JP6930075B2 - 光学シート、面光源装置、映像源ユニット、表示装置、及び光学シートの製造方法。 - Google Patents

光学シート、面光源装置、映像源ユニット、表示装置、及び光学シートの製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は映像を観察者に提供する表示装置、並びに、これに備えられる光学シート、面光源装置、映像源ユニット、及び光学シートの製造方法に関する。
液晶テレビ等の液晶表示装置は、映像情報を有する液晶パネルに対してその背面側から面光源装置で照明する。これにより、照明光が液晶パネルを透過して映像情報を得て観察者側に出射され、観察者が映像を視認できるようになる。一方、液晶パネルはその性質上、有効に利用することができる光に制限があり、光源からの光を効率よく利用するための工夫が必要である。
特許文献1には、面光源、プリズムシート、光学機能層(光透過部と光吸収部とが交互に配列された層)、及び液晶パネルがこの順で積層された映像源ユニットが開示されている。これにより、液晶パネルに入射する光の方向を当該液晶パネルのパネル面法線方向に近づけ、光の利用効率を高めている。
また、特許文献2も同様に、光源、輝度上昇フィルム(頂部が観察者側を向いているプリズムが複数配列されたシート)、反射偏光フィルム、LCF(光透過部と光吸収部とが交互に配列されたフィルム)、液晶パネルがこの順に配置される構成が開示されている。これにより光源から出射された光の向きを液晶パネルのパネル面法線方向に近づけることができ、光の利用効率を高められるとしている。また、液晶パネルのパネル面に対して大きな角度でLCFに入射した光はここに設けられた光吸収部により吸収される。
特開2010−217871号公報 特表2011−501219号公報
従来、特許文献1、2に記載のような表示装置の構造において、液晶パネルのうち、光学シート(光学機能層が含まれるシート)に面した偏光板の表面に擦り傷が生じることがあった。
そこで本発明は、上記の問題に鑑み、液晶パネルの偏光板に擦り傷が発生することを防止できる光学シートを提供することを課題とする。また、この光学シートを具備する、面光源装置、映像源ユニット、表示装置、及び光学シートの製造方法を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、液晶パネル(15)のうち観察者側とは反対側の面に対向して配置される光学シート(30)であって、基材層(31)と基材層の一方の面に配置された光学機能層(32)と、光学シートのうち、液晶パネルに対向する部位に位置づけられ、スリップ剤が含有されたスリップ層(35)と、を備え、スリップ層のうち、光学シートの最表面となる面は微状な凹凸が形成されスリップ層のヘイズ値が30以下であるマット面とされており、光学機能層は、所定の断面を有して基材層の面に沿って複数配列される光透過部(33)と、隣り合う光透過部の間に形成される間部(34)と、を具備する、光学シートである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シートにおいて、スリップ層(35)は基材層(31)の面のうち光学機能層(32)とは反対側となる面に配置され、重合開始剤が含有されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光学シートにおいて、スリップ層(35)は基材層(31)の面のうち光学機能層(32)とは反対側となる面に配置され、重合開始剤が含有されてない。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の光学シートにおいて、基材層とスリップ層とが同一の層である。
請求項に記載の発明は、光源(25)と、光源から出射された光を導光し出光面から出射する導光板(21)と、導光板の出光面側に配置された反射型偏光板(28)と、反射型偏光板の出光面側に配置された請求項1乃至のいずれかに記載の光学シート(30)と、を備える、面光源装置(20)である。
請求項に記載の発明は、下偏光板(14)、上偏光板(13)、及び下偏光板と上偏光板との間に配置された液晶層(12)を有する液晶パネル(15)と、液晶パネルより下偏光板側に配置された請求項に記載の面光源装置(20)と、を備える映像源ユニット(10)である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の映像源ユニット(10)が、筐体に納められた、表示装置である。
請求項に記載の発明は、請求項2に記載の光学シートを製造する方法であって、基材層(31)上に硬化前のスリップ層(35)となる組成物(52)を積層し、その後組成物を硬化させる工程を含む、光学シートの製造方法である。
請求項に記載の発明は、請求項3に記載の光学シートを製造する方法であって、基材層(31)とスリップ層(35)とを2層押出により形成する工程を含む光学シートの製造方法である。
本発明によれば、液晶パネルの偏光板に擦り傷が発生することを防止できる。
映像源ユニット10を説明する分解斜視図である。 映像源ユニット10の1つの断面を示す分解図である。 映像源ユニット10の他の断面を示す分解図である。 プリズム層27の1つの態様を説明する図である。 図5(a)はプリズム層27’を説明する図、図5(b)はプリズム層27”を説明する図である。 図2のうち光学シート30に注目して一部を拡大した図である。 光透過部33が延びる方向と下偏光板14の透過軸が延びる方向とが成す角を説明する図である。 光学シート30の製造について説明する図である。 図9(a)は光学シート130を説明する図、図9(b)は光学シート230を説明する図である。 実施例及び比較例の試験方法を説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。また、当該図面においては、見易さのために各要素の形態を誇張したり拡大したりして表している。
図1は1つの形態を説明する図であり、表示装置に含まれる映像源ユニット10を示した分解斜視図である。また図2には、図1にII−IIで示した線に沿って切断したときの映像源ユニット10の分解断面図の一部、図3には、図1にIII−IIIで示した線に沿って切断したときの映像源ユニット10の分解断面図の一部をそれぞれ表した。表示装置には映像源ユニット10の他、説明は省略するが、映像源ユニットを納める筐体、映像源ユニットを作動させる電源、及び映像源ユニットを制御する電子回路等、表示装置として動作するために必要とされる通常の機器を具備している。以下映像源ユニット10について説明する。
映像源ユニット10は、液晶パネル15、面光源装置20、及び機能性フィルム40を備えている。図1では紙面上方が観察者側となる。
液晶パネル15は、機能性フィルム40側(観察者側)に配置された上偏光板13と、面光源装置20側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。偏光板13、14は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12は、複数の画素が層面に沿った方向に縦横に配列されており、一つの画素を形成する領域毎に電界印加できる。そして電界印加された画素の配向が変化する。これにより、面光源装置20側(すなわち入光側)に配置された下偏光板14を透過した透過軸に平行な偏光成分(例えばP波)は、電界印加された画素を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない画素を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、画素への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した偏光成分(例えばP波)が、出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御して映像を表現する構造を有している。
液晶パネルはこのような原理により観察者に対して映像を提供することができるように構成されている。従って、液晶パネルの背面側から照明をする際には下偏光板の透過軸に平行な偏光成分を有する光を多く到達させることにより下偏光板を透過させて光の利用効率を高めることができる。
さらに液晶パネルは、その性質上、該液晶パネルの法線方向からの入射光に対しては、出射光のコントラスト、及び効率(透過率)は優れている。しかしながら、液晶パネルの法線方向に対して斜めからの入射光、および観察者による斜め方向からの観察についてはコントラストの低下や効率(透過率)の低さが問題となる。すなわち、光の利用効率を高めるためには液晶パネルの法線方向からの入射光を多くすることも有効である。
液晶パネルの種類は特に限定されることはなく、公知の型の液晶パネルを挙げることができる。これには例えばTN、STN、VA、MVA、IPS、OCB等がある。
また、上偏光板及び下偏光板は公知の構造のものを用いることができ、通常はポリビニルアルコール(PVA)層の表裏をトリアセチルセルロース(TAC)による層にて挟むようにして構成されている。
次に面光源装置20について説明する。
面光源装置20は、液晶パネル15に対して観察者側とは反対側に配置され、液晶パネル15に面状の光を出射する照明装置である。図1、図2からわかるように、本形態の面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板21、光源25、光拡散板26、プリズム層27、反射型偏光板28、光学シート30及び反射シート39を有している。
導光板21は、図1〜図3よりわかるように、基部22及び裏面光学要素23を有している。導光板21は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材である。本形態で導光板21の観察者側となる一方の板面側は平滑面とされ、これとは反対側である他方の板面側は裏面とされ、当該裏面には複数の裏面光学要素23が配列されている。
基部22、裏面光学要素23をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレート系やウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
基部22は、その内部を光が導光されるとともに、裏面光学要素23のベースとなる部位で、所定の厚さを有する板状である。
裏面光学要素23は、基部22の裏面側(反射型偏光板28が配置される側とは反対側)に形成される突出した要素であり、本形態では三角柱状である。裏面光学要素23は、突出した頂部の稜線が図1の紙面左右方向に延びる柱状であり、複数の裏面光学要素23が当該延びる方向に直交する方向に所定のピッチで並べて配列されている。本形態の裏面光学要素23は断面が三角形であるがこれに限定されることはなく、多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状の断面であってもよい。
複数の裏面光学要素23の配列方向は導光方向であることが好ましい。すなわち、光源25から離隔する方向に配列され、光源25が配列される方向、又は1つの長い光源であれば該光源が延びる方向に平行に各裏面光学要素23の稜線が延びている。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本件明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
このような構成を有する導光板21は、押し出し成型により、又は、基部22上に裏面光学要素23を賦型することにより製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部22、及び裏面光学要素23が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板21を製造する場合、裏面光学要素23が、基部22と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
図1、図2に戻って、光源25について説明する。光源25は、導光板21の基部22が有する側面のうち、複数の裏面光学要素23が配列される方向の一方側の側面に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成できる。本形態では光源25は複数のLEDからなり、不図示の制御装置により各LEDの点灯および消灯、並びに/又は、各LEDの点灯時の明るさを個別に独立して調節できるように構成されている。
なお、本形態では上記のように光源25は一方側の側面に配置される例を示したが、さらにこの側面とは反対側となる側面にも光源が配置される形態であってもよい。なお、この場合には裏面光学要素の形状も公知の例に倣って形成する。
次に光拡散層26について説明する。光拡散層26は、導光板21の出光側に配置され、ここに入射した光を拡散させて出射する機能を有する層である。これにより、導光板21から出射した光をさらに均一性を高め、導光板21に存在する傷を目立たなくすることができる。
光拡散層の具体的態様は、公知の光拡散層を用いることができ、例えば母材の中に光拡散剤を分散させた形態を挙げることができる。
プリズム層27は、図1〜図3よりわかるように、光拡散層26よりも液晶パネル15側に設けられ、該液晶パネル15側に向けて凸である単位プリズム27aを具備する層である。単位プリズム27aは、所定の断面を有して導光板21の導光方向に延びる形態を有している。そして、複数の単位プリズム27aが導光方向とは異なる方向(本形態では平面視で導光方向に直交する方向)に配列されている。
ただし、単位プリズムが延びる方向はこれに限定されることはなく、導光方向に直交する方向に延び、導光方向に平行に複数の単位プリズムが配列された形態であってもよい。
なお、長方形である導光板の長辺の一辺に光源(LED)を配列し、短辺に平行な方向に導光する形態が多い。そして単位プリズムは導光方向に直交する方向に延びることで集光し、後述する光学機能層の光透過部が延びる方向も単位プリズムに平行とすることで同じ方向に集光とすることが、画面均一性や、上下集光、左右視野角維持の光学特性としては優れている。ただし、これに限定されず、所望の光学特性を得るために、長方形である導光板の互いに反対側となる2辺の両方や短辺に光源(LED)を配列してもよい。また、単位プリズムが延びる方向及び光透過部が延びる方向も導光方向に平行にしてもよい。このようなプリズム層の単位プリズムの断面形状は、必要とする機能に応じて公知の形状を適用することができる。当該形状により光をさらに拡散させることもできるし、集光させることもできる。
例えば単位プリズム27aを次のように構成することもできる。図4、図5(a)、図5(b)に説明のための図を示した。
図4は、単位プリズム27aが五角形のプリズム形状の断面を有している例である。
図5(a)は、単位プリズム27a’がレンチキュラーレンズ形状(半円形の凸断面)を有したプリズム層27’の例である。
また、図5(b)は、単位プリズム27”aが半円形の凹断面の形状を有するプリズム層27”の例である。
次に反射型偏光板28について説明する。反射型偏光板28は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(反射軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を反射する機能を有している。このような反射型偏光板の構造は公知のものを適用することができる。
ここで、反射型偏光板28の透過軸が延びる方向は、上記した下偏光板14の透過軸が延びる方向と同じであるとともに、後述する光学機能層32の光透過部33及び光吸収部34が延びる方向に対して、映像源ユニット1の正面視で1°以上41.7°以下であることが好ましい。より好ましくは1°以上20°以下である。さらに好ましくは1°以上5°以下である。5°以下とすることにより視野角特性(明るさとカットオフのバランス)の観点から特に良好なものとなる。
この角度が0°以上1°未満であると、特に光学機能層32において、四角形である光学機能層32の縁の辺と光透過部33、及び光吸収部34が延びる方向とが平行に近いため、裁断時にひげ上の裁断カスが生じやすくなる。
次に光学シート30について説明する。図1〜図3よりわかるように、光学シート30は、シート状に形成された基材層31と、基材層31の一方の面(本形態では導光板21側の面)に設けられた光学機能層32と、基材層31の他方の面(光学機能層32が配置された側とは反対側の面)に積層されたスリップ層35と、を備えている。
この光学シート30は、後述するように、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向(法線方向)の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を有している。またその際には偏光成分の変化が抑制され、これら機能により光の利用効率を高めることができる。さらに、当該正面方向に対して大きな角度で進行した光を吸収する機能(光吸収機能)を備えている。
また、偏光板14に対向して配置される側にはスリップ層35が設けられ、これにより偏光板14の傷付きを防止する。
図1、図2に示すように、基材層31は光学機能層32、及びスリップ層35を支持する平板状のシート状部材である。
基材層31をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。この中でも面光源装置20と下偏光板14との組み合わせを考慮して複屈折の少ないTAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。さらには、車載用途などのように高い耐熱性が求められる用途では、ガラス転移点が高いポリカーボネート樹脂が望ましい。具体的にはポリカーボネート樹脂のガラス転移点は143℃であり、一般に105℃での耐久性が求められる車載用途に適している。
光学機能層32は基材層31の一方の面(本形態では導光板21側の面)に積層された層で、層面に沿って光透過部33と光吸収部34とが交互に配列されている。図6は図2のうち、光学シート30の一部を拡大して表した図である。
光学機能層32は、図6に示した断面を有して紙面奥/手前側に延びる形状を備える。すなわち、図6に表れる断面において、略台形である光透過部33と、隣り合う2つの光透過部33間に形成された断面が略台形の光吸収部34と、を具備している。
ここで図7に概念的に示したように、映像源ユニット1を観察者側正面からみたときに、実線Vaで示した光透過部33及び光吸収部34が延びる方向と、点線Vbで示した下偏光板14の透過軸が延びる方向と、の成す角θsは1°以上41.7°以下であることが好ましい。これにより光透過部33と光吸収部34との界面における反射で偏光成分が変化することを抑制し透過率を向上させることができる。θsは1°以上20°以下であることがさらに好ましい。最も好ましくはθsは1°以上5°以下である。5°以下とすることにより視野角特性(明るさとカットオフのバランス)の観点から特に良好なものとなる。
これによればθsの変化による透過率の変化が小さくなり、製造におけるθsのばらつきが性能に対して与えるばらつきを減じることができ、安定した性能の光学機能層を提供することができる。
また、θsを0°以上1°未満とすると、特に光学機能層32において、四角形である光学機能層32の縁の辺と光透過部33、及び光吸収部34が延びる方向とが平行に近いため、裁断時にひげ状の裁断カスが生じやすくなる。
光透過部33は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、本形態では図2、図6に表れる断面において、基材層31側に長い下底、その反対側(導光板側)に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。光透過部33は、基材層31の層面に沿って当該断面を維持して上記した方向に延びるとともに、この延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配列される。そして、隣り合う光透過部33の間には、略台形断面を有する間隔が形成されている。従って、当該間隔は、光透過部33の上底側(導光板21側)に長い下底を有し、光透過部33の下底側(液晶パネル側)に短い上底を有する台形断面を有し、ここに後述する必要な材料が充填されることにより光吸収部34が形成される。なお、本形態では隣り合う光透過部33は長い下底側で連結されている。
光透過部33は屈折率がNtとされている。このような光透過部33は、透過部構成組成物を硬化させることにより形成することができる。詳しくは後で説明する。屈折率Ntの値は特に限定されることはないが、後述するように台形断面の斜面における光吸収部34との界面で適切に光を反射(全反射を含む。)する観点から屈折率は1.55以上であることが好ましい。ただし、屈折率が高すぎる材料は割れやすい場合が多いので屈折率は1.61以下であることが好ましい。より好ましくは1.56以下である。
光吸収部34は隣り合う光透過部33の間に形成された上記した間隔に形成される間部として機能し、間隔の断面形状と同様の断面形状となる。従って短い上底が液晶パネル15側を向き、長い下底が導光板21側となる。そして光吸収部34は、屈折率がNrとされるとともに、光を吸収することができるように構成されている。具体的には屈折率がNrであるバインダーに光吸収粒子が分散される。屈折率Nrは、光透過部33の屈折率Ntよりも低い屈折率とされる。このように、光吸収部34の屈折率を光透過部33の屈折率より小さくすることにより、所定の条件で光透過部33に入射した光を光吸収部34との界面で適切に全反射させることができる。また、全反射条件を満たさない場合にも一部の光は当該界面で反射する。
屈折率Nrの値は特に限定されることはないが、当該全反射を適切に行う観点から1.50以下であることが好ましく、その中でも入手性の観点から1.47以上が好ましい。より好ましく1.49以上である。
光透過部33の屈折率Ntと光吸収部34の屈折率Nrとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0.05以上0.14以下であることが好ましい。屈折率差を大きくすることにより、より多くの光を全反射させることができる。
光学機能層32では、特に限定されることはないが、例えば次のように光透過部33及び光吸収部34が形成される。すなわち、図6にPで表した光透過部33及び光吸収部34のピッチは20μm以上100μm以下であることが好ましい。また、図6にθで示した光吸収部34と光透過部33との斜辺における界面と、光学機能層32の層面の法線と、の成す角は1°以上10°以下であることが好ましい。そして図4にDで示した光吸収部34の厚さは50μm以上150μm以下であることが好ましい。これらの範囲内とすることにより、光の透過と光の吸収とのバランスが適切になることが多い。
本形態では光透過部33と光吸収部34との界面が断面において一直線状となる例を示したが、これに限らず折れ線状、凸である曲面状、凹である曲面状等であってもよい。また、複数の光透過部33及び光吸収部34で断面形状が同じであってもよいし、所定の規則性を有して異なる断面形状であってもよい。
スリップ層35は、スリップ剤が含有された層であり摺動性が高められている。これには例えば母材にスリップ剤を含有させることにより形成することができる。
母材としては特に限定されることはないが、後述するようにコーティングでスリップ層を製造する際には例えば紫外線硬化型の樹脂を用いることができる。
具体的には分子中にラジカル重合性不飽和結合を有するアクリレート系のモノマーとしては特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー、及び、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等が挙げられる。その中でも、耐熱性に優れる観点から、ビスフェノールA型のエポキシアクリレート及びビフェニルオキシエチルアクリレート等のベンゼン環を有するものが好ましい。
そして、アクリレート系電離放射線硬化性樹脂として、これらのモノマー1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合してもよい。
アクリレート系電離放射線硬化性樹脂としては、特に限定されないが、中でもエポキシ系アクリレートが好ましく、ビスフェノールAエポキシジアクリレートがより好ましい。 アクリレート系電離放射線硬化性樹脂は、特に限定されないが、モノマー含有量が、80質量%以上98質量%以下であることが好ましく、特に90質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
またこの場合には、母材中に重合開始剤が含まれている。重合開始剤は特に限定されることはないが、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
また、後述するように2層押し出しで基材層とスリップ層とを同時に形成する際には、母材として例えば熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等を挙げることができる。この場合には母材には重合開始剤は含まれない。
一方、スリップ剤は、高級脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル等)、高級脂肪酸アミド(エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等)、ワックス[パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等)等]およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルおよびフルオロシリコーンオイル)等が挙げられる。この中でもシリコーン系のスリップ剤を用いることが好ましい。
このようなスリップ剤は上記母材の全質量に基づいて、5質量%以下で含まれることが好ましく、さらに好ましくは0.01質量%以上2質量%以下である。
また、スリップ層35のうち、基材層31と反対側となる面(すなわち表層となる面)には微小な凹凸が設けられ(いわゆるマット面)てもよい。スリップ剤の含有により、スリップ層35が水分を吸収し易くなる虞があり、下偏光板14との間に光学的な密着が起こり、干渉縞やギラツキ(シンチレーション)の発生が起こる場合がある。これに対してスリップ層35の表面をマット面にすることでこれを防止することができる。
マット面の凹凸の程度は特に限定されることはないが、ヘイズ値で30以下であることが好ましい。これによりマット面による正面輝度の過度な低下を抑制することができる。
光学シート30は例えば次のように作製できる。第一の例として、スリップ層35をコーティングにより形成する方法について説明する。図8に説明のための図を表した。
初めに基材層31にスリップ層35を形成する。これは、平滑ロール50と、これに対向するように配置されたニップロール51との間に、基材層31となる基材シート31’を挿入する。このとき、基材シート31’と平滑ロール50との間にスリップ剤が含有された硬化前の母材であるスリップ層を構成する組成物52を供給しながら平滑ロール50及びニップロール51を回転させる。本例では母材として紫外線硬化型の樹脂を用いている。
これにより基材シート31’と平滑ロール50との間に組成物52が充填され層を構成する。そしてこの層を構成した組成物52に対して、基材シート31’側から光照射装置53により硬化させるための光(紫外線)を照射する。これにより、組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロール54により平滑ロール50から基材層31および形成されたスリップ層35からなる中間シート55を離型する。
次に、基材層31に光透過部33を形成する。これは、光透過部33の形状が転写できる形状を表面に有する金型ロールと、これに対向するように配置されたニップロールとの間に、中間シート55を挿入する。このとき、中間シート55のうち、スリップ層35が配置された側とは反対側の面である基材層31の表面と金型ロールとの間に光透過部を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された光透過部に対応する溝(光透過部形状を反転した形状)に光透過部を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
ここで、光透過部を構成する組成物としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の電離放射線硬化型の樹脂を挙げることができる。
金型ロールと中間シート55との間に挟まれ、ここに充填された光透過部を構成する組成物に対し、中間シート55側から光照射装置により硬化させるための光を照射する。これにより、組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層31、スリップ層35、および成形された光透過部33の積層体を離型する。
次に、光吸収部34を形成する。光吸収部34を形成するには、まず、上記形成した光透過部33間の間隔に光吸収部を構成する組成物を充填する。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレード等で掻き落とす。そして、残った組成物に光透過部33側から紫外線を照射することによって硬化させ、光吸収部34を形成することができる。
光吸収部として用いられる材料は特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、およびブタジエン(メタ)アクリレート系等の光硬化型樹脂の中に着色された光吸収粒子が分散されている組成物を挙げることができる。
また光吸収粒子を分散させる代わりに顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。
光吸収粒子を用いる場合には、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。
以上のように本例では、スリップ層35をコーティングにより形成して光学シート30を得る。
第二の例として、スリップ層35を基材層31との2層押し出しにより形成する方法について説明する。すなわち、基材層31となる基材層組成物とスリップ層となるスリップ層組成物とを金型の中で積層し、冷却して硬化させることで基材層31上にスリップ層35が積層された中間シート55が得られる。このときには例えば基材層31及びスリップ層35の母材にはいずれもポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
中間シート55を得られた後は上記第一の例と同様である。
以上のように本例では、スリップ層35を基材層31との2層押出により形成して光学シート30を得る。
上記では基材層31にスリップ層35を積層する形態であったが、スリップ層を積層する代わりに基材層にスリップ剤を含有させてもよい。またその際には基材層のうち光学機能層32が配置された側とは反対側の面にマット面を形成することもできる。
これによれば、スリップ層35を新たに設ける必要がなく、層構成の簡略化及び製造工程の簡略化が可能となる。
図9(a)、図9(b)には他の形態の光学シート130、230を説明する図を示した。
図9(a)は、基材層31が導光板21側に配置された例であり、上記光学シート30とは反転した態様で用いられるための光学シートである。このような光学シート130では下偏光板14側に光学機能層32が配置されるので光学機能層32のうち基材層31が配置された側とは反対側にスリップ層35が設けられる。これにより光学シート30と同様に下偏光板14の擦り傷の発生を防止することができる。
図9(b)は、光学シート30に加え、光学機能層32のうち基材層31が配置された側とは反対側の面に、第二の基材層231及び第二のスリップ層235が配置された例である。第二の基材層231は基材31と同様に考えることができ、第二のスリップ層235はスリップ層35と同様に考えることが可能である。
これによれば、光学機能層32を挟んでその表裏の層構成が対称であるため、光学シートの反りを抑制することができる。また、表裏の両方にスリップ層が配置されているため、いずれの向きで用いてもよく、部品の共通化を図ることが可能となる。
図1〜図3に戻って、面光源装置20の反射シート39について説明する。反射シート39は、導光板21の裏面から出射した光を反射して、再び導光板21内に光を入射させるための部材である。反射シート39は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。
機能性フィルム40は、液晶パネル15の出光側に配置され、映像光の質を向上させたり、映像源ユニット10を保護したりする機能を有する層である。これには例えば反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム、色調補正フィルム、光拡散フィルム等を挙げることができ、これらが単独又は複数組み合わされて構成されている。
次に、以上のような構成を備える表示装置の作用について、光路例を示しつつ説明する。ただし当該光路例は説明のための概念的なものであり、反射や屈折の程度を厳密に表したものではない。
まず、図2に示すように、光源25から出射した光は、導光板21の側面の入光面を介して導光板21内に入射する。図2には、一例として、光源25から導光板21に入射した光L21、L22の光路例が示されている。
図2に示すように、導光板21に入射した光L21、L22は、導光板21の出光側面及びその反対側の裏面において、空気との屈折率差による全反射を繰り返し、導光方向(図2の紙面右方向)へ進んでいく。
ただし、導光板21の裏面には裏面光学要素23が配置されている。このため、図2に示すように、導光板21内を進む光L21、L22は、裏面光学要素23によって進行方向が変わり、全反射臨界角未満の入射角度で出光面、及び裏面に入射することもある。この場合に当該光は、導光板21の出光面及びその反対側の裏面から出射し得る。
出光面から出射した光L21、L22は、導光板21の出光側に配置された光拡散層26へと向かう。一方、裏面から出射した光は、導光板21の背面に配置された反射シート39で反射され、再び導光板21内に入射して導光板21内を進むことになる。
導光板21内を進行する光と、裏面光学要素23で向きを変えられて全反射臨界角未満の入射角度で出光面に達する光は、導光板21内の導光方向に沿った各区域において生じる。このため、導光板21内を進んでいる光は、少しずつ、出光面から出射するようになる。これにより、導光板21の出光面から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
導光板21から出射した光は、その後、光拡散層26に達し均一性が高められる。そしてプリズム層27により必要に応じて拡散又は集光されプリズム層27を出光した光は次に反射型偏光板28に達する。ここでは、反射型偏光板28の透過軸に沿った偏光方向の光は反射型偏光板28を透過し光学シート30に向かう。
一方、反射型偏光板28の反射軸に沿った偏光方向の光は図2に点線矢印L21’、L22’で示したように反射して導光板21側に戻される。戻された光は、導光板21、裏面光学要素23、又は反射シート39で反射して再び反射型偏光板28の側に進行する。この反射の際に一部の光の偏光方向が変化しておりその一部は反射型偏光板28を透過する。他の光は再び導光板側に戻される。このように反射型偏光板28で反射した光も反射を繰り返すことで反射型偏光板28を透過できるようになる。これにより光源25からの光の利用率が高められる。
ここで、反射型偏光板28を出射した光は、その偏光方向が下偏光板14の透過軸に沿った方向になっており、下偏光板14を透過する偏光光となっている。
反射型偏光板28を出射した光は光学機能層32に入射する。光学機能層32に入射する光は下偏光板14を透過する偏光光となっているが、次のような光路を有して進行する。すなわち、例えば図6にL41で示したように、光吸収部34との界面に達することなく光透過部33を透過する。または、図6にL42で示したように光吸収部34との界面に達して全反射して光透過部33を透過する。このとき、本形態では当該界面の傾斜角度(θ)の作用により、界面で反射した光は液晶パネル15の法線に平行な方向に近づけられる。また、全反射臨界角より小さい角度のため全反射しない光であってもそのうちの一部は当該界面で反射するものもある。このような光も同様に光透過部33を透過する。
これにより液晶パネル15を透過した際に、コントラスト低下や色の反転等の不具合が起こらない光を液晶パネル15に対して効果的に提供することができる。さらに光透過部33、光吸収部34が延びる方向が下偏光板14の透過軸が延びる方向に対して、正面視で1°以上41.7°以下の角度とされていれば、界面で全反射、反射する際に、偏光方向が変わってしまうことを抑制することができる。従って、界面における全反射、反射した光の多くを下偏光板14を透過させることができ、利用効率(透過率)を向上させることができる。
一方、図6にL43で示したようにシート面法線に対して大きな角度で光学機能層32に入射した光は光吸収部34に吸収され、液晶パネル15には提供されない。従って、コントラスト低下や色の反転を生じるような不具合を生じる光を吸収することができる。
このような光学シート30により、導光板21からの光を効率よく集光し、集光しなかった光は光吸収部で吸収するため、適切な光を効率よく液晶パネルに提供することができ、光の利用効率を大幅に向上させることが可能となる。また、光学シート30によれば、下偏光板14を透過する偏光方向の光の当該偏光方向を維持して下偏光板14に光を提供し、下偏光板14で吸収される光を少なく抑えることができ、光の利用効率(透過率)を向上させることが可能である。
さらに光路について説明する。上記のように面光源装置20を出射した光は、液晶パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置の観察者が、映像を観察することができるようになる。その際、映像光は機能性フィルム40を介して観察者に提供され、映像の質が高められている。
上記した形態では、光学機能層32は、光透過部33の短い上底が導光板21側、長い下底が液晶パネル15側となる向きとしたが、これを反転した形態としてもよい。すなわち、図9(a)に示した形態であり、光透過部の短い上底が液晶パネル側、長い下底が導光板側となる向きとしてもよい。この場合には光の集光作用は有しないが、下偏光板を透過する偏光方向を維持して下偏光板に光を提供し、下偏光板で吸収される光を少なく抑えることができ、光の利用効率(透過率)を向上させることは可能である。
さらに、光学シート30によれば、スリップ層35により次のように作用する。通常、面光源装置と液晶パネルとの間は1mm程度の間隙が設けられて、特に接着等することなく空隙とされている。かかる状態において、従来の光学シートにより例えば熱変動と振動とを同時に付与する試験(複合振動試験)をおこなうと、液晶パネルの下偏光板(面光源装置に対向する側の偏光板)に擦り傷が発生することがあった。
これに対して光学シート30によれば、当該擦り傷の発生を防止することができる。
また、スリップ層35のうち、基材層31と反対側となる面(すなわち表層となる面)に微小な凹凸が設けられ(いわゆるマット面)が設けられた場合には、干渉縞やギラツキ(シンチレーション)の発生を防止することができる。スリップ剤の種類によって、スリップ層35が水分を吸収し易くなる虞があり、下偏光板14との間に光学的な密着が起こる場合があるからである。
実施例として、スリップ層を形成した光学シート(実施例1、実施例2)、及び、比較例としてスリップ層を有しない光学シートを作製して擦れに対する傷つきの評価を行った。
実施例1の光学シートは、上記光学シート30に倣った形態を備えている。実施例1では次のように光学シートを作製した。基材層となるポリカーボネート樹脂と、スリップ剤である0.5質量%のシリコンを母材となるポリカーボネート樹脂に含有したスリップ層となる組成物とを、基材層の厚さが70μm、スリップ層の厚さが30μmとなるように2層押出にて、基材層とスリップ層との積層体である中間シートを得た。その後、特開2003−082131号公報に記載の低リタデーション化の方法で、加熱と加圧を同時に行った。これにより中間シートの590nmにおける正面リタデーションは15nmであった。リタデーションの測定は、KOBRA 21ADH(王子計測機器株式会社)により行った。
次に、得られた中間シートのうち基材層31の面に、ピッチ(図6のP)が39μm、光吸収部の長い下底の幅(図6のW)が10μm、光吸収部の短い上底の幅(図6のW)が4μm、高さ(図6のD)が102μm、斜面角度(図6の角度θ)が3°、光学機能層の厚さが127μmとなるように光学機能層を形成した。光学機能層の形成方法は上記した通りである。ここで光透過部は屈折率1.56の紫外線硬化型ウレタンアクリレートを用いた。また、光吸収部には、屈折率が1.49の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに、カーボンブラックを含有したアクリルビーズを25質量%含有させたものを用いた。
実施例2の光学シートでは、その形状は実施例1と同じであるが、スリップ層をコーティングにより形成した。すなわち、基材層としての厚さ70μmのポリカーボネートシートの一方の面と平滑ロールとの間に、スリップ剤としてのシリコンが0.5質量%含有された、母材としての紫外線硬化型ウレタンアクリレートによるスリップ剤組成物を充填して、基材層と平滑ロールとの間に層を形成し、基材層側から紫外線を照射してスリップ剤組成物を硬化させて中間シートを得た。光学機能層の形成は実施例1と同じである。
比較例の光学シートは実施例1と同じ方法により得たが、実施例1のスリップ層に対応する層としてスリップ剤を含まない母材(ポリカーボネート)のみの透明層を形成した。
上記実施例1、実施例2、及び比較例の光学シートのうち、スリップ層(実施例1、実施例2)、透明層(比較例)に重なるように、TACフィルム(偏光板を想定)を重ねるように配置して試験体とし、試験体に対して擦れ試験をおこなった。擦れ試験の概要図を図10に示した。図10からわかるように、平坦である土台上に試験体を置き、摺動子が試験体上を摺動するように移動させる。摺動子には500gの押圧力が負荷され、摺動のストロークは20mm、摺動回数は10回である。また、試験体はTACフィルムを土台側となるように配置し、光学シートの光学機能層上を摺動子が移動するように土台上に載置した。
その結果、実施例1、実施例2の光学シートには、TACフィルム及びスリップ層にキズが生じなかった。一方、比較例の光学シートには、TAC及びこれに接触する透明層にキズが発生した。
10 映像源ユニット
15 液晶パネル
20 面光源装置
21 導光板
25 光源
26 光拡散層
27 プリズム層
28 反射型偏光板
30 光学シート
32 光学機能層
33 光透過部
34 光吸収部
35 スリップ層

Claims (9)

  1. 液晶パネルのうち観察者側とは反対側の面に対向して配置される光学シートであって、
    基材層と、
    前記基材層の一方の面に配置された光学機能層と、
    前記光学シートのうち、前記液晶パネルに対向する部位に位置づけられ、スリップ剤が含有されたスリップ層と、を備え、
    前記スリップ層のうち、前記光学シートの最表面となる面は微状な凹凸が形成され前記スリップ層のヘイズ値が30以下であるマット面とされており、
    前記光学機能層は、
    所定の断面を有して前記基材層の面に沿って複数配列される光透過部と、
    隣り合う前記光透過部の間に形成される間部と、を具備する、
    光学シート。
  2. 前記スリップ層は前記基材層の面のうち前記光学機能層とは反対側となる面に配置され、重合開始剤が含有されている、請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記スリップ層は前記基材層の面のうち前記光学機能層とは反対側となる面に配置され、重合開始剤が含有されてない、請求項1に記載の光学シート。
  4. 前記基材層と前記スリップ層とが同一の層である、請求項1に記載の光学シート。
  5. 光源と、
    前記光源から出射された光を導光し出光面から出射する導光板と、
    前記導光板の出光面側に配置された反射型偏光板と、
    前記反射型偏光板の出光面側に配置された請求項1乃至のいずれかに記載の光学シートと、を備える、
    面光源装置。
  6. 下偏光板、上偏光板、及び前記下偏光板と前記上偏光板との間に配置された液晶層を有する液晶パネルと、
    前記液晶パネルより前記下偏光板側に配置された請求項に記載の面光源装置と、を備える映像源ユニット。
  7. 請求項に記載の映像源ユニットが、筐体に納められた、表示装置。
  8. 請求項2に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記基材層上に硬化前の前記スリップ層となる組成物を積層し、その後前記組成物を硬化させる工程を含む、光学シートの製造方法。
  9. 請求項3に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記基材層と前記スリップ層とを2層押出により形成する工程を含む光学シートの製造方法。
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