JP6912978B2 - 符号化装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、入力画像を符号化する符号化装置及びプログラムに関するものである。
映像の新たな表現を実現する技術手段として、高ダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)が注目されている。これは、現状の標準ダイナミックレンジ(SDR:Standard Dynamic Range)に対し、ディスプレイの表示可能な最大輝度を上げることにより、映像信号の表示範囲も拡大することで、SDRでは表現できなかった非常に明るい光沢やスタジアムの日向日陰の同時高画質表示などが可能になるものである。放送におけるHDRに関しては国際標準として複数の方式が規定されている(非特許文献1)。
HDRの実現に際しては、前述の通り高輝度表示が可能なディスプレイが必要な他、撮影するカメラ、編集等を実施する各種機器に関してもHDR信号への対応が必要になる。また、放送など、映像の配信、伝送を行う応用においては、映像信号の圧縮符号化処理における対応も考慮する必要がある。HDRはSDRに比べて輝度・色差の範囲が広がってはいるものの、従来の映像機器が扱える1画素あたりの階調数(ビット深度)は変えずに、光電変換処理、つまりOETF(Optical-Electronic Transfer Function:光電気伝達関数)変換やガンマカーブ変換による非線形変換処理の工夫で対応するのが主流である。そのため、映像信号を波形として取り扱う映像符号化処理においては、階調数が変わらない限り基本的にはその処理に変更はない。すなわち、MPEG−2やH.264/AVC、H.265/HEVCなどの映像符号化方式が利用可能である。これらの映像符号化方式においては、時間方向に連続するフレーム間での動き予測処理や、1フレーム内での予測処理によって、映像の有する冗長性を排除して情報量を圧縮する。
一方、HDR信号を対象とした映像符号化に関しては標準化団体でも検討が行われている。上述したように符号化方式自体はそのまま利用可能であるため変更の必要は無いものの、前処理や後処理、あるいは符号化処理の制御によって映像の劣化を防ぐ検討がなされており、このためのガイドラインが制定されつつある(非特許文献2)。非特許文献2では、符号化制御のひとつである量子化値Qpを修正する方法が記載されているが、そのほか、場合によっては符号化装置側での工夫も必要であることが記述されている。
Recommendation ITU-R BT.2100-0 (07/2016), "Image parameter values for high dynamic range television for use in production and international programme exchange" "Conversion and Coding Practices for HDR/WCG Y’CbCr 4:2:0 Video with PQ Transfer Characteristics (Draft 4)", Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, JCTVC-Z1017, 26th Meeting: Geneva, CH, 12-20 January 2017
HDRを実現するOETFが従来の変換と乖離している方式の場合には、映像符号化方式自体はそのまま利用可能であるものの、映像信号によっては符号化劣化が表れやすくなることがある。
OETFは、一般的に図6に示すように被写体を撮影して取得した光信号に対して対数や累乗根のカーブに似た形状の非線形曲線グラフとなり、輝度が高い範囲を圧縮して所定のビット深度に収めるのが一般的である。この曲線が人間の視覚特性(ウェブナー・フェヒナーの法則)に従った対数関数の形状であれば、変換された電気信号を線形信号とみなして画素値に依らない処理をし、最終的にOETF変換の逆変換であるEOTF(Electro-Optical Transfer Function:電気光伝達関数)変換をしたのちにディスプレイ表示すれば、視覚的な画質にはほぼ問題がない。
しかしながら、OETFが、たとえば図7に示すように立ち上がりが極端に急峻で、人間の視覚特性からかい離した曲線の関数である場合、電気信号を線形とみなして画素値に依らず同じ処理を施すと、画素値によっては品質の劣化を生じる恐れがある。
映像符号化におけるフレーム内予測処理では、同じフレーム内の画像に基づいて生成した参照ブロックと符号化対象ブロックとの間の差分値を算出してこれが最小になる場合を求める。また、フレーム間動き予測処理では、図8に示すように、予測の候補となる参照ブロックを他の参照フレームから探索し、基準フレーム内の符号化対象ブロックとの間の差分値を算出してこれが最小になる場合を求める。
この差分値計算においては、一般的には電気信号である映像信号で計算する。そのため、図9に示すように、2つの予測候補(候補1及び候補2)が映像信号では予測元と同じ差分値となっても、光の信号としては差分値が異なる可能性があり、人間の視覚的には同じ程度の差ではない場合がある。視覚に即した予測を行うためには、これら差分値が人間の視覚が受容する差分に相当することが望ましい。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、圧縮符号化過程における予測処理を、人間の視覚特性に即して行うことが可能な符号化装置及びプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために本発明では、入力画像を符号化する符号化装置であって、入力画像と該入力画像の予測画像との差を示す残差画像に対して直交変換処理を行って直交変換係数を算出し、該直交変換係数を量子化して量子化係数を生成する変換・量子化部と、前記量子化係数を符号化して符号化データを生成するエントロピー符号化部と、フレーム内予測処理又はフレーム間動き予測処理により、ブロックごとに、符号化対象ブロックと参照ブロックとの間の差分値を算出し、該差分値が最小となる参照ブロックを生成し、当該参照ブロックを前記予測画像として出力する予測部と、を備え、前記予測部は、前記入力画像の電気信号と該電気信号が光信号に変換される関係を示すOETF情報を用いて前記差分値を算出することを特徴とする。
さらに、本発明に係る符号化装置において、前記予測部は、前記符号化対象ブロック及び前記参照ブロックの信号形式を、前記OETF情報に基づいて電気信号から光信号に変換したのち、前記差分値を算出することを特徴とする。
さらに、本発明に係る符号化装置において、前記予測部は、前記符号化対象ブロック及び前記参照ブロックの電気信号について画素ごとの差を求め、該画素ごとの差に対して、前記OETF情報に基づいて光信号に相当するように重み付けをして前記差分値を算出することを特徴とする。
さらに、本発明に係る符号化装置において、前記入力画像は、前記OETF情報に基づいて、輝度レベルに応じて複数の領域に分類され、前記予測部は、前記領域ごとに前記差分値を算出することを特徴とする。
さらに、本発明に係る符号化装置において、前記予測部は、前記領域に隣接するブロックも探索範囲に含めて前記フレーム間動き予測処理を行うことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記符号化装置として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、従来のSDR信号と電気−光の関係特性が異なるHDR信号においても、圧縮符号化過程における予測処理を、人間の視覚特性に即して効率的に行うことができ、符号化劣化を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。 フレーム画像を輝度レベルに応じた領域に分類する例を示す図である。 OETFの傾きの変化率から領域の境界を設定する例を示す図である。 分類した領域に隣接するブロックも探索範囲に含める例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る符号化装置における予測部の処理を示すフローチャートである。 OETFの第1の例を示す図である。 OETFの第2の例を示す図である。 フレーム間動き予測処理の様子を示す図である。 電気信号における差分値と光信号における差分値の違いを示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す符号化装置1は、OETF情報設定部11と、画像分割部12と、減算部13と、変換・量子化部14と、局部復号部24と、予測部25と、切替部22と、エントロピー符号化部23とを備える。なお、サンプルアダプティブオフセット部18は必須の構成では無く、また、サンプルアダプティブオフセット部18に代えてあるいは追加して、他のポストフィルタ処理を行う処理部を設けてもよい。
符号化装置1は、入力画像を符号化して符号化データを出力する装置であって、OETF情報に関連する部分以外は、MPEG−2やAVC/H.264、HEVC/H.265などの映像符号化方式と同様の処理を行う。なお、本発明は符号化側の工夫に関するものであるため、復号処理については通常のMPEG−2やAVC/H.264、HEVC/H.265などの復号方式をそのまま適用することができる。
OETF情報設定部11は、画像分割部12、フレーム内予測部19、及び動き検出部20に対して、OETF情報を出力する。OETF情報とは、入力画像の電気信号と該電気信号が光信号(輝度信号)に変換される関係を示す情報である。電気信号と光信号との関係はHDR,SDRなどのダイナミックレンジを表現する方式に応じて異なる。OETF情報は例えば、電気信号を光信号に変換する関数、又は入力画像を輝度レベルに応じて複数の領域に分類した輝度分類情報である。輝度が所定の範囲内であれば電気信号と光信号はほぼ線形性を有するため、輝度分類情報は、入力画像を電気信号と光信号が線形性を有する領域に分類した情報といえる。
画像分割部12は、入力される入力画像(符号化対象フレーム)を複数のブロックに分割してブロック画像を生成し、減算部13に出力する。ブロックのサイズは可変サイズであってもよく、例えば32×32画素、16×16画素、8×8画素、又は4×4画素とする。OETF情報設定部11からOETF情報として輝度分類情報が入力された場合には、後述するように、画像を複数の領域に分類し、領域ごとに複数のブロックに分割する。
減算部13は、画像分割部12から入力されたブロック画像の各画素値から、予測部25から切替部22を介して入力された、入力画像の予測画像の各画素値を減算して、ブロック画像と予測画像との差を示す残差画像を生成し、変換・量子化部14に出力する。
変換・量子化部14は、減算部13から入力された残差画像に対して直交変換処理を行って直交変換係数を算出する。そして、直交変換係数を量子化ステップで除することにより量子化し、量子化された直交変換係数(量子化係数)を生成し、局部復号部24及びエントロピー符号化部23に出力する。
局部復号部24は、量子化係数から直交変換係数を復元し、該直交変換係数に対して逆直交変換を行って復元した残差画像に予測画像を加算して復号画像を生成する。局部復号部24は、逆量子化・逆変換部15と、加算部16と、デブロッキングフィルタ部17と、サンプルアダプティブオフセット部18とを備える。
逆量子化・逆変換部15は、変換・量子化部14から入力された量子化係数に対して、量子化ステップを乗ずることにより直交変換係数を復元する。そして、直交変換係数に対して逆直交変換を行って残差画像を生成し、加算部16に出力する。例えば、変換・量子化部14が直交変換として離散コサイン変換を行った場合には、逆量子化・逆変換部15は逆直交変換として逆離散コサイン変換を行う。
加算部16は、逆量子化・逆変換部15から入力された残差画像と、切替部22から入力された予測画像の各画素値を加算してフィルタ処理前復号画像を生成し、デブロッキングフィルタ部17及び予測部25に出力する。
デブロッキングフィルタ部17は、加算部16から入力されたフィルタ処理前復号画像に対してフィルタ処理を行い、サンプルアダプティブオフセット部18に出力する。また、使用したフィルタに関する情報をエントロピー符号化部23に出力する。
サンプルアダプティブオフセット部18は、デブロッキングフィルタ部17から入力された画像を画素単位で分類し、各画素値に分類に応じたオフセットを加算し、その結果を復号画像として予測部25に出力する。また、サンプルアダプティブオフセットに関する情報をエントロピー符号化部23に出力する。
予測部25は、フレーム内予測処理又はフレーム間動き予測処理により、ブロックごとに、符号化対象ブロックと参照ブロックとの差分値を算出し、該差分値が最小となる参照ブロックを生成し、当該参照ブロックを予測画像として出力する。予測部25は、フレーム内予測部19と、動き検出部20と、動き補償予測部21とを備える。
フレーム内予測部19は、加算部16により生成されたフィルタ処理前復号画像に対してフレーム内予測を行って予測モードを選択しエントロピー符号化部23に出力する。具体的には、符号化対象フレームにおいて、符号化対象ブロックと、該符号化対象ブロックに隣接する画素を用いて予測モードごとに予測した複数の参照ブロックとの間の差分値を算出し、差分値が最小となる予測モードを選択する。また、差分値が最小となる場合の参照ブロックを予測画像として切替部22に出力する。本明細書では、フレーム内予測部19による処理を「フレーム内予測処理」という。
動き検出部20は、サンプルアダプティブオフセット部18により生成された復号画像を参照して動きベクトルを生成し、動き補償予測部21に出力する。また、動きベクトルを示す動きベクトル情報をエントロピー符号化部23に出力する。具体的には、動き検出部20は、符号化対象フレーム(基準フレーム)内の任意のブロックと他の映像フレーム(参照フレーム)との間でブロックマッチングを行う。そして、基準フレーム内の符号化対象ブロックと、参照フレームの探索範囲内における参照ブロックとの間の差分値を算出し、差分値が最小となる参照ブロックの位置関係を示す動きベクトルを生成する。
動き補償予測部21は、動き検出部20から入力された動きベクトルに基づいて予測画像を生成し、すなわち、上記の差分値が最小となる参照ブロックを予測画像として生成し、切替部22に出力する。本明細書では、動き検出部20による処理と動き補償予測部21による処理とをあわせて、「フレーム間動き予測処理」という。
切替部22は、フレーム内予測部19から入力された予測画像と、動き補償予測部21から入力された予測画像とを切替えて、減算部13及び加算部16に出力する。
エントロピー符号化部23は、OETF情報設定部11から入力されたOETF情報、変換・量子化部14から入力された量子化係数、フレーム内予測部19から入力された予測モード、動き検出部20から入力された動きベクトル情報、デブロッキングフィルタ部17から入力されたフィルタに関する情報、及びサンプルアダプティブオフセット部18から入力されたサンプルアダプティブオフセットに関する情報に対してエントロピー符号化を行う。これにより、エントロピー符号化部23は、データ圧縮を行って符号化データ(ビットストリーム)を生成し、符号化装置1の外部に出力する。エントロピー符号化には、0次指数ゴロム符号やCABAC(Context-based Adaptive Binary Arithmetic Coding;コンテキスト適応型2値算術符号)など、任意のエントロピー符号化方式を用いることができる。
フレーム内予測部19のフレーム内予測処理、及び動き検出部20の動き検出処理における差分値は、一般的にブロックごとにSAD(Sam of Absolute Difference;絶対値差分和),SSD(Sum of Squared Difference;二乗誤差和)などの評価関数を用いて算出されるが、本発明では、OETF情報設定部11から入力されたOETF情報を用いて差分値を算出する。
従来では、差分値MSE(Mean Square Error)の計算は、SSDを用いた場合、一般的に以下の式(1)によって行われる。ここで、M,Nはブロックの水平、垂直の画素数、xi,jは予測先の画素値、^xi,jは予測元の画素値である。予測処理においては、MSEが最小となるxi,jを探索する。
Figure 0006912978
一方、本発明では、予測部25は、OETF情報を用いて符号化対象ブロックと参照ブロックとの間の差分値を算出する。具体的な方法を、以下に3つ示す。
<第1の方法>
本発明では、式(1)の映像信号である電気信号での差分値計算を、光の領域の信号で実施する。HDRの放送方式としては、現在、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)STD−B67で規定されているHLG(Hybrid-Log Gamma)方式と、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers) ST.2084で規定されているPQ(Perceptual Quantize)方式とが存在する。ここで、電気光伝達関数であるEOTFの特性は、STD−B67で規定されるHLG方式の場合には図6のように入力に対してなだらかな立ち上がりとなるのに対して、SMPTEで規定されるPQ方式の場合には図7のように入力に対して急峻な立ち上がりとなる。例えば、HLG方式の場合のEOTFは式(2)で表され、PQ方式の場合のEOTFは式(3)で表される。
Figure 0006912978
E:シーン輝度(基準白レベルで正規化)
E’:映像信号レベル
r:基準白レベルに対応する映像信号レベル
r=0.5
a=0.17883277
b=0.28466892
c=0.55991073
Figure 0006912978
L:シーン輝度(L=1が表示輝度10,000cd/mに対応)
E’:映像信号レベル
m1=0.1593017578125,
m2=78.84375
=c−c+1
=18.8515625
=18.6875
これらのEOTFに従い、xi,j及び^xi,jをそれぞれ光信号に変換(EO変換)したものをx i,j及び^x i,jとする。光信号における差分値MSEoを、式(4)により定義する。なお、本説明では、差分値を2乗誤差としたが、絶対値誤差など別の差分計算にしてもよい。
Figure 0006912978
このように、第1の方法では、予測部25は、符号化対象ブロック及び参照ブロックの信号形式を、OETF情報に基づいて電気信号から光信号に変換したのち、差分値を算出する。これにより、光信号の領域での差分値比較となるため、より人間の視覚特性に即した処理となる。
<第2の方法>
第2の方法では、従来と同様に画素値は電気信号の値とするが、式(5)に示すように、差分値計算式に電気信号と光信号間の関係を数式として重み付けする。
Figure 0006912978
ここで、W(・)は電気信号と光信号間の関係を示す重み付け関数である。この重み付け関数は、例えば、上述した式(2)又は式(3)に基づくものであり、式(2)又は式(3)と同一であってもよい。なお、第1の方法と同様に本説明では差分値を2乗誤差としたが、絶対値誤差など別の差分計算にしてもよい。
このように、第2の方法では、予測部25は、符号化対象ブロック及び参照ブロックの電気信号について画素ごとの差を求め、該画素ごとの差に対して、OETF情報に基づいて光信号に相当するように重み付けをして差分値を算出する。画素値自体は電気信号のまま扱うため、信号表現の精度(ビット数)の増加を防ぐことができる。なお、重み付け関数は差分の2乗誤差の外部に位置しているため、第2の方法による差分値MSEは、第1の方法による差分値MSEと完全に一致はしない。
<第3の方法>
映像符号化における予測などの処理は1フレーム画像(画面)を単位として行われるが、HDR映像の場合には、通常、1フレーム画像内の一部分だけが高輝度で、その他は低輝度又は中輝度となる場合が多い。そこで、第3の方法では、1フレーム内の画面をたとえばブロック単位であらかじめ高輝度か低中輝度に分類し、1フレーム画像を複数の高輝度のブロックで構成される領域1と、複数の低中輝度のブロックで構成される領域2に分類し、予測処理をこの分類された領域ごとに実施する。なお、ここでは2つの領域に分類する例で説明するが、輝度レベルに応じて任意の数の領域に分類することができる。
図2に、フレーム画像を輝度レベルに応じた領域に分類する例を示す。この例では、フレーム画像を高輝度の領域1と低中輝度の領域2に分類している。こうすることで、電気信号と光信号が非線形な関係となっている部分を分類して切り分けるため、それぞれの領域内では電気信号と光信号はほぼ線形な関係とみなすことができる。また、予測処理もほぼ同程度の輝度値間で探索されることになるので、このように領域ごとに分けて予測しても、予測誤差は大きくならないと考えられる。
ブロックの分類方法としては、ブロック内の平均輝度値、又はブロック内の最大輝度値に基づく方法が考えられる。ただし、ブロック内の平均輝度値に基づいて分類する場合は、高輝度と低輝度の画素が同じブロックに含まれると平均値としては中間値に近くなってしまう恐れがあるので、平均値に加えて分散値も併用することが考えられる。ブロックのサイズは、64×64画素や16×16画素のような符号化処理と同様の正方ブロック、あるいは64×32画素といった長方形でもよいが、領域に分類した後の予測処理を行うブロック単位とするのが好適である。
また、高輝度と低中輝度の境界となる輝度値は、人手で決めてもよいが、OETFにおいて傾きの変化率が閾値を超える点、すなわち傾きが急激に変化する点としてもよい。この場合には、傾きの変化率で領域の境界を設定するため、OETFが違うシステムの場合でも同様に境界を設定することができる。
図3に、OETFの傾きの変化率から領域の境界を設定する例を示す。この例では、OETFの傾きの変化率が急激に変化する点を境界として、高輝度の領域1と、中輝度の領域2と、低輝度の領域3とに分類している。細かく分類して領域の数を増やすほど、各領域における電気信号と光信号の線形性は高くなる。
このように、第3の方法では、入力画像をその輝度レベルに応じてOETF情報に基づいて複数の領域に分類し、分類した領域ごとに予測部25によって差分値を算出する。このため、従来の式(1)を用いて差分値を算出することができ、第1及び第2の方法よりも演算量を少なくすることができる。なお、第1の方法又は第2の方法のように、式(4)又式(5)を用いて差分値を算出してもよいし、絶対値誤差により差分値を算出してもよい。
第3の方法では領域ごとに完全に予測処理を分けたため、フレーム間動き予測処理において、場合によっては参照フレームの領域外に、符号化対象ブロックとの差分値が最小となる参照ブロックが存在することも想定される。そこで、領域ごとに完全に予測の探索範囲を分けるのではなく、領域に隣接するブロックまで探索の対象を広げることで、これを緩和してもよい。この場合、予測部25は、分類した領域に隣接するブロックも探索範囲に含めてフレーム間動き予測処理を行う。
図4に、分類した領域に隣接するブロックも探索範囲に含める例を示す。図4に示すように、フレーム画像を領域1と領域2に分類した場合、領域1に隣接するドットを付したブロックも領域1の探索範囲に含め、同様に、領域2に隣接するドットを付したブロックも領域2の探索範囲に含める。
なお、符号化装置1は、以上の第1から第3の方法による予測処理とは別に、従来の方法(すなわち、領域分割無し、差分値計算は式(1)を利用)により符号化処理を行い、品質(例えば、符号化画質と符号化レートの線形和)の良い方を選択するようにしてもよい。この場合には、上述した本発明による予測処理を用いてもし品質劣化が生じたとしても、これを防ぐことができる。
図5は、予測部25の処理を示すフローチャートである。予測部25は、OETF情報を取得していない場合には(ステップS10−No)、従来通り、式(1)により電気信号における差分値を算出する(ステップS17)。
次に、予測部25がOETF情報を取得している場合(ステップS10−Yes)について説明する。領域分割をしない場合には(ステップS11−No)、電気−光信号変換をするときには(ステップS13−Yes)、予測部25は式(4)により差分値を算出し(ステップS16)、電気−光信号変換をしないときには(ステップS13−No)、予測部25は式(5)により差分値を算出する(ステップS15)。
また、領域分割をする場合には(ステップS11−Yes)、電気−光信号変換をするときには(ステップS12−Yes)、予測部25は式(4)により差分値を算出し(ステップS14)、電気−光信号変換をしないときには(ステップS12−No)、予測部25は式(5)により差分値を算出する(ステップS15)。なお、領域分割をする場合には、予測部25は従来通り、式(1)により電気信号における差分値を算出してもよい。
以上、符号化装置1について説明したが、符号化装置1として機能させるためにコンピュータを好適に用いることも可能である。そのようなコンピュータは、符号化装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
また、このプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
上述したように、本発明では、予測処理において、入力画像の電気信号と該電気信号に対応する光信号との関係を示すOETF情報を用いて差分値を算出する。かかる構成により、本発明によれば、従来のSDR信号と電気−光の関係特性が異なるHDR信号においても、圧縮符号化過程における予測処理を人間の視覚特性に即して行うことができ、符号化劣化を抑制することが可能となる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
1 符号化装置
11 OETF情報設定部
12 画像分割部
13 減算部
14 変換・量子化部
15 逆量子化部・逆変換部
16 加算部
17 デブロッキングフィルタ部
18 サンプルアダプティブオフセット部
19 フレーム内予測部
20 動き検出部
21 動き補償予測部
22 切替部
23 エントロピー符号化部
24 局部復号部
25 予測部

Claims (6)

  1. 入力画像を符号化する符号化装置であって、
    入力画像と該入力画像の予測画像との差を示す残差画像に対して直交変換処理を行って直交変換係数を算出し、該直交変換係数を量子化して量子化係数を生成する変換・量子化部と、
    前記量子化係数を符号化して符号化データを生成するエントロピー符号化部と、
    フレーム内予測処理又はフレーム間動き予測処理により、ブロックごとに、符号化対象ブロックと参照ブロックとの間の差分値を算出し、該差分値が最小となる参照ブロックを生成し、当該参照ブロックを前記予測画像として出力する予測部と、を備え、
    前記予測部は、前記入力画像の電気信号と該電気信号が光信号に変換される関係を示すOETF情報を用いて前記差分値を算出することを特徴とする符号化装置。
  2. 前記予測部は、前記符号化対象ブロック及び前記参照ブロックの信号形式を、前記OETF情報に基づいて電気信号から光信号に変換したのち、前記差分値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の符号化装置。
  3. 前記予測部は、前記符号化対象ブロック及び前記参照ブロックの電気信号について画素ごとの差を求め、該画素ごとの差に対して、前記OETF情報に基づいて光信号に相当するように重み付けをして前記差分値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の符号化装置。
  4. 前記入力画像は、前記OETF情報に基づいて、輝度レベルに応じて複数の領域に分類され、
    前記予測部は、前記領域ごとに前記差分値を算出することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の符号化装置。
  5. 前記予測部は、前記領域に隣接するブロックも探索範囲に含めて前記フレーム間動き予測処理を行うことを特徴とする、請求項4に記載の符号化装置。
  6. コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の符号化装置として機能させるためのプログラム。
JP2017171286A 2017-09-06 2017-09-06 符号化装置及びプログラム Active JP6912978B2 (ja)

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