からなる場合、母材が鋼材である場合に比して、母材とクラッド金属材との電位差による腐食の軽減を図れるとともに、鋼材の腐食で発生する水素によるクラッド金属材の水素脆化の軽減を図れる。
前記クラッド板材の前記母材の一端部が前記鋼板の板面に溶接によって接合され、
前記クラッド板材の前記クラッド金属材の一端部が前記ライニングプレートに溶接によって接合されていてもよい。
隣り合う前記クラッド板材片どうしが溶接によって接合され、前記クラッド板材片どうしの溶接接合部に生じた未溶融部のシール構造部において、
前記未溶融部は、前記クラッド板材片の他端部から当該クラッド板材片の一端部に向けて延びるようにして前記溶接接合部に設けられ、
前記未溶融部の少なくとも一部をシールするシール手段(第1シール手段)が、
前記クラッド板材片どうしの接合部に、前記未溶融部の一部を含んで前記溶接接合部の溶接線に交差する方向に貫通して設けられた貫通孔と、
前記貫通孔に設けられて、前記未溶融部の開口部に密着可能なシール部材と、
前記シール部材を押圧することによって、当該シール部材を前記未溶融部の前記開口部に密着させる押圧手段と、を備え、
前記貫通孔の前記クラッド金属材側の開口部は、前記クラッド金属材に溶接された第1キャップによって覆われ、
前記貫通孔の前記鋼材側の開口部は、前記鋼材に溶接された第2キャップによって覆われていてもよい。
また、貫通孔のクラッド金属材側の開口部は、クラッド金属材に溶接された第1キャップによって覆われており、貫通孔の鋼材側の開口部は、鋼材に溶接された第2キャップによって覆われているので、開口部から内容液が侵入してシール部材および押圧手段に達することがない。したがって、シール部材および押圧手段の腐食を防止できる。
さらに、第1キャップはクラッド金属材に溶接され、第2キャップは鋼材に溶接されているので、溶接熱が直接シール部材に伝わることがない。このため、シール部材の溶接熱による変形が無く、シール部材のシール性の信頼性が高まる。
隣り合う前記クラッド板材片どうしが溶接によって接合され、前記クラッド板材片どうしの溶接接合部に生じた未溶融部のシール構造部において、
前記未溶融部は、前記クラッド板材片の他端部から当該クラッド板材片の一端部に向けて延びるようにして前記溶接接合部に設けられ、
前記未溶融部の少なくとも一部をシールするシール手段(第2シール手段)が、
前記クラッド板材片の他端部に、前記未溶融部の一部を含んで設けられた挿入孔と、
この挿入孔に挿入されて当該挿入孔の開口部をシールする挿入部材と、を備えていてもよい。
隣り合う前記クラッド板材片どうしが溶接によって接合され、前記クラッド板材片どうしの溶接接合部に生じた未溶融部のシール構造部において、
前記未溶融部の少なくとも一部をシールするシール手段が、
前記クラッド板材片どうしの接合部に、前記未溶融部の一部を含んで前記溶接接合部の溶接線に交差する方向に貫通して設けられた貫通孔と、
前記貫通孔に設けられて、前記未溶融部の開口部に密着可能なシール部材と、
前記シール部材を押圧することによって、当該シール部材を前記未溶融部の前記開口部に密着させる押圧手段と、
前記クラッド板材片の他端部に、前記未溶融部の一部を含んで設けられた挿入孔と、
この挿入孔に挿入されて当該挿入孔の開口部をシールする挿入部材と、を備え、
前記貫通孔の前記クラッド金属側の開口部は、前記クラッド金属に溶接された第1キャップによって覆われ、
前記貫通孔の前記鋼材側の開口部は、前記鋼材に溶接された第2キャップによって覆われていてもよい。
つまり、シール手段は、上述した第1シール手段と第2シール手段の双方を備えていてもよい。
図1は、クラッド板材の一端部が鋼板の板面に接合されたクラッド板材の接合構造(以下、接合構造と略称する。)を説明するための概略斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態の接合構造は、クラッド板材片(クラッド板材)10の一端部(外周部)が鋼板3aの板面(内面)に溶接によって接合された接合構造である。また、本実施の形態では、塔槽類の鋼材からなる胴板の一部(特に塔槽類の胴部の上端部に位置する胴板の一部)をチタンクラッド材からなる胴板3に代えて更新する際において、塔槽類の胴部の内周部に溶接される大型の仕切リング5を周方向に複数に分割してなる仕切リング片(クラッド板材片)10,10どうしを溶接によって接合している。
爆発圧着法は、2種類の金属を爆発力によって高速で衝突させ、金属どうしを結合(接合)させる加工法であり、単に、爆着と称されることもある。
爆発圧着法では、火薬の爆発によって発生した大きな圧力によって、金属どうしを原子レベルで接合させている。この接合面は波状になるので、接触面が広くなり、非常に接合強度が高くなる。また、爆発圧着法では、従来の溶接などで接合不可能な金属をきわめて強固に接合することができ、例えばチタンと炭素鋼(軟鉄)、チタンと耐食性を有する非鉄金属材との接合に適している。
また、母材11としては耐食性を有する非鉄金属材、例えばインコネル(登録商標)やハステロイ(登録商標)等を使用してもよい。
すなわち、胴板3の内周面側を構成するライニングプレート2の下端部が切除されることで、鋼板3aの内周面が露出されており、この露出した鋼板3aの板面に、仕切リング片10の下側を構成する鋼材11の一端部(外周部)が溶接によって接合されている。なお、溶接した部分は黒塗りの三角形で示している。以下において、溶接した分は同様に黒塗りの三角形で示す。
また、ライニングプレート2の下端部はチタン材12を越えて、鋼材11の外周部の所定の深さまで達している。一方、鋼材11の外周部は所定の深さまで所定の幅で切り欠かれており、この切欠部11aにライニングプレート2の下端部が挿入されている。
仕切リング片10,10どうしの溶接は、図1に示すように、仕切リング片10,10の上側のチタン材12,12どうしをチタン溶接する(符号W1で示す。)とともに、仕切リング片10,10の下側の鋼材11,11どうしを溶接する(符号W2で示す。)ことによって行われている。
このように、未溶融部Sの発生に起因する空洞Sが形成されると、この空洞Sから内容液が浸入し、本体母材、すなわち、胴板3の鋼板3aに到達して当該鋼板3aとライニングプレート2との接合下端部に腐食を起こさせるため、この未溶融部(空洞)Sの少なくとも一部、つまり未溶融部Sの流路の途中や一端部がシール手段20によってシールされている。
第1シール手段21は、仕切リング片10,10どうしの接合部に、未溶融部Sの一部を含んで溶接接合部の溶接線L(図1参照)に交差(直交)する方向に貫通して設けられた貫通孔23と、この貫通孔23に設けられて、未溶融部Sの開口部(貫通孔23に開口する開口部)S1に密着可能なシール部材24と、シール部材24を押圧することによって、当該シール部材24を未溶融部Sの開口部S1に密着させる押圧手段25とを備えている。
リング24aの外径は貫通孔23の孔23aの内径とほぼ等しくなっており、軸方向の長さは孔23aの深さより短くなっている。シール部24b,24bはリング24aの径方向に対向して配置されており、リング24aの周方向に沿って湾曲した略矩形板状に形成されている。また、シール部24bの外周面はリング24aの外周面と面一の円弧面状に形成されており、当該外周面がシール面24cとなっている。さらに、シール部24bの内周面は円弧面状に形成されるとともに、上方に向かうほどシール部24bが薄くなるような傾斜面に形成されている。
このようなシール部材24は貫通孔23にその上方から挿入されている。そして、シール部材24のリング24aは、貫通孔23に設けられている座面23cに設置されるとともに、シール部24b,24bのシール面24c,24cが未溶融部Sの開口部S1を塞ぐようにして当該開口部S1の周囲に密接するようにして配置されている。
テーパ押拡ボルト26は、円錐台状に形成された本体部26aと、この本体部26aの下端面から下方に延在する雄ねじ部26bとを備えている。本体部26aの外周面は下方に向かうほど先細りするようなテーパ面となっており、このテーパ面の傾斜角(貫通孔23の軸に対する傾斜角)は、シール部24bの内周面の傾斜角(貫通孔23の軸に対する傾斜角)と等しくなっている。
雄ねじ部26bは本体部26aの下面から下方に延在し、その下端部は貫通孔23の下端開口部より下方に突出している。そして、この突出している雄ねじ部26bにバネ座金28が外挿されたうえで、ナット27が螺合されている。バネ座金28は貫通孔23の下端周囲の鋼材11の下面およびナット27に当接している。
また、貫通孔23の鋼材11側の開口部は、第2キャップ32によって覆われている。第2キャップ32は下端が閉塞された円筒状のもので、耐食性材料(ステンレス鋼、インコネル等)によって形成されている。第2キャップ32の内径は貫通孔23の下端開口部の内径より大きく、高さは貫通孔23の下端開口部から突出しているテーパ押拡ボルト26の雄ねじ部26bの突出高さより高くなっている。このような第2キャップ32の上端開口部は鋼材11の下面に溶接によって接合されている。
このように、貫通孔23の上端開口部と下端開口部が第1キャップ31と第2キャップ32とによって覆われているので、貫通孔23に上端開口部および下端開口部から内容液が侵入するのを防止できる。
すなわち、図4に示すように、仕切リング片10の他端部(内周部)には、断面円形状の挿入孔35が鋼材11とチタン材12との境界面および未溶融部Sの他端部(一部)を含んで設けられている。したがって、挿入孔35の底面には未溶融部Sの他端部が開口している。また、挿入孔35の中心はクラッド界面(鋼材11とチタン材12との境界面)Kより鋼材11側へ所定寸法tだけずれて配置されている。このように挿入孔35を配置することによって、当該挿入孔35を削孔する際に堅いチタン材12の切削量を少なくすることができるので、削孔を容易に行えるとともに、鋼材11より薄いチタン材12の削孔による強度低下や破損を防止できる。
また、挿入孔35の底部には挿入部材36を挿入する前に、シール材37が挿入されており、このシール材37が挿入部材36によって挿入孔35の底面に密着されている。したがって、このシール材37によって未溶融部Sの他端部の開口がシールされている。
なお、シール材37は挿入しなくてもよいが、未溶融部Sへの内容液の侵入をより確実に防止するために挿入する方が好ましい。
また、挿入孔35から突出している挿入部材36の基端部は、その略上半分がチタン材12の他端部(内周部)とチタン溶接されている。これによって、塔槽類の運転中における挿入部材36の抜け落ちを防止している。
この第1変形例では挿入部材36がチタンで形成された半割の挿入部材片36aと、炭素鋼で形成された半割の挿入部材片36bとから構成され、鋼製の挿入部材片36bにチタン製の挿入部材片36aがクラッド接合されている。なお、挿入孔35およびシール材37は図4に示す例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
そして、挿入孔35から突出している挿入部材36の基端部は、その略上半分のチタン製の挿入部材片36aがチタン材12の他端部(内周部)とチタン溶接されるとともに、略下半分の鋼製の鋼材11の他端部(内周部)と溶接されている。これによって、塔槽類の運転中における挿入部材36の抜け落ちをより確実に防止している。
そして、このチタンガスケット39の表面にショルダーボルト38の円板状の胴部38bが、当該ショルダーボルト38をねじ込むことによって密着されている。これによって、挿入孔35の開口部35dがシールされている。
挿入孔41の内周面は先細りするテーパ面となっており、このテーパ面に雌ねじ部41aが形成されている。この雌ねじ部41aにテーパシールボルト40の雄ねじ部40aが螺合されている。この雄ねじ部40aにはシールテープ(図示略)が巻き付けられるか、またはシール膜が塗布されているので、雄ねじ部40aは雌ねじ部41aに密着されている。これによって、挿入孔41の開口部41dがシールされている。
また、挿入孔41の底部にはテーパシールボルト40を挿入する前に、シール材37が挿入されており、このシール材37がテーパシールボルト40によって挿入孔41の底面に密着されている。したがって、このシール材37によって未溶融部Sの他端部の開口がシールされている。
なお、シール材37は挿入しなくてもよいが、未溶融部Sへの内容液の侵入をより確実に防止するために挿入する方が好ましい。
第1シール手段21によってシールする場合、まず、図8(a)に示すように、チタンクラッド材からなる胴板3の内周面に仕切リング片10の一端部(外周部)を接合する。この場合、胴板3の内周面側を構成するライニングプレート2の下端部を切除することで、鋼板3aの内周面を露出させ、この露出させた鋼板3aの板面に、仕切リング片10の下面側を構成する鋼材11の一端部(外周部)を溶接によって接合する。また、仕切リング片10を構成する上側のチタン材12の一端部(外周部)をライニングプレート2の表面にチタン溶接によって接合する。
次に、仕切リング片10,10どうしの接合部に、未溶融部Sの一部を含んで溶接接合部の溶接線に交差(直交)する方向に貫通する貫通孔23を形成する。この場合、上側の大径の孔23aと、下側の小径の孔23bを上下に連続しかつ同軸に形成する。
次に、貫通孔23にテーパ押拡ボルト26を挿入するとともに、その本体部26aをシール部材24の内側に挿通する。これによって、本体部26aの外周面がシール部材24のシール部24b,24bの内周面に密接する。
これに伴って本体部26aが軸回りに回転しながら下降していき、本体部26aの外周面(テーパ面)がシール部材24のシール部24b,24bの内周面を押し拡げることで、シール部24b,24bを外側に押し拡げる。シール部24b,24bが外側に押し拡げられることによって、そのシール面24c,24cが未溶融部Sの開口部S1を塞ぐようにして当該開口部S1の周囲に密着して、当該開口部がシールされる。また、バネ座金28を撓ませることにより、バネ効果によるテーパ押拡ボルト26の応力緩和による緩みを防止する。
また、貫通孔23の鋼材11側の開口部および当該開口部から突出している雄ねじ部26bの下端部、ナット27およびバネ座金28を、第2キャップ32によって覆うとともに、この第2キャップ32の上端開口部を鋼材11の下面に溶接によって接合する。
このように、貫通孔23の上端開口部と下端開口部を第1キャップ31と第2キャップ32とによって覆うことによって、貫通孔23に開口部から内容液が侵入するのを防止する。
次に、図8(b)に示すように、挿入孔35にシール材37を挿入するとともに、挿入孔35の底面に密接させ、その後、挿入孔35に挿入部材36を打ち込むことによって挿入して、シール材37を挿入孔35の底面に押し付ける。これによって、シール材37が挿入孔35の底面に密着するので、当該シール材37によって未溶融部Sの他端部の開口がシールされる。
また、挿入部材36を挿入孔35に挿入することによって、当該挿入部材36の基端部の外周面を挿入孔35の開口縁部に密着させる。これによって、挿入孔35の開口部35dが挿入部材36によってシールされる。
また、第2シール手段22によるシール作業は、図5〜図7にそれぞれ示す第1変形例〜第3変形例のいずれかで行ってもよい。
すなわち、胴板3の内周面側を構成するライニングプレート2の下端部が切除されることで、鋼板3aの内周面が露出されており、この露出した鋼板3aの板面に、仕切リング片10の下面側を構成する鋼材11の一端部(外周部)が溶接によって接合されている。
また、胴板3の内周面側のライニングプレート2と、仕切リング片10の上面側を構成するチタン材12とが、チタン材で形成されたL形のチタンアングル8によって接合されている。
このように、チタンアングル8を使用することによって、チタン製のライニングプレート2とチタン材12とを確実に接合できる。
また、仕切リング片10を構成する鋼材(母材)11の一端部が鋼板3aの板面に溶接によって接合されているので、この接合による接合部からの内容液の侵入を防止できるとともに、仕切リング片10を構成するチタン材(クラッド金属材)12の一端部がライニングプレート2にチタン溶接によって接合されているので、この接合による接合部からの内容液の侵入を防止できる。したがって、鋼板3aの板面に仕切リング片10の一端部を接合してなる接合部からの内容液の侵入を防止できる。
さらに、第1キャップ31はチタン材12に溶接され、第2キャップ32は鋼材11に溶接されているので、溶接熱が直接シール部材24および押圧手段25に伝わることがない。このため、シール部材24の溶接による熱影響が殆ど無く、シール部材24および押圧手段25のシール性の信頼性が高まる。
また、テーパ押拡ボルト26を高強度のボルト用合金鋼で形成することによって、テーパ押拡ボルト26の締付けトルクを大きくすることができるので、シール部材24の面圧を上げてシール性能の向上を図ることができる。
また、貫通孔23を上側の大径の孔23aと下側の小径の孔23bとによって構成したので、孔23aと孔23bとの境界部にある座面23cにシール部材24を設置できる。このためシール部材24の位置決め(上下方向の位置決め)が容易となるとともに、シールに要する部品点数を削減できる。
また、未溶融部Sに仕切リング片10の端部(内周部)からの内溶液の侵入を防止できるので、挿入部材36の挿入孔35への打ち込み(挿入)によって、鋼材11とチタン材12との境界面を引き離す方向に力が作用しても、未溶融部Sへの内容液の侵入を防止できる。
S1 開口部
L 溶接線
2 ライニングプレート
3a 鋼板
5 仕切リング(クラッド板材)
10 仕切リング片(クラッド板材片)
11 鋼材
12 チタン材
20 シール手段
21 第1シール手段
22 第2シール手段
23 貫通孔
24 シール部材
25 押圧手段
31 第1キャップ
32 第2キャップ
35,41 挿入孔
36,38,40 挿入部材
Claims (4)
- 鋼材または耐食性を有する非鉄金属材からなる母材とクラッド金属材とを接合してなるクラッド板材の一端部が鋼板の板面に接合されるクラッド板材の接合構造であって、
前記母材と前記クラッド金属材とが爆発圧着法により接合されており、
前記クラッド板材が、複数のクラッド板材片を接合することによって構成され、
隣り合う前記クラッド板材片どうしが溶接によって接合され、前記クラッド板材片どうしの溶接接合部に生じた未溶融部のシール構造部において、
前記未溶融部は、前記クラッド板材片の他端部から当該クラッド板材片の一端部に向けて延びるようにして前記溶接接合部に設けられ、
前記未溶融部の少なくとも一部をシールするシール手段が、
前記クラッド板材片どうしの接合部に、前記未溶融部の一部を含んで前記溶接接合部の溶接線に交差する方向に貫通して設けられた貫通孔と、
前記貫通孔に設けられて、前記未溶融部の開口部に密着可能なシール部材と、
前記シール部材を押圧することによって、当該シール部材を前記未溶融部の前記開口部に密着させる押圧手段と、を備え、
前記貫通孔の前記クラッド金属材側の開口部は、前記クラッド金属材に溶接された第1キャップによって覆われ、
前記貫通孔の前記鋼材側の開口部は、前記鋼材に溶接された第2キャップによって覆われている、
ことを特徴とするクラッド板材の接合構造。 - 前記鋼板の板面の一部に当該鋼板と異なる金属でかつ前記クラッド金属材と同じ金属製のライニングプレートがクラッド接合され、
前記クラッド板材の前記母材の一端部が前記鋼板の板面に溶接によって接合され、
前記クラッド板材の前記クラッド金属材の一端部が前記ライニングプレートに溶接によって接合されていることを特徴とする請求項1に記載のクラッド板材の接合構造。 - 鋼材または耐食性を有する非鉄金属材からなる母材とクラッド金属材とを接合してなるクラッド板材の一端部が鋼板の板面に接合されるクラッド板材の接合構造であって、
前記母材と前記クラッド金属材とが爆発圧着法により接合されており、
前記クラッド板材が、複数のクラッド板材片を接合することによって構成され、
隣り合う前記クラッド板材片どうしが溶接によって接合され、前記クラッド板材片どうしの溶接接合部に生じた未溶融部のシール構造部において、
前記未溶融部の少なくとも一部をシールするシール手段が、
前記クラッド板材片どうしの接合部に、前記未溶融部の一部を含んで前記溶接接合部の溶接線に交差する方向に貫通して設けられた貫通孔と、
前記貫通孔に設けられて、前記未溶融部の開口部に密着可能なシール部材と、
前記シール部材を押圧することによって、当該シール部材を前記未溶融部の前記開口部に密着させる押圧手段と、
前記クラッド板材片の他端部に、前記未溶融部の一部を含んで設けられた挿入孔と、
この挿入孔に挿入されて当該挿入孔の開口部をシールする挿入部材と、を備え、
前記貫通孔の前記クラッド金属材側の開口部は、前記クラッド金属材に溶接された第1キャップによって覆われ、
前記貫通孔の前記鋼材側の開口部は、前記鋼材に溶接された第2キャップによって覆われていることを特徴とするクラッド板材の接合構造。 - 前記鋼板は、塔槽類の胴部および/または頂部を構成する鋼板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッド板材の接合構造。
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