JP6940839B2 - 電磁波測定装置および電磁波測定方法 - Google Patents

電磁波測定装置および電磁波測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波測定装置および電磁波測定方法に関し、特に、電気光学結晶を用いる電磁波測定装置および電磁波測定方法に関する。
この出願は、2017年3月6日に出願された日本出願特願2017−41286号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
電気光学結晶を用いて電磁波を検出する装置が各種開発されている。このような電磁波を検出する技術の一例として、たとえば、特許文献1(特開2014−52272号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、電磁波検出システムは、第一の光源と、前記第一の光源と異なる周波数で発光する第二の光源と、前記第一の光源からの光を2つに分岐する第一の光分岐器と、前記第二の光源からの光を2つに分岐する第二の光分岐器と、前記第一の光分岐器で分岐された2つの光のうち一方の光および前記第二の光分岐器で分岐された2つの光のうち一方の光を合波する第一の光合波器と、前記第一の光分岐器で分岐された2つの光のうち他方の光および前記第二の光分岐器で分岐された2つの光のうち他方の光を合波する第二の光合波器と、一定の周波数の発振信号を出力する発振器と、前記第一の光分岐器と前記第一の光合波器との間、前記第二の光分岐器と前記第一の光合波器との間、前記第一の光分岐器と前記第二の光合波器との間および前記第二の光分岐器と前記第二の光合波器との間のいずれかに挿入され、前記発振器からの発振信号で光の周波数を前記発振信号の周波数だけシフトする周波数シフタと、前記第一の光合波器からの異なる周波数の2つの光を受光して、2つの光の差周波数を周波数とする第一のRF(Radio Frequency)信号を生成し、生成した第一のRF信号を被測定物に照射するRF信号発生器と、前記第二の光合波器からの異なる周波数の2つの光をLO(Local Oscilating)信号とし、前記被測定物を透過又は反射した第一のRF信号および前記LO信号を混合しヘテロダイン検波して、前記LO信号を構成する2つの光の差周波数と前記第一のRF信号との周波数との差周波数を周波数とする検出信号を出力するRF信号検出器と、前記RF信号検出器の出力する検出信号を前記発振器の出力する発振信号で2位相ロックイン検出して、前記RF信号検出器の出力する検出信号と同位相となる同相成分および前記RF信号検出器の出力する検出信号と直交位相となる直交成分を出力する2相ロックイン検出器と、を備える。
また、特許文献2(特開2017−15703号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、電磁波測定装置は、光源と、前記光源からの光、および電磁波を受ける電気光学プローブと、前記電気光学プローブから出力された光を受ける光フィルタと、前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、前記電気光学プローブは、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている。
H.−L.Bloecher et al.「79GHz UWB automotive short range radar−Spectrum allocation and technology trends」、Adv.Radio Sci.、2009年、7,61−65 井上大輔「大規模シミュレーションによるレーダの車両搭載時の特性把握」、東京工業大学 TSUBAME 産業利用トライアルユース 成果報告書(平成26年度)、2014年
特開2014−52272号公報 特開2017−15703号公報
このような特許文献1および2に記載の技術を超えて、低コストで電磁波を良好に測定可能な技術が望まれる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電気光学結晶を用いて低コストで電磁波を良好に測定することが可能な電磁波測定装置および電磁波測定方法を提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定装置は、2波長のプローブ光を生成するプローブ光生成部と、電気光学結晶を含み、前記プローブ光生成部によって生成された前記プローブ光、および被検出電磁波を受ける電気光学プローブとを備え、前記プローブ光生成部は、前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、前記変動動作は、前記被検出電磁波の周波数変動の仕様に従った内容に設定される。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定方法は、2波長のプローブ光を生成するステップと、電気光学結晶を含む電気光学プローブに、生成した前記プローブ光を与えるとともに、被検出電磁波を与えるステップとを含み、前記プローブ光を生成するステップにおいて、前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、前記変動動作は、前記被検出電磁波の周波数変動の仕様に従った内容である。
本発明によれば、電気光学結晶を用いて低コストで電磁波を良好に測定することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定原理を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定対象となる電磁波の一例を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の比較例におけるIF信号の周波数の一例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるプローブ光の制御の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるIF信号の周波数の一例を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるプローブ周波数の制御による効果の一例を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例におけるプローブ光、および電気光学結晶による変調サイドバンドの一例を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例におけるプローブ光の制御およびIF信号の周波数の一例を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた電磁波測定方法の手順を示す図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた電磁波測定方法の手順を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた測定系の一例を示す図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。 図20は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。 図21は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。 図22は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。 図23は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。 図24は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。 図25は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置における被検出電磁波のシミュレーション結果を示す図である。 図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置における被検出電磁波のシミュレーション結果を示す図である。 図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果およびシミュレーション結果の他の例を示す図である。 図28は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果およびシミュレーション結果の他の例を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電磁波測定装置は、2波長のプローブ光を生成するプローブ光生成部と、電気光学結晶を含み、前記プローブ光生成部によって生成された前記プローブ光、および被検出電磁波を受ける電気光学プローブとを備え、前記プローブ光生成部は、前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、前記変動動作は、前記被検出電磁波の周波数変動の仕様に従った内容に設定される。
このように、プローブ光の周波数差に被検出電磁波の仕様に従った周波数変動を与える構成により、電気光学プローブの出力光に基づく電気信号の周波数変動を低減することができる。これにより、当該電気信号を処理する回路に要求される帯域幅を、被検出電磁波の専有帯域幅と比べてたとえば大幅に狭くすることができる。これにより、SN比の観点から有利な計測が可能となり、また、当該回路に要するコストをたとえば大幅に低減することができる。したがって、電気光学結晶を用いて低コストで電磁波を良好に測定することができる。
(2)好ましくは、前記プローブ光生成部は、前記変動動作において、前記プローブ光の周波数差と前記被検出電磁波の周波数との差の変動幅が前記被検出電磁波の周波数の変動幅よりも小さくなるように前記プローブ光の周波数差を変動させる。
このような構成により、プローブ光の周波数差を適切に変動させ、電気光学プローブの出力光に基づく電気信号を処理する回路に要求される帯域幅を、被検出電磁波の専有帯域幅と比べてたとえば大幅に狭くすることができる。
(3)好ましくは、前記プローブ光生成部は、前記変動動作において、前記プローブ光の周波数差が前記被検出電磁波の周波数変動に追随するように前記周波数差を変動させる。
このように、プローブ光の周波数差を被検出電磁波に追随させる構成により、電気光学プローブの出力光に基づく電気信号の周波数変動を容易に低減することができる。
(4)好ましくは、前記電磁波測定装置は、さらに、前記電気光学プローブから出力された光に基づく光を電気信号に変換する受光素子を備え、前記プローブ光生成部は、前記変動動作において、前記受光素子によって変換された前記電気信号の周波数に基づいて、前記周波数差の変動を調整する。
このような構成により、プローブ光の周波数差を被検出電磁波に追随させることができるため、たとえば受光素子によって変換された電気信号の周波数ドリフトを抑制し、より安定した計測結果を得ることができる。
(5)好ましくは、前記電磁波測定装置は、さらに、前記電気光学プローブから出力された光を受ける光波長フィルタと、前記光波長フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、前記光波長フィルタの帯域は、前記プローブ光のいずれか一方の光の周波数を含まない。
このような構成により、被検出電磁波の周波数変動の仕様を許容しながら、電気光学プローブの出力光のうちの不要な成分を除去して安定した計測結果を得ることができる。また、狭帯域化することが一般に困難である光波長フィルタの帯域を必要以上に狭く設定することなく、光波長フィルタの帯域を適切に設定することができるため、安価かつ容易に光波長フィルタを用いることができる。
(6)好ましくは、前記電磁波測定装置は、さらに、前記電気光学プローブから出力された光を受ける偏光素子と、前記偏光素子を通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備える。
このような構成により、被検出電磁波の周波数変動の仕様を許容しながら、電気光学プローブの出力光のうちの不要な成分を除去して安定した計測結果を得ることができる。
(7)好ましくは、前記電磁波測定装置は、複数の前記電気光学プローブを備え、各前記電気光学プローブは、前記プローブ光生成部からの共通の前記プローブ光を受ける。
このような構成により、各電気光学プローブの出力光に基づく電気信号の、プローブ光に由来する揺らぎを共通にすることができるため、たとえば、当該電気信号を処理する回路において当該揺らぎを容易に除去することが可能となる。
(8)好ましくは、前記電磁波測定装置は、複数の前記電気光学プローブを備え、さらに、前記電気光学プローブに対応して設けられ、対応の前記電気光学プローブから出力された光を受ける複数の光波長フィルタと、前記光波長フィルタに対応して設けられ、対応の前記光波長フィルタを通過した光を電気信号に変換する複数の受光素子と、各前記受光素子によって変換された前記電気信号の位相差を検出する検出部とを備える。
このように、被測定空間に配置された複数の電気光学プローブを用いることにより、異なる地点に複数の電気光学プローブを配置し、被測定電界とプローブ光との相対的な周波数揺らぎをキャンセルして、各電気光学プローブが配置された地点間の被測定電界の相対位相差を測定することができる。これにより、被測定空間における電界の周波数が変動する場合であっても、被測定系と測定系とを同期させることなく、安定かつ精密に放射電界の振幅および位相の空間分布を測定することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る電磁波測定方法は、2波長のプローブ光を生成するステップと、電気光学結晶を含む電気光学プローブに、生成した前記プローブ光を与えるとともに、被検出電磁波を与えるステップとを含み、前記プローブ光を生成するステップにおいて、前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、前記変動動作は、前記被検出電磁波の周波数変動の仕様に従った内容である。
このように、プローブ光の周波数差に被検出電磁波の仕様に従った周波数変動を与える方法により、電気光学プローブの出力光に基づく電気信号の周波数変動を低減することができる。これにより、当該電気信号を処理する回路に要求される帯域幅を、被検出電磁波の専有帯域幅と比べてたとえば大幅に狭くすることができる。これにより、SN比の観点から有利な計測が可能となり、また、当該回路に要するコストをたとえば大幅に低減することができる。したがって、電気光学結晶を用いて低コストで電磁波を良好に測定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。
図1を参照して、電磁波測定装置101は、プローブ光生成部1と、周波数変換部3と、検出部4とを備える。周波数変換部3は、電気光学プローブ2を含む。
電磁波測定装置101は、被検出電磁波36を計測する。被検出電磁波36は、たとえばRF帯の電磁波である。
電磁波測定装置101において、プローブ光生成部1は、2波長の光、すなわち異なる周波数の2つの光をプローブ光として生成する。ここで、プローブ光の周波数(以下、プローブ周波数とも称する)は、これら2波長の光の周波数差に相当する。
電気光学プローブ2は、電気光学結晶を含み、プローブ光生成部1によって生成されたプローブ光、および被検出電磁波36を受ける。電気光学プローブ2は、被検出電磁波36を検出する。
より詳細には、プローブ光生成部1から周波数変換部3における電気光学プローブ2へ伝送されたプローブ光は、電気光学プローブ2において、被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射されて出力される。プローブ光は、電気光学プローブ2において、被検出電磁波36によって位相、周波数、強度または偏光状態等が変調される。
周波数変換部3は、電気光学プローブ2から出力されたプローブ光からIF(Intermediate frequency)帯の電気信号(以下、IF信号とも称する。)を生成し、検出部4へ出力する。たとえば、このIF信号には、被検出電磁波36の振幅および位相がコヒーレントにコピーされている。
検出部4は、周波数変換部3から受けたIF信号に基づいて、被検出電磁波36の計測を行う。
なお、電磁波測定装置101の各構成要素間の光伝送は、光ファイバを用いて行われてもよいし、空間伝送であってもよい。空間伝送の例としては、被検出電磁波36を出力する半導体集積回路上に電気光学結晶の部材を配置し、対物レンズで集光したプローブ光を当該部材へ照射する構成があげられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。
図2を参照して、電磁波測定装置101において、プローブ光生成部1は、発光素子21,22と、光合波器23と、制御部24とを含む。周波数変換部3は、電気光学プローブ2と、サーキュレータ17と、光波長フィルタ18と、受光素子(PD)19とを含む。
電磁波測定装置101では、たとえば、被検出電磁波36とプローブ光とが同期しない非同期計測を行うことができる。
より詳細には、発光素子21は、周波数f1で発光する。発光素子22は、周波数f1とは異なる周波数f2で発光する。以下では、一例として、f2>f1の場合について説明を行う。また、被検出電磁波36の周波数をfEMとすると、fEM≠f2−f1の関係が成り立つ。
光合波器23は、発光素子21から受けた光および発光素子22から受けた光を合波し、合波した光をサーキュレータ17経由でプローブ光として電気光学プローブ2へ出力する。
サーキュレータ17から電気光学プローブ2へ伝送された光は、電気光学プローブ2において、被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射されてサーキュレータ17へ出力され、サーキュレータ17から光波長フィルタ18へ出力される。
光波長フィルタ18は、電気光学プローブ2から出力された光を受ける。より詳細には、光波長フィルタ18は、サーキュレータ17から受けた光の周波数成分のうち、たとえば所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。光波長フィルタ18は、たとえばバンドパスフィルタである。
受光素子19は、電気光学プローブ2から出力された光に基づく光を電気信号に変換する。より詳細には、受光素子19は、光波長フィルタ18を通過した光を電気信号に変換して検出部4へ出力する。
検出部4は、たとえば、受光素子19から受けた電気信号の振幅および位相を検出し、検出した振幅および位相を示す信号をそれぞれ出力する。また、検出部4は、たとえば、プローブ光の周波数を用いて当該電気信号の周波数を検出し、検出した周波数を示す信号を出力することも可能である。なお、検出部4は、受光素子19から受けた電気信号の振幅、位相および周波数のうちのいずれか1つまたは2つを検出する構成であってもよい。
このように、電磁波測定装置101は、光技術を用いることにより、低周波から高周波にわたる広帯域において、たとえば電気光学プローブ2の位置を変更しながら電磁波計測を行うことにより電磁波の電界の空間分布を計測することができる。また、電界の振幅、位相および周波数をリアルタイムに計測することができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定原理を示す図である。
図2および図3を参照して、ここでは、理解を容易にするために、被検出電磁波36がCW(continuous wave)である場合について説明する。
fEMの周波数を有する被検出電磁波36は、電気光学プローブ2における電気光学結晶の方向へ照射される(フェーズP1)。また、光合波器23において合波された周波数f1の光および周波数f2の光は(フェーズP11)、プローブ光として、電気光学プローブ2における電気光学結晶へ伝送される(フェーズP12)。
プローブ光の周波数f1の成分および周波数f2の成分は、それぞれ、被検出電磁波36が照射された電気光学結晶内で変調され、変調サイドバンド、具体的には、f1s=f1+fEM、f2s=f2−fEM、f1sd-=f1−fEM、およびf2sd-=f2+fEMの周波数成分の光が生成される(フェーズP13)。生成されたこれらの光は、周波数f1および周波数f2のプローブ光とともに光波長フィルタ18へ伝送される(フェーズP14)。
通過帯域Fを有する光波長フィルタ18において、たとえば、周波数f2のプローブ光と、周波数f1sの変調サイドバンドの光とが取り出される(フェーズP15)。
光波長フィルタ18において取り出された光は、受光素子19へ伝送されて光電変換(O/E)が行われ、fIF=f2―f1s=fp−fEMのIF帯の電気信号が得られる(フェーズP21)。
受光素子19から出力されるIF信号、すなわち周波数f1sの光および周波数f2の光間におけるヘテロダイン検出の結果生じるIF帯の電気信号は、被検出電磁波36の振幅および位相の情報を含んでいる。
なお、光波長フィルタ18において、たとえば、周波数f1のプローブ光と、周波数f2sの変調サイドバンドの光とが取り出される構成であってもよい。
再び図2を参照して、検出部4は、たとえば、ミキサ、フィルタおよび位相シフタ等を有するロックインアンプであり、受光素子19から受けたIF帯の電気信号からベースバンド帯の電気信号を生成し、IF帯の電気信号の振幅および位相を検出する、すなわち、変調サイドバンド成分の振幅および位相を検出する。
このように、電磁波測定装置101により、被検出電磁波36の電界、すなわち振幅および位相を計測することが可能となる。
ここで、一例として、以下のような課題がある。すなわち、車載ミリ波レーダから放射されるビームパターンは、レーダ装置の周囲における車両部品の影響を受けて乱れることが指摘されている(非特許文献1(H.−L.Bloecher et al.「79GHz UWB automotive short range radar−Spectrum allocation and technology trends」、Adv.Radio Sci.、2009年、7,61−65)参照)。
このビームパターンの乱れは、予期せぬ誤検知を引き起こす要因になると考えられる。その一方で、ビームパターンが実際にどの部分でどのように乱れているかを実測で明らかにする手段が無く、このような計測を実現する手段には大きなニーズがある。
現状では、反射体を車両前方に配置し、当該反射体がレーダ装置により適切に検知されるかを試験することが一般的である。しかしながら、この試験により誤検知の事実は判明するものの、誤検知を引き起こすビームパターンの乱れの原因、具体的には、車両部品のどの部分がどのような乱れを起こしているのか、を特定することができない。
アンテナ計測として一般的な手法である遠方界測定にも同じ問題がある。また、車両部品を高精度にモデル化したうえで電磁界シミュレーションに基づき乱れの原因を探る研究がなされている(非特許文献2(井上大輔「大規模シミュレーションによるレーダの車両搭載時の特性把握」、東京工業大学 TSUBAME 産業利用トライアルユース 成果報告書(平成26年度)、2014年)参照)。
しかしながら、このような手法では、計算時間が現実的でないうえに、塗料の複素誘電率等のデータも不足しており、そもそも当該シミュレーションがどの程度現実を反映しているのかの判断も難しい。
このような状況の中で、各自動車メーカは、試行錯誤に基づき誤検知の低減を図り、期待される誤検知率が許容範囲内であるかを、数十万時間に及ぶ走行テストに基づき判断している。
今後自動運転社会を実現するためには、試行錯誤に基づかない設計/評価技術の確立だけではなく、販売後の車両に搭載されたレーダシステムの安全性をどのような指標で担保するかについての試験方法の確立から始めなければならない。
これらの課題を解決するために、実車に搭載されたレーダ装置から放射される電界の車両近傍界すなわち振幅および位相の分布の計測には強いニーズがある。
電気光学(Electrooptic:EO)効果を利用したEOセンシングの手法は、低擾乱で近傍界計測を可能とする優れた手法である。しかしながら、この手法をレーダ信号に適用する場合、従来技術では、レーダ信号と同じかそれ以上の帯域を有する信号処理回路が必要であった。
たとえば、79GHz帯のFM−CW(Frequency Modulated−Cuntinuous Wave)レーダを考えると、レーダ信号は77GHz〜81GHzの範囲で変調され、専有帯域幅は4GHzである。このため、4GHz以上の帯域幅を有する広帯域な信号処理回路が必要となる。
これは、たとえば、装置のコストを2桁押し上げるだけではなく、信号対雑音比(SN比)を3桁以上悪化させる。このため、従来技術でレーダ信号を計測することは、現状のEOセンシングの感度ではほぼ不可能であった。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定対象となる電磁波の一例を示す図である。
図4を参照して、被検出電磁波36は、たとえば対象物を検知するために送信される電磁波であり、所定の仕様に従って周波数が変動する。具体的には、被検出電磁波36は、たとえばFM−CW方式に従う電磁波であり、周波数fEM1から周波数fEM2の周波数変調幅Δfで変動する三角波である。なお、被検出電磁波36は、のこぎり波であってもよい。また、被検出電磁波36は、2周波CW方式等、他の方式に従う電磁波であってもよい。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の比較例におけるIF信号の周波数の一例を示す図である。
この比較例では、プローブ周波数fpが固定されると仮定する。
周波数変換部3によって生成されるIF信号には、プローブ光の周波数、すなわち周波数f1および周波数f2の差であるプローブ周波数fpと被検出電磁波36の周波数との相対的な揺らぎが重畳されている。
すなわち、比較例では、IF信号は、被検出電磁波36と同様の周波数変調を受けることとなる。
具体的には、図5を参照して、被検出電磁波36の周波数がfEM1のときのIF信号の周波数fIF1は、fp−fEM1となる。また、被検出電磁波36の周波数がfEM2のときのIF信号の周波数fIF2は、fp−fEM2となる。すなわち、IF信号の周波数は、周波数変調幅Δfで変動する。
たとえば、79GHz帯のFM−CWレーダを考えると、レーダ信号は77GHz〜81GHzの範囲で変調され、専有帯域幅は4GHzである。このため、少なくとも4GHzの広帯域なIF信号を、周波数変換部3の後段の検出部4における信号処理回路等で処理する必要が生じてしまう。
そこで、電磁波測定装置101では、以下のような構成および動作により、上記のような課題を解決する。
再び図2を参照して、電磁波測定装置101におけるプローブ光生成部1は、プローブ光の周波数差すなわちプローブ周波数を変動させる変動動作を行う。この変動動作は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様、すなわち被検出電磁波36の所定の周波数変動に従った内容に設定される。言い換えれば、プローブ光生成部1は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様に従って、すなわち被検出電磁波36の所定の周波数変動に従って、プローブ光の周波数差を変動させる。
たとえば、プローブ光生成部1は、変動動作において、プローブ光の周波数差と被検出電磁波36の周波数との差の変動幅が被検出電磁波36の周波数の変動幅たとえば上述の周波数変調幅Δfよりも小さくなるようにプローブ光の周波数差を変動させる。
より詳細には、プローブ光生成部1における制御部24は、発光素子22を制御することにより、発光素子22の出力光の周波数f2を周波数変調幅Δfで変動させる。
なお、電磁波測定装置101は、プローブ光の周波数差の時間変動の位相が被検出電磁波36の周波数の時間変動の位相と合うように当該周波数差の時間変動の位相を設定可能な位相設定部を備える構成であってもよい。具体的には、たとえば、位相設定部は、発光素子22における回折格子の角度を調整するか、または発光素子22に供給する電流を調整する。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるプローブ光の制御の一例を示す図である。
図6を参照して、制御部24は、発光素子22の出力光の周波数を、周波数f2aから周波数f2bの周波数変調幅Δfで変動させる。すなわち、f2b−f2a=fEM2−fEM1=Δfである。
これにより、プローブ周波数fpは、(f2a−f1)から(f2b−f1)の周波数変調幅Δfで変動する。
なお、電磁波測定装置101は、発光素子22の出力光の周波数f2を変動させる構成に限らず、発光素子21の出力光の周波数f1を周波数変調幅Δfで変動させる構成であってもよい。また、電磁波測定装置101は、発光素子21の出力光の周波数f1および発光素子22の出力光の周波数f2の両方を変動させる構成であってもよい。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるIF信号の周波数の一例を示す図である。
図7を参照して、プローブ周波数fpが図6に示すように変動し、たとえば発光素子22の出力光の周波数変動の位相が被検出電磁波36の周波数変動の位相と一致する理想的な場合、IF信号の周波数fIFは一定となる。
具体的には、被検出電磁波36の周波数がfEM1のときに発光素子22の出力光の周波数がf2aである場合、IF信号の周波数は、fIF1=fp−fEM1=f2a−f1−fEM1となる。
また、被検出電磁波36の周波数がfEM2のときに発光素子22の出力光の周波数がf2bである場合、IF信号の周波数は、fIF2=fp−fEM2=f2b−f1−fEM2となる。
そして、fEM2=fEM1+Δfであり、f2b=f2a+Δfであることから、fIF1=fIF2となる。
このように、被検出電磁波36の周波数変動の仕様が既知である場合、プローブ周波数fpに被検出電磁波36の仕様と同じ周波数変動を与える構成により、IF信号の周波数変動を大きく低減することができる。
この効果により、IF信号の周波数を低くすることが可能となることから、検出部4を、安価で低速な信号処理回路等で実現することが可能となる。
すなわち、電磁波測定装置101では、光技術を用いて、広帯域信号を狭帯域かつ低周波の信号に変換することができる。これにより、FM−CWレーダの電界等、周波数変動が既知の電磁波を安価で低速な信号処理回路等により高精度に計測することができる。
なお、ここでは、理解を容易にするために、図7に示すようにプローブ周波数fpの周波数変動の位相と被検出電磁波36の周波数変動の位相とが一致する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。プローブ周波数fpの周波数変動の位相と被検出電磁波36の周波数変動の位相とにある程度のずれが存在しても、上記のような効果を得ることが可能である。たとえば、電磁波測定装置101に要求される仕様に応じて、プローブ周波数fpの周波数変動の位相と被検出電磁波36の周波数変動の位相との一致の精度を適宜設定することが可能である。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるプローブ周波数の制御による効果の一例を示す図である。
周波数f1および周波数f2の周波数差をFM−CW方式に従うレーダ信号と同様に周波数変調する構成により、IF信号において、被検出電磁波36とプローブ光との相対的な周波数揺らぎはある程度存在するものの、周波数変動幅を容易に数MHz内に収めることができる。
これにより、後段の信号処理回路等に要求される技術仕様は大幅に緩和される。また、検出部4への入力信号を低周波信号とすることにより、たとえば、後述するアナログミキサを用いた相対位相検出回路またはデジタル信号処理による相対位相検出等を容易に行うことが可能となる。
図8を参照して、上述の比較例では、FM−CW方式に従う被検出電磁波36の周波数fEMの変動に対してプローブ周波数fpが一定であることから、IF信号の周波数fIFが、検出部4におけるフィルタ等の所望の帯域BWに収まらなくなっている。
一方、電磁波測定装置101では、被検出電磁波36の周波数fEMの変動と同様にプローブ周波数fpを変動させることにより、IF信号の周波数fIFをほぼ一定にすることができる。これにより、IF信号の周波数fIFを、検出部4におけるフィルタ等の所望の帯域BWに容易に収めることができる。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。
図9を参照して、電磁波測定装置101の変形例において、プローブ光生成部1は、発光素子10と、光位相変調器14,15と、シフタ16と、発振器12と、制御部13とを含む。周波数変換部3は、電気光学プローブ2と、サーキュレータ17と、光波長フィルタ18と、受光素子(PD)19とを含む。
この変形例では、電磁波測定装置101と同様に、被検出電磁波36とプローブ光とが同期しない非同期計測を行うことが可能である。
光位相変調器14は、発光素子10から受けた種光を、発振器12から受けた周波数fmの発振信号により位相変調して出力する。
シフタ16は、発振器12から受けた発振信号の位相をシフトして光位相変調器15へ出力する。
光位相変調器15は、光位相変調器14から受けた光を、シフタ16から受けた発振信号により位相変調して出力する。
サーキュレータ17経由で電気光学プローブ2へ伝送された光位相変調器15からの光は、電気光学プローブ2において、被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射されてサーキュレータ17へ出力され、サーキュレータ17から光波長フィルタ18へ出力される。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例におけるプローブ光、および電気光学結晶による変調サイドバンドの一例を示す図である。
図10を参照して、プローブ光生成部1は、光周波数コム、具体的には、発振器12から出力される発振信号の周波数fmの間隔で並ぶ、単一周波数の複数の光を生成する。すなわち、周波数fmの間隔で並ぶ単一周波数の光で構成される変調サイドバンド群が、光位相変調器15からサーキュレータ17へ出力される。この変調サイドバンド群に、2波長のプローブ光たとえば周波数f1の光および周波数f2の光が含まれる。
サーキュレータ17は、光位相変調器15からこのような光周波数コムを受けて、電気光学プローブ2へ出力する。
電気光学プローブ2では、周波数fEMの被検出電磁波36とサーキュレータ17からの光周波数コムの各成分との相互作用により、各成分について新たにサイドバンド成分が生じる。なお、図10では、注目すべき1つのサイドバンドの光である周波数f1s=(f1+fEM)の成分のみを示し、また、プローブ光の周波数に相当する周波数f1およびf2を示している。
光波長フィルタ18は、サーキュレータ17から受けた光の周波数成分のうち、たとえば所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。より詳細には、光波長フィルタ18は、たとえば、サーキュレータ17から受けた光のうち、電気光学プローブ2において生成された1つのサイドバンドの光、およびサーキュレータ17が受ける光周波数コムの任意の成分を選択するバンドパスフィルタである。ここでは、光波長フィルタ18は、周波数(f1+fEM)の光および周波数f2の光を出力するものとする。ただし、fEM≠f2−f1の関係が成り立つ。ここでは、fEM<(f2−f1)=4×fmに設定した。
受光素子19は、光波長フィルタ18を通過した光を電気信号に変換して検出部4へ出力する。
なお、この変形例では、2つの光位相変調器を用いて光周波数コムを生成する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、モード同期レーザを用いる構成であってもよいし、位相変調器および強度変調器を用いる構成であってもよいし、1つの位相変調器を用いる構成であってもよいし、1つの強度変調器を用いる構成であってもよい。
電磁波測定装置101と同様に、変形例におけるプローブ光生成部1は、プローブ光の周波数差すなわちプローブ周波数を変動させる変動動作を行う。この変動動作は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様、すなわち被検出電磁波36の所定の周波数変動に従った内容に設定される。言い換えれば、プローブ光生成部1は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様に従ってプローブ光の周波数差を変動させる。
たとえば、プローブ光生成部1は、変動動作において、プローブ光の周波数差と被検出電磁波36の周波数との差の変動幅が被検出電磁波36の周波数の変動幅たとえば上述の周波数変調幅Δfよりも小さくなるようにプローブ光の周波数差を変動させる。
より詳細には、プローブ光生成部1における制御部13は、発振器12を制御することにより、発振器12の発振信号の周波数fmを変動させる。
なお、電磁波測定装置101の変形例は、プローブ光の周波数差の時間変動の位相が被検出電磁波36の周波数の時間変動の位相と合うように当該周波数差の時間変動の位相を設定可能な位相設定部を備える構成であってもよい。具体的には、たとえば、制御部13は、位相設定部として、発振器12に供給する電圧の位相を調整するか、または位相の設定値を発振器12へ出力する。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例におけるプローブ光の制御およびIF信号の周波数の一例を示す図である。
図11を参照して、制御部13は、発振器12の発振信号の周波数fmを、周波数fm1から周波数fm2の周波数変調幅で変動させる。
これにより、プローブ周波数fpは、4×fm1=fp1から4×fm2=fp2の周波数変調幅Δfで変動する。制御部13は、4×fm2−4×fm1=fEM2−fEM1=Δfとなるように周波数fmを変動させる。
プローブ周波数fpが図11に示すように変動し、たとえばプローブ周波数fpの周波数変動が被検出電磁波36の周波数変動と一致する理想的な場合、IF信号の周波数fIFは一定となる。
具体的には、被検出電磁波36の周波数がfEM1のときに発振器12の発振信号の周波数がfm1である場合、IF信号の周波数は、fIF1=fp1−fEM1となる。
また、被検出電磁波36の周波数がfEM2のときに発振器12の発振信号の周波数がfm2である場合、IF信号の周波数は、fIF2=fp2−fEM2となる。
そして、fEM2=fEM1+Δfであり、fp2=fp1+Δfであることから、fIF1=fIF2となる。
このように、被検出電磁波36の周波数変動の仕様が既知である場合、電磁波測定装置101と同様に、プローブ周波数fpに被検出電磁波36の仕様と同じ周波数変動を与える構成により、IF信号の周波数変動を大きく低減することができる。
この効果により、IF信号の周波数を低くすることが可能となることから、検出部4を、安価で低速な信号処理回路等で実現することが可能となる。
なお、この変形例では、光周波数コムにおける1組の2波長の光すなわち周波数f1の光および周波数f2の光を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。光周波数コムにおける複数組の2波長の光を用いる構成であってもよい。具体的には、たとえば、周波数f1の光および周波数f2の光、ならびにこれらの隣の成分である周波数(f1+fm)の光および周波数(f2+fm)の光を用いて、周波数(f1+fEM)の光および周波数f2の光、ならびに周波数(f1+fm+fEM)の光および周波数(f2+fm)の光を受光素子19へ出力する構成であってもよい。
ここで、光波長フィルタ18の帯域は、プローブ光のいずれか一方の光の周波数を含まないことが好ましい。この場合、周波数f1または周波数f2のプローブ光が光波長フィルタ18の帯域外となる。
図3に示すように周波数f2のプローブ光および周波数f1sの変調サイドバンドの光を取り出す構成では、光波長フィルタ18の帯域は、被検出電磁波36の周波数変調幅より大きく設定する必要がある。一方、周波数f1のプローブ光および周波数f2sの変調サイドバンドの光を取り出す構成では、被検出電磁波36の周波数がfEM1の場合とfEM2の場合とにおいて周波数f1および周波数f2sは一定であることから、光波長フィルタ18の帯域は、被検出電磁波36の周波数変調幅より大きく設定する必要がない。
また、図10に示すような光周波数コムを用いる構成では、光波長フィルタ18の帯域は、被検出電磁波36の周波数変調幅Δfの1/2より大きく、かつ周波数fmより小さく設定する必要がある。
これらを踏まえると、光波長フィルタ18において、周波数f1および周波数f2のいずれか一方のプローブ光を非通過帯域に含めるように設定することが好ましく、これにより、受光素子19においてIF信号を得ることが可能である。具体的には、このように設定することにより、逆相成分となる(f2―f1s)の電気信号および(f1―f2s)の電気信号が互いをキャンセルすることを防ぐことができる。
また、光波長フィルタ18は、周波数f1および周波数f2のいずれか一方のプローブ光を非通過帯域とする構成であれば、バンドパスフィルタに限らず、ノッチフィルタであってもよいし、これらの組み合わせによって実現されてもよい。
光波長フィルタ18の帯域が、プローブ光のいずれか一方の光の周波数を含まない構成により、被検出電磁波36の周波数変動の仕様を許容しながら、電気光学プローブ2の出力光のうちの不要な成分を除去して安定した計測結果を得ることができる。また、狭帯域化することが一般に困難である光波長フィルタの帯域を必要以上に狭く設定することなく、光波長フィルタの帯域を適切に設定することができるため、安価かつ容易に光波長フィルタを用いることができる。
ここで、プローブ光生成部1は、変動動作において、プローブ光の周波数差が被検出電磁波36の周波数変動に追随するように当該周波数差を変動させる構成であってもよい。これにより、変動動作が、被検出電磁波36の周波数変動の仕様に従った内容に自動的に設定され、また、プローブ光の周波数差の時間変動の位相が被検出電磁波36の周波数の時間変動の位相と合うように当該周波数差の時間変動の位相が自動的に設定される。
具体的には、たとえば、プローブ光生成部1は、変動動作において、受光素子19によって変換された電気信号の周波数に基づいて、プローブ光の周波数差の変動を調整する。たとえば、プローブ光生成部1は、三角波状に変動する周波数差の初期位相、周期および変動幅等を調整する。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。以下で説明する内容以外は図2に示す電磁波測定装置101と同様である。
図12を参照して、制御部24は、検出部4によって検出されたIF信号の周波数が一定となるように、または所望の帯域幅に収まるように、発光素子22の出力光の周波数波形の位相または当該出力光の周波数を調整する。この場合、制御部24は、プローブ光の周波数差の時間変動の位相が被検出電磁波36の周波数の時間変動の位相と合うように当該周波数差の時間変動の位相を設定する位相設定部としても機能する。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。以下で説明する内容以外は図9に示す電磁波測定装置101と同様である。
図13を参照して、制御部13は、検出部4によって検出されたIF信号の周波数が一定となるように、または所望の帯域幅に収まるように、発振器12の発振信号の位相または周波数を調整する。この場合、制御部13は、プローブ光の周波数差の時間変動の位相が被検出電磁波36の周波数の時間変動の位相と合うように当該周波数差の時間変動の位相を設定する位相設定部としても機能する。
このような構成により、プローブ周波数fpを被検出電磁波36に追随させることができるため、たとえばIF信号の周波数ドリフトを抑制することができる。
なお、電気光学プローブ2の出力光を処理する構成は、図2および図9に示すような光波長フィルタを用いる構成に限らず、他の構成であってもよい。たとえば、円偏波のプローブ光が電気光学結晶において偏波変調され、波長板と、偏光ビームスプリッタ等の偏光素子とによって強度変調に変換され、変換後の光が受光素子に与えられる構成であってもよい。
この場合、図2および図9に示す構成と同様に、受光素子は、電気光学プローブ2から出力された光に基づく光を電気信号に変換する。また、プローブ光生成部1は、当該受光素子によって変換された電気信号の周波数に基づいて、プローブ光の周波数差の変動を調整する構成であってもよい。
また、被検出電磁波36の周波数変動の仕様が既知でない場合においても、プローブ周波数fpおよびIF信号の周波数に基づいて、被検出電磁波36の周波数変動の仕様を推定することが可能である。たとえば、電磁波測定装置101は、プローブ周波数fpを一定とし、検出部4によって検出されたIF信号の周波数およびプローブ周波数fpから被検出電磁波36の周波数変動の仕様を推定する機能を有する構成であってもよい。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた電磁波測定方法の手順を示す図である。
図14を参照して、まず、被測定電界の空間における測定点に電気光学プローブ2を配置する(ステップS1)。
次に、周波数差が変動する2波長のプローブ光を生成する。この周波数差の変動は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様に従った内容である。
たとえば、プローブ光の周波数差と被検出電磁波36の周波数との差の変動幅が被検出電磁波36の周波数の変動幅たとえば上述の周波数変調幅Δfよりも小さくなるようにプローブ光の周波数差を変動させる。
ここで、上述のように、プローブ光の周波数差の時間変動の位相が被検出電磁波36の周波数の時間変動の位相と合うように当該周波数差の時間変動の位相を設定してもよい。また、上述の図12または図13に示す変形例では、プローブ光の周波数差が被検出電磁波36の周波数変動に追随するように当該周波数差を変動させる、具体的には、受光素子19によって変換された電気信号の周波数に基づいてプローブ光の周波数差の変動を調整することができる(ステップS2)。
次に、電気光学プローブ2に、生成したプローブ光を与えるとともに、被検出電磁波36を与える(ステップS3)。
次に、電気光学プローブ2から出力される光に基づいて被検出電磁波36を計測する(ステップS4)。
なお、上記測定点に電気光学プローブ2を配置したとき(ステップS1)において被検出電磁波36の電気光学プローブ2への付与が開始される、と考えることも可能である。この場合も、ステップS3において電気光学プローブ2にプローブ光および被検出電磁波36が与えられることに変わりはない。
ところで、特許文献1および2に記載の技術を超えて、低コストで電磁波を良好に測定可能な技術が望まれる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、プローブ光生成部1は、2波長のプローブ光を生成する。電気光学プローブ2は、電気光学結晶を含み、プローブ光生成部1によって生成されたプローブ光、および被検出電磁波36を受ける。そして、プローブ光生成部1は、プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行う。この変動動作は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様、すなわち被検出電磁波36の所定の周波数変動に従った内容に設定される。
このように、プローブ周波数fpに被検出電磁波36の仕様に従った周波数変動を与える構成により、電気光学プローブ2の出力光に基づく電気信号の周波数変動を低減することができる。これにより、当該電気信号を処理する回路に要求される帯域幅を、被検出電磁波36の専有帯域幅と比べてたとえば大幅に狭くすることができる。これにより、SN比の観点から有利な計測が可能となり、また、当該回路に要するコストをたとえば大幅に低減することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、電気光学結晶を用いて低コストで電磁波を良好に測定することができる。
具体的には、電磁波測定装置101では、光技術を用いて、広帯域信号を狭帯域かつ低周波の信号に変換することができる。これにより、FM−CWレーダの電界等、周波数変動が既知であるかまたは周波数変動が推定された電磁波を安価で低速な信号処理回路等により高精度に計測することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、プローブ光生成部1は、変動動作において、プローブ光の周波数差と被検出電磁波36の周波数との差の変動幅が被検出電磁波36の周波数の変動幅よりも小さくなるようにプローブ光の周波数差を変動させる。
このような構成により、プローブ周波数fpを適切に変動させ、電気光学プローブ2の出力光に基づく電気信号を処理する回路に要求される帯域幅を、被検出電磁波36の専有帯域幅と比べてたとえば大幅に狭くすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、プローブ光生成部1は、変動動作において、プローブ光の周波数差が被検出電磁波36の周波数変動に追随するように当該周波数差を変動させる。
このように、プローブ周波数fpを被検出電磁波36に追随させる構成により、電気光学プローブ2の出力光に基づく電気信号の周波数変動を容易に低減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、受光素子19は、電気光学プローブ2から出力された光に基づく光を電気信号に変換する。そして、プローブ光生成部1は、受光素子19によって変換された電気信号の周波数に基づいて、プローブ光の周波数差の変動を調整する。
このような構成により、プローブ周波数fpを被検出電磁波36に追随させることができるため、たとえばIF信号の周波数ドリフトを抑制し、より安定した計測結果を得ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、光波長フィルタ18は、電気光学プローブ2から出力された光を受ける。受光素子19は、光波長フィルタ18を通過した光を電気信号に変換する。そして、光波長フィルタ18の帯域は、プローブ光のいずれか一方の光の周波数を含まない。
このような構成により、被検出電磁波36の周波数変動の仕様を許容しながら、電気光学プローブ2の出力光のうちの不要な成分を除去して安定した計測結果を得ることができる。また、狭帯域化することが一般に困難である光波長フィルタの帯域を必要以上に狭く設定することなく、光波長フィルタの帯域を適切に設定することができるため、安価かつ容易に光波長フィルタを用いることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、偏光素子は、電気光学プローブ2から出力された光を受ける。受光素子19は、偏光素子を通過した光を電気信号に変換する。
このような構成により、被検出電磁波36の周波数変動の仕様を許容しながら、電気光学プローブ2の出力光のうちの不要な成分を除去して安定した計測結果を得ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定方法では、まず、2波長のプローブ光を生成する。次に、電気光学結晶を含む電気光学プローブ2に、生成したプローブ光を与えるとともに、被検出電磁波36を与える。そして、プローブ光を生成する際、プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行う。この変動動作は、被検出電磁波36の周波数変動の仕様に従った内容である。
このように、プローブ周波数fpに被検出電磁波36の仕様に従った周波数変動を与える方法により、電気光学プローブ2の出力光に基づく電気信号の周波数変動を低減することができる。これにより、当該電気信号を処理する回路に要求される帯域幅を、被検出電磁波36の専有帯域幅と比べてたとえば大幅に狭くすることができる。これにより、SN比の観点から有利な計測が可能となり、また、当該回路に要するコストをたとえば大幅に低減することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定方法では、電気光学結晶を用いて低コストで電磁波を良好に測定することができる。
具体的には、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定方法では、光技術を用いて、広帯域信号を狭帯域かつ低周波の信号に変換することができる。これにより、FM−CWレーダの電界等、周波数変動が既知であるかまたは周波数変動が推定された電磁波を安価で低速な信号処理回路等により高精度に計測することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電磁波測定装置と比べて複数の電気光学プローブを用いる電磁波測定装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電磁波測定装置と同様である。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。
図15を参照して、電磁波測定装置102は、図示しないプローブ光生成部1と、周波数変換部3と、検出部4とを備える。周波数変換部3は、電気光学プローブ2である電気光学プローブ2A,2Bと、サーキュレータ17であるサーキュレータ17A,17Bと、光波長フィルタ18である光波長フィルタ18A,18Bと、受光素子19である受光素子(PD)19A,19Bとを含む。検出部4は、発振器71と、ミキサ72,74と、フィルタ73と、同期検波器75とを含む。
電気光学プローブ2Aは、被測定電界の空間における測定点に配置される。測定点は、被測定電界の空間分布を計測するために予め定められた空間位置であり、たとえば、一次元、二次元または三次元のメッシュにおける格子点である。
電気光学プローブ2Bは、被測定電界の空間における基準点に固定して配置される。基準点は、測定点における被測定電界の位相の基準となる位相を検出するための位置であり、被測定電界の空間内であれば、いずれの位置であってもよい。
たとえば、各電気光学プローブ2は、プローブ光生成部1からの共通のプローブ光を受ける。
より詳細には、サーキュレータ17経由で電気光学プローブ2へ伝送されたプローブ光生成部1からのプローブ光は、電気光学プローブ2において、被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射されてサーキュレータ17へ出力され、サーキュレータ17から光波長フィルタ18へ出力される。
たとえば、サーキュレータ17A,17Bは、プローブ光生成部1から周波数f1およびf2のプローブ光を受けて、これらの光を電気光学プローブ2へ出力する。ただし、被検出電磁波36の周波数をfEMとすると、fEM≠f2−f1の関係が成り立つ。これらの光は、上述のように、非同期に生成された2つの光であってもよいし、光周波数コムの各成分であってもよい。
電気光学プローブ2では、周波数fEMの被検出電磁波36とサーキュレータ17からの光との相互作用により、周波数(f1+fEM)および周波数(f1−fEM)のサイドバンド成分、ならびに周波数(f2+fEM)および周波数(f2−fEM)のサイドバンド成分が生じる。
光波長フィルタ18は、サーキュレータ17から受けた光の周波数成分のうち、たとえば所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。より詳細には、光波長フィルタ18は、たとえば、サーキュレータ17から受けた光のうち、1つのサイドバンドの光、およびサーキュレータ17が受けるプローブ光生成部1からの光の一方を選択するバンドパスフィルタである。ここでは、光波長フィルタ18は、周波数(f1+fEM)の光および周波数f2の光を出力するものとする。
受光素子19Aは、光波長フィルタ18Aを通過した光を電気信号に変換してミキサ72へ出力する。受光素子19Bは、光波長フィルタ18Bを通過した光を電気信号に変換してミキサ74へ出力する。より詳細には、受光素子19において光電変換(O/E)が行われ、たとえば周波数(f2―f1−fEM)のIF帯の電気信号が得られる。
検出部4は、受光素子19Aおよび19Bによって変換された電気信号の位相差を検出する。
より詳細には、発振器71は、周波数fsの発振信号である参照信号を生成してミキサ72および同期検波器75へ出力する。
ミキサ72は、受光素子19Aから受けたIF信号と発振器71から受けた参照信号とを乗算することにより、周波数(f2―f1−fEM)と周波数fsとの和の周波数および差の周波数を有する電気信号を出力する。
フィルタ73は、ミキサ72から受けた電気信号の周波数成分のうち、たとえば所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。より詳細には、フィルタ73は、たとえば、ミキサ72から受けた電気信号の周波数成分のうち、周波数(f2―f1−fEM)と周波数fsとの和または差の周波数成分を選択するバンドパスフィルタまたはローパスフィルタである。ここでは、フィルタ73は、上記差の周波数(f2―f1−fEM−fs)の周波数成分を有する電気信号を出力するものとする。
ミキサ74は、フィルタ73から受けた電気信号と受光素子19Bから受けたIF信号とを乗算することにより、周波数(f2―f1−fEM−fs)と周波数(f2―f1−fEM)との和の周波数および差の周波数を有する電気信号を出力する。
同期検波器75は、被検出電磁波36を計測する検出器の一例である。同期検波器75は、ミキサ74から受けた電気信号から、発振器71から受けた参照信号に同期する信号成分すなわち周波数fsを有する信号成分を抽出する回路であり、たとえば、ミキサ74から出力される信号を入力とし、発振器71が生成した参照信号と同期する信号成分だけを抽出するロックインアンプである。
同期検波器75から出力される信号は、電気光学プローブ2Aが配置された測定点における被測定電界の振幅および位相、より詳細には、被測定電界において電気光学プローブ2Bが配置された基準点における被測定電界の位相を基準とする位相を示している。
このように、同期検波器75では、ミキサ74から出力された信号のうち、被測定電界の位相および周波数揺らぎがキャンセルされ、かつ、周波数(f2―f1−fEM)に依存する信号成分がキャンセルされた、参照信号の周波数fs=fs−(f2―f1−fEM)+(f2―f1−fEM)を有する信号成分だけが抽出され、被測定電界の振幅および位相が特定される。
被測定電界における第1の測定点での振幅および位相の測定が終了すると、続いて、電気光学プローブ2Bを基準点に固定したまま、電気光学プローブ2Aを第2の測定点に移動させ、上述の信号処理によって、第2の測定点での振幅および位相を測定する。このような測定を、予め定められたすべての測定点について繰り返す。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた電磁波測定方法の手順を示す図である。
図16を参照して、まず、被測定電界の空間における測定点に電気光学プローブ2Aを配置し、かつ基準点に電気光学プローブ2Bを配置する(ステップS11)。
次に、ミキサ72により、電気光学プローブ2Aから出力される光に基づく信号すなわち受光素子19Aから出力された信号に、発振器71から出力された参照信号を乗じる(ステップS12)。
次に、ミキサ74により、ミキサ72から出力された信号に、電気光学プローブ2Bから出力される光に基づく信号すなわち受光素子19Bから出力された信号を乗じる(ステップS13)。
次に、同期検波器75により、ミキサ74から出力された信号から、発振器71により生成された参照信号に同期する信号成分を抽出する(ステップS14)。これにより、測定点における被測定電界の振幅および位相が得られる。
次に、予め定められたすべての測定点での測定が終了していない場合には(ステップS15でNO)、電気光学プローブ2Aを次の測定点に移動させて配置し(ステップS16)、同様の信号処理を行う(ステップS12〜S14)。
一方、予め定められたすべての測定点での測定が終了した場合には(ステップS15でYES)、測定を終了する。以上により、被測定電界の空間分布が得られる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置における検出部4は、被検出電磁波36の振幅および位相を計測する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検出部4は、被検出電磁波36の振幅および位相のいずれか一方を計測する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置では、検出部4は、アナログ信号処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。検出部4は、デジタル信号処理を用いる構成であってもよい。
たとえば、検出部4は、A/Dコンバータを用いて各IF信号をデジタル信号に変換し、フーリエ変換演算を行って位相を求め、位相差を得る構成であってもよい。この場合、たとえば図12および図13に示す変形例では、フーリエ変換演算によって得られる周波数が一定となるように、または所望の帯域幅に収まるように、それぞれ、発光素子22の出力光の周波数波形の位相または当該出力光の周波数、および発振器12の発振信号の位相または周波数を調整することができる。
また、電気光学プローブ2A,2Bの出力光を処理する構成は、図15に示すような光波長フィルタを用いる構成に限らず、他の構成であってもよい。たとえば、円偏波のプローブ光が電気光学結晶において偏波変調され、波長板と、偏光ビームスプリッタ等の偏光素子とによって強度変調に変換され、変換後の光が受光素子に与えられる構成であってもよい。
[検証1]
ここで、本願発明者らは、電磁波測定装置102を用いて、以下のような検証を行った。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた測定系の一例を示す図である。
図17を参照して、本検証では、被検出電磁波36とプローブ光とが同期しない非同期計測を行う。たとえば、FM−CW方式に従う周波数fEMの被検出電磁波36をVCOによって生成し、ホーンアンテナ等のアンテナから電気光学プローブ2へ放射する。
被検出電磁波36の中心周波数は24GHzであり、周波数変調幅は80MHzであり、周期は10msであり、放射パワーは30dBmである。
本検証では、電磁波測定装置102において図9に示すような構成を採用し、図10に示すような、光周波数コムにおける2つの成分をプローブ光として用いた。
より詳細には、光位相変調器14,15に与えられる発振器12の発振信号は、正弦波であり、中心周波数は12.0033GHzである。そして、発振器12の発振信号を三角波状に変調し、周期10msかつ周波数変調幅80MHzで周波数差が変動するプローブ光を生成した。また、得られるIF信号を観測し、当該IF信号の周波数変動幅が所望の大きさに収まるように、発振器12の発振信号の初期位相を調整した。このようなプローブ光の生成は、たとえば図14に示すステップS2に相当する。ここで、得られるIF信号の周波数は、6.6MHzである。検出部4に相当する信号処理回路の帯域幅は、5MHzである。
また、電気光学プローブ2Aによるスキャン範囲すなわち測定点の範囲を60mm四方とした。
図18および図19は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。
被検出電磁波36とプローブ光とが同期していない一方で、プローブ光の周波数差を被検出電磁波36の周波数変動の仕様に従って変動させることにより、IF信号の周波数変動を小さくすることができる。
そして、帯域幅が5MHzである信号処理回路によって被検出電磁波36とプローブ光との相対的な周波数揺らぎすなわち位相揺らぎがキャンセルされた結果、図18および図19に示すように、振幅および位相の空間分布の可視化を実現することができた。
これは、狭帯域の信号処理回路を用いたことにより高いSN比が維持されたことの結果である。なお、プローブ光の周波数差を変動させなかった場合、可視化を実現することは不可能であった。
プローブ光の周波数および当該周波数の変動幅は、たとえば電気信号によって容易に設定可能であることから、電磁波測定装置102を、上述のような79GHz帯かつ専有帯域幅が4GHzのFM−CWレーダ等に容易に適用することが可能である。
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。
図20において、縦軸は振幅[arb.u.]および位相[度]であり、横軸は時間[秒]である。縦軸の振幅は、正規化された値である。グラフG1は振幅を示し、グラフG2は位相を示す。
図20を参照して、測定開始から150秒が経過するあたりまで、ほぼ一定の振幅および位相が測定されていることが分かる。
その後、被検出電磁波36の周波数とプローブ光の周波数差とのずれが広がり、フィルタ73による振幅減衰および位相付与が生じていることが分かる。
このため、プローブ光の周波数差が被検出電磁波36の周波数変動に追随するように当該周波数差を変動させる構成、具体的には、たとえば図12および図13に示すような、受光素子19によって変換された電気信号の周波数に基づいてプローブ光の周波数差の変動を調整する構成を採用することが好ましい。
しかしながら、このような構成に限定するものではなく、たとえばほぼ一定の振幅および位相が得られる時間、ここでは150秒が計測仕様等に対して十分である場合、図12および図13に示すような構成は採用しなくてもよい。
[検証2]
また、本願発明者らは、図13に示すような、光周波数コムを使用し、かつ発振器12の位相または周波数をフィードバック制御する構成に、電気光学プローブ2A,2Bを用いる図15に示す構成を適用した電磁波測定装置を用いて検証を行った。
本検証では、被検出電磁波36とプローブ光とが同期しない非同期計測を行う。たとえば、FM−CW方式に従う周波数fEMの被検出電磁波36をシンセサイザによって生成し、方向性結合器を用いて分岐した後、電気光学プローブ2A,2Bへ放射する。電気光学プローブ2Aには、分岐後の被検出電磁波36をホーンアンテナから照射した。電気光学プローブ2Aは、ホーンアンテナの開口面から約15mm離れた位置に配置した。電気光学プローブ2Aによるスキャン範囲すなわち測定点の範囲を70mm四方とした。
被検出電磁波36の中心周波数は24GHzであり、周波数変調幅は160MHzであり、周期は2.5msであり、方向性結合器への放射パワーは230mWである。また、光位相変調器14,15に与えられる発振器12の発振信号は、正弦波であり、中心周波数は12.0018GHzであり、周波数fsは1.7MHzであり、フィルタ73の通過帯域は5MHzから6MHzの範囲であり、ロックインアンプの時定数は100msである。制御部13は、IF信号の周波数の目標値を3.6MHzとするPI制御を行う。
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。
図21の上のグラフ図において、縦軸は周波数[MHz]であり、横軸は時間[秒]である。図21の中央のグラフ図において、縦軸は振幅[arb.u.]であり、横軸は時間[秒]である。縦軸の振幅は、正規化された値である。図21の下のグラフ図において、縦軸は位相[度]であり、横軸は時間[秒]である。
図21を参照して、測定開始から5秒程度経過した後にPI制御を開始した。PI制御を行っていない状態では、被検出電磁波36の周波数とプローブ光の周波数差とのずれが広がり、IF信号の周波数における150kHz/秒のドリフトとともに振幅および位相が大きく変化している。その結果、振幅および位相を正確に測定することができなかった。
そして、PI制御を開始すると、初期の周波数ずれにも関わらず、IF信号の周波数が3.6MHzで固定され、振幅および位相を正確に測定することが可能となった。IF信号の周波数は、目標値である3.6MHzから残留偏差2.1kHz以内で制御されており、良好な測定結果が得られている。
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。
図22の上のグラフ図において、縦軸は振幅[arb.u.]であり、横軸は時間[分]である。縦軸の振幅は、正規化された値である。図22の下のグラフ図において、縦軸は位相[度]であり、横軸は時間[秒]である。
図22を参照して、被検出電磁波36を測定した結果、2.1kHzの残留偏差であっても、振幅測定において39.6dBのSNR(Signal to Noise Ratio)、および位相測定において0.52度の偏差が得られ、この安定した結果が3時間以上継続することを確認した。
図23および図24は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の他の例を示す図である。図25および図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置における被検出電磁波のシミュレーション結果を示す図である。
図23および図25は、ホーンアンテナから放射される計測対象の振幅および位相の空間分布の計測結果をそれぞれ示している。図24および図26は、ホーンアンテナから放射される計測対象の振幅および位相の空間分布のシミュレーション結果をそれぞれ示している。図23および図25における計測対象は被検出電磁波36であり、図24および図26における計測対象は24GHzのCWである。
図23および図25を参照して、検出部4の検出結果を用いて、ホーンアンテナの近傍におけるXY,XZ,YZの3面のイメージングを行った。1面あたり約30分の時間を要した。
図23および図25に示す被検出電磁波36の振幅および位相の空間分布は、図24および図26に示すシミュレーション結果と良く一致しており、高い計測精度が得られていることが分かる。
図27および図28は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果およびシミュレーション結果の他の例を示す図である。図27および図28は、近傍界の測定結果から得られた遠方界の、E面およびH面における放射パターンをそれぞれ示している。E面およびH面は、上記XZ面および上記YZ面にそれぞれ平行な面である。
図27において、グラフG11は被検出電磁波36の計測結果を示し、グラフG12はCWのシミュレーション結果を示す。図28において、グラフG13は被検出電磁波36の計測結果を示し、グラフG14はCWのシミュレーション結果を示す。
グラフG11およびG13に示すホーンアンテナの放射パターンは、グラフG12およびG14に示すシミュレーション結果とそれぞれ良く一致しており、高い計測精度が得られていることが分かる。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置は、複数の電気光学プローブ2を備える。そして、各電気光学プローブ2は、プローブ光生成部1からの共通のプローブ光を受ける。
このような構成により、各電気光学プローブ2の出力光に基づく電気信号の、プローブ光に由来する揺らぎを共通にすることができるため、たとえば、検出部4において当該揺らぎを容易に除去することが可能となる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置は、複数の電気光学プローブ2を備える。光波長フィルタ18または偏光素子は、電気光学プローブ2に対応して複数設けられ、対応の電気光学プローブ2から出力された光を受ける。受光素子19は、光波長フィルタ18または偏光素子に対応して複数設けられ、対応の光波長フィルタ18または偏光素子を通過した光を電気信号に変換する。そして、検出部4は、各受光素子19によって変換された電気信号の位相差を検出する。
より詳細には、電気光学プローブ2A,2Bは、電界を測定するために空間に配置される。発振器71は、参照信号を生成する。ミキサ72は、電気光学プローブ2Aから出力される光に基づく電気信号に参照信号を乗じる。ミキサ74は、ミキサ72から出力される電気信号に基づく信号に、電気光学プローブ2Bから出力される光に基づく電気信号を乗じる。そして、同期検波器75は、ミキサ74から出力された電気信号から、参照信号に同期する信号成分を抽出する。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定方法では、まず、電界を測定するために空間に電気光学プローブ2A,2Bを配置する。次に、電気光学プローブ2Aから出力される光に基づく電気信号に、発振器71により生成された参照信号を乗じる。次に、乗じて得られた電気信号に、電気光学プローブ2Bから出力される光に基づく電気信号を乗じる。そして、乗じて得られた電気信号から、発振器71により生成された参照信号に同期する信号成分を抽出する。
このように、被測定空間に配置された2本のプローブを用いることにより、異なる地点に複数の電気光学プローブを配置し、被測定電界とプローブ光との相対的な周波数揺らぎをキャンセルして、各電気光学プローブが配置された地点間の被測定電界の相対位相差を測定することができる。これにより、被測定空間における電界の周波数が変動する場合であっても、被測定系と測定系とを同期させることなく、安定かつ精密に放射電界の振幅および位相の空間分布を測定することができる。
たとえば、FM−CW方式等、広帯域にわたり周波数が変動する信号であっても、被測定系と測定系とを同期させることなく、高精度に電界の振幅および位相の空間分布を可視化することができる。また、たとえば、実車に搭載されたレーダ装置から放射される電界の車両近傍における振幅および位相の空間分布をより忠実に計測することが可能となる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定方法では、電気光学プローブ2Bを固定して電気光学プローブ2Aを移動させたが、これに限定するものではない。電気光学プローブ2A,2Bの相対位置を固定して、電気光学プローブ2A,2Bを一体的に移動させて被測定電界の空間分布を得てもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置では、2本の電気光学プローブ2およびこれらに対応する構成が設けられたが、これに限定するものではない。電磁波測定装置102は、3本以上の電気光学プローブ2およびこれらに対応する構成が設けられてもよい。3本の電気光学プローブ2を用いる構成により、被測定電界の2次元分布を得ることができ、また、4本の電気光学プローブ2を用いる構成により、被測定電界の3次元分布を得ることができる。
この場合、たとえば、光波長フィルタ18または偏光素子は、電気光学プローブ2に対応して複数設けられ、対応の電気光学プローブ2から出力された光を受ける。また、受光素子19は、光波長フィルタ18または偏光素子に対応して複数設けられ、対応の光波長フィルタ18または偏光素子を通過した光を電気信号に変換する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電磁波測定装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置における検出部4は、前述のように、被検出電磁波36の周波数、その一例として周波数揺らぎを計測する構成であってもよい。具体的には、検出部4は、たとえば、スペクトラムアナライザ、オシロスコープ、周波数カウンタまたはパーソナルコンピュータであってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置および本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置は、被検出電磁波36を計測する検出部4を備える構成であるとしたが、これに限定するものではなく、検出部4を備えず、外付けの検出部4が用いられる構成であってもよい。すなわち、受光素子19の出力する電気信号が、電磁波測定装置101、電磁波測定装置101の変形例および電磁波測定装置102による被検出電磁波36の計測結果を示している。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置および本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置は、被検出電磁波36が電気光学プローブ2に与えられる構成であればよく、たとえば、被検出電磁波36が電気光学プローブ2に放射される構成であってもよいし、電磁波が発生する空間に電気光学プローブ2を配置することにより、被検出電磁波36が電気光学プローブ2に与えられる構成であってもよい。
また、電気光学プローブ2として、特許文献2に記載の電気光学プローブを用いてもよい。たとえば、電磁波測定装置101、電磁波測定装置101の変形例および電磁波測定装置102は、電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバを備え、電気光学結晶に入射される当該光ファイバからの光の偏波方向が電気光学結晶の固有軸の方向に沿うように設けられる構成であってもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 プローブ光生成部
2,2A,2B 電気光学プローブ
3 周波数変換部
4 検出部
36 被検出電磁波
101,102 電磁波測定装置
12 発振器
13 制御部
14,15 光位相変調器
16 シフタ
17,17A,17B サーキュレータ
18,18A,18B 光波長フィルタ
19,19A,19B 受光素子(PD)
10,21,22 発光素子
23 光合波器
24 制御部
71 発振器
72,74 ミキサ
73 フィルタ
75 同期検波器

Claims (9)

  1. 周波数が変動する被検出電磁波を測定する電磁波測定装置であって、
    互いに異なる波長の2つの光である2波長の光をプローブ光として生成するプローブ光生成部と、
    電気光学結晶を含み、前記プローブ光生成部によって生成された前記プローブ光、および前記被検出電磁波を受ける電気光学プローブとを備え、
    前記プローブ光生成部は、既知であるかまたは前記電磁波測定装置において推定された、前記被検出電磁波の周波数の変動幅に従って、前記電気光学プローブが前記被検出電磁波を受けているときに前記2波長の光の少なくともいずれか一方の周波数を変動させることにより前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、
    前記プローブ光生成部は、前記変動動作において、前記プローブ光の周波数差と前記被検出電磁波の周波数との差の変動幅が前記被検出電磁波の周波数の変動幅よりも小さくなるように前記プローブ光の周波数差を変動させる、電磁波測定装置。
  2. 前記プローブ光生成部は、前記変動動作において、前記プローブ光の周波数差が前記被検出電磁波の周波数変動に追随するように前記周波数差を変動させる、請求項に記載の電磁波測定装置。
  3. 前記電磁波測定装置は、さらに、
    前記電気光学プローブから出力された光に基づく光を電気信号に変換する受光素子を備え、
    前記プローブ光生成部は、前記変動動作において、前記受光素子によって変換された前記電気信号の周波数に基づいて、前記周波数差の変動を調整する、請求項1または請求項2に記載の電磁波測定装置。
  4. 前記電磁波測定装置は、さらに、
    前記電気光学プローブから出力された光を受ける偏光素子と、
    前記偏光素子を通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電磁波測定装置。
  5. 前記電磁波測定装置は、複数の前記電気光学プローブを備え、
    各前記電気光学プローブは、前記プローブ光生成部からの共通の前記プローブ光を受ける、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電磁波測定装置。
  6. 前記電磁波測定装置は、複数の前記電気光学プローブを備え、さらに、
    前記電気光学プローブに対応して設けられ、対応の前記電気光学プローブから出力された光を受ける複数の光波長フィルタまたは複数の偏光素子と、
    前記光波長フィルタまたは前記偏光素子に対応して設けられ、対応の前記光波長フィルタまたは前記偏光素子を通過した光を電気信号に変換する複数の受光素子と、
    各前記受光素子によって変換された前記電気信号の位相差を検出する検出部とを備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電磁波測定装置。
  7. 周波数が変動する被検出電磁波を測定する電磁波測定装置における電磁波測定方法であって、
    互いに異なる波長の2つの光である2波長の光をプローブ光をとして生成するステップと、
    電気光学結晶を含む電気光学プローブに、生成した前記プローブ光を与えるとともに、前記被検出電磁波を与えるステップとを含み、
    前記プローブ光を生成するステップにおいて、既知であるかまたは前記電磁波測定装置において推定された、前記被検出電磁波の周波数の変動幅に従って、前記被検出電磁波を与えるステップにおいて前記電気光学プローブに前記被検出電磁波を与えているときに前記2波長の光の少なくともいずれか一方の周波数を変動させることにより前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、
    前記プローブ光を生成するステップにおいて、前記変動動作において、前記プローブ光の周波数差と前記被検出電磁波の周波数との差の変動幅が前記被検出電磁波の周波数の変動幅よりも小さくなるように前記プローブ光の周波数差を変動させる、電磁波測定方法。
  8. 周波数が変動する被検出電磁波を測定する電磁波測定装置であって、
    互いに異なる波長の2つの光である2波長の光をプローブ光として生成するプローブ光生成部と、
    電気光学結晶を含み、前記プローブ光生成部によって生成された前記プローブ光、および前記被検出電磁波を受ける電気光学プローブとを備え、
    前記プローブ光生成部は、既知であるかまたは前記電磁波測定装置において推定された、前記被検出電磁波の周波数の変動幅に従って、前記電気光学プローブが前記被検出電磁波を受けているときに前記2波長の光の少なくともいずれか一方の周波数を変動させることにより前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、
    前記電磁波測定装置は、さらに、
    前記電気光学プローブから出力された光を受ける光波長フィルタと、
    前記光波長フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、
    前記光波長フィルタの通過帯域は、前記プローブ光のいずれか一方の光の周波数を含まない、電磁波測定装置。
  9. 周波数が変動する被検出電磁波を測定する電磁波測定装置における電磁波測定方法であって、
    互いに異なる波長の2つの光である2波長の光をプローブ光をとして生成するステップと、
    電気光学結晶を含む電気光学プローブに、生成した前記プローブ光を与えるとともに、前記被検出電磁波を与えるステップとを含み、
    前記プローブ光を生成するステップにおいて、既知であるかまたは前記電磁波測定装置において推定された、前記被検出電磁波の周波数の変動幅に従って、前記被検出電磁波を与えるステップにおいて前記電気光学プローブに前記被検出電磁波を与えているときに前記2波長の光の少なくともいずれか一方の周波数を変動させることにより前記プローブ光の周波数差を変動させる変動動作を行い、
    前記電磁波測定装置は、前記電気光学プローブから出力された光を受ける光波長フィルタと、前記光波長フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、前記光波長フィルタの通過帯域は、前記プローブ光のいずれか一方の光の周波数を含まない、電磁波測定方法。
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