JP6914769B2 - 電源システム及びその運用方法並びに電力変換装置 - Google Patents

電源システム及びその運用方法並びに電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、電源システム及びその運用方法並びに電力変換装置に関する。
複数の蓄電池を用いた電源システムでは、複数の蓄電池の出力を、それぞれDC/DCコンバータを介して、DCバスに接続している。このような電源システムでは、例えば、特定のDC/DCコンバータのコントローラがマスター機となり、他のDC/DCコンバータのコントローラはスレーブ機となって、役割を分担する場合がある(例えば、特許文献1,2参照)。
また、共通のDCバスに複数種類の電源を接続した給電設備も提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。複数種類の電源には、交流電路から交直変換した出力をDCバスに提供する電路も含まれている。
国際公開第2015/147171号 特開2008−187884号公報 特開2015−106999号公報 特開2016−63716号公報
1つのDCバスに複数の変換器が接続されている場合、それぞれが自由に変換動作を行うと、出力の干渉や発振が起きる可能性がある。かかる干渉等を防止するために、例えば特定のDC/DCコンバータのコントローラがマスター機となり、かつ、他のDC/DCコンバータのコントローラがスレーブ機となって、マスター機からスレーブ機に、放電電力を指示することができる。この場合、指示の信号の通信には例えばCAN(Controller Area Network)通信が用いられる。
しかしながら、DC/DCコンバータの台数が増えると、通信を一巡するのに時間がかかる。DCバスの電圧を定電圧にする制御ループ時間内に、全てのDC/DCコンバータのスレーブ機に指示する必要があるため、DC/DCコンバータの台数には事実上の制限がある。マスター機を2台以上にすることも考えられるが、その場合には、DCバス電圧が発振してしまう可能性がある。
かかる課題に鑑み、本発明は、DCバスに対して接続される、蓄電池及びDC/DCコンバータの数を、容易に増設できる電源システム(電力変換装置を含む。)及びその運用方法を提供することを目的とする。
《電源システム》
本発明の一表現に係る電源システムは、ダイオードと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのアノードに接続された上流側DCバスと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのカソードに接続された下流側DCバスと、前記ダイオードと並列に接続されたバイパススイッチと、前記上流側DCバスに接続され、双方向への変換動作が可能な第1群のDC/DCコンバータと、前記第1群のDC/DCコンバータの各々に接続された蓄電池と、前記下流側DCバスに接続され、双方向への変換動作が可能な第2群のDC/DCコンバータと、前記第2群のDC/DCコンバータの各々に接続された蓄電池と、前記下流側DCバスと交流電路との間に設けられ、双方向への変換動作が可能なインバータと、前記交流電路との系統連系時には前記バイパススイッチを閉じて、自立運転時には前記バイパススイッチを開く制御部と、を備え、前記自立運転時において、前記第2群のDC/DCコンバータは、前記交流電路の電力需要を全て賄える場合には前記下流側DCバスの定電圧制御を行い、かつ、前記第1群のDC/DCコンバータは、前記上流側DCバスの電圧が前記下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行う、電源システムである。
《電力変換装置》
また、本発明の一表現に係る電力変換装置は、ダイオードと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのアノードに接続された上流側DCバスと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのカソードに接続された下流側DCバスと、前記ダイオードと並列に接続されたバイパススイッチと、直流電源と前記上流側DCバスとの間に設けられ、双方向への変換動作が可能な第1群のDC/DCコンバータと、直流電源と前記下流側DCバスとの間に設けられ、双方向への変換動作が可能な第2群のDC/DCコンバータと、前記下流側DCバスと交流電路との間に設けられ、双方向への変換動作が可能なインバータと、前記交流電路との系統連系時には前記バイパススイッチを閉じて、自立運転時には前記バイパススイッチを開く制御部と、を備え、前記自立運転時において、前記第2群のDC/DCコンバータは、前記交流電路の電力需要を全て賄える場合には前記下流側DCバスの定電圧制御を行い、かつ、前記第1群のDC/DCコンバータは、前記上流側DCバスの電圧が前記下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行う、電力変換装置である。
《電源システムの運用方法》
また、本発明の一表現に係る電源システムの運用方法は、直流と交流との間で電力変換を行う電力変換装置に含まれている、複数のDC/DCコンバータと接続されたDCバスが、途中にダイオードを介して、アノード側が上流側DCバス、カソード側が、インバータと接続された下流側DCバスとなっていて、前記ダイオードに並列にバイパススイッチが接続されている電源システムの運用方法であって、
交流電路との系統連系時は、前記バイパススイッチを閉じて前記DCバス全体を定電圧制御し、自立運転時は、(i)前記上流側DCバスの電圧を前記下流側DCバスの電圧より低くなるよう制御することによって前記ダイオードを非導通に保ち、前記上流側DCバスの電圧制御と前記下流側DCバスの電圧制御とを互いに独立して実行し、(ii)前記下流側DCバスの電圧が前記上流側DCバスの電圧以下に低下すると、前記ダイオードが導通して前記上流側DCバスから前記下流側DCバスに電力を送り込む、電源システムの運用方法である。
本発明によれば、DCバスに対して接続される、蓄電池及びDC/DCコンバータの数を、容易に増設することができる。
電源システムの一例を示す単線接続図である。 商用電力系統が停電するか又は商用電力系統とは断路して、自立運転を行う状態を示す単線接続図である。 図2と同様の図であるが、自立負荷の負荷電力が少ない場合を想定した単線接続図である。 図2と同様の図であるが、自立負荷の負荷電力が多い場合を想定した単線接続図である。 自立負荷が接続されていない場合の、DCバスの電圧と、ダイオードに流れる電流とを表すグラフである。 自立負荷の負荷電力が比較的小さい場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。 自立負荷の負荷電力に軽負荷の期間と重負荷の期間とがある場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。 図7と同様に、自立負荷の負荷電力に軽負荷の期間と重負荷の期間とがある場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。 ダイオード特性を考慮した場合の、図8に対応する電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。 自立負荷の負荷電力が中途半端でダイオードが導通/非導通を繰り返す場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである(ダイオード特性も考慮)。 図10と同様のグラフであるが、ダイオード特性を考慮しなかった場合のグラフである。 各群のDC/DCコンバータのコントローラがマスター−スレーブの形をとる電源システムの一例を示す単線接続図である。 他の発電装置として太陽光発電パネルを有する電源システムの一例を示す単線接続図である。 既述のダイオードの代わりに電力用の半導体スイッチを使用した電源システムの一例を示す単線接続図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)この電源システムは、ダイオードと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのアノードに接続された上流側DCバスと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのカソードに接続された下流側DCバスと、前記ダイオードと並列に接続されたバイパススイッチと、前記上流側DCバスに接続され、双方向への変換動作が可能な第1群のDC/DCコンバータと、前記第1群のDC/DCコンバータの各々に接続された蓄電池と、前記下流側DCバスに接続され、双方向への変換動作が可能な第2群のDC/DCコンバータと、前記第2群のDC/DCコンバータの各々に接続された蓄電池と、前記下流側DCバスと交流電路との間に設けられ、双方向への変換動作が可能なインバータと、前記交流電路との系統連系時には前記バイパススイッチを閉じて、自立運転時には前記バイパススイッチを開く制御部と、を備え、前記自立運転時において、前記第2群のDC/DCコンバータは、前記交流電路の電力需要を全て賄える場合には前記下流側DCバスの定電圧制御を行い、かつ、前記第1群のDC/DCコンバータは、前記上流側DCバスの電圧が前記下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行う、電源システムである。
上記のように構成された電源システムでは、交流電路との系統連系時には、バイパススイッチを閉じることで互いに直結された上流側DCバス及び下流側DCバスの定電圧制御を行うことができる。これにより、各DCバスの傘下にある全ての蓄電池を活用した充放電を実行することができる。
また、自立運転時には、バイパススイッチを開くことにより、上流側DCバスと下流側DCバスとで、ダイオードの特性を利用しつつ、互いに独立した制御を行うことができる。すなわち、自立運転時に、上流側DCバスの電圧が下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行うことで、ダイオードは非導通となり、上流側DCバスと、下流側DCバスとで、互いに独立した制御を行うことができる。また、例えば交流電路の電力需要増大に応じて下流側DCバスの電圧が上流側DCバスの電圧以下に低下すれば、ダイオードは導通し、上流側DCバスから下流側DCバスに電力を送り込むことができる。
このように、ダイオード及びこれと並列なバイパススイッチを介してDCバスを拡張することで、DCバスに対して接続される、蓄電池及びDC/DCコンバータの数を、容易に増設することができる。
(2)また、(1)の電源システムは、前記自立運転時において、前記交流電路の電力需要増大により、前記下流側DCバスの電圧が前記上流側DCバスの電圧以下となったときは、前記ダイオードは導通し、前記第1群のDC/DCコンバータが各DCバスの定電圧制御を行う一方で、前記第2群のDC/DCコンバータは、定電流を前記下流側DCバスに供給する、というものであってもよい。
下流側DCバスの電圧が上流側DCバスの電圧以下となったときは、ダイオードは導通し、上流側DCバスから下流側DCバスに電力を送り込むことができる。このとき、第2群のDC/DCコンバータは目標電圧が出せず、精一杯の定電流を出力する状態となるので、第1群のDC/DCコンバータの定電圧制御との干渉を防止することができる。
(3)また、(1)又は(2)の電源システムにおいて、前記上流側DCバスに、発電装置が接続されていてもよい。
このように上流側DCバスに発電装置が接続されていると、ダイオードが非導通の間は、発電電力で蓄電池を充電することになる。全ての蓄電池が満充電になると、上流側DCバスの電圧が上昇する。電圧が下流側DCバスの電圧以上となって、その結果ダイオードが導通すると自然に、余剰電力が下流側DCバスに提供される。
(4)また、(1)〜(3)のいずれかの電源システムにおいて、前記上流側DCバスに前記第1群のDC/DCコンバータを介して接続される蓄電池は、前記下流側DCバスに前記第2群のDC/DCコンバータを介して接続される蓄電池と比較して相対的に劣化した蓄電池であってもよい。
この場合、上流側DCバス傘下の蓄電池の電力はダイオードが非導通の場合は使用されないので、下流側DCバス傘下の蓄電池に比べて、放電に使用する頻度が少ない。従って、劣化した蓄電池の待機的な使用には好都合である。
(5)また、(1)〜(4)のいずれかの電源システムにおいて、前記バイパススイッチは半導体スイッチであり、前記ダイオードは、当該半導体スイッチの内蔵又は外付けの逆並列ダイオードであってもよい。
この場合、簡易にバイパススイッチとダイオードとを設けることができる。また、素子としての寿命が長い。
(6)また、(1)〜(5)のいずれかの電源システムにおいて、前記第1群のDC/DCコンバータ及び前記第2群のDC/DCコンバータに対して充放電電力を指示し、前記制御部としての機能も有する上位コントローラが設けられていてもよい。
このような上位コントローラが、上流側・下流側の各DCバスの傘下にあるDC/DCコンバータについて、充放電電力を指示することにより、所望の制御を実現することができる。
(7)また、(1)〜(5)のいずれかの電源システムにおいて、前記第1群のDC/DCコンバータ及び前記第2群のDC/DCコンバータの各群における一部のDC/DCコンバータがマスター機、他のDC/DCコンバータはスレーブ機としての機能を備え、前記マスター機が前記スレーブ機に対して放電電力又は充電電力を指示するようにしてもよい。
例えばバイパススイッチを開いた状態の自立運転時には、上流側DCバスと下流側DCバスとで、互いに独立した制御を行うことができるので、上流側・下流側の各DCバスの傘下にあるDC/DCコンバータについて、マスター機の指示に基づいて、放電を行うことができる。また、マスター機の指示に基づいて充電を行うことも可能である。
(8)また、この電力変換装置は、ダイオードと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのアノードに接続された上流側DCバスと、コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのカソードに接続された下流側DCバスと、前記ダイオードと並列に接続されたバイパススイッチと、直流電源と前記上流側DCバスとの間に設けられ、双方向への変換動作が可能な第1群のDC/DCコンバータと、直流電源と前記下流側DCバスとの間に設けられ、双方向への変換動作が可能な第2群のDC/DCコンバータと、前記下流側DCバスと交流電路との間に設けられ、双方向への変換動作が可能なインバータと、前記交流電路との系統連系時には前記バイパススイッチを閉じて、自立運転時には前記バイパススイッチを開く制御部と、を備え、前記自立運転時において、前記第2群のDC/DCコンバータは、前記交流電路の電力需要を全て賄える場合には前記下流側DCバスの定電圧制御を行い、かつ、前記第1群のDC/DCコンバータは、前記上流側DCバスの電圧が前記下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行う、電力変換装置である。
上記のように構成された電力変換装置では、交流電路との系統連系時には、バイパススイッチを閉じることで互いに直結された上流側DCバス及び下流側DCバスの定電圧制御を行うことができる。これにより、各DCバスの傘下にある全ての蓄電池を活用した充放電を実行することができる。
また、自立運転時には、バイパススイッチを開くことにより、上流側DCバスと下流側DCバスとで、ダイオードの特性を利用しつつ、互いに独立した制御を行うことができる。すなわち、自立運転時に、上流側DCバスの電圧が下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行うことで、ダイオードは非導通となり、上流側DCバスと、下流側DCバスとで、互いに独立した制御を行うことができる。また、例えば交流電路の電力需要増大に応じて下流側DCバスの電圧が上流側DCバスの電圧以下に低下すれば、ダイオードは導通し、上流側DCバスから下流側DCバスに電力を送り込むことができる。
このように、ダイオード及びこれと並列なバイパススイッチを介してDCバスを拡張することで、DCバスに対して接続される、蓄電池及びDC/DCコンバータの数を、容易に増設することができる。
(9)一方、これは、直流と交流との間で電力変換を行う電力変換装置に含まれている、複数のDC/DCコンバータと接続されたDCバスが、途中にダイオードを介して、アノード側が上流側DCバス、カソード側が、インバータと接続された下流側DCバスとなっていて、前記ダイオードに並列にバイパススイッチが接続されている電源システムの運用方法であって、
交流電路との系統連系時は、前記バイパススイッチを閉じて前記DCバス全体を定電圧制御し、自立運転時は、(i)前記上流側DCバスの電圧を前記下流側DCバスの電圧より低くなるよう制御することによって前記ダイオードを非導通に保ち、前記上流側DCバスの電圧制御と前記下流側DCバスの電圧制御とを互いに独立して実行し、(ii)前記下流側DCバスの電圧が前記上流側DCバスの電圧以下に低下すると、前記ダイオードが導通して前記上流側DCバスから前記下流側DCバスに電力を送り込む、電源システムの運用方法である。
上記のような電源システムの運用方法では、交流電路との系統連系時には、バイパススイッチを閉じることで互いに直結された上流側DCバス及び下流側DCバスの定電圧制御を行うことができる。これにより、各DCバスの傘下にある全ての蓄電池を活用した充放電を実行することができる。
また、自立運転時には、バイパススイッチを開くことにより、上流側DCバスと下流側DCバスとで、ダイオードの特性を利用しつつ、互いに独立した制御を行うことができる。すなわち、自立運転時に、上流側DCバスの電圧が下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行うことで、ダイオードは非導通となり、上流側DCバスと、下流側DCバスとで、互いに独立した制御を行うことができる。また、例えば交流電路の電力需要増大に応じて下流側DCバスの電圧が上流側DCバスの電圧以下に低下すれば、ダイオードは導通し、上流側DCバスから下流側DCバスに電力を送り込むことができる。
このように、ダイオード及びこれと並列なバイパススイッチを介してDCバスを拡張することで、DCバスに対して接続される、蓄電池及びDC/DCコンバータの数を、容易に増設することができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る電源システム(その運用方法及び電力変換装置も含む。)について、図面を参照して説明する。
《電源システムの構成例》
図1は、電源システム100の一例を示す単線接続図である。図において、上流側DCバス1と下流側DCバス2との間にはダイオード3が挿入されている。上流側DCバス1は、ダイオード3のアノードに接続されている。下流側DCバス2は、ダイオード3のカソードに接続されている。各DCバス1,2については、DCバスの2線(P線、N線)のうち、プラス側の電路を示している。マイナス側電路は、接地マーク(▽)で示されている。ダイオード3には、バイパススイッチ4が並列に接続されている。図示しているバイパススイッチ4は閉じている状態である。
電源システム100には、多数の蓄電池B11〜B16及びB21〜B26が設けられている。また、蓄電池B11〜B16及びB21〜B26に対応して、DC/DCコンバータCV11〜CV16及びCV21〜CV26が接続されている。DC/DCコンバータCV11〜CV16及びCV21〜CV26はいずれも双方の変換動作が可能であり、対応する蓄電池を充電し、又は、放電させることができる。
なお、電源システム100から蓄電池B11〜B16及びB21〜B26を除いた部分が電力変換装置90である。
DC/DCコンバータCV11,CV12の出力は平滑用のコンデンサC11を介して上流側DCバス1に接続されている。DC/DCコンバータCV11,CV12の充電又は放電の際のスイッチングは、例えば、コントローラCT11によって制御される。
DC/DCコンバータCV13,CV14の出力は平滑用のコンデンサC12を介して上流側DCバス1に接続されている。DC/DCコンバータCV13,CV14の充電又は放電の際のスイッチングは、例えば、コントローラCT12によって制御される。
DC/DCコンバータCV15,CV16の出力は平滑用のコンデンサC13を介して上流側DCバス1に接続されている。DC/DCコンバータCV15,CV16の充電又は放電の際のスイッチングは、例えば、コントローラCT13によって制御される。
また、DC/DCコンバータCV21,CV22の出力は平滑用のコンデンサC21を介して下流側DCバス2に接続されている。DC/DCコンバータCV21,CV22の充電又は放電の際のスイッチングは、例えば、コントローラCT21によって制御される。
DC/DCコンバータCV23,CV24の出力は平滑用のコンデンサC22を介して下流側DCバス2に接続されている。DC/DCコンバータCV23,CV24の充電又は放電の際のスイッチングは、例えば、コントローラCT22によって制御される。
DC/DCコンバータCV25,CV26の出力は平滑用のコンデンサC23を介して下流側DCバス2に接続されている。DC/DCコンバータCV25,CV26の充電又は放電の際のスイッチングは、例えば、コントローラCT23によって制御される。
DC/DCコンバータCV11〜CV16は、上流側DCバス1に接続される第1群のDC/DCコンバータCV1を構成している。
DC/DCコンバータCV21〜CV26は、下流側DCバス2に接続される第2群のDC/DCコンバータCV2を構成している。
下流側DCバス2と交流電路6との間には、双方向の変換動作が可能なインバータ5が設けられている。インバータ5は、例えばその内部に、制御部5cを備えている。交流電路6には、需要家の負荷8が接続され、さらに商用電力系統7が接続されている。
コントローラCT11〜CT13,CT21〜CT23は、例えば、上位コントローラ50から充電/放電及び充電量/放電量に関する指示を受けて、各コントローラが担当するDC/DCコンバータを制御する。なお、この例では1つのコントローラが2つのDC/DCコンバータを制御するが、コントローラは、各DC/DCコンバータに個別に搭載することもできる。また、コントローラは、対応するDC/DCコンバータの一部であるとも言える。
上位コントローラ50は、この例のように、上流側DCバス1、下流側DCバス2に対して統括的に設けてもよいし、上流側DCバス1、下流側DCバス2に対して別々に設けてもよい。なお、上位コントローラ50は、インバータ5の制御部5cとも、制御に関する通信を行うようにしてもよい。バイパススイッチ4は、例えば、上位コントローラ50、又は、インバータ5の制御部5cから開閉の指示を受けて動作する。
《系統連系時》
ここで、電源システム100が例えば商用電力系統7と系統連系している時(但し、基本的に逆潮はしない。)は、図示のように、バイパススイッチ4は閉じている。従って、上流側DCバス1と下流側DCバス2とは互いに直結されていて、同電位である。インバータ5の出力電圧は交流電路6の電圧により決まるので、インバータ5は、互いに接続された上流側DCバス1及び下流側DCバス2の電圧を定電圧に保つ制御を行っている。このような系統連系の状態では、交流電路6から電力を得て、各蓄電池B11〜B16,B21〜B26を充電するか、又は、各蓄電池B11〜B16,B21〜B26を放電させて、インバータ5で変換した交流電力を負荷8に供給することができる。
《自立運転時》
図2は、商用電力系統7が停電するか又は商用電力系統7とは断路して、自立運転を行う状態を示す単線接続図である。図1との回路上の違いは、バイパススイッチ4が開路していること、及び、交流電路6には自立負荷(自立運転で使用したい特定負荷)8sが接続されていることである。
図2においては、例えば上位コントローラ50から自立運転の指示が各DC/DCコンバータCV11〜CV16,CV21〜CV26及びインバータ5に与えられている。自立運転時のインバータ5は出力電圧を定電圧に制御している。上流側DCバス1及び下流側DCバス2の電圧については、インバータ5ではなく、第1群のDC/DCコンバータCV1及び第2群のDC/DCコンバータが定電圧に制御している。
具体的には、まず、第1群のDC/DCコンバータCV1においては、各DC/DCコンバータCV11〜CV16が昇圧動作を行い、上流側DCバス1の電圧が例えば330Vになるよう制御している。一方、第2群のDC/DCコンバータCV2においては、各DC/DCコンバータCV21〜CV26が昇圧動作を行い、下流側DCバス2の電圧が例えば380Vになるよう制御している。
この場合、ダイオード3のアノードが330V、カソードが380Vとなって逆電圧の状態となるので、ダイオード3は非導通となる。また、バイパススイッチ4は開いている。従って、上流側DCバス1と下流側DCバス2とは電気的に分離され、互いに異なる電圧すなわち互いに異なる定電圧制御が可能な状態となる。この状態では、上流側DCバス1の電力はインバータ5に提供されず、下流側DCバス2の電力のみがインバータ5に提供される。インバータ5は、直流を交流に変換して、自立負荷8sに電力を供給することができる。
《自立運転で負荷電力が少ない場合》
図3は、図2と同様の図であるが、自立負荷8sの負荷電力が少ない場合を想定した単線接続図である。図において、第2群のDC/DCコンバータCV2から下流側DCバス2に出力できる電力が、自立負荷8sの負荷電力より大きい場合、下流側DCバス2の電圧は低下せず、蓄電池B21〜B26の放電電力のみで、必要な負荷電力を賄うことができる。上流側DCバス1は、330Vを保った状態で待機している。
《自立運転で負荷電力が多い場合》
図4は、図2と同様の図であるが、自立負荷8sの負荷電力が多い場合を想定した単線接続図である。図において、第2群のDC/DCコンバータCV2から下流側DCバス2に出力できる電力より、自立負荷8sの負荷電力の方が大きい場合、下流側DCバス2の電圧は低下する。電圧が低下して330V以下になると、ダイオード3が導通し、上流側DCバス1から下流側DCバス2へ電力が流れ込んでくる。これにより、上流側DCバス1及び下流側DCバス2の双方からインバータ5を介して自立負荷8sへ電力を供給し、必要な負荷電力を賄うことができる。
このとき、第1群のDC/DCコンバータCV1は、上流側DCバス1及び、これと繋がっている下流側DCバス2の電圧を330Vに維持する定電圧制御を行っている。一方、第2群のDC/DCコンバータCV2は、目標値である380Vが出せずに、全出力で精一杯の定電流を出力する状態となる。すなわち、第2群のDC/DCコンバータCV2は、事実上、定電圧制御を行っていないので、第1群のDC/DCコンバータCV1による定電圧制御との干渉は生じない。
《ここまでのまとめ》
以上のように、本実施形態の電源システム100は、電力変換のための諸要素の他、ダイオード3と、上流側DCバス1と、下流側DCバス2と、ダイオード3と並列に接続されたバイパススイッチ4とを備えている。また、交流電路6との系統連系時にはバイパススイッチ4を閉じて、自立運転時にはバイパススイッチ4を開く制御部(上位コントローラ50又はインバータ5の制御部5c)を備えている。そして、自立運転時において、第2群のDC/DCコンバータCV2は、交流電路6の電力需要を全て賄える場合には下流側DCバス2の定電圧制御を行い、かつ、第1群のDC/DCコンバータCV1は、上流側DCバス1の電圧が下流側DCバス2の電圧より低くなるように定電圧制御を行うこと、を基本としている。
このように構成された電源システム100では、交流電路6との系統連系時には、バイパススイッチ4を閉じることで互いに直結された上流側DCバス1及び下流側DCバス2の定電圧制御を行うことができる。これにより、各DCバス1,2の傘下にある全ての蓄電池B11〜B16,B21〜B26を活用した充放電を実行することができる。
また、自立運転時には、バイパススイッチ4を開くことにより、上流側DCバス1と下流側DCバス2とで、ダイオード3の特性を利用しつつ、互いに独立した制御を行うことができる。すなわち、自立運転時に、上流側DCバス1の電圧が下流側DCバスの電圧2より低くなるように定電圧制御を行うことで、ダイオード3は非導通となり、上流側DCバス1と、下流側DCバス2とで、互いに独立した制御を行うことができる。また、例えば交流電路6の電力需要増大に応じて下流側DCバス2の電圧が上流側DCバス1の電圧以下に低下すれば、ダイオード3は導通し、上流側DCバス1から下流側DCバス2に電力を送り込むことができる。
自立運転時において、ダイオード3が導通したときは、ダイオード3を通して第1群のDC/DCコンバータCV1が、各DCバス1,2の定電圧制御を行い、第2群のDC/DCコンバータCV2は、定電流を下流側DCバス2に供給する状態となる。このとき、第2群のDC/DCコンバータCV2は目標電圧が出せず、精一杯の定電流を出力する状態となるので、第1群のDC/DCコンバータCV1の定電圧制御との干渉を防止することができる。
このように、ダイオード3及びこれと並列なバイパススイッチ4を介してDCバスを拡張することで、DCバスに対して接続される、蓄電池及びDC/DCコンバータの数を、容易に増設することができる。
なお、上位コントローラ50がある場合には、上流側・下流側の各DCバス1,2の傘下にあるDC/DCコンバータB11〜B16,B21〜B26について、充放電電力を指示することにより、所望の制御を実現することができる。
《検証》
次に、電源システム100の自立運転時における、電圧・電流についてのシミュレーションによる検証結果の例を示す。
図5は、自立負荷が接続されていない場合の、DCバスの電圧と、ダイオードに流れる電流とを表すグラフである。上段のグラフがDCバスの電圧であり、電圧の高い方(上側)が下流側DCバス1の電圧、電圧の低い方(下側)が、上流側DCバス2の電圧である。図示のように、概ね一定値である。また、下段はダイオード3に流れる電流である。図示のように、0である。
図6は、自立負荷の負荷電力が比較的小さい場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。3つのグラフのうち上段は、上流側DCバス1の電圧(下側)及び下流側DCバス2の電圧(上側)を示している。中段は、ダイオード3に流れる電流を示している。下段は、下流側DCバス2から自立負荷に引かれるDC負荷電流(流出がマイナス)を示している。自立負荷への給電は、開始時間が約25msの時点、終了時間が約125msの時点である。開始時間から、下流側DCバス2の電圧(上段の上側)は小さく変動する。上流側DCバス1の電圧(上段の下側)は一定と言ってよい状態である。ダイオード3には電流(中段)は流れない。下流側DCバス2からは、DC負荷電流(下段)が流出し、自立負荷で消費する交流電流波形を反映した脈流波形となる。
図7は、自立負荷の負荷電力に軽負荷の期間と重負荷の期間とがある場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。3つのグラフのうち上段は、上流側DCバス1の電圧(下側)及び下流側DCバス2の電圧(上側)を示している(中央で重なっている。)。中段は、ダイオード3に流れる電流を示している。下段は、下流側DCバス2から自立負荷に引かれるDC負荷電流(流出がマイナス)を示している。軽負荷への給電は20ms以降、重負荷への給電は40ms〜100msである。
軽負荷への給電開始(20ms)以降、下流側DCバス2の電圧(上段の上側)は少し下がり、DC負荷電流(下段)にも少し変化が見られる。そして、重負荷への給電開始(40ms)以降、下流側DCバス2の電圧は急激に下がり、上流側DCバス1の電圧まで低下すると、ダイオード3に電流が流れ初める。自立負荷が交流であるため、各波形にも交流電流を反映した波が現れる。上流側DCバス1の電圧(上段の下側)も少し変動する。重負荷が終了(100ms)すると、下流側DCバス2の電圧が回復して上流側DCバス1より高くなり、ダイオード3は非導通に戻る。以後は、下流側DCバス2のみから軽負荷に給電される状態となる。
図8は、図7と同様に、自立負荷の負荷電力に軽負荷の期間と重負荷の期間とがある場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。軽負荷への給電は20ms以降、重負荷への給電は40ms〜100msである。3つのグラフのうち上段及び中段は、縦軸のスケールが若干異なるものの、図7と同じである。下段は、上流側DCバス1に属する蓄電池の電流総和及び下流側DCバス2に属する蓄電池の電流総和を示している。
0.04sから0.12sまでの間で概ね一定値に張り付いている方が、下流側DCバス2に属する蓄電池の電流総和である。すなわち、重負荷になると第2群のDC/DCコンバータCV2は定電圧出力ではなく、精一杯の定電流を出力する状態となる。一方、上流側DCバス1に属する蓄電池の電流総和は脈流状に変動しており、第1群のDC/DCコンバータCV1により定電圧制御が行われている。なお、第2群のDC/DCコンバータCV2が定電流を出力しているとき、この電流と、第1群のDC/DCコンバータCV1に属する蓄電池の電流総和とは併走しないので、お互いに干渉もしない。ダイオード3が非導通の時は、上流側DCバス1と下流側DCバス2とは互いに隔離されており、独立した制御が可能である。
なお、上記検証では、ダイオード3の特性を、理想ダイオードとして計算したが、ダイオード特性は、例えば、平均順電流5000A、順方向電圧0.85V、抵抗値0.268mΩである。このようなダイオード特性も考慮してみた。
図9は、ダイオード特性を考慮した場合の、図8に対応する電圧・電流についての検証結果を示すグラフである。結果的には、図8と特に差は無い。特に差が無い原因としては、負荷電流の交流低周波リプルによる変動が大きいため、ダイオードの特性が表れにくいためであると解される。
次に、図10は、自立負荷の負荷電力が中途半端で、ダイオード3が導通/非導通を繰り返す場合の電圧・電流についての検証結果を示すグラフである(ダイオード特性も考慮)。また、図11は、図10と同様のグラフであるが、ダイオード特性を考慮しなかった場合のグラフである。
図10,図11において、3つのグラフのうち上段は、上流側DCバス1の電圧(波打っている方)及び下流側DCバス2の電圧(変化が少ない方)を示している。中段は、ダイオード3に流れる電流を示している。下段は、上流側DCバス1に属する蓄電池の電流総和(下側)及び下流側DCバス2に属する蓄電池の電流総和(上側)を示している。
この場合も、必要時のみダイオードが導通し、それ以外は非導通となって上流側DCバス1と下流側DCバス2とが互いに分離される。また、第1群、第2群のDC/DCコンバータCV1,CV2の制御周期は例えば1msec程度であるのに対して低周波リプル100Hz(周期10msec)が十分に大きいため、第1群のDC/DCコンバータCV1の制御と、第2群のDC/DCコンバータCV2の制御とは、互いに干渉しない。
《その他の実施形態》
(マスター機・スレーブ機)
上述の実施形態では、上位コントローラ50が各コントローラCT11〜CT13,CT21〜CT23に充放電に関する指示を出す構成としたが、上位コントローラの役目を、各群のDC/DCコンバータに設けられているコントローラに行わせてもよい。
図12は、このような電源システム100の一例を示す単線接続図である。図において、コントローラCT11は、第1群のDC/DCコンバータCV1における、例えばCAN通信のマスター機となり、他のコントローラCT12,CT13はスレーブ機となる。マスター機は自己の管理するDC/DCコンバータに対する制御を行うほか、スレーブ機に対しては、充放電の電力に関する指示を与える。同様に、コントローラCT21は、第2群のDC/DCコンバータCV2におけるマスター機となり、他のコントローラCT22,CT23はスレーブ機となる。マスター機は自己の管理するDC/DCコンバータに対する制御を行うほか、スレーブ機に対しては、充放電の電力に関する指示を与える。
例えば、バイパススイッチを開いた状態の自立運転時には、上流側DCバス1と下流側DCバス2とで、互いに独立した制御を行うことができるので、上流側・下流側の各DCバスの傘下にあるDC/DCコンバータについて、マスター機の指示に基づいて、適切に放電を行うことができる。
(他の発電装置との組み合わせ)
図13は、他の発電装置として太陽光発電パネル9,10を有する電源システム100の一例を示す単線接続図である。図2〜4との違いは、太陽光発電パネル9が、DC/DCコンバータCV19を介して、上流側DCバス1に接続されている点、及び、太陽光発電パネル10が、DC/DCコンバータCV20を介して、下流側DCバス2に接続されている点である。
このような電源システム100では、バイパススイッチ4が閉じているときは、太陽光発電パネル9,10による発電電力を、上流側DCバス1及び下流側DCバス2に供給して、蓄電池の充電や、系統連系による需要家への給電を行うことができる。また、太陽光発電の発電電力分は商用電力系統への逆潮も可能である。一方、バイパススイッチ4が開いている自立運転時は、前述のように、上流側DCバス1の電圧(例えば330V)は下流側DCバス2の電圧(例えば380V)より低くなるよう制御されている。
自立運転時は、まず、蓄電池B21〜B26を電源とする出力及び太陽光発電パネル10の発電電力が下流側DCバス2に供給され、供給できる電力より、交流電路6に接続される自立負荷の電力需要が少ない場合は、下流側DCバス2の電圧(380V)は維持されており、ダイオード3は導通しない。自立負荷の電力需要が増大して下流側DCバス2の電圧が下がり、上流側DCバス1の電圧以下になると、上流側DCバス1から下流側DCバス2に電力が送り込まれる。
一方、自立負荷の電力需要が増大して下流側DCバス2の電圧が下がった結果、上流側DCバス1の電圧以下になる、という事態が生じなくても、ダイオード3が導通する場合がある。例えば、ダイオード3が非導通の間、上流側は下流側とは関係なく動作している。すなわち、上流側では、太陽光発電パネル9の発電電力が上流側DCバス1に供給され、蓄電池B11〜B16は充電されている。全ての蓄電池B11〜B16が満充電となり、さらに太陽光発電パネル9が発電を継続している場合は、上流側DCバス1の電圧が徐々に上昇していく。
そして、上流側DCバス1の電圧が下流側DCバス2の電圧以上(例えば380V以上)になると、ダイオード3が導通する。これにより、太陽光発電パネル9の発電電力が下流側DCバス2に送り込まれ、下流側で必要な電力の一部を、上流側の太陽光発電パネル9が負担することができる。
このように、上流側DCバス1に太陽光発電パネル9のような発電装置が接続されていると、ダイオード3が非導通の間は、発電電力で蓄電池B11〜B16を充電することになる。全ての蓄電池B11〜B16が満充電になると、上流側DCバス1の電圧が上昇し、その結果ダイオード3が導通すると自然に溢れるように、余剰電力が下流側DCバス2に提供される。
(劣化蓄電池の活用)
なお、ここまで述べたように、自立運転時に、下流側DCバス2に供給される電力が優先的に使用され、負荷が重くなると、ダイオード3が導通して、上流側DCバス1に供給される電力が下流側DCバス2に送り込まれる形となる。従って、使用頻度については、上流側DCバス1傘下の蓄電池B11〜B16は、下流側DCバス2傘下の蓄電池B21〜B26より低い。
従って、上流側DCバス1にDC/DCコンバータCV11〜CV16を介して接続される蓄電池B11〜B16は、使用可能であるが劣化した蓄電池であってもよい。比較で表現すれば、蓄電池B11〜B16は、下流側DCバス2にDC/DCコンバータCV21〜CV26を介して接続される蓄電池B21〜B26と比較して相対的に劣化した蓄電池であってもよい。すなわち、上流側DCバス1の電力はダイオード3が非導通の場合は使用されないので、下流側DCバス2の電力に比べて、使用頻度が少ないことを考慮すれば、上流側は、劣化した蓄電池の待機的な使用に適するとも言える。例えば、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)の普及により、何年か使用されて車両用としては「現役」を退いた蓄電池が増大することが予想される。そのような蓄電池の活用の一形態として、このような使用も考えられる。なお、使用可能であるが劣化した蓄電池とは、例えば、SOH(State of Health)30%以下のものを言う。
(半導体スイッチ)
図14は、既述のダイオード3の代わりに電力用の半導体スイッチを使用した電源システム100の一例を示す単線接続図である。半導体スイッチ34以外の回路構成は、図1等と同じである。半導体スイッチ34としては、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用することができる。このような半導体スイッチ34は、バイパススイッチの役目をするスイッチ本体4sと、逆並列ダイオード3d(内蔵又は外付け)とを有する。この場合、簡易にバイパススイッチとダイオードとを設けることができる。また、素子としての寿命が長い利点がある。
《その他》
なお、上述の各単線接続図に示す回路構成については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。
また、蓄電池とDC/DCコンバータとの繋ぎ方は色々あり、互いに並列に接続された複数の蓄電池が1台のDC/DCコンバータに接続される場合もある。個々のDC/DCコンバータからDCバスへの繋ぎ方も、図示したのは例示に過ぎず、その他種々可能である。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 上流側DCバス
2 下流側DCバス
3 ダイオード
3d 逆並列ダイオード
4 バイパススイッチ
4s スイッチ本体
5 インバータ
5c 制御部
6 交流電路
7 商用電力系統
8 負荷
8s 自立負荷
9,10 太陽光発電パネル
34 半導体スイッチ
50 上位コントローラ
90 電力変換装置
100 電源システム
B11〜B16,B21〜B26 蓄電池
C11,C12,C13,C21,C22,C23 コンデンサ
CT11〜CT13,CT21〜CT23 コントローラ
CV1 第1群のDC/DCコンバータ
CV2 第2群のDC/DCコンバータ
CV11〜CV16,CV21〜CV26 DC/DCコンバータ
CV19,CV20 DC/DCコンバータ

Claims (9)

  1. ダイオードと、
    コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのアノードに接続された上流側DCバスと、
    コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのカソードに接続された下流側DCバスと、
    前記ダイオードと並列に接続されたバイパススイッチと、
    前記上流側DCバスに接続され、双方向への変換動作が可能な第1群のDC/DCコンバータと、
    前記第1群のDC/DCコンバータの各々に接続された蓄電池と、
    前記下流側DCバスに接続され、双方向への変換動作が可能な第2群のDC/DCコンバータと、
    前記第2群のDC/DCコンバータの各々に接続された蓄電池と、
    前記下流側DCバスと交流電路との間に設けられ、双方向への変換動作が可能なインバータと、
    前記交流電路との系統連系時には前記バイパススイッチを閉じて、自立運転時には前記バイパススイッチを開く制御部と、を備え、
    前記自立運転時において、前記第2群のDC/DCコンバータは、前記交流電路の電力需要を全て賄える場合には前記下流側DCバスの定電圧制御を行い、かつ、前記第1群のDC/DCコンバータは、前記上流側DCバスの電圧が前記下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行う、
    電源システム。
  2. 前記自立運転時において、前記交流電路の電力需要増大により、前記下流側DCバスの電圧が前記上流側DCバスの電圧以下となったときは、前記ダイオードは導通し、前記第1群のDC/DCコンバータが各DCバスの定電圧制御を行う一方で、前記第2群のDC/DCコンバータは、定電流を前記下流側DCバスに供給する請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記上流側DCバスに、発電装置が接続されている請求項1又は請求項2に記載の電源システム。
  4. 前記上流側DCバスに前記第1群のDC/DCコンバータを介して接続される蓄電池は、前記下流側DCバスに前記第2群のDC/DCコンバータを介して接続される蓄電池と比較して相対的に劣化した蓄電池である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電源システム。
  5. 前記バイパススイッチは半導体スイッチであり、前記ダイオードは、当該半導体スイッチの内蔵又は外付けの逆並列ダイオードである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電源システム。
  6. 前記第1群のDC/DCコンバータ及び前記第2群のDC/DCコンバータに対して充放電電力を指示し、前記制御部としての機能も有する上位コントローラが設けられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電源システム。
  7. 前記第1群のDC/DCコンバータ及び前記第2群のDC/DCコンバータの各群における一部のDC/DCコンバータがマスター機、他のDC/DCコンバータはスレーブ機としての機能を備え、前記マスター機が前記スレーブ機に対して放電電力又は充電電力を指示する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電源システム。
  8. ダイオードと、
    コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのアノードに接続された上流側DCバスと、
    コンデンサによる容量を持つプラス側電路が、前記ダイオードのカソードに接続された下流側DCバスと、
    前記ダイオードと並列に接続されたバイパススイッチと、
    直流電源と前記上流側DCバスとの間に設けられ、双方向への変換動作が可能な第1群のDC/DCコンバータと、
    直流電源と前記下流側DCバスとの間に設けられ、双方向への変換動作が可能な第2群のDC/DCコンバータと、
    前記下流側DCバスと交流電路との間に設けられ、双方向への変換動作が可能なインバータと、
    前記交流電路との系統連系時には前記バイパススイッチを閉じて、自立運転時には前記バイパススイッチを開く制御部と、を備え、
    前記自立運転時において、前記第2群のDC/DCコンバータは、前記交流電路の電力需要を全て賄える場合には前記下流側DCバスの定電圧制御を行い、かつ、前記第1群のDC/DCコンバータは、前記上流側DCバスの電圧が前記下流側DCバスの電圧より低くなるように定電圧制御を行う、
    電力変換装置。
  9. 直流と交流との間で電力変換を行う電力変換装置に含まれている、複数のDC/DCコンバータと接続されたDCバスが、途中にダイオードを介して、アノード側が上流側DCバス、カソード側が、インバータと接続された下流側DCバスとなっていて、前記ダイオードに並列にバイパススイッチが接続されている電源システムの運用方法であって、
    交流電路との系統連系時は、前記バイパススイッチを閉じて前記DCバス全体を定電圧制御し、
    自立運転時は、
    前記上流側DCバスの電圧を前記下流側DCバスの電圧より低くなるよう制御することによって前記ダイオードを非導通に保ち、前記上流側DCバスの電圧制御と前記下流側DCバスの電圧制御とを互いに独立して実行し、
    前記下流側DCバスの電圧が前記上流側DCバスの電圧以下に低下すると、前記ダイオードが導通して前記上流側DCバスから前記下流側DCバスに電力を送り込む、
    電源システムの運用方法。
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