JP6911336B2 - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムの製造方法に関する。
基材である樹脂フィルムにコート層を設けることにより、密着性、帯電防止性、易滑性、及び光学特性等の様々な機能を付与することができ、このようなコートフィルムは非常に幅広い用途に展開されている。特に近年はIT分野の成長に伴い、LCDやPDP等のフラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの表示材料、表面保護材料、又は加飾フィルムなどの基材として、このようなコートフィルムの使用量が増加している。このような領域においては、ディスプレイの高精細化や大画面化に伴い、機能性に加えて外観上の欠点やムラがないことが強く求められている。
特に上記ディスプレイやタッチパネル等の表示材料に広く使用されているハードコート層を積層したフィルムの場合は、コート層の膜厚のムラにより、干渉ムラ(ある角度から観察した際に視認される部分的な虹彩状反射)が発生するため、厳密な膜厚管理が必要となる。さらに、コート層中への気泡等の混入により発生する微細な欠陥による外観不良についても、品質面及び生産性の観点から軽減する必要がある。
コート層の形成方法としては、コート層を得るための塗液を均一な膜厚で塗布する方法があり、具体例としては、ダイコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、及びバーコート法等が挙げられる。特に薄い膜厚のコート層を設けるために選択されるグラビアコート法では、塗液をグラビアロールから転写させることによりフィルム上に塗布するが、グラビアロールの微小な回転ムラやロールの偏芯、ドクターブレードの当たり方、グラビア版の目詰まりなどにより膜厚が変動しやすく、膜厚の調整が困難であった。
一方、コーティングロッドを用いたバーコート法は、コーティングロッドにより塗液を塗布してコート層を形成させる方法であり、コーティングロッドが直接塗液に接触して余剰な塗液をかき取ることでより均一な膜を形成させることもできる。この方法は回転ムラやフィルムの走行状態の影響を受けにくく、均一な膜を形成するのに有利である。しかしながら、バーコート法においては、コーティングロッドの上流側と下流側にメニスカスと呼ばれる塗液の溜り部が形成される。そして、塗布端部の脈動などにより、塗布端部からメニスカスに空気が入り込んで気泡が発生することによる塗布抜けや、メニスカスの変形による塗布スジと呼ばれる欠点を引き起こすことがあった。
これらの問題に対して、特許文献1では塗布端部近傍において、ローラーなどで塗布面の反対側からフィルムを押し込むことで、フィルムとコーティングロッドとの間における塗布端部からの気泡の流入を抑制する方法が提案されている。特許文献2ではコーティングロッド幅方向の溝部両端より内側部分に溝深さの浅い溝を設け、塗布端部で発生した気泡を捕集することにより、製品となる部分への気泡の流入を抑制する方法が提案されている。そして、特許文献3ではコーティングロッド幅方向の両端部の溝深さを浅溝部より浅くし、塗液注入領域を制御することで、コーティング部への気泡の流入を軽減する方法が提案されている。
特開2003−181357号公報 特開2007−083199号公報 特開2014−188424号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、ローラーなどでフィルムを押し込む際の圧力により、フィルムの破れが生じることがある。また、圧力を大きくすれば、フィルムの塗布面と反対側の面がローラーと擦過し、塗布面がコーティングロッドと擦過する。そのため、生産性や品質の面から十分な圧力をかけられず、気泡の流入を十分に軽減できないことも問題となる。特許文献2の方法では、塗布端部の脈動によって発生した気泡が塗液の表面張力や粘度によっては浅溝部を超えて内側へ流入し、塗布欠点になることがある。また、特許文献3に記載の方法では、注入された塗液がフィルム端部まで流れて後工程を汚染することがある。
本発明は、係る従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、フィルムにコート層を形成させる際に発生する塗布抜けや塗布スジなどの塗布欠陥や、後工程の汚染を軽減することができるフィルムの製造方法を提供することをその課題とする。
係る課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。
(1) 走行するフィルムの少なくとも片面に塗液を塗布するコーティング工程、及び以下の特徴1及び2を備えるコーティングロッドをA領域の螺旋がB領域やC領域と反対側に進行するように回転させることで塗液を計量又はスムージングするスムージング工程をこの順に有することを特徴とする、フィルムの製造方法。
特徴1:表面に螺旋状の溝を有する領域(螺旋部)を複数有する。
特徴2:螺旋部のうち、その長さが最長のものをA領域、A領域に最も近接し、かつA領域と螺旋の進行方向が逆であるものをB領域、B領域から観察したときにA領域の反対側に位置し、A領域と螺旋の進行方向が逆であり、かつB領域よりも溝の深さが大きいものをC領域としたときに、少なくともA領域、B領域、及びC領域を有する。
(2) 前記コーティングロッドにおける前記A領域と前記B領域の距離、及び前記B領域と前記C領域の距離が、いずれも2.0mm以下であることを特徴とする、(1)に記載のフィルムの製造方法。
(3) 前記B領域と前記C領域の境界よりも5mm以上内側の前記B領域に塗液注入端を調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルムの製造方法。
) 前記コーティング工程における塗液供給量が1L/分以上30L/分以下であり、前記スムージング工程におけるフィルムの走行速度が10m/分以上100m/分以下であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
本発明により、フィルムにコート層を形成させる際に発生する塗布抜けや塗布スジなどの塗布欠陥や、後工程の汚染を軽減することができるフィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施態様に係るフィルムの製造方法で用いるコーティングロッドの概略側面図である。 塗液をスムージングするコーティングロッドを用いた塗布装置の一例を示す側面図である。 図2の塗布装置の上面図である。 塗液を計量するコーティングロッドを用いた塗布装置の一例を示す側面図である。 図4の塗布装置の上面図である。
本発明のフィルムの製造方法は、走行するフィルムの少なくとも片面に塗液を塗布するコーティング工程、及び以下の特徴1及び2を備えるコーティングロッドで塗液を計量又はスムージングするスムージング工程をこの順に有することを特徴とする。
特徴1:表面に螺旋状の溝を有する領域(螺旋部)を複数有する。
特徴2:螺旋部のうち、その長さが最長のものをA領域、A領域に最も近接し、かつA領域と螺旋の進行方向が逆であるものをB領域、B領域から観察したときにA領域の反対側に位置し、A領域と螺旋の進行方向が逆であり、かつB領域よりも溝の深さが大きいものをC領域としたときに、少なくともA領域、B領域、及びC領域を有する。
以下に、本発明のフィルムの製造方法で用いるコーティングロッドについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施態様に係るフィルムの製造方法で用いるコーティングロッドの概略側面図を示すものである。図1に示すコーティングロッド(1)は巨視的に観察したときの形状が円柱形状であり、その表面に螺旋状の溝を有する領域(螺旋部)を有する。そして、この螺旋部は3つの領域に分かれており、その長さが最長のものがA領域(2a)、A領域(2a)に最も近接しているものがB領域(3a)、B領域(3a)から観察したときにA領域(2a)の反対側に位置するものがC領域(4a)である。すなわち、A領域(2a)、B領域(3a)、及びC領域(4a)は、この順にコーティングロッド(1)の表面に形成されている。そして、A領域(2a)は、B領域(3a)及びC領域(4a)とは螺旋の進行方向が異なる。すなわち、B領域(3a)及びC領域(4a)は螺旋の進行方向が同じである。また、B領域(3a)よりもC領域(4a)において溝の深さが大きく、各領域内における溝の幅や螺旋の形状は一定である。なお、螺旋部の長さとは、ロッドに平行な方向についての螺旋部の長さをいう。すなわち、A領域の長さは2b、B領域の長さは3b、C領域の長さは4bに相当する。
本発明のフィルムの製造方法は、走行するフィルムの少なくとも片面に塗液を塗布するコーティング工程、及び以下の特徴1及び2を備えるコーティングロッドで塗液を計量又はスムージングするスムージング工程をこの順に有することが重要である。
特徴1:表面に螺旋状の溝を有する領域(螺旋部)を複数有する。
特徴2:螺旋部のうち、その長さが最長のものをA領域、A領域に最も近接し、かつA領域と螺旋の進行方向が逆であるものをB領域、B領域から観察したときにA領域の反対側に位置し、A領域と螺旋の進行方向が逆であり、かつB領域よりも溝の深さが大きいものをC領域としたときに、少なくともA領域、B領域、及びC領域を有する。
このような態様とすることにより、フィルムにコート層を形成させる際に発生する塗布抜けや塗布スジなどの塗布欠陥や、後工程の汚染を軽減することができる。さらに、フィルムに塗布する塗液の量を容易に調節することや、かつフィルム面全体において塗液の量をより均等にすることもできる。ここで、コーティング工程とスムージング工程をこの順に有するとは、コーティング工程より後にスムージング工程を有する態様の他、コーティング工程とスムージング工程を兼ねた工程を有する態様も含む。また、走行するフィルムとは、製造過程にあるフィルムの他、一旦ロール状に巻き取った後再度巻き出しているフィルムも含む。
A領域の長さは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、生産性を損なわない程度の製品幅を確保し、かつ製品を運搬できる程度の大きさとする観点から、500mm以上2,000mm以下であることが好ましい。B領域の長さは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、気泡を十分に排出し、かつ後工程の汚染を軽減する観点から、10mm以上50mm以下であることが好ましく、15mm以上50mm以下であることがより好ましい。C領域の長さは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、後工程の汚染を軽減する観点から100mm以上200mm以下であることが好ましい。
本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドは、コーティングロッド上の塗布端部で発生した気泡の位置をコントロールする観点から、表面に螺旋状の溝を有する領域(螺旋部)を有すること、すなわち特徴1を備えることが重要である。コーティングロッドに螺旋部が存在しない場合、発生した気泡の位置を十分にコントロールすることができず、最終的に製品として回収する部分に気泡が移動することがある。
本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドは、最終的に製品となる部分への気泡混入や後工程の汚染を軽減すること、及びフィルムの生産性の観点から、螺旋部のうち、その長さが最長のものをA領域、A領域に最も近接し、かつA領域と螺旋の進行方向が逆であるものをB領域、B領域から観察したときにA領域の反対側に位置し、A領域と螺旋の進行方向が逆であり、かつB領域よりも溝の深さが大きいものをC領域としたときに、少なくともA領域、B領域、及びC領域を有すること、すなわち特徴2を備えることが重要である。ここで、溝の深さとは、回転軸を含む面でコーティングロッドを切断した際の、溝部を形成するコーティングロッドの表面の頂部を結んだ直線と溝部の最深部との距離をいう。
スムージング工程においてコーティングロッドを通過したフィルムのうち、A領域を通過した部分は、最終的に製品となる部分を全て包含する。そのため、塗布端部付近で発生した気泡をA領域側に流入させないことが、最終的に得られるフィルムの品質の面から重要である。コーティングロッドがA領域を有することにより、気泡が螺旋に従って移動するため、最終的に製品となる部分の範囲外に気泡を送ることが容易となる。さらに、コーティングロッドがA領域を有することにより、フィルムに塗布する塗液の量を調節することもできる。具体的には、A領域の溝の深さ(体積)を大きくすることにより、塗液の量を増やすことができ、A領域の溝の深さ(体積)を小さくすることにより、塗液の量を減らすことができる。一方、B領域やC領域を通過した部分は、製造過程で切除され、最終製品には含まれない。そのため、螺旋部のうちA領域の長さが最長であることにより、最終的に得られる製品の幅をより大きく、製造過程で除去される部分の幅をより小さくすることができるため、フィルムの生産性が向上する。
スムージング工程においてコーティングロッドを通過したフィルムのうち、B領域を通過した部分は塗布端部を含む。前述のとおり、最終的に製品となるのはA領域を通過した部分のみであるため、B領域を通過した部分に気泡が入っても製品の品質には問題はない。但し、この部分に発生した気泡を、A領域側に移動させないことが重要となる。
本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドは、B領域及びC領域における螺旋の進行方向がA領域の螺旋の進行方向と逆である。そのため、A領域の螺旋がB領域やC領域と反対側に進行するように回転させることにより、B領域やC領域を通過した部分において発生した気泡のA領域側への流入を軽減することができる。
一方、B領域とA領域の螺旋の進行方向が同一であると、塗布端部付近において発生する気泡がA領域側に流入しやすくなり、製品の品質が悪化することがある。さらに、C領域とA領域の螺旋の進行方向も同一(A領域、B領域、及びC領域の螺旋の進行方向が全て同一)であると、コーティングロッドの回転によりコーティングロッドのC領域とフィルムの間の空気が螺旋の進行方向に沿って移動するため、塗布端部付近における気泡が増加し、増加した気泡がA領域側に移動してさらなる品質悪化を招くこともある。また、B領域とA領域の螺旋の進行方向が異なっていても、C領域とA領域の螺旋の進行方向が同一であると、発生した気泡が塗布端部付近で滞留し、気泡の増加に伴ってA領域側に気泡が移動することがある。
本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドは、B領域及びC領域における螺旋状の溝により気泡を幅方向外側(A領域の反対側)へ送ることができるが、同時に塗液も幅方向外側へ拡散することとなる。このとき、C領域の溝がB領域の溝より浅いと、B領域付近で気泡が形成されやすくなるだけでなく、塗液の拡散がより大きくなって後工程の汚染の原因となることもある。そのため、C領域においてB領域よりも溝の深さを大きくすることにより、気泡の発生と塗液による後工程の汚染をいずれも軽減することができる。このときA領域における溝の深さは、本発明の効果を損なわない限り任意に設定することができる。なお、幅方向とはフィルムが走行する方向(長手方向)と垂直であり、かつフィルム面に平行な方向をいう。
本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドは、本発明の効果を損なわない限り、A領域とB領域の間隔やB領域とC領域の間隔については特に制限されない。例えば、各領域の間に、両側の領域の溝が混在する部分や溝のない部分が存在していてもよい。但し、塗布欠点の軽減と後工程の汚染の軽減を両立させる観点から、コーティングロッドにおけるA領域とB領域の距離、及びB領域と前記Cの距離が、いずれも2.0mm以下であることが好ましい。ここでA領域とB領域の距離とは、A領域とB領域の間における溝のない部分、もしくは両側の領域の溝が混在する部分の長さをいう。B領域とC領域の距離も同様である。
A領域とB領域の距離が2.0mm以下であることにより、A領域とB領域の間における気泡滞留による塗布欠点をより軽減することができる。また、B領域とC領域の距離が2.0mm以下であることにより、塗布端部の拡散を安定して抑制することができる。
また、本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドは、A領域、B領域、及びC領域を全て少なくとも一つ以上有するのであれば、本発明の効果を損なわない限り、その他に螺旋部を有していてもよいが、塗工幅の調整の自由度を考慮すると、図1に示すようにB領域及びC領域がA領域の一方の端にあることが好ましい。このような態様とすることにより、A領域の長さの範囲で、塗工幅を任意に調整することができる。図1に示す例以外の態様としては、B領域及びC領域がA領域の両端にある例が挙げられる。
なお、本発明のフィルムの製造方法におけるコーティングロッドの螺旋状の溝は、溝深さの異なるダイスで1本のバーを切削する方法、径の異なるワイヤーをバーに巻いてワイヤーバーとする方法、レーザーでパターン加工する方法、及び溝を樹脂等の充填剤で埋める方法等により形成することができる。
本発明のフィルムの製造方法に用いる塗布装置は、本発明の効果を損なわない限り特には限定されないが、塗液注入端部の一方の端部をA領域、もう一方の端部をB領域に形成できる塗布装置であることが好ましい。塗液注入端部の一方をB領域に形成することで、塗布端部で発生した気泡のA領域側への移動を軽減し、かつ塗布端部の拡散も軽減することができる。
本発明のフィルムの製造方法であって、コーティング工程より後にスムージング工程を有する例としては、例えば図2及び3に示すような塗布装置を用いる方法が挙げられる。図2及び3に示す塗布装置により、長手方向(6)に走行するフィルム(5)に、塗液供給部(7)から塗液(12)を塗布し、A領域(2a)、B領域(3a)、及びC領域(4a)を有し、コロ(9)で支持されたコーティングロッド(1)によりフィルム(5)面において塗液(12)の量をより均等化することができる。このとき、塗布幅を調整する塗液規制板(8)の位置を調整することで、B領域(3a)通過する部分に一方の塗液注入端部を形成することができる。但し、コート層の流動性、フィルムの表面塗れ張力、製膜速度、塗液の注入量等によって塗液注入端の変動等が生じると、定常的に目的とする領域に塗液を注入できない場合も想定されるため、B領域(3a)とC領域(4a)の境界よりも5mm以上内側のB領域(3a)に塗液注入端を調整することが好ましい。なお、塗液(12)を飛散させないため、コロ(9)は上流側カバー(10)、下流側カバー(11)で覆われており、これらのカバーの下には塗液受けパン(13)が設置されている。
また、本発明のフィルムの製造方法であって、コーティング工程とスムージング工程を兼ねた工程を有する例としては、図4及び5に示すような塗布装置を用いる方法が挙げられる。図4及び5に示す塗布装置により、上流側カバー(10)、下流側カバー(11)、低部カバー(14)に覆われた空間内に、塗液供給部(7)から塗液(12)を供給し、A領域(2a)、B領域(3a)、及びC領域(4a)を有し、コロ(9)で支持されたコーティングロッド(1)自身の回転により、塗液(12)を持ち上げて長手方向(6)に走行するフィルム(5)に塗布し、同時にフィルム(5)面全体において塗液(12)の量をより均等化することができる。本方法においても、前記方法と同様に底部カバー(14)のコーティングロッド軸方向の位置を調整することより、B領域(3a)通過する部分に一方の塗液注入端部を形成することができる。なお、塗液(12)を飛散させないため、底部カバー(14)の下には塗液受けパン(13)が設置されている。
また、図5において、塗液の端部位置について説明する。コーティングロッド(1)は、A領域(2a)、B領域(3a)及びC領域(4a)を順に有し、一方の塗液端部がA領域(2a)内に、他方の塗液端部がB領域(3a)内に位置するように塗液規制版(8)を設置する。このような態様とすることにより、A領域(2a)側への気泡の流入を軽減することができる。
本発明のフィルムの製造方法においては、工程の汚染を軽減する観点から、コーティング工程における塗液供給量が1L/分以上30L/分以下であることが好ましい。より好ましくは、1L/分以上15L/分以下である。このような態様とすることにより、コーティングロッドにより掻き落とされた塗液の液はねを抑制することができるため、工程の汚染が軽減される。
また、本発明のフィルムの製造方法においては、生産性と後工程の汚染を軽減する観点から、フィルムの走行速度が10m/分以上100m/分以下であることが好ましい。より好ましくは50m/分以上100m/分以下である。フィルムの走行速度が10m/分未満の場合、フィルムの走行速度が遅いことによる生産性の低下を招くことがある。また、フィルムの走行速度が100m/分を超える場合、コーティングロッドの回転による塗液の拡散が十分に軽減されず後工程の汚染に繋がることがある。
以下、本発明のフィルムの製造方法について、具体的に説明する。但し、これは本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されない。
まず、樹脂のペレット等の原料を押出機の原料投入部に供給し、加熱溶融する。その後、ギヤポンプ等で押出量を均一化して溶融物を押出し、フィルター等を介して異物やゲル化物などを取り除く。このとき、押出機は1台であっても複数台であってもよく、複数台の押出機を用いる場合(組成の異なる複数の層を有するフィルムを製造する場合等)はフィルターを通過した溶融物を積層装置に送り込む。積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができ、これらを任意に組み合わせてもよい。
このようにして得られた溶融物を口金からシート状に吐出し、キャスティングドラム等の冷却体上で冷却固化して無配向フィルムを得る。シート状溶融物から無配向フィルムを得る具体的な方法としては、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、シート状溶融物を静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させて急冷固化させる方法が好ましい。他には、スリット状、スポット状又は面状の装置からエアーを吹き出して、シート状溶融物をキャスティングドラム等の冷却体に密着させて急冷固化させる方法や、ニップロールでシート状溶融物を冷却体に密着させて急冷固化させる方法も好ましく用いることができる。
得られた無配向フィルムを長手方向に延伸(縦延伸)することにより、一軸配向フィルムを得る。縦延伸は、1本又は周速の等しい複数本の延伸ロールを使用して1段階で行うことも、周速の異なる複数本の延伸ロールを使用して多段階に行うことも可能である。延伸時のフィルム温度は、熱結晶化温度(Tmc)−15℃以下に制御することが好ましい。また、縦延伸の倍率はフィルムの特性に応じて適宜調整すればよく、1倍より大きく15倍以下とするのが一般的である。なお、縦延伸では、無配向フィルムを予熱ロールで加熱した後に、さらに赤外線ヒーター等により加熱することも可能であり、上述した縦延伸と同等の温度条件を適用することが、キズの発生を抑制する点で有効である。
次いで、得られた一軸配向フィルムの両面もしくは片面に、特徴1及び2を備えるコーティングロッドを用いてコート層を形成させるための塗液を塗布する。特徴1及び2を備えるコーティングロッドにより、走行するフィルムの表面に塗布された塗液のスムージングや計量が可能となり、さらに塗液中の気泡を製品となる部分以外の部分へ移動させることも可能となる。
特徴1及び2を備えるコーティングロッドの直径は、10mm以上15mm以下であることが好ましい。直径が10mmを下回ると、コーティングロッドの回転数を多くしなければならず、回転数の増加により塗液がハネやすくなることがある。一方、直径が15mmを超えると、リブスジと呼ばれる搬送方向に沿ったスジ状の塗布欠点が発生しやすくなることがある。
また、特徴1及び2を備えるコーティングロッドは、本発明の効果を損なわない限り、走行するフィルムとの摩擦力によって回転する方式(従動回転方式)であっても、モーター等の駆動装置によって回転する方式であってもよい。後者の場合においては、フィルムに傷が入ることを軽減するため、コーティングロッドはフィルムの走行方向に、フィルムの走行速度と実質的にほぼ同一の速度で回転させることが好ましい。ここで、「実質的にほぼ同一の速度で回転させる」とは、コーティングロッドの周速とフィルムの走行速度との差が±10%以下となるようにコーティングロッドを回転させることをいう。但し、製品の用途等により、フィルムの傷が問題にならない場合はコーティングロッドをフィルムの走行速度と異なる速度で回転させてもよく、また、フィルムの走行方向と逆方向に回転させてもよい。
特徴1及び2を備えるコーティングロッドの各領域における溝の深さは、C領域においてB領域よりも溝の深さが大きい限り、本発明の効果を損なわない範囲で自由に設定することができる。但し、A領域からB領域方向への気泡の流入を軽減する観点から、A領域における溝の深さを1とした際に、B領域における溝の深さを0.1以上1以下とすることが好ましい。
特徴1及び2を備えるコーティングロッドの材質は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、ステンレスが好ましく、SUS304又はSUS316がより好ましい。さらに、特徴1及び2を備えるコーティングロッドの表面にはハードクロムメッキなどの表面処理を施してもよい。
本発明のフィルムの製造方法においては、特徴1及び2を備えるコーティングロッドを備えた図2及び3に例示する装置、又は図4及び5に例示する装置を用いることができる。このとき、一方の塗布端部がB領域を通過するように配置することによりA領域側への気泡の移動が軽減され、気泡混入に伴う塗布欠点の発生を抑えることができる。
塗液の塗布量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、必要なコート層の厚みに応じて適宜選択することができる。但し、塗布液の製造工程における流動性によるフィルムの平面性の悪化の抑制や、製造工程において十分に塗布液を乾燥させる観点から、塗布直後の湿潤状態において2g/m以上100g/m以下が好ましく、4g/m以上50g/m以下がより好ましい。塗液の塗布量はコーティングロッドに形成された溝の深さや体積等によって調節できる。
塗液を塗布した一軸配向フィルムを、テンターオーブン等の装置により横延伸することして二軸配向フィルムを得る。横延伸する際の温度は、フィルムの厚み、延伸の速度等にもよるが、ガラス転移温度(Tg)+10℃以上熱結晶化温度(Tmc)−25℃以下であることが好ましい。また、横延伸の倍率は、フィルムの厚み、延伸の速度等にもよるが、塗布ムラやフィルム破断などを防止する観点から、3倍以上10倍以下が好ましい。
塗液を塗布したフィルムを横延伸した後、熱固定を行う。熱固定時の温度は、フィルムを構成する樹脂の種類やフィルムの厚み等により適宜選択することができる。例えば、フィルムを構成する樹脂の主成分がポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートである場合は、250℃以上280℃以下であることが好ましい。そして、熱固定されたフィルムは、寸法安定性向上のために、さらに弛緩処理を行ってもよい。
熱固定がなされたフィルムはテンターオーブン等の装置の外に排出され、A領域を通過した部分のみが残るように幅方向をトリミングされた後、中間製品ロールとして巻き取られる。その後、スリッターにより、必要な幅と長さに裁断されて1本又は複数本の最終製品となる。
なお、本発明のフィルムの製造方法が適用される好適なフィルムとしては、樹脂フィルムの他、金属帯、紙などを挙げることができる。また、塗液の塗布は、無配向フィルム、一軸配向フィルム、及び二軸配向フィルムのいずれに対して行ってもよく、製膜中のフィルムにインラインで実施することも、製造したフィルムにオフラインで実施することもできる。
[物性の測定法]
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例の記述に先立ち、塗布欠点、塗布スジ、及び塗布端部の拡散量の評価方法を記載する。
(1)塗布欠点
ポリエステルフィルムロールのスリット工程において、中間ロール巻き出し後の走行フィルム面に対して、フィルム面から150mm離して設置したLED光源により、入射角15°、フィルム位置での照度30,000lxの条件で、コート層側から光を照射し、その正反射光(反射角15°の反射光)をフィルムからの距離が200mmとなるように設置したCCDカメラにより検出した。なお、CCDカメラは、フィルム走行速度が50m/分の場合の分解能が幅方向で0.16mm、長手方向で0.12mm、画素サイズが10μmであり、検出光0.31lx・sを1,024階調に分解する感度を有するものを用いた。CCDカメラにより検出した信号を長手方向に微分処理し、幅方向3ピクセル以上かつ長手方向1ピクセル以上のサイズであり、微分後の信号閾値が100階調以上の欠陥個数を1,000mに亘ってカウントし、フィルム面積10m当たりの欠陥数に換算し、小数点以下2桁目を四捨五入して平均欠陥個数とした。結果は以下の基準で評価し、A〜Cを合格、Dを不合格とした。
A:平均欠陥個数が1.0個/10m以下であった。
B:平均欠陥個数が1.0個/10mより多く2.0個/10m以下であった。
C:平均欠陥個数が2.0個/10mより多く3.0個/10m以下であった。
D:平均欠陥個数が3.0個/10mより多かった。
(2)塗布スジ
ポリエステルフィルムロールのスリット工程後において、製品ロールより1m(長手方向)×製品幅(幅方向)のフィルムを切り出し、距離40cmから32Wの三波長蛍光灯光源を入射角45°にて照射し、正面から観察して見える塗布スジの本数をカウントし、1m当たりに換算して、これを塗布スジの本数とした。結果は以下の基準で評価し、Aを合格、Dを不合格とした。
A:1本/m未満
D:1本/m以上
(3)塗布端部の拡散量
塗布端部の両端間において、あらかじめ塗布注入端部となるように配置された塗液の注入領域端部の幅寸法と、コーティングロッドを通過した後であり塗布端部を裁断する前のフィルムにおける塗布端部の幅寸法の差を求め、「2」で割り返した値を塗布端部の拡散量とした。結果は以下の基準で評価し、A、Bを合格、Dを不合格とした。
A:塗布端部の拡散量が30mm以内
B:塗布端部の拡散量が30mmを超え、50mm以内
D:塗布端部の拡散量が50mmを超えた。
各実施例及び各比較例では、以下の樹脂等を用いた。
<ポリエステル樹脂(A)>
ジカルボン酸単位及びカルボン酸単位の合計(以下、単にカルボン酸単位ということがある。)を100モル%としたときに、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を40モル%、テレフタル酸単位を45モル%、5−スルホイソフタル酸単位を5モル%、トリメリット酸単位を10モル%含み、かつグリコール単位全体を100モル%としたときに、エチレングリコール単位を90モル%、ジエチレングリコール単位を10モル%含むポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂(A))を用いた。ポリエステル樹脂(A)は、以下の方法により製造した。
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸45モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール90モル部、ジエチレングリコール10モル部をエステル交換反応器に投入した。これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分1万質量部に対して1質量部添加し、160〜240℃で5時間エステル化反応を行い、溜出液を取り除いた。その後、3価のカルボン酸成分であるトリメリット酸10モル部と、全ジカルボン酸成分1万質量部に対して1質量部のテトラブチルチタネートを添加し、240℃で反応物が透明になるまで溜出液を除いた後、220〜280℃の減圧下で重縮合反応を行った。得られたポリエステル樹脂(A)のTgは80℃であった。
<塗液>
ポリエステル樹脂(A)固形分を100質量部としたときに、以下の成分を以下の比率で含有し、ポリエステル樹脂(A)固形分換算の濃度が5.0%である水溶液を用いた。また、本塗液を加熱乾燥して得た樹脂固形物のぬれ張力は42mN/m、屈折率は1.58であった。
ポリエステル樹脂(A):100質量部
メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF):50質量部(固形分換算)
平均粒径140nmのコロイダルシリカ:1.5質量部
フッ素系界面活性剤(互応化学(株)社製“プラスコート” (登録商標)RY2):1.5質量部
[実施例1]
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を真空中160℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。押し出された溶融物を、ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで濾過し、平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出した。押し出されたシート状物を、静電印加キャスト法で表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、無配向フィルムを得た。こうして得られた無配向フィルムをフィルム表面温度が70℃となるように予熱ロールで予熱し、さらに上下方向からラジエーションヒーターを用いてフィルム表面温度が90℃となるまで加熱しつつ、ロール間の周速差を利用して長手方向に3.1倍に延伸し、引き続き冷却ロールで25℃まで冷却して一軸配向フィルムとした。
次いで、上記一軸配向フィルムに図2及び図3に示した塗布装置を用いて片面に塗液を塗布した後、ローラーによりフィルムを反転させて同様に逆面にも塗液を塗布した。コーティングロッドは、直径13mmの円柱形状をしたSUS製の棒の表面に、右ねじの螺旋形態を持つA領域(長さ:1,000mm 溝深さ20μm)、左ねじの螺旋形態を持つB領域(長さ:16mm 溝深さ6μm)及びC領域(長さ:125mm 溝深さ7μm)を有し、A領域とB領域の距離、及びB領域とC領域の距離が1.0mmであるものを使用した。なお、コーティングロッドの各領域における溝加工は、螺旋の傾斜角が5°、溝の断面形状がU字型となるように、レーザーを用いて行った。コーティングロッドは、走行しているフィルムに触れて回転する際にA領域の螺旋が幅方向外側に進行する向きに設置した。さらに、スムーズな回転のために、幅方向にピッチ400mmで設置された回転可能な支持体でコーティングロッドを支え、さらにその両端部にはスムーズな回転が可能となるようベアリングを設置した。なお、塗布工程において、塗液供給量は5L/min、フィルム走行速度は50m/minとした。
さらに、両面に塗液を塗布した一軸配向フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してテンターオーブンにて雰囲気温度120℃で乾燥、予熱し、室温120℃の延伸ゾーンで幅方向に3.7倍に延伸した。延伸後のフィルムを室温230℃の加熱ゾーンで10秒間熱処理し、230℃から120℃まで冷却しながら5%の弛緩処理を行い、さらに50℃まで冷却した。その後、幅方向両端部を切断除去した後に50m/分の速度でフィルムを巻き取って中間製品ロールを得た。こうして、基材ポリエステルフィルムの両面にコート層が積層された厚み125μm、ヘイズ0.7%(JIS K7105(1981)に規定の方法により測定)のフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜7、比較例1〜5]
コーティングロッド構成及び塗布条件を表1のとおりにした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。なお、コーティングロッドの各領域における溝加工は、実施例1と同様に、螺旋の傾斜角が5°、溝の断面形状がU字型となるように、レーザーを用いて行った。
Figure 0006911336
本発明により、フィルムにコート層を形成させる際に発生する塗布抜けや塗布スジなどの塗布欠陥や、後工程の汚染を軽減することができるフィルムの製造方法を提供することができる。本発明により得られるフィルムは、塗布抜けや塗布スジなどの塗布欠陥が少なく、LCD等のフラットパネルディスプレイ用途やタッチパネル用途などの表示材料や表面保護・加飾フィルムなどに、特に好適に使用することができる。
1 コーティングロッド
2a A領域
2b A領域の長さ
3a B領域
3b B領域の長さ
4a C領域
4b C領域の長さ
5 フィルム
6 長手方向
7 塗液供給部
8 塗液規制板
9 コロ
10 上流側カバー
11 下流側カバー
12 塗液
13 塗液受けパン
14 低部カバー

Claims (4)

  1. 走行するフィルムの少なくとも片面に塗液を塗布するコーティング工程、及び以下の特徴1及び2を備えるコーティングロッドをA領域の螺旋がB領域やC領域と反対側に進行するように回転させることで塗液を計量又はスムージングするスムージング工程をこの順に有することを特徴とする、フィルムの製造方法。
    特徴1:表面に螺旋状の溝を有する領域(螺旋部)を複数有する。
    特徴2:螺旋部のうち、その長さが最長のものをA領域、A領域に最も近接し、かつA領域と螺旋の進行方向が逆であるものをB領域、B領域から観察したときにA領域の反対側に位置し、A領域と螺旋の進行方向が逆であり、かつB領域よりも溝の深さが大きいものをC領域としたときに、少なくともA領域、B領域、及びC領域を有する。
  2. 前記コーティングロッドにおける前記A領域と前記B領域の距離、及び前記B領域と前記C領域の距離が、いずれも2.0mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 前記B領域と前記C領域の境界よりも5mm以上内側の前記B領域に塗液注入端を調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 前記コーティング工程における塗液供給量が1L/分以上30L/分以下であり、前記スムージング工程におけるフィルムの走行速度が10m/分以上100m/分以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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