JP6910320B2 - マイクロ波出力装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本開示は、マイクロ波出力装置及びプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスといった電子デバイスの製造においてはプラズマ処理装置が利用される。プラズマ処理装置は、容量結合型のプラズマ処理装置、誘導結合型のプラズマ処理装置といった種々のタイプがある。近年、マイクロ波を用いてガスを励起させるタイプのプラズマ処理装置が用いられるようになってきている。
特許文献1は、マイクロ波を用いたプラズマ処理装置を開示する。このプラズマ処理装置は、帯域幅を有するマイクロ波を出力するマイクロ波出力装置を備える。この装置は、帯域幅を有するマイクロ波を出力することにより、プラズマの安定化を図ることができる。
特許文献2は、プラズマ励起用のマイクロ波をパルス変調する装置を開示する。この装置は、プラズマの不安定性を抑えて電子温度及びイオン温度を低下させることができる。
特開2012−109080号公報 特開平6−267900号公報
電子デバイスの製造分野において、被処理体へのダメージを一層低減させるために、マイクロ波の低パワー化が進んでいる。しかしながら、マイクロ波のパワーを小さくし過ぎるとプラズマが不安定となったり失火したりするおそれがある。つまり、低パワー化のアプローチには限界がある。別なアプローチとして、プラズマの電子温度をより低くすることが考えられる。
このため、特許文献1記載の装置のように、帯域幅を有するマイクロ波を採用しつつ、特許文献2に記載の装置のように、マイクロ波のパワーをパルス変調することが考えられる。そして、プラズマをより安定維持するためには、パルス変調のLowレベルのパワーをプラズマ励起がされる程度のパワーに設定することが考えられる。このようなパルス変調をするにあたっては、マイクロ波出力装置から出力された進行波のパワーがパルス変調されていることを確認する必要がある。
本開示は、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいマイクロ波を出力するための技術を提供する。
一態様においては、マイクロ波出力装置が提供される。マイクロ波出力装置は、マイクロ波発生部及び出力部を有する。マイクロ波発生部は、制御器から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調されたマイクロ波を発生する。出力部は、マイクロ波発生部から伝搬されたマイクロ波を出力する。マイクロ波発生部は、制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波と、制御器から指示された設定周波数に応じた中央周波数において単一周波数ピークを有するマイクロ波とを、パワーのHighレベル及びLowレベルの切り替えと同期して交互に発生する。
このマイクロ波出力装置では、帯域幅を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とがHighレベル及びLowレベルと同期して交互に出力される。帯域幅を有するマイクロ波は、時間的に上下する波形であり、単一周波数ピークを有するマイクロ波は時間的に大きく上下しない波形である。このため、このマイクロ波出力装置は、帯域幅を有するマイクロ波をパルス変調する場合と比べて、Highレベルのパワー区間とLowレベルのパワー区間との境界をわかりやすくすることができる。よって、このマイクロ波出力装置は、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいマイクロ波を出力することができる。
一実施形態において、マイクロ波発生部は、Lowレベルの設定パワーが閾値パワーより大きい場合には、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波と中央周波数において単一周波数ピークを有するマイクロ波とを、パワーのHighレベル及びLowレベルの切り替えと同期して交互に発生し、Lowレベルの設定パワーが閾値パワー以下である場合には、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波であって、パルス変調された該マイクロ波を発生してもよい。
この場合、このマイクロ波出力装置は、2つの出力モードを有する。第1の出力モードでは、帯域幅を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とがHighレベル及びLowレベルの切り替えと同期して交互に出力される。第2のモードでは、帯域幅を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波との切り替えは行われず、帯域幅を有するマイクロ波のパワーが単にパルス変調されて出力される。このように、このマイクロ波出力装置は、Lowレベルの設定パワーに応じて、出力モードを切り替えることができる。
一実施形態において、Lowレベルの閾値パワーは0Wであってもよい。Lowレベルのパワーが0Wより大きい場合、設定されたパルスはLowレベルにおいてパワーを有するHigh/Lowパルスとなる。Lowレベルのパワーが0Wの場合、設定されたパルスはパルスON時以外は0WとなるON/OFFパルスである。ON/OFFパルスの場合、OFF区間では波形が出現しないことからON区間とOFF区間との境界がわかりやすい。このため、このマイクロ波出力装置は、ON/OFFパルスに基づいたパルス変調をする場合には、全ての区間で帯域幅を有するマイクロ波を採用することで、プラズマの安定化を図る。そして、このマイクロ波出力装置は、High/Lowパルスに基づいたパルス変調をする場合には、High区間又はLow区間のいずれかにおいて単一周波数ピークを有するマイクロ波に切り替えることで、プラズマの安定化とマイクロ波のモニタのしやすさとを両立することができる。
一実施形態において、マイクロ波発生部は、パルス同期信号に基づいて、制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有する第1波形と、制御器から指示された設定周波数に応じた中央周波数において単一周波数ピークを有する第2波形とが交互に出現するマイクロ波の波形を生成し、生成されたマイクロ波の波形と、パルス同期信号と、第1波形及び第2波形にそれぞれ対応した設定パワーとに基づいて、第1波形のパワー及び第2波形のパワーを制御してもよい。
この場合、マイクロ波出力装置は、パルス同期信号に基づいて第1波形と第2波形とが交互に出現するマイクロ波の波形を生成し、パルス同期信号に基づいて波形ごとにパワー制御をすることができる。
一実施形態において、マイクロ波出力装置は、第1の方向性結合器及び測定部をさらに備えてもよい。第1の方向性結合器は、マイクロ波発生部から出力部に伝搬される進行波の一部を出力する。測定部は、第1の方向性結合器から出力される進行波の一部に基づいて出力部における進行波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第1のHigh測定値及び第1のLow測定値を決定する。測定部は、第1のHigh測定値及び第1のLow測定値を所定の移動平均時間及び所定のサンプリング間隔で平均化する。マイクロ波発生部は、平均化された第1のHigh測定値及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーを制御し、平均化された第1のLow測定値及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーを制御してもよい。
この場合、マイクロ波出力装置では、平均化された第1のHigh測定値及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーが制御される。さらに、平均化された第1のLow測定値及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーが制御される。このように、マイクロ波のパワーがパルス変調され、かつ、Highレベル及びLowレベルのパワーが設定パワーに基づいて制御されることにより、マイクロ波のパルス変調されたパワーを制御することができる。
一実施形態において、マイクロ波出力装置は、第2の方向性結合器をさらに備えてもよい。第2の方向性結合器は、出力部に戻された反射波の一部を出力する。測定部は、第2の方向性結合器から出力される反射波の一部に基づいて出力部における反射波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第2のHigh測定値及び第2のLow測定値をさらに決定するとともに、第2のHigh測定値及び第2のLow測定値を所定の移動平均時間及び所定のサンプリング間隔で平均化してもよい。マイクロ波発生部は、平均化された第1のHigh測定値、平均化された第2のHigh測定値及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーを制御し、平均化された第1のLow測定値、平均化された第2のLow測定値及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーを制御してもよい。
このマイクロ波出力装置では、平均化された第1のHigh測定値、平均化された第2のHigh測定値及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーが制御される。さらに、平均化された第1のLow測定値、平均化された第2のLow測定値及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーが制御される。このように、マイクロ波のパワーがパルス変調され、かつ、Highレベル及びLowレベルのパワーが設定パワーを用いて制御されることにより、マイクロ波のパルス変調されたパワーを制御することができる。
別の態様においては、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ本体及びマイクロ波出力装置を備える。マイクロ波出力装置は、チャンバ本体内に供給されるガスを励起させるためのマイクロ波を出力するように構成されている。このマイクロ波出力装置は、上述の態様及び複数の実施形態のうち何れかのマイクロ波出力装置である。
本開示の種々の態様および実施形態によれば、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいマイクロ波を出力するための技術が提供される。
一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す図である。 パワーがパルス変調されたマイクロ波の一例である。 マイクロ波出力装置の一例を示す図である。 波形発生器におけるマイクロ波の生成原理を説明する図である。 同期信号及びマイクロ波の波形の一例である。 マイクロ波のパワー制御に関する構成の一例を示す図である。 移動平均の一例を説明する図である。 測定部によるサンプリングの一例を示す波形である。 同期信号、SP波形とBB波形とが交互に出現する波形、パルス変調された波形、及び、サンプリングされた波形のタイムチャートである。 マイクロ波出力装置の動作を示すフローチャートである。 プラズマ処理装置の他の例を示す図である。 プラズマ処理装置の他の例を示す図である。 比較例1(単一周波数ピークを有するマイクロ波)における、時間と進行波パワーとの関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 比較例2(広帯域周波数を有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、Lowパワーごとにシミュレーションした結果である。 比較例3(広帯域周波数を有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 実施例1(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、Lowパワーごとにシミュレーションした結果である。 実施例2(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 実施例3(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、Lowパワーごとにシミュレーションした結果である。 実施例4(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 比較例4(広帯域周波数を有するマイクロ波)のパルスモニタ精度をシミュレーションした結果である。 実施例5(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)のパルスモニタ精度をシミュレーションした結果である。 実施例6(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)のパルスモニタ精度をシミュレーションした結果である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附す。
[第1実施形態]
[プラズマ処理装置]
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。図1に示されるように、プラズマ処理装置1は、チャンバ本体12、及び、マイクロ波出力装置16を備える。プラズマ処理装置1は、ステージ14、アンテナ18、及び、誘電体窓20を更に備え得る。
チャンバ本体12は、その内部に処理空間Sを提供する。チャンバ本体12は、側壁12a及び底部12bを有する。側壁12aは、略筒形状に形成される。この側壁12aの中心軸線は、鉛直方向に延びる軸線Zに略一致する。底部12bは、側壁12aの下端側に設けられる。底部12bには、排気用の排気孔12hが設けられる。また、側壁12aの上端部は開口である。
側壁12aの上端部の上には誘電体窓20が設けられる。この誘電体窓20は、処理空間Sに対向する下面20aを有する。誘電体窓20は、側壁12aの上端部の開口を閉じている。この誘電体窓20と側壁12aの上端部との間にはOリング19が介在する。このOリング19により、チャンバ本体12がより確実に密閉される。
ステージ14は、処理空間S内に収容される。ステージ14は、鉛直方向において誘電体窓20と対面するように設けられる。また、ステージ14は、誘電体窓20と当該ステージ14との間に処理空間Sを挟むように設けられる。このステージ14は、その上に載置される被加工物WP(例えば、ウエハ)を支持するように構成される。
一実施形態において、ステージ14は、基台14a及び静電チャック14cを含む。基台14aは、略円盤形状を有しており、アルミニウムといった導電性の材料から形成されている。基台14aの中心軸線は、軸線Zに略一致する。この基台14aは、筒状支持部48によって支持される。筒状支持部48は、絶縁性の材料から形成されており、底部12bから垂直上方に延びる。筒状支持部48の外周には、導電性の筒状支持部50が設けられる。筒状支持部50は、筒状支持部48の外周に沿ってチャンバ本体12の底部12bから垂直上方に延びる。この筒状支持部50と側壁12aとの間には、環状の排気路51が形成される。
排気路51の上部には、バッフル板52が設けられる。バッフル板52は、環形状を有する。バッフル板52には、当該バッフル板52を板厚方向に貫通する複数の貫通孔が形成される。このバッフル板52の下方には上述した排気孔12hが設けられる。排気孔12hには、排気管54を介して排気装置56が接続される。排気装置56は、自動圧力制御弁(APC:Automatic Pressure Control valve)と、ターボ分子ポンプといった真空ポンプとを有する。この排気装置56により、処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。
基台14aは、高周波電極を兼ねる。基台14aには、給電棒62及びマッチングユニット60を介して、高周波バイアス用の高周波電源58が電気的に接続される。高周波電源58は、被加工物WPに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.56MHzの高周波を、設定されたパワーで出力する。
さらに、高周波電源58は、パルス生成器を有し、高周波パワー(RFパワー)をパルス変調して基台14aに印加してもよい。この場合、高周波電源58は、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとが周期的に繰り返される高周波パワーとなるようにパルス変調する。高周波電源58は、パルス生成器により生成された同期信号PSS−Rに基づいてパルス調整する。同期信号PSS−Rは、高周波パワーの周期及びデューティ比を決定する信号である。パルス変調時の設定の一例として、パルス周波数は10Hz〜50kHzであり、パルスのデューティ比(パルス周期に対するHighレベルパワー時間の比)は10%〜90%である。
マッチングユニット60は、高周波電源58側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、チャンバ本体12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容する。この整合器の中には自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれる。マッチングユニット60は、高周波パワーがパルス変調される場合、同期信号PSS−Rに基づいて整合をとるように動作する。
基台14aの上面には、静電チャック14cが設けられる。静電チャック14cは、被加工物WPを静電吸着力で保持する。静電チャック14cは、電極14d、絶縁膜14e、及び、絶縁膜14fを含んでおり、概ね円盤形状である。静電チャック14cの中心軸線は軸線Zに略一致する。この静電チャック14cの電極14dは、導電膜によって構成されており、絶縁膜14eと絶縁膜14fとの間に設けられる。電極14dには、直流電源64がスイッチ66及び被覆線68を介して電気的に接続される。静電チャック14cは、直流電源64より印加される直流電圧により発生するクーロン力によって、被加工物WPを吸着保持することができる。また、基台14a上には、フォーカスリング14bが設けられる。フォーカスリング14bは、被加工物WP及び静電チャック14cを囲むように配置される。
基台14aの内部には、冷媒室14gが設けられる。冷媒室14gは、例えば、軸線Zを中心に延在するように形成される。この冷媒室14gには、チラーユニットからの冷媒が配管70を介して供給される。冷媒室14gに供給された冷媒は、配管72を介してチラーユニットに戻される。この冷媒の温度がチラーユニットによって制御されることにより、静電チャック14cの温度、ひいては被加工物WPの温度が制御される。
また、ステージ14には、ガス供給ライン74が形成される。このガス供給ライン74は、伝熱ガス、例えば、Heガスを、静電チャック14cの上面と被加工物WPの裏面との間に供給するために設けられる。
マイクロ波出力装置16は、チャンバ本体12内に供給される処理ガスを励起させるためのマイクロ波を出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波の周波数、パワー、及び、帯域幅を可変に調整するよう構成される。マイクロ波出力装置16は、例えば、マイクロ波の帯域幅を略0に設定することによって、単一周波数のマイクロ波を発生することができる。また、マイクロ波出力装置16は、その中に複数の周波数成分を有する帯域幅を有したマイクロ波を発生することができる。これら複数の周波数成分のパワーは同一のパワーであってもよく、帯域内の中央周波数成分のみが他の周波数成分のパワーよりも大きいパワーを有していてもよい。一例において、マイクロ波出力装置16は、マイクロ波のパワーを0W〜5000Wの範囲内で調整することができ、マイクロ波の周波数又は中央周波数を2400MHz〜2500MHzの範囲内で調整することでき、マイクロ波の帯域幅を0MHz〜100MHzの範囲で調整することができる。また、マイクロ波出力装置16は、帯域内におけるマイクロ波の複数の周波数成分の周波数のピッチ(キャリアピッチ)を0〜25kHzの範囲内で調整することができる。
マイクロ波出力装置16は、パルス生成器を有し、マイクロ波のパワーをパルス変調して出力してもよい。この場合、マイクロ波出力装置16は、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとが周期的に繰り返されるパワーとなるようにマイクロ波をパルス変調する。マイクロ波出力装置16は、パルス生成器により生成された同期信号PSS−Mに基づいてパルス調整する。同期信号PSS−Mは、マイクロ波パワーの周期及びデューティ比を決定する信号である。パルス変調時の設定の一例として、パルス周波数は1Hz〜50kHzであり、パルスのデューティ比(パルス周期に対するHighレベルパワー時間の比)は10%〜90%である。マイクロ波出力装置16は、高周波電源58により出力される、パルス変調させた高周波パワーと同期させるように、マイクロ波パワーをパルス変調してもよい。
プラズマ処理装置1は、導波管21、チューナ26、モード変換器27、及び、同軸導波管28を更に備える。マイクロ波出力装置16の出力部は、導波管21の一端に接続される。導波管21の他端は、モード変換器27に接続される。導波管21は、例えば、矩形導波管である。導波管21には、チューナ26が設けられる。チューナ26は、スタブ26a,26b,26cを有する。スタブ26a,26b,26cの各々は、導波管21の内部空間に対するその突出量を調整可能なように構成される。チューナ26は、基準位置に対するスタブ26a,26b,26cの各々の突出位置を調整することにより、マイクロ波出力装置16のインピーダンスと負荷、例えば、チャンバ本体12のインピーダンスとを整合させる。
モード変換器27は、導波管21からのマイクロ波のモードを変換して、モード変換後のマイクロ波を同軸導波管28に供給する。同軸導波管28は、外側導体28a及び内側導体28bを含む。外側導体28aは、略円筒形状を有しており、その中心軸線は軸線Zに略一致する。内側導体28bは、略円筒形状を有しており、外側導体28aの内側で延在する。内側導体28bの中心軸線は、軸線Zに略一致する。この同軸導波管28は、モード変換器27からのマイクロ波をアンテナ18に伝送する。
アンテナ18は、誘電体窓20の下面20aの反対側の面20b上に設けられる。アンテナ18は、スロット板30、誘電体板32、及び、冷却ジャケット34を含む。
スロット板30は、誘電体窓20の面20b上に設けられる。このスロット板30は、導電性を有する金属から形成されており、略円盤形状を有する。スロット板30の中心軸線は軸線Zに略一致する。スロット板30には、複数のスロット孔30aが形成される。複数のスロット孔30aは、一例においては、複数のスロット対を構成する。複数のスロット対の各々は、互いに交差する方向に延びる略長孔形状の二つのスロット孔30aを含む。複数のスロット対は、軸線Z周りの一以上の同心円に沿って配列される。また、スロット板30の中央部には、後述する導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。
誘電体板32は、スロット板30上に設けられる。誘電体板32は、石英といった誘電体材料から形成されており、略円盤形状である。この誘電体板32の中心軸線は軸線Zに略一致する。冷却ジャケット34は、誘電体板32上に設けられる。誘電体板32は、冷却ジャケット34とスロット板30との間に設けられる。
冷却ジャケット34の表面は、導電性を有する。冷却ジャケット34の内部には、流路34aが形成される。この流路34aには、冷媒が供給されるように構成される。冷却ジャケット34の上部表面には、外側導体28aの下端が電気的に接続される。また、内側導体28bの下端は、冷却ジャケット34及び誘電体板32の中央部分に形成された孔を通って、スロット板30に電気的に接続される。
同軸導波管28からのマイクロ波は、誘電体板32内を伝搬して、スロット板30の複数のスロット孔30aから誘電体窓20に供給される。誘電体窓20に供給されたマイクロ波は、処理空間Sに導入される。
同軸導波管28の内側導体28bの内孔には、導管36が通っている。また、上述したように、スロット板30の中央部には、導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。導管36は、内側導体28bの内孔を通って延在しており、ガス供給系38に接続される。
ガス供給系38は、被加工物WPを処理するための処理ガスを導管36に供給する。ガス供給系38は、ガス源38a、弁38b、及び、流量制御器38cを含み得る。ガス源38aは、処理ガスのガス源である。弁38bは、ガス源38aからの処理ガスの供給及び供給停止を切り替える。流量制御器38cは、例えば、マスフローコントローラであり、ガス源38aからの処理ガスの流量を調整する。
プラズマ処理装置1は、インジェクタ41を更に備え得る。インジェクタ41は、導管36からのガスを誘電体窓20に形成された貫通孔20hに供給する。誘電体窓20の貫通孔20hに供給されたガスは、処理空間Sに供給される。そして、誘電体窓20から処理空間Sに導入されるマイクロ波によって、当該処理ガスが励起される。これにより、処理空間S内でプラズマが生成され、当該プラズマからのイオン及び/又はラジカルといった活性種により、被加工物WPが処理される。
プラズマ処理装置1は、制御器100を更に備える。制御器100は、プラズマ処理装置1の各部を統括制御する。制御器100は、CPUといったプロセッサ、ユーザインタフェース、及び、記憶部を備え得る。
プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラム及びプロセスレシピを実行することにより、マイクロ波出力装置16、ステージ14、ガス供給系38、排気装置56等の各部を統括制御する。
ユーザインタフェースは、工程管理者がプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボード又はタッチパネル、プラズマ処理装置1の稼働状況等を可視化して表示するディスプレイ等を含んでいる。
記憶部には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をプロセッサの制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)、及び、処理条件データ等を含むプロセスレシピ等が保存される。プロセッサは、ユーザインタフェースからの指示等、必要に応じて、各種の制御プログラムを記憶部から呼び出して実行する。このようなプロセッサの制御下で、プラズマ処理装置1において所望の処理が実行される。
[マイクロ波の一例]
マイクロ波出力装置16から出力されるマイクロ波パワーは、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとを繰り返すようにパルス状に変調された波形となる。図2は、パワーがパルス変調されたマイクロ波の一例である。図2に示されるように、マイクロ波は、Highパワー時においては、制御器100から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有し、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベルのパワーを有する。マイクロ波は、Lowパワー時においては、制御器100から指示された設定周波数に応じた中央周波数において単一周波数ピークを有し、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Lowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Lowレベルのパワーを有する。Lowレベルのパワーは、Highレベルのパワーよりも低いパワーである。
Lowレベルのパワーは、プラズマ生成状態を維持するのに必要な最も低いレベルのパワー以上であってもよい。一例として、Lowレベルの設定パワーは、500W以上であってもよい。なお、Lowレベルの設定パワーが0Wのとき、マイクロ波パワーは、ON/OFF制御となる。Lowレベルの設定パワーが0Wを超えて400W以下のとき、マイクロ波パワーは、Lowレベルにおいてプラズマ励起がなされない程度のHigh/Low制御となる。
[マイクロ波出力装置16の構成例]
図3は、マイクロ波出力装置の一例を示す図である。図3に示されるように、マイクロ波出力装置16は、演算装置100aに接続されている。演算装置100aは、制御器100、波形発生器101、第1パルス生成器102、第2パルス生成器103、第3パルス生成器104、及び、第4パルス生成器105を有する。
波形発生器101は、マイクロ波の波形を発生する。波形発生器101は、2種類のマイクロ波の波形を発生することができる。第1波形として、波形発生器101は、制御器100により指定された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波の波形を発生する。第2波形として、波形発生器101は、制御器100から指示された設定周波数に応じた中央周波数において単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形を発生する。
第1パルス生成器102は、同期信号を生成する。同期信号は、2種類のマイクロ波の波形生成のタイミングを決定するために、さらに、マイクロ波出力装置16にてマイクロ波パワーをパルス変調する際に利用される。第1パルス生成器102は、制御器100によって設定された設定プロファイルにおけるマイクロ波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−Mを生成する。第1パルス生成器102は、同期信号PSS−Mを波形発生器101及びマイクロ波出力装置16へ出力する。
波形発生器101は、帯域幅を有するマイクロ波の波形と、単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形とを交互に出力する。波形発生器101は、第1パルス生成器102から出力された同期信号PSS−Mに基づいて動作する。波形発生器101は、同期信号PSS−Mに基づいて、帯域幅を有するマイクロ波の波形の発生タイミング、単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形の発生タイミングを決定する。波形発生器101は、マイクロ波の波形をマイクロ波出力装置16へ出力する。
第2パルス生成器103は、パワーがパルス変調されたマイクロ波をチューナ26にてインピーダンス整合する際に利用される同期信号を生成する。第2パルス生成器103は、第1パルス生成器102と同様に、制御器100によって設定された設定プロファイルにおけるマイクロ波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−MTを生成する。同期信号PSS−MTは、同期信号PSS−Mと同一のパルス周波数及びデューティ比を有する。第2パルス生成器103は、同期信号PSS−MTをチューナ26へ出力する。
第3パルス生成器104は、高周波電源58にて高周波パワーをパルス変調する際に利用される同期信号を生成する。第3パルス生成器104は、制御器100によって設定された設定プロファイルにおける高周波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−Rを生成する。第3パルス生成器104は、同期信号PSS−Rを高周波電源58へ出力する。
第4パルス生成器105は、パワーがパルス変調された高周波をマッチングユニット60にてインピーダンス整合する際に利用される同期信号を生成する。第4パルス生成器105は、第3パルス生成器104と同様に、制御器100によって設定された設定プロファイルにおける高周波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−RMを生成する。同期信号PSS−RMは、同期信号PSS−Rと同一のパルス周波数及びデューティ比を有する。第4パルス生成器105は、同期信号PSS−RMをマッチングユニット60へ出力する。
第1パルス生成器102は、同期信号PSS−Rと同期した同期信号PSS−Mを生成してもよい。この場合、マイクロ波パワーのパルス変調と高周波パワーのパルス変調とを同期させることができるので、安定したプラズマ生成が可能となる。
マイクロ波出力装置16は、波形発生器101により発生されたマイクロ波の波形を、制御器100の設定に応じてパルス変調し、マイクロ波として出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波発生部16a、導波管16b、サーキュレータ16c、導波管16d、導波管16e、第1の方向性結合器16f、第2の方向性結合器16h、測定部16k(測定部の一例)、及び、ダミーロード16jを有する。
マイクロ波発生部16aは、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調された該マイクロ波を発生する。
マイクロ波発生部16aは、パワー制御部162、減衰器163、増幅器164、増幅器165、及び、モード変換器166を有する。
波形発生器101は、減衰器163に接続される。減衰器163は、一例として、印加電圧値によって減衰量(減衰率)を変更可能な機器である。減衰器163には、パワー制御部162が接続される。パワー制御部162は、印加電圧値を用いて減衰器163におけるマイクロ波の減衰率(減衰量)を制御する。パワー制御部162は、波形発生器101により出力されたマイクロ波が、制御器100により指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーに応じたパワーを有するマイクロ波となるように、減衰器163におけるマイクロ波の減衰率(減衰量)を制御する。
パワー制御部162は、一例として、制御部162aを有する。制御部162aは、プロセッサであり得る。制御部162aは、制御器100から設定プロファイルを取得する。制御部162aは、第1パルス生成器102から同期信号PSS−Mを取得する。制御部162aは、同期信号PSS−M、及び、制御器100によって設定された設定プロファイルに基づいてマイクロ波の減衰率(減衰量)を決定する。
減衰器163の出力は、増幅器164及び増幅器165を介してモード変換器166に接続される。増幅器164及び増幅器165は、マイクロ波をそれぞれに所定の増幅率で増幅する。モード変換器166は、増幅器165から出力されるマイクロ波の伝搬モードをTEMからTE01に変換する。このモード変換器166におけるモード変換によって生成されたマイクロ波は、マイクロ波発生部16aの出力マイクロ波として出力される。
マイクロ波発生部16aの出力は導波管16bの一端に接続される。導波管16bの他端は、サーキュレータ16cの第1ポート261に接続される。サーキュレータ16cは、第1ポート261、第2ポート262A、及び、第3ポート263Aを有する。サーキュレータ16cは、第1ポート261に入力されたマイクロ波を第2ポート262Aから出力し、第2ポート262Aに入力したマイクロ波を第3ポート263Aから出力するように構成される。サーキュレータ16cの第2ポート262Aには導波管16dの一端が接続される。導波管16dの他端は、マイクロ波出力装置16の出力部16tである。
サーキュレータ16cの第3ポート263Aには、導波管16eの一端が接続される。導波管16eの他端はダミーロード16jに接続される。ダミーロード16jは、導波管16eを伝搬するマイクロ波を受けて、当該マイクロ波を吸収する。ダミーロード16jは、例えば、マイクロ波を熱に変換する。
第1の方向性結合器16fは、導波管16bの一端と他端との間に設けられる。第1の方向性結合器16fは、マイクロ波発生部16aから出力されて、出力部16tに伝搬するマイクロ波(即ち、進行波)の一部を分岐させて、当該進行波の一部を出力するように構成される。
第2の方向性結合器16hは、導波管16eの一端と他端との間に設けられる。第2の方向性結合器16hは、出力部16tに戻されたマイクロ波(即ち、反射波)について、サーキュレータ16cの第3ポート263Aに伝送された反射波の一部を分岐させて、当該反射波の一部を出力するように構成される。
測定部16kは、導波管内のマイクロ波を測定する機器である。測定部16kは、測定制御部167、第1検波部168及び第2検波部169を有する。
第1検波部168は、導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する。第1検波部168は、第1の方向性結合器16fから出力された進行波を入力する。第2検波部169は、導波管内のマイクロ波の反射波パワーに応じた測定値を検出する。第2検波部169は、第2の方向性結合器16hから出力された反射波を入力する。
測定制御部167は、第1検波部168により取得された進行波の一部に基づき、出力部16tにおける進行波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第1のHigh測定値pf(H)及び第1のLow測定値pf(L)を決定する。測定制御部167は、第2検波部169により取得された反射波の一部に基づき、出力部16tにおける反射波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第2のHigh測定値pr(H)及び第2のLow測定値pr(L)を決定する。
測定制御部167は、第1検波部168により検出された測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。
測定部16kは、パワー制御部162に接続される。測定部16kは、測定値をパワー制御部162に出力する。パワー制御部162は、進行波と反射波との測定値の差、即ちロードパワー(実効パワー)が、制御器100によって指定される設定パワーに一致するように、減衰器163を制御する(パワーフィードバック制御)。
チューナ26は、チューナ制御部260及びチューナ検波部264を有する。チューナ制御部260は、制御器100の信号及びチューナ検波部264の検出結果に基づいて、マイクロ波出力装置16側のインピーダンスとアンテナ18側のインピーダンスとを整合するようにスタブ26a、26b,26cの突出位置を調整する。チューナ検波部264は、一例として三探針検波器であり、3本のダイオード付きプローブを有する。チューナ制御部260は、図示しないドライバ回路及びアクチュエータにより、スタブ26a、26b,26cを動作させる。
チューナ制御部260は、第2パルス生成器103により生成されたマイクロ波パワー用の同期信号PSS−MTを取得する。チューナ制御部260は、同期信号を考慮して、スタブ26a、26b,26cを動作させる。高周波電源58は、第3パルス生成器104により生成された高周波パワー用の同期信号PSS−Rを取得する。高周波電源58は、同期信号PSS−Rに基づいて高周波パワーをパルス変調する。マッチングユニット60は、第4パルス生成器105により生成された高周波パワー用の同期信号PSS−MTを取得する。マッチングユニット60は、同期信号PSS−MTに基づいて、パルス変調された高周波パワーを整合する。
[波形発生器の詳細]
図4は、波形発生器におけるマイクロ波の生成原理を説明する図である。図4に示されるように、波形発生器101は、例えば、基準周波数と位相を同期させたマイクロ波を発振することが可能なPLL(Phase Locked Loop)発振器と、PLL発振器に接続されたIQデジタル変調器とを有する。波形発生器101は、PLL発振器において発振されるマイクロ波の周波数を制御器100により指定された設定周波数に設定する。そして、波形発生器101は、PLL発振器からのマイクロ波と、当該PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とを、IQデジタル変調器を用いて変調する。これにより、波形発生器101は、帯域内において複数の周波数成分を有するマイクロ波、又は、単一周波数のマイクロ波を生成する。
波形発生器101は、例えば、N個の複素データシンボルに対する逆離散フーリエ変換を行って連続信号を生成することにより、複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成することが可能である。この信号の生成方法は、ディジタルテレビ放送等で用いられるOFDMA(Orthogonal Frequency−Division Multiple Access)変調方式と同様の方法であり得る(例えば特許5320260号参照)。
一例では、波形発生器101は、予めデジタル化された符号の列で表された波形データを有する。波形発生器101は、波形データを量子化し、量子化したデータに対して逆フーリエ変換を適用することにより、IデータとQデータとを生成する。そして、波形発生器101は、Iデータ及びQデータの各々に、D/A(Digital/Analog)変換を適用して、二つのアナログ信号を得る。波形発生器101は、これらアナログ信号を、低周波成分のみを通過させるLPF(ローパスフィルタ)へ入力する。波形発生器101は、LPFから出力された二つのアナログ信号を、PLL発振器からのマイクロ波、PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とそれぞれミキシングする。そして、波形発生器101は、ミキシングによって生成されたマイクロ波を合成する。これにより、波形発生器101は、一又は複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成する。
[波形発生器により生成される波形の一例]
波形発生器101は、同期信号PSS−Mに基づいて、一の周波数成分を有するマイクロ波と、複数の周波数成分を有するマイクロ波とを交互に生成することもできる。以下、同期信号、及び、波形発生器により生成されるマイクロ波の波形の一例を示す。図5は、同期信号及びマイクロ波の波形の一例である。図5の(A)に示されるように、同期信号PSS−Mは、ON状態(High状態)とOFF状態(Low状態)とが交互に出現するパルス信号となる。同期信号PSS−Mのパルス周期PTは、Highレベルとなるタイミングの間隔で定義する。パルス周期PTに対するHigh時間HTの比がデューティ比である。第1パルス生成器102は、制御器100により指定されたパルス周波数(1/PT)及びデューティ比(HT/PT×100[%])に基づいて、図5の(A)に示されるような同期信号を生成する。
波形発生器101は、High時間HTの間は広帯域周波数を有するマイクロ波の波形を生成し、Low時間LTの間は単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形を生成する。図5の(B)では、広帯域周波数を有するマイクロ波の波形をBB(Broad Band)波形、単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形をSP(SinglePeak)波形として示している。波形発生器101は、BB波形とSP波形との生成タイミングを逆にしてもよい。つまり、波形発生器101は、High時間HTの間は単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形を生成し、Low時間LTの間は広帯域周波数を有するマイクロ波の波形を生成してもよい。
[マイクロ波のパワー制御の一例]
波形発生器により生成された波形は、パワーが変調及び増幅されて出力される。図6は、マイクロ波のパワー制御に関する構成の一例を示す図である。図6に示されるように、パワー制御は、測定制御部167及び制御部162aによって実現する。
図6に示されるように、波形発生器101は、SP波形及びBB波形が交互に出現するマイクロ波の波形を出力する。制御部162aは、減衰器163を動作させてマイクロ波のパワーをパルス変調する。制御部162aは、第1パルス生成器102から出力された同期信号PSS−Mに基づいてHigh時間及びLow時間を決定する。制御部162aは、High時間においては制御器100から出力された設定HighパワーPHとなるように、Low時間においては設定LowパワーPLとなるように、減衰器163を動作させる。これにより、SP波形部分のみが減衰したマイクロ波が得られる。マイクロ波は、増幅器164及び増幅器165によって増幅され、チャンバ本体12へと送られる。
測定制御部167は、第1の方向性結合器16f及び第2の方向性結合器16hから進行波のパワーの測定値pf0及び反射波のパワーの測定値pr0を取得する。測定制御部167は、測定値をサンプリングして制御部162aへ出力する。制御部162aは、進行波のパワーの測定値pfと反射波のパワーの測定値prとの差分が設定値となるようにパワーフィードバックを行う。このようなフィードバックループによって、制御器100によって指定された設定値を実現する。
マイクロ波のパワーがパルス変調されている場合においては、Highレベルのパワー及びLowレベルのパワーを、それぞれ個別にフィードバック制御する必要がある。つまり、測定制御部167は、第1のHigh測定値pf(H)、第1のLow測定値pf(L)、第2のHigh測定値pr(H)及び第2のLow測定値pr(L)を計測し、計測結果を制御部162aへ出力する。制御部162aは、同期信号PSS−Mに基づいて、HighレベルのパワーのフィードバックとLowレベルのパワーのフィードバックとを切り替える。
制御部162aは、Highレベルのパワーのフィードバック時には、第1のHigh測定値pf(H)、第2のHigh測定値pr(H)及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーを制御する。制御部162aは、Lowレベルのパワーのフィードバック時には、第1のLow測定値pf(L)、第2のLow測定値pr(L)及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーを制御する。
より具体的には、制御部162aは、Highレベルのパワーのフィードバック時には、第1のHigh測定値pf(H)と第2のHigh測定値pr(H)との差を制御器100によって指定された設定Highパワーに近づけるように、マイクロ波出力装置16から出力されるマイクロ波のHighレベルのパワーを制御する。また、制御部162aは、Lowレベルのパワーのフィードバック時には、第1のLow測定値pf(L)と第2のLow測定値pr(L)との差を制御器100によって指定された設定Lowパワーに近づけるように、マイクロ波出力装置16から出力されるマイクロ波のLowレベルのパワーを制御する。これにより、出力部16tに結合される負荷に供給されるマイクロ波のロードパワーが、設定パワーに近づけられる。
[測定制御部のデータサンプリングの一例]
測定制御部167は、パルス変調された進行波パワーを正確に測定するためにデータを平均化してもよい。図7は、移動平均の一例を説明する図である。図7において、aはサンプリング間隔[μs]、bは移動平均時間[μs]、cはサンプル数である。なお,サンプリング間隔は、0.1μs以下である。サンプル数cはb/aで表現される。測定制御部167は、時刻t=0のとき、Pf(1)〜Pf(c)までのc個のサンプルをサンプリング間隔aで取得し、平均化する。測定制御部167は、時刻t=1のとき、Pf(2)〜Pf(c+1)までのc個のサンプルをサンプリング間隔aで取得し、平均化する。測定制御部167は、時刻t=kのとき、Pf(k+1)〜Pf(c+k)までのc個のサンプルをサンプリング間隔aで取得し、平均化する。数式で表すと以下の通りである。
Figure 0006910320

これにより、強弱を有するパワー波形が平均化される。なお、上記例では進行波の例を示したが、反射波も同一の手法で平均化することができる。
[サンプリングの結果の一例]
図8は、測定部によるサンプリングの一例を示す波形である。図8の(A)の波形は、第1の方向性結合器16fにより測定された、パルス変調されたSP波形である。図8の(B)の波形は、図8の(A)のSP波形を測定制御部167によってサンプリングした波形である。図8の(A)及び(B)に示されるように、パルス変調されたSP波形は、サンプリング後においてHigh及びLowの信号を明確に区別することができる。図8の(C)の波形は、第1の方向性結合器16fにより測定された、パルス変調されたBB波形である。図8の(D)の波形は、図8の(C)のBB波形を測定制御部167によってサンプリングした波形である。図8の(C)及び(D)に示されるように、パルス変調されたBB波形は、サンプリング後においてHigh及びLowの信号の境界が不明確となる。図8の(E)の波形は、第1の方向性結合器16fにより測定されたパルス変調された波形であり、SP波形とBB波形とが交互に出現する波形である。図8の(F)の波形は、図8の(E)の波形を測定制御部167によってサンプリングした波形である。図8の(E)及び(F)に示されるように、SP波形とBB波形とが交互に出現する波形は、サンプリング後においてHigh及びLowの信号を明確に区別することができる。
[タイムチャートの一例]
上述した、同期信号、SP波形とBB波形とが交互に出現する波形、パルス変調された波形、サンプリングされた波形を、それぞれの時間軸を一致させた状態で図9に示す。図9は、同期信号、SP波形とBB波形とが交互に出現する波形、パルス変調された波形、及び、サンプリングされた波形のタイムチャートである。図9の(A)は第1パルス生成器102により生成された同期信号PSS−M、図9の(B)は波形発生器101により生成された波形、図9の(C)は制御部162aによりパルス変調された波形、図9の(D)は測定制御部167によりサンプリングされた波形である。
図9の(B)に示されるように、図9の(A)に示される同期信号PSS−MのON/OFFと同期して、SP波形とBB波形とが交互に出現する。つまり、図9の(B)に示される波形の周期及びデューティ比は、同期信号PSS−Mの周期及びデューティ比と一致する。図9の(C)に示されるように、図9の(A)に示される同期信号PSS−MのON/OFFと同期して、SP波形とBB波形とのパワーがそれぞれ区別されて変調される。つまり、図9の(C)に示される波形の周期及びデューティ比は、同期信号PSS−Mの周期及びデューティ比と一致する。そして、図9の(D)に示されるように、マイクロ波のHigh部分とLow部分とがそれぞれ区別されて検出される。
[出力モードの切り替えの一例]
マイクロ波発生部16aは、2つの出力モードを有してもよい。第1の出力モードでは、パルス変調されたBB波形及びSP波形を有するマイクロ波が出力される。第2の出力モードでは、パルス変調されたBB波形を有するマイクロ波が出力される。マイクロ波発生部16aは、Lowレベルの設定パワーと閾値パワーとに基づいて、出力モードの切り替えを決定する。閾値パワーは、出力モードの切り替えの決定のために予め定められたパワー値である。閾値パワーは、0〜500Wの間で設定され得る。一例として、閾値パワーは0Wである。閾値パワーは、一例として、制御器100の記憶部に記憶される。マイクロ波発生部16aは、Lowレベルの設定パワーが閾値パワーより大きい場合には第1の出力モードで動作し、Lowレベルの設定パワーが閾値パワー以下である場合には第2の出力モードで動作する。
図10は、マイクロ波出力装置の動作を示すフローチャートである。図10に示されるフローチャートは、一例として、マイクロ波発生部16aがマイクロ波の出力前に実行する。
最初に、判定工程(S10)として、マイクロ波発生部16aは、Lowレベルの設定パワーが閾値パワー以下であるか否かを判定する。マイクロ波発生部16aは、制御器100からLowレベルの設定パワー及び閾値パワーを取得する。
Lowレベルの設定パワーが閾値パワー以下であると判定された場合(S10:YES)、マイクロ波発生部16aは、第2出力工程(S12)として、第2の出力モードで動作する。この場合、マイクロ波発生部16aは、パルス変調されたBB波形を有するマイクロ波を出力する。
Lowレベルの設定パワーが閾値パワー以下でないと判定された場合(S10:NO)、マイクロ波発生部16aは、第1出力工程(S14)として、第1の出力モードで動作する。この場合、マイクロ波発生部16aは、パルス変調されたBB波形及びSP波形を有するマイクロ波を出力する。
第2出力工程(S12)及び第1出力工程(S14)が終了すると、図10に示されるフローチャートは終了する。このように、マイクロ波出力装置16は、Lowレベルの設定パワーに応じて、出力モードを切り替えることができる。
[測定制御部による進行波パワーのHigh/Low判定の一例]
測定制御部167は、パルス変調された進行波パワーのHigh及びLowを正確に判定するために、複数の閾値を用いてもよい。例えば、Highレベルの設定パワーよりも所定値だけ大きい第1上限閾値と、Highレベルの設定パワーよりも所定値だけ小さい第1下限閾値が設定される。例えば、Lowレベルの設定パワーよりも所定値だけ大きい第2上限閾値と、Lowレベルの設定パワーよりも所定値だけ小さい第2下限閾値が設定される。
測定制御部167は、サンプリングした値が第1上限閾値と第1下限閾値との間にn回連続で含まれている場合には、Highレベルであると判定する。測定制御部167は、サンプリングした値が第2上限閾値と第2下限閾値との間にn回連続で含まれている場合には、Lowレベルであると判定する。nは判定回数であり、予め設定された値である。測定制御部167は、Highレベルの判定条件及びLowレベルの判定条件の何れも満たさない場合には、前回判定値を保持する。つまり、前回の判定処理においてHgihレベルと判定されていた場合には、今回の判定処理においてもHighレベルと判定する。同様に、前回の判定処理においてLowレベルと判定されていた場合には、今回の判定処理においてもLowレベルと判定する。
[測定制御部の設定の一例]
測定制御部167は、測定誤差が小さくなる範囲で測定するように設定されていてもよい。測定誤差は、周波数精度及びデューティ比誤差を含む。周波数精度は、設定パルス周波数に対する検出パルス周波数の誤差である。具体的な一例として、周波数精度は、以下の数式(1)で表現される。
Figure 0006910320

ただし、数式(1)の右辺の計算値が100%以上となった場合は、周波数精度は100%とする。デューティ比誤差は、設定デューティ比に対する検出デューティ比の誤差である。具体的な一例として、デューティ比誤差は、以下の数式(2)で表現される。
Figure 0006910320
測定制御部167は、周波数精度及びデューティ比誤差のうち大きい方を最大誤差として採用してもよい。上述した測定制御部167の判定回数nは、最大誤差が小さくなるように設定される。
[第1実施形態のまとめ]
マイクロ波出力装置10では、BB波形(帯域幅を有するマイクロ波)とSP波形(単一周波数ピークを有するマイクロ波)とがHighレベル及びLowレベルと同期して交互に出力される。BB波形は、時間的に上下する波形であり、SP波形は時間的に大きく上下しない波形である。このため、マイクロ波出力装置10は、BB波形をパルス変調する場合と比べて、Highレベルのパワー区間とLowレベルのパワー区間との境界をわかりやすくすることができる。よって、マイクロ波出力装置10は、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいマイクロ波を出力することができる。
マイクロ波出力装置10は、Lowレベルの設定パワーに応じて、出力モードを切り替えることができる。これにより、マイクロ波出力装置10は、ON/OFFパルスに基づいたパルス変調をする場合には、BB波形のマイクロ波を採用することで、プラズマの安定化を図る。マイクロ波出力装置10は、High/Lowパルスに基づいたパルス変調をする場合には、High区間又はLow区間のいずれかにおいてSP波形を有するマイクロ波に切り替えることで、プラズマの安定化とマイクロ波のモニタのしやすさとを両立することができる。
マイクロ波出力装置10は、パルス同期信号に基づいてBB波形とSP波形とが交互に出現するマイクロ波の波形を生成し、パルス同期信号に基づいて波形ごとにパワー制御をすることができる。
マイクロ波出力装置10では、平均化された第1のHigh測定値及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーが制御される。さらに、平均化された第1のLow測定値及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーが制御される。このように、マイクロ波のパワーがパルス変調され、かつ、Highレベル及びLowレベルのパワーが設定パワーに基づいて制御されることにより、マイクロ波のパルス変調されたパワーを制御することができる。
マイクロ波出力装置10では、平均化された第1のHigh測定値、平均化された第2のHigh測定値及びHighレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のHighレベルのパワーが制御される。さらに、平均化された第1のLow測定値、平均化された第2のLow測定値及びLowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調されたマイクロ波のLowレベルのパワーが制御される。このように、マイクロ波のパワーがパルス変調され、かつ、Highレベル及びLowレベルのパワーが設定パワーを用いて制御されることにより、マイクロ波のパルス変調されたパワーを制御することができる。マイクロ波出力装置10を備えるプラズマ処理装置1は、マイクロ波出力装置10と同一の効果を奏する。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るプラズマ処理装置1Aは、第1実施形態に係るプラズマ処理装置1と比べて、チューナ26の制御部がマイクロ波のモニタ装置として機能する点が相違し、その他は同一である。以下では、プラズマ処理装置1とプラズマ処理装置1Aとの相違点を中心に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図11は、プラズマ処理装置の他の例を示す図である。図11に示されるように、測定部16kは、測定制御部167A及び第1検波部168Aを備える。測定制御部167A及び第1検波部168Aは、測定制御部167及び第1検波部168と比較して、モニタ機能を有しない点で相違し、その他は同一である。
チューナ26は、チューナ制御部260A及びチューナ検波部264Aを有する。チューナ制御部260A及びチューナ検波部264Aは、チューナ制御部260及びチューナ検波部264と比較して、モニタ機能を有する点で相違し、その他は同一である。つまり、チューナ制御部260Aは、チューナ検波部264Aによって検出された検波信号を分岐して、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。モニタの仕方、つまり、移動平均時間、判定回数、閾値については、第1実施形態と同一である。
上記以外のプラズマ処理装置1Aの構成は、プラズマ処理装置1と同一である。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るプラズマ処理装置1Bは、第1実施形態に係るプラズマ処理装置1と比べて、復調部80及び復調制御部81を備える点が相違し、その他は同一である。以下では、プラズマ処理装置1とプラズマ処理装置1Bとの相違点を中心に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図12は、プラズマ処理装置の他の例を示す図である。図12に示されるように、測定部16kは、測定制御部167A及び第1検波部168Aを備える。測定制御部167A及び第1検波部168Aは、測定制御部167及び第1検波部168と比較して、パルスモニタ機能を有しない点で相違し、その他は同一である。
プラズマ処理装置1Bは、復調部80(検波部の一例)及び復調制御部81(取得部の一例)を備える。復調部80は、例えば導波管21におけるチューナ26とアンテナ18(図1参照)との間に設けられる。復調部80は、導波管21内を進行する進行波のパワーである進行波パワー、及び、アンテナ18側からの反射波のパワーである反射波パワーを周波数ごとに取得する。
復調部80は、方向性結合器を有する。方向性結合器は、一例として、4つのポートを有する双方向性結合器である。方向性結合器は、マイクロ波発生部16aから出力されて、導波管21内に伝搬するマイクロ波(即ち、進行波)の一部を分岐させて、当該進行波の一部を出力するように構成されている。同様に、方向性結合器は、モード変換器から戻ってくるマイクロ波(即ち、反射波)の一部を分岐させて、当該反射波の一部を出力するように構成されている。
復調制御部81は、プロセッサ及びメモリを有する演算器である。復調制御部81は、方向性結合器から出力された進行波の一部に基づき、方向性結合器における進行波パワーを測定する。同様に、復調制御部81は、方向性結合器から出力された反射波の一部に基づき、方向性結合器における反射波パワーを測定する。モニタの仕方、つまり、移動平均時間、判定回数、閾値については、第1実施形態と同一である。
上記以外のプラズマ処理装置1Bの構成は、プラズマ処理装置1と同一である。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。
上述した実施形態では、マイクロ波発生部16aと波形発生器101とが分離している例を説明したが、一つの装置として構成されていてもよい。また、演算装置100aが第1パルス生成器102〜第4パルス生成器105を備える例を説明したが、これに限定されない。例えば、パワー制御部162が第1パルス生成器102を備えてもよい。
プラズマ処理装置がマイクロ波の進行波パワーを利用するモードのみ用いる場合、測定部16kは反射波を測定する構成を備えていなくてもよい。
以下、本開示の効果を説明するシミュレーション結果を説明する。
[進行波パワーの波形]
マイクロ波のパワーがパルス変調された場合の波形をシミュレーションにより確認した。
(比較例1)
比較例1は、単一周波数ピークを有するマイクロ波がパルス変調された波形である。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Highレベルの設定パワー:2500W
Highレベルの波形 :SP波形
Lowレベルの設定パワー :1000W
Lowレベルの波形 :SP波形
設定周波数 :2460MHz
設定パルス周波数 :20kHz
設定デューティ比 :10%,50%,90%
結果を図13に示す。
図13は、比較例1(単一周波数ピークを有するマイクロ波)における、時間と進行波パワーとの関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図13の(A)はデューティ比が10%のときの波形である。図13の(B)はデューティ比が50%のときの波形である。図13の(C)はデューティ比が50%のときの波形である。図13の(A)〜(C)に示されるように、単一周波数ピークを有するマイクロ波をパルス変調した場合、デューティ比にかかわらず、High区間及びLow区間を明確に区別できることが確認された。
(比較例2)
比較例2は、広帯域周波数を有するマイクロ波がパルス変調された波形である。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Highレベルの設定パワー:2500W
Highレベルの波形 :BB波形
Lowレベルの設定パワー :500W,1000W,2000W
Lowレベルの波形 :BB波形
設定周波数 :2460MHz
設定帯域幅 :10Mz
設定パルス周波数 :20kHz
設定デューティ比 :50%
結果を図14に示す。
図14は、比較例2(広帯域周波数を有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、Lowパワーごとにシミュレーションした結果である。図14の(A)はLowレベルの設定パワーが500Wのときの波形である。図14の(B)はLowレベルの設定パワーが1000Wのときの波形である。図14の(C)はLowレベルの設定パワーが2000Wのときの波形である。図14の(A)〜(C)に示される矩形信号は、同期信号PSS−Mである。図14の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数を有するマイクロ波をパルス変調した場合、High区間とLow区間との境界が不明確であることが確認された。特に、Lowレベルの設定パワーが大きくなるほど境界が不明確になることが確認された。
(比較例3)
比較例3は、広帯域周波数を有するマイクロ波がパルス変調された波形である。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Highレベルの設定パワー:2500W
Highレベルの波形 :BB波形
Lowレベルの設定パワー :1000W
Lowレベルの波形 :BB波形
設定周波数 :2460MHz
設定帯域幅 :10Mz
設定パルス周波数 :20kHz
設定デューティ比 :10%,50%,90%
結果を図15に示す。
図15は、比較例3(広帯域周波数を有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図15の(A)はデューティ比が10%のときの波形である。図15の(B)はデューティ比が50%のときの波形である。図15の(C)はデューティ比が90%のときの波形である。図15の(A)〜(C)に示される矩形信号は、同期信号PSS−Mである。図15の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数を有するマイクロ波をパルス変調した場合、High区間とLow区間との境界が不明確であることが確認された。特に、デューティ比が大きくなるほど境界が不明確になることが確認された。
(実施例1)
実施例1は、広帯域周波数を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とが交互に出現し、かつ、パルス変調された波形である。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Lowレベルの波形 :SP波形
その他の条件は、比較例2と同一である。結果を図16に示す。
図16は、実施例1(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、Lowパワーごとにシミュレーションした結果である。図16の(A)はLowレベルの設定パワーが500Wのときの波形である。図16の(B)はLowレベルの設定パワーが1000Wのときの波形である。図16の(C)はLowレベルの設定パワーが2000Wのときの波形である。図16の(A)〜(C)に示される矩形信号は、同期信号PSS−Mである。図16の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波をパルス変調した場合、Lowレベルの設定パワーにかかわらず、High区間及びLow区間を明確に区別できることが確認された。また、実施例1は、比較例2と比べて、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいことが確認された。
(実施例2)
実施例2は、広帯域周波数を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とが交互に出現し、かつ、パルス変調された波形である。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Lowレベルの波形 :SP波形
その他の条件は、比較例3と同一である。結果を図17に示す。
図17は、実施例2(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図17の(A)はデューティ比が10%のときの波形である。図17の(B)はデューティ比が50%のときの波形である。図17の(C)はデューティ比が90%のときの波形である。図17の(A)〜(C)に示される矩形信号は、同期信号PSS−Mである。図17の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波をパルス変調した場合、設定デューティ比にかかわらず、High区間及びLow区間を明確に区別できることが確認された。また、実施例2は、比較例3と比べて、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいことが確認された。
(実施例3)
実施例3は、広帯域周波数を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とが交互に出現し、かつ、パルス変調された波形である。シミュレーションの条件は、以下のとおりである。
Highレベルの波形 :SP波形
Lowレベルの波形 :BB波形
その他の条件は、比較例2と同一である。結果を図18に示す。
図18は、実施例3(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、Lowパワーごとにシミュレーションした結果である。図18の(A)はLowレベルの設定パワーが500Wのときの波形である。図18の(B)はLowレベルの設定パワーが1000Wのときの波形である。図18の(C)はLowレベルの設定パワーが2000Wのときの波形である。図18の(A)〜(C)に示される矩形信号は、同期信号PSS−Mである。図18の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波をパルス変調した場合、Lowレベルの設定パワーにかかわらず、High区間及びLow区間を明確に区別できることが確認された。また、実施例3は、比較例2と比べて、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいことが確認された。
(実施例4)
実施例4は、広帯域周波数を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とが交互に出現し、かつ、パルス変調された波形である。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Highレベルの波形 :SP波形
Lowレベルの波形 :BB波形
その他の条件は、比較例3と同一である。結果を図19に示す。
図19は、実施例4(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)における、進行波パワーと時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図19の(A)はデューティ比が10%のときの波形である。図19の(B)はデューティ比が50%のときの波形である。図19の(C)はデューティ比が90%のときの波形である。図19の(A)〜(C)に示される矩形信号は、同期信号PSS−Mである。図19の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波をパルス変調した場合、設定デューティ比にかかわらず、High区間及びLow区間を明確に区別できることが確認された。また、実施例4は、比較例3と比べて、パルス変調されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタしやすいことが確認された。
[測定誤差]
測定制御部の測定誤差と判定回数との関係をシミュレーションした。
(比較例4)
比較例4は、広帯域周波数を有するマイクロ波がパルス変調された波形である。マイクロ波を検出し、測定誤差を確認した。式(1)を用いて周波数精度を算出した。式(2)を用いてデューティ比誤差を算出した。周波数精度及びデューティ比誤差から最大誤差を算出した。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Highレベルの設定パワー:2500W
Highレベルの波形 :BB波形
Lowレベルの設定パワー :1000W
Lowレベルの波形 :BB波形
設定周波数 :2460MHz
設定パルス周波数 :20kHz
設定デューティ比 :50%
第1上限閾値,第1下限閾値:2500W+10W,2500W−10W
第2上限閾値,第2下限閾値:1000W+10W,1000W−10W
移動平均時間 :0〜7μs
判定回数 :1〜4回
結果を図20に示す。
以下、判定回数を用いたパワーのHighレベルとLowレベルの判定について説明する。図7における進行波パワーのデータPf(t)において、Pf(t)が第1上限閾値と第1下限閾値との間に判定回数だけ連続で滞在した場合、進行波パワーはHighレベルであると判定される。つまり、判定回数が1回の場合には、第1上限閾値≧Pf(t)≧第1下限閾値を満たすときに、進行波パワーはHighレベルであると判定される。判定回数が3回の場合には、第1上限閾値≧Pf(t),Pf(t−1),Pf(t−2)≧第1下限閾値を満たすときに、進行波パワーはHighレベルであると判定される。進行波パワーがひとたびHighレベルであると判定された場合、Pf(t)が第1上限閾値と第1下限閾値との間から外れたとしても、進行波パワーがLowレベルであると判定されるまでは、進行波パワーはHighレベルであるとの判定を継続する。また、図7における進行波パワーのデータPf(t)のデータにおいて、Pf(t)が第2上限閾値と第2下限閾値との間に判定回数だけ連続で滞在した場合、進行波パワーはLowレベルであると判定される。つまり、判定回数が1回の場合には、第2上限閾値≧Pf(t)≧第2下限閾値を満たすときに、進行波パワーはLowレベルであると判定される。判定回数が3回の場合には、第2上限閾値≧Pf(t),Pf(t−1),Pf(t−2)≧第2下限閾値を満たすときに、進行波パワーはLowレベルであると判定される。進行波パワーがひとたびLowレベルであると判定された場合、Pf(t)が第2上限閾値と第2下限閾値との間から外れてたとしても、進行波パワーがHighレベルであると判定されるまでは、進行波パワーはLowレベルであるとの判定を継続する。
図20は、比較例4(広帯域周波数を有するマイクロ波)のパルスモニタ精度をシミュレーションした結果である。図20の(A)は、判定回数と周波数精度との関係を移動平均時間ごとに算出した結果である。図20の(B)は、判定回数とデューティ比誤差との関係を移動平均時間ごとに算出した結果である。図20の(C)は、移動平均時間と誤差(最大誤差)との関係を判定回数ごとに算出した結果である。図20の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数を有するマイクロ波の測定においては、判定回数及び移動平均時間を変更しても十分な精度(例えば3%以下)を得ることが難しいことが確認された。
(実施例5)
実施例5は、広帯域周波数を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とが交互に出現し、かつ、パルス変調された波形である。マイクロ波を検出し、測定誤差を確認した。式(1)を用いて周波数精度を算出した。式(2)を用いてデューティ比誤差を算出した。周波数精度及びデューティ比誤差から最大誤差を算出した。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Lowレベルの波形 :SP波形
その他の条件は、比較例4と同一である。結果を図21に示す。
図21は、実施例5(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)のパルスモニタ精度をシミュレーションした結果である。図21の(A)は、判定回数と周波数精度との関係を移動平均時間ごとに算出した結果である。図21の(B)は、判定回数とデューティ比誤差との関係を移動平均時間ごとに算出した結果である。図21の(C)は、移動平均時間と誤差(最大誤差)との関係を判定回数ごとに算出した結果である。図21の(A)〜(C)に示されるように、広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波の測定においては、判定回数は大きくするほど、移動平均時間は短くするほど精度が向上する傾向にあることが確認された。そして、判定回数及び移動平均時間を適切に選択することにより、十分な精度(例えば3%以下)となることが確認された。例えば、移動平均時間を1.2μsとし、判定回数を3回以上とすることで、3%以下の誤差を実現できることが確認された。
(実施例6)
実施例6は、広帯域周波数を有するマイクロ波と単一周波数ピークを有するマイクロ波とが交互に出現し、かつ、パルス変調された波形である。マイクロ波を検出し、測定誤差を確認した。式(1)を用いて周波数精度を算出した。式(2)を用いてデューティ比誤差を算出した。周波数精度及びデューティ比誤差から最大誤差を算出した。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
Highレベルの波形 :SP波形
その他の条件は、比較例4と同一である。結果を図22に示す。
図22は、実施例6(広帯域周波数及び単一周波数ピークを交互に有するマイクロ波)のパルスモニタ精度をシミュレーションした結果である。図22の(A)は、判定回数と周波数精度との関係を移動平均時間ごとに算出した結果である。図22の(B)は、判定回数とデューティ比誤差との関係を移動平均時間ごとに算出した結果である。図22の(C)は、移動平均時間と誤差(最大誤差)との関係を判定回数ごとに算出した結果である。図22の(A)〜(C)に示されるように、判定回数は大きくするほど、移動平均時間は短くするほど精度が向上する傾向にあることが確認された。そして、判定回数及び移動平均時間を適切に選択することにより、十分な精度(例えば3%以下)となることが確認された。例えば、移動平均時間を1.2μsとし、判定回数を3回以上とすることで、3%以下の誤差を実現できることが確認された。
1,1A,1B…プラズマ処理装置、12…チャンバ本体、16…マイクロ波出力装置、16a…マイクロ波発生部、16f…第1の方向性結合器、16h…第2の方向性結合器、16k…測定部、16t…出力部、18…アンテナ、20…誘電体窓、26…チューナ、27…モード変換器、28…同軸導波管、30…スロット板、32…誘電体板、34…冷却ジャケット、38…ガス供給系、58…高周波電源、60…マッチングユニット、100…制御器、101…波形発生器、102…第1パルス生成器、162…パワー制御部、163…減衰器、164…増幅器、165…増幅器、166…モード変換器。

Claims (7)

  1. 制御器から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調されたマイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
    前記マイクロ波発生部から伝搬されたマイクロ波を出力する出力部と、
    を備え、
    前記マイクロ波発生部は、
    制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波と、制御器から指示された設定周波数に応じた中央周波数において単一周波数ピークを有するマイクロ波とを、前記マイクロ波の前記パワーのHighレベル及びLowレベルの切り替えと同期して交互に発生する、
    マイクロ波出力装置。
  2. 前記マイクロ波発生部は、
    Lowレベルの前記設定パワーが閾値パワーより大きい場合には、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波と中央周波数において単一周波数ピークを有するマイクロ波とを、前記パワーのHighレベル及びLowレベルの切り替えと同期して交互に発生し、
    Lowレベルの前記設定パワーが前記閾値パワー以下である場合には、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波であって、パルス変調された該マイクロ波を発生する、
    請求項1に記載のマイクロ波出力装置。
  3. Lowレベルの前記閾値パワーは0Wである請求項2に記載のマイクロ波出力装置。
  4. 前記マイクロ波発生部は、
    パルス同期信号に基づいて、制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有する第1波形と、制御器から指示された設定周波数に応じた中央周波数において単一周波数ピークを有する第2波形とが交互に出現するマイクロ波の波形を生成し、
    前記生成されたマイクロ波の波形と、前記パルス同期信号と、前記第1波形及び前記第2波形にそれぞれ対応した設定パワーとに基づいて、前記第1波形のパワー及び前記第2波形のパワーを制御する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のマイクロ波出力装置。
  5. 前記マイクロ波発生部から前記出力部に伝搬される進行波の一部を出力する第1の方向性結合器と、
    前記第1の方向性結合器から出力される前記進行波の前記一部に基づいて前記出力部における前記進行波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第1のHigh測定値及び第1のLow測定値を決定する測定部と、
    をさらに備え、
    前記測定部は、
    前記第1のHigh測定値及び前記第1のLow測定値を所定の移動平均時間及び所定のサンプリング間隔で平均化し、
    前記マイクロ波発生部は、
    平均化された前記第1のHigh測定値及び前記Highレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調された前記マイクロ波のHighレベルのパワーを制御し、
    平均化された前記第1のLow測定値及び前記Lowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調された前記マイクロ波のLowレベルのパワーを制御する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載のマイクロ波出力装置。
  6. 前記出力部に戻された反射波の一部を出力する第2の方向性結合器をさらに備え、
    前記測定部は、前記第2の方向性結合器から出力される前記反射波の一部に基づいて前記出力部における前記反射波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第2のHigh測定値及び第2のLow測定値をさらに決定するとともに、前記第2のHigh測定値及び前記第2のLow測定値を所定の移動平均時間及び所定のサンプリング間隔で平均化し、
    前記マイクロ波発生部は、
    平均化された前記第1のHigh測定値、平均化された前記第2のHigh測定値及び前記Highレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調された前記マイクロ波のHighレベルのパワーを制御し、
    平均化された前記第1のLow測定値、平均化された前記第2のLow測定値及び前記Lowレベルの設定パワーに基づいて、パルス変調された前記マイクロ波のLowレベルのパワーを制御する、
    請求項5に記載のマイクロ波出力装置。
  7. チャンバ本体と、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のマイクロ波出力装置であり、前記チャンバ本体内に供給されるガスを励起させるためのマイクロ波を出力する該マイクロ波出力装置と、
    を備えるプラズマ処理装置。
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