JP6927910B2 - 封止用接着剤組成物、封止用部材および電子部材 - Google Patents

封止用接着剤組成物、封止用部材および電子部材 Download PDF

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Description

本発明は封止用接着剤組成物、封止用部材および電子部材に関する。
近年、深紫外線LED(Light Emitting Diode:発光素子)などの発光ダイオード;水晶振動子、SAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波フィルター)、ローノイズアンプ等の高周波デバイス;パワーデバイス;加速度センサーなどについての封止技術が注目されており、技術開発が重ねられている。たとえば、深紫外線LEDの封止として、ガラス蓋材と凹型の中空セラミックパッケージ(PKG)とをシール剤で気密封止する、いわゆる気密封止(中空PKG)構造が採用されている。
上記蓋材としては、深紫外領域の波長の透過率が高い石英ガラスを用い、PKGであるセラミックには熱伝導性が高い窒化アルミを用いることが多い。PKGを封止する封止剤としては、金錫共晶半田などの無機系封止剤があり、低透湿性に優れているが、石英ガラスと窒化アルミとの熱膨張係数の差に起因してPKGの封止後に蓋材の剥がれや、割れなどの不具合が生じ得るため、無機系封止剤の配合、封止方法などに複雑なノウハウが必要となってしまう。一方、特許文献1のように樹脂を材料とした有機系封止剤は無機系封止剤と異なり、熱膨張差を起因した蓋材の剥がれ、割れなどが生じ難い点で有利である。また、特許文献1の封止剤は、吸湿剤を含有することで水蒸気に対する高バリア性を改善している。
特表2005−516369号公報
しかしながら、特許文献1では、吸湿剤を含有するに留まり、十分なバリア性を達成できておらず、さらに高い要求に対応困難な場合がある。当該問題を鑑み、本発明が解決すべきは、より優れた低透湿性の封止用樹脂組成物を提供する点にある。
本発明者らは、鋭意検討し、以下の発明を見出すに到った。本発明には、以下の形態が含まれる。
<1>樹脂、層状無機物、および吸湿剤を含有することを特徴とする封止用接着剤組成物。
<2>上記層状無機物を0.5〜15体積%含有することを特徴とする<1>に記載の封止用接着剤組成物。
<3>上記層状無機物の平均面積が、1〜100μmであることを特徴とする <1>または<2>に記載の封止用接着剤組成物。
<4>上記吸湿剤を0.5〜20重量%含有することを特徴とする<1>〜<3>の何れかに記載の封止用接着剤組成物。
<5>上記吸湿剤の平均粒子径が1nm〜10μmであることを特徴とする<4>に記載の封止用接着剤組成物。
<6><1>〜<5>の何れかに記載の封止用接着剤が透光性の蓋材に塗布されてなることを特徴とする封止用部材。
<7>開口が形成されたパッケージ内に被封止部品が収容された電子部材であって、
上記開口が、<1>〜<5>の何れかに記載の封止用組成物によって封止されていることを特徴とする電子部材。
本発明の封止用接着剤組成物は、樹脂、層状無機物および吸湿剤を含有しており、層状無機物同士の間に吸湿剤が存在していることによって、層状無機物による水分の通過経路が複雑化され、さらに吸湿剤による水分補足との相乗効果により、低透湿性を実現できる。
本発明に係る封止用接着剤組成物を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る発光ダイオードを示す断面図である。
本発明の封止用接着剤組成物(以下、適宜「接着剤組成物」を略す)、封止用部材および電子部材について本実施形態にて説明するが、当該説明は本発明を不当に制限するものではない。本発明の接着剤組成物は、樹脂、層状無機物、および吸湿剤を含有する。当該接着剤組成物は硬化することができ、好適な用途として発光ダイオードのパッケージなどの封止用途に使用できる。
〔樹脂〕
本発明の接着剤組成物に含有される樹脂は、接着剤組成物の基礎となるものであり、樹脂骨格となる高分子であるいわゆる主剤と、主剤同士を架橋する硬化剤とが含まれ、さらには硬化促進剤なども樹脂に含有される。
主剤は、発光ダイオードなどの封止に不具合の要因とならなければ特に限定されない。一例として、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、イソシアナート樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ナジイミド樹脂等などが挙げられる。これらの主剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。本発明の接着剤組成物は、主剤などの樹脂を基本構造としており、無機系封止剤に比べて柔軟性に富み、剥がれ、割れが生じ難い。
〔硬化剤〕
硬化剤は主剤を硬化させる成分であり、硬化剤としては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトリアミン等のアミン系化合物、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらを単独または2種以上混合して用いてもよい。
更に硬化剤としてレゾール型、ノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂を用いてもよい。フェノール樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、アミノ基、シアノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの等が挙げられる。
〔応力緩和剤〕
応力緩和剤は、樹脂へ応力緩和性を付与するものであり、樹脂に任意に含有される。応力緩和性としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂及びその変性物、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンゴム−スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリルニトリル、6-ナイロン、6,6-ナイロン、6T−PA、9T−PA、MXD6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどの塩素樹脂、ポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース樹脂等、ならびにオレフィン系エラストマー、グリシジル変性オレフィン系エラストマー、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、クロロプレンゴム、ヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム〕、シリコーンゴム〔例えば、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕等などが例示される。また、本発明の樹脂には、硬化反応促進剤、層状無機物に対する密着性付与剤など、本発明の接着剤組成物の目的を妨げない範囲で、種々の有機物を含有してかまわない。
接着剤組成物における樹脂の含有量はその種類に応じて適宜変更すればよいが、接着剤組成物において、例えば、60〜90重量%、より好ましくは70〜90重量%である。
〔層状無機物〕
層状無機物は、蒸気などの水分に対して防湿性を備えており、水分の通過を抑制し、低透湿性に寄与する。具体的な層状無機物としては、グラフェン、スメクタイト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、パールマイカなどが挙げられる。また、層状無機物は、紫外線遮断効果を備えることがより好ましく、これにより、紫外線に起因する樹脂の劣化を抑制可能である。
接着剤組成物における水分の通過経路を長距離とすべく、層状無機物の平均厚さは薄く、平均面積は広い方が好ましい。層状無機物の平均厚さまたは平均面積とは、樹脂組成物の断面をSEM観察した際の厚さまたは面積の算術平均を示し、100個の層状無機物の平均値から算出すればよく、観察には光学顕微鏡などが使用可能である。
層状無機物の平均厚さは、0.33nm以上、500nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上、300nm以下である。また、層状無機物の平均面積は、1μm以上、100μm以下が好ましい。
接着剤組成物において、層状無機物が占める体積割合は高いほど、水分を透過し難いが、接着剤組成物の粘度を好適な範囲とするよう考慮すると、層状無機物の体積充填率は、好ましくは0.5〜15体積%であり、より好ましくは1〜15体積%、さらに好ましくは3〜12体積%であり、特に好ましくは5〜10体積%である。グラフェンの場合、上記範囲を重量%で示すと、1〜41重量%が好ましく、より好ましくは2〜41重量%であり、さらに好ましくは6〜32重量%、特に好ましくは11〜26重量%である。
〔吸湿剤〕
本発明の接着剤組成物は吸湿剤を含む。これにより、接着剤組成物に含まれた水分が吸湿剤で捕捉され、層状無機物による防湿性に重ねて、低透湿性に優れた接着剤組成物を提供可能である。吸湿剤は低サイズである方が、層状無機物間に存在し易く、層状無機物との相乗効果がより得られる。吸湿剤の平均粒子径は、例えば、1nm〜10μmであり、光学顕微鏡観察などによって測定した100個の粒子径の平均値から算出される。
吸湿剤は吸水作用を生じるものであればよく、有機物、無機物を問わない。吸水剤としては公知物を使用すればよく、特に限定されないが、粘土鉱物、ゼオライト、シリカゲル、メソポ−ラスシリカ、高分子吸収剤などが挙げられる。
吸湿剤の接着剤組成物における含有量は、接着剤組成物の塗布性などを考慮して適宜設定すればよい。吸湿剤の含有量が多いと吸湿効果が高まる点で望ましく、少ないと未硬化状態の接着剤組成物の塗布性が良好となる。接着剤組成物における吸湿剤の含有量は、吸湿剤の種類、吸湿効果と塗布性(粘度)のバランスを考慮して適宜設定され、一例としては、0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜15重量%であり、さらに好ましくは5〜10重量%である。
また、接着剤組成物は層状無機物および吸湿剤の両方を含有し、接着剤組成物を調製する際、これらの総含有量が増加すると、非常に粘度が高まる傾向となる。したがって、吸湿剤の含有量だけでなく、層状無機物の体積%も好ましい範囲とすることが非常に好ましい。
〔紫外線吸収剤、紫外線遮断剤〕
紫外線吸収剤および紫外線遮断剤は、結着樹脂の紫外線による劣化を抑制するために有用であり、硬化樹脂の劣化による変色、封止用硬化剤と封止物(パッケージなど)との接着力の低下などが抑制される。ゆえに、接着剤組成物が、紫外線遮蔽効果を有する場合に、さらに紫外線耐性が高まることとなる。
紫外線吸収剤としては、カーボン、ヒドロキシフェニルントリアジン、ベンゾトリアゾール、シアノアクリレート、ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられ、単独、または吸収波長に考慮し、複数種類を併用してもよい。また、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を組み合わせても良い。紫外線遮断剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられ、これらは表面が疎水処理、または不活性処理されていることが好ましい。
紫外線吸収剤および紫外線遮断剤の粒子径は、大きすぎると接着剤組成物による封止を妨げるおそれがあるため、好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。
〔同定方法〕
接着剤組成物に含有される樹脂、層状無機物、吸湿剤などの同定は、接着剤組成物から採取し、IR、X線回折、質量分析等の公知の測定方法を用いて分析可能である。
〔接着剤組成物の物性〕
接着剤組成物の透湿度は低いほど好ましく、接着剤組成物によって封止する封止対象物、または封止対象物の使用環境などに応じて要求水準は異なるが、深紫外線発光ダイオードを封止対象物とする場合、透湿度は、2.0g/(m2・24h)以下であることが好ましく、1.0g/(m2・24h)以下であることがさらに好ましい。
また、接着剤組成物は、紫外線を受けて黄変し難いことが望ましい。接着剤組成物が黄変すると接着強度の低下を生じるため、黄変度は100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。黄変が100を越え、特に120以上であると、接着強度は初期強度の半分以下に低下し、外観上の品位も低下する。
〔接着剤組成物の調製〕
接着剤組成物の調製は、上記原材料を混合または混練してなされる。原材料の混合物の粘度等に応じて混合(混練)手段は混合物が均一になるよう適宜変更すればよく、ロールミル、自転・公転式のミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ボ−ルミル、ニーダーなどが挙げられる。
未硬化の接着剤組成物は、封止前に封止対象物または封止用の蓋材に塗布されるため、所定範囲の粘度であることが好ましい、粘度が低すぎると接着剤組成物の流動性が高いため、所定範囲に塗布し難く、粘度が高すぎると流動性が低いため、塗布し難い。25℃における好ましい接着剤組成物の粘度は、100,000〜800,000mPa・sであり、さらに好ましくは200,000〜500,000mPa・sである。
本発明の接着剤組成物は、所定の原材料を含有していれば該当し、硬化の程度は問われない。すなわち、(1)未乾燥の硬化が進行していない状態、(2)乾燥が不十分であり、硬化が未完了の状態(半硬化)、および(3)十分に乾燥させ、硬化物となった状態のいずれであっても、接着剤組成物に該当する。
図1は、接着剤組成物10を示す断面図であり、接着剤組成物を薄層に塗布した状態を示している。説明を簡便とするため、接着剤組成物10の断面における樹脂1、層状無機物2および吸湿剤3のみを示している。接着剤組成物10では、樹脂1がベースとなり、その中に層状無機物2および吸湿剤3が包含されている。
接着剤組成物10中には複数の層状無機物2が存在することによって、接着剤組成物10の一面から浸入した水分が層状無機物2の存在によって最短距離で接着剤組成物10の他方の面に到達できない。経路Aに示すように、水分は少なくとも層状無機物2の表面に沿って移動を余儀なくされる。さらに、吸湿剤3によって水分が吸着されるため、水分が接着剤組成物10を通過することを非常に困難にしている。当該構造によって本発明の接着剤組成物10は、非常に優れた低透湿性を備えている。また、接着剤組成物10の硬化が進行するほど、水分は接着剤組成物10に浸入し難くなり、より低透湿性となるので好ましい。
〔封止方法〕
封止における接着剤組成物の塗布、硬化条件は特に限定されず、封止対象物や、接着剤組成物の粘度、硬化温度などの特性に応じて適宜変更すればよい。封止対象物は、開口を有しており、その開口を高い気密性にて封止されることが要されるものであればよい。例えば、深紫外線LED(Light Emitting Diode:発光素子)などの発光ダイオード、水晶振動子、SAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波フィルター、ローノイズアンプ等の高周波デバイス、パワーデバイス、加速度センサーが例示される。
封止対象物を封止する封止用の透光性の蓋材を用いる場合、接着剤組成物を封止対象物に塗布してもよいし、蓋材に塗布してもよし、両方に塗布してもかまわない。透光性とは、光を透過する機能を示し、封止対象物の機能を妨げなければ特に限定されない。蓋材の材料としては、石英ガラス、硼珪酸ガラス、サファイアガラスなどの透光性を有するガラス、またはセラミックなどが例示される。接着剤組成物を、封止対象物または蓋材に塗布する手段は特に限定されず、公知の手法を用いることができ、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷、パッド印刷などを用いればよい。
〔封止用部材〕
本発明の封止用部材とは、蓋材に接着剤組成物が塗布されているものであり、接着剤組成物を封止対象物に密着させ、その後、硬化することによって封止対象物を封止する。例えば、蓋材として透光性の蓋材を挙げることができ、当該蓋材に接着剤組成物を塗布したものが封止用部材である。これは、発光ダイオードにおけるパッケージの封止に好適に使用できる。
〔接着剤組成物の提供形態〕
本発明の接着剤組成物は容器に収容した状態で提供してもよいし、高分子フィルムなどの基材フィルムに塗布した状態で提供してもよい。また、蓋材に塗布した接着剤組成物側に保護フィルムを貼合した状態を封止用部材とし、これを提供してもかまわない。上記形態の樹脂組成物は、未硬化、半硬化または硬化した状態のいずれであってもよい。
〔電子部材〕
本発明の電子部材は、開口が形成されたパッケージ内に被封止部品が収容された電子部材であって、上記開口が、上記封止用組成物によって封止されている。電子部材としては、深紫外線LED(Light Emitting Diode:発光素子)などの発光ダイオード;水晶振動子、SAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波フィルター)、ローノイズアンプ等の高周波デバイス;パワーデバイス;加速度センサーなどが挙げられる。また、被封止部品としては、LEDチップ、加速度センサ、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)などの磁気抵抗素子などが挙げられる。パッケージの材料としては、セラミックスなど公知の部材が挙げられ、電子部材の特性に応じて適宜変更すればよい。
図2は、電子部材の一例として、発光ダイオード20を接着剤組成物10で封止した状態を示す断面図である。同図に示すように、発光ダイオード20では、パッケージ4にLEDチップ(発光素子)5が収容されており、セラミックのパッケージ4の開口6は、透光性の蓋材7に塗布された接着剤組成物10によって封止されている。LEDチップとしては、各種色のLEDチップが挙げられ、深紫外線LEDチップも含まれる。
発光ダイオード20の封止の手順として一例を挙げると、パッケージ4にLEDチップ5を実装後、60〜80℃に加熱状態で接着剤組成物10が塗布された石英ガラスなどの透明の蓋材7をチップマウンター、チップボンダー等でピックアップし、アライメントしながら仮付けする。仮付け後、加熱しながら加圧できる高温プレス装置などで150〜160℃で1時間加熱圧着して封止しても良い。高温プレス装置が無い場合、バネ等で加圧可能な定圧クリップを使用し、パッケージ4と透明蓋材7をクリップし、オーブンにて150〜160℃で1時間加熱圧着し封止しても良い。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例および比較例で得た確認用粉体の各評価は以下のように行った。
<混合物の粘度>
接着剤組成物の粘度測定は、JIS Z8803 液体の粘度測定方法に準じた円すい−平板形の回転粘度計(東機産業社製 E型粘度計)を用いて行う。
試験条件は、試験温度25℃、ずり速度1.0s-1(コーンロータ:3.0°×R14mm、回転数0.5rpm)で測定を行った。
<透湿度>
透湿度の測定において使用した器具は以下の通りである。
・透湿カップ冶具
メーカー:テスター産業株式会社製
型番:PA-201、カップ透過寸法φ60mm(透過面積28.26cm2)
・恒温恒湿器
メーカー:エスペック株式会社
型番:小型環境試験器 SH-241
・計量はかり
メーカー:ザルトリウス・ジャパン
型番:BP210D
測定試料の作製は以下の手順にて行う。まず、未硬化の液状樹脂(接着剤組成物)の4〜5g程度を離型PETフィルム上に載せ、さらに液状樹脂上に他の離型PETフィルムを被せ、PETフィルム間に300μm厚のスペーサーを挟んだ状態でプレス加工して、液状樹脂の厚みを300μmに調整後、硬化処理してシート状に成形する。
当該シートをφ70mmにカットし、透湿カップ内に塩化カルシウムを入れたシャーレを入れ、試料を被せ、封ろう材で封止する。
上記試料に対する透湿度の測定は、JIS Z0280 防湿材料の透湿度試験方法に準じて行う。
温湿度試験条件:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%、試験時間:24時間
上記試料を環境試験装置に16時間以上入れた後、試験開始重量を測定し、再び環境試験装置に戻し、24時間後にカップの質量を測定し、以下の算出式から透湿度を算出する。
Figure 0006927910
深紫外線発光ダイオードを考慮し、透湿度は、2.0g/(m2・24h)以下であれば良好、1.0g/(m2・24h)以下ではより良好と判断する。
<黄変度>
黄変度の測定において使用した器具は以下の通りである。
・紫外線照射機
メーカー:ウシオ電機
型番:SP7 250DB(直接照射光学ユニットを装着)
・ランプ
メーカー:ウシオ電機
型番:Deep UVランプ UXM-Q256BY
・積算光量計(照度計)
メーカー:ウシオ電機
本体型番UIT-250
受光センサー型番:UVD-S254
・試料の画像撮影
メーカー:株式会社キーエンス
型番:デジタルマイクロスコープVHX-5000
・色情報採取ソフト
メーカー:フリーソフト
型番:パワースポイトVer. 2.2
5mm×5mm×0.5tmmの石英ガラスチップ(蓋材)に未硬化の液状樹脂を0.0020〜0.0030gディスペンス塗布し、65℃、24時間で半硬化させる。半硬化物を酸化アルミニウムの純度が96%のアルミナ基板と接着し、150〜160℃×1時間に加熱・加圧し、本硬化させる。
・紫外線照射試験条件
照度:1000mW/cm2 @波長254nm
照射時間:20時間
(=積算光量72,000J/cm2
上記紫外線照射条件にて、紫外線照射試験前後の試料を画像撮影し、画像からパワースポイトを使って、RGB値を採取する。さらに、RGB表色系をXYZ表色系に変換して簡易的に黄色度を算出し、黄変度を算出する。接着剤組成物が黄変すると接着強度の低下を生じるため、黄変度は100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。黄変が120以上であると、接着強度は初期強度の半分以下に低下し、外観上の品位も低下する。
<原材料>
実施例および比較例で使用した表1の原材料は以下の通りである。
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
アミン系硬化剤:ジアミノジフェニルメタン系硬化剤
イミダゾール:2,4-ジアミノ-6-[2’メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物
シランカップリング剤:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
シリカ
カーボンブラック
グラフェン1(平均層厚0.09μm、平均断面積10μm2)、
グラフェン2(平均層厚0.0015μm、平均断面積90μm2
グラフェン3(平均層厚0.00025μm、平均断面積49μm2
吸湿材1:合成イモゴライト(平均粒子径1.3μm)
吸湿材2:合成ゼオライト(平均粒子径4〜6μm)
イソプレンゴム:イソプレン重合物の無水マレイン酸付加物
〔実施例1〕
接着剤組成物を作製するにあたり、表1に記載の原材料(重量単位はグラム)を、自転式攪拌ミキサーによって攪拌・混合した後、3本ロールによって樹脂中に層状無機物を十分に分散させ、真空脱泡攪拌することで未硬化の液状樹脂(接着剤組成物)を得た。
〔実施例2〜4、比較例1、2〕
実施例2〜4、比較例1,2では、実施例1と同様の手順で、原材料の処方を表1に記載のように変更して液状樹脂を得た。表1、2中、vol%は体積%を、wt%は重量%を示し、粘度の単位はmPa・sであり、透湿度の単位は2.0g/(m2・24h)である。
Figure 0006927910
Figure 0006927910
実施例1では、グラフェン1を5体積%使用し、吸着剤1を10重量%使用したところ、粘土が170000、透湿度が0.8、黄変度が43の接着剤組成物が得られた。当該接着剤組成物は、少量のグラフェン1を含有しているため、比較的扱い易い粘度であり、黄変度が43であることから、紫外線吸収剤または紫外線遮蔽剤を含有せずとも、グラフェン1によって高い紫外線耐性を有していることが分かる。
実施例2では、グラフェン1を7体積%に増加させたところ、粘度が402000に増加したが、封止用途として使用するにあたり許容範囲内であり、また、透湿度および黄変度も良好であった。実施例3では、2種類の吸湿剤を併用したが、透湿度および黄変度共に良好であった。実施例4、5では、グラフェン1よりも平均層厚が薄いグラフェン2、3をそれぞれ用いたところ、透湿度および黄変度が共に良好な結果が得られた。
一方、比較例1では、グラフェン(層状無機物)および吸湿剤の両方を使用しておらず、透湿度が3.8と高い値となっており、比較例2でも同様である。また、比較例3では、グラフェン1を使用したが、吸湿剤1を使用しておらず、透湿度が2.1と高い水準となっており、吸湿剤の併用が重要であることが分かる。さらに、比較例4では、グラフェンを使用せず、吸湿剤を使用していない。この場合にも透湿度は高い結果であり、本発明の接着剤組成物のように、低透湿性を実現できなかった。
1 樹脂
2 層状無機物
3 吸湿剤
4 パッケージ
5 LEDチップ(発光素子)
6 開口
7 蓋材
10 接着剤組成物
20 発光ダイオード

Claims (7)

  1. 樹脂、グラフェン、および吸湿剤を含有することを特徴とする封止用接着剤組成物。
  2. 上記グラフェンを0.5〜15体積%含有することを特徴とする請求項1に記載の封止用接着剤組成物。
  3. 上記グラフェンの平均面積が、1〜100μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の封止用接着剤組成物。
  4. 上記吸湿剤を0.5〜20重量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の封止用接着剤組成物。
  5. 上記吸湿剤の平均粒子径が1nm〜10μmであることを特徴とする請求項4に記載の封止用接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の封止用接着剤が透光性の蓋材に塗布されてなることを特徴とする封止用部材。
  7. 開口が形成されたパッケージ内に被封止部品が収容された電子部材であって、
    上記開口が、請求項1〜5の何れか1項に記載の封止用組成物によって封止されていることを特徴とする電子部材。
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