JP6914306B2 - 逆磁歪式発電素子、発電装置、発電システム - Google Patents

逆磁歪式発電素子、発電装置、発電システム Download PDF

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Description

本発明は逆磁歪効果を利用する発電素子に関し、安価で大量生産に向いた構造で、安定し効率的な起電力を可能にする発電素子、発電装置、発電システムに関する。
近年、再生可能エネルギーや生活振動などを利用して発電し、有限である電池やバッテリーなどに代わって、通信や補助電源などに、メンテナンスフリーで利用しようとする動きがある。
その技術の1つに強磁性体の磁歪効果を利用するものがある。
磁歪効果とは強磁性体に磁場を付与した際(強磁性体が磁化した際)に変形する効果を指し、磁歪効果による変形量が大きい材料は磁歪材料と呼ばれる。
磁歪材料は、外力の付加によって、その内部に生じる圧縮/引張応力によって変形し、磁化(磁力線)を大きく変化させる逆磁歪効果を備えている。逆磁歪効果による磁束密度の時間的変化を利用する発電素子は、小さな外力に対して高効率で発電できるとされている。
逆磁歪効果を利用する発電素子は、発電部とフレームと磁石から概略構成される。
発電部は、磁歪材料からなる磁歪板(棒状でも可)磁歪板に巻かれるコイル、磁歪板に振動と磁力を伝える磁性材料からなるフレームから概略構成される。
フレームに外部振動や外力を付加することでフレームを振動させ、逆磁歪効果を利用して発電部で発電する仕組みになっている。
外力の用い方には、大まかに2種あり、外部振動によって素子全体を揺らすことで逆磁歪効果を得るタイプ(振動発電)と、再生可能エネルギーなどから得られる運動エネルギーをフレームに与え、その振動を発電部の磁歪板へ伝えて逆磁歪効果を得るタイプ(運動エネルギー発電)である。
振動発電では、電磁誘導方式や圧電方式などで、すでに実用に供されているものもある。しかし、発電力が低く、その使用目的は、単純な信号の発生程度にとどまっている。
運動エネルギー発電では、実用になっているものは、まだ現れていない。
逆磁歪効果をもつ、磁歪素子、例えば鉄ガリューム合金(Fe-Ga)は、理論的には高電力を取り出すポテンシャルのある素材である。この素材を、効果的に使用すれば、単純な発電に限らず、充電をして、様々な用途に使用することができる。
近年、大規模災害が問題となっている。こうした災害時に、電気インフラが途絶えた時、独立で情報を発信できるような、独立電源で、メンテナンスフリーの通信システムが求められている。
さらには、民生用に限らず、社会インフラ用途に重要な役割を演ずる独立電源の電力発生源として、強磁性体の磁歪効果を利用する発電素子、発電装置が求められている。
特許4905820号公報 特許第6343852号公報 特願2019―104094
先行技術文献にあげた特許文献1と2および3には、強磁性体の磁歪効果を使った振動素子が紹介されている。
いずれも、片持ち梁を基本に、一方を固定端、他方を自由端とし、自由端側に磁歪板とコイルから構成される発電部を配置し、受容した外部振動を、できうる限り大きな振幅にして発電部内の磁歪材料へ伝えようとしている。
ところが、上述した従来技術では次のような問題が生じる。
すなわち、いずれの方法も、振幅は大きくできるが、振幅の基本周波数は、外部振動に支配されて低い周波数(100〜500Hz程度)となる。磁歪材料から起電力を得るには、高い周波数(数kHz)の振動を加えることが効果的とされている。これらの方法では、振動の数次先の弱い高周波成分を与えることができるだけで、磁歪材料の能力を万全に引き出すことはできない。
加えられた振動を磁歪材料の固有振動数に合わせて、共振エネルギーを得るという考え方もあるが、合わせ込みには微妙な調整が必要であり、長期安定化、量産そして低価格化には不向きである。
また、振動源のエネルギーが大きくなると、揺らされる電源部のコイルの振幅も大きくなり、コイルの出力線が接続されている外部回路への配線経路に振動疲労が生じて、断線等のリスクが高まるという問題もある。
そして、発生電圧を上げるためにコイルの巻き数を増やしたり、コイル内の抵抗を下げるためにコイルの線材の径を太くしたりと、電力のパフォーマンスを上げようとすると、コイルが大型化する。そのことは、前述のリスクを大きくする。
本発明者は、前述の問題を精査し、加えられる外力を効果的に増幅すること、発電部の位置がなるべく移動しないこと、発電部に加える振動の周波数を上げることに注力し、鋭意、発想と実験を繰り返した。その結果、後述の知見と結果を得た。
従来の方法が採用している、片持ち梁の固定端―自由端の構造をやめ、その代わりに、両端を自由端として、フレームの固定箇所となる支持部(支点)を発電部と、外力を加える外力受容部の間の、任意の場所に配置する。
この構造で、フレームにバネ性を持った材料を使用する。そして、発電部側とは、反対側の端部から支点までのフレームの部分(以後、外力受容部と呼ぶ)の部分に、弾性変形領域内で外力を加える。
すると、フレームの外力受容部は湾曲に大きく変形する。この時、ばねの弾性率を適切に設定すると、反対側の端部にある発電部は、ほとんど位置が変わらないことに発明者は着目した。
そして、外力受容部を外力から解放すると、外力受容部の部分は、そのバネ性によって勢いよく戻る。この時の振幅と周波数は、ほとんどの場合、外力より、動力(時間当たりのエネルギー)が高いという利点を有する。
そして、外力受容部の戻り動作軌道の途中に、ストッパーを設けると、変形を開放して戻ってきた外力受容部の一部がストッパーにあたり、そのショックで、外力受容部に、高周波成分を多量に持つ複雑な振動が発生することを発明者は発見した。
さらに、発明者は、この高周波成分を多量に持つ複雑な振動が、支持部(支点)を超えて発電部の磁歪材料に到達し、単純な低周波振動では得られない高い電力を惹起することを確認した。
これにより、高い周波数の振動を簡単至便に作り出し、磁歪素子から大きな逆磁歪効果を得るとともに、発電部の大きな位置移動を行わず、長期間、安定して発電を続けることを見出した。
本発明の目的は、前述の問題への考察と発明者の創意に基づくアイデアを考慮して、起電力が増加し、長期信頼性と生産性に優れた逆磁歪式の発電素子、発電装置、発電システムを提供することにある。
本発明の発電素子は、弾性体であり磁性材料からなるフレームと、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石を少なくとも備える逆磁歪式の発電素子において、前記磁歪板と前記コイルは前記フレームに配置され、前記磁石は前記発電素子が磁気回路を構成する位置に配置され、前記フレームは支持部によって支持され、前記フレームの両端が自由端であることを特徴とする。
また、前記支持部が前記フレームを支持する位置から、一方の自由端側は前記磁歪素子と前記コイルを配置した発電部であり、もう一方の側の自由端までは、外力を受ける外力受容部であり、前記外力受容部は、前記外力により荷重を受け変形し、除荷されて発生する復元力によって前記フレームと前記磁歪素子を振動させることを特徴とする。
また、前記支持部は、前記フレームの振動の節を支持することを特徴とする。
また、前記支持部は、少なくとも一部に磁石を用いたことを特徴とする。
また、前記発電部の前記磁歪板は、前記フレームの振動の腹に配置することを特徴とする。
また、前記発電部の前記磁歪板は、積層されて成る積層部を備えることを特徴とする。
また、前記外力による前記外力受容部の変形量は、前記外力受容部を構成する磁性材料の弾性域内であることを特徴とする。
また、前記外力受容部が前記外力から除荷されて復元力による振幅を行うとき、前記外力受容部の振幅の軌道に配置される振動ストッパーを具備してなることを特徴とする。
また、前記支持部は、前記フレームを固定するための抑え板を具備し、前記支持部の前記フレームへの接触面積は、前記フレームの前記抑え板の前記フレームへの接触面積とは異なることを特徴とする。
また、前記外力受容部側の端部から前記支持部までの距離は、前記発電部側の端部から前記支持部までの距離とは異なることを特徴とする。
また、前記外力受容部は、外力との接触によって起きる摩耗や撥音を防ぐ保護部を具備することを特徴とする。
また、前記発電部と前記外力受容部との少なくとも一方の自由端に、任意の重りを配置することを特徴とする。
また、前記発電部側の自由端は、振動量を制限するリミット機構を具備してなることを特徴とする。
また、前記発電部のコイルは、金属線と、金属線が巻かれたボビンと、で構成され、前記固定部とは別のボビン専用の固定部に固定されて、前記フレームの振動に連動しないようにしたことを特徴とする。
本発明の発電装置は、弾性体であり磁性材料からなるフレームと、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石を少なくとも備える逆磁歪式の発電素子において、前記磁歪板と前記コイルは前記フレームに配置され、前記磁石は前記発電素子が磁気回路を構成する位置に配置され、前記フレームは支持部によって支持され、前記フレームの両端が自由端であり、前記支持部が前記フレームを支持する位置から、一方の自由端側は前記磁歪素子と前記コイルを配置した発電部であり、もう一方の側の自由端までは、外力を受ける外力受容部であり、前記外力受容部は、前記外力により荷重を受け変形し、除荷されて発生する復元力によって前記フレームと前記磁歪素子を振動させることを特徴とする発電素子を具備して、前記外力は、てこの原理を用いたことを特徴とする。
また、前記発電部は、電子回路に接続され、前記電子回路は、USB端子等の外部接続用コネクターに接続され、前記外力受容部と前記コネクターを露出した状態で、筐体に納められたことを特徴とする。
また、前記外力は、再生可能エネルギーであることを特徴とする。
また、前記外力は、人力によるものであることを特徴とする。
また、前記外力は、機械が動作する際の振動や道路、建物、橋梁など建築物が発生する振動であることを特徴とする。
また、前記外力受容部に外力を加える外部装置は、ばね性を持つ金属片で外力を加えることを特徴とする。
また、前記外力は、回転運動により前記外力受容部に外力を加えることを特徴とする。
本発明の発電システムは、弾性体であり磁性材料からなるフレームと、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石を少なくとも備える逆磁歪式の発電素子において、前記磁歪板と前記コイルは前記フレームに配置され、前記磁石は前記発電素子が磁気回路を構成する位置に配置され、前記フレームは支持部によって支持され、前記フレームの両端が自由端であり、前記支持部が前記フレームを支持する位置から、一方の自由端側は前記磁歪素子と前記コイルを配置した発電部であり、もう一方の側の自由端までは、外力を受ける外力受容部であり、前記外力受容部は、前記外力により荷重を受け変形し、除荷されて発生する復元力によって前記フレームと前記磁歪素子を振動させることを特徴とする発電素子を具備して、前記外力は、てこの原理を用いたことを特徴とする発電装置であり、前記発電装置は、少なくともセンシング、通信、充電、の群のうち、少なくとも一つに使用することを特徴とする。
本発明によれば、構造が単純で、安価に、そして安定して、高い電力を取り出せる逆磁歪式の発電素子、発電装置、発電システムを提供することができる。
その使用用途は、メンテナンスフリーの独立電源として、災害対策や環境観察、農業の生産性向上といったIoT(Internet of Things)にあるが、さらに幅広い製品に使われるであろうことは予想に難くない。
一実施形態に係る逆磁歪式発電素子の概略的な構成を示す斜視図である。 一実施形態に係る逆磁歪式発電素子の構成を示す概略的な側面図である。 一実施形態に係る逆磁歪式発電素子の支持部に磁石を用いた構成を示す概略的な側面図である。 一実施形態に係る逆磁歪式発電素子のフレームの両端に重りと、保護部を設けた構成を示す概略的な側面図である。 一実施形態に係る逆磁歪式発電素子の支持部から両端にかけての距離が異なる構成を示す概略的な側面図である。 一実施形態に係る、逆磁歪式発電素子と、電気回路と出力端子を備える、発電装置の斜視図である。 一実施形態に係る、複数の逆磁歪式発電素子と、シャフトおよび金属片からなる外力伝達装置を備えた、発電装置の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明について、以下の実施の形態および添付の図面を用いて説明を行うが、これは例示を目的としており、本発明がこれらに限定されることを意図しない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る逆磁歪式発電素子の概略的な構成を示す斜視図である。
図2は、一実施形態に係る逆磁歪式発電素子の構成を示す概略的な側面図である。
基本構成について説明する。
フレーム1は、支持部4を支点として支えられる、弾性を有する板状の磁性体である。支持部4から一方の端部までの間に、磁歪材料からなる磁歪板3がフレーム1上に固着され、ボビン2aに巻かれたコイル2が、フレーム1に挿通され、磁歪板3が配置された位置に磁歪板3を挿入した形で配置されている。
支持部4と固定部6はともに磁性材料からなり、固定部6に接着された磁石5によって、磁力線が、フレーム1、磁歪板3、支持部4、固定部6を通過して、ひとつの磁気回路を構成している。この支持部4から磁歪板3を経て発電部側端部10までの部分を、本説明では、発電部と呼ぶ。この発電部側端部10は、自由端となっている。
一方、発電部側とは反対の、支持部4からの外力受容部側端部9までのフレーム1の部分は、外力受容部8で、この側の端部である外力受容部側端部9は自由端となっている。
図示しないが、再生可能エネルギーや外部振動などからのエネルギーを外力として加えるための機構が、この外力受容部8の一部分の、接触可能な近傍に、配置される。
次に、発電に至るプロセスを説明する。
外力受容部8に外力を荷重として付加して弾性域内で湾曲させ、外力を外すと、外力受容部8は、除荷されて復元力によって勢いよく振幅する。そして、その一部が、外力受容部8の振幅の軌道に配置された振動ストッパー11に当たる。この時に発生するショックによって、外力受容部8に複雑な高周波成分を含んだ分割振動が発生する。分割振動は、支持部4を超えて、磁歪板3に到達し、その振動によって磁歪板3の内部に圧縮/引張応力が発生して、変形し、磁化(磁力線)を大きく変化させる逆磁歪効果が発生する。そして、電磁誘導の法則に基づいてコイル2に電圧(起電力)が発生、これをコイル出力端子2b、2cを通じて、図示しないが、整流回路等の電気回路に送り、電気エネルギーとして取り出す。このプロセスをひとつのサイクルとして、エネルギーの受容に応じて繰り返す。
次に、構成要素について、説明する。
フレーム1は、磁性を持つ材料であり、同時に、バネ性(弾性)を持つ材料であることが望ましい。
好適には、弾性域が大きく、なおかつ磁性を持つ、ばね鋼の中の炭素鋼や合金鋼が良い。しかし、磁性を持たないがバネ性を持つ材料を外力受容部8へ使用し、磁性を持つ材料を電源部に磁場ができるように、一部配置する複合材の採用も可能である。
また、わずかなバネ性しか持たない材料でも、利便的あるいは効果的に振動や発電に供する性能があるのであれば、これを排除するものではない。例えば、磁歪板3をそのままフレーム1として使うことも可能であるし、その他、公知の材料はすべて使いうる。
形状については、板状のほかに棒状のものも排除しない。また、バネ性を調整するために、部分的に幅や長さの違う形を形成することも排除するものではない。
なお、フレーム1は、構成上、フレームヨークとして考えることも可能である。
コイル2は、ボビン2aに巻いて、フレームに挿入して使用するほかに、ボビン2aを使用せず、直接フレーム1と磁歪板3を線材で巻くことも排除しない。この方法は生産性がボビン2aに劣るが、電気性能に優れるという利点がある。
コイル用ボビンの材質では、公知の材料のほかに、ポリ乳酸樹脂など、樹脂材料の使用も可能である。
ボビン2aとコイル2は、フレーム1と磁歪板3に挿入して、一緒に振動するが、磁歪板3の振動を、妨げないように、あるいは、コイル出力端子からの電子回路への接続にストレスをかけないように、ボビン2aの、フレーム1と磁歪板3のための挿入口を大きくして、フレーム1と磁歪板3との間に隙間ができるように、例えば、固定板6にボビンを固定する機構を配置し、フレーム1と磁歪板3の振動とを無関係にするということもできる。
磁歪板3は、磁歪材料からなる。磁歪効果を発揮する材料であれば、すべて使いうる。好適には、例えば鉄ガリウム合金である Galfenolを用いることができ、他には例えば鉄コバルト合金であるパーメンジュールであってもよいし、その他の材料であってもよい。また、結晶状態の材料だけでなく、アモルファス状態の材料であってもよい。
形状は、板状のほかに棒状も使いうる。
磁歪板3のフレーム1への固定は、公知の技術をすべて使いうる。接着剤やはんだ付けなどで固着するほかに、ソケットやねじなどで挟み込んで接触させるという方法も可能である。
磁歪板3は、その磁歪効果を増すために積層して使用することもできる。
フレーム1を固定する支持部4は、振動ストッパー11の一部とともに、フレーム1を挟んで固定する。フレーム1を固定する面積は、支持部の面積に依存する。この固定方法には、公知のすべての方法がとりうるが、その固定位置は、フレーム1の両端自由の時の振動モードで、節の位置に配置されるのが好ましい。
振動ストッパーは、支持部4とのフレーム1の固定、およびフレーム1の振動周波数分割の機能を兼ねているが、支持部4にフレーム1を挟み込む普通の抑え部を設け、振動ストッパーを外力受容部8の外力による荷重の除荷の後の復元力による振動の軌道の任意の場所に個別に設けることも可能である。
支持部4も、振動ストッパー11も磁性材料であることが好ましいが、必ずしも、磁性材料以外の材料を使用することを排除するものではない。
とくに、振動ストッパー11は、フレーム1の基本振動に反発、あるいは吸収して、フレーム1の振動周波数を分解し、磁歪板3の磁歪効果を上げる周波数の振動を作り出すので、金属以外の材料、あるいは金属との複合など、適宜、最適なものを選択できる。
支持部4と振動ストッパー11がフレーム1を挟み固定する際の接触面積は、図2では、振動ストッパー11が大きくなっているが、この面積比を逆にしても、前述の振動周波数の分解は可能である。
支持部4のフレーム1の固定方法には、前述以外の、公知のすべての方法が使いうる。
磁石5は、永久磁石でも、電磁石でも使いうる。その配置は、磁力線が磁気回路を構成するなら、どこに置いてもよい。材料は、ネオジウム磁石のように磁力が高いものの使用が発電素子の小型化に効果的であるが、それに限定されるものではない。
磁石5を図3に図示するように、支持部4の代わりに用いると、素子の構成が単純になり、低価格化が可能である。
図3では、磁石5のフレーム1への接触面積が抑え部7のそれより大きく、振動ストッパー11の役割を磁石5が果たしている。
固定板6は、磁性材料からなり、フレーム1と並行に配置され、磁力線を通して、磁気回路を構成する部品である。また、磁石5を固定する配置個所としても好適である。固定板6が無くても、磁気回路が構成できるが、発電効率を上げるためには、その使用は効果的である。
軽量化のために、磁力線を通す部分だけを磁性材料とし、その他の素子全体の固定を、樹脂材などで構成することも可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の発電素子の第2の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と
同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4は、一実施形態に係る逆磁歪式発電素子のフレームの端部に、重りや保護部を設けた構成を示す概略的な側面図である。
外力受容部8の外力の荷重が除荷されて生じる振幅やその加速度、振動周波数を調整するために、重りを外力受容部側端部(自由端)9に付加することも可能である。重りの振動周波数をフレーム1の振動周波数で必要のない周波数に合わせ込めば、消音や不要振動の除去などに利用できる。
それと同様の理由で、反対側端部である、発電部側端部10にも重りを付加することも可能である。
発電部側端部10は、基本的に自由端が望ましいが、振幅を制限したい場合、リミッターとなる構造を付加して、半固定とすることも排除しない。
外力受容部8へ外力による荷重が加えられる際の、摩耗や撥音低減などの対策のために、公知の技術による公知の材料で外力受容部8へコーティングや保護部12などを設けることも可能である。
(実施の形態3)
次に、本発明の発電素子の第3の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と
同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
支持部4から、外力受容部側端部9までの距離と発電部側端部10までの距離の比を変えると、発電状況を変化させることができる。たとえば、外力受容部側端部9までの距離を短くすると、外力の荷重によって湾曲されたフレーム1の復元力はたかまり、発生振動が強くなって発電電圧は上昇する。(図5は、その事情を説明した簡略図である。)逆に、長くすると、発電電圧は下がるが、フレーム1の振幅数は増え、発電時間が長くなる。
このように、距離の比は、使用目的に応じて、選択が可能である。
(実施の形態4)
次に、本発明の発電素子の第4の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と
同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図示しないが、本発明による発電素子は、外力を加える動力源と組み合わせて、発電装置とすることができる。
以下、外力を加える動力源について述べる。
外力受容部8へ外力を加える動力源としては、風力、水力、などの自然の再生可能エネルギーと、機械が動作する際の振動や道路、建物、橋梁など建築物が発生する振動、および、ボタンを押す動作などの人力によるものが可能である。
動力源の外力を最適化するために、てこの原理を応用して外力とすることが効果的である。すなわち、動力源に対して、ギヤーやプーリー等で構成された公知の減速処理を行い、トルクをアップして、外力受容部8を変形させれば、弱いエネルギーの動力源の使用が可能になる。
また、動力源が強いエネルギーであれば、公知の増速処理を行って、外力を加えれば、外力受容部8の変形・解放のサイクルが短くなり、発電効率が向上する。
さらに、ラックギヤーと通常ギヤーの組み合わせで、往復運動を回転運動に変換する機構を用いれば、人力によるスイッチの押下や、外部振動を受けて、振り子運動が発生する往復運動を外力として用いることができる。
てこの原理に基づく、公知のアイデアは、すべて、本発明の外力として使いうる。
(実施の形態5)
次に、本発明の発電装置の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と
同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、一実施形態に係る、逆磁歪式発電素子と、電気回路と出力端子を備える、発電装置の斜視図である。
図1の発電素子に、コイル22からの出力を電線51で整流器等電子回路が配置されている電気回路52に接続し、USB端子等の汎用的な端子53に接続している。全体を54のケース(カバーは図示しない)で覆い、発電スティック50として、汎用性の高い発電装置を構成する。
(実施の形態6)
次に、本発明の発電装置の第2の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と
同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、一実施形態に係る、複数の逆磁歪式発電素子と、シャフトおよび金属片からなる外力伝達装置を備えた、発電装置の斜視図である。
図6の発電スティック50を複数個並べ、動力源に連結するシャフト61にカラーに仕込まれた金属片62を複数配置し、シャフトが回転すると、順次金属片62が発電スティック50の外力受容部8に外力を与え、荷重を加えて、さらに回転して除荷すると、発電スティック50内の外力受容部8が、復元力によって振幅し、次々に発電するよう工夫されている。
外力受容部8の荷重・除荷を行う外力を加える動力源は、突起物を伴なう回転体であることが好適である。また、突起物はバネ性(弾性)を持つ金属片であると、摩耗性や解放時の発電の立ち上がりが良好となる。他の公知の方法を排除するものではないが、効果的で特徴的な構成である。
有線による電力供給が望めない、例えば、屋外、容易に人が近づけないような場所、電池交換などのメンテナンスコストがかかる場所での、環境情報のセンシングや通信システム用の電力源として、広く利用が見込まれる。
本発明になる製品群は、世界のIoT(internet of things)の必須アイテムとなりうる可能性を秘めている。
1 フレーム1
2 コイル2
2a コイルボビン
2b 2c コイル出力端子
3 磁歪板
4 支持部
5 磁石
6 固定板
7 抑え部
8 外力受容部
9 外力受容部側端部(自由端)
10 発電部側端部(自由端)
11 振動ストッパー
12 外力受容部保護部
13 重り(外力受容部側)
14 重り(発電部側)
50 発電スティック
51 電線
52 電気回路
53 端子
54 ケース
61 シャフト
62 金属片

Claims (16)

  1. 弾性体であり磁性材料からなるフレームと、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石と、支持部と、磁性材料からなる固定部と、を少なくとも備える逆磁歪式の発電素子において、前記フレームの中央付近は前記支持部によって支持され、前記フレームの両端は自由端であり、一方の自由端側には、前記磁歪素子と前記コイルを配置し、もう一方の側の自由端は、外力を受ける外力受容部であり、前記外力受容部は、前記外力により荷重を受け変形し、除荷されて発生する復元力によって前記フレームと前記磁歪素子を振動させ、前記固定部は前記支持部に接続し、前記磁石が磁気回路を構成する位置に配置されている、ことを特徴とする発電素子。
  2. 前記支持部は、前記フレームの振動の節を支持することを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  3. 前記支持部は、少なくとも一部に磁石を用いたことを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  4. 前記磁歪板は、前記フレームの振動の腹に配置することを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  5. 前記磁歪板は、積層されて成る積層部を備えることを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  6. 前記外力による前記外力受容部の変形量は、前記外力受容部を構成する磁性材料の弾性域内であることを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  7. 前記外力受容部が前記外力から除荷されて復元力による振幅を行うとき、前記外力受容部の振幅の軌道に配置される振動ストッパーを具備してなる請求項1に記載の発電素子。
  8. 前記支持部は、前記フレームを固定するための抑え板を具備し、前記支持部の前記フレームへの接触面積は、前記フレームの前記抑え板の前記フレームへの接触面積とは異なることを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  9. 前記外力受容部側の端部から前記支持部までの距離は、前記磁歪素子側の端部から前記支持部までの距離とは異なることを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  10. 前記外力受容部は、外力との接触によって起きる摩耗や撥音を防ぐ保護部を具備することを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  11. 前記磁歪素子側と前記外力受容部との少なくとも一方の自由端に、任意の重りを配置することを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  12. 前記磁歪素子側の自由端は、振動量を制限するリミット機構を具備してなる請求項1に記載の発電素子。
  13. 前記コイルは、金属線と、金属線が巻かれたボビンと、で構成され、前記固定部とは別のボビン専用の固定部に固定されて、前記フレームの振動に連動しないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  14. 請求項1に記載の発電素子と、さらに風力、水力などの再生可能エネルギーや機械が動作する際の振動や建築物が発生する振動の群から選択された一つ以上のエネルギー源とする振動装置を備え、前記発電素子のフレームのもう一方の側の自由端に、前記振動装置の発生する振動を加え、前記フレームの外力受容部側の自由端が荷重を受け変形し、除荷されて発生する復元力によって磁歪素子を振動させることを特徴とする発電装置。
  15. 前記外力は、回転運動により前記外力受容部に外力を加えることを特徴とする請求項14に記載の発電装置。
  16. センシング、通信、充電、の群のうち、少なくとも一つに使用することを特徴とする請求項14に記載の発電装置。

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