JP6946666B2 - 強化繊維積層シートおよび繊維強化樹脂成形体 - Google Patents

強化繊維積層シートおよび繊維強化樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、強化繊維積層シートに関し、特にRTM成形に好適な強化繊維積層シートに関するものである。
従来、生産性に優れた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRPと称することがある。)の成形方法として、ドライの強化繊維布帛からなる基材積層体を成形型内に配置し、マトリックス樹脂を型内に注入し強化繊維基材積層体内に含浸させ、樹脂を硬化させた後、成形品を脱型させる、いわゆるRTM成形方法が知られている。
そして一般には、先に強化繊維基材積層体(例えば、複数枚の強化繊維基材)を所定形状に賦形して、FRPの成形前躯体である強化繊維基材積層体のプリフォームを作製し、そのプリフォームを成形型内に配置して、マトリックス樹脂を型内に注入し、基材に含浸した樹脂を硬化させる成形方法(RTM成形方法)が採用されている。
このようなRTM成形方法に用いられる強化繊維布帛として、主に織物やノンクリンプファブリック(NCFと称することがある。)が用いられることが多い。これらの強化繊維布帛は、織機もしくは経編機により、一定幅のものを連続的に生産されロールに巻き取られており、前記のプリフォームを製造する場合には、強化繊維布帛がロールから必要量引き出され、所望の形状に裁断され積層などされる。
ところが、このようにロールから必要量の強化繊維基材を引き出して製品に対応する形状に裁断する方法では、製品形状を切り出した後に残る強化繊維布帛の端材が多く、強化繊維の廃棄量が増加して製造コスト上昇の一因になるという課題があった。
そこで、ロールから裁断するのではなく、必要箇所に強化繊維束を順次配置していくことにより、廃棄量を大幅に低減させる、ファイバープレイスメント法が注目されている。
ファイバープレイスメント法については、強化繊維束を3次元形状型に直接貼り付けていく方法と、平面状の強化繊維シートを作製する方法とが知られている。
強化繊維束を3次元形状型に直接貼り付ける場合においては、例えば、強化繊維束としてタック性を有する強化繊維束を用い、この強化繊維束を型上にダイレクトに配置し、強化繊維束層を固着しながら成形品形状に形成していくため、プリフォームを作製する工程が不要となる。しかしながら、強化繊維束を配置する際には、強化繊維束配置ヘッドを型形状に沿わせて動かす必要があるため、型形状が複雑な場合には、強化繊維束配置ヘッドと型が干渉することにより、強化繊維束を配置できないか、少なくとも強化繊維束を高速配置することができずに生産性を低下させるという課題がある。
一方、平面状のシートを作製する場合においては、タック性を有する強化繊維束もしくはドライの強化繊維束を一方向かつ平面状、さらに、所望の形状に引き揃えてひとつの強化繊維束層を形成し、隣り合う強化繊維束を拘束したり、前記層を複数層積層して層間を拘束したりすることにより、シート形態を形成する。この場合、強化繊維束配置ヘッドは面外方向に動くという複雑な動作をする必要がないため、強化繊維束を高速に配置することができる。シート形態を形成するための強化繊維束(層)の拘束手段としては、樹脂を用いた接着による拘束や、縫合糸を用いた縫合による拘束等が知られている。
例えば、強化繊維束を一方向に引き揃えてひとつの層を形成し、積層した層間に挟んだ熱可塑性樹脂ベールで加熱接着することにより、シート形態を形成する方法が提案されている(特許文献1参照。)。この提案の方法では、熱可塑性樹脂ベールを層間に配置し加熱接着することにより、簡易的かつ生産効率高く強化繊維束を拘束することができる。しかしながら、平面上に強化繊維束を配置した後に樹脂を用いて拘束した場合には、後工程の賦形時に、織物やNCFのように基材としての形態(特に、一方向布帛の場合においては繊維配向や繊維間隔等)および強化繊維束のアライメント(真直性)を保ちつつ、型の形状に沿って変形することが困難であった。
また別に、シート状ベース基材上の所定位置に複数の強化繊維束を一方向に配置し、強化繊維束をベース基材上にランダムに点接着することにより、シート形態を形成する方法が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案の方法では、生産効率高く強化繊維束を拘束することができる上、強化繊維束とベース基材とをランダムに点接着するため全面接着している場合に比べて変形しやすいという点では優れているが、大変形を要するような複雑形状に賦形する場合には、強化繊維束のアライメントを十分に維持することが困難であった。
さらに、一方向繊維層を複数層積み重ねて縫合糸により拘束する方法であり、ステッチの種類、間隔、密度、材料、重さおよび張力をパラメータとして、シート形態をしっかり維持する領域と、型形状へ沿った変形に優れた領域とを有するシートとすることが提案されている(特許文献3参照。)。この提案の方法では、縫合糸で拘束するため層間が接着されていないこと、大変形が必要な箇所には拘束を緩めるというように領域別に拘束具合をコントロールできることから、型形状追従性に優れたシートを作製することができる。また、経編機を用いて複数のステッチ糸を同時に縫合できるため幅一定の反物であれば生産効率良くシート化することができる。しかしながら、この提案で、ファイバープレイスメント法を用いて平面状のシートを作製する場合には、長さの異なる強化繊維束が配置されているため、布帛の端部を剣山で刺して固定する等の手法が取られる経編機のように強化繊維束をそれぞれ把持することができない。従って、この提案では経編機等を用いた縫合糸による拘束を、配置された強化繊維束に対して行うことができず、強化繊維シートを形成することができないという課題がある。また、経編機を用いるのではなく、ワンサイドステッチマシンを用いて縫合糸による拘束を行う場合、1つのヘッドに対してステッチ糸を1糸条しか縫合できないので、シート形態を維持するに足る量のステッチ糸を縫合する場合には、生産性が低下するという課題がある。
特表2013−532739号公報 特開2014−159099号公報 特表2011−530014号公報
上記のように、いわゆるファイバープレイスメント法は、所望の箇所に強化繊維束を順次配置していくため、強化繊維の廃棄量を大幅に低減させることが可能である。特に、平面形状に配置する場合には、強化繊維の配置速度を高くすることができるため、生産性にも優れている。しかしながら、平面上に強化繊維束を配置し、形成した強化繊維束層をバインダで固着し一体化した場合には、型への賦形時、特に基材が大変形を伴う場合に繊維アライメントを維持させることが困難であった。一方、縫合糸を用いて一体化しようとしても、経編機で縫合するように強化繊維束層を縫合糸で拘束することが困難であり、強化繊維積層シートを作製することそのものが困難であった。あるいは、ワンサイドステッチマシンで縫合する場合には生産性が低下する課題があった。
そこで本発明の目的は、上記の従来技術の現状に鑑み、強化繊維の廃棄量を大幅に低減することができ、かつ賦形時に基材としての形態を保ちつつ型の形状に沿って変形することが可能な、生産性に優れた強化繊維積層シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の強化繊維積層シートを用いてなる繊維強化樹脂成形体を提供することにある。
上記のように、ファイバープレイスメント法において、繊維束の層間を拘束する手段として樹脂バインダを用いる方法と縫合糸を用いる方法とがあり、どちらもその拘束度合(バインダ散布量と縫合ステッチ糸量)が増えるほど拘束は強固になり、繊維束のアライメント維持や型への賦形性は劣ることが知られている。しかしながら、本発明者らは、樹脂バインダと縫合糸の2つの拘束手段を同時に用いることにより、一見すると拘束手段の足し合わせによって拘束度合がいっそう増えるという予想に反し、樹脂バインダのみの拘束よりも繊維束のアライメント維持および型への賦形性に優れるという結論に至った。さらには、ステッチによる縫合を必要箇所に絞ることにより、ワンサイドステッチマシンで縫合する場合の生産性低下を最小限に抑えられるとの考えに至った。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであり、本発明の強化繊維積層シートは、一方向に引き揃えられた複数の強化繊維束がひとつの層を形成し、前記の層が複数層積層された強化繊維積層シートであって、前記の強化繊維積層シートの少なくとも一部において層間が樹脂バインダにより固着されており、かつ、前記の強化繊維積層シートの少なくとも一部において縫合糸により複数の層が縫合されており、強化繊維層の面上に離散的に存在する樹脂バインダのみにより層間が固着されている領域と、強化繊維層の面上に離散的に存在する樹脂バインダにより層間が固着されており、かつ縫合糸により複数の層が縫合されている領域とを有することを特徴とする強化繊維積層シートである。また、一方向に引き揃えられた複数の強化繊維束がひとつの層を形成し、前記層が複数層積層された強化繊維積層シートであって、前記強化繊維積層シートの少なくとも一部において層間が樹脂バインダにより固着されており、かつ、前記強化繊維積層シートの少なくとも一部において縫合糸により複数の層が縫合されており、強化繊維層の面上に離散的に存在する樹脂バインダのみにより層間が固着されている領域と、縫合糸のみにより複数の層が縫合されている領域とを有することを特徴とする強化繊維積層シートである。
本発明の強化繊維積層シートの好ましい態様によれば、前記の強化繊維積層シートの外周形状は、A)5本以上の直線のみで囲まれた形状(例えば、五角形や六角形等)、b)少なくとも1本の直線と少なくとも1本の曲線から囲まれた形状(例えば、半円形状やカプセル形状等)、または/および、C)少なくとも1本の曲線のみで囲まれた形状(例えば、円や楕円等)である。
本発明においては、前記のいずれかに記載の強化繊維積層シートとマトリックス樹脂からなる繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
本発明によれば、強化繊維の廃棄量を大幅に低減することができ、かつ賦形時にシートとしての形態および繊維束のアライメントを保ちつつ型の形状に沿って変形させて賦形性を向上させることも可能となる強化繊維積層シートが得られる。
さらに、本発明に係る強化繊維積層シートによれば、強化繊維束に大きな乱れがなくシワも存在しない滑らかな表面を有する繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
図1は、本発明に係る強化繊維積層シートの一実施態様を示す斜視図である。 図2は、本発明に係る強化繊維積層シートの強化繊維束層を構成する強化繊維束の配置を例説明するための斜視図である。 図3は、本発明に係る強化繊維積層シートの一実施態様を示す断面図である。 図4は、本発明に係る強化繊維積層シートの別の実施態様を示す断面図である。 図5は、本発明に係る強化繊維積層シートの別の実施態様を示す断面図である。 図6は、本発明に係る強化繊維積層シートの大変形が求められる領域の一実施態様を示す平面図である。 図7は、本発明に係る強化繊維積層シートの外周形状について説明するための平面図である。
本発明の強化繊維積層シートは、一方向に引き揃えられたひとつもしくは複数の強化繊維束がひとつの層を形成し、前記の層が複数層積層された強化繊維積層シートであって、前記の強化繊維積層シートの少なくとも一部において層間が樹脂バインダにより固着されており、かつ、前記の強化繊維積層シートの少なくとも一部において縫合糸により複数の層が縫合されている強化繊維積層シートである。
次に、本発明の強化繊維積層シートを実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る強化繊維積層シート100の一実施態様を示す斜視図である。図1(a)は、強化繊維積層シート100を表し、図1(b)は、前記の強化繊維積層シート100のうち一部(図1(a)の「P」部分)の層構成を模式的に表している。前記の強化繊維積層シート100は、強化繊維束層101が複数積層されることにより形成される。強化繊維束層101は、一方向に引き揃えられた複数の強化繊維束からなり、所望の形状に形成される。さらに好ましくは、強化繊維束層101は、ファイバープレイスメント法を用いて、強化繊維束がそれぞれ所定の長さでそれぞれ平行に、平面状に配置されて所望の形状に形成される。
強化繊維束層101には、少なくとも片面に樹脂バインダ102が付着しており、全ての層間に樹脂バインダ102が存在するように積層されている。前記の強化繊維積層シート100は、強化繊維束層101および/または樹脂バインダ102に対して加熱および/または加圧等することにより、樹脂バインダ102が溶融し固化する等して層間の固着に寄与する、いわゆる「層間を固着する樹脂バインダ」103になり、「層間を固着する樹脂バインダ」103と縫合糸104による縫合によって、シートの少なくとも一部が拘束されることにより、そのシート形態が維持されている。樹脂バインダ102および「層間を固着する樹脂バインダ」103は、全ての層間に存在していればよく、さらに表層に存在させることもできる。
ここで、用いられる強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維、アルミナ繊維および窒化珪素繊維などが挙げられ、特により成形体を軽量化することができることから、炭素繊維が好ましく用いられる。また、強化繊維束として、複数種の強化繊維または強化繊維と有機繊維の合繊糸から構成される強化繊維束を用いることもできる。
この場合用いられる有機繊維としては、例えば、ポリアミド系合成繊維、ポリオレフィン系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポリフェニルスルフォン系合成繊維、ポリベンゾオキサジン系合成繊維、アセテート、アクリロニトリル系合成繊維、モダクリル繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリ塩化ビニリデン系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリウレタン繊維、ポリクラール繊維、タンパク−アクリロニトリル共重合系繊維、フッ素系繊維、ポリグリコール酸繊維、フェノール繊維、およびパラ系アラミド繊維などが挙げられる。
さらに、本発明の強化繊維積層シートの好ましい外周形状は、A)5本以上の直線のみで囲まれた形状(例えば、五角形や六角形等)、B)少なくとも1本の直線と少なくとも1本の曲線から囲まれた形状(例えば、半円形状やカプセル形状等)、または/および、C)少なくとも1本の曲線のみで囲まれた形状(例えば、円や楕円等)である。
例えば、図7(a)に示されるような自動車部材形状701は、上記のA)、B)およびC)のいずれかの条件を満たすものである一方、図7(b)に示される長方形形状702と平行四辺形形状703は、4本の直線で囲まれたものであるから、上記のA)、B)およびC)のいずれの条件も満たしていない。
また、図7(c)は、図7(b)の「Q」部分の拡大図を表す。ここで外周形状とは略形状も含み、例えば図7(c)のように、矩形形状である強化繊維束の端部にズレが生じていたとしても、その外周形状は長方形形状であるとみなすものとする。
図2は、本発明に係る強化繊維積層シートの強化繊維束層を構成する強化繊維束の配置を例説明するための斜視図である。
図2においては、強化繊維束層201を構成する強化繊維束の配置例が示される。所望の形状203に対して、図2(a)では強化繊維束202が細いものを、図2(b)では強化繊維束202が太いものを配置した例が示されている。
図2(a)のように、強化繊維束が細くなるほど、強化繊維束層201の形状が所望の形状203に近づけることができ、繊維の廃棄量を減少させることができるが、より多くの本数の強化繊維束202を配置することとなり、強化繊維束202の配置に時間を要し、生産性を低下させてしまう。
一方、図2(b)のように、強化繊維束が太くなるほど、強化繊維束202をより早く配置することができるが、強化繊維束層201の形状が所望の形状203からはみ出すこととなり、強化繊維の廃棄量を増大させ、製造コスト増につながる。これらを鑑みて、強化繊維束202を構成する強化繊維の単繊維数は、3000本〜60000本であることが好ましく、10000本〜60000本であることがより好ましい態様である。
強化繊維束202は、例えば、事前にサイジング処理、開繊処理およびバインダ付与等の前処理を施した強化繊維束を用いることもできる。例えば、サイジング処理を施すことにより、強化繊維束の集束性を向上させ、毛羽の発生を抑制させることができる。また、開繊処理を施すことにより、前記強化繊維束の厚みと幅の比(アスペクト比)を調整して、後工程のプリフォーム工程、RTM成形工程の条件に適したアスペクト比に設定することができる。さらに、バインダ付与等の前処理を施すことにより、強化繊維束間の固着状態を均一なものにすることができる。
樹脂バインダ102は、強化繊維束層101の表層に固着させることができ、強化繊維積層シート100の層間を固着する作用を得ることができるものであり、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミドおよびポリアミドイミドなどの樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。
前記の強化繊維積層シート100の層間および表層に存在する樹脂バインダ102の付与量は、前記の強化繊維積層シート100が100質量部であるのに対して、0.1〜20質量部の範囲であることが好ましい。固着材としての樹脂バインダ102の付与量が0.1質量部より小さい場合は、強化繊維積層シートとして形状保持することが困難となる。一方、固着材としての樹脂バインダ102の付与量が20質量部よりも大きい場合、樹脂バインダ102の拘束が強く、型への形状追従性を阻害する可能性がある。
特に、樹脂バインダ102の付与量が2〜10質量部の範囲であるとき、シートの形状を保ちつつ型への形状追従性が比較的良好なため、より好ましい態様である。樹脂バインダ102の形態は、例えば、粉末状や線状であってもよく、不織布形態としても用いることもできる。
樹脂バインダ102を強化繊維に付着する場合の付着方法は、例えば、前処理として強化繊維束に樹脂バインダ102を散布して付着させてもよく、ファイバープレイスメント法で引き揃え後に樹脂バインダ102を散布して付着させることもできる。
樹脂バインダ102によって強化繊維積層シート100の層間を固着する方法としては、例えば、強化繊維積層シート100の層間に樹脂バインダ102が存在する状態で、赤外線ヒータを用いて樹脂バインダ102を加熱し溶融する方法や、加熱した金属平板で強化繊維積層シート100の全面を加熱し加圧する方法が挙げられる。
本発明で用いられる縫合糸104の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、およびポリエーテルサルホン等からなる繊維、無機繊維(例えば炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維)からなる繊維糸条、あるいはこれらの繊維の混紡糸条等が挙げられる。
図3は、本発明に係る強化繊維積層シートの一実施態様の断面図である。
図3において、前記の強化繊維積層シート300は、シート形態を維持する領域305と、賦形時に型の形状に追従して大変形が求められる領域306とを有する。前記のシート形態を維持する領域305では、強化繊維束層301同士の層間が、溶融された樹脂バインダ303により接着され、拘束されている。前記の強化繊維積層シート300は、前記の溶融された樹脂バインダ303により、前記の強化繊維束層301の層間が固定されることにより、シート形態を保つことができる。
前記の大変形が求められる領域306では、強化繊維束層301同士の層間が、層間を固着する樹脂バインダ303により接着され、さらに縫合糸304により前記の強化繊維束層301同士が縫合されている。前記の大変形が求められる領域306では前記の層間を固着する樹脂バインダ303の拘束に加え、前記の縫合糸304による拘束が加わることにより、変形時に局所的に大きなせん断変形が生じ、樹脂バインダ303が破壊した場合にも、縫合糸304が残ることで、繊維束のアライメントを保ちながら型形状に追従することができる。また、層間を固着する樹脂バインダ303により層間が固着されているため、後工程である樹脂注入工程において、樹脂に流されることにより生じる強化繊維束のアライメントの乱れを防ぐことができる。
図4は、本発明に係る強化繊維積層シート400の別の実施態様の断面図である。
前記の強化繊維積層シート強化繊維積層は、シート形態を維持する領域405と、賦形時に型の形状に追従して大変形が求められる領域406とを有する。また、強化繊維積層シート400の面方向全面にわたり、層間に樹脂バインダ402または溶融された樹脂バインダ403が存在している。
樹脂バインダ402または層間を固着する樹脂バインダ403は、シート形態を維持する領域405以外の領域には必ずしも存在しなくてよいが、強化繊維束層401の形態維持に優れる点や、強化繊維積層シート400への樹脂散布が簡便である点から、強化繊維積層シート400の面方向全面にわたり、層間に樹脂バインダ402または層間を固着する樹脂バインダ403が存在している方が好ましい態様である。
図5は、本発明に係る強化繊維積層シート500の断面の別の実施態様である。前記の強化繊維積層シート500は、シート形態を維持する領域505と、賦形時に型の形状に追従して大変形が求められる領域506とを有する。また、強化繊維積層シート500の面方向全面にわたり、層間に樹脂バインダ502または層間を固着する樹脂バインダ503が存在している。前記の大変形が求められる領域506では、前記の縫合糸504により拘束されているため、変形時に縫合糸504が強化繊維束のアライメントを保ちながら型形状に追従することができる。
前記の大変形が求められる領域506では、前記の縫合糸504により拘束されていればよく、樹脂バインダ502により層間が固着されていなくてもよいし、層間を固着する樹脂バインダ503により層間が固着されていることも許容される。樹脂バインダ502により層間が固着されていない場合には、前記の強化繊維積層シート500を型形状に追従する際に、特に大変形が必要とされる形状において強化繊維束のアライメントを保ちやすい点で優れている。層間を固着する樹脂バインダ503により層間が固着されている場合、後工程である樹脂注入工程において、樹脂に流されることで生じる強化繊維束のアライメントの乱れを防ぐことができる。図6は、本発明に係る大変形が求められる領域の別の一実施態様を示す図である。
図6(a)は、強化繊維束層601を表し、図6(b)、図6(c)は、前記の強化繊維束層601のうち、大変形が求められる領域606の一部(図6(a)の「M」部分)の拡大図である。図6の形状の例では、図6(a)の「M」部は3次元形状に変形する際、型形状に沿って大きく変形が必要であり、また、変形時に強化繊維束層601にしわが発生しないよう図6のx方向に大きく圧縮変形する必要のある箇所である。
図6において、縫合糸604の縫合パターンとしては、例えば、鎖編、1/1トリコット編、あるいは鎖編と1/1トリコット編を複合した変則1/1トリコット編や、ワンサイドステッチマシンを用いた縫合パターン(鎖編、1/1トリコット編、変則1/1トリコット編、ブラインドステッチ、ダブルニードル、タフティング)あるいはこれらを複合した縫合パターン等が挙げられ、図6(b)では鎖編の例を、そして図6(c)では1/1トリコット編の例を挙げている。
縫合糸604のピッチpとは、ステッチ針が強化繊維積層シートの厚み方向に1周期分動く間に、ステッチ方向(図6のx方向)に進んだ距離を表す。縫合糸604のピッチpは、2.5mm以上20mm以下であることが好ましい。前記のピッチpが2.5mm未満の場合、作製した強化繊維積層シートの縫合密度が高くなりすぎて、縫合糸が賦形時の強化繊維の変形を阻害するため、十分な賦形性が得られにくい。また、前記のピッチpが20mmよりも大きい場合、作製した強化繊維積層シートの縫合密度が低くなりすぎて、所望の繊維束のアライメントを保持しにくくなる。
縫合糸604同士の間隔wとは、となりあう縫合糸604同士のステッチ直交方向(図6のy方向)の間隔を表す。縫合糸604同士の間隔wは、5mm以上500mm以下であることが好ましい。前記の縫合糸604同士の間隔wが5mm未満の場合、作製した強化繊維積層シートの縫合密度が高くなりすぎて、縫合糸604が賦形時の強化繊維の変形を阻害するため、十分な型追従性(賦形性)が得られにくい。前記の縫合糸604同士の間隔wが500mmよりも大きい場合、作製した強化繊維積層シートの縫合密度が低くなりすぎて、所望の繊維束のアライメントを保持しにくくなる。
前記の強化繊維積層シートとマトリックス樹脂を用いて繊維強化樹脂成形体を作製する場合、使用するマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に限らず、アクリル樹脂やポリアミド樹脂、およびポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用することができる。
本発明の強化繊維積層シートの用途としては、RTM成形方法による繊維強化樹脂成形体を作製する場合に用いられ、その繊維強化樹脂成形体の用途は、例えば、フード、ルーフ、ドア、フェンダ、トランクリッド、サイドパネル、リアエンドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種メンバ、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、各種レール、各種ヒンジなどの、自動車外板、自動車ボディー部品、および自動車構造材などに用いられる。
次に、本発明の強化繊維積層シートについて、実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
<強化繊維>
強化繊維束として、予めサイジング処理を施した、東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700SCを使用した。実施例においては、強化繊維束の幅が6mmで、強化繊維束の単繊維数が12000本の強化繊維束を使用した。
<強化繊維束層>
ファイバープレイスメントヘッドを用いて、架台上に強化繊維束を一方向に隙間なく引き揃え、外周形状が直径700mmの円形状となるように強化繊維束層を2層作製した。
<樹脂バインダ>
日本バイリーン株式会社製の樹脂バインダ不織布(品番:EF15、主成分:ポリアミド、目付:15g/m)を、外周形状が直径700mmの円形状となるように準備した。
<積層と固着>
まず、用意した強化繊維層のうち1層の上に、前記の樹脂バインダ不織布を積層した。次に、この上に残りの強化繊維層を繊維配向角度差が90°となるように配置し積層した。その後、赤外線ヒータを用いて、表層の強化繊維束層が130℃の温度の状態で30秒間加熱し、層間を固着した。このとき、別途強化繊維層を剥がして層間の固着状態を観察したところ、溶融した樹脂バインダが強化繊維層の面上に離散的に存在し、層間を固着していることを確認した。
<縫合>
ワンサイドステッチマシンを用いて強化繊維束層のうち、大変形が必要な領域(150mm×300mm、2か所)を縫合して一体化した。ステッチ糸には、ポリエステル繊維糸(総繊度:30dtex)を用い、縫合パターンは鎖編(ピッチp:10mm、ステッチ糸同士の間隔w:50mm)とした。
<賦形>
楕円半球形状型(高さ:30mmと60mm)の上に作製したシートを配置し、プレス賦形を実施した。その結果、高さが30mmの型において、強化繊維積層シートは繊維束のアライメントを失うことなく型形状に沿うことができ、良好な賦形性能を有することが確認できた。また、高さが60mmの型において、強化繊維積層シートは特に大変形が必要な領域でやや繊維束のアライメントに乱れが見られたが、おおむね型形状に沿うことができ、良好な賦形性能を有することが確認できた。その後、上下型を110℃の温度に加熱し、50kPaで加圧、30秒間保持することにより、プリフォームを作製した。
<成形>
このプリフォームを110℃の温度に保ったRTM成形用両面型の下型に載置し、上型を閉じ、真空ポンプによって型内の空気を排出した。次いで、型内に2液性エポキシ樹脂(主剤:Momentive社製、硬化剤:東レ株式会社製、酸無水物系硬化剤)を、注入圧0.5MPaで注入し、プリフォームに含浸させ、10分間放置した。このようにして、繊維強化樹脂成形品を得た。
得られた繊維強化樹脂成形品は、表面に見える強化繊維束に大きな乱れはなくシワも存在しない滑らかな表面を有しており、繊維強化樹脂成形品として特に優れたものであった。
(実施例2)
強化繊維束として、予めサイジング処理を施した、ZOLTEK社製炭素繊維PX35を使用したこと以外は、実施例1と同じ方法で強化繊維積層シートを作製した。この実施例においては、強化繊維束の幅が25mmで、強化繊維束の単繊維数が50000本の強化繊維束を使用した。
<賦形>
楕円半球形状型(高さ:30mmと60mm)の上に作製した強化繊維積層シートを配置し、プレス賦形を実施した。その結果、高さが30mmの型において、強化繊維積層シートは繊維束のアライメントを失うことなく型形状に沿うことができ、良好な賦形性能を有することが確認できた。また、高さが60mmの型において、強化繊維積層シートは特に大変形が必要な領域でやや繊維束のアライメントに乱れが見られたが、おおむね型形状に沿うことができ、良好な賦形性能を有することが確認できた。その後、上下型を110℃の温度に加熱し、50kPaで加圧し、30秒間保持することにより、プリフォームを作製した。
<成形>
このプリフォームを110℃の温度に保ったRTM成形用両面型の下型に載置し、上型を閉じ、真空ポンプによって型内の空気を排出した。次いで、型内に液状の東レ(株)製エポキシ樹脂を、注入圧0.5MPaで注入し、プリフォームに含浸させ、10分間放置した。このようにして、繊維強化樹脂成形品を得た。
得られた繊維強化樹脂成形品は、表面に見える強化繊維束に大きな乱れはなくシワも存在しない滑らかな表面を有しており、繊維強化樹脂成形品として特に優れたものであった。
(実施例3)
<強化繊維>
強化繊維束として、予めサイジング処理およびバインダ付与を施した、東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700SCを使用した。この実施例においては、強化繊維束の幅が6mmで、強化繊維束の単繊維数が12000本の強化繊維束を使用した。バインダは、熱可塑性樹脂を主成分とする粒状バインダ(東レ(株)製)を用いて、1000mあたりの付着量が30gとなるように、強化繊維束上に付着させた。
<繊維配置工程>
ファイバープレイスメントヘッドを用いて、架台上に強化繊維束を一方向に隙間なく引き揃え、外周形状が直径700mmmmの円形状となるように、強化繊維束層を2層作製した。
<積層と固着工程>
次に、強化繊維束層の一方を吸着し運搬して、もう一方の強化繊維束層の上に、配向角度差が90°となるように配置し積層した。その後、110℃の温度に加熱した平板(アルミニウム製、300mm×300mm)を用いて、配置し積層した2層の強化繊維束層のうち、特に大変形が必要な領域(150mm×300mm、2か所)を除く全領域を、50kPaの圧力で30秒間加熱し、層間を固着した。
<縫合工程>
ワンサイドステッチマシンを用いて、強化繊維束層のうち、特に大変形が必要な領域(150mm×300mm、2か所)を縫合し一体化した。ステッチ糸には、ポリエステル繊維糸(総繊度:30dtex)を用い、縫合パターンは鎖編(ピッチp:10mm、ステッチ糸同士の間隔w:50mm)とした。
<賦形工程>
楕円半球形状型(高さ:30mmと60mm)の上に作製したシートを配置し、プレス賦形を実施した。その結果、高さが30mmと60mmのどちらの型においても、強化繊維積層シートは繊維束のアライメントを失うことなく型形状に沿うことができ、良好な賦形性能を有することが確認できた。その後、上下型を110℃の温度に加熱し、50kPaで加圧し、30秒間保持することによりプリフォームを作製した。
<成形工程>
実施例1と同じ方法で、繊維強化樹脂成形品を得た。得られた繊維強化樹脂成形品は、特に大変形が必要な領域には強化繊維束にやや乱れが見られたが、シワの存在しない滑らかな表面を有しており、繊維強化樹脂成形品として優れたものであった。
(比較例1)
縫合工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で強化繊維積層シートを作製した。
<賦形工程>
楕円半球形状型(高さ:30mmと60mm)の上に作製した強化繊維積層シートを配置し、プレス賦形を実施した。その結果、強化繊維積層シートは、大変形が必要な箇所でしわの発生が確認された。その後、上下型を110℃の温度に加熱し、50kPaで加圧し、30秒間保持することにより、プリフォームを作製した。
<成形工程>
実施例1と同じ方法で、繊維強化樹脂成形品を得た。得られた繊維強化樹脂成形品は、プリフォームのしわが発生した箇所で樹脂が含浸せずに強化繊維束の表出が見られ、良好な繊維強化樹脂成形品は得られなかった。
(比較例2)
実施例1と同じ強化繊維を使用し、実施例1と同じ方法で繊維配置工程を実施した。
<積層と固着工程>
次に、強化繊維束層の一方を吸着し運搬し、もう一方の強化繊維束層の上に、配向角度差が90°となるように配置し積層した。
<縫合工程>
ワンサイドステッチマシンを用いて強化繊維束層のうち、大変形が必要な領域(150mm×300mm、2か所)を縫合しようとした。ステッチ糸には、ポリエステル繊維糸(総繊度:30dtex)を用い、縫合パターンは鎖編(ピッチp:10mm、ステッチ糸同士の間隔w:50mm)とした。縫合を実施したところ、予め樹脂バインダで層間が固着されている領域がないため、縫合で針が層間に挿入される際に強化繊維の配列が乱れ、さらに毛羽立ちが多数発生し、縫合による強化繊維積層シートを得ることができなかった。
実施例および比較例での主要条件および評価結果を、表1にまとめて示す。
Figure 0006946666
表1の評価欄において、賦形と成形の評価記号は次を意味する。賦形AとBおよび成形AとBを、合格とする。
・賦形A:特に大変形が必要な型に対し、強化繊維のアライメントを保ち、しわなく賦形できた。
・賦形B:変形が必要な型に対し、強化繊維のアライメントを保ち、しわなく賦形できた。
・賦形C:変形が必要な型に対し、強化繊維のアライメントが乱れた。もしくはしわが発生した。
・成形A:強化繊維束に乱れが見られず、樹脂の未含浸もなく成形できた。
・成形B:強化繊維束にやや乱れが見られたが、樹脂の未含浸なく成形できた。
・成形C:強化繊維束が大きく乱れた。もしくは樹脂に未含浸が発生した。
実施例1〜3では賦形、成形結果ともに評価AもしくはBの合格品を得ることができた。一方、比較例1では賦形、成形結果ともに評価Cの不合格品しか得ることができず、比較例2では強化繊維積層シートを製作することができなかった。
100、300、400、500:強化繊維積層シート
101、201、301、401、501、601:強化繊維束層
102、402、502:樹脂バインダ
103、303、403、503:層間を固着する樹脂バインダ
104、304、404、504、604:縫合糸
305、405、505:シート形態を維持する領域
306、406、506、606:大変形が求められる領域
202:強化繊維束
203:所望の形状
701: 自動車部材形状
702: 長方形形状
703: 平行四辺形形状

Claims (4)

  1. 一方向に引き揃えられた複数の強化繊維束がひとつの層を形成し、前記層が複数層積層された強化繊維積層シートであって、前記強化繊維積層シートの少なくとも一部において層間が樹脂バインダにより固着されており、かつ、前記強化繊維積層シートの少なくとも一部において縫合糸により複数の層が縫合されており、強化繊維層の面上に離散的に存在する樹脂バインダのみにより層間が固着されている領域と、強化繊維層の面上に離散的に存在する樹脂バインダにより層間が固着されており、かつ縫合糸により複数の層が縫合されている領域とを有することを特徴とする強化繊維積層シート。
  2. 一方向に引き揃えられた複数の強化繊維束がひとつの層を形成し、前記層が複数層積層された強化繊維積層シートであって、前記強化繊維積層シートの少なくとも一部において層間が樹脂バインダにより固着されており、かつ、前記強化繊維積層シートの少なくとも一部において縫合糸により複数の層が縫合されており、強化繊維層の面上に離散的に存在する樹脂バインダのみにより層間が固着されている領域と、縫合糸のみにより複数の層が縫合されている領域とを有することを特徴とする強化繊維積層シート。
  3. 強化繊維積層シートの外周形状が次の何れかの条件を満たす請求項1または2記載の強化繊維積層シート。
    A)5本以上の直線のみで囲まれた形状。
    B)少なくとも1本の直線と少なくとも1本の曲線で囲まれた形状。
    C)少なくとも1本の曲線のみで囲まれた形状。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維積層シートとマトリックス樹脂からなる繊維強化樹脂成形体
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