JP6925875B2 - 多層食品 - Google Patents

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Description

本発明は、食感、色等を異にする複数の層からなる多層食品に関する。
従来、複数の層からなる多層食品を工業的に有利に製造する方法が種々検討されている。特に、複数のゲル状層からなる多層食品の分野において検討が盛んであり、当該分野では二層のゲル溶液を連続的に充填する方法が広く検討なされている。中でも、比重・粘度が異なる2つのミックス液を連続的に充填し、比重の大きいミックス液を沈降させ、下位層でゲル化させる多層食品の製造方法(特許文献1、特許文献2)が挙げられる。しかし、この方法では、出来上がったゼリー製品の食感が損われ、ゼリーとは言えないものとなるという問題があった。また、この方法では、容器を振動させると層の分離が上手くいかない場合があり、デリケートな操作を必要とされ、工業的に製造するには向かない場合があるという問題があった。
また従来、ブリックスの大きいミックス液を先に充填し、連続してブリックスの小さいミックス液を充填して、冷却固化してなる二層ゼリーの製造方法が検討なされている。例えば、各ゼリー調合原料に増粘剤としてキサンタンガムを添加しておく方法(特許文献3)、任意のゲル化剤を水に溶解した水性液とキサンタンガムとグルコマンナンを水に溶解した水性液を混合し冷却することを特徴とする二層ゼリーの製造法(特許文献4)が挙げられる。しかし、これらゼリーに使用されるキサンタンガムは、他の多層類と相互作用を起こす場合があり、処方が制限されるという問題があった。また、キサンタンガムは曳糸性を有するため、充填時の作業性が悪いという問題があった。
特開昭50−36652号公報 特開昭61−1349号公報 特開昭61−128846号公報 特開平7−79715号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、食感、色等を異にする複数の層からなる多層食品であり、複数の層が明瞭に分離した多層食品を、簡便に提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねていたところ、多層食品において少なくとも一層にウェランガムを含有させることにより、上記課題を解決できることを見出した。具体的には、本発明は以下の態様を有する多層食品に関する。
項1.少なくとも一層にウェランガムを含有する多層食品。
項2.少なくとも一層がゲル状である、項1に記載の多層食品。
項3.ウェランガムを含有する層におけるウェランガムの含量が0.01〜3.0質量%である、項1又は2に記載の多層食品。
また、本発明は以下の態様を有する多層食品の製造方法に関する。
項4.少なくとも一層にウェランガムを含有する多層食品の製造方法であって、多層食品の各層を形成する原料ミックスを連続的に充填することを特徴とする多層食品の製造方法。
項5.前記多層食品の少なくとも一層がゲル状である、項4に記載の多層食品の製造方法。
項6.多層食品の各層を形成する全ての原料ミックスを充填した後に、ゲル化工程を経ることを特徴とする、項5に記載の多層食品の製造方法。
本発明によれば、食感、色等を異にする複数の層からなる多層食品であり、層が明瞭に分離し、食感が良好な多層食品を、簡便に提供することができる。
本発明でいう「多層食品」は、少なくとも一層がウェランガムを含有すればよく、多層の状態としては、ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせ、ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせ、又は非ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせが挙げられる。好ましくは、ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせ、又はゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせである。なお、ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせの場合、ゲル状層と非ゲル状層のいずれが上層となってもよい。
また、本発明でいう「多層食品」は、ゲル状層及び/又は非ゲル状層を3層以上組み合わせたものであってもよい。
なお、本発明において「ゲル状層」とは、具体的には20℃の品温で1〜2分間静置した場合に保形性を有し、且つ自重で流動しないもの、つまり20℃の品温で静置後1分と静置後2分の間でその形状が変わらないものを意味する。また「非ゲル状層」とは、20℃の品温で2分間静置した場合に自重で流動し保形性を有しないか、または20℃の品温で静置後1分と静置後2分の間でその形状が変わるものを意味する。なお、これらはいずれも標準大気圧(1atm)条件での状態を意味する。
本発明におけるゲル状層は、上記の定義に該当する限り特に限定されないが、例えば、ゼリー、ムース、プリン、ババロア、フラン、ブラマンジュ、ハードヨーグルト、水ようかん、ジャム、グミキャンディ等の洋風・和風の菓子・デザート類や、煮こごり、ゼリー寄せ、テリーヌといったゼリー状、ムース状の食品類を広く挙げることができる。本発明の多層食品は、同種又は異種のゲル状層を組み合わせてよい。例えば、ゼリーにゼリーを積層した二色ゼリーや、ゼリー中にゼリーを点在させたゼリーインゼリー、またプリンにムースやもち状の食品を配置した二色デザート等を挙げることができる。
本発明における非ゲル状層は、上記の定義に該当する限り特に限定されないが、例えば、ゲル状層と共に喫食できるソース、クリーム等の食品類を広く挙げることができ、具体的には、プリン用のカラメルソース、ミルクプリン用のフルーツソース、その他デザート用のホイップクリーム、シロップ、ジャム、ゲル状米飯用のカレーソース等を挙げることができる。
また、本発明の多層食品は、同種あるいは異種の非ゲル状層(例えば、果汁飲料、ドリンクヨーグルト、ドレッシング等)を組み合わせて調製することもできる。
1.多層食品
本発明は、多層食品において少なくとも一層にウェランガムを含有させることを特徴とする。
ウェランガムは、アルカリジェネス属(Alcaligene organism)ATCC31555の接種により、制御された条件下に、炭素源、窒素源及び無機塩源を有する適当な水性栄養培地の好気性形成により製造され、当該培養液より分離して得られた多糖類であり、特開平5−213650号公報、米国特許第4,342,866号等において説明されている。簡便には、一般に流通している市販製品を利用することが可能であり、具体的には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のビストップ(登録商標)W等が例示できる。
本発明の多層食品は、二層以上にウェランガムを含有してよく、隣接する各層にウェランガムを含有してもよい。また、ゲル状層及び/又は非ゲル状層のいずれにウェランガムを含有してもよい。
本発明の多層食品において、ウェランガムを含有する層におけるウェランガムの含量は特に制限されないが、通常0.01〜3.0質量%であり、好ましくは0.05〜1.0質量%、より好ましくは0.1〜0.8質量%である。3.0質量%を上回ると食感が重くなる場合があり、0.01質量%を下回ると層が明瞭に分離しない場合がある。
従来、多層食品の層を明瞭に分離させるためには、隣接する各層のブリックス差を大きくする必要があり、例えばブリックス差を20度以上とする必要があった。しかしながら、本発明によれば、ウェランガムを含有する層と、当該層に隣接する他層とのブリックス差が15度以下、さらには10度以下であっても、層が明瞭に分離した多層食品を調製することができる。なお、ブリックスが大きい方の層と小さい方の層のいずれにウェランガムを含有してもよい。
ゲル状層及び/又は非ゲル状層には、本発明の効果を損ねない範囲で、目的に応じてウェランガム以外の多糖類を配合することができる。前記多糖類は、ゲル化剤、増粘剤、安定剤等の用途で通常食品に使用されるものであれば特に制限されず、例えばカラギナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ファーセレラン、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、グアーガム、アラビアガム、ジェランガム、プルラン、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、発酵セルロース、微結晶セルロース、寒天、ゼラチン等が例示される。これら多糖類は、ゲル状層及び/又は非ゲル状層に単独で含まれていてもよいし、また2種以上の組み合わせで含まれていてもよい。
ゲル状層及び/又は非ゲル状層におけるウェランガム以外の多糖類の含量は、使用される多糖類の種類・使用用途、及び調製される食品の種類等に応じて適宜設定することができる。
さらに、本発明の多層食品には、本発明の効果を損ねない範囲で、必要に応じて、糖類、甘味料、高甘味度甘味料、乳原料、起泡性素材、酸味料、調味料、中和剤、カラメル、色素、香料、果汁、ピューレ、保存料、エキス、pH調整剤、糊料、洋酒、ビタミン、ミネラル類、ゼリービーズや数mm角にカットした果実、柑橘系果実のさのう、ナタデココ等固形物を添加することができる。
2.多層食品の製造方法
本発明の多層食品は、当該多層食品の各層を形成する原料ミックスを個別に調製し、係る原料ミックスを連続して充填することにより製造することができる。この際、各原料ミックスの充填順序は任意である。例えば、ブリックスが小さい方の原料ミックスを充填した後、連続して、ブリックスが大きい方の原料ミックスを充填する方法、又はブリックスが大きい方の原料ミックスを充填した後、連続して、ブリックスが小さい原料ミックスを充填する方法のいずれを採用してもよい。
なお、本発明の多層食品は、当該多層食品の各層を形成する原料ミックスを個別に調製し、係る原料ミックスを同時に充填することによっても製造することができるが、好ましくは上記の連続充填方法が採用される。
また、本発明の多層食品がゲル状層を含む場合は、ゲル状層を形成する原料ミックスを充填してゲル化工程を経た後に他の原料ミックスを充填するという煩雑な方法を採用せずとも、全ての原料ミックスを充填した後にゲル化工程を経るという簡便な方法により、層が明瞭に分離した多層食品を製造することができる。前記ゲル化工程は公知の方法であれば特に制限されず、例えばゲル状層を形成する原料ミックスのゲル化点以下まで冷却する方法が挙げられる。
また、本発明によれば、加熱殺菌工程を経た場合であっても、層が明瞭に分離した多層食品を調製することができる。具体的には、多層食品の各層を形成する原料ミックスに120〜150℃、1〜120秒のUHT殺菌を行った後に充填した場合や、全ての原料ミックスを充填した後に85℃で30分間のボイル殺菌や、121℃で20分間のレトルト殺菌の工程を経た場合であっても、層が明瞭に分離した、良好な外観を有する多層食品を調製することができる。
更に、本発明により得られる多層食品は、少なくとも一つの層にウェランガムを含有させることによって多層食品の食感が損われることがなく、良好な食感を有する。また、ウェランガムを含有する層からの離水が抑制されるため、多層食品の味質が損われることがない。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、本発明において特に記載しない限り、「%」は質量%、「部」は質量部、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を意味するものとする。
実験例1 多層食品の調製1
表1の処方に従い、原料ミックスA(Brix26.2度)を調製した。具体的には、粉体混合した砂糖、ゲル化剤及びクエン酸三ナトリウムを水に添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次に、50%クエン酸溶液を添加し、水で全量補正した後、80℃に調温した。
Figure 0006925875
続いて、表2の処方に従い、原料ミックスB(Brix16.8度)を調製した。具体的には、粉体混合した砂糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウム及び表3に掲げる多糖類を水に添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次に、色素及び50%クエン酸溶液を添加し、水で全量補正をした後、80℃に調温した。
Figure 0006925875
続いて、100ml容の容器に原料ミックスAを70ml充填した後に、原料ミックスBを30ml充填した。次に、85℃で30分間加熱殺菌を行い、8℃で3時間冷却して、ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品(実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−23)を得た。
上記で得られた多層食品の層の分離状態を、下記基準に従い外観観察により行なった。結果を表3に示す。
<層の分離状態の評価>
◎:境界面が極めて明瞭である。
〇:境界面が明瞭である。
△:境界面が不明瞭である。
×:2つの層が混ざり、境界がない。
また、上記で得られた多層食品について、表3に掲げる多糖類を含まない多層食品を対照とした食感への影響を評価した。なお、食感への影響の評価は、外観観察により層の境界が認識できたものについてのみ行なった。結果を表3に示す。
Figure 0006925875
ウェランガム:ビストップ※W*
キサンタンガム:ビストップ※D−3800*
アルギン酸:キミカアルギンI−1G(株式会社キミカ製)
グアーガム:ビストップ※D−20*
ローカストビーンガム:ビストップ※D−171*
ネイティブ型ジェランガム:ケルコゲルLT100*
加工澱粉:NATIONAL FRIGEX(イングレディオン株式会社製)
サイリウムシードガム:ビストップ※D−2074*
HMペクチン:SM−666*
LMペクチン:ビストップ※D−402*
多糖類としてウェランガムを使用した実施例1−1〜1−6は、境界面が極めて明瞭であり、更にウェランガムを使用することによる食感への影響がないため、良好な食感を有していた。
一方、多糖類としてキサンタンガムを使用した比較例1−1〜1−6は、境界面が極めて明瞭であったが、べたつきのある、非常に弾力的な食感となり、食感に影響が生じた。
また、多糖類としてアルギン酸を使用した比較例1−7及び1−8は、アルギン酸を0.2質量%含有する比較例1−8では2つの層が混ざり境界面を認識することができず、アルギン酸を0.5質量%含有する比較例1−7では境界面が明瞭であったものの、べたつき、糊っぽさ、ぬめりのある食感となり、食感に影響が生じた。
また、多糖類としてグアーガムを使用した比較例1−9〜1−12は、グアーガムを0.16〜0.3質量%含有する比較例1−10〜1−12では2つの層が混ざり境界面を認識することができず、グアーガムを0.5質量%含有する比較例1−9では境界面が不明瞭であり、糊っぽく、べたっとした食感となり、食感に影響が生じた。
また、ローカストビーンガム、ネイティブ型ジェランガム、加工澱粉、サイリウムシードガム、HMペクチン又はLMペクチンを使用した比較例1−13〜1−23は、2つの層が混ざり境界面を認識することができなかった。
以上のとおり、ウェランガム以外の多糖類を使用した場合は、二層の境界面を認識できないか、又は従来技術と同様に二層の境界面が明瞭であっても食感に大きな影響があった。しかしながら、ウェランガムを使用した場合は、二層の境界面が極めて明瞭であるうえに、食感に影響がないという優れた効果を奏することが示された。
なお、原料ミックスAにゲル化剤を配合せずに、上記と同様の方法で調製された、非ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品において、層の分離状態の外部観察を行なったところ、表3に示す評価と同様であった。
また、原料ミックスBにゲル化剤を配合せずに、上記と同様の方法で調製された、ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品において、層の分離状態の外部観察を行なったところ、表3に示す評価と同様であった。
また、原料ミックスA及びBにゲル化剤を配合せずに、上記と同様の方法で調製された、非ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品において、層の分離状態の外部観察を行なったところ、表3に示す評価と同様であった。
実験例2 多層食品の調製2
実験例1の原料ミックスA及びBを使用し、実験例1とは異なる充填順序で多層食品を得た。具体的には、100ml容の容器に原料ミックスBを30ml充填した後に、原料ミックスAを70ml充填した。次に、85℃で30分間加熱殺菌を行い、8℃で3時間冷却して、ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品(実施例2−1〜2−5、比較例2−1〜2−21)を得た。得られた多層食品を、実験例1と同じ方法により評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006925875
多糖類としてウェランガムを使用した実施例2−1〜2−5は、境界面が明瞭であり、更にウェランガムを使用することによる食感への影響がないため、良好な食感を有していた。
一方、多糖類としてキサンタンガムを使用した比較例2−1〜2−5は、キサンタンガムを0.5質量%含有する比較例1−1では境界面が明瞭であったものの、キサンタンガムを0.2〜0.3質量%含有する比較例2−2〜2−4では境界面が不明瞭であり、キサンタンガムを0.16質量%含有する比較例2−5では2つの層が混ざり境界面を認識することができながった。更に、比較例2−1〜2−5は、べたつきのある、非常に弾力的な食感となり、食感に影響が生じた。
また、多糖類としてアルギン酸を使用した比較例2−6及び2−7は、アルギン酸を0.2質量%含有する比較例2−7では2つの層が混ざり境界面を認識することができず、アルギン酸を0.5質量%含有する比較例2−6では境界面が明瞭であったものの、べたつき、糊っぽさ、ぬめりのある食感となり、食感に影響が生じた。
また、多糖類としてグアーガムを使用した比較例2−8〜2−11は、グアーガムを0.16〜0.3質量%含有する比較例2−9〜2−11では2つの層が混ざり境界面を認識することができず、グアーガムを0.5質量%含有する比較例2−8では境界面が不明瞭であり、糊っぽく、べたっとした食感となり、食感に影響が生じた。
また、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、加工澱粉、サイリウムシードガム、HMペクチン又はLMペクチンを使用した比較例2−12〜2−21は、2つの層が完全に混ざり境界面を認識することができなかった。
以上のとおり、ウェランガム以外の多糖類を使用した場合は、二層の境界面を認識できないか、又は従来技術と同様に二層の境界面が明瞭であっても食感に大きな影響があった。しかしながら、ウェランガムを使用した場合は、二層の境界面が極めて明瞭であるうえに、食感に影響がないという優れた効果を奏することが示された。
なお、原料ミックスAにゲル化剤を配合せずに、上記と同様の方法で調製された、非ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品において、層の分離状態の外部観察を行なったところ、表4に示す評価と同様であった。
また、原料ミックスBにゲル化剤を配合せずに、上記と同様の方法で調製された、ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品において、層の分離状態の外部観察を行なったところ、表4に示す評価と同様であった。
また、原料ミックスA及びBにゲル化剤を配合せずに、上記と同様の方法で調製された、非ゲル状層と非ゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品において、層の分離状態の外部観察を行なったところ、表4に示す評価と同様であった。
実験例3 多層食品の調製3
表5の処方に従い、原料ミックスA(Brix6.7度)を調製した。具体的には、粉体混合した砂糖、甘味料、ゲル化剤及びクエン酸三ナトリウムを水に添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次に、5倍濃縮グレープフルーツ果汁(混濁)、乳酸カルシウム、クエン酸(無水)及び香料を添加し、水で全量補正した後、60〜70℃に調温した。
Figure 0006925875
続いて、表6の処方に従い、原料ミックスB(Brix23.7度)を調製した。具体的には、水に果糖ぶどう糖液糖を添加して撹拌しつつ、粉体混合した砂糖、マルトデキストリン、難消化性デキストリン、ゲル化剤、ウェランガム及びクエン酸三ナトリウムを添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次に、5倍濃縮柑橘混合果汁(混濁)、乳酸カルシウム、クエン酸(無水)、色素及び香料を添加し、水で全量補正をした後、60〜70℃に調温した。
Figure 0006925875
続いて、100ml容の容器に原料ミックスBを50ml充填した後に、原料ミックスAを50ml充填した。次に、85℃で30分間加熱殺菌を行い、8℃で3時間冷却して、ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品(実施例3)を得た。
上記で得られた多層食品の層の分離状態を外観観察したところ、境界面が極めて明瞭であった。また、上記で得られた多層食品は、ゼリーとして良好な食感を有していた。
実験例4 多層食品の調製4
表7の処方に従い、原料ミックスA(Brix7.1度)を調製した。具体的には、粉体混合した砂糖、甘味料、ゲル化剤及びクエン酸三ナトリウムを水に添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次に、4倍濃縮りんご果汁(混濁)、乳酸カルシウム、クエン酸(無水)、色素及び香料を添加し、水で全量補正した後、60〜70℃に調温した。
Figure 0006925875
続いて、表8の処方に従い、原料ミックスB(Brix23.3度)を調製した。具体的には、水に果糖ぶどう糖液糖を添加して撹拌しつつ、粉体混合した砂糖、マルトデキストリン、難消化性デキストリン、ゲル化剤、ウェランガム及びクエン酸三ナトリウムを添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次に、5倍濃縮柑橘混合果汁(混濁)、乳酸カルシウム、クエン酸(無水)、色素及び香料を添加し、水で全量補正をした後、60〜70℃に調温した。
Figure 0006925875
続いて、100ml容の容器に原料ミックスAを50ml充填した後に、原料ミックスBを50ml充填した。次に、85℃で30分間加熱殺菌を行い、8℃で3時間冷却して、ゲル状層とゲル状層が隣接する組み合わせからなる多層食品(実施例4)を得た。
上記で得られた多層食品の層の分離状態を外観観察したところ、境界面が極めて明瞭であった。また、上記で得られた多層食品は、ゼリーとして良好な食感を有していた。

Claims (3)

  1. 少なくとも一層にウェランガムを含有する多層食品の製造方法であって、多層食品の各層を形成する原料ミックスを連続的に充填した後にゲル化工程を経ることを特徴とする多層食品の製造方法、
    ここで、該多層食品中、ウェランガムを含有する層におけるウェランガムの含量が0.01〜1.0質量%であり、
    該多層食品の少なくとも一層がゲル状であり、
    該多層食品は、ゲル状層とゲル状層とが隣接する組み合わせを有し、その少なくとも一方の層にウェランガムを含有するか、ゲル状層と非ゲル状層とが隣接する組み合わせを有し、その少なくとも一方の層にウェランガムを含有する
  2. 前記ゲル状層が、ゼリー、ムース、プリン、ババロア、フラン、ブラマンジュ、ハードヨーグルト、水ようかん、ジャム、グミキャンディ、煮こごり、ゼリー寄せ及びテリーヌから選択されるものである、請求項1に記載の多層食品の製造方法。
  3. 前記非ゲル状層が、前記ゲル状層と共に喫食できるソース及びクリームから選択されるものである、請求項1または2に記載の多層食品の製造方法。
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