JP6927935B2 - 頭皮における炎症リスクの評価方法、および抗炎症物質のスクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、頭皮における炎症リスクの評価方法、および抗炎症物質のスクリーニング方法に関する。
マラセチア(Malassezia)は、脂質要求性の皮膚常在菌である。近年の研究によって、マラセチアが生産するリパーゼが、皮脂を遊離脂肪酸に分解し、当該遊離脂肪酸が炎症を引き起こすことが示唆されている(例えば、非特許文献1を参照)。一方で、頭皮保護用の化粧料や毛髪化粧料の成分として、遊離脂肪酸が多く含まれている馬油および/または椿油が好ましい材料とされているケースもある(例えば、特許文献1および2を参照)。このように、頭皮および/または頭髪に対する遊離脂肪酸の作用に関しては、矛盾した知見が多く存在し、頭皮および/または頭髪に対する遊離脂肪酸の作用については、不明な点が多く残されている。
ところで、頭皮を健康に保つためには、頭皮における炎症リスクを評価する技術が必要であり、現在、このような技術の開発が進められている。頭皮の炎症を評価する方法としては、従来、マイクロスコープを用いて頭皮の拡大画像を取得して当該拡大画像を目視観察する方法、および、当該拡大画像を解析してスコア化する方法が用いられている。一方、頭皮の状態を評価する方法としては、頭皮から得られた試料とタンパク質検出組成物とを接触させた後、上記試料の色、および/または、上記タンパク質検出組成物の色を測定し、当該測定結果に基づいて頭皮の状態を評価する方法が用いられている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2006−63027号公報 特開2016−65025号公報 特表2014−521074号公報
田嶋磨美, Malasseziaと脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎, Jpn. J. Med. Mycol., Vol.46, 163-167, 2005
しかしながら、従来の頭皮の炎症を評価する方法は、マイクロスコープを備えた施設が必要であり、かつ、評価する者の熟練度によって評価結果が異なる、という問題点を有している。一方、従来の頭皮の状態を評価する方法は、頭皮の清潔さ(例えば、フケ)に注目した技術であって、頭皮の炎症リスクを正確に評価できない、という問題点を有している。
本発明の一態様は、簡便かつ正確に頭皮の炎症リスクを評価できる評価方法、および抗炎症物質のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
上述したように、頭皮および/または頭髪に対する遊離脂肪酸の作用については、不明な点が多く残されている。このような状況下にあって、本発明者は、遊離脂肪酸の中でも特に不飽和脂肪酸の量が多くなると頭皮において炎症が発生すること、換言すれば、遊離脂肪酸の中でも特に不飽和脂肪酸が炎症の原因物質であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記の課題を解決するために、本発明の頭皮における炎症リスクの評価方法は、被験者から採取された頭皮脂の中に含まれる不飽和脂肪酸の量を測定する測定工程を含むことを特徴としている。
本発明の頭皮における炎症リスクの評価方法では、上記不飽和脂肪酸は、モノ不飽和脂肪酸、およびジ不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の頭皮における炎症リスクの評価方法では、上記炎症は、脂漏性皮膚炎以外の炎症であることが好ましい。
上記の課題を解決するために、本発明の抗炎症物質のスクリーニング方法は、頭皮のモデル組織と、抗炎症物質の候補物質とを接触させる接触工程と、上記候補物質を接触させていない頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量αと、上記候補物質を接触させた上記頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量βとを比較する比較工程と、上記量αと上記量βとが、α>βの関係を満たした場合に、上記候補物質を抗炎症物質として選択する選択工程と、を含むことを特徴としている。
本発明によれば、簡便かつ正確に、頭皮における炎症リスクを評価できる。また、本発明によれば、簡便に抗炎症物質をスクリーニングすることができる。
本発明の実施例における不飽和脂肪酸の合計量の測定結果を示すグラフである。 (A)〜(C)は、本発明の実施例におけるオレイン酸、パルミトレイン酸、およびリノール酸の各々の量の測定結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態及び実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。本明細書中、数値範囲に関して「A〜B」と記載した場合、当該記載は「A以上B以下」を意図する。
〔1.頭皮における炎症リスクの評価方法〕
本明細書において「炎症リスク」とは、(i)将来的に炎症が発症するリスク、および/または、(ii)既に発症している炎症が、将来的に悪化するリスク、を含む。
本実施の形態の頭皮における炎症リスクの評価方法は、被験者から採取された頭皮脂の中に含まれる不飽和脂肪酸の量を測定する測定工程を有している。
測定工程において量を測定する不飽和脂肪酸は、単一の不飽和脂肪酸であってもよいし、複数の不飽和脂肪酸であってもよい。また、測定される量は、個々の不飽和脂肪酸の量であってもよいし、複数の不飽和脂肪酸の合計量であってもよい。
測定対象である不飽和脂肪酸に含まれる不飽和結合の数は、特に限定されない。当該不飽和脂肪酸は、例えば、モノ不飽和脂肪酸、ジ不飽和脂肪酸、トリ不飽和脂肪酸、テトラ不飽和脂肪酸、ペンタ不飽和脂肪酸、またはヘキサ不飽和脂肪酸であってもよい。頭皮脂中に多く存在し、より正確に頭皮における炎症リスクを評価することができるという観点から、測定対象である不飽和脂肪酸は、モノ不飽和脂肪酸およびジ不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1つの不飽和脂肪酸であることが好ましい。
更に具体的に、測定対象である不飽和脂肪酸は、炭素原子数が、4個以上、14個以上、16個以上、18個以上、20個以上、22個以上、または24個以上である不飽和脂肪酸であってもよい。頭皮脂中に多く存在し、より正確に頭皮における炎症リスクを評価することができるという観点から、測定対象である不飽和脂肪酸は、炭素原子数が16個以上、18個以上、または20個以上の不飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素原子数が16個、18個、および20個の不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1つの不飽和脂肪酸であることがより好ましく、炭素原子数が16個および18個の不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1つの不飽和脂肪酸であることがより好ましい。
更に具体的に、測定対象である不飽和脂肪酸としては、(i)モノ不飽和脂肪酸である、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、およびネルボン酸、(ii)ジ不飽和脂肪酸である、リノール酸、エイコサジエン酸、およびドコサジエン酸、(iii)トリ不飽和脂肪酸である、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、およびエイコサトリエン酸、(iv)テトラ不飽和脂肪酸である、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、およびアドレン酸、(v)ペンタ不飽和脂肪酸である、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、およびテトラコサペンタエン酸、並びに、(vi)ヘキサ不飽和脂肪酸である、ドコサヘキサエン酸、およびニシン酸、を挙げることができる。頭皮脂中に多く存在し、より正確に頭皮における炎症リスクを評価することができるという観点から、測定対象である不飽和脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、およびパルミトレイン酸からなる群から選択される少なくとも1つの不飽和脂肪酸であることが好ましい。より正確に頭皮における炎症リスクを評価することができるという観点から、測定対象である不飽和脂肪酸は、パルミトレイン酸が好ましく、リノール酸がより好ましく、オレイン酸が最も好ましい。
上記炎症は、頭皮に生じる炎症であればよく、特に限定されない。より正確に頭皮における炎症リスクを評価することができるという観点から、当該炎症は、脂漏性皮膚炎以外の炎症であることが好ましい。脂漏性皮膚炎以外の炎症としては、例えば、内因性皮膚炎(例えば、アレルギー性皮膚炎、およびアトピー性皮膚炎)、接触性皮膚炎、乾皮症、および尋常性ざ瘡を挙げることができる。
被験者から頭皮脂を採取する方法は、特に限定されない。例えば、有機溶媒(例えば、ヘキサンとエタノールとの混合溶液)中に浸した布を用いて頭皮を拭き、当該布の表面に頭皮脂を吸着させてもよいし、油とり紙(例えば、麻)を用いて頭皮を拭き、当該油とり紙の表面に頭皮脂を吸着させてもよい。布、または、油とり紙の表面に吸着した頭皮脂は、所望の溶媒(例えば、有機溶媒)を用いて抽出され、その後、後述するMS(Mass Spectrometry)、LC−MS(Liquid Chromatography - Mass Spectrometry)、またはLC−MS/MS(Liquid Chromatography - tandem Mass Spectrometry)に供され得る。
不飽和脂肪酸の量を測定する方法は、特に限定されず、適宜、公知の方法を用いることができる。当該方法としては、例えば、MS、LC−MS、およびLC−MS/MSを挙げることができる。なお、これらの方法は、当該分野に周知であって、具体的な測定手順は、周知の測定手順に従えばよい。
本実施の形態の頭皮における炎症リスクの評価方法は、上述した測定工程の後に、頭皮における炎症リスクを判定する判定工程を有していてもよい。以下に、炎症リスクの判定方法の一例について説明する。
頭皮に炎症を発症していない健常者において、所定の面積(例えば、1cm〜10cm)の頭皮から得られる頭皮脂の中に含まれる不飽和脂肪酸の量をA〔μg〕とし、被験者において、所定の面積(例えば、1cm〜10cm)の頭皮から得られる頭皮脂の中に含まれる不飽和脂肪酸の量をB〔μg〕とする。上記健常者は、炎症を発症していないときの被験者であってもよいし、炎症を発症していない被験者以外の者であってもよい。上記Aは、予め閾値として設定しておいても構わない。
A<Bの場合、好ましくは1.1×A≦Bの場合、より好ましくは1.2×A≦Bの場合、より好ましくは1.3×A≦Bの場合、より好ましくは1.4×A≦Bの場合、より好ましくは1.5×A≦Bの場合、より好ましくは1.6×A≦Bの場合に、被験者の頭皮における炎症リスクが高いと判定することができる。このとき、Bの上限値は、特に限定されず、例えば、10×Aを例示できる。Aと比較してBが大きいほど、炎症リスクがより高いと判定することができる。
上記被験者としては、特に限定されず、例えば、哺乳類、および非ヒト哺乳類を挙げることができるが、ヒトが好ましい。
〔2.抗炎症物質のスクリーニング方法〕
後述する実施例に示すように、遊離脂肪酸の中でも特に不飽和脂肪酸の量が多くなると、頭皮において炎症が発生する。このことは、不飽和脂肪酸の量を低下させることができる物質は、抗炎症物質として機能し得ることを示している。
本実施の形態の抗炎症物質(例えば、頭皮用の抗炎症物質)のスクリーニング方法は、接触工程、比較工程、および選択工程を有している。以下に、各工程について説明する。
上記接触工程は、頭皮のモデル組織と、抗炎症物質の候補物質とを接触させる工程である。
上記候補物質の種類は、特に限定されず、例えば、低分子化合物、高分子化合物、タンパク質、核酸、および糖を挙げることができる。接触工程では、当該候補物質を、所望の溶媒(例えば、PBS(phosphate buffered saline))中に分散させた後、当該溶媒と頭皮のモデル組織とを接触させればよい。
上記頭皮のモデル組織としては、動物(例えば、ヒトまたは非ヒト動物)の皮膚(例えば、頭皮)、動物から採取した皮膚組織(例えば、頭皮組織)、動物から採取した皮膚細胞(例えば、頭皮細胞)、または、当該皮膚細胞の性質を維持した株化細胞を挙げることができる。ただし、皮脂中に含まれる不飽和脂肪酸を測定する必要があることから、皮脂腺を含む、皮膚または皮膚組織が好ましく、皮膚細胞としては、皮脂腺細胞が好ましい。
上記候補物質と頭皮のモデル組織とを接触させた後、当該モデル組織を、所望の時間(例えば、1時間〜100時間、12時間〜72時間、または、12時間〜24時間)だけ培養してもよい。なお、培養時には、候補物質と頭皮のモデル組織との接触を維持してもよいし、維持しなくてもよいが、維持することが好ましい。上記構成であれば、候補物質が頭皮のモデル組織に影響を与えるための十分な時間を確保することができ、その結果、後述する量αと量βとの差異を大きくすることができる。
上記比較工程は、候補物質を接触させていない頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量αと、接触工程において候補物質を接触させた頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量βとを比較する工程であり得る。この場合、量αの測定に用いるモデル組織と、量βの測定に用いるモデル組織とは、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。より具体的に、上記比較工程は、候補物質を接触させる前のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量αと、候補物質を接触させた後の当該モデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量βとを比較する工程であってもよい。この場合、例えば、候補物質を接触させていないモデル組織を用いて量αを測定した後、当該モデル組織に候補物質を接触させ、当該候補物質を接触させた後のモデル組織を用いて量βを測定すればよい。あるいは、上記比較工程は、候補物質を接触させていない頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量αと、当該モデル組織とは別に準備された、候補物質を接触させた頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量βとを比較する工程であってもよい。この場合、例えば、候補物質を接触させていないモデル組織と、候補物質を接触させたモデル組織とを別々に準備し、一方のモデル組織を用いて量αを測定し、他方のモデル組織を用いて量βを測定すればよい。
上記不飽和脂肪酸は、頭皮のモデル組織の表面に存在する不飽和脂肪酸、頭皮のモデル組織の表面から遊離される不飽和脂肪酸、および/または、頭皮のモデル組織の内部に存在する不飽和脂肪酸であってもよい。なお、不飽和脂肪酸の具体的な構成については、〔1.頭皮における炎症リスクの評価方法〕の欄にて既に説明したので、ここでは、その説明を省略する。
不飽和脂肪酸の量の測定方法は、特に限定されず、例えば、MS、LC−MS、およびLC−MS/MSを挙げることができる。
上記選択工程は、量αと量βとが、α>βの関係を満たした場合に、候補物質を抗炎症物質として選択する工程である。
より抗炎症作用が高い抗炎症物質をスクリーニングするという観点から、量αと量βとの関係は、より好ましくは0.9×α≧βであり、より好ましくは0.8×α≧βであり、より好ましくは0.7×α≧βであり、より好ましくは0.6×α≧βであり、より好ましくは0.5×α≧βであり、より好ましくは0.4×α≧βであり、より好ましくは0.3×α≧βであり、より好ましくは0.2×α≧βであり、より好ましくは0.1×α≧βであり、より好ましくは0.01×α≧βであり、最も好ましくは0.001×α≧βある。
スクリーニングされた抗炎症物質は、頭皮の健康状態を維持または改善するための頭皮用組成物(例えば、シャンプー、ローション、コンディショナー、およびトニックなど)の成分として用いることができる。
<1.医師による頭皮診断>
医師による全頭の目視観察によって、頭部に赤みが生じている被験者を抽出した。
具体的に、(A群)日光を頭部に浴びるアウトドアスポーツを日常的に行っている18〜29歳の被験者(20名)、(B群)日光を頭部に浴びないインドアスポーツを日常的に行っている18〜29歳の被験者(10名)、(C群)日常的にスポーツを行うこと無く、インドアにて生活を行っている18〜29歳の被験者(10名)、(D群)日常的に日光を頭部に浴びる生活を行っている40〜49歳の被験者(20名)、および、(E群)日常的にスポーツを行うこと無く、インドアにて生活を行っている40〜49歳の被験者(20名)について、医師による全頭の目視観察を行い、各被験者を3段階に評価した。
評価基準は、頭部に赤みが無い被験者を「0点」と評価し、頭部が少し赤い被験者を「1点」と評価し、頭部がかなり赤い被験者を「2点」と評価した。下記の表に、各群について、各評価を受けた被験者の人数を示す。赤みは、将来的に炎症が発症するリスクとみなすことができる。
Figure 0006927935
医師による全頭の目視観察から、頭部に赤みが生じている被験者(「1点」および「2点」と評価された被験者)が見出された。なお、これらの被験者で生じている赤みは、脂漏性皮膚炎ではないことが明らかになった。
<2.頭皮脂中に含まれる不飽和脂肪酸の解析−1>
各被験者の頭皮(3cmのエリア)を、ヘキサンとエタノールとを1:1にて含む溶液中に浸したコットンを用いて拭き、これによって、頭皮脂を回収した。
コットンから、頭皮脂を含む溶液を回収し、当該溶液を、LC−MS/MS(Waters、Acquity(登録商標)、UPLC−Xevo(登録商標)、G2 Qtof)に供し、溶液中に含まれる不飽和脂肪酸(主として、オレイン酸、パルミトレイン酸、およびリノール酸)の合計量を定量した。その結果を、図1に示す。
図1から明らかなように、頭部に炎症が生じている被験者では、不飽和脂肪酸の合計量が多いことが明らかになった。
<3.頭皮脂中に含まれる不飽和脂肪酸の解析−2>
各被験者の頭皮(3cmのエリア)を、ヘキサンとエタノールとを1:1にて含む溶液中に浸したコットンを用いて拭き、これによって、頭皮脂を回収した。
コットンから、頭皮脂を含む溶液を回収し、当該溶液を、LC−MS/MS(Waters、Acquity(登録商標)、UPLC−Xevo(登録商標)、G2 Qtof)に供し、溶液中に含まれるオレイン酸、パルミトレイン酸、およびリノール酸の各々の量を定量した。その結果を、図2に示す。
図2から明らかなように、頭部に炎症が生じている被験者では、オレイン酸、パルミトレイン酸、およびリノール酸の各々の量が多いことが明らかになった。
本発明は、頭皮の炎症を診断または治療する分野、および、頭皮の健康状態を維持または改善するための頭皮用組成物(例えば、シャンプー、ローション、コンディショナー、およびトニックなど)を製造する分野に、広く利用することができる。

Claims (3)

  1. 被験者から採取された頭皮脂の中に含まれる不飽和脂肪酸の量を測定する測定工程を含む、頭皮における炎症リスクの評価方法であって、
    上記炎症は、脂漏性皮膚炎以外の炎症である、炎症リスクの評価方法
  2. 上記不飽和脂肪酸は、モノ不飽和脂肪酸およびジ不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の評価方法。
  3. 頭皮のモデル組織と、抗炎症物質の候補物質とを接触させる接触工程と、
    上記候補物質を接触させていない頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量αと、上記候補物質を接触させた上記頭皮のモデル組織に由来する不飽和脂肪酸の量βとを比較する比較工程と、
    上記量αと上記量βとが、α>βの関係を満たした場合に、上記候補物質を抗炎症物質として選択する選択工程と、を含む、抗炎症物質のスクリーニング方法であって、
    上記炎症は、脂漏性皮膚炎以外の炎症である、抗炎症物質のスクリーニング方法
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