JP6940919B2 - 液状ファンデーション化粧料塗布具、及びその化粧料塗布具の製造方法 - Google Patents

液状ファンデーション化粧料塗布具、及びその化粧料塗布具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液状ファンデーション化粧料(以下、「化粧料」という)を肌に塗布する化粧料塗布具、及びその化粧料塗布具の製造方法に関する。
化粧料塗布具として、図15に示すようなエアクッション(登録商標)のパフ(以下、「クッションパフ」という)800が市販されている。このクッションパフ800は、化粧料が含浸されたスポンジが容器に収納されており、その容器に収納されたスポンジ上にセットされている。そして、このクッションパフ800は、塗布層が連続気泡型の湿式ポリウレタン樹脂発泡体830であり、その発泡体830に接着剤を塗布して基材層として連続気泡型の乾式ポリウレタン樹脂発泡体820を貼り合わせ、更にその裏面には接着剤を塗布して連続気泡型の湿式ポリウレタン樹脂発泡体810が貼り合わされた、接着剤層を含んだ五層構造となっている。
上記構造のクッションパフ800を製造する際に、パフ形状に形成するには、先端側が加熱された枠体の金属刃体で上記五層構造のポリウレタン樹脂発泡体シートを数秒間加圧し、熱溶着により切断(ダイカット)している。数秒間加圧して熱溶着しないとカットされた側端部が十分な溶着状態とはならない。そのため、熱溶着で切断された側端部は、上記成形体側部の最外周面に高さ1mm程度の凸状部840が形成(図15を参照)され、その熱溶着された凸状部840は固いものである。そして、上記塗布層の湿式ポリウレタン樹脂発泡体の面および基材層の乾式ポリウレタン樹脂発泡体の面は、連続気泡型の発泡体でセル面となっているので、両者を貼り合わせるために塗布した接着剤は、その連続気泡中に浸透した状態で両者が接合されていて化粧料の浸透を遮断する構造とはなっていない。図16は、滴下した化粧料Fがこのクッションパフ800に含浸した時の積層体の要部の断面写真図である。クッションパフ800は、化粧料が塗布層面から基材層内部に浸透している。
発泡されたゴムラテックス原料を用い、賦形された未加硫発泡ゴムラテックスからなる基材層と、該基材層の一方の面上に形成され、且つ連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体からなる表面層(塗布層)と、からなるポリウレタン・未加硫ゴムラテックス積層体を、先端部が180℃に加熱された金属刃体を用いて所望形状に打ち抜いて、上記積層体の切断側端部同士を熱溶着させ、その後この積層体を加熱して上記基材層と上記塗布層とを加硫接着させた化粧料塗布具が知られている(特許文献1参照)。この化粧料塗布具は、その塗布層面には化粧料を保持するセル面が形成されており、上記加熱金属刃体で打ち抜かれた積層体の側端部は、熱溶着により接着されている。
アクリルニトリルブタジエンラバー(以下、「NBR」という)発泡体からなる基材層と、ポリエステルウレタン樹脂等からなる湿式凝固皮膜層と、ポリウレタン(以下、「PU」という)の湿式発泡によるスポンジからなるスライスシート層(塗布層)からなる化粧料塗布具が知られている(特許文献2参照)。この塗布層の一面が塗布面を形成しており、その他面がスライス刃により生じた凹部と、気泡がスライス切断されてなる凹部の2種の凹部が複合して形成された凹部を有しており、それらの凹部の内面形状どおりに密着して皮膜層が設けられている。そして、この皮膜層はスライスシート層の表面が凹部の場合には厚く、凸部の場合には比較的に薄く形成され、その厚さは2〜50ミクロンである。この皮膜層によって化粧料が上記基材層内部に浸透するのを防いでいる。また、基材層、皮膜層およびスライスシート層で積層された成形体をパフ形状に形成するには、この三層構造発泡体の周縁部の側面を研削することによって形成している。
上述したように、上記化粧料塗布具は、PUの湿式発泡体のスポンジからなる塗布層とNBR発泡体からなる基材層の間に、厚さ2〜50ミクロンの皮膜層が設けられているので、化粧料を含浸する塗布層の厚さが均一でなく、そして、その周縁部の側面が研削されているので、その側面には塗布面が存在しないで基材層が露出した構造となっている。
特開平6−209821号公報 特開第2011−45676号公報
上記クッションパフ800は、化粧料が塗布層面から基材層内部に浸透するので、化粧料を無駄に消費している(図16)。そして、上記クッションパフ800を数日間使用した頃には、パフが汚染されるために、洗濯し乾燥して再度使用するのが一般的である。そのために、更にいっそう化粧料を無駄に消費するという問題がある。また、化粧料が基材層内部にまで浸透しているので、化粧料を顔に塗布する際には、クッションパフ800の裏面を指で押圧する圧力の加減で化粧料の塗布量が変化するため、顔の化粧面を均一にすることが困難であり、肌感触が悪いという問題がある。
そして、クッションパフ800の側端部に高さ1mm程度の固い凸状部840が形成されているため、その側部外周面を用いて顔の化粧ができない。また、上記5層構造のシートをカットしてパフ形状の成形体を形成するのに、熱溶着によりダイカットするため、時間とコストがかかり生産性が悪いという問題がある。
特許文献1の化粧料塗布具は、塗布層に基材層が加硫接着された構造のため、塗布層内に浸透した化粧料は、基材層の孔を通って基材層内部に浸透する。従って、大量の化粧料が消費されるという問題、また、熱溶着により接着された上記側端部は、固い凸状部が形成されるため、その側部外周面を用いて顔の化粧ができないという問題がある。
特許文献2の化粧料塗布具は、皮膜層を有することで化粧液が基材内部に浸透するのを防いでいるが、その皮膜層は、スライスシート層の表面が凹部の場合には厚く、凸部の場合には比較的に薄く形成されるため、その厚さは2〜50ミクロンと不均一である。この浸透防止の皮膜層の厚さを均一にできれば、化粧料の塗布量や肌感触がよりいっそう向上できる。また、上記化粧料塗布具の三層構造発泡体の周縁部の側面が研削されているため、上記露出した基材層から化粧料が浸透するという問題、そして、その側面を用いて顔の化粧ができないという問題がある。更に、上記化粧料塗布具を製造する際に上記と同様の三層構造発泡体シートをパフ形状に形成するには、その側面を研削することによってパフ形状を形成しているため、時間とコストがかかり生産性が悪いという問題がある。
上記した問題に対して、本発明は、基材層の素材として外面の表面凹凸が小さい未加硫発泡ゴムラテックスを用いることで、その基材層の外面に接着剤を塗布することで遮断層を形成し化粧料の浸透が防止でき、また、常温下で金属刃体を用いて周縁部を圧着させることで、塗布具の側端部が滑らかな形状に形成できる知見を得て、開発されたものである。
従って、本発明は、化粧料が均等の厚さの塗布層に浸透し、基材層内部に浸透することを防止すると共に、塗布具の周縁部も化粧に使用できる構造、そして生産性が良好な構造を備える化粧料塗布具、及びその化粧料塗布具の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有することで上記課題を解決したものであり、以下の通りのものである。
1.連続気泡型ゴムラテックス発泡体からなる基材層と、
接着剤からなる遮断層と、
連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体又は連続気泡型ゴムラテックス発泡体からなる塗布層が、
この順に積層され、周縁部が圧着されてなる積層体からなる化粧料塗布具。
2.前記基材層の表面の全面に前記遮断層及び前記塗布層が設けられ、
前記周縁部の上部側面が前記塗布層面で形成されていることを特徴とする1.に記載の化粧料塗布具。
3.前記連続気泡型ゴムラテックス発泡体がNBRゴムラテックスであることを特徴とする1.又は2.に記載の化粧料塗布具。
4.前記遮断層がポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤で構成されていることを特徴とする1.乃至3.のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
5.前記連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体がポリエステル系ポリウレタン又はポリエーテル系ポリウレタンおよびポリカーボネート系ポリウレタンの共重合体であることを特徴とする1.乃至4.のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
6.前記遮断層の厚みが0.05mm以上0.2mm以下であることを特徴とする1.乃至5.のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
7.前記塗布層の厚みが0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする1.乃至6.のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
8.連続気泡型ゴムラテックス発泡体の基材層と、
連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体又は連続気泡型ゴムラテックス発泡体の塗布層と、
上記基材層と塗布層を接着する遮断層とからなるパフ状三層構造の積層体からなり、上記積層体の周縁部が常温の金属刃体で圧着切断して形成されていることを特徴とする化粧料塗布具。
9.発泡されたゴムラテックス原料を用いて、連続気泡型の未加硫発泡ゴムラテックスの基材層シートを形成し、該未加硫発泡ゴムラテックスが未加硫状態を保つ温度で乾燥させる工程と、
上記基材層シートの外面に接着剤を塗布して、ポリウレタン樹脂発泡体シートを貼り付けて三層構造の積層体シートを形成する工程と、
上記三層構造の積層体シートを常温の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程と、
上記圧着切断された三層構造の積層体を加熱して、上記未加硫発泡ゴムラテックスを加硫する工程と、
からなることを特徴とする化粧料塗布具の製造方法。
10.前記ゴムラテックス原料がNBRゴムラテックスであることを特徴とする9.に記載の化粧料塗布具の製造方法。
11.前記接着剤がポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤であることを特徴とする9.又は10.に記載の化粧料塗布具の製造方法。
12.前記ポリウレタン樹脂発泡体シートがポリエステル系ポリウレタン又はポリエーテル系ポリウレタンおよびポリカーボネート系ポリウレタンの共重合体であることを特徴とする9.乃至11.のいずれか1項に記載の化粧料塗布具の製造方法。
本発明は、化粧料が均等の厚さの塗布層に浸透する構造なので、塗布具の裏面を指で押圧する圧力の加減で化粧料の塗布量が変化することを防いでおり、顔に化粧料を均一に塗布することができる。
そして、本発明は、化粧料浸透防止の遮断層が凹凸が小さい基材層外面上に接合されているので、厚さが極めて薄い遮断層で化粧料が基材層内部に浸透することが防止でき、また肌感触に優れている。
また、本発明は、塗布具周縁部の上部側面が塗布層面で形成され、かつ、側端部が滑らかな形状であるので、周縁部も使用して顔の部位に応じた化粧ができ利便性に優れている。
更に、本発明は、基材層に未加硫の連続気泡型ゴムラテックス発泡体シートを用いて、熱溶着によりダイカットするのではなく、常温でダイカットするので、生産性に優れている。
本発明の実施形態に係る化粧料塗布具100の模式図の正面図である。 図1に示す化粧料塗布具100の模式図の裏面図である。 図1に示すS−S線の断面図である。 図3に示す積層体140の周縁部141周辺の断面写真図である。 図3に示すゴムラテックス発泡体110の外面112近傍の断面写真図である。 滴下した化粧料FがPU発泡体130に含浸した時の積層体140の要部の断面写真図である。 本発明の実施形態に係る化粧料塗布具100の製造方法を示すフローチャートである。 図8Aは、図7のS101の工程中の基材層シート108の断面図である。図8Bは、図7のS102の工程中の基材層シート108及び遮断層129の断面図である。図8Cは、図7のS102の工程中の積層体シート40の断面図である。 図7のS103に示すダイカット工程の直前の様子を示す断面図である。 図7のS103に示すダイカット工程で積層体シート40を打ち抜いた時の様子を示す断面図である。 図7に示す化粧料塗布具100の製造方法の比較例に係る化粧料塗布具600の製造方法を示すフローチャートである。 図11のS104中の積層体シート604の断面図である。 図11のS103に示すダイカット工程で積層体シート604を打ち抜いた時の様子を示す断面図である。 図11に示す製造方法で製造される化粧料塗布具600の断面図である。 市販されているクッションパフの縦断面図である。 滴下した化粧料Fが市販されているクッションパフに含浸した時の積層体の要部の断面写真図である
9 :ダイカット成型機
40 :積層体シート
41 :側端部
90 :金属刃体
100:化粧料塗布具
105:リボン
108:基材層シート
109:未加硫ゴムラテックス
110:ゴムラテックス発泡体(加硫済)
112:外面
115:第1曲面
116:第2曲面
120:遮断層
130:PU発泡体
139:ポリウレタン樹脂発泡体シート
140:積層体
141:周縁部
142:中央部
145:上部側面
149:積層体
190:金属平板
600:化粧料塗布具
604:積層体シート
610:ゴムラテックス発泡体(加硫済)
619:基材層シート
630:PU発泡体
640:積層体
641:周縁部
800:クッションパフ
810:湿式ポリウレタン樹脂発泡体
820:乾式ポリウレタン樹脂発泡体
830:湿式ポリウレタン樹脂発泡体
840:凸状部
「化粧料塗布具」
以下、本発明の実施形態に係る化粧料塗布具100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る化粧料塗布具100の模式図の正面図である。図2は、図1に示す化粧料塗布具100の模式図の裏面図である。図3は、図1に示すS−S線の断面図である。図4は、図3に示す積層体140の周縁部141周辺の断面写真図である。図5は、図3に示すゴムラテックス発泡体110の外面112近傍の断面写真図である。
なお、図4は、本発明者が積層体140の周縁部141周辺を、顕微鏡を用いて20倍の倍率で撮影を行った写真図である。図5は、本発明者がゴムラテックス発泡体110の外面112近傍の断面を、顕微鏡を用いて200倍の倍率で撮影を行った写真図である。
化粧料塗布具100は図1から図3に示すように、基材層であるゴムラテックス発泡体110と、接着剤からなる遮断層120と、塗布層であるPU発泡体130とからなる三層構造の積層体140で構成され、その裏側には手の把持具としてリボン105が設けられており、この三層構造はパフ状の形状である。パフ状の形状とは、パフとして市場で販売されている化粧料塗布具の形状で、縦断面形状が楕円形状をしたものを意味する。
パフ状三層構造の積層体140は、圧着された環状の周縁部141と、その周縁部141より内側に位置する円柱状の中央部142とによって構成されている。この周縁部141の詳細は後述するが、常温の金属刃体90(後述の図10参照)で圧着切断して形成されている。そのため、側端部41は、熱溶着切断の周縁部に形成された凸状部840(図15参照)と異なり、図4に示すように滑らかな形状となっている。なお、周縁部141とは、化粧料塗布具100の外周部分に位置し、中央部142より厚さの薄い部分である。
ゴムラテックス発泡体110は、複数の孔が連続してなる連続気泡構造を有する。ゴムラテックス発泡体110の密度は特に限定されないが、例えば0.12g/cc以上0.15g/cc以下である。ゴムラテックス発泡体110の外面112は、詳細を後述するダンロップ法により形成されるため、凹凸が小さく、外面112の最大粗さRzは、50μm以下である。なお、この最大粗さRzは、JIS B0601−2013に基づいて、断面の顕微鏡画像等から、基準長さ2.5mmとして測定される値である。
また、ゴムラテックス発泡体110は、ゴムラテックス発泡体110の表面のうち周縁部141に位置する第1曲面115と、ゴムラテックス発泡体110の裏面のうち周縁部141に位置する第2曲面116とを有する。
ゴムラテックス発泡体110の素材は、特に限定されるものではないが、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、NR(天然ゴム)、クロロプレンゴム等を用いることができる。尚、これらのうち、耐膨潤性、耐候性、耐油性等に優れるNBRを用いるのが好ましい。
ゴムラテックス発泡体110の裏面には図2に示すように、凸凹模様がエンボスによって形成されている。凸凹模様は例えば織物、編物、天然皮革などの模様である。これにより、化粧料塗布具100は、滑り止め機能をゴムラテックス発泡体110の裏面に有する。なお、凸凹模様を裏面に設けなくても良い。
次に、ゴムラテックス発泡体110の厚みについて説明する。ゴムラテックス発泡体110の厚みが2mm未満である場合、人肌に対する弾性力が弱く、ゴムラテックス発泡体110のクッション性が低い。また、ゴムラテックス発泡体110の厚みが10mmを超える場合、化粧料塗布具100の厚さが大きく使用が困難である。そのため、ゴムラテックス発泡体110の厚みは、例えば2mm以上10mm以下であることが好ましい。
リボン105の両端は、ゴムラテックス発泡体110の裏面に縫製によって装着されている。使用者は、ゴムラテックス発泡体110の裏面とリボン105の両端間の中央部との間に指の挿入により化粧料塗布具100が把持できる。
遮断層120は、接着剤からなり、ゴムラテックス発泡体110の外面112上に設けられ、ゴムラテックス発泡体110及びPU発泡体130を接着している。遮断層120は例えばポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤で構成されている。上記したように、ゴムラテックス発泡体110の外面112は凹凸が小さいので、接着剤からなる遮断層120は、外面112を隙間なく被覆することができる。
次に、遮断層120の厚みについて説明する。遮断層120の厚みが0.05mm未満である場合、遮断層120の形成が不完全となり、遮断層120は化粧料がPU発泡体130からゴムラテックス発泡体110の内部に浸透することを防止できない。また、遮断層120の厚みが0.2mmを超える場合、遮断層120によって積層体140が硬くなるためゴムラテックス発泡体110のクッション性を損なう。そのため、遮断層120の厚みは、例えば0.05mm以上0.2mm以下であることが好ましく、0.06mm以上0.18mm以下であることがより好ましく、0.08mm以上0.15mm以下であることが更に好ましい。
PU発泡体130は、複数の孔が連続してなる連続気泡構造を有し、肌に接触する表面から構成されている。PU発泡体130は、PU樹脂発泡体シートをスライスされることにより形成された発泡体である。PU発泡体130は連続気泡構造を有するため、化粧料の保持量が多い。
PU発泡体130の素材は、特に限定されるものではないが、PU発泡体130は例えばポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、又はポリエステル系ポリウレタンとポリエーテル系ポリウレタンとポリカーボネート系ポリウレタンとの共重合体等を用いることができる。本実施形態においてPU発泡体130は例えば、ポリエステル系ポリウレタンとポリエーテル系ポリウレタンとポリカーボネート系ポリウレタンとの3種類の樹脂の共重合体である。
次に、PU発泡体130の厚みについて説明する。PU発泡体130の厚みが2.0mmを超える場合には、必要以上の化粧料が保持される。一方、PU発泡体130の厚みが0.5mm未満の場合には、必要量の化粧料が保持されない。そのため、PU発泡体130の厚みは、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
なお、実施形態において塗布層は、連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体であるPU発泡体130で構成されているが、これに限るものではない。実施の際、塗布層は例えば、NBRやSR(シリコーンゴム)などの連続気泡型ゴムラテックス発泡体で構成されていても良い。
「化粧料塗布具の使用方法」
次に、使用者が化粧料塗布具100を用いて化粧料Fを肌に塗布する場面について説明する。
図6は、滴下した化粧料FがPU発泡体130に含浸した時の積層体140の要部の断面写真図である。図6は、本発明者が積層体140の要部の断面を、顕微鏡を用いて20倍の倍率で撮影を行った写真図である。
使用者は、リボン105に指を挿入し、PU発泡体130に化粧料Fを含浸させ、積層体140(ゴムラテックス発泡体110の裏面)を指で押圧しながらPU発泡体130の表面を肌に適宜接触させることによって、PU発泡体130に保持された化粧料Fを肌に塗布する。このとき、遮断層120は、凹凸の小さなゴムラテックス発泡体110の外面112上に形成されているため、極めて薄い厚さであっても、外面112上を隙間なく被覆し、化粧料Fがゴムラテックス発泡体110に浸透することを防止している。そして、化粧料塗布具100は、PU発泡体130(塗布層)の厚さが均一なので、化粧料Fが均等の厚さの塗布層に浸透する構造なので、積層体140(ゴムラテックス発泡体110の裏面)を指で押圧する圧力の加減で化粧料Fの塗布量が変化することを防いでおり、顔に化粧料Fを均一に塗布することができる(図6参照)。
また、化粧料塗布具100は、化粧料浸透防止の遮断層120がゴムラテックス発泡体110の凹凸の小さな外面112上に接合されているので、遮断層120は、極めて薄い厚さとすることができ、肌感触に優れている。
ここで、積層体140の周縁部141は、基材層の素材として未加硫発泡ゴムラテックスを用いることで、常温下で金属刃体90を用いて周縁部141を圧着させることで、側端部41が滑らかな形状に形成されている。この周縁部141は、後述の図9に示す積層体シート40を、未加硫発泡ゴムラテックスが未加硫状態を維持したままダイカットする本実施形態の製造方法によって圧着される。周縁部141では孔が潰れ、孔を囲んでいた部分が圧縮されて接着している。これにより、PU発泡体130及び遮断層120は図3、図4に示すように、圧着されたゴムラテックス発泡体110の第1曲面115に沿って設けられている。
また、化粧料塗布具100は、周縁部141の上部側面145が塗布層面で形成されている。化粧料塗布具100の側端部41は、滑らかな形状を有し研削が不要なため、周縁部141も使用して顔の部位に応じた化粧ができ利便性に優れている。
また、凸凹模様が、圧着されたゴムラテックス発泡体110の第2曲面116に設けられている。そのため、化粧料塗布具100は、周縁部141に位置する第2曲面116でも滑り止め機能を使用者に提供できる。
「化粧料塗布具の製造方法」
次に、化粧料塗布具100の製造方法について以下説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る化粧料塗布具100の製造方法を示すフローチャートである。図8Aは、図7のS101の工程中の基材層シート108の断面図である。図8Bは、図7のS102の工程中の基材層シート108及び遮断層129の断面図である。図8Cは、図7のS102の工程中の積層体シート40の断面図である。図9は、図7のS103に示すダイカット工程の直前の様子を示す断面図である。図10は、図7のS103に示すダイカット工程で積層体シート40を打ち抜いた時の様子を示す断面図である。
化粧料塗布具100の製造方法は、S101からS103までの工程で未加硫発泡ゴムラテックスが未加硫状態を保つ温度で処理し、S104の工程で未加硫発泡ゴムラテックスを加硫する点、そして、S101の工程で未加硫発泡ゴムラテックスに凹凸の小さな外面を形成し、S102の工程でその外面に接着剤を塗布する点、を特徴とする。
まず、図8Aに示すように、発泡されたゴムラテックス原料を用いて、連続気泡型の未加硫発泡ゴムラテックスの基材層シート108を形成し、該未加硫発泡ゴムラテックスが未加硫状態を保つ温度で乾燥する(S101)。S101では、ダンロップ法により未加硫状態の基材層シート108を形成する。ダンロップ法は、ゴムラテックス原料に空気を注入しながら攪拌し、ケイフッ化ナトリウムの微粉末を添加し、マイクロ波を所定時間(例えば15秒間)照射する方法である。ゴムラテックス原料はマイクロ波の照射によって、温度が急速に上がってpHが急速に低下して凝固し、基材層シート108となる。このとき、基材層シート108の上側及び下側の界面は、内部と比較して泡の量が少ないため、凹凸の小さな外面112となる。
なお、ゴムラテックス原料は、ゴムラテックス及び添加剤を含有する。ゴムラテックスのゴム成分としては、例えば、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、NR(天然ゴム)、クロロプレンゴム等を用いることができる。尚、これらのうち、耐膨潤性、耐候性、耐油性等に優れるNBRを用いるのが好ましい。
また、ゴムラテックスには、必要により、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、気泡安定剤、加硫活性化剤、抗菌剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲内で添加してもよい。これらの添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
加硫剤は、例えば、硫黄、硫黄含有化合物などを用いることができる。加硫剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム成分100重量部に対して1重量部以下であることが好ましい。
また、加硫促進剤は、例えば、メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、テトラメチルチウラムジスルフィドなどを用いることができる。ここで、S101からS103までの工程において加硫が勝手に進まないよう、加硫促進剤の内、分解速度が最も遅いメルカプトベンゾチアゾール系の加硫促進剤が好ましい。メルカプトベンゾチアゾール系の加硫促進剤は、例えばメルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩またはメルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩である。メルカプトベンゾチアゾール系の加硫促進剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム成分100重量部に対して1.5重量部以下であることが好ましい。化粧料塗布具100の製造方法においてゴムラテックスに添加する加硫促進剤は、1重量部以下のメルカプトベンゾチアゾール系の加硫促進剤1種類のみである。これにより、メルカプトベンゾチアゾール系の加硫促進剤は、S101の工程において形成される基材層シート108が未加硫状態を維持できる時間を大きく延長できる。また、加硫促進剤の分解温度を超えると、加硫促進剤が分解されて加硫が進むため、S101からS103までの工程は、この分解温度を超えない温度で行う。
また、気泡安定剤は、例えばトリメンベースなどを用いることができる。また、加硫活性化剤は、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)などを用いることができる。加硫活性化剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム成分100重量部に対して1.5重量部以下であることが好ましい。また、抗菌剤は、例えばZPT(ジンクピリチオン)などを用いることができる。
次に、図8Bに示すように基材層シート108の外面112に接着剤を塗布して、図8Cに示すようにポリウレタン樹脂発泡体シート139を貼り付けて三層構造の積層体シート40を形成する(S102)。S102の工程では、基材層シート108の外面112上に接着剤を塗布した場合、接着剤が外面112から基材層シート108の内部に殆ど浸透しない。そのため、S102の工程では、少量の接着剤によって、基材層シート108の外面112に接着剤からなる遮断層120を形成できる。接着剤の塗布量は、製品の柔軟性を損なわない点と、ポリウレタン樹脂発泡体の剥離防止性の観点を考慮して設定すればよい。目安として、80〜120g/m2程度である。また、外面112は、最大粗さRzが50μm以下の面である。この最大粗さRzは、JIS B0601−2013に基づいて、断面の顕微鏡画像等から、基準長さ2.5mmとして測定される値である。
なお、ポリウレタン樹脂発泡体シート139は、例えばポリエステルとポリエーテルとポリカーボネートとの共重合体から形成することができる。
次に、S103のダイカット工程で使用するダイカット成型機9について図9を用いて説明する。ダイカット成型機9は、積層体シート40が載置する金属平板190と、金属平板190に載置された積層体シート40を打ち抜く枠体の金属刃体90とを備える。金属刃体90は、先端面と斜面とを有し、例えば120度程度の角度で傾斜したテーパー面になっており、また、先端面の幅が数mm程度の薄い平面になっており、これにより積層体シート40を圧着して切断することができる。そして、金属刃体90の硬度は金属平板190のそれよりも低いものを使用しており、金属平板190を損傷させない。
次に、図9、図10に示すように、上記三層構造の積層体シート40を常温の金属刃体90で押圧し圧着して、その押圧周縁部を切断する(S103)。これにより、圧着切断された三層構造の積層体149が形成される。積層体149は、塗布層であるPU発泡体130と遮断層120と基材層である未加硫ゴムラテックス109とのパフ状三層構造で構成されている。ここで、未加硫ゴムラテックス109は、粘着力が高くまた弾性力が加硫状態のゴムラテックス発泡体110の弾性力より極めて低い。そのため、圧着切断された周縁部141は、粘着力の高い未加硫ゴムラテックス109にPU発泡体130と遮断層120が圧着された状態で切断されている。ダイカットする前の未加硫ゴムラテックス109の厚さは、他二層の5倍以上の厚さがあるが、その弾性力が極めて低いので圧着された状態が維持されている。
次に、上記圧着切断された三層構造の積層体149を加熱して、上記未加硫ゴムラテックス109を加硫する(S104)。加硫温度は例えば100度以上の温度であり、加硫時間は例えば1.5時間程度である。S104の工程により周縁部141が圧着切断された形状のまま、塑性体である未加硫ゴムラテックス109は加硫されて、弾性体であるゴムラテックス発泡体110(図3、4参照)になる。詳細には、側端部41は、熱溶着で切断された周縁部に形成される凸状部840(図15参照)でなく、図4に示すような滑らかな形状となる。そして、上記したように、ダイカットにより圧着切断された周縁部141は、ダイカットする前の未加硫ゴムラテックス109の厚さが、他二層の5倍以上であるが、その弾性力が極めて低いので圧着された状態が維持されていたのが、上記S104の工程で未加硫ゴムラテックス109が加硫化されると、その粘着力が喪失しながら弾性力が増え続けて、ゴムラテックス発泡体110が形成される。図4の断面写真図の側端部41は、加硫化により弾性力が付加されたゴムラテックス発泡体110が外周側に膨出しているのに対して、PU発泡体130と遮断層120が変化しないことから、滑らかな形状に形成されていることを示している。したがって、図4はパフ状三層構造の積層体の上部側面が塗布層面で形成されていることは明らかである。
そして、脱臭処理の酸化洗浄、湯洗を行って乾燥し、リボン105を取り付けることで、図1〜図3に示す本実施形態の化粧料塗布具100を得る。
以上より、本実施形態の製造方法は、基材層に連続気泡型未加硫ゴムラテックスの基材層シート108を用いて、熱溶着により成型するのではなく、常温でダイカットするので、生産性に優れている。
「化粧料塗布具の製造方法の具体例」
以下、具体例によってさらに詳しく本実施形態の製造方法を説明する。
NBRゴムラテックス(日本ゼオン株式会社製 商品名:ニポール531B)96重量部、硫黄粉末1.0重量部、加硫促進剤(大内新興株式会社製 商品名:ノクセラーMZ)1.5重量部、老化防止剤(クラリアント ジャパン株式会社製 商品名:BHT)1.2重量部、気泡安定剤(広栄化学株式会社製 商品名:トリメンベース)1.1重量部、及び抗菌剤サンアイゾール100(ZPT)(三愛石油株式会社製)1.0重量部を含有するゴムラテックス原料を準備した。次に、ゴムラテックス原料に空気を注入しながらオークスミキサーを用いて攪拌し、ボールミルで粉砕したケイフッ化ソーダの微粉末分散液(25%液)を添加しつつ8mmの厚さにコーティングした。次に、発泡されたゴムラテックスシート(8mmt)に対して5KWのマイクロ波を約20秒間照射し、連続気泡型の未加硫発泡NBRゴムラテックスの基材層シート(凝固シート)を形成した。そして、この基材層シートを、該未加硫発泡NBRゴムラテックスが未加硫状態を保つ温度(60℃)で乾燥させ、外面の凹凸が小さい基材層シートを得た。
次に、ポリウレタン系接着剤を基材層シートの外面に塗布し(塗布量120g/m)、厚み0.7mmのポリウレタン樹脂発泡体シートを貼り付けて三層構造の積層体シートを形成した。そして、三層構造の積層体シートを常温の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して直径52mmの円形形状に成型した。そして、上記圧着切断された三層構造の積層体を110℃で60分間加熱して、上記未加硫発泡NBRゴムラテックスを加硫した。
そして、脱臭処理の酸化洗浄、湯洗を行って乾燥し、リボンを取り付けることで、化粧料塗布具を得た。得られた化粧料塗布具は、約5000cpsの低粘度の液状ファンデーション化粧料がPU発泡体からNBRゴムラテックス発泡体に浸透することを遮断層によって防止できた(図6参照)。
そのため、得られた化粧料塗布具は、化粧料が均等の厚さの塗布層に浸透する構造なので、NBRゴムラテックス発泡体の裏面を指で押圧する圧力の加減で化粧料の塗布量が変化することを防いでおり、顔に化粧料を均一に塗布することができた。
そして、得られた化粧料塗布具は、化粧料浸透防止の遮断層が、NBRゴムラテックス発泡体の凹凸の小さな外面上に接合されているので、遮断層は極めて薄い厚さとすることができ、肌感触に優れていた。
また、得られた化粧料塗布具は、周縁部の上部側面が塗布層面で形成されているので、周縁部も使用して顔の部位に応じた化粧ができ利便性に優れていた。
「比較例に係る化粧料塗布具の製造方法」
次に、図7に示す化粧料塗布具100の製造方法の比較例に係る化粧料塗布具600の製造方法について以下説明する。
図11は、図7に示す化粧料塗布具100の製造方法の比較例に係る化粧料塗布具600の製造方法を示すフローチャートである。図12は、図11のS104中の積層体シート604の断面図である。図13は、図11のS103に示すダイカット工程で積層体シート604を打ち抜いた時の様子を示す断面図である。図14は、図11に示す製造方法で製造される化粧料塗布具600の断面図である。
図11に示す化粧料塗布具600の製造方法が図7に示す化粧料塗布具100の製造方法と相違する点は、S103の工程とS104の工程とを入れ替えた点である。その他の工程に関しては同じであるため、説明を省略する。
S101とS102の工程を経た後、図8Cに示す積層体シート40を加熱して、上記未加硫ゴムラテックスの基材層シート108を加硫する(S104)。これにより、図12に示すように、ポリウレタン樹脂発泡体シート139と遮断層120と加硫ゴムラテックスの基材層シート619とからなる三層構造の積層体シート604が形成される。
次に、図13に示すように、上記三層構造の積層体シート604を常温の金属刃体90で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断する(S103)。これにより、図14に示すように、塗布層であるPU発泡体630と遮断層120と基材層である加硫状態のゴムラテックス発泡体610との三層構造の積層体640が形成される。
ここで、加硫状態のゴムラテックス発泡体610の弾性力は、未加硫状態のゴムラテックス発泡体の弾性力より極めて大きい。そのため、加硫状態のゴムラテックス発泡体610では、ダイカット工程の金属刃体90によって圧縮して切断された周縁部641が加硫ゴムラテックス発泡体610の弾性力によって、圧縮される前の元の形状に復元する。そのため、圧着により接着されない周縁部641を有する直方体状の積層体640が形成されるので、パフ形状に形成するには、その側面を研削するする必要がある。そのため、時間とコストがかかり生産性が悪い。
そして、図11に示す比較例の化粧料塗布具600は側端部を研削するため、化粧料Fが積層体640の側面からゴムラテックス発泡体610の基材層内部に浸透し易く、化粧料Fを無駄に消費するし、側面を使用することができない。
したがって、本発明の化粧料塗布具の製造方法は、S101からS103までの工程で未加硫発泡ゴムラテックスが未加硫状態を保つ温度で処理し、S104の工程で未加硫発泡ゴムラテックスを加硫する点、そして、S101の工程で外面の凹凸が小さい未加硫発泡ゴムラテックスを形成し、S102の工程でその外面に接着剤を塗布する点、を特徴とするものである。
上記特徴とする工程を備えたことで、厚さが極めて薄い接着剤からなる遮断層120で化粧料が基材層内部に浸透することが防止でき、また、基材層に未加硫の連続気泡型ゴムラテックス発泡体の基材層シート108を用いて、熱溶着によりダイカットするのではなく、常温でダイカットするので、生産性に優れている。

Claims (11)

  1. 連続気泡型ゴムラテックス発泡体からなる基材層と、
    接着剤からなる厚み0.05mm以上の遮断層と、
    連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体又は連続気泡型ゴムラテックス発泡体からなる塗布層が、
    この順に積層され、周縁部が圧着されてなる積層体からなり、
    前記基材層の前記遮断層側表面の最大粗さRzが50μm以下であることを特徴とする化粧料塗布具。
  2. 前記基材層の表面の全面に前記遮断層及び前記塗布層が設けられ、
    前記周縁部の上部側面が前記塗布層面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧料塗布具。
  3. 前記連続気泡型ゴムラテックス発泡体がNBRゴムラテックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料塗布具。
  4. 前記遮断層がポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
  5. 前記連続気泡型ポリウレタン樹脂発泡体がポリエステル系ポリウレタン又はポリエーテル系ポリウレタンおよびポリカーボネート系ポリウレタンの共重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
  6. 前記遮断層の厚みが0.05mm以上0.2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
  7. 前記塗布層の厚みが0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
  8. 発泡されたゴムラテックス原料を用いて、連続気泡型の未加硫発泡ゴムラテックスの基材層シートを形成し、該未加硫発泡ゴムラテックスが未加硫状態を保つ温度で乾燥させる工程と、
    上記基材層シートの外面に接着剤を塗布して、ポリウレタン樹脂発泡体シートを貼り付けて三層構造の積層体シートを形成する工程と、
    上記三層構造の積層体シートを常温の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程と、
    上記圧着切断された三層構造の積層体を加熱して、上記未加硫発泡ゴムラテックスを加硫する工程と、
    からなることを特徴とする化粧料塗布具の製造方法。
  9. 前記ゴムラテックス原料がNBRゴムラテックスであることを特徴とする請求項に記載の化粧料塗布具の製造方法。
  10. 前記接着剤がポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤であることを特徴とする請求項又はに記載の化粧料塗布具の製造方法。
  11. 前記ポリウレタン樹脂発泡体シートがポリエステル系ポリウレタン又はポリエーテル系ポリウレタンおよびポリカーボネート系ポリウレタンの共重合体であることを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の化粧料塗布具の製造方法。
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