以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置の模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することのできる、中間転写方式を採用したタンデム型(インライン方式)の、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置の機能を備えた複合機である。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部(ステーション、トナー像形成ステーション)SY、SM、SC、SKを有する。なお、各画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。図2は、代表して1つの画像形成部Sを示す模式的な断面図である。本実施例では、画像形成部Sは、後述する感光ドラム1、トナー像形成手段を構成する帯電ローラ2、露光装置3及び現像装置4、一次転写ローラ5、ドラムクリーニング装置6などを有して構成される。
画像形成装置100は、回転可能なドラム型(円筒形)の感光体である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、トナーを担持する移動可能な像担持体(第1の像担持体)の一例である。感光ドラム1は、駆動手段としてのドラム駆動モータM1(図2)によって図中矢印R1方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。本実施例では、感光ドラム1は、OPC層(有機光導電体層)を有する負帯電性のドラム状の有機感光体であり、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、表面層が下からこの順番で設けられて構成されている。また、本実施例では、感光ドラム1は、外径が30mmであり、周速度(プロセススピード)は200mm/secである。なお、表面層の層厚は、0.01〜30μm程度の範囲で適宜選択することができ、好ましくは0.05〜20μm、より好ましくは0.1〜10μmである。
回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電ローラ2は、感光ドラム1に接触し、感光ドラム1の回転に伴って従動して回転する。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電源(高圧電源回路)E1から、所定の極性(本実施例では負極性)の直流電圧(DC電圧、DC成分)である帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。なお、帯電電圧としては、直流電圧と交流電圧とを重畳した振動電圧を用いてもよい。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段(静電像形成手段)としての露光装置3によって走査露光され、感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。本実施例では、露光装置3は、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。
感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置4によって現像剤を用いて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。現像装置4は、像担持体にトナーを供給する供給手段の一例である。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部に、感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーが付着する。つまり、本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。本実施例では、現像装置4は、現像剤としてトナー(非磁性トナー粒子)とキャリア(磁性キャリア粒子)とを備えた二成分現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤4eを収容する現像容器4aと、現像容器4aの開口部から一部が外部に露出するように現像容器4aに回転可能に設けられた、非磁性の中空円筒部材で形成された現像スリーブ4bと、を有する。現像スリーブ4bの内部(中空部)には、マグネットローラ4cが現像容器4aに対し固定されて配置されている。また、現像容器4aには、現像スリーブ4bと対向するように規制ブレード(穂切り部材)4dが設けられている。また、現像容器4a内には、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材として2つの搬送スクリュー4f、4fが設けられている。現像容器4aには、補給手段としてのトナーホッパー4gから適宜トナーが補給される。本実施例では、現像スリーブ4b、搬送スクリュー4f、4fは、感光ドラム1に伝達された駆動力が伝達されることで回転駆動される。現像スリーブ4b、搬送スクリュー4f、4fは、感光ドラム1とは独立して回転又は停止できるようになっている。本実施例では、トナーとしては、粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナー母体に対して、外添剤として平均粒径20nmの酸化チタンを重量比で1%外添したものを用いた。また、本実施例では、キャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm3、平均粒径35μmのものを用いた。そして、本実施例では、このトナーとキャリアとを6:94の重量比で混合したものを現像剤として用いた。
マグネットローラ4cの磁力により現像スリーブ4b上に担持された現像剤4eは、現像スリーブ4bの回転に伴って規制ブレード4dによって量が規制された後に、感光ドラム1との対向部に搬送される。感光ドラム1との対向部に搬送された現像スリーブ4b上の現像剤4eは、マグネットローラ4cの磁力によって穂立ちして磁気ブラシ(磁気穂)を形成する。本実施例では、現像スリーブ4bは、少なくとも現像工程時には感光ドラム1との最近接距離が約400μmになるように配置され、現像スリーブ4b上の現像剤の磁気ブラシが感光ドラム1に接触した状態で現像が行われる。また、現像工程時に、現像スリーブ4bには、現像電源(高圧電源回路)E2から、現像電圧(現像バイアス)として直流電圧(DC電圧、DC成分)と交流電圧(AC電圧、AC成分)とが重畳された振動電圧が印加される。現像電圧の直流成分は、感光ドラム1上の暗部電位(帯電電位)と明部電位(露光部電位)との間の電位に設定される。これにより、感光ドラム1上の静電像に応じて、現像スリーブ4b上の磁気ブラシから感光ドラム1上にトナーが移動して、感光ドラム1上にトナー像が形成される。
各感光ドラム1と対向するように、中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、感光体などの第1の像担持体からトナーが転写される第2の像担持体の一例である。中間転写ベルト7は、複数の張架ローラとしての駆動ローラ71、テンションローラ72及び二次転写対向ローラ73に掛け渡されて所定の張力で張架されている。中間転写ベルト7は、駆動手段としてのベルト駆動モータM2(図2)によって駆動ローラ71が回転駆動されることで、図中矢印R2方向に感光ドラム1の周速度と略同一の周速度で回転(周回移動)する。中間転写ベルト7の内周面側には、各感光ドラム1に対応して、画像転写部を構成する一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する一次転写部T1を形成する。本実施例では、中間転写ベルト7として、ポリイミド樹脂を用いて形成された膜厚75μmの無端状のベルトを用いた。中間転写ベルト7を構成する材料はポリイミド樹脂に限定されるものではなく、ポリカーボネイト樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などのプラスチックや、フッ素系、シリコーン系のゴムを好適に用いることができる。また、中間転写ベルト7の厚さは75μmに限定されるものではなく、25〜2000μm程度の範囲で適宜選択することができ、好ましくは50〜150μmである。また、本実施例では、1次転写ローラ5として、電気抵抗が1×105〜1×107Ω、外径が30mm、回転軸線方向の長さが340mmのものを用いた。
上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部T1において、一次転写ローラ5によって付与される静電気力と圧力の作用によって中間転写ベルト7上に一次転写される。一次転写工程時に、一次転写ローラ5には、一次転写電源(高圧電源回路)E3から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。本実施例では、一次転写電圧は、一次転写ローラ5に+15μAの電流(目標電流)が流れるように定電流制御される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト7上に重ね合わされるようにして順次転写される。
中間転写ベルト7の外周面側において、二次転写対向ローラ73と対向する位置には、画像転写部を構成する二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ73に向けて押圧され、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部T2を形成する。上述のように中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ8によって付与される静電気力と圧力の作用によって、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とに挟持されて搬送される記録材P上に二次転写される。二次転写工程時に、二次転写ローラ8には、二次転写電源(高圧電源回路)E4から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
記録用紙などの記録材(シート、転写材)Pは、給送装置(図示せず)によって1枚ずつ送り出されてレジストローラ対9まで搬送され、レジストローラ対9によって中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部T2へと供給される。また、トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置10に搬送され、定着装置10によって加熱及び加圧されることでトナー像が定着(溶融固着)される。その後、記録材Pは、画像形成装置100の装置本体110の外部に排出(出力)される。
一方、一次転写時に感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置6は、クリーニング部材としての第1のクリーニングブレード(以下、「第1のブレード」ともいう。)6aと、第1のクリーニング容器6bと、を有する。ドラムクリーニング装置6は、感光ドラム1に当接する第1のブレード6aによって、回転する感光ドラム1の表面を摺擦する。これによって、感光ドラム1上の一次転写残トナーは、感光ドラム1上から掻き取られて第1のクリーニング容器6b内に収容される。また、中間転写ベルト7の外周面側において、駆動ローラ71と対向する位置に、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置74が配置されている。二次転写工程時に中間転写ベルト7上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーニング装置74によって中間転写ベルト7上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置74は、クリーニング部材としての第2のクリーニングブレード(以下、「第2のブレード」ともいう。)74aと、第2のクリーニング容器74bと、を有する。ベルトクリーニング装置74は、中間転写ベルト7に当接する第2のブレード74aによって、回転する中間転写ベルト7の表面を摺擦する。これによって、中間転写ベルト7上の二次転写残トナーは、中間転写ベルト7上から掻き取られて第2のクリーニング容器74b内に収容される。第1、第2のクリーニング容器6b、74bに収容されたトナーは、第1、第2のクリーニング容器6b、74b内に設けられた搬送部材(搬送スクリュー)(図示せず)によって搬送されて、廃トナー容器(図示せず)に回収される。
本実施例では、各画像形成部Sにおいて、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、ドラムクリーニング装置6とは、一体的に画像形成装置110の装置本体110に対して着脱可能なカートリッジ(ドラムカートリッジ)11を構成している。また、本実施例では、現像装置4は、単独で画像形成装置100の装置本体110に対して着脱可能とされている。
ここで、感光ドラム1の回転方向における帯電ローラ2による帯電処理が行われる位置が帯電位置Chである。帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転方向における帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部の上流及び下流に形成される帯電ローラ2と感光ドラム1との間の微小な間隙の少なくとも一方で生じる放電によって感光ドラム1を帯電処理する。ただし、簡単のため、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部が帯電位置であると擬制して考えてもよい。また、感光ドラム1の回転方向における露光装置3による露光が行われる位置が露光位置Exである。また、感光ドラム1の回転方向における現像スリーブ4bから感光ドラム1へのトナーの供給が行われる位置(本実施例では現像スリーブ4bと感光ドラム1との対向部)が現像位置Dである。また、感光ドラム1の回転方向における感光ドラム1から中間転写ベルト7へのトナー像の転写が行われる位置(本実施例では感光ドラム1と中間転写ベルト7との接触部)が一次転写位置(一次転写部)T1である。また、感光ドラム1の回転方向における第1のブレード6aと感光ドラム1との当接部が第1のクリーニング位置Cdである。また、中間転写ベルト7の回転方向における第2のブレード74bと中間転写ベルト7との当接部が第2のクリーニング位置Cbである。
また、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(プリント動作)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写を行う期間であり、画像形成期間(画像形成時)とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写の各工程を行う位置で、画像形成期間のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成期間(非画像形成時)とは、画像形成期間以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。
2.クリーニング装置
次に、本実施例におけるドラムクリーニング装置6、ベルトクリーニング装置74の構成について更に説明する。
本実施例では、ドラムクリーニング装置6は、弾性材料としてのポリウレタン(ウレタンゴム)で形成された第1のブレード6aを有する。第1のブレード6aは、感光ドラム1の表面の移動方向(走行方向)と略直交する方向に沿って配置される長手方向と、この長手方向と略直交する短手方向とにそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する、板状(ブレード状)の部材である。第1のブレード6aは、短手方向における一方の端部である固定端部の所定の範囲が金属製の支持部材(板金)に熱溶着により貼り付けられ、この支持部材が第1のクリーニング容器6bに固定されることで、第1のクリーニング容器6bに支持される。そして、第1のブレード6aは、短手方向における固定端部とは反対側の自由端部が感光ドラム1の回転方向(表面の移動方向、走行方向)の上流側を向くカウンター方向となるように、この自由端部のエッジ部で感光ドラム1の表面に当接する。本実施例における第1のブレード6aの詳細な設定は次のとおりである。
a)クリーニングブレード自由長:8mm
b)クリーニングブレード長手方向長さ:325mm
c)クリーニングブレード当接線圧:3.1N/cm
d)クリーニングブレード当接角度:30°
e)クリーニングブレード当接形式:カウンター当接
f)硬度75°(JIS−A規格)
本実施例では、ベルトクリーニング装置74は、弾性材料としてのポリウレタン(ウレタンゴム)で形成された第2のブレード74aを有する。第2のブレード74aは、中間転写ベルト7の表面の移動方向(走行方向)と略直交する方向に沿って配置される長手方向と、この長手方向と略直交する短手方向とにそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する、板状(ブレード状)の部材である。第2のブレード74aは、短手方向における一方の端部である固定端部の所定の範囲が金属製の支持部材(板金)に熱溶着により貼り付けられ、この支持部材が第2のクリーニング容器74bに固定されることで、第2のクリーニング容器74bに支持される。そして、第2のブレード74aは、短手方向における固定端部とは反対側の自由端部が中間転写ベルト7の回転方向(表面の移動方向、走行方向)の上流側を向くカウンター方向となるように、この自由端部のエッジ部で中間転写ベルト7の表面に当接する。本実施例における第2のブレード74aの詳細な設定は次のとおりである。
a)クリーニングブレード自由長:8mm
b)クリーニングブレード長手方向長さ:330mm
c)クリーニングブレード当接線圧:2.8N/cm
d)クリーニングブレード当接角度:30°
e)クリーニングブレード当接形式:カウンター当接
f)硬度77°(JIS−A規格)
3.制御態様
図3は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。画像形成装置100の装置本体110には、制御手段としての制御部(制御回路)50が設けられている。制御部50は、演算制御手段としてのCPU51、記憶手段としてのメモリ(ROM、RAM)52などを有して構成される。制御部50は、CPU51がメモリ52に記憶されているプログラムに従って処理を実行することで、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。制御部50には、例えば、各感光ドラム1を駆動するドラム駆動モータM1、中間転写ベルト7を駆動するベルト駆動モータM2、各感光ドラム1を露光する露光装置3が接続されている。また、制御部50には、各帯電ローラ2に帯電を印加する帯電電源E2、各現像スリーブ4bに現像を印加する現像電源E2、各一次転写ローラ5に転写を印加する一次転写電源E3、二次転写ローラ8に電圧を印加する二次転写電源E4が接続されている。また、制御部50には、装置本体110に設けられた操作部(操作パネル)120が接続されている。操作部120には、制御部50に画像形成に関する各種設定などを入力するための入力手段としてのキーや、ユーザやサービス担当者などの操作者に情報を表示するための表示手段としての表示パネルなどが設けられている。また、制御部50には、装置本体110の内部又は外部の少なくとも一方の温度又は湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段としての環境センサ(温湿度センサなど)130が接続されている。また、制御部50には、画像形成装置100の外部の機器(パーソナルコンピュータやイメージスキャナーなど)との通信を行う通信部140が接続されている。
制御部50は、操作部120や通信部140から入力された画像形成条件を指定する情報や、環境センサ130から入力された環境情報などに応じて、動作制御コマンドを画像形成装置100の各部に伝達する。これにより、画像形成動作や後述する供給動作を実行させる。なお、上記画像形成条件としては、用紙サイズ、用紙種類、画像形成数(出力枚数)、画質モードなどが挙げられる。
なお、図3に示される第1のカウンター61、第2のカウンター62については後述する。
4.供給動作の概要
本実施例の画像形成装置100は、非画像形成期間に第1のクリーニング位置Cd及び第2のクリーニング位置Cbにトナーを供給する供給動作を実行することが可能である。本実施例では、供給動作を実行することにより、感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の摺動性、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の摺動性を保持する。また、本実施例では、供給動作を実行することにより、主に第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積を抑制する。
具体的には、供給動作では、感光ドラム1上に、感光ドラム1の走行方向と略直交する方向に沿って延びるライン状又は帯状のトナー像(ここでは、「トナー帯」ともいう。)が形成される。つまり、トナー帯(供給用トナー像)は、第1、第2のクリーニング部材6a、74a(第1、第2のクリーニング位置Cd、Cb)の長手方向に沿って延びるトナー像である。本実施例では、トナー帯は、通常の画像形成期間と同様に感光ドラム1の帯電工程、露光工程、現像工程を経て形成される。また、本実施例では、感光ドラム1上に形成されたトナー帯は、一次転写部T1で中間転写ベルト7上に転写される。これにより、トナー帯のトナー(ここでは、「帯トナー」ともいう。)の一部は転写残トナーとして第1のクリーニング位置Cdに供給され、中間転写ベルト7上に転写された帯トナーの他の一部は第2のクリーニング位置Cbに供給される。トナー帯が二次転写部T2を通過する際には、二次転写電源E4から二次転写ローラ8に二次転写時とは逆極性(すなわち、トナーの正規の帯電極性と同極性)の電圧が印加されて、帯トナーの二次転写ローラ8への付着が抑制される。あるいは、二次転写ローラ8を中間転写ベルト7から離間させる離間手段としての離間機構を設けて、トナー帯が二次転写部T2を通過する際に二次転写ローラ8を中間転写ベルト7から離間させてもよい。第1のクリーニング位置Cdに帯トナーが供給されることで、感光ドラム1と第1のブレード6aとの間に潤滑剤(主にトナーの外添剤)が供給される。また、第2のクリーニング位置Cbに帯トナーが供給されることで、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間に潤滑剤(主にトナーの外添剤)が供給される。それと共に、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの当接部近傍にトナーによるバリアが形成される。
典型的には、このトナー帯は、感光ドラム1、中間転写ベルト7の走行方向と略直交する方向(ここでは、「スラスト方向」ともいう。)における画像形成可能領域の略全域にわたるライン状又は帯状のトナー像とされる。ただし、このトナー像は、感光ドラム1、中間転写ベルト7の表面の移動方向を横切る方向に任意の長さで形成された、単数又は複数のトナー像であってよい。図4は、本実施例における感光ドラム1上に形成されたトナー帯Aの形状を示す模式図である。本実施例では、トナー帯Aは、スラスト方向の長さが320mm、走行方向の長さが10mm、濃度FFH(0〜255の256段階のうちの最高濃度レベル(ベタ画像))の帯状のトナー像とした。
5.供給動作の実行タイミング
次に、供給動作の実行タイミングについて説明する。なお、ここでは、画像形成数は、1枚の記録材Pの片面に画像を形成することを「1回」として数えることとする。また、連続画像形成数は、一のジョブで指定される画像形成数であって、一のジョブの実行中に一の画像の形成と後続の画像の形成との間に制御動作(画像濃度調整制御やレジスト調整動作など)が実行されてもよい。
5−1.摺動性の保持
まず、感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の摺動性の保持に関する供給動作の実行タイミングについて説明する。
図5は、第1のブレード6aの異常振動(ビビリ)に起因してトナーが第1のブレード6aをすり抜けることによる帯電ローラ2の表面のトナーによる汚れ量と、供給動作の実行頻度との関係を示すグラフ図である。図5において、横軸は帯電ローラ2のスラスト方向の位置(測定箇所)を示し、縦軸は帯電ローラ2の表面の汚れ量の測定結果を示す。帯電ローラ2の表面の汚れ量の測定は、次のようにして行った。高温高湿環境(32℃/82%)の環境下で、A4サイズ(縦送り)の用紙の片面に対する画像濃度00Hの画像(ベタ白画像)の5,000回(5,000枚)の連続画像形成を行った。その後、帯電ローラ2の表面に透明テープを貼り付け、そのテープを剥離して白紙に貼り付けて、X−Rite社製528濃度計にて濃度(光学濃度)を測定した。そして、その濃度の測定値と、帯電ローラ2に貼り付けていない透明テープを白紙に貼り付けて測定した濃度の測定値との差分を、帯電ローラ2の表面の汚れ量とした。上記連続画像形成中に画像形成数20回、40回、80回ごとに供給動作を行った各場合について同様の実験を行った。
図5から、供給動作の実行頻度が高い(すなわち、実行間隔が狭い)ほど、第1のブレード6aの異常振動が抑制され、帯電ローラ2のトナーによる汚染量が少なくなることがわかる。これは、感光ドラム1と第1のブレード6aとの摩擦力の増加が、感光ドラム1の走行による感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の潤滑剤の減少度合いと関係することによる。
本実施例の構成では、感光ドラム1の走行距離が150,000mmを超えると、画像比率の極端に低い画像の形成が続いた場合などに、感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の摺動性が低下して第1のブレード6aの異常振動が発生する場合がある。そのため、本実施例の構成では、感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の摺動性を十分に保持するためには、感光ドラム1の走行距離130,000mm(第1の積算値、第1の閾値)ごとに供給動作を実行することが望ましい。なお、画像比率とは、最大の画像形成可能領域の面積における画像の面積の割合である。
また、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の摺動性の保持に関する供給動作の実行タイミングについても上記同様の検討を行った。その結果、本実施例の構成では、上記感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の摺動性の保持に適したタイミングで供給動作を実行することで、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の摺動性も十分に保持できることがわかった。つまり、本実施例では、中間転写ベルト7は、感光ドラム1と同期して駆動、停止が行われる。また、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの摩擦力の増加は、本実施例では中間転写ベルト7の走行による中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の潤滑剤の減少度合いと関係する。そして、本実施例の構成では、中間転写ベルト7(すなわち、感光ドラム1)の走行距離が150,000mmを超えると、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の摺動性が低下して第2のブレード74aの異常振動が発生する場合がある。そのため、本実施例の構成では、中間転写ベルト7と第2のブレード6aとの間の摺動性を十分に保持するためには、中間転写ベルト7(すなわち、感光ドラム1)の走行距離130,000mm(第1の積算値、第1の閾値)ごとに供給動作を実行することが望ましい。
なお、感光ドラム1の走行距離130,000mmは、概略A4サイズ(縦送り)で500回の連続画像形成を行う場合の感光ドラム1の走行距離に相当する。
このように、感光ドラム1の走行距離を基準として供給動作を実行することで、累積の画像形成数を基準として実行する場合よりも、効率よく供給動作を実行できるので、トナーの無駄な消費や部材の寿命の低下を抑制することができる。
5−2.紙粉の堆積の抑制
次に、紙粉の堆積の抑制に関する供給動作の実行タイミングについて説明する。
本実施例の構成では、紙粉の堆積に起因してトナーがクリーニングブレードをすり抜ける現象は、主に第2のクリーニング位置Cbにおいて問題となる。したがって、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの当接部近傍の紙粉の堆積の抑制に注目して説明する。また、ここでは便宜上「紙粉」と呼ぶが、これは像担持体とクリーニング部材との当接部近傍に堆積してクリーニング不良の原因となり得る任意の物質(異物)の全般を意味する。紙粉は、記録材Pの裁断などの加工時に記録材Pから発生して記録材Pに付着したり、記録材Pが画像形成装置100において他の部材に摺擦されることで記録材Pから発生して記録材Pに付着したりした、主に記録材Pの成分に由来する任意の物質を含む。紙粉は、典型的には、セルロースを主成分とする繊維や、炭酸カルシウムの粉末などの填料などで構成される。
図6は、紙粉の堆積に起因してトナーが第2のブレード74aをすり抜ける現象が発生するメカニズムを示す模式図である。図6(a)は、第2のブレード74aのエッジ部eにかかるトルクが低い期間(トルクピーク以降)における第2のブレード4aの先端近傍の様子を示す。この期間では、第2のブレード74aのエッジ部eの変形が小さいため、その変形部における紙粉f(扁状紙粉など)が堆積できる空間は小さい。したがって、第2のブレード74のエッジ部eを持ち上げる程度まで紙粉が堆積することはできず、トナーtがすり抜ける起点を作るまでには至らない。次に、図6(b)は、第2のブレード74aのエッジ部eにかかるトルクが上昇する期間(初期〜トルクピークまで)における第2のブレード74aの先端近傍の様子を示す。この期間では、第2のブレード74のエッジ部eが中間転写ベルト7の走行方向に変形する。また、その変形部と中間転写ベルト7との間に、紙粉f(扁状紙粉や填料成分である炭酸カルシウムなど)が堆積する。そして、その紙粉fが第2のブレード74aのエッジ部eを持ち上げて(つまり、紙粉fの一部が中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間に挟まり)、トナーtがすり抜ける起点を作る。次に、図6(c)は、第2のブレード74aのエッジ部eにかかるトルクが高い期間(トルクピーク前後)における第2のブレード74aの先端近傍の様子を示す。この期間では、例えば、中間転写ベルト7と第2のブレード74とのニップ幅に対して第2のブレード74aのエッジ部eのピーク圧が高い状態(腹当たり状態など)になっている。そして、堆積した紙粉fが第2のブレード74aのエッジ部eを持ち上げている(つまり、紙粉fの一部が中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間に挟まっている)箇所を起点として、トナーtのすり抜けが発生し始める。
図7は、第2のクリーニング位置Cbにトナー帯を供給することにより紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制するメカニズムを示す模式図である。図7(a)は、第2のブレード74aのエッジ部eにかかるトルクが低い期間(トルクピーク以降)における第2のブレード74aの先端近傍の様子を示す。この期間では、図6(a)を参照して説明したように、トナーtのすり抜けは発生しない。この状態のとき、すなわち、図6(b)、(c)を参照して説明した状態になる前に、第2のクリーニング位置Cbにトナー帯Aを供給することが、紙粉の堆積に起因するトナーtのすり抜け(クリーニング不良)を抑制する上で重要である。つまり、第2のブレード74aにかかるトルクが高くなり、第2のブレード74aのエッジ部eが変形し始め、ニップ幅に対して第2のブレード74aのエッジ部eのピーク圧が高い状態(腹当たり状態など)となる前である。これにより、図7(b)に示すように、第2のブレード74aのエッジ部eの変形が抑制され、かつ、エッジ部eの近傍に紙粉fの侵入を阻止する帯トナーtによるバリアが形成される。なお、トナーtによるバリアは、より詳細には、第2のブレード74aのエッジ部eよりも中間転写ベルト7の表面の移動方向に関し上流側の、第2のブレード74aの先端面と中間転写ベルト7の表面との間の空間に形成される。その結果、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの当接部近傍の紙粉fの堆積が阻止され、トナーtのすり抜けを抑制することが可能となる。
このように、第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積に起因するクリーニング不良の発生は、中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の摩擦力や第2のブレード74のエッジ部の近傍のトナーによるバリアの減少度合いと関係する。そのため、多くの場合、前述の中間転写ベルト7と第2のブレード74aとの間の摺動性の保持に適したタイミングで供給動作を実行することで、トナーによるバリアを十分に形成し、紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。つまり、本実施例の構成では、紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を十分に抑制するためには、中間転写ベルト7(すなわち、感光ドラム1)の走行距離130,000mmごとに供給動作を実行すればよい。上述のように、この走行距離は、概略A4サイズ(縦送り)で500回の連続画像形成を行う場合の走行距離に相当する。
5−3.本実施例における供給動作の実行タイミング
上述のような、第1、第2のクリーニング位置Cd、Cbにおける摺動性の保持、主に第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積の抑制の観点から、本実施例では、原則として連続画像形成数500回に相当する走行距離を閾値として供給動作を実行する。
一方で、第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積に起因するクリーニング不良が発生しやすくなる程度は、画像形成数、特に、一のジョブで指定される画像形成数(すなわち、連続画像形成数)とも関係する。これは、連続画像形成中には、記録材Pとして使用される紙からの紙粉が継続して第2のクリーニング位置Cbに送り込まれることによる。上述のように走行距離の閾値を設定することで、連続画像形成数が500回以下のジョブが繰り返される場合には、多くの場合、累積の画像形成数が500回以下のタイミングで供給動作実行される。特に、本実施例の構成では、連続画像形成数が400回以下のジョブが繰り返される場合には、確実に、累積の画像形成数が400回以下のタイミングで供給動作が実行される。これは、概して、一のジョブで指定される画像形成数(すなわち、連続画像形成数)が異なると、累積の画像形成数に対する像担持体の走行距離が異なるからである。つまり、ジョブは、通常、画像形成工程、前回転工程、紙間工程、後回転工程を有して構成される。指定される画像形成数が比較的少ないジョブが繰り返される場合、像担持体の走行距離の全体に占める前回転工程や後回転工程のための走行距離の割合が増えるため、累積の画像形成数に対する像担持体の走行距離は比較的大きくなる。逆に、指定される画像形成数が比較的多いジョブでは、像担持体の走行距離の全体に占める前回転工程や後回転工程のための走行距離の割合が少なくなるため、累積の画像形成数(この場合は連続画像形成数)に対する像担持体の走行距離は比較的小さくなる。
しかし、連続画像形成数が500回以上のジョブが実行される場合、実際の走行距離が標準的に見積もられる連続画像形成数500回に相当する走行距離を超えて、紙粉の堆積に起因するクリーニング不良が発生しやすい状態になる場合があることがわかった。これは、連続画像形成中に制御動作(画像濃度調整動作やレジスト調整動作など)がイレギュラーに行われることなどによる。つまり、走行距離を基準として設定した閾値のみを用いて供給動作を実行していると、紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制するのに必要なタイミングで供給動作を実行できないことがあることがわかった。
このように、感光ドラム1の走行距離のみを基準として供給動作を実行すると、トナーの無駄な消費や部材の寿命の低下の抑制はできても、連続画像形成時の紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制できなくなるおそれがある。
そこで、本実施例では、供給動作の要否を判断するための閾値として、感光ドラム1の走行距離に基づく閾値(「第1の閾値」)と、一のジョブで指定される画像形成数(すなわち、連続画像形成数)に基づく閾値(「第2の閾値」)と、を用いる。また、感光ドラム1が駆動された場合に感光ドラム1の走行距離をカウントする。また、一のジョブにおいて画像を形成するごとに連続画像形成数をカウントする。そして、任意のジョブの実行中に、感光ドラム1の走行距離のカウント値が第1の閾値に到達した場合には、供給動作を実行する。そして、感光ドラム1の走行距離のカウント値と連続画像形成数のカウント値との両方を初期値にリセットする。また、任意のジョブの実行中に、感光ドラム1の走行距離のカウント値が第1の閾値に到達する前に、連続画像形成数のカウント値が第2の閾値に到達した場合にも、供給動作を実行する。そして、感光ドラム1の走行距離のカウント値と連続画像形成数のカウント値との両方を初期値にリセットする。
走行距離に基づく第1の閾値、連続画像形成数に基づく第2の閾値は、次のように設定する。つまり、走行距離と連続画像形成数のカウント値がいずれも初期値の状態から、指定される画像形成数が第1の値以下であるジョブが繰り返される場合は、任意のジョブの実行中に先に走行距離のカウント値が第1の閾値に到達するようにする。また、走行距離と連続画像形成数のカウント値がいずれも初期値の状態から、指定される画像形成数が上記第1の値以上の第2の値以上であるジョブが実行される場合は、該ジョブの実行中に先に連続画像形成数のカウント値が第2の閾値に到達するようにする。換言すれば、指定される画像形成数が第1の値以下であるジョブが繰り返される場合には、走行距離のカウント値が第1の閾値に到達した際の累積の画像形成数が第2の閾値よりも小さくなるようにする。そして、指定される画像形成数が上記第1の値以上の第2の値以上であるジョブが実行される場合には、連続画像形成数のカウント値が第2の閾値に到達した際の走行距離のカウント値が第1の閾値よりも小さくなるようにする。
つまり、指定される画像形成数が上記第1の値(例えば400回)以下であるジョブが繰り返されることが想定される多くの場合には、感光ドラム1の累積の走行距離を基準として摺動性の保持及び紙粉の堆積の抑制に十分な頻度で供給動作が実行される。これにより、供給動作を効率的に実行することが可能となり、トナーの無駄な消費や、感光ドラム1、中間転写ベルト7、第1、第2のブレード6a、74a、帯電ローラ2などの部材の寿命の低下を抑制することができる。また、指定される画像形成数が上記第2の値(例えば500回)以上であるジョブが実行される際には、感光ドラム1の累積の走行距離が第1の閾値に到達しない場合でも、そのジョブでの連続画像形成数を基準として十分な頻度で確実に供給動作が実行される。これにより、連続画像形成時にクリーニング位置に継続して紙粉が送り込まれることで問題となりやすい、紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。更に換言すれば、本実施例では、走行距離のカウント値が第1の閾値に到達した場合に供給動作を実行することを原則としつつ、一のジョブにおける連続画像形成数の上限値として第2の閾値を設定する。そして、一のジョブの実行中に連続画像形成数が上記上限値たる第2の閾値に到達した場合には、走行距離のカウント値が第1の閾値に到達していなくても供給動作を実行することとする。
また、感光ドラム1の走行距離、連続画像形成数のいずれに基づいて供給動作が実行された場合も、感光ドラム1の走行距離のカウント値と連続画像形成数のカウント値との両方が初期値にリセットされる。これにより、供給動作の無駄な重複を防止して、トナーの無駄な消費や部材の寿命の低下を抑制することができる。
このように、本実施例によれば、トナーの無駄な消費や部材の寿命の低下を抑制しつつ、連続画像形成時の紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。したがって、長期にわたる良好なクリーニング性能の維持が可能となる。
6.供給動作の制御
次に、本実施例における供給動作の制御について更に説明する。
図3を参照して、本実施例では、制御部(ジョブ実行部、供給実行部)50が供給動作の要否判断、供給動作の手順の制御を行う。制御部50には、計数手段として、第1のカウンター(走行距離カウンター)61と、第2のカウンター(連続画像形成数カウンター)62と、が接続されている。制御部50は、各感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)が駆動されると、各感光ドラム1の走行距離をそれぞれカウントして記憶部である第1のカウンター61に逐次更新して記憶させる。なお、本実施例では、感光ドラム1の走行距離は、感光ドラム1が回転した実質的に全ての時間とプロセススピードとを乗算した値に相当する。後述するように、第1のカウンター61による各感光ドラム1の走行距離のカウント値(計数値、第1の積算値)は、当該感光ドラム1にトナー帯が形成される供給動作が実行されると初期値(本実施例では0)にリセットされる。また、制御部50は、一のジョブにおいて画像を形成するごとに連続画像形成数をカウントして記憶部である第2のカウンター62に逐次更新して記憶させる。後述するように、第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値(第2の積算値)は、いずれかの感光ドラム1にトナー帯が形成される供給動作が実行されるか、又はジョブが終了すると初期値(本実施例では0)にリセットされる。なお、第1のカウンター61は、走行距離に関する情報として、回転時間(走行時間、駆動時間)などの走行距離を示す任意の情報をカウントすることができる。同様に、第2のカウンター62は、連続画像形成数に関する情報として、連続画像形成数を示す任意の情報をカウントすることができる。
本実施例では、供給動作は、非画像形成期間として後回転工程又は紙間工程において実行される。図8は、ジョブにおける最後の画像の形成か否かを判断して制御を切り替える手順の概略を示すフローチャート図である。制御部50は、ジョブが開始されると、次に形成する画像がジョブにおける最終の画像であるか否かを判断する(S101)。制御部50は、S101で最終の画像である(「Yes」)と判断した場合は、処理を図9に示す手順に進める(S102)。また、制御部50は、S101で最終の画像ではない(「No」)と判断した場合は、処理を図10に示す手順に進める(S103)。以下、後回転工程で供給動作を実行する場合の手順と、紙間工程で供給動作を実行する場合の手順と、について順次説明する。
ここで、本実施例では、感光ドラム1の走行距離に基づく第1の閾値DRLは、概略A4サイズ(縦送り)で500回の連続画像形成を行なう場合の感光ドラム1の走行距離に相当する、130,000mmに設定されている。また、本実施例では、連続画像形成数に基づく第2の閾値RGCは、A4サイズ(縦送り)で400回に設定されている。
図9は、後回転工程において供給動作を実行する場合の手順の概略を示すフローチャート図である。
制御部50は、画像形成を開始させる(S201)。制御部50は、画像形成の終了後に各感光ドラム1の走行距離を算出して第1のカウンター61に積算して記憶させ、連続画像形成数を第2のカウンター62に積算して記憶させる(S202)。次に、制御部50は、第1のカウンター61による感光ドラム1の走行距離のカウント値LTが感光ドラム1の走行距離に基づく第1の閾値DRL以上(LT≧DRL)である画像形成部Sの有無を判断する(S203)。制御部50は、S203でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが有る(「Yes」)と判断した場合は、LT≧DRLを満たす画像形成部Sでトナー帯を形成することを決定する(S204)。そして、制御部50は、後回転工程においてS204で決定した画像形成部Sでトナー帯を感光ドラム1上に形成し、そのトナー帯を中間転写ベルト7上に転写する供給動作を実行させる(S205)。これにより、帯トナーの一部がその画像形成部Sの第1のクリーニング位置Cdに供給され、他の一部が第2のクリーニング位置Cbに供給される。その後、制御部50は、第1のカウンター61によるトナー帯を形成した画像形成部Sの感光ドラム1の走行距離のカウント値LT、及び第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットする(S206)。そして、制御部50は、画像形成装置100の動作を停止させる(S207)。
また、制御部50は、S203でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが無い(「No」)と判断した場合は、当該ジョブにおける連続画像形成数のカウント値GTが第2の閾値RGC以上(GT≧RGC)であるか否かを判断する(S208)。制御部50は、S208でGT≧RGCである(「Yes」)と判断した場合は、ブラック用の画像形成部SKでトナー帯を形成することを決定する(S209)。そして、制御部50は、後回転工程においてブラック用の画像形成部SKでトナー帯を感光ドラム1K上に形成し、そのトナー帯を中間転写ベルト7上に転写する供給動作を実行させる(S210)。これにより、帯トナーの一部がブラック用の画像形成部SKの第1のクリーニング位置Cdに供給され、他の一部が第2のクリーニング位置Cbに供給される。その後、制御部50は、第1のカウンター61によるブラック用の画像形成部SKの感光ドラム1Kの走行距離のカウント値LT、及び第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットする(S211)。そして、制御部50は、画像形成装置100の動作を停止させる(S207)。
また、制御部50は、S208でGT<RGCである(「No」)と判断した場合は、第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットし(S212)、画像形成装置100の動作を停止させる(S207)。
図10は、紙間工程において供給動作を実行する場合の手順の概略を示すフローチャート図である。
制御部50は、画像形成を開始させ(S301)、画像形成が終了したら画像濃度調整動作やレジスト調整動作などの制御動作の実行タイミングであるか否かを判断する(S302)。制御部50は、S302で制御動作を実行するタイミングではないと判断した場合はそのまま処理をS304に進め、そのタイミングであると判断した場合はその制御動作を実行した後に(S303)、処理をS304に進める。制御部50は、画像形成、又は画像形成及び制御動作の終了後に、各感光ドラム1の走行距離を算出して第1のカウンター61に積算して記憶させ、連続画像形成数を第2のカウンター62に積算して記憶させる(S304)。次に、制御部50は、第1のカウンター61による感光ドラム1の走行距離のカウント値LTが感光ドラム1の走行距離に基づく第1の閾値DRL以上(LT≧DRL)である画像形成部Sの有無を判断する(S305)。制御部50は、S305でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが有る(「Yes」)と判断した場合は、LT≧DRLを満たす画像形成部Sでトナー帯を形成することを決定する(S306)。そして、制御部50は、紙間工程においてS306で決定した画像形成部Sでトナー帯を感光ドラム1上に形成し、そのトナー帯を中間転写ベルト7上に転写する供給動作を実行させる(S307)。その後、制御部50は、第1のカウンター61によるトナー帯を形成した画像形成部Sの感光ドラム1の走行距離のカウント値LT、及び第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットする(S308)。そして、制御部50は、処理を図8のS101に戻す。
また、制御部50は、S305でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが無い(「No」)と判断した場合は、当該ジョブにおける連続画像形成数のカウント値GTが第2の閾値RGC以上(GT≧RGC)であるか否かを判断する(S309)。制御部は、S309でGT≧RGCである(「Yes」)と判断した場合は、ブラック用の画像形成部SKでトナー帯を形成することを決定する(S310)。そして、制御部50は、紙間工程においてブラック用の画像形成部SKでトナー帯を感光ドラム1K上に形成し、そのトナー帯を中間転写ベルト7上に転写する供給動作を実行させる(S311)。その後、制御部50は、第1のカウンター61によるブラック用の画像形成部SKの感光ドラム1Kの走行距離のカウント値LT、及び第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットする(S312)。そして、制御部50は、処理を図8のS101に戻す。
また、制御部50は、S309でGT<RGCである(「No」)と判断した場合は、処理を図8のS101に戻す。
なお、本実施例では、連続画像形成数に基づいて形成するトナー帯をブラック単色のトナー帯とすることにより、トナーの消費量の低減を図った。しかし、このトナー帯は、ブラック色に限定されるものではなく、他の色の単色のトナー帯であってもよい。また、例えば紙粉ストレス紙(後述)の使用頻度が高い場合を想定して、複数の色でトナー帯を形成してもよい。
7.効果
図11は、本実施例と比較例とについてジョブを繰り返し実行する耐久試験を行なった場合の、一のジョブにおいて指定される画像形成数(すなわち、連続画像形成数)と、供給動作の実行間隔と、の関係を示すグラフ図である。図11において、横軸はジョブにおいて指定される画像形成数(すなわち、連続画像形成数)を示し、縦軸は供給動作の実行間隔(前回の実行から今回の実行までの間の累積の画像形成数)を示す。また、図11において破線で囲んだ領域は、第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積に起因するクリーニング不良が発生する可能性のある領域を示す。
本実施例では、前述のように、感光ドラム1の走行距離に基づく第1の閾値DRLは、概略A4サイズ(縦送り)で500回の連続画像形成を行なう場合の感光ドラム1の走行距離に相当する、130,000mmに設定されている。また、本実施例では、連続画像形成数に基づく第2の閾値RGCは、A4サイズ(縦送り)で400回に設定されている。一方、比較例では、本実施例と同じ感光ドラム1の走行距離に基づく第1の閾値DRLにのみ基づいて供給動作が実行される。比較例の画像形成装置の構成及び動作は、上記の点を除いて実質的に本実施例の画像形成装置のものと同じである。そして、本実施例の構成(比較例も同様)では、概略A4サイズ(縦送り)で連続画像形成数500回を超えると、第2のクリーニング部Cbにおける紙粉の堆積に起因するクリーニング不良が発生する可能性がある。
図11に示すように、指定される画像形成数が比較的少ない、例えば指定される画像形成数が400回以下のジョブが繰り返される場合は、本実施例と比較例とのいずれにおいても第1の閾値DRLに基づいて供給動作が実行される。そして、この場合の供給動作の実行間隔(供給動作間の累積の画像形成数)は、第2の閾値である400回よりも小さい。これは、前述のように、概して指定される画像形成数が相対的に小さいジョブが繰り返される場合の方が、指定される画像形成数が相対的に大きいジョブが繰り返される場合よりも感光ドラム1の走行距離が大きくなることによる。
一方、図11に示すように、指定される画像形成数が比較的多い、例えば指定される画像形成数が500回以上のジョブが繰り返される場合は、本実施例と比較例とで挙動が変わってくる。
まず、本実施例では、ジョブの実行中に第1の閾値DRLに基づいて供給動作が実行されない場合でも、連続画像形成数が400回に到達した時点で第2の閾値RGCに基づいて強制的に供給動作が実行される。その結果、本実施例では、指定される画像形成数が500回以上のジョブが実行される場合、そのジョブの実行中に必ず1回は供給動作が実行されることになる。したがって、連続画像形成数が500回を超えると発生しやすくなる紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。
これに対し、比較例では、感光ドラム1の走行距離に基づく第1の閾値DRLのみに基づいて供給動作が実行される。この第1の閾値は、連続画像形成500回相当の走行距離に設定されている。そのため、指定される画像形成数が500回以上のジョブが実行される場合、感光ドラム1の走行距離が連続画像形成500回相当に到達した時点で供給動作が実行される。このように供給動作が実行されれば、一応、第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。しかし、例えば、ジョブの実行中に供給動作以外の制御動作(画像濃度調整動作やレジスト調整動作など)が実行された場合などに、ジョブの実行中に感光ドラム1の走行距離が連続画像形成500回相当を超えてしまう場合がある。つまり、供給動作以外の制御動作は、供給動作の実行タイミングとは独立して定められた所定のタイミングで実行される。そして、一般に、その制御動作が実行されるタイミングは、画像形成装置100の環境や形成する画像の条件などに応じて一定ではない。そのため、例えば走行距離が第1の閾値DRLに到達する直前で、供給動作以外の制御動作の実行タイミングが到来した場合などには、その制御動作が実行されることで走行距離が第1の閾値DRLを超えてしまうことがある。このように、比較例では、指定される画像形成数が500回以上のジョブが実行される場合、第2のクリーニング位置Cbでの紙粉の堆積に起因するクリーニング不良が発生しやすくなる連続画像形成数500回を超えても供給動作が実行されないことがある。その結果、比較例では、供給動作の実行間隔が図11中に破線で示す領域に入ってしまい、第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制できない場合がある。
図12は、本実施例と比較例とについて、連続画像形成数500回のジョブを繰り返し、第2のクリーニング位置Cbにおける紙粉の堆積量と、累積の画像形成数と、の関係を調べた結果を示すグラフ図である。試験環境は室温環境下とし、ジョブで形成する画像の画像比率は5%とした。図12において、横軸は累積の画像形成数を示し、縦軸は紙粉の堆積量を示す。紙粉の堆積量は、第2のブレード74aのエッジ部の近傍に堆積する紙粉の中間転写ベルト7上の高さ(中間転写ベルト7の法線方向)の測定値で示す。本発明者らの検討によると、本実施例の構成(比較例も同様)では、紙粉の堆積量が20μmを超えると、第2のクリーニング位置Cbにおけるトナーのすり抜けが発生してクリーニング不良が発生することがあった。
本実施例では、中間転写ベルト7の表面粗さが公差の最大の場合(図12中の(a))、最小の場合(図12中の(b))のいずれにおいても、累積の画像形成数が10,000回以上になっても紙粉の堆積量は20μmを超えることはなかった。そして、累積の画像形成数30,000回まで、第1、第2のクリーニング位置Cd、Cbのいずれについても、安定して良好なクリーニング性能が得られた。
これに対し、比較例(中間転写ベルト7の表面粗さが公差の最小の場合)では、累積の画像形成数が1,000回〜10,000回の時点で、紙粉の堆積量が20μmを超えて30μmに到達した。そして、第2のクリーニング位置Cbにおいてトナーのすり抜けの発生が確認された。
以上説明したように、本実施例によれば、走行距離に基づいて効率的に供給動作を実行して無駄なトナーの消費や部材の寿命の低下を抑制できると共に、連続画像形成時の紙粉堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、イエロー、マゼンタ、シアンのいずれかの色用の感光ドラム1Y、1M、1Cの走行距離のカウント値が第1の閾値DRLに到達した場合、これら3個の感光ドラム1Y、1M、1Cに同期してトナー帯を形成する。
本実施例においても、実施例1と同様に、供給動作は、非画像形成期間として後回転工程又は紙間工程において実行され、実施例1における図8と同様の手順に従ってジョブにおける最後の画像の形成か否かに応じた制御の切り替えが行われる。
図13は、本実施例における後回転工程で供給動作を実行する場合の手順の概略を示すフローチャート図である。図13において、実施例1における図9の手順と同じ処理については、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、制御部50は、S203でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが有る(「Yes」)と判断した場合は、LT≧DRLを満たす画像形成部SがY、M、Cのいずれかの色用の画像形成部Sであるか否かを判断する(S213)。制御部50は、S213でY、M、Cのいずれかの色用の画像形成部Sである(「Yes」)と判断した場合は、Y、M、Cの各色用の画像形成部Sでトナー帯を形成することを決定する(S214)。そして、制御部50は、後回転工程においてY、M、Cの各色用の画像形成部Sでトナー帯を感光ドラム1上に形成し、そのトナー帯を中間転写ベルト7上に転写する供給動作を実行させる(S215)。なお、供給動作において複数の画像形成部Sでトナー帯が形成される場合、各色のトナー帯は中間転写ベルト7上に重ね合わせて転写されても、中間転写ベルト7の走行方向に沿って順次転写されてもよい。その後、制御部50は、第1のカウンター61によるトナー帯を形成したY、M、Cの各色用の画像形成部Sの感光ドラム1の走行距離のカウント値LT、及び第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットする(S216)。
また、制御部50は、S213でY、M、Cのいずれかの色用の画像形成部Sではない(「No」)と判断した場合は、ブラック用の画像形成部SKでトナー帯を形成することを決定する(S217)。そして、制御部50は、後回転工程においてブラック用の画像形成部SKでトナー帯を感光ドラム1K上に形成し、そのトナー帯を中間転写ベルト7上に転写する供給動作を実行させる(S218)。その後、制御部50は、第1のカウンター61によるブラック用の画像形成部SKの感光ドラム1Kの走行距離のカウント値LT、及び第2のカウンター62による連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットする(S219)。
なお、図13では省略しているが、S213でLT≧DRLを満たす画像形成部SがY、M、C、Kの全ての色用の画像形成部Sであると判断された場合は、これら全ての画像形成部Sでトナー帯を形成する供給動作を実行すればよい。また、この場合、供給動作を実行した後に、Y、M、C、Kの全ての色用の画像形成部Sの感光ドラム1の走行距離のカウント値を初期値にリセットすればよい。
図14は、本実施例における紙間工程で供給動作を実行する場合の手順の概略を示すフローチャート図である。図14において、実施例1における図10の手順と同じ処理については、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、制御部50は、S305でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが有る(「Yes」)と判断した場合は、LT≧DRLを満たす画像形成部SがY、M、Cのいずれかの色用の画像形成部Sであるか否かを判断する(S313)。そして、制御部50は、S313での判断結果に応じて、後回転工程で供給動作を実行する場合の図13のS214〜S219と同様の処理である、S314〜S319の処理を実行する。なお、S313でLT≧DRLを満たす画像形成部SがY、M、C、Kの全ての色用の画像形成部Sであると判断された場合の動作も、上述の後回転工程で供給動作を実行する場合と同様にすればよい。
以上説明したように、本実施例によれば、稼働回数が近似しやすい複数の画像形成部Sにおけるトナー帯の形成を同期させることにより、実施例1よりも感光ドラム1や中間転写ベルト7の無駄な空回転を低減して、部材の寿命の低下を抑制することができる。
なお、本実施例では、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の画像形成部SY、SM、SCが、トナー帯の形成が同期して行なわれる、複数の画像形成部のうちの複数の特定の画像形成部の一例である。また、本実施例では、ブラック用の画像形成部SKが、複数の画像形成部のうちの特定の画像形成部以外の少なくとも1つの別の画像形成部の一例である。この複数の特定の画像形成部は、本実施例における各色用の画像形成部に限定されるものではなく、また数も3個に限定されず2個であっても4個以上であってもよい。また、特定の画像形成部以外の別の画像形成部も、本実施例における色用の画像形成部に限定されるものではなく、また数も1個に限定されず複数であってもよい。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像を形成する記録材Pの種類に関する情報に基づいて、供給動作を第1、第2の閾値の両方に基づいて実行させるか、又は第1、第2の閾値のうち第1の閾値にのみ基づいて実行させるかを変更する。
図3を参照して、本実施例では、装置本体110の操作部120や、通信部140を介して制御部50と接続された外部機器から、画像形成に使用する記録材Pの種類に関する情報が操作者により入力される。ここで、記録材Pの種類とは、普通紙、厚紙、光沢紙などの属性、メーカー、銘柄、品番など記録材Pを区別可能な任意の情報を包含するものである。本実施例では、特に、画像形成に使用する記録材Pが、添加剤が標準より多く含まれるなどして、紙粉の付着量や発生量が比較的多く、紙粉の堆積への影響が比較的大きい記録材P(ここでは、「紙粉ストレス紙」ともいう。)であるか否かを特定できればよい。操作部120や外部機器から入力された記録材Pの種類に関する情報は、制御部50に伝達され、画像形成に使用する記録材Pの種類を特定するデータとしてメモリ52に保持される。例えば、操作部120や外部機器における、画像形成に使用する記録材Pの種類を指定(選択)する手順において、紙粉ストレス紙であるか否かを指定(選択)できるようにすることができる。また、例えば、記録材Pの種類と紙粉ストレス紙であるか否かの情報とを関係付ける情報をメモリ52に記憶させておき、操作部120や外部機器において指定された記録材Pの種類から紙粉ストレス紙か否かを制御部50が特定できるようにしてもよい。本実施例では、操作部120や通信部140と、制御部50とで、記録材Pの種類を検知(特定)する種類検知手段が構成される。
本実施例においても、実施例1と同様に、供給動作は、非画像形成期間として後回転工程又は紙間工程において実行され、実施例1における図8と同様の手順に従ってジョブにおける最後の画像の形成か否かに応じた制御の切り替えが行われる。
図15は、本実施例における後回転工程で供給動作を実行する場合の手順の概略を示すフローチャート図である。図15において、実施例1における図9の手順と同じ処理については、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、制御部50は、S203でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが無い(「No」)と判断した場合は、メモリ52に保持されている記録材Pの種類を特定するデータに基づいて記録材Pが紙粉ストレス紙であるか否かを判断する(S220)。そして、制御部50は、S220で紙粉ストレス紙であると判断した場合は、第2の閾値RGCに基づく供給動作の要否判断、該供給動作の実行などを行なうS208〜S212の手順を実施例1と同様にして行なう。また、制御部50は、S220で紙粉ストレス紙ではない(「No」)と判断した場合、連続画像形成数のカウント値GTを初期値にリセットし(S212)、第2の閾値RGCに基づく供給動作の要否判断などを経ずに画像形成装置100の動作を停止させる。
図16は、本実施例における紙間工程で供給動作を実行する場合の手順の概略を示すフローチャート図である。図16において、実施例1における図10の手順と同じ処理については、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、制御部50は、S305でLT≧DRLを満たす画像形成部Sが無い(「No」)と判断した場合は、メモリ52に保持されている記録材Pの種類を特定するデータに基づいて記録材Pが紙粉ストレス紙であるか否かを判断する(S320)。そして、制御部50は、S320で紙粉ストレス紙であると判断した場合は、第2の閾値RGCに基づく供給動作の要否判断、該供給動作の実行などを行なうS309〜S312の手順を実施例1と同様にして行なう。また、制御部50は、S320で紙粉ストレス紙ではない(「No」)と判断した場合は、第2の閾値RGCに基づく供給動作の要否判断などを経ずに処理を図8のS101に戻す。
以上説明したように、本実施例では、画像形成に使用する記録材Pが紙粉ストレス紙である場合にのみ、走行距離と連続画像形成数との両方に基づいて供給動作を実行し、紙粉ストレス紙ではない場合には走行距離にのみ基づいて供給動作を実行する。これにより、画像形成に使用する記録材Pの種類に応じて効率的に供給動作を実行することができる。その結果、実施例1よりもトナーの無駄な消費や部材の寿命の低下を抑制することができる。
なお、本実施例では、画像形成に使用する記録材Pが紙粉ストレス紙であるか否かによって連続画像形成数に基づく供給動作の制御の有無を切り替えた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、記録材Pの種類を、紙粉の堆積に対する影響の大小に応じて更に細分化して、各記録材P(紙粉ストレス紙)の種類に対して互いに異なる複数の第2の閾値RGCのそれぞれを割り当ててもよい。つまり、本実施例のように第2の閾値の使用の有無を変更することに代えて又は加えて、画像を形成する記録材Pの種類に関する情報に基づいて第2の閾値を変更することができる。例えば、第1の種類の紙粉ストレス紙、これより紙粉の堆積に対する影響が大きい第2の種類の紙粉ストレス紙のそれぞれに異なる第2の閾値RGCを設定するものとする。この場合、第1の種類の紙粉ストレス紙に対する第2の閾値RGCよりも、第2の種類の紙粉ストレス紙に対する第2の閾値RGCを小さい値(連続画像形成数)とする。これにより、紙粉の堆積に対する影響が相対的に大きい紙粉ストレス紙を使用する場合であっても、紙粉の堆積が許容範囲以上に進む前に、連続画像形成数に基づいて強制的に供給動作を実行することができる。そのため、紙粉の堆積に対する影響が相対的に大きい紙粉ストレス紙を使用する場合であっても、紙粉の堆積に起因するクリーニング不良を抑制することができる。
また、本実施例では、実施例1と同様の制御に対して記録材Pの種類に応じた制御の切り替えを組み合わせたが、実施例2と同様の制御に対して記録材Pの種類に応じた制御の切り替えを組み合わせてもよい。
[実施例4]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
1.本実施例の概要
本実施例では、走行距離の積算方法、走行距離に基づく第1の閾値DRLの設定方法が実施例1〜3とは異なる。本実施例では、像担持体とクリーニングブレードとの間の摺動性の低下度合いを、より実際の状況に即して見積り、その結果に基づいて供給動作の実行タイミングを制御できるようにする。
具体的には、本実施例では、後述する空回転時間(トナー無し空回転時間)と帯電空回転時間とをパラメータとして走行距離を積算する。そして、この走行距離の積算値に対応して、摺動性を十分に保持できるように第1の閾値DRLを設定する。これにより、空回転時間から、像担持体上にトナーが有る状態での空回転時間の因子を排除したり、重み付けして加算したりすることができ、走行距離に基づく供給動作の実行タイミングの精度の向上を図ることができる。したがって、実施例1〜3よりも更に効率的に供給動作を実行して、トナーの無駄な消費や部材の寿命の低下を一層抑制することができる。
2.走行距離に関わるパラメータ
次に、本実施例における走行距離の算出に使用するパラメータの定義について説明する。
・ドラム駆動時間:ΔDRt[sec:検出単位は0.1sec]
ドラム駆動時間ΔDRtは、感光ドラム1が回転した時間である。ドラム駆動時間ΔDRtは、画像形成ごと、制御動作(画像濃度調整動作やレジスト調整動作など)ごとに算出する。ドラム駆動時間ΔDRtは、感光ドラム1が回転した全ての時間を含む。
・現像駆動時間:ΔDVt[sec:検出単位は0.1sec]
現像駆動時間ΔDVtは、現像スリーブ4bが回転した時間である。なお、本実施例では、現像スリーブ4bの回転と同期して、現像スリーブ4bには現像電圧が印加される。現像駆動時間ΔDVtは、画像形成ごと、制御動作ごとに算出する。現像駆動時間ΔDVtは、現像スリーブ4bが回転した全ての時間を含む。
・帯電時間:ΔCt[sec:検出単位は0.1sec]
帯電時間ΔCtは、帯電ローラ2に帯電電圧を印加した時間である。帯電時間ΔCtは、画像形成ごと、制御動作ごとに算出する。帯電時間ΔCtは、帯電ローラ2に帯電電圧を印加した全ての時間を含む。
・空回転時間:ΔDKt[sec:検出単位は0.1sec]
空回転時間ΔDKtは、現像スリーブ41の回転駆動がOFF、帯電ローラ2への帯電電圧の印加がOFFの状態で感光ドラム1が回転した時間(トナー無し空回転時間)である。空回転時間ΔDKtは、画像形成ごと、制御動作ごとに算出する。空回転時間ΔDKtは、下記式(1)によって算出される。
ΔDKt=ΔDRt−ΔCt ・・・(1)
なお、この空回転時間とプロセススピードとを乗算すると、空回転時間の間の感光ドラム1の走行距離である空回転走行距離(トナー無し空回転走行距離)が得られる。
・帯電空回転時間:ΔCKt[sec:検出単位は0.1sec]
帯電空回転時間ΔCKtは、現像スリーブ4bの回転駆動がOFF、帯電ローラ2への帯電電圧の印加がONの状態で感光ドラム1が回転した時間である。帯電空回転時間ΔCKtは、画像形成ごと、制御動作ごとに算出する。帯電空回転時間ΔCKtは、下記式(2)によって算出される。
ΔCKt=ΔCt−ΔDVt ・・・(2)
なお、この帯電空回転時間とプロセススピードとを乗算すると、帯電空回転時間の間の感光ドラム1の走行距離である帯電空回転走行距離が得られる。
3.走行距離の計算
本実施例では、感光ドラム1の走行距離ΔLTは、上記パラメータを用いて、下記式(3)により算出される。この感光ドラム1の走行距離は、感光ドラム1上にトナーが無い状態での感光ドラム1の走行距離の合計(総トナー無し走行距離)に相当する。
ΔLT=(α×ΔDKt+ΔCKt)×プロセススピード ・・・(3)
本実施例では、帯電ローラ2への帯電電圧の印加がOFFの状態での感光ドラム1の走行距離分は、予め設定される係数αを掛けて重み付けする。そして、本実施例では、画像形成ごと、制御動作ごとに感光ドラム1の走行距離(総トナーなし走行距離)ΔLTを算出する。具体的には、制御部50が算出して記憶部である第1のカウンター61に記憶させる。このように、感光ドラム1の走行距離は、次の情報の少なくとも一方(本実施例では両方)をパラメータとして積算することができる。第1に、感光ドラム1にトナーが供給されずかつ感光ドラム1の帯電処理が行われない状態での感光ドラム1の走行距離である。第2に、感光ドラム1にトナーが供給されずかつ感光ドラム1の帯電処理が行われる状態での感光ドラム1の走行距離である。また、予めこの感光ドラム1の走行距離(総トナー無し走行距離)ΔLTと、感光ドラム1と第1のブレード6aとの間の摺動性の低下度合いと、の関係に基づいて、摺動性を十分に保持できるように第1の閾値DRLを設定する。
このように、像担持体とクリーニングブレードとの間の摺動性の低下度合いに関係する種々の因子に関する情報をパラメータとして像担持体の走行距離を積算することができる。このパラメータとしては、本実施例におけるものを含み、例えば次のものが挙げられる。感光ドラム1の空回転走行距離、感光ドラム1の帯電空回転走行距離、感光ドラム1の帯電及び現像が行われている状態での走行距離などに関する情報である。また、像担持体とクリーニングブレードとの間の摺動性の低下度合いは、画像形成の条件によっても変化する。そのため、上記パラメータとしては、形成する画像のトナー量に関する情報、例えば、画像パターン(画像比率など)、画像形成モード(高画質モード、低画質モードなど)などの情報を用いることもできる。これらのパラメータは、任意に組み合わせて用いることができる。例えば、非画像形成期間の走行距離を本実施例と同様に空回転走行距離に関する情報をパラメータとして積算すると共に、画像形成期間における走行距離を上記トナー量に関する情報をパラメータとして積算することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1〜3よりも、走行距離に基づく供給動作を、より実際の状況に応じて必要なタイミングで実行することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、中間転写方式の画像形成装置における感光体のクリーニング位置と中間転写体のクリーニング位置とにトナーを供給する供給動作について説明した。同様に、本発明は、直接転写方式の画像形成装置にも適用できる。直接転写方式の画像形成装置は、上述の実施例における中間転写体に代えて、例えば無端状のベルトで構成された転写ベルトとされる記録材担持体を有する。そして、斯界にて周知のように、直接転写方式の画像形成装置では、上述の実施例における中間転写体上へのトナー像の形成と同様に、記録材担持体に担持されて搬送される記録材上にトナー像が形成される。記録剤担持体は、感光体などの第1の像担持体からトナーが転写される記録材を担持して搬送する第2の像担持体の一例である。記録材担持体は、かぶりトナーが付着したり制御用のトナー像が転写されたりするため、記録材担持体に当接するクリーニング部材が設けられることがある。そして、この記録材担持体のクリーニング位置に関して、上述の実施例と同様の供給動作を行うことができる。また、実質的に中間転写体や記録材担持体のクリーニング位置にのみトナーを供給することを目的とした供給動作を実行することもできる。この場合、各画像形成部が、中間転写体や記録材担持体にトナーを供給する供給手段として機能する。さらに、本発明は、画像形成部を1つのみ有する単色の画像形成装置にも適用することができる。この場合も、感光体などの単一の像担持体のクリーニング位置に関して、上述の実施例と同様の供給動作を行うことができる。
また、上述の実施例では、トナー帯は、通常の画像形成期間と同様に帯電、露光、現像の各工程を経て形成したが、供給動作では十分な量のトナーをクリーニング位置に供給できればよい。例えば、作像プロセス条件を変更して、感光体上に積極的にかぶりを生じさせ、現像装置からトナーを吐き出させることも可能である。つまり、帯電電圧又は現像電圧の少なくとも一方を通常の画像形成期間における設定から変更し、感光体から現像剤担持体に向けてトナーを付勢する電界を弱くするか、又は現像剤担持体から感光体に向けてトナーを付勢する電界を生成する。感光ドラム上の暗部電位と現像電圧の直流成分との間の電位差を画像形成期間よりも小さくしたり、感光ドラムの帯電処理を行なわずに現像電圧を印加したりすることで、そのような状態とすることができる。
また、上述の実施例では、感光体から中間転写体にトナー帯を転写して中間転写体のクリーニング位置にトナーを供給し、感光体のクリーニング位置にトナー帯の転写残トナーを供給したが、これに限定されるものではない。一の供給動作の実行タイミングで形成するトナー帯(単数でも複数でもよい)の一部を積極的には中間転写体に転写させずに感光体のクリーニング位置に供給し、他の一部を積極的に中間転写体に転写させて中間転写体のクリーニング位置に供給してもよい。
また、感光体はドラム状のもの(感光ドラム)に限定されるものではなく、無端ベルト状のもの(感光体ベルト)であってもよい。また、中間転写体や記録材担持体は無端ベルト状のものに限定されるものではなく、例えば枠体にフィルムを張設して形成したドラム状のものなどであってもよい。また、静電記録方式の画像形成装置であれば、像担持体はドラム状や無端ベルト状の静電記録誘電体であってよい。
また、本発明はクリーニング部材がブレード状の部材である場合に特に好適に作用するものであるが、クリーニング部材はブレード状の部材に限定されるものではない。例えば、ブロック状(パッド状)やシート状の部材など、像担持体との間の摺動性の保持や、像担持体との当接部近傍の紙粉の堆積を抑制するために供給動作の実行が望まれるものであれば、本発明の適用により上記同様の効果が期待できる。