JP6941648B2 - 高圧タンク - Google Patents

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Description

本発明は、ライナと、補強層と、口金とを備える高圧タンクに関する。
高圧タンクは、気体や液体等の流体を収容する容器として広汎に用いられている。例えば、燃料電池車両には、燃料電池システムに供給するための水素ガスを収容するものとして搭載される。
この種の高圧タンクとして、流体を中空内部に収容する樹脂製のライナと、該ライナを補強するべくその外面を覆う繊維強化樹脂からなる補強層と、該ライナの中空内部に流体を給排するための給排孔が形成された口金とを備えるものが知られている。特許文献1の図1に示されるように、ライナの長手方向両端部は収斂部であり、収斂部同士の間は円筒形状部である。また、円筒形状部と収斂部の間には、断面が弧状をなす湾曲部が介在する。
ところで、上記した構成の高圧タンクでは、ライナに高圧の水素ガスが充填されると、該水素ガスがライナを透過し(以下、ライナを透過した水素ガス等のガスを「透過ガス」とも表記する)、ライナと補強層の間に進入する。そこで、特許文献1において、この透過ガスをライナと補強層の間から排出するべく、ライナと補強層との間に通気層を形成することが提案されている。該通気層は、例えば、補強層となる繊維強化樹脂の内層部分として形成される。特許文献1の記載によれば、拡幅を抑えてコンビ巻きした内側の繊維の厚みを、十分に拡幅してヘリカル巻きした外側の繊維に比して大きくすることで、内側の繊維に沿う空隙を有する通気層が得られる、とのことである。
特開2009−174700号公報(特に段落[0030]〜[0033]参照)
補強層は、繊維強化樹脂がフィラメントワインディング法によってライナに巻回されることで作製される。高圧ガスの充填時にライナが膨張することを抑制するべく、強化繊維が可及的に緊張される。このため、ライナに、繊維強化樹脂からライナの内方に向かう押圧力が付与される。
ここで、強化繊維の緊張の度合いは、湾曲部で最も大きく設定される。湾曲部は、その断面が弧状であるので、フープ巻きよりも緊締力が大きなヘリカル巻きで巻回しなければ弛緩し易くなるからである。このため、ライナに付与される押圧力は、湾曲部で最も大きくなる。従って、特許文献1に記載されるように繊維強化樹脂の内層部分を通気層とした場合、湾曲部では、該通気層が外層から圧潰される懸念がある。
このような事態が生じると、湾曲部では、透過ガスの流通路が閉塞される。すなわち、円筒形状部を透過した透過ガスを、湾曲部を経て収斂部から排出することが困難である。換言すれば、透過ガスがライナと補強層の間に留まり易くなる。透過ガスは高圧であるので、ライナ内の水素ガスが消費されてライナの内圧が低下すると、ライナが透過ガスから押圧されるようになる。その結果として、ライナが変形することが起こり得る。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、ライナと補強層の間に進入したガスを、該ライナの湾曲部と補強層の間を通過させて両者の間から排出することが可能であり、これによりライナが変形することを回避し得る高圧タンクを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、樹脂製のライナと、前記ライナの外面を覆う補強層と、前記ライナに対して流体を給排するための給排孔が形成された口金とを備える高圧タンクであって、
前記ライナは、端部に向かうにつれて収斂する収斂部と、円筒形状部と、前記収斂部と前記円筒形状部との間に介在する湾曲部とを有し、
前記口金は、前記ライナと前記補強層との間に介在するフランジ部と、前記フランジ部に連なるとともに前記補強層の外方に露呈する筒部とを有し、
前記フランジ部と前記補強層の間に、該フランジ部と該補強層の間のクリアランスに充填される保護部材が配設され、
前記湾曲部と前記補強層との間に、多孔質材が介装されている高圧タンクが提供される。
本発明によれば、補強層からのライナへの押圧力が最も大きくなる湾曲部と、前記補強層との間に多孔質材を介装するようにしている。多孔質材が開気孔を含むので、湾曲部と補強層との間に流体が進入した場合、該流体は、開気孔を介して流通することが可能である。すなわち、流体を、湾曲部と補強層の間を通過させて両者の間から排出することができる。このため、流体が湾曲部と補強層の間に滞留することや、滞留した流体によってライナが押圧される結果としてライナが変形することを有効に防止することができる。
さらに、滞留した流体によってライナが変形することを防止するためのライナ内圧(保護残圧)を小さくすることができるので、高圧タンク内の残流体の量を低減することができる。従って、流体が水素ガスであるときには、例えば、高圧タンクを搭載した燃料電池車両の航続距離の増加を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る高圧タンクの長手方向(軸線方向)に沿った全体概略側面断面図である。 図1の要部拡大図である。
以下、本発明に係る高圧タンクにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る高圧タンク10の長手方向(軸線方向)に沿った全体概略側面断面図である。この高圧タンク10は、ポリアミド(PA)樹脂等の樹脂材からなるライナ12を備える。このライナ12は中空体であり、その内部に、例えば、水素ガス等の各種の流体を収容することが可能である。
ライナ12は、図1における左方から右方に向かって、第1収斂部13a、第1湾曲部14a、円筒形状部15、第2湾曲部14b、第2収斂部13bをこの順序で有する。第1収斂部13a及び第2収斂部13bは、ライナ12の長手方向端部に向かうにつれて収斂し、ドーム形状をなす閉塞端部である。また、円筒形状部15は長尺な筒状体であり、長手方向の各端部は、第1湾曲部14a、第2湾曲部14bを介して第1収斂部13a、第2収斂部13bに連なる。ライナ12は、第1収斂部13aから第2収斂部13bに至るまで、補強層16で覆われる。
第1収斂部13a、第2収斂部13bには、それぞれ、給排孔18が形成された口金20が設けられる。図2を参照し、第1収斂部13aを例示して具体的に説明すると、第1収斂部13aの頂面には、ライナ12の内部に向かって、換言すれば、円筒形状部15に向かって陥没した陥没部22が形成される。さらに、該陥没部22からは、円筒形状部15から離間する方向に向かうように筒状部24が突出形成される。筒状部24の外周壁には、雄ねじ26が設けられる。
口金20は、例えば、金属からなり、ライナ12と補強層16との間に介在するフランジ部30と、該フランジ部30に一体的に連なり且つ該フランジ部30に比して小径な筒部32とを有する。フランジ部30の底面は陥没部22の外面に当接するライナ側当接端面34であり、一方、ライナ側当接端面34の裏面は、ライナ12とともに補強層16で覆われる補強層被覆端面36である。また、フランジ部30の外周縁部は、ライナ側当接端面34から補強層被覆端面36にわたり、筒部32の軸線方向に沿って切り欠かれたような形状をなす。このため、口金20の側部に平坦側面38が形成される。平坦側面38は、筒部32の軸線方向に沿って所定の長さを有する。
ライナ側当接端面34と平坦側面38との交差によって第1隅部40が形成されるとともに、平坦側面38と補強層被覆端面36との交差によって第2隅部42が形成される。第1隅部40はライナ12に臨み、第2隅部42は補強層16に臨む。これら第1隅部40及び第2隅部42、換言すれば、ライナ側当接端面34と平坦側面38との交差角θ1、平坦側面38と補強層被覆端面36との交差角θ2は、いずれも鈍角である。
平坦側面38が形成されることにより、該平坦側面38と、ライナ12と、補強層16とで囲繞された空間として、環状クリアランス44が画成される。後述するように、環状クリアランス44には、保護部材50の一部が充填される。
給排孔18は、フランジ部30から筒部32にわたって延在する。給排孔18の内周壁には雌ねじ52が形成されており、該雌ねじ52には、前記雄ねじ26が螺合される。この螺合により、口金20が筒状部24に外装される。
雌ねじ52よりも流体供給方向上流側には、環状に陥没したシール溝54が形成される。このシール溝54の内部には、Oリングからなるシール部材56が配設される。該シール部材56により、筒状部24の外周面と給排孔18の内周面との間がシールされる。
口金20には、断面形状がそれぞれ円形である挿入孔60及び口金側通路62がさらに形成されている。挿入孔60は、フランジ部30のライナ側当接端面34から筒部32側に向かって所定の長さで延在し、口金側通路62の一端側と連通する。挿入孔60及び口金側通路62は、口金20の周方向に一定の間隔をおいて複数設けられる。
挿入孔60には、プラグ64が挿入されている。プラグ64は、例えば、口金20と同様の金属から形成された円筒体であり、軸線方向に沿ってプラグ側通路66が貫通形成されている。口金側通路62は、プラグ側通路66に連なるとともに、口金20の内部を、高圧タンク10の軸線方向に対して若干傾斜して延在した後、給排孔18の内周面に向かうように折曲されている。これらプラグ側通路66及び口金側通路62は、ライナ12と口金20の間に進入した流体を給排孔18に導く流体誘導路として機能する。
給排孔18の内部には、カラー72がさらに配設される。カラー72は、例えば、金属製であり、円環状の頭部74と、該頭部74と一体に設けられ且つ該頭部74に比して小径な筒状の円筒部76とを有する。筒状部24は、円筒部76の外周面と、フランジ部30の給排孔18の内周面とで挟まれ、これにより堅牢に支持されている。また、カラー72には、円筒部76の軸線方向に沿って、給排孔18に連通する通過孔80が貫通形成される。
さらに、フランジ部30と補強層16の間には、保護部材50が配設されている。保護部材50は、略円環形状に形成された円環本体部84と、該円環本体部84から突出し、断面が略三角形状をなす環状突部86とを有する。図2から諒解されるように、環状突部86は、円環本体部84の、ライナ12に臨む側の端面からライナ12に指向して突出している。
環状突部86は、環状クリアランス44に進入し、口金20の平坦側面38とライナ12に当接する。すなわち、環状突部86は、該環状クリアランス44に充填される。
一方の円環本体部84は、環状突部86に比して幅広である。このため、円環本体部84は、口金20のフランジ部30と補強層16との間に進入した第1被挟持部位88と、ライナ12と補強層16との間に進入した第2被挟持部位90とを有する。換言すれば、第1被挟持部位88はフランジ部30と補強層16との間の僅かなクリアランスに充填され、第2被挟持部位90はライナ12と補強層16との間の僅かなクリアランスに充填されている。このため、保護部材50は、ライナ12、補強層16及び口金20によって堅牢に位置決め固定される。
図2では誇張して示しているが、円環本体部84の厚みは極めて小さい。このため、第2被挟持部位90とライナ12とで形成される段差は極僅かである。従って、補強層16を形成するべく強化繊維をライナ12に巻き付ける際、強化繊維に応力が作用することを回避することができる。
このように構成される保護部材50は、例えば、溶融ポリエチレンを射出成形することによって作製することができる。
さらに、図2に詳細を示すように、円筒形状部15の、第1湾曲部14aの近傍から、保護部材50の第2被挟持部位90に至るまで、ライナ12と補強層16との間に、多孔質材としての多孔質帯材94が介装される。すなわち、第1湾曲部14aと補強層16の間には多孔質帯材94が介在している。多孔質帯材94は、例えば、多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂の長尺な膜体からなる。この種の多孔質帯材94は、入手が容易である。
多孔質帯材94は、長尺で且つ軟質な帯材であり、ライナ12に容易に巻回することができる。また、多孔質帯材94は、厚み方向や長手方向に沿って開気孔同士が三次元的に連なった多孔質体である。このため、ライナ12を透過した流体(例えば、透過ガス)は、開気孔を介して流通することが可能である。
多孔質帯材94の、保護部材50の第2被挟持部位90に臨む側の端部は、該第2被挟持部位90に突き合わせ接触している。この突き合わせ接触箇所を含め、多孔質帯材94の厚みは、保護部材50の第2被挟持部位90に比して小さく設定されている。
また、多孔質帯材94の、補強層16を臨む側の端面には、撥水処理が施されている。撥水処理により、水分のみならず、親水基を有する樹脂が多孔質帯材94に弾かれる。
以上の構成については、第2収斂部13bにおいても同様である。従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、多孔質帯材94は、円筒形状部15の中間部には巻回されていない。
ライナ12を被覆する補強層16は、繊維強化樹脂からなる。補強層16は、ライナ12に強化繊維を巻き付けた後、該強化繊維に母材樹脂を含浸することで設けられる。強化繊維、母材樹脂の代表的な好適例としては、炭素繊維、エポキシ系樹脂がそれぞれ挙げられる。
高圧タンク10を作製するに際しては、口金20及び保護部材50が設けられたライナ12の第1湾曲部14a及び第2湾曲部14bに対し、多孔質材を設ける。多孔質材として上記したような膜体からなる多孔質帯材94を採用する場合、該多孔質帯材94を巻回すればよい。このように、多孔質帯材94を使用する場合、第1湾曲部14a及び第2湾曲部14bに容易に多孔質材を設けることができる。
多孔質帯材94は、典型的には、第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bの近傍から、2個の保護部材50の各第2被挟持部位90に至るまで延在するように、必要に応じて複数回巻回される。なお、多孔質帯材94と保護部材50の突き合わせ接触箇所では、多孔質帯材94の厚みが、保護部材50に比して小さくなるように巻回回数や重畳の度合いが設定される。
この時点で、多孔質帯材94の外面に対して撥水処理を施す。このためには、例えば、撥水スプレーを噴霧すればよい。又は、多孔質帯材94を巻回する前に撥水処理を施すようにしてもよい。
次に、ライナ12、口金20、保護部材50及び多孔質帯材94の外方に、樹脂を含浸した強化繊維(以下、「含浸繊維」とも表記する)を公知のフィラメントワインディング法によって巻回する。この際、含浸繊維は、ライナ12の円筒形状部15ではフープ巻きにて巻回され、第1湾曲部14a、第1収斂部13a、第2湾曲部14b及び第2収斂部13bではヘリカル巻きにて巻回される。上記したように、第1湾曲部14a、第1収斂部13a、第2湾曲部14b及び第2収斂部13bにおいてフープ巻きで巻回すると、含浸繊維が弛緩し易くなるからである。
このため、含浸繊維は、第1湾曲部14a及び第2湾曲部14bで緊張する。その結果、図2に誇張して示すように、含浸繊維の層の厚みは、第1湾曲部14a及び第2湾曲部14bの外方に位置する部位で小さくなる。従って、第1湾曲部14a及び第2湾曲部14bでは、含浸繊維(補強層16)からライナ12に付与される押圧力が最大となる。
上記したように、多孔質帯材94には撥水処理が施されている。このため、多孔質帯材94は、含浸樹脂に含まれる樹脂を弾く。これにより、多孔質帯材94の開気孔が樹脂によって閉塞されることが回避される。
加えて、保護部材50の一部である第2被挟持部位90がライナ12と補強層16の間に進入している。このため、口金20と補強層16の間の段差が充填されるので、含浸樹脂が段差に引っ掛かって緊張され、その結果として損傷することが回避される。
含浸樹脂の巻回が終了した後、例えば、加熱が施される。これにより前記樹脂が硬化することで、積層体としての補強層16が形成される。
本実施の形態に係る高圧タンク10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
高圧タンク10の内部に水素ガス等の流体を貯留するとき、該流体は、筒状部24の給排孔18、及びカラー72の通過孔80を通過してライナ12の中空内部に供給される。このとき、ライナ12は、その内圧が上昇するために若干膨張する。一方、貯留した流体を放出するとき、流体は、カラー72の通過孔80、及び筒状部24の給排孔18を通過してライナ12の中空内部から排出される。ライナ12は、これに伴って内圧が下降することで若干収縮する。
流体が供給されてライナ12が膨張することに伴って、口金20のフランジ部30に荷重が付与される。この荷重は、流体が排出された際にライナ12が収縮することで除去される。従って、高圧タンク10に対する流体の給排の繰り返しにより、フランジ部30に対し、荷重の付与と除去が繰り返される。
ここで、本実施の形態では、図2に示すように、フランジ部30の外周縁部に所定の長さで延在する平坦側面38が形成されるとともに、ライナ側当接端面34と平坦側面38との間に鈍角の第1隅部40が介在し、平坦側面38と補強層被覆端面36との間に鈍角の第2隅部42が介在する。すなわち、フランジ部30の外周縁部に鋭敏なエッジ形状部が存在しない。
換言すれば、フランジ部30の外周縁部は肉厚である。このため、荷重の付与と除去が繰り返されても、疲労が蓄積され難い。従って、フランジ部30に疲労破壊が起こることが困難となる。すなわち、フランジ部30の外周縁部に疲労破壊が起こる懸念を払拭することができる。
しかも、本実施の形態では、環状クリアランス44に、保護部材50の環状突部86が充填されている(図2参照)。このため、ライナ12の、第1隅部40との当接箇所には、環状突部86の頂部も当接する。従って、ライナ12が膨張したとき、ライナ12から付与される荷重が、フランジ部30と保護部材50に分散される。すなわち、該当接箇所に応力が集中することが回避されるので、前記当接箇所に疲労が蓄積されて疲労破壊が起こることが回避される。
このように、本実施の形態では、保護部材50がフランジ部30と補強層16との間に介在して両者間のクリアランス(環状クリアランス44を含む)に充填されているので、ライナ12に疲労破壊が起こる懸念を払拭することができる。
また、保護部材50は、樹脂からなるために十分な弾性を示す。このため、ライナ12が膨張して口金20が押圧された際、保護部材50が若干圧潰される。この圧潰により、口金20から補強層16に向かう押圧力(荷重)が緩和される。このため、口金20に作用する補強層16からの反力が小さくなる。これにより口金20及び補強層16に作用する荷重が小さくなるので、該口金20や補強層16が損傷することが回避される。
加えて、環状突部86も圧潰されるので、ライナ12及び補強層16の、環状突部86に当接した部位では、ライナ12からの押圧力や補強層16からの反力も緩和される。このため、ライナ12も保護される。
結局、環状突部86を有する保護部材50をフランジ部30と補強層16との間に介装したことにより、ライナ12や補強層16、口金20が損傷し難くなる。すなわち、高圧タンク10を、耐久性に優れるものとして構成することができる。
しかも、保護部材50を設けたことにより、多孔質帯材94が口金20側に移動することが阻止される。すなわち、保護部材50により、多孔質帯材94が位置ズレを起こすことが防止される。
また、流体として水素ガスがライナ12内に充填されると、該ライナ12の内圧が大きくなる。この場合、水素ガスがライナ12を透過し、ライナ12と補強層16の間に滞留する透過ガスとなる。透過ガスは、ライナ12内の水素ガスが消費(排出)されて内圧が小さくなることに伴い、ライナ12内の水素ガスによる拘束から解放される。
ここで、円筒形状部15では、補強層16によって付与されるライナ12への押圧力が比較的小さい。このため、円筒形状部15の外方に透過した透過ガスは、ライナ12の内圧が小さくなると、第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bに向かって比較的容易に移動することができる。
これに対し、第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bでは、補強層16によって付与されるライナ12への押圧力が比較的大きい。上記したように、第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bでは、含浸樹脂の緊張の度合いが大きく、このために補強層16によって付与されるライナ12への押圧力が大きいからである。この押圧力が大きい分、第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bと補強層16との間のクリアランス(透過ガスの流通路)が小さくなるので、透過ガスが第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bを越えて保護部材50に到達することは、本来は容易ではない。
ここで、本実施の形態では、円筒形状部15の、第1湾曲部14a又は第2湾曲部14bの近傍から、両端に設けられた保護部材50の各第2被挟持部位90に至るまで、多孔質帯材94がそれぞれ設けられている。従って、円筒形状部15から多孔質帯材94まで移動した透過ガスは、該多孔質帯材94の内部に存在して三次元状に連なった開気孔を介して流通し、保護部材50に到達する。このように、補強層16からライナ12に付与される圧力が最も大きくなる第1湾曲部14a、第2湾曲部14bに多孔質帯材94を配設したことにより、透過ガスが該第1湾曲部14a及び該第2湾曲部14bを容易に流通することができるようになる。
しかも、本実施の形態においては、多孔質帯材94と保護部材50(第2被挟持部位90)の突き合わせ接触箇所で、多孔質帯材94の厚みを第2被挟持部位90に比して小さく設定している。このため、多孔質帯材94の開気孔を通過した透過ガスを、第2被挟持部位90とライナ12との間に誘導することが容易である。
図2に矢印で示すように、透過ガスは、ライナ12の陥没部22と保護部材50(第2被挟持部位90)の間、陥没部22とライナ側当接端面34との間を通過し、プラグ側通路66、口金側通路62をさらに通過して給排孔18に誘導される。すなわち、透過ガスは、給排孔18において、ライナ12内から放出される水素ガスと合流する。このように、透過ガスは、プラグ側通路66及び口金側通路62を介して、高圧タンク10の外部に安全に排出される。
以上のように、本実施の形態によれば、第1湾曲部14a及び第2湾曲部14bに多孔質材(多孔質帯材94)を設けたことにより、ライナ12を透過した透過ガスを、該ライナ12と補強層16の間から容易に排出することができる。従って、ライナ12の内圧が低下した場合であっても、該ライナ12が、ライナ12と補強層16の間に滞留した透過ガスから押圧されることが回避される。これにより、ライナ12が変形することが有効に防止される。
通常、滞留した透過ガスによってライナ12が変形することを防止するべく、ライナ12内に流体(水素ガス等)を所定量残留させることで、所定のライナ内圧(保護残圧)を得るようにしている。これに対し、本実施の形態では、上記したように透過ガスを高圧タンク10の外部に容易に排出することができるので、保護残圧を小さくしてもライナ12が変形することが回避される。従って、高圧タンク10内に残留する流体の量を低減することができる。流体が水素ガスであるときには、例えば、高圧タンク10を搭載した燃料電池車両の航続距離の増加を図ることができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、円筒形状部15に口金20及び保護部材50を設けるようにしてもよい。また、口金20及び保護部材50の個数は1個であってもよい。
さらに、第1被挟持部位88又は第2被挟持部位90のいずれかを設けることなく保護部材を構成するようにしてもよい。
10…高圧タンク 12…ライナ
13a、13b…収斂部 14a、14b…湾曲部
15…円筒形状部 16…補強層
18…給排孔 20…口金
22…陥没部 24…筒状部
30…フランジ部 32…筒部
34…ライナ側当接端面 36…補強層被覆端面
40…第1隅部 42…第2隅部
44…環状クリアランス 50…保護部材
60…挿入孔 62…口金側通路
64…プラグ 66…プラグ側通路
72…カラー 80…通過孔
84…円環本体部 86…環状突部
88…第1被挟持部位 90…第2被挟持部位
94…多孔質帯材

Claims (4)

  1. 樹脂製のライナと、前記ライナの外面を覆う補強層と、前記ライナに対して流体を給排するための給排孔が形成された口金とを備える高圧タンクであって、
    前記ライナは、端部に向かうにつれて収斂する収斂部と、円筒形状部と、前記収斂部と前記円筒形状部との間に介在する湾曲部とを有し、
    前記口金は、前記ライナと前記補強層との間に介在するフランジ部と、前記フランジ部に連なるとともに前記補強層の外方に露呈する筒部とを有し、
    前記フランジ部と前記補強層の間に、該フランジ部と該補強層の間のクリアランスに充填される保護部材が配設され、
    前記湾曲部において、前記ライナと前記補強層との間に多孔質材が介装され
    前記口金及び前記保護部材が前記収斂部に設けられるとともに、前記多孔質材が前記湾曲部から前記保護部材にわたって延在し、
    前記多孔質材と前記保護部材の突き合わせ接触箇所では、前記多孔質材の厚みが前記保護部材に比して小さい高圧タンク。
  2. 請求項1記載の高圧タンクにおいて、前記保護部材の一部が前記ライナと前記補強層の間に進入している高圧タンク。
  3. 請求項1又は2記載の高圧タンクにおいて、前記多孔質材の、前記補強層に臨む面に撥水処理が施された高圧タンク。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の高圧タンクにおいて、前記多孔質材が帯材からなる高圧タンク。
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