JP6935175B2 - 膜、光デバイス、電子デバイス、光電変換装置、および膜の製造方法 - Google Patents

膜、光デバイス、電子デバイス、光電変換装置、および膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は膜、光デバイス、電子デバイス、光電変換装置、および膜の製造方法に関する。
近年、光電変換装置等に用いる新規の材料の開発が進められている。このような材料には、安定であることや毒性が低いことが必要とされる。
非特許文献1には、AgBiIおよびAgBiIの結晶構造について記載されている。また、非引用文献2には、AgBiIを含む相図が示されており、AgBiIが黒色であり、AgBiBrが黄色であることが記載されている。
Thorsten Oldag 外4名、「AgBiI4およびAg3BiI6のソルボサーマル合成および結晶構造決定(Solvothermale Synthese und Bestimmung der Kristallstrukturen von AgBiI4 und Ag3BiI6)」、Zeitschrift fur(uはウー・ウムラウト) anorganische und allgemeine Chemie、(ドイツ)、2005年2月21日、第631巻、p.677−682 К. Дзеранова、「ビスマス(III)ハロゲン化物および金属(I,II)ハロゲン化物の二成分系および三成分系の物理化学分析("Физико-химический анализ двойных и тройных систем из галогенидов висмута (III) и галогенидов металлов (I, II)",)」、博士論文、(ロシア)、2004年、p.67−69
一方、新規な材料をデバイス等に用いるためには、その材料を膜とする必要があった。また、非特許文献1および非引用文献2には、AgBiIおよびAgBiI等の特性や機能については十分調べられていなかった。
本発明は、毒性が低く、電気的、光学的に利用できる膜を提供する。
本発明によれば、
一般式Aで表される組成を有する結晶を含み、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立ち、
前記結晶は、
Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する膜
が提供される。
本発明によれば、
上記の膜を含む光デバイス
が提供される。
本発明によれば、
上記の膜を含む電子デバイス
が提供される。
本発明によれば、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に位置する光電変換層とを備え、
前記光電変換層は、上記の膜を含む光電変換装置
が提供される。
本発明によれば、
結晶を含む膜の製造方法であって、
それぞれ一以上の元素又は元素群であるA、B、およびXと、溶媒とを含む前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜を第1温度で乾燥させる工程と、
前記第1温度よりも高い第2温度で前記前駆体膜を加熱処理する工程とを含み、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
前記結晶は一般式Aで表される組成を有し、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立ち、
前記結晶は、
Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する、膜の製造方法
が提供される。
本発明によれば、
一般式Aで表される組成を有する結晶を含み、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2かつn/m≧0.8が成り立つ膜
が提供される。
本発明によれば、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に位置する光電変換層とを備え、
前記光電変換層は、上記の膜を有する光電変換装置
が提供される。
本発明によれば、
結晶を含む膜の製造方法であって、
それぞれ一以上の元素又は元素群であるA、B、およびXと、溶媒とを含む前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜を第1温度で乾燥させる工程と、
前記第1温度よりも高い第2温度で前記前駆体膜を加熱処理する工程とを含み、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
前記結晶は一般式Aで表される組成を有し、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2かつn/m≧0.8が成り立つ膜の製造方法
が提供される。
本発明によれば、毒性が低く、電気的、光学的に利用できる膜を提供できる。
第1の実施形態に係る膜に含まれる結晶CLの構造を例示する図である。 八面体単位の構造を示す図である。 板状単位の積層構造を示す図である。 (a)は、紫外可視(UV−Vis)分光法でAgBiI膜を測定して得たUV−VisスペクトルのTaucプロットを示す図であり、(b)は、紫外可視(UV−Vis)分光法でInBiI膜を測定して得たUV−VisスペクトルのTaucプロットを示す図である。 AgBiI膜のフォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 AgBiI膜のフォトルミネッセンスの減衰プロファイルを示す図である。 第2の実施形態に係る光電変換装置の構造を例示する断面図である。 AgBiI膜を備える光電変換装置の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 m−TiO、AgBiI、およびPTAAのエネルギー準位の関係を示す図である。 (a)〜(d)は、AgBiI膜を光電変換層として備えた光電変換装置の特性の分布を示す図である。 電子デバイスの構成を例示する断面図である。 (a)は、実施例1の光電変換層を分析したX線回折パターンを示す図であり、(b)は、AgBiIについて報告されているX線回折パターンである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る膜に含まれる結晶CLの構造を例示する図である。本実施形態に係る膜は、一般式Aで表される組成を有する結晶CLを含む。Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数である。Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数である。Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数である。ここで、(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立つ。以下に詳しく説明する。
結晶CLは、Xに含まれる元素または元素群の第1イオン140を含む。そして、結晶CLはたとえば、それぞれ六つの第1イオン140からなる複数の八面体単位120が稜上の二つの第1イオン140を互いに共有して連なった構造を有する。
なお、以下において、上記した一般式Aで表される組成を有する結晶を、結晶CLと呼ぶ。また、本実施形態に係る結晶CLを含む膜を、膜FLと呼ぶ。
本実施形態に係る膜FLは、結晶性の膜であり、たとえば多結晶膜である。また、本実施形態に係る膜FLは、非晶質(アモルファス)相を含んでも良い。
一般式Aにおいて、(n,m)は(1,1),(3,1),(1,3),(2,1),(7,1),(9,1),(5,1),(1,2),(5,3)等であり得る。ただし、nおよびmについては結晶CLに含まれる欠陥や異相等に起因する誤差が許容される。すなわち、(n,m)を(1,1),(3,1),(1,3),(2,1),(7,1),(9,1),(5,1),(1,2)および(5,3)のいずれかとしたとき、一般式Aにおいて、n/m×0.8≦n/m≦n/m×1.2であることが好ましく、n/m×0.9≦n/m≦n/m×1.1であることがより好ましい。たとえば、0.8≦n/m≦1.2が成り立つ場合は、(n,m)がおよそ(1,1)である場合に相当する。また、2.4≦n/m≦3.6が成り立つ場合は、(n,m)がおよそ(3,1)である場合に相当する。一般式Aにおいてはn/m≧0.8が成り立つことが好ましく、n/m≧0.9が成り立つことがより好ましい。
結晶CLの結晶構造の例について以下に説明する。ただし、結晶CLは以下に説明する結晶構造に限定されない。また、本実施形態に係る膜FLは、結晶CLのみならず、他の結晶構造を有する結晶を一部に含んでいても良い。そして、結晶CLには、不純物や欠陥等が含まれていてもよい。結晶CLの組成及び構造は、X線回折法等を用いて確認することができる。
結晶CLは、Xに含まれる元素または元素群の第1イオンと、Aに含まれる元素または元素群の第2イオンと、Bに含まれる元素の第3イオンとを含む。すなわち結晶CLはイオン結晶である。なお、そして、Xに含まれる元素とは、F、Cl、Br、およびIのそれぞれを示し、Xに含まれる元素群とは、CN、およびSCNのそれぞれを示している。また、Aに含まれる元素とは、Ag、Cu、In、Na、およびKのそれぞれを示し、Aに含まれる元素群とは、NHを示している。そして、Bに含まれる元素とは、Bi、Sb、およびLaのそれぞれを示している。第1イオンは一価のアニオンであり、第2イオンは一価のカチオンであり、第3イオンは三価のカチオンである。
したがって、一般式Aにおいて、理論的にはn+3m=zが成り立つときに電気的中性が得られる。ただし、不純物や欠陥等の含有による組成のズレが生じ得る。すなわち一般式Aにおいては、(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立ち、(n+3m)×0.9≦z≦(n+3m)×1.1が成り立つことがより好ましい。
図2は、八面体単位120の構造を示す図である。本図では、中心にカチオン142が位置する例を示している。カチオン142は第2イオンまたは第3イオンである。八面体単位120において、六つの第1イオン140は、正八面体の頂点に位置する。なお、一つの八面体単位120に含まれる第1イオン140は、同時に他の八面体単位120に含まれていてもよい。
図3は、板状単位の積層構造を示す図である。結晶CLは、複数の八面体単位120を含む。上記した通り、複数の八面体単位120は稜上の二つの第1イオン140を互いに共有して連なった構造を有する。本構造において、八面体単位120は、隣接する他の八面体単位120と結合している。詳しくは、一の八面体単位120bは、隣接する他の八面体単位aと稜上の二つの第1イオン140を共有する。すなわち、八面体単位120aの第1の稜と、八面体単位120bの第1の稜とは一致している。ここで、八面体単位120aと八面体単位120bとは、三つ以上の第1イオン140を共有していない。すなわち、八面体単位120aと八面体単位120bとは、いずれの面も一致しない。ただし、結晶CLには、欠陥等に起因して、互いに一つの頂点のみを共有する複数の八面体単位120や、互いに面を共有する複数の八面体単位120が一部に含まれていても良い。
また、八面体単位120bは、隣接する他の八面体単位120cと稜上の二つの第1イオン140を共有する。八面体単位120cは八面体単位120aとは別の八面体単位120であるが、八面体単位120bと八面体単位120cもまた隣接している。そして、八面体単位120cの第1の稜と、八面体単位120bの第2の稜とが一致している。八面体単位120bの第2の稜は、八面体単位120bの第1の稜とは異なる稜である。また、八面体単位120cと八面体単位120bとは、三つ以上の第1イオン140を共有していない。このように、八面体単位120は、隣接する複数の八面体単位120と、それぞれ稜上の二つの第1イオン140のみを共有しながら結合し、連なっている。一つの八面体単位120は、最大で12個の他の八面体単位120と結合することができる。
結晶CLは、複数の八面体単位120が、上記したように稜上の二つの第1イオン140を互いに共有して連なった板状単位100を含む。詳しくは、結晶CLは、複数の板状単位100が積層した構造を含む。各板状単位100において、一つの八面体単位120は、面内で隣接する六つの八面体単位120とそれぞれ稜上の二つの第1イオン140を共有して結合している。ただし、板状単位100の端に位置する八面体単位120は、五つ以下の八面体単位120とのみ結合していてもよい。
板状単位100に含まれる複数の八面体単位120は、それぞれ、八面体を構成する八つの面のうちの一つの面が板状単位100の第1面に一致する。そして、八つの面のうち、その一つの面と平行な他の面が、板状単位100の第2面に一致する。すなわち、板状単位100の厚さは、八面体単位120の平行な二面間の距離に相当する。また、板状単位100を構成する複数の八面体単位120は、互いに同じ向きで並んでいる。
結晶CLは、中心にイオンが存在しない第1の八面体単位120と、Aに含まれる元素または元素群の第2イオンが中心に位置する第2の八面体単位120と、Bに含まれる元素の第3イオンが中心に位置する第3の八面体単位120とを含む。各板状単位100は、たとえば第1の八面体単位120、第2の八面体単位120、および第3の八面体単位120のうちいずれかのみが複数連結された構造を有していても良いし、これらのうち二種の八面体単位120が複数連結された構造を有していてもよいし、三種の八面体単位120が複数連結された構造を有していても良い。
図3では、結晶CLが複数種類の板状単位を含む場合を示している。本図の例において具体的には、積層された複数の板状単位100には、第1の板状単位101と第2の板状単位102とが含まれる。そして結晶CLは、第1の板状単位101と、第2の板状単位102とが交互に積層した構造を含む。第1の板状単位101における、第1の八面体単位120の比率をv'、第2の八面体単位120の比率をa'、第3の八面体単位120の比率をb'とする。ここで、v'、a'、およびb'は、それぞれ、第1の板状単位101を構成する八面体単位120の総数に対する比率である。また、第2の板状単位102における、第1の八面体単位120の比率をv''、第2の八面体単位120の比率をa''、第3の八面体単位120の比率をb''とする。ここで、v''、a''、およびb''は、それぞれ、第2の板状単位102を構成する八面体単位120の総数に対する比率である。すなわち、a'+b'+v'=1およびa''+b''+v''=1が成り立つ。また、電荷的中性を満たすことからa'+a''+3(b'+b'')=2が成り立つ。ここで、右辺の2は、第1の板状単位101と第2の板状単位102の中に存在する一価アニオンである第1イオン140の数が八面体単位120と同数であることに由来する。そして、a':b':v'で表される比とa'':b'':v''で表される比とは、互いに異なる。すなわち、a':b':v'=a'':b'':v''が成り立たない。
なお、複数の第1の板状単位101において、第1の八面体単位120、第2の八面体単位120、および第3の八面体単位120の配置は、互いに異なっていてもよい。また、複数の第2の板状単位102において、第1の八面体単位120、第2の八面体単位120、および第3の八面体単位120の配置は、互いに異なっていてもよい。第1の板状単位101と第2の板状単位102の積層順は特に限定されない。
結晶CLのタイプごとの(n,m)、(a',b',v')、(a'',b'',v'')、結晶CLにおけるAの含有率(at%)、および結晶CLにおけるBの含有率(at%)の関係の例を、表1に示す。なお、Aの含有率(at%)およびBの含有率(at%)は、それぞれ、AとBの物質量の総和に対する含有率である。
Figure 0006935175
なお、(n,m)、(a',b',v')、および(a'',b'',v'')は、表1に示す例に限定されない。また、表1に示した(n,m)、(a',b',v')、および(a'',b'',v'')は理論値であり、結晶に含まれる欠陥や異相等に起因する誤差が許容される。そして、(a',b',v')と(a'',b'',v'')とは互いに逆であってもよい。
表1中、タイプ1、2においては、v'およびv''の少なくとも一方が0.1以下である。また、タイプ4においては、a'およびa''の少なくとも一方が0.1以下である。そして、タイプ1,2,3、および5においては、b'およびb''の少なくとも一方が0.1以下である。各タイプについて、以下に具体的に説明する。ただし、以下において、a'<a''が成り立つか、a'=a''かつb'<b''が成り立つように第1の板状単位101と第2の板状単位102を決めるものとする。
タイプ1において、2.4≦n/m≦3.6が成り立つ。また、b'≦0.1かつv''≦0.1が成り立つ。さらに、0.4≦a'/v'≦0.6、かつ1.6≦a''/b''≦2.4が成り立つ。本タイプの場合、一般式Aで表される組成としては、たとえばAgBiI、およびInBiIが挙げられる。
タイプ2において、1.6≦n/m≦2.4が成り立つ。また、b'≦0.1かつv''≦0.1が成り立つ。さらに、0.2≦a'/v'≦0.3、かつ1.2≦a''/b''≦1.8が成り立つ。本タイプの場合、一般式Aで表される組成としては、たとえばAgBiIおよびCuBiIが挙げられる。
タイプ3において、1.2≦n/m≦1.8が成り立つ。また、b'≦0.1が成り立つ。さらに、0.4≦a'/v'≦0.6、かつ0.6≦a''/b''≦0.9、かつ1.6≦b''/v''≦2.4が成り立つ。
タイプ4において、0.8≦n/m≦1.2が成り立つ。また、a'≦0.1が成り立つ。さらに、0.3≦b'/v'≦0.4、かつ1.6≦a''/b''≦2.4、かつ0.8≦b''/v''≦1.2が成り立つ。本タイプの場合、一般式Aで表される組成としては、たとえばAgBiIおよびCuBiIが挙げられる。
タイプ5において、0.4≦n/m≦0.6が成り立つ。また、b'≦0.1が成り立つ。さらに、0.1≦a'/v'≦0.2、かつ0.2≦a''/b''≦0.3、かつ1.6≦b''/v''≦2.4が成り立つ。本タイプの場合、一般式Aで表される組成としては、たとえばAgBiが挙げられる。
膜FLをX線回折で測定したときに得られる回折ピークについて、具体例を挙げる。まず、第1例として、AがAgであり、BがBiであり、XがIであり、2.4≦n/m≦3.6であるとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れることが好ましい。
第2例として、AがCuであり、BがBiであり、XがIであり、0.8≦n/m≦1.2であるとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れることが好ましい。
膜FLのX線回折測定には、たとえばX線回折装置(リガク社製、RIGAKU Rad B−system)を用いることができ、測定条件は以下の通りとすることができる。
(測定条件)
X線源:Cu Kα
X線波長:1.5405Å、1.5443Å
読取幅:0.02°
走査速度:5deg/min
測定範囲:2θ=10〜70°
測定温度:室温
結晶CLを含む膜FLの製造方法の例を以下に説明する。本製造方法は、前駆体膜を形成する工程、乾燥させる工程、および加熱処理する工程を含む。前駆体膜を形成する工程では、それぞれ一以上の元素又は元素群であるA、B、およびXと、溶媒とを含む前駆体膜を形成する。乾燥させる工程では、前駆体膜を第1温度で乾燥させる。そして、加熱処理する工程では、第1温度よりも高い第2温度で前駆体膜を加熱処理する。上記した通り、Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数である。Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数である。そして、Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数である。本方法で得られる膜FLに含まれる結晶CLは一般式Aで表される組成を有し、(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立つ。以下に詳しく説明する。
本方法で得られる膜の結晶CLは、たとえば上記した通り、Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、それぞれ六つの第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する。
本方法において、前駆体膜を形成する工程と乾燥させる工程とはこの順に行われてもよいし、前駆体膜を形成する工程と乾燥させる工程の少なくとも一部とは同時に行われてもよい。加熱処理する工程は、乾燥させる工程の後に行われる。
前駆体膜を形成する工程では、たとえばAと、Bと、Xと、溶媒とを含む溶液を基材上に塗布する。溶液を基材上に塗布する方法としては、たとえばスピンコート法、インクジェット法、スプレーコート法等のウェット法が挙げられる。この場合、前駆体膜を形成する工程と乾燥させる工程の少なくとも一部とが同時に行われてもよい。すなわち、前駆体膜を形成する工程の途中で、一部の溶媒が揮発してもよい。これらの方法を用いる場合、具体的にはA、B、およびXの少なくともいずれかを含む材料を溶媒に溶解または分散させ溶液を調製する。そして、溶液を基材に塗布する。A、B、およびXの少なくともいずれかを含む材料は、たとえばAXやBXの一般式で表される化合物である。溶液は、複数の材料を溶媒に溶解または分散させて得ることができる。
溶液は材料が十分溶けるよう加熱されていても良い。また、溶液を基材上に塗布する前には、基材を温めておいてもよい。そうすることで、基板上に濡れ広がる前に溶液内に析出物が生じるのを防ぐことができる。また、基材上への溶液の塗布は、基材を第2温度よりも低い温度で加熱しながら行っても良い。そうすることで、溶媒の揮発を促進することができる。
溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン(GBL)、1−N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの第一の溶剤から選択される一以上であることが好ましい。また、溶剤には、前駆体の溶解性を向上させるとともに、その結晶化を抑制し、均一で平坦な表面の結晶薄膜を得る目的で沃化水素、1,8−ジヨードオクタン等の添加剤を導入することができる。
また、均一で平坦で大きな結晶粒径の結晶薄膜を得るために、第一の溶剤の溶液を用いて前駆体膜を形成する工程または乾燥させる工程を行っている中に、第一の溶剤を第二の溶剤で置換する処理をしてもよい。第一の溶剤を第二の溶剤で置換する処理は、たとえば、結晶CLに対して貧溶媒である第二の溶剤を未乾燥薄膜上に滴下する方法、または未乾燥薄膜を第二の溶剤に浸漬させるなどの方法で行える。第二の溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール、メトキシプロピレン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジプロプレンエーテルなどのエーテル類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族溶媒、テトラヒドロフラン等の複素環式芳香族溶媒等が挙げられる。
また、沃化水素、1,8−ジヨードオクタン等の結晶CLの溶解性を向上させる添加剤を第二の溶剤に添加させることで、第一の溶剤として用いることも可能である。
前駆体膜を形成する工程では、前駆体膜に含まれるAの物質量をp、Bの物質量をq、Xの物質量をrとしたとき、(p+3q)×0.8≦r≦(p+3q)×1.2が成り立つように前駆体膜を形成することが好ましく、(p+3q)×0.9≦r≦(p+3q)×1.1が成り立つように前駆体膜を形成することがより好ましい。そうすることにより効率よく結晶CLを含む膜FLが得られる。前駆体膜に含まれるA、B、およびXの物質量の関係は、たとえば上記した溶液を調製する際の材料の仕込み比に応じて調整することができる。
上記した通り、乾燥させる工程は第1温度で行われる。第1温度はたとえば室温であり、具体的には15℃以上30℃である。乾燥させる工程を加熱しながら行う場合、第1温度はたとえば50℃以上100℃未満である。乾燥させる工程に要する時間は特に限定されないが、たとえば1分以上60分以下の時間、前駆体膜を形成した基板を静置することで行える。乾燥させる工程では、前駆体膜における溶媒の含有量が50重量%以下になるまで乾燥させることが好ましく、45重量%以下になるまで乾燥させることがより好ましい。
乾燥させる工程の後に、前駆体膜を加熱処理する工程が行われて膜FLが得られる。上記した通り、加熱処理する工程は第2温度で行われる。第2温度は第1温度よりも高ければ特に限定されないが、たとえば100℃以上200℃未満である。なお、乾燥させる工程は一定の温度で行われる必要はなく、すなわち第1温度には幅があっても良い。その場合、乾燥させる工程の最高温度を第2温度より低くする。また、加熱処理は複数の温度で多段階に行っても良い。前駆体膜を加熱する時間は特に限定されないが、たとえば1分以上60分以下とすることができる。
本実施形態に係る方法では、加熱処理する工程前の前駆体膜の色は、加熱処理する工程後に得られる膜FLの色と異なる。ここで、膜の色が異なるか否かは目で見て確認できる。また、光の吸収スペクトルの最大ピークをとる波長が100nm以上異なる膜も互いに色が異なるといえる。
なお、前駆体膜を形成する工程は、たとえばBおよびAの一方とXとを含む膜をAおよびBの他方とXとを含む溶液に浸漬させることで行われてもよい。BおよびAの一方とXとを含む膜は、たとえば上記したウェット法または蒸着法等で基材に対して形成できる。また、AおよびBの他方とXとを含む溶液には、たとえば上記したのと同様の溶媒を用いることができる。
また、膜FLの製造方法は上記に限定されず、上記したようなAと、Bと、Xと、溶媒とを含む溶液から、溶媒を除去することによって得た前駆体材料を、気化させて基材上に成膜させる蒸着法等によっても形成できる。
図4(a)は、紫外可視(UV−Vis)分光法でAgBiI膜を測定して得たUV−VisスペクトルのTaucプロットを示す図である。また、図4(b)は、紫外可視(UV−Vis)分光法でInBiI膜を測定して得たUV−VisスペクトルのTaucプロットを示す図である。評価したAgBiI膜はAgBiIの組成を有する結晶を含む多結晶膜であり、上記したタイプ1に該当する結晶CLを含む膜である。また、InBiI膜はInBiIの組成を有する結晶を含む多結晶膜であり、上記したタイプ1に該当する結晶CLを含む膜である。
AgBiI膜は、AgIおよびBiIを溶媒に溶かした溶液を基材上に塗布することにより前駆体膜を形成する工程を行い、さらに乾燥させる工程、および加熱処理する工程を行うことにより得た。InBiI膜は、InIおよびBiIを溶媒に溶かした溶液を基材上に塗布することにより前駆体膜を形成する工程を行い、さらに乾燥させる工程、および加熱処理する工程を行うことにより得た。
図4(a)および図4(b)に示す結果から、AgBiIのエネルギーバンドギャップ(Eg)は1.83eVであり、InBiIのエネルギーバンドギャップは1.75eVであることが分かる。すなわち、AgBiI膜およびInBiI膜はいずれも半導体的特性を有することが分かる。
図5は、AgBiI膜のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す図である。本図に示すスペクトルは励起波長を532nmとして得た。本図に示すように、AgBiI膜は蛍光発光を生じる。そして、スペクトルの内、約720nmのピーク波長はバンドギャップエネルギーに相当すると考えられる。
図6は、AgBiI膜のフォトルミネッセンスの減衰プロファイルを示す図である。本図の減衰プロファイルは、励起波長を532nm、発光波長を712nmとして得た。本図に示す結果からAgBiI膜が、減衰時間が異なる二つのモードで発光していることが分かった。二つのモードの減衰時間はそれぞれτ=10.3nsおよびτ=203.8nsであった。このように、AgBiI膜の発光には203.8nsという長い減衰時間のモードが含まれていた。したがって、AgBiI膜を光電変換材料として好適に用いることができると分かる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、鉛等を含まないため毒性が低く、また、電気的、光学的に利用できる膜が得られる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る光電変換装置20の構造を例示する断面図である。光電変換装置20は、第1電極210、第2電極220、および光電変換層230を備える。光電変換層230は、第1電極210および第2電極220の間に位置する。光電変換層230は、第1の実施形態に係る膜FLを有する。すなわち、光電変換層230は、一般式Aで表される組成を有する結晶CLを含む膜FLを有する。ここで、Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数である。Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数である。Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数である。また、(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立つ。以下に詳しく説明する。
結晶CLは、たとえばXに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、複数の八面体単位が稜上の二つの第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する。複数の八面体単位それぞれ六つの第1イオンからなる。
基材200としてはたとえば、ガラス、プラスチック等の透明な部材が挙げられる。なかでも基材200は、フレキシブルな透光性樹脂基板であることがより好ましい。これにより、ロールtoロール方式による装置製造を実現することができる。
フレキシブルな透光性樹脂基板を形成する有機材料としてはたとえばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、およびポリエーテルイミドを挙げることができる。透光性樹脂基板は、これらの有機材料で形成される基板を単層で、あるいは2層以上積層して用いることができる。また、透光性樹脂基板は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。基材200の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
第1電極210は、たとえば透明導電性酸化物である。透明導電性酸化物としては、例えば、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO)、アルミドープ亜鉛酸化物(AZO)、ニオブドープチタン酸化物(TNO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等のうちの1種または2種以上を用いることができる。また、アルミドープ亜鉛酸化物(AZO)とAgとを交互に積層したもの(AZO/Ag/AZO)を用いてもよい。これにより、光電変換層230に光を導入することができ、かつ、光電変換層230から電力を効率よく取り出すことができる。第1電極210はたとえばスパッタリング法により形成できる。また、市販された第1電極210付き基板を基材200および第1電極210として用いても良い。
第1電極210の厚さは、0.01μm以上10.0μm以下が好ましく、0.05μm以上1.0μm以下がより好ましい。そうすることにより、第1電極210の高い光透過率を維持しつつ、シート抵抗を低減できるため、高いフィルファクターを得ることができる。
第2電極220としては、たとえばカーボン、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム、インジウムスズ酸化物、フッ素ドープスズ酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、およびガリウムドープ亜鉛酸化物からなる群から選択される一種以上を用いることができる。また、第2電極220はたとえば金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、およびニオビウムのいずれかを含む合金であってもよい。第2電極220の厚さは、特に制限されないが、0.01μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。第2電極220はたとえば真空蒸着法、スパッタリング法等で形成できる。
光電変換層230は、第1の実施形態で説明した膜FLを含む。光電変換層230は、単層であってもよいし、複数の層からなっていてもよい。光電変換層230の厚さは、10nm以上10000nm以下が好ましく、20nm以上900nm以下がより好ましく、100nm以上800nm以下がさらに好ましい。そうすれば、欠陥や剥離による性能劣化を防止するとともに、高い光電変換効率を得られる。
光電変換装置20は、光電変換層230と第1電極210の間に電子輸送層をさらに備えていてもよい。本図の例において、光電変換装置20は、光電変換層230と第1電極210の間に緻密電子輸送層231をさらに備えている。緻密電子輸送層231は、たとえば酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)、酸化アルミニウム(Al)等の金属酸化物の1種または2種以上を用いることができる。緻密電子輸送層231は透光性を有することが好ましい。緻密電子輸送層231の厚さは特に限定されないが、5nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましく、10nm以上40nm以下がさらにより好ましい。そうすれば、リークを抑制することができる。緻密電子輸送層231は、たとえば原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)を用いて成膜することができる。
本図の例において、光電変換装置20は、緻密電子輸送層231と光電変換層230との間に多孔質電子輸送層232をさらに備えている。多孔質電子輸送層232は、多孔質構造を有している。多孔質構造とは、特に制限されるわけではないが、粒状体、線状体等が集合して、全体として多孔質な性質を有していることが好ましい。ここで、線状体の形状としては針状、チューブ状、柱状等が挙げられる。また、多孔質構造体の細孔サイズはナノスケールであることが好ましい。多孔質電子輸送層232の細孔には光電変換層230を構成するのと同様の物質が入り込んでいてもよい。その場合、多孔質電子輸送層を構成する多孔質電子輸送材料と、光電変換層を構成する光電変換材料との混合層は多孔質電子輸送層と光電変換層とを兼ねる層であるといえる。多孔質電子輸送層232が多孔質構造を有することにより、光電変換層230の活性表面積を増加させ、光電変換効率を向上させるとともに、電子収集効率を向上させることができる。光電変換装置20が上記の混合層を含む場合、混合層を含んだ厚さを光電変換層230の厚さとみなせる。
多孔質電子輸送層232としては、たとえば酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等のうちの1種または2種以上を用いることができる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。多孔質電子輸送層232が酸化チタン(TiO等)である場合には、酸化チタンの結晶形態はアナターゼ型が好ましい。多孔質電子輸送層232は透光性を有することが好ましい。多孔質電子輸送層232の厚さは、10nm以上2000nm以下が好ましく、20nm以上1500nm以下がより好ましい。そうすれば光電変換層230からの電子収集効率を向上させることができる。多孔質電子輸送層232は、たとえばスピンコート法やスクリーン印刷法等の非真空プロセスおよび必要に応じた焼成プロセスにより形成できる。なお、光電変換装置20は、電子輸送層として、緻密電子輸送層231および多孔質電子輸送層232のいずれか一方のみを備えていてもよい。
本図の例において、光電変換装置20は、光電変換層230と第2電極220の間にホール輸送層233をさらに備えている。ホール輸送層233は、セレン、ヨウ化銅(CuI)等のヨウ化物、層状コバルト酸化物等のコバルト錯体、CuSCN、酸化モリブデン(MoO等)、酸化ニッケル(NiO等)、4CuBr・3S(C)、有機ホール輸送材等である。有機ホール輸送材としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体、2,2',7,7'−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9'−スピロビフルオレン(spiro-MeO-TAD)等のフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリフェニルメチル)アミン](PTAA)等のトリフェニルアミン誘導体、ジフェニルアミン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアニリン誘導体等が挙げられる。ホール輸送層233の厚さは特に限定されないが、0.01μm以上10μm以下が好ましい。
ホール輸送層233は、蒸着法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法等の非真空プロセスにより形成することが好ましい。ディップ法は具体的には、ホール輸送層233を形成するための材料の溶液を滴下して表面を均す操作を繰り返すことにより行える。比真空プロセスにおいて、溶媒としてはn−プロピルスルフィドやクロロベンゼン等の有機溶媒を用いることができる。
なお、光電変換装置20の構造は本図で示した構造に限定されない。たとえば、光電変換装置20は、緻密電子輸送層231、多孔質電子輸送層232、およびホール輸送層233のうち少なくともいずれかを備えていなくてもよい。
また、光電変換装置20は、封止材(不図示)で密封されていてもよい。そうすることにより、光電変換装置20の耐久性の向上や高寿命化等が可能となる。封止材としては、ガラスや樹脂が挙げられる。
光電変換装置20は、たとえば以下に説明するような方法で製造できる。まず、基材200の一方の面に第1電極210を形成し、必要に応じてフォトリソグラフィ等によりパターニングする。そして、第1電極210の上に多孔質電子輸送層232、緻密電子輸送層231、光電変換層230、およびホール輸送層233をこの順に形成し、さらに第2電極220を形成する。第2電極220は、マスク等を用いて所定のパターンに形成することができる。
本実施形態に係る光電変換装置20のエネルギー変換効率は特に限定されないが、たとえば、0.1%以上とすることができ、より好ましくは3%以上とすることができる。
光電変換装置20は、光電変換層230から電力を取り出すための回路や制御部等をさらに含んでも良い。
図8は、AgBiI膜を備える光電変換装置の断面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。本図に示す光電変換装置では、ガラス基材の上に、FTO、多孔質TiO(m−TiO)、AgBiI、PTAA、およびAuが積層されている。AgBiI膜は第1の実施形態で説明したAgBiI膜と同様の方法で形成した。本図から、AgBiIが膜状に形成されていること、およびAgBiI膜が多結晶膜であることが分かる。
図9は、m−TiO、AgBiI、およびPTAAのエネルギー準位の関係を示す図である。AgBiI膜を別途UPSで評価した結果からAgBiIの価電子帯の上端のエネルギーレベルは−1.25eVである。また、図4に示した結果からAgBiIのバンドギャップは1.83eVであるから、AgBiIの導電帯の下端のエネルギーレベルは0.58eVである。一方、m−TiOの導電帯の下端のエネルギーレベルは0.5eVであり、PTAAのHOMO(最高被占軌道)のエネルギーレベルは−0.55eVである。したがって、AgBiIで光励起によって生じた電子はm−TiO側へ、ホールはPTAA側へ取り出され、すなわち、AgBiI膜が光電変換層、m−TiOが電子輸送層、PTAAがホール輸送層として良好に機能する。
図10(a)〜(d)は、AgBiI膜を光電変換層として備えた光電変換装置の特性の分布を示す図である。図10(a)〜(d)はそれぞれ、図9に示す様な光電変換装置を複数作製、評価して得た結果を表したヒストグラムである。具体的には、図10(a)は短絡電流密度Jsc[mA/cm]、図10(b)は開放電圧Voc[V]、図10(c)はフィルファクター(FF)、図10(d)はエネルギー変換効率PCE[%]の分布をそれぞれ示している。本図から、AgBiI膜を光電変換層として備えた光電変換装置において、良好な光電変換特性が得られることが分かる。
膜FLは、種々の光デバイスや電子デバイスに用いることができる。膜FLを含む光デバイスとしては、光電変換装置のほか、波長変換素子、光センサ、発光素子等が挙げられる。また、膜FLを含む電子デバイスとしては、たとえば電界効果トランジスタ等のフィールドトランジスタが挙げられる。膜FLには不純物がドーピングされていても良い。
図11は、電子デバイス30の構成を例示する断面図である。本図では、フィールドトランジスタの例を示している。電子デバイス30は、基材300、チャネル層310、ソース320、ドレイン330、絶縁層340およびゲート350を備える。チャネル層310は膜FLを含んでいる。基材300はたとえば金属や、シリコン等の半導体基板である。絶縁層340は酸化シリコン等である。ゲート350は、金属電極である。
チャネル層310は基材300の上に形成される、そして、チャネル層310の上には絶縁層340がスパッタリング法等によりパターニングして形成される。また、チャネル層310にはたとえばスパッタリング法を用いて不純物ドーピングが行われることにより、ソース320およびドレイン330が形成される。そして、絶縁層340の上にゲート350がマスクを用いた真空蒸着法等により形成され、電子デバイス30が得られる。
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(光電変換装置の作製)
<実施例1>
実施例1では、以下のようにして2cm角のglass(1.7mm)の上に、FTO(1μm)、TiO(20nm)、m−TiOとAgBiIとの混合層(120nm)、AgBiI(650nm)、PTAA(50nm)、
Au(50nm)がこの順で形成されたセル構造を有する太陽電池素子(光電変換装置)を大気下にて作製した。
具体的にはまず、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)膜付きガラス基板(旭硝子株式会社製)の表面を、10分間UVオゾン処理した。ここで、glassは実施形態で説明した基材に相当し、FTOは第1電極に相当する。
次いで、原料としてチタニウムテトライソプロポキシド(TTIP)(ジャパン・アドバンスト・ケミカルズ社製)を用い、プラズマALD法により成膜反応を120℃で330サイクル繰り返してTiOからなる緻密電子輸送層(膜厚20nm)を成膜した。プラズマALD法はプラズマ発生装置(For all社製 Model OZONE)を用い、出力80Wの条件で行った。
続いて、得られた緻密電子輸送層の表面に10分間UVオゾン処理を施した後、TiOナノ粒子溶液(日揮触媒化成(株)社製 18NRT)3gにα−テルピノール3gとエタノール9gを加えた溶液Aをスピンコート法により塗布した。スピンコート法は5000rpm、30秒間の条件で、乾燥膜厚が120nmになるように行った。溶液Aの塗布の後、500℃で2時間の条件で焼成し、メソポーラスTiO(m−TiO)(多孔質電子輸送層に相当)を形成した。
そして、m−TiOが形成された基板を110℃に温め、室温のスピンコータに取り付けた。次いで、AgIおよびBiIを溶媒に溶かした溶液B1(0.5mL)を多孔質電子輸送層の上に、スピンコート法(6000rpm、120秒間)で塗布した。溶液B1におけるAgIの濃度は3モル濃度とし、BiIの濃度は1モル濃度とした。すなわち、得られる前駆体膜に含まれるAgの物質量をp、Biの物質量をq、Iの物質量をrとしたとき、r=p+3qが成り立つようにした。また、溶液B1における溶媒としてはジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。
スピンコートの過程では、基板に溶液B1を塗布し回転させて溶液B1を基板上に広げる段階で、基板の温度は室温程度にまで低下した。その後、引き続き基板が回転する間に溶媒が揮発し前駆体膜が形成された。さらに基板の回転が続けられると溶媒の蒸発が進んだ。こうして、前駆体膜を形成する工程と乾燥させる工程とが行われた。すなわち、本実施例において、乾燥させる工程は室温で行われた。
得られた前駆体膜は、オレンジ色であった。乾燥させる工程では、AgI、BiIおよびDMSOが相互作用したと思われる。なお、乾燥させる工程では、前駆体膜における溶媒の含有量が45重量%以下になるまで乾燥させた。前駆体膜が形成された基板を、ホットプレートを用いて、110℃10分間の条件で加熱処理したところ、試料の色が黒色へ変色した。そしてさらに、130℃10分間の条件で加熱処理を行い光電変換層を得た。なお、多孔質電子輸送層の細孔には光電変換層を構成する物質と同様の物質が入り込み、混合層を形成していた。そして、多孔質電子輸送層と光電変換層を兼ねた混合層の厚さは120nmであり、光電変換層のうち多孔質電子輸送層の上面からの膜厚は650nmであった。すなわち、光電変換層の膜厚は合計で770nmであった。
次いで、正孔輸送材料として30mgのポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリフェニルメチル)アミン](PTAA)をクロロベンゼン(2mL)に溶解した正孔輸送層用溶液を調製した。この正孔輸送層用溶液を、光電変換層の上にスピンコート法(2000rpm、20秒間)により塗布して、ホール輸送層(膜厚50nm)を成膜した。
次いで、正孔輸送層の上に、Auを蒸着法により成膜して第2電極(膜厚50nm)を形成し、光電変換装置を得た。
なお、成膜した各層の膜厚は光電変換装置の断面を電子顕微鏡で観察することにより測定した。
<実施例2>
実施例2では、溶液B1の代わりに、CuIおよびBiIを溶媒に溶かした溶液B2を用いた点以外は、実施例1と同様にして2cm角のglass(1.7mm)の上に、FTO(1μm)、TiO(20nm)、m−TiOとCuBiIとの混合層(120nm)、CuBiI(650nm)、PTAA(50nm)、Au(50nm)がこの順で形成されたセル構造を有する光電変換装置を大気下にて作製した。
溶液B2におけるCuIの濃度は1モル濃度とし、BiIの濃度は1モル濃度とした。すなわち、得られる前駆体膜に含まれるCuの物質量をp、Biの物質量をq、Iの物質量をrとしたとき、r=p+3qが成り立つようにした。また、溶液B2における溶媒としてはDMSOを用いた。本実施例においても、実施例1と同様、加熱処理による試料の色の変化が見られた。
<比較例1>
比較例1では、以下に説明する点以外は、実施例1と同様にして2cm角のglass(1.7mm)の上に、FTO(1μm)、TiO(20nm)、m−TiOとMaPbIとの混合層(120nm)、MaPbI(650nm)、PTAA(50nm)、Au(50nm)がこの順で形成されたセル構造を有する光電変換装置を大気下にて作製した。すなわち、比較例1では、溶液B1の代わりに、MaIおよびPbIを溶媒に溶かした溶液B3を用いた。また、溶液B3をスピンコートする前の基板を70℃に温め、加熱処理は70℃10分間、さらに80℃10分間の条件で行った。なお、MaはCHNHを示す。
溶液B3におけるMaIの濃度は2モル濃度とし、PbIの濃度は1モル濃度とした。また、溶液B3における溶媒としてはDMSOを用いた。
<比較例2>
比較例2では、溶液B3の代わりに、MaIおよびSnIを溶媒に溶かした溶液B4を用いた点以外は、比較例1と同様にして2cm角のglass(1.7mm)の上に、FTO(1μm)、TiO(20nm)、m−TiOとMaSnIとの混合層(120nm)、MaSnI(650nm)、PTAA(50nm)、Au(50nm)がこの順で形成されたセル構造を有する光電変換装置を大気下にて作製した。
溶液B4におけるMaIの濃度は1モル濃度とし、SnIの濃度は1モル濃度とした。また、溶液B4における溶媒としてはDMSOを用いた。
各実施例および比較例の光電変換装置および光電変換層ついて以下の通り評価を行った。評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006935175
(結晶組成および結晶構造の評価)
光電変換層に含まれる結晶の組成および構造を評価した。評価は光電変換層の形成後、正孔輸送層用溶液を塗布する前に、光電変換層の露出面に対してX線回折法を用いて行った。評価には、X線回折装置(リガク社製、RIGAKU Rad B−system)を用い、測定条件は以下の通りとした。
(測定条件)
X線源:Cu Kα
X線波長:1.5405Å、1.5443Å
読取幅:0.02°
走査速度:5deg/min
測定範囲:2θ=10〜70°
測定温度:室温
図12(a)は、実施例1の光電変換層を分析したX線回折パターンを示す図である。また、図12(b)は、AgBiIについて報告されているX線回折パターンである。なお、図12(b)は非特許文献1において報告されたパターンであり、粉末状のAgBiIについて得られたデータである。図12(a)および図12(b)のいずれのパターンにおいても、2θ=39°付近に最大ピークを有する。また、図12(a)のパターンと図12(b)のパターンとでは、2θ=13°、24°、42°、43°等、多くのピーク位置が一致している。したがって、実施例1の光電変換層に含まれる結晶は、AgBiIで表される組成を有することが分かった。また、実施例1の光電変換層は、六つのI(ヨウ素)イオン(第1イオンに相当)からなる複数の八面体単位が稜上の二つのIイオンを互いに共有して連なった構造を有する膜であり、実施形態で説明したようなタイプ1の結晶CLを含む膜を有することが分かった。
また、同様に、実施例2の光電変換層に含まれる結晶は、CuBiIで表される組成を有することが分かった。また、実施例2の光電変換層も、六つのアニオン(ヨウ素イオン、第1イオンに相当)からなる複数の八面体単位が稜上の二つのアニオンを互いに共有して連なった構造を有する膜であり、また、実施形態で説明したようなタイプ4の結晶CLを含む膜を有することが分かった。なお、実施例2の光電変換層を分析したX線回折パターンにおける最大の回折ピークは25°≦2θ≦35°の範囲に現れた。
また、実施例1および実施例2の光電変換層は、多結晶膜であった。
一方、比較例1および比較例2の光電変換層に含まれる結晶は、ペロブスカイト構造を有することが分かった。すなわち、六つのアニオンからなる複数の八面体単位を含むものの、八面体単位同士は、互いに一つの頂点のアニオンのみを共有して連結されていた。比較例1の光電変換層に含まれる結晶の組成はMaPbIであり、比較例2の光電変換層に含まれる結晶の組成はMaSnIであった。
比較例1の光電変換層は鉛を含むのに対し、実施例1および実施例2の光電変換層は鉛を含まず、毒性が低いといえる。
(変換効率の評価)
光電変換装置を大気下で2時間放置したのち、光電変換装置の電流−電圧特性(I−V特性)を測定した。得られた電流−電圧特性から、光電変換装置のエネルギー変換効率(PCE)を求めた。その結果、表2に示すように、実施例1および実施例2の光電変換装置において、高いエネルギー変換効率を実現できた。
(大気安定性の評価)
上記の変換効率の評価を行った直後の光電変換装置の表面の色と、さらに2日間大気下に放置した後の光電変換装置の表面の色との違いを目視で観察した。その結果、黒色から黄色への変化(黄変退色,黄変劣化)が見られた場合を×、見られなかった場合を○として評価した。その結果、表2に示すように、実施例1および実施例2では大気安定性が高く、比較例1及び比較例2では大気安定性が低かった。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1−1. 一般式Aで表される組成を有する結晶を含み、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立つ膜。
1−2. 1−1.に記載の膜において、
n/m≧0.8が成り立つ膜。
1−3. 1−1.または1−2.に記載の膜において、
前記結晶は、
Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する膜。
1−4. 1−3.に記載の膜において、
前記結晶は、
中心にイオンが存在しない第1の前記八面体単位と、
Aに含まれる元素または元素群の第2イオンが中心に位置する第2の前記八面体単位と、
Bに含まれる元素の第3イオンが中心に位置する第3の前記八面体単位とを含む膜。
1−5. 1−4.に記載の膜において、
前記結晶は、前記複数の八面体単位が、稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった板状単位を含む膜。
1−6. 1−5.に記載の膜において、
前記結晶は、複数の前記板状単位が積層した構造を含む膜。
1−7. 1−6.に記載の膜において、
前記複数の板状単位は、第1の前記板状単位と第2の前記板状単位とを含み、
前記第1の板状単位における、前記第1の板状単位を構成する八面体単位の総数に対する、前記第1の八面体単位の比率をv'、前記第2の八面体単位の比率をa'、前記第3の八面体単位の比率をb'とし、
前記第2の板状単位における、前記第2の板状単位を構成する八面体単位の総数に対する、前記第1の八面体単位の比率をv''、前記第2の八面体単位の比率をa''、前記第3の八面体単位の比率をb''としたとき、
a':b':v'で表される比とa'':b'':v''で表される比とが互いに異なり、
前記結晶は、前記第1の板状単位と、前記第2の板状単位とが交互に積層した構造を含む膜。
1−8. 1−7.に記載の膜において、
v'およびv''の少なくとも一方が0.1以下である膜。
1−9. 1−7.または1−8.に記載の膜において、
a'およびa''の少なくとも一方が0.1以下である膜。
1−10. 1−1.から1−9.のいずれか一つに記載の膜において、
0.8≦n/m≦1.2または2.4≦n/m≦3.6が成り立つ膜。
1−11. 1−1.から1−10.のいずれか一つに記載の膜において、
AがAgであり、BがBiであり、XがIであり、
2.4≦n/m≦3.6であり、
X線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる膜。
1−12. 1−1.から1−10.のいずれか一つに記載の膜において、
AがCuであり、BがBiであり、XがIであり、
0.8≦n/m≦1.2であり、
X線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる膜。
1−13. 1−1.から1−12.のいずれか一つに記載の膜において、
多結晶膜である膜。
1−14. 1−1.から1−13.のいずれか一つに記載の膜を含む光デバイス。
1−15. 1−1.から1−13.のいずれか一つに記載の膜を含む電子デバイス。
2−1. 第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に位置する光電変換層とを備え、
前記光電変換層は、一般式Aで表される組成を有する結晶を含む膜を有し、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立つ光電変換装置。
2−2. 2−1.に記載の光電変換装置において、
n/m≧0.8が成り立つ光電変換装置。
2−3. 2−1.または2−2.に記載の光電変換装置において、
前記結晶は、
Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する光電変換装置。
2−4. 2−3.に記載の光電変換装置において、
前記結晶は、
中心にイオンが位置しない第1の前記八面体単位と、
Aに含まれる元素または元素群の第2イオンが中心に位置する第2の前記八面体単位と、
Bに含まれる元素の第3イオンが中心に位置する第3の前記八面体単位とを含む光電変換装置。
2−5. 2−4.に記載の光電変換装置において、
前記結晶は、前記複数の八面体単位が、稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった板状単位を含む光電変換装置。
2−6. 2−5.に記載の光電変換装置において、
前記結晶は、複数の前記板状単位が積層した構造を含む光電変換装置。
2−7. 2−6.に記載の光電変換装置において、
前記複数の板状単位は、第1の前記板状単位と第2の前記板状単位とを含み、
前記第1の板状単位における、前記第1の板状単位を構成する八面体単位の総数に対する、前記第1の八面体単位の比率をv'、前記第2の八面体単位の比率をa'、前記第3の八面体単位の比率をb'とし、
前記第2の板状単位における、前記第2の板状単位を構成する八面体単位の総数に対する、前記第1の八面体単位の比率をv''、前記第2の八面体単位の比率をa''、前記第3の八面体単位の比率をb''としたとき、
a':b':v'で表される比とa'':b'':v''で表される比とが互いに異なり、
前記結晶は、前記第1の板状単位と、前記第2の板状単位とが交互に積層した構造を含む光電変換装置。
2−8. 2−7.に記載の光電変換装置において、
v'およびv''の少なくとも一方が0.1以下である光電変換装置。
2−9. 2−7.または2−8.に記載の光電変換装置において、
a'およびa''の少なくとも一方が0.1以下である光電変換装置。
2−10. 2−1.から2−9.のいずれか一つに記載の光電変換装置において、
0.8≦n/m≦1.2または2.4≦n/m≦3.6が成り立つ光電変換装置。
2−11. 2−1.から2−10.のいずれか一つに記載の光電変換装置において、
AがAgであり、BがBiであり、XがIであり、
2.4≦n/m≦3.6であり、
前記膜をX線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる光電変換装置。
2−12. 2−1.から2−10.のいずれか一つに記載の光電変換装置において、
AがCuであり、BがBiであり、XがIであり、
0.8≦n/m≦1.2であり、
前記膜をX線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる光電変換装置。
2−13. 2−1.から2−12.のいずれか一つに記載の光電変換装置において、
前記膜が多結晶膜である光電変換装置。
2−14. 2−1.から2−13.のいずれか一つに記載の光電変換装置において、
エネルギー変換効率が0.1%以上である光電変換装置。
3−1. 結晶を含む膜の製造方法であって、
それぞれ一以上の元素又は元素群であるA、B、およびXと、溶媒とを含む前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜を第1温度で乾燥させる工程と、
前記第1温度よりも高い第2温度で前記前駆体膜を加熱処理する工程とを含み、
Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
前記結晶は一般式Aで表される組成を有し、
(n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立つ、膜の製造方法。
3−2. 3−1.に記載の膜の製造方法において、
n/m≧0.8が成り立つ膜の製造方法。
3−3. 3−1.または3−2.に記載の膜の製造方法において、
前記結晶は、
Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する膜の製造方法。
3−4. 3−3.に記載の膜の製造方法において、
前記結晶は、
中心にイオンが位置しない第1の前記八面体単位と、
Aに含まれる元素または元素群の第2イオンが中心に位置する第2の前記八面体単位と、
Bに含まれる元素の第3イオンが中心に位置する第3の前記八面体単位とを含む膜の製造方法。
3−5. 3−4.に記載の膜の製造方法において、
前記結晶は、前記複数の八面体単位が、稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった板状単位を含む膜の製造方法。
3−6. 3−5.に記載の膜の製造方法において、
前記結晶は、複数の前記板状単位が積層した構造を含む膜の製造方法。
3−7. 3−6.に記載の膜の製造方法において、
前記複数の板状単位は、第1の前記板状単位と第2の前記板状単位とを含み、
前記第1の板状単位における、前記第1の板状単位を構成する八面体単位の総数に対する、前記第1の八面体単位の比率をv'、前記第2の八面体単位の比率をa'、前記第3の八面体単位の比率をb'とし、
前記第2の板状単位における、前記第2の板状単位を構成する八面体単位の総数に対する、前記第1の八面体単位の比率をv''、前記第2の八面体単位の比率をa''、前記第3の八面体単位の比率をb''としたとき、
a':b':v'で表される比とa'':b'':v''で表される比とが互いに異なり、
前記結晶は、前記第1の板状単位と、前記第2の板状単位とが交互に積層した構造を含む膜の製造方法。
3−8. 3−7.に記載の膜の製造方法において、
v'およびv''の少なくとも一方が0.1以下である膜の製造方法。
3−9. 3−7.または3−8.に記載の膜の製造方法において、
a'およびa''の少なくとも一方が0.1以下である膜の製造方法。
3−10. 3−1.から3−9.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
0.8≦n/m≦1.2または2.4≦n/m≦3.6が成り立つ膜の製造方法。
3−11. 3−1.から3−10.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
AがAgであり、BがBiであり、XがIであり、
2.4≦n/m≦3.6であり、
当該膜をX線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる、膜の製造方法。
3−12. 3−1.から3−10.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
AがCuであり、BがBiであり、XがIであり、
0.8≦n/m≦1.2であり、
当該膜をX線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる、膜の製造方法。
3−13. 3−1.から3−12.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
当該膜が多結晶膜である、膜の製造方法。
3−14. 3−1.から3−13.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記前駆体膜に含まれるAの物質量をp、Bの物質量をq、Xの物質量をrとしたとき、
(p+3q)×0.8≦r≦(p+3q)×1.2が成り立つ、膜の製造方法。
3−15. 3−1.から3−14.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記溶媒は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、および1−N−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される一以上である、膜の製造方法。
3−16. 3−1.から3−15.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記前駆体膜を形成する工程では、Aと、Bと、Xと、前記溶媒とを含む溶液を基材上に塗布する、膜の製造方法。
3−17. 3−1.から3−16.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記第1温度は室温である、膜の製造方法。
3−18. 3−1.から3−16.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記第1温度は50℃以上100℃未満である、膜の製造方法。
3−19. 3−1.から3−18.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記第2温度は100℃以上200℃未満である、膜の製造方法。
3−20. 3−1.から3−19.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記乾燥させる工程では、前記前駆体膜における前記溶媒の含有量が50重量%以下になるまで乾燥させる、膜の製造方法。
3−21. 3−1.から3−20.のいずれか一つに記載の膜の製造方法において、
前記加熱処理する工程前の前記前駆体膜の色が、前記加熱処理する工程後に得られる当該膜の色と異なる、膜の製造方法。
20 光電変換装置
30 電子デバイス
100 板状単位
101 第1の板状単位
102 第2の板状単位
120 八面体単位
140 第1イオン
142 カチオン
200 基材
210 第1電極
220 第2電極
230 光電変換層
231 緻密電子輸送層
232 多孔質電子輸送層
233 ホール輸送層
300 基材
310 チャネル層
320 ソース
330 ドレイン
340 絶縁層
350 ゲート

Claims (10)

  1. 一般式Aで表される組成を有する結晶を含み、
    Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまたは複数であり、
    Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
    Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
    (n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立ち、
    前記結晶は、
    Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
    それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する膜であって、
    前記膜は、AがAgであり、BがBiであり、XがIであり、2.4≦n/m≦3.6であり、X線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる膜、またはAがCuであり、BがBiであり、XがIであり、0.8≦n/m≦1.2であり、X線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる膜である、膜。
  2. 請求項1に記載の膜において、
    前記結晶は、
    中心にイオンが存在しない第1の前記八面体単位と、
    Aに含まれる元素または元素群の第2イオンが中心に位置する第2の前記八面体単位と、
    Bに含まれる元素の第3イオンが中心に位置する第3の前記八面体単位とを含む膜。
  3. 請求項2に記載の膜において、
    前記結晶は、前記複数の八面体単位が、稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった板状単位を含み、
    前記結晶は、複数の前記板状単位が積層した構造を含む膜。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の膜を含む光デバイス。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の膜を含む電子デバイス。
  6. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極および前記第2電極の間に位置する光電変換層とを備え、
    前記光電変換層は、請求項1からのいずれか一項に記載の膜を含む光電変換装置。
  7. 結晶を含む膜の製造方法であって、
    それぞれ一以上の元素又は元素群であるA、B、およびXと、溶媒とを含む前駆体膜を形成する工程と、
    前記前駆体膜を第1温度で乾燥させる工程と、
    前記第1温度よりも高い第2温度で前記前駆体膜を加熱処理する工程とを含み、
    Aは、Ag、Cu、In、Na、K、およびNHからなる群から選択される一つまた
    は複数であり、
    Bは、Bi、Sb、およびLaからなる群から選択される一つまたは複数であり、
    Xは、F、Cl、Br、I、CN、およびSCNからなる群から選択される一つまたは複数であり、
    前記結晶は一般式Aで表される組成を有し、
    (n+3m)×0.8≦z≦(n+3m)×1.2が成り立ち、
    前記結晶は、
    Xに含まれる元素または元素群の第1イオンを含み、
    それぞれ六つの前記第1イオンからなる複数の八面体単位が稜上の二つの前記第1イオンを互いに共有して連なった構造を有する、膜の製造方法であって、
    前記膜は、AがAgであり、BがBiであり、XがIであり、2.4≦n/m≦3.6であり、X線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる膜、またはAがCuであり、BがBiであり、XがIであり、0.8≦n/m≦1.2であり、X線回折で測定したとき、最大の回折ピークが25°≦2θ≦35°の範囲に現れる膜である、方法。
  8. 請求項に記載の膜の製造方法において、
    前記溶媒は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、および1−N−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される一以上である、膜の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の膜の製造方法において、
    前記前駆体膜を形成する工程では、Aと、Bと、Xと、前記溶媒とを含む溶液を基材上に塗布する、膜の製造方法。
  10. 請求項7から9のいずれか一項に記載の膜の製造方法において、
    前記乾燥させる工程では、前記前駆体膜における前記溶媒の含有量が50重量%以下になるまで乾燥させる、膜の製造方法。
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