JP6914713B2 - 電力系統監視装置、および電力系統監視方法 - Google Patents

電力系統監視装置、および電力系統監視方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6914713B2
JP6914713B2 JP2017087658A JP2017087658A JP6914713B2 JP 6914713 B2 JP6914713 B2 JP 6914713B2 JP 2017087658 A JP2017087658 A JP 2017087658A JP 2017087658 A JP2017087658 A JP 2017087658A JP 6914713 B2 JP6914713 B2 JP 6914713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase angle
unit
phase
change amount
angle change
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017087658A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018186660A (ja
Inventor
渡辺 真也
真也 渡辺
石橋 哲
哲 石橋
洋 井脇
洋 井脇
航太 矢口
航太 矢口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Energy Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2017087658A priority Critical patent/JP6914713B2/ja
Publication of JP2018186660A publication Critical patent/JP2018186660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6914713B2 publication Critical patent/JP6914713B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

本発明の実施形態は、電力系統監視装置、および電力系統監視方法に関する。
従来では、広域系統の各発電機の電圧および基準母線の電圧の瞬時値を計測し、各瞬時値データから電圧位相差を演算することで脱調であるか否かを判定する電力系統監視装置が知られている。上記の技術においては、計測側の機器と演算側の機器との間で同期制御が必要となり、そのための構成が複雑になるともに、構成を実現するための費用も高額となってしまう場合があった。なお、発電機1台と主系統との間の電圧位相差を、線路インピーダンスから推定して脱調判定を行う方法が知られているが、この方法では、複数の発電機を観測する広域系統を監視することが困難である。
特開平8−33208号公報
本発明が解決しようとする課題は、同期制御を必要とせず、発電機の脱調傾向を判定することができる電力系統監視装置、および電力系統監視方法を提供することである。
実施形態の電力系統監視装置は、測定部と、記憶部と、位相角変化量演算部と、判定部とを持つ。測定部は、監視対象の発電機の電圧位相を測定する。記憶部は、前記測定部により測定された前記電圧位相の測定結果を記憶する。位相角変化量演算部は、前記記憶部に記憶された前記電圧位相の測定結果に基づいて、第1所定時間における位相角変化量を演算する。判定部は、前記位相角変化量演算部により演算された位相角変化量に基づいて、前記発電機が脱調傾向にあるか否かを判定する。位相角変化量演算部は、前記第1所定時間よりも短い第2所定時間における位相角変化量を繰り返し演算して累計することで、前記第1所定時間における位相角変化量を取得する。
第1の実施形態の電力系統監視装置100を備える監視システム1の構成図。 位相角変化量演算部141の演算内容を説明するための図。 第1の実施形態の脱調傾向判定処理について説明するためのフローチャート。 第2の実施形態の電力系統監視装置100Aを備える監視システム2の構成図。 第3の実施形態の電力系統監視装置100Bを備える監視システム3の構成図。 第3の実施形態の位相角変化量△δg1、△δk1について説明するための図。 第4の実施形態の電力系統監視装置100Cを備える監視システム4の構成図。 第4の実施形態の位相角変化量△δk2、△δg2について説明するための図。 第5の実施形態の電力系統監視装置100Dを備える監視システム4の構成図。 第5の実施形態の位相角変化量△δ、△δについて説明するための図。
以下、実施形態の電力系統監視装置、および電力系統監視方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の電力系統監視装置100を備える監視システム1の構成図である。図1に示す監視システム1は、例えば、監視対象発電機10と、変圧器20と、電力系統監視装置100とを備える。
監視対象発電機10は、例えば、交流電力を電力系統に供給する。変圧器20は、監視対象発電機10が供給する交流電力に対して、電磁誘導作用により電圧および電流を変成して、電力系統監視装置100に監視用の交流電力を出力する。
電力系統監視装置100は、例えば、アナログ入力部110と、位相角検出部120と、記憶部130と、演算処理部140と、制御情報出力部150とを備える。これらの機能部のうち、少なくとも一部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶部130に格納されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。これらの各機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現されてもよい。また、アナログ入力部110と、位相角検出部120とを組み合わせたものが、「測定部」の一例である。また、脱調傾向判定部142は、「判定部」の一例である。
アナログ入力部110は、例えば、入力部111と、A/D変換部112とを備える。入力部111には、監視対象発電機10が接続される電力系統の電圧のアナログ信号が入力される。A/D変換部112は、入力部111に入力された電圧のアナログ信号をデジタルデータに変換する。変換されたデジタルデータは、位相角検出部120に出力される。
位相角検出部120は、アナログ入力部110から入力された電圧のデジタルデータに基づいて、監視対象発電機10の電圧位相を検出する。また、位相角検出部120は、検出した電圧位相の時系列情報を、位相角情報131として記憶部130に格納する。
記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。記憶部130は、例えば、位相角情報131および位相角変化量情報132等の各種情報を記憶する。位相角情報131は、位相角検出部120により検出された監視対象発電機10の電圧位相の検出結果である。位相角変化量情報132は、例えば、位相角変化量演算部141により演算された第1所定時間における位相角変化量の演算結果である。
演算処理部140は、例えば、位相角変化量演算部141と、脱調傾向判定部142とを備える。位相角変化量演算部141は、記憶部130に記憶された位相角情報131に基づいて、第2所定時間ごとの位相角変化量を演算する。第2所定時間は、例えば、第1所定時間よりも短い時間である。
図2は、位相角変化量演算部141の演算内容を説明するための図である。図2の横軸は時刻Tを示し縦軸は位相角θを示す。位相角変化量演算部141は、予め設定された理想とする位相波形(以下、「基準波形」と称する)w0に対し、位相角検出部120により検出された位相波形w1のずれ量から位相角変化量を演算する。基準波形とは、例えば、仮想的に定義された脱調傾向にない電力系統から得られる電圧の位相波形である。
図2の例において、位相角変化量演算部141は、ある時刻T0における基準波形w0の位相角と位相波形w1の位相角との差分△θ1と、時刻Tp0から第2所定時間が経過した後の時刻Tp1における基準波形w0の位相角と位相波形w1の位相角との差分△θ2とを演算する。次に、位相角変化量演算部141は、△θ1と△θ2との差分により位相角変化量△θを演算する。演算された位相角変化量は、位相角変化量情報132として記憶部130に格納される。位相角変化量演算部141は、上述した位相角変化量の演算を所定の周期で繰り返し実行する。また、位相角変化量演算部141は、第1所定時間よりも短い第2所定時間における位相角変化量を繰り返し演算して累計することで、第1所定時間における位相角変化量を取得する。
脱調傾向判定部142は、例えば、記憶部130に記憶された第1所定時間における位相角変化量の計算結果を用いて、所定時間内の位相角変化量の累計が閾値を超えるか否かを判定する。そして、脱調傾向判定部142は、所定時間内の位相角変化量の累計が閾値を超える場合に、監視対象発電機10が脱調傾向であると判定する。
制御情報出力部150は、脱調傾向判定部142により、監視対象発電機10が脱調傾向にあると判定された場合に、監視対象発電機10に制御情報を送信する。制御情報とは、例えば、監視対象発電機10を電力系統から遮断する等の指令である。また、制御情報出力部150は、脱調傾向判定部142による判定結果に関する情報を、電力系統監視装置100や監視システム1の管理者端末に出力してもよく、記憶部130に記憶してもよい。
図3は、第1の実施形態の脱調傾向判定処理について説明するためのフローチャートである。図3のフローチャートは、所定の周期または所定のタイミングで繰り返し実行される。まず、位相角検出部120は、監視対象発電機10の電圧位相を測定し(ステップS100)。測定した電圧位相を記憶部130に記憶する(ステップS102)。次に、記憶部130に記憶された電圧位相から第1所定時間における位相角変化量を演算する(ステップS104)。
次に、脱調傾向判定部142は、第1所定時間における位相角変化量に基づいて、監視対象発電機10が脱調傾向にあるか否かを判定する(ステップS106)。監視対象発電機10が脱調傾向にあると判定された場合、制御情報出力部150は、監視対象発電機10に制御指令を出力して(ステップS108)、本フローチャートの処理を終了する。また、ステップS106において、監視対象発電機10が脱調傾向にない場合、本フローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、第1の実施形態の電力系統監視装置100によれば、計測側と、演算側との間での同期制御が必要ないため、監視対象発電機の脱調傾向を判定する監視システムの事後演算による制御判定等に利用することができる。また、電力系統監視装置100は、線路インピーダンス等の系統定数を使用する必要がないため、複数の発電機を観測する広域系統に適用することができる。
(第2の実施形態)
次に、電力系統監視装置の第2の実施形態について説明する。以下において、第1の実施形態の監視システム2と同様の機能を備える構成については、同一の名称および符号を用いることとし、具体的な説明は省略する。
図4は、第2の実施形態の電力系統監視装置100Aを備える監視システム2の構成図である。電力系統監視装置100Aは、第1の実施形態の電力系統監視装置100と比較すると、事故検出部160を備えるとともに、位相角変化量演算部141の代わりに位相角変化量演算部141Aを備える点で相違する。したがって、以下では、主に事故検出部160および位相角変化量演算部141Aの構成を中心として説明する。
事故検出部160は、アナログ入力部110にて取得した電圧の情報を利用して系統事故の発生を検出する。例えば、事故検出部160は、入力部111に入力された交流電圧のアナログ信号において、その電圧の振幅の変化量が閾値以下である場合に、監視対象発電機10に地絡等の系統事故が発生していることを検出する。事故検出部160は、例えば、一時的に電圧の振幅の変化量が閾値以下となり、その後、変化量が閾値を超えた場合には、変化量が閾値以下の状態から閾値を超えた時点を、事故発生時点として検出してもよい。
位相角変化量演算部141Aは、記憶部130の位相角変化量情報132に記憶された時系列の位相角変化量のうち、事故検出部160による系統事故の検出時点を基準として第1所定時間が経過するまでの位相角変化量の累計を演算する。脱調傾向判定部142は、演算された累計が閾値を超えたか否かを判定し、累計が閾値を超えた場合に、監視対象発電機10が脱調傾向であると判定する。
以上説明したように、第2の実施形態の電力系統監視装置100Aによれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、系統事故の発生をトリガとして、位相角変化量の累計で脱調判定を行うことができる。また、第2の実施形態によれば、系統事故による脱調のみを対象として判定することができる。また、第2の実施形態によれば、緩やかな位相変化で監視対象発電機10が脱調する場合でも、閾値を超える場合には脱調傾向にあると判定して制御指令等を出力することができる。
(第3の実施形態)
次に、電力系統監視装置の第3の実施形態について説明する。以下において、第1の実施形態の監視システム2と同様の機能を備える構成については、同一の名称および符号を用いることとし、具体的な説明は省略する。
図5は、第3の実施形態の電力系統監視装置100Bを備える監視システム3の構成図である。図5の監視システム3は、例えば、監視対象発電機10と、変圧器20と、電力系統監視装置100Bと、計測装置200−1、200−2とを備える。監視システム3は、第1の実施形態における監視システム1と比較すると、計測装置200−1、200−2を備える点、および電力系統監視装置100に設けられていたアナログ入力部110が計測装置200−1、200−2のそれぞれに設けられている点で相違する。したがって、以下では、主に計測装置200−1、200−2を中心に説明する。
計測装置200−1は、監視対象発電機10が接続された電力系統から電圧を測定する。計測装置200−1は、例えば、アナログ入力部110−1と、通信部113−1とを備える。アナログ入力部110−1は、例えば、入力部111−1と、A/D変換部112−1とを備える。入力部111−1は、監視対象発電機10が接続する電力系統の電圧のアナログ信号を入力する。A/D変換部112−1は、入力部111−1に入力された電圧のアナログ信号をデジタルデータに変換する。通信部113−1は、A/D変換部112−1により変換されたデジタルデータを、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して、電力系統監視装置100Bに送信する。通信部113−1は、例えば、NIC(Network Interface Card)や無線通信モジュール等の通信インターフェースである。
計測装置200−2は、例えば、基準電気所の母線電圧を計測する。基準電気所とは、例えば、一つの発電機の電圧変化に依存しない安定的な電力を供給する発電所または変電所である。計測装置200−2は、例えば、アナログ入力部110−2と、通信部113−2とを備える。アナログ入力部110−2は、例えば、入力部111−2と、A/D変換部112−2とを備える。入力部111−2は、基準電気所の電力系統の電圧のアナログ信号を入力する。A/D変換部112−2は、入力部111−2に入力された電圧のアナログ信号をデジタルデータに変換する。通信部113−2は、A/D変換部112−2により変換されたデジタルデータを、インターネットやLAN等の通信ネットワークを介して、電力系統監視装置100Bに送信する。通信部113−2は、例えば、NICや無線通信モジュール等の通信インターフェースである。
電力系統監視装置100Bは、例えば、位相角検出部120Bと、記憶部130Bと、演算処理部140Bと、制御情報出力部150と、通信部170とを備える。通信部170は、計測装置200−1、200−2が計測したそれぞれの電圧のデジタルデータを受信する。
位相角検出部120Bは、通信部170によって受信した電力系統の電圧情報から、監視対象発電機10の電圧位相および基準電気所の母線電圧の電圧位相を検出する。また、位相角検出部120Bは、第2所定時間ごとの監視対象発電機10および基準電気所の母線電圧の電圧位相の測定結果の時系列情報を、位相角情報131Bとして記憶部130Bに記憶する。
演算処理部140Bは、例えば、位相角変化量演算部141Bと、脱調傾向判定部142Bとを備える。位相角変化量演算部141Bは、記憶部130Bに記憶された監視対象発電機10の電圧位相および基準電気所の母線電圧の電圧位相の検出結果に基づいて、基準波形に対するそれぞれの位相角変化量△δg1、△δk1を算出する。ここで、位相角変化量△δg1、△δk1と、位相角変化量△θとは、例えば「△δg1−△δk1=∫Δθdt」の関係が成り立つ。
図6は、第3の実施形態の位相角変化量△δg1、△δk1について説明するための図である。図6の横軸は、時刻Tを示し、縦軸は位相角変化量の累計値δを示す。また、図6は、時間経過に伴う基準電気所の母線電圧の位相角変化量の累計値δg1と、監視対象発電機10の位相角変化量の累計値δk1を表している。
位相角変化量演算部141Bは、演算した基準電気所の母線電圧の第1所定時間における位相角変化量(△δK1)、および監視対象発電機10の第1所定時間における位相角変化量(△δg1)を演算する。演算結果は、位相角変化量情報132Bとして、記憶部130に格納する。
脱調傾向判定部142Bは、所定時間ごとの位相角変化量△δk1、△δg1を用いて、その差分(△δg1−△δk1)が閾値を超えるか否かを判定する。そして、脱調傾向判定部142Bは、その差分値が閾値を超えた場合に監視対象発電機10が脱調傾向であると判定する。なお、図6においてΔδk1を一定値(ゼロ)としたものが、第1の実施形態の処理に相当する。
以上説明したように、第3の実施形態の電力系統監視装置100Aによれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、基準電気所の電圧位相を基準波形として扱い、母線電圧と監視対象発電機10の電圧の位相差を用いて位相角変化の差分を計算して、監視対象発電機の脱調傾向を判定することで、計測装置200と電力系統監視装置100Bとの間のサンプリング同期を取ることなく位相差判定を実施することができる。
(第4の実施形態)
次に、電力系統監視装置の第4の実施形態について説明する。以下において、第3の実施形態の監視システム3と同様の機能を備える構成については、同一の名称および符号を用いることとし、具体的な説明は省略する。
図7は、第4の実施形態の電力系統監視装置100Cを備える監視システム4の構成図である。図7の監視システム4は、例えば、監視対象発電機10と、変圧器20と、電力系統監視装置100Cと、計測装置200A−1、200A−2とを備える。監視システム4は、第3の実施形態における監視システム3と比較すると、計測装置200A−1、200A−2に事故検出部114−1、114−2を備える点、および事故検出部114−1、114−2を備えることによる電力系統監視装置100Cの処理が相違する。したがって、以下では、主に事故検出部114−1、114−2を中心に説明する。
事故検出部114−1および114−2は、それぞれのアナログ入力部110−1、110−2にて取得した電圧の情報を利用して系統事故の発生を検出する。通信部113は、電圧のデジタルデータおよび事故検出部114による事故検出信号を、電力系統監視装置100Cに送信する。
電力系統監視装置100Cは、例えば、位相角検出部120Cと、記憶部130Cと、演算処理部140Cと、制御情報出力部150と、通信部170Cとを備える。位相角検出部120Cは、通信部170Cから得られた電力系統の電圧情報に基づいて、監視対象発電機10および基準電気所の母線電圧の電圧位相を算出するとともに、計測装置200−1および200−2から受信する事故検出信号に基づいて系統事故発生を検出する。例えば、位相角検出部120Cは、計測装置200−1および200−2のうち、少なくとも一方から事故検出信号を受信した場合に、系統事故が発生したことを検出する。位相角変化量演算部141Cは、事故検出信号を受信した時点を基準として第1所定時間による位相角変化量を演算する。
図8は、第4の実施形態の位相角変化量△δk2、△δg2について説明するための図である。図8の横軸は、時刻Tを示し、縦軸は位相角累計値δを示す。また、図8は、基準電気所の母線電圧の位相角変化量の累計値δg2と、監視対象発電機10の位相角変化量の累計値δk2を表している。位相角変化量演算部141Cは、事故検出信号に基づく事故発生時点を基準として、位相角変化量情報132Cに記憶された所定時間ごとの位相角変化量の値から、系統事故発生時点から第1所定時間までの位相角変化量△δg2、△δk2を演算する。また、脱調傾向判定部142Cは、位相角変化量△δg2、△δk2の差分(△δg2−△δk2)が閾値を超えるか否かを判定する。そして、脱調傾向判定部142Cは、差分が閾値を超えた場合に監視対象発電機10が脱調傾向であると判定する。
以上説明したように、第4の実施形態の電力系統監視装置100Cによれば、第3の実施形態と同様の効果を奏する他、系統事故による脱調のみを対象とすることが可能となり、緩やかな位相変化で脱調する場合でも、閾値を超える場合には脱調傾向にあると判定して制御指令等を出力することができる。
(第5の実施形態)
次に、電力系統監視装置の第5の実施形態について説明する。以下において、第3の実施形態の監視システム3と同様の機能を備える構成については、同一の名称および符号を用いることとし、具体的な説明は省略する。
図9は、第5の実施形態の電力系統監視装置100Dを備える監視システム4の構成図である。図9の監視システム5は、例えば、監視対象発電機10と、変圧器20と、電力系統監視装置100Dと、計測装置200A−1、200A−2と、サーバ装置300とを備える。監視システム5は、第4の実施形態における監視システム4と比較すると、サーバ装置300を備える点、および演算処理部140Dの構成が相違する。したがって、以下では、主にサーバ装置300および演算処理部140Dを中心に説明する。
サーバ装置300は、例えば、通信部310と、系統給電情報取得部320と、記憶部330とを備える。通信部310は、計測装置200−1および200−2と通信を行う。通信部310は、例えば、計測装置200−1および200−2からの計測情報を取得する。また、通信部310は、電力系統監視装置100Dに給電情報331を送信する。通信部310は、例えば、NICや無線通信モジュール等の通信インターフェースである。
系統給電情報取得部320は、通信部310により受信した情報から計測装置200により計測された系統ごとの給電情報を取得する。給電情報とは、例えば、電力系統に接続された発電機が脱調傾向にない状況下において、計測装置200−1および200−2から取得した監視対象発電機10および基準電気所の電圧のデジタルデータである。この給電情報は、系統事故が発生する前の給電情報である。取得された給電情報は、給電情報331として記憶部330に記憶される。また、系統給電情報取得部320は、監視対象発電機10と基準電気所との間の位相差情報を演算し、演算結果を記憶部330に記憶してもよい。
記憶部330は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。記憶部330は、例えば、給電情報331等の各種情報を記憶する。
電力系統監視装置100Dは、例えば、位相角検出部120Dと、記憶部130Dと、演算処理部140Dと、制御情報出力部150と、通信部170Dとを備える。記憶部130Dは、位相角情報131Dと、位相角変化量情報132Dと、給電情報133とを備える。
通信部170Dは、計測装置200−1および200−2から電圧のデジタルデータを受信する。また、通信部170Dは、サーバ装置300から計測装置200−1および200−2の給電情報331を受信する。通信部170は、受信した給電情報を、給電情報133として記憶部130Dに格納する。また、通信部170Dは、サーバ装置300から監視対象発電機10と基準電気所との間の位相差情報を受信してもよい。
位相角検出部120Dは、監視対象発電機10および基準電気所の母線電圧の電圧位相を算出するとともに、計測装置から受信する事故検出信号に基づいて系統事故発生を検出する。例えば、位相角検出部120Dは、計測装置200−1および200−2のうち、少なくとも一方から事故検出信号を受信した場合に、系統事故が発生したことを検出する。
また、演算処理部140Dは、例えば、位相角変化量演算部141Dと、脱調傾向判定部142Dと、事故前位相差演算部143と、事故検出時位相角検出部144と、演算タイミング補正部145とを備える。
事故前位相差演算部143は、記憶部130Dに記憶された発電機が脱調傾向にない状況下における給電情報による位相差と等しい位相差となるように、基準電気所の母線電圧の電圧位相および監視対象発電機10の電圧位相のタイミングを補正する時刻t1およびt2を演算する。例えば、事故前位相差演算部143は、系統事故の検出時点から所定時間前の基準電気所の母線電圧の電圧位相と監視対象発電機10の電圧位相との差を演算する。また、事故前位相差演算部143は、事故検出部114から事故検出信号により系統事故を検出した場合に、記憶部130Dの給電情報133に記憶された給電情報の電圧位相差と、事故検出時点により一窓長内において基準電気所の母線電圧の電圧位相(△δk(t1))および監視対象発電機10の電圧位相(δg(t2))との差(δg(t2)−△δk(t1))がほぼ等しくなるt1,t2を算出する。
事故検出時位相角検出部144は、事故検出部114にて系統事故を検出後、記憶部130Dの位相角情報131Dに記憶された電圧位相の測定結果に基づいて、基準電気所の母線電圧の系統事故発生時の位相角(δg(t))と、監視対象発電機10の系統事故発生時との位相角(δk(t))を算出する。
演算タイミング補正部145は、位相角情報131Dに記憶された電圧位相の測定結果を、事故前位相差演算部143にて演算されたt1,t2を用いて、事故発生時の時刻をt0としたときに、基準電気所の母線電圧の電圧位相のタイミングをt1だけ遅らせるとともに、監視対象発電機10の電圧位相のタイミングをt2だけ遅らせる。また、演算タイミング補正部145は、タイミングを遅らせた位相角を、最新の位相として位相角変化量演算部141Dに出力する。
位相角変化量演算部141Dは、演算タイミング補正部145から入力された位相角を用いて、位相角変化量△δ、△δとして計算する。脱調傾向判定部142Dは、記憶部130Dの位相角変化量情報132Dに記憶された位相角変化量△δ、△δを用いて、その差分(△δ−△δ)が閾値を超えるか否かを判定する。
図10は、第5の実施形態の位相角変化量△δ、△δについて説明するための図である。図10の横軸は、時間Tを示し、縦軸は、位相角変化量δを示す。脱調傾向判定部142Dは、事故発生時点を基準(t=0)として、第1所定時間経過後における位相角変化量△δ、△δの差分(△δ−△δ)が閾値以上である場合に、監視対象発電機10が脱調傾向にあると判定する。
以上説明したように、第5の実施形態の電力系統監視装置100Dによれば、第4の実施形態と同様の効果を奏する他、給電情報で求めた位相差を用いて基準電気所と監視対象発電機の電圧位相の計測を開始するタイミングの時刻差を補正し、補正後の位相角変化量を計算することで、脱調傾向判定の時間的誤差を少なくすることができる。これにより、位相差検出の精度を向上させることができる。なお、上述した第1〜第5の実施形態は、それぞれ他の実施形態の一部または全部と組み合わせてもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、監視対象発電機10の電圧位相を測定するアナログ入力部110および位相角検出部120と、アナログ入力部110および位相角検出部120により測定された電圧位相の測定結果を記憶する記憶部130と、記憶部130に記憶された電圧位相の測定結果に基づいて、第1所定時間における位相角変化量を演算する位相角変化量演算部141と、位相角変化量演算部141により演算された位相角変化量に基づいて、監視対象発電機10が脱調傾向にあるか否かを判定する脱調傾向判定部142とを持つことにより、同期制御を必要とせず、発電機の脱調傾向を判定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1〜5…監視システム、10…監視対象発電機、20…変圧器、100…電力系統監視装置、110…アナログ入力部、111…入力部、112…A/D変換部、113、170、310…通信部、114、160…事故検出部、120…位相角検出部、130、330…記憶部、131…位相角情報、132…位相角変化量情報、133…給電情報、140…演算処理部、141…位相角変化量演算部、142…脱調傾向判定部、143…事故前位相差演算部、144…事故検出時位相角検出部、145…演算タイミング補正部、150…制御情報出力部、200…計測装置、300…サーバ装置、320…系統給電情報取得部

Claims (10)

  1. 監視対象の発電機の電圧位相を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された前記電圧位相の測定結果を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記電圧位相の測定結果に基づいて、第1所定時間における位相角変化量を演算する位相角変化量演算部と、
    前記位相角変化量演算部により演算された位相角変化量に基づいて、前記発電機が脱調傾向にあるか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記位相角変化量演算部は、前記第1所定時間よりも短い第2所定時間における位相角変化量を繰り返し演算して累計することで、前記第1所定時間における位相角変化量を取得する、
    力系統監視装置。
  2. 前記判定部は、前記位相角変化量演算部により演算された位相角変化量が閾値を超えた場合に、前記発電機が脱調傾向にあると判定する、
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  3. 前記測定部により測定された前記電圧位相の測定結果を用いて、系統事故を検出する事故検出部を、更に備え、
    前記位相角変化量演算部は、前記事故検出部により系統事故が検出された時点を基準に、第1所定時間における位相角変化量を演算する、
    請求項1または2に記載の電力系統監視装置。
  4. 前記判定部は、前記第1所定時間における基準波形の位相角変化量と前記測定部により測定された位相波形との変化量との差分が閾値以上である場合に、前記発電機が脱調傾向にあると判定する、
    請求項1からのうち、何れか1項に記載の電力系統監視装置。
  5. 前記位相角変化量演算部は、予め設定された理想とする電圧位相の波形を前記基準波形として扱う、
    請求項に記載の電力系統監視装置。
  6. 前記測定部は、前記発電機の電圧位相と、基準となる電気所の電圧位相とを測定し、
    前記記憶部は、前記発電機の電圧位相と、前記電気所の電圧位相との測定結果を記憶し、
    前記位相角変化量演算部は、前記記憶部に記憶された前記電気所の電圧位相を前記基準波形として扱う、
    請求項に記載の電力系統監視装置。
  7. 前記測定部により測定された前記電圧位相の測定結果を用いて、系統事故を検出する事故検出部を、更に備え、
    前記位相角変化量演算部は、前記電気所の電圧位相のうち、前記事故検出部により系統事故が検出された時点から第1所定時間の電圧位相を前記基準波形として扱う、
    請求項に記載の電力系統監視装置。
  8. 前記系統事故の検出時点から所定時間前の前記電気所の母線電圧の電圧位相と前記発電機の電圧位相との差を演算する事故前位相差演算部と、
    前記電気所の母線電圧の系統事故発生時の位相角と、前記発電機の系統事故発生時の位相角を検出する事故検出時位相角検出部と、
    前記事故前位相差演算部により得られる所定時間前の前記電気所の母線電圧の電圧位相と前記発電機の電圧位相との差と、前記事故検出時位相角検出部により得られる母線電圧の系統事故発生時の位相角および前記発電機の系統事故発生時の位相角とに基づいて、前記位相角変化量演算部における演算を開始するタイミングを補正する演算タイミング補正部と、を更に備える、
    請求項に記載の電力系統監視装置。
  9. 前記判定部による判定結果に関する前記発電機への制御情報を出力する制御情報出力部を、更に備える、
    請求項1からのうち、何れか1項に記載の電力系統監視装置。
  10. コンピュータが、
    監視対象の発電機の電圧位相を測定し、
    測定された前記電圧位相の測定結果を記憶部に記憶し、
    前記記憶部に記憶された前記電圧位相の測定結果に基づいて、第1所定時間における位相角変化量を演算し、
    演算された前記位相角変化量に基づいて、前記発電機が脱調傾向にあるか否かを判定し、
    更に前記第1所定時間よりも短い第2所定時間における位相角変化量を繰り返し演算して累計することで、前記第1所定時間における位相角変化量を取得する、
    電力系統監視方法。
JP2017087658A 2017-04-26 2017-04-26 電力系統監視装置、および電力系統監視方法 Active JP6914713B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017087658A JP6914713B2 (ja) 2017-04-26 2017-04-26 電力系統監視装置、および電力系統監視方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017087658A JP6914713B2 (ja) 2017-04-26 2017-04-26 電力系統監視装置、および電力系統監視方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018186660A JP2018186660A (ja) 2018-11-22
JP6914713B2 true JP6914713B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=64355287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017087658A Active JP6914713B2 (ja) 2017-04-26 2017-04-26 電力系統監視装置、および電力系統監視方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6914713B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118318365A (zh) * 2021-11-18 2024-07-09 Abb瑞士股份有限公司 确定电力***的故障的方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57183218A (en) * 1981-05-06 1982-11-11 Tokyo Shibaura Electric Co Method of predicting stepout of power system
JP3400118B2 (ja) * 1994-07-20 2003-04-28 株式会社東芝 系統安定化装置および位相差測定装置
JP6081124B2 (ja) * 2012-10-05 2017-02-15 株式会社東芝 系統安定化装置および系統安定化方法
JP6397760B2 (ja) * 2014-12-26 2018-09-26 株式会社日立製作所 電力系統安定化装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018186660A (ja) 2018-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10422827B2 (en) Time-domain line differential protection of electric power delivery systems
JP4657151B2 (ja) 回転位相角測定装置及びこれを用いた周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置及び相判別装置
JP6242354B2 (ja) 非接地配電系統の障害場所解析方法およびシステム
US9128140B2 (en) Detection of a fault in an ungrounded electric power distribution system
JP6616193B2 (ja) 避雷器漏れ電流検出方法、避雷器漏れ電流検出装置、及び避雷器漏れ電流監視装置
KR101681288B1 (ko) 전력기기의 오차보정방법
US9612290B2 (en) Reducing or avoiding noise in measured signals of a tested battery cell(s) in a battery power system used to determine state of health (SOH)
Abu-Siada et al. A new on-line technique to identify fault location within long transmission lines
JP2015520849A (ja) 障害検出及び位置特定装置及び方法
CN105655986B (zh) 自动校准、动态补偿的电容器组不平衡保护方法及装置
JP5618758B2 (ja) 電力系統の短絡容量監視方法およびそのシステム
WO2017066205A1 (en) Traveling wave directional element
JP6914713B2 (ja) 電力系統監視装置、および電力系統監視方法
JP2008157838A (ja) 絶縁監視装置
JP5396675B2 (ja) 絶縁監視装置
JP2005227132A (ja) 絶縁状態監視装置、および絶縁状態監視方法
JP5971692B2 (ja) 電力系統の短絡容量監視方法およびそのシステム
JP2011149959A (ja) 絶縁監視装置
KR20160096364A (ko) 시각 동기화 데이터를 이용한 전력계통의 선로정수 추정방법
JP6588261B2 (ja) 絶縁監視装置およびインバータ装置
KR101463045B1 (ko) 고장전류에 포함된 직류 성분 검출 및 제거 방법
KR101003462B1 (ko) 수정된 제로 크로싱 방식의 주파수 검출장치 및 그 방법
EP3764499B1 (en) Symmetrical fault detection during power swing condition with single ended measurements
JP5455776B2 (ja) 電流測定装置
RU2513874C1 (ru) Способ мониторинга переходных режимов в электроэнергетической системе и устройство для его реализации

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6914713

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150