JP6910264B2 - 吐出ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、吐出ポンプに関する。
従来から、下記特許文献1に示されるような吐出ポンプが知られている。この吐出ポンプは、容器本体の口部に装着される装着キャップと、装着キャップ内に下方移動可能に立設されたステムと、前方に突出するとともに吐出孔が形成されたノズル筒部を有するノズル部材と、ステム内に収容された逆止弁と、ステムを上方付勢する付勢部材と、を備えている。この吐出ポンプは、上方付勢力に抗してステムが下方移動することで、容器本体内の内容物が吐出孔から吐出されるように構成されている。
特開2007−319759号公報
ところで、この種の吐出ポンプでは、内容物を吐出させた後、吐出孔の近傍に残留した内容物が、吐出孔から垂れ落ちてしまうおそれがあった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、内容物が吐出孔から垂れ落ちることを抑止した吐出ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の吐出ポンプは、下方移動可能に配設されたステムと、前記ステムの上端部に配設され、かつ前方に突出するとともに吐出孔が形成されたノズル筒部を有するノズル部材と、前記ステム内に形成された収容室内に収容された逆止弁と、前記ステムを上方付勢する付勢部材と、を備え、前記ステムを下方移動させたときに、内容物が前記ステムを通じて前記吐出孔から吐出される吐出ポンプであって、前記ノズル部材は、前記ステムに対して下方に向けて弾性変位可能に設けられ、前記ノズル部材が押下されたときに、前記ノズル部材は前記ステムに対して下方移動し、前記収容室と前記吐出孔との間の流路の内容積が減少し、前記流路には、前記ノズル部材の内部に位置する吸引空間が含まれ、前記ノズル部材の内部には、前記ノズル部材を前記ステムに対して上方付勢するノズル付勢体が設けられ、前記ノズル付勢体が前記ノズル部材に作用させる上方付勢力は、前記付勢部材が前記ステムに作用させる上方付勢力よりも小さく、前記ノズル部材が前記ステムに対して下方移動したときに、前記吸引空間の内容積が減少することを特徴とする。
本発明の吐出ポンプによれば、ノズル部材はステムに対して下方に向けて弾性変位可能に設けられている。さらに、ノズル部材が押下されると、ノズル部材はステムに対して下方移動し、収容室と吐出孔との間の流路の内容積が減少する。このため、ステムが下降して内容物が吐出孔から吐出された後、ノズル部材に対する下方に向けた力が解除されると、ノズル部材がステムに対して上方に向けて復元変位する。このとき、収容室とノズル孔との間の流路の内容積が増大するため、この流路内が負圧となることでバックサクション作用が得られ、吐出孔の近傍の内容物がノズル部材内に向けて吸引される。従って、吐出孔から内容物が垂れ落ちるのを抑制することができる。
また、ノズル部材の内部に設けられた吸引空間およびノズル付勢体が、上述したバックサクション作用を生じさせることとなり、吐出ポンプのかさ張りを抑えて、吐出ポンプをコンパクトにすることができる。また、ノズル付勢体による上方付勢力が付勢部材による上方付勢力よりも小さいことで、ステムの下方移動に先立って、ノズル部材をステムに対して確実に下方移動させることができる。これにより、内容物を吐出させた後で、上記したバックサクション作用をより確実に作動させることができる。
ここで、前記ノズル部材が押下されたときに、前記流路の内容積を減少させた状態で、前記ノズル部材が前記ステムとともに下方移動してもよい。
この場合、ステムが下方移動する際に、収容室と吐出孔との間の流路の内容積が減少した状態となるため、ステムが復元変位する際により確実に先述のバックサクション作用を生じさせることができる。
また、前記吐出ポンプは、前記ノズル部材を下方移動させるトリガー部材を備え、前記トリガー部材は、前記吐出孔の下方に位置する操作部を有してもよい。
この場合、トリガー部材の操作部が吐出孔の下方に位置したとしても、先述の通り吐出孔近傍の内容物が吸引されるため、吐出孔から内容物が垂れて操作部に付着するのを抑えることができる。
また、前記吐出ポンプは、前記ステムに連係して上下動する空気用ピストンおよび液用ピストンと、内部に前記空気用ピストンが上下摺動自在に設けられた空気用シリンダと、内部に前記液用ピストンが上下摺動自在に設けられた液用シリンダと、を備え、前記収容室内では、前記空気用シリンダから移送される空気と前記液用シリンダから移送される内容物とが混合され、前記流路には、前記収容室内で混合された気液混合体を発泡させて内容物を泡状にする発泡部材が設けられていてもよい。
この場合、内容物を泡状にして吐出孔から吐出させることができる。従来から、このような泡吐出ポンプでは、内容物として粘度の小さい液体が用いられている。内容物の粘度が小さいと、ノズル筒部内に留まっている泡状の内容物が液状に戻ったときに、この液状の内容物が吐出孔から垂れ落ちやすい状態となる。このような泡吐出ポンプに対して上述したようなバックサクション機能を付与することで、内容物の吐出後に、液状の内容物が吐出孔から垂れ落ちることを抑止することができる。
本発明によれば、内容物が吐出孔から垂れ落ちることを抑止した吐出ポンプを提供することができる。
第1実施形態に係る吐出ポンプを備えた吐出容器の縦断面図である。 図1の吐出ポンプの拡大図である。 (a)は図2のノズル付勢体近傍の拡大図であり、(b)は(a)の下面図である。 図1の吐出ポンプの動作を説明する図である。 第1実施形態の変形例に係る吐出ポンプの縦断面図である。 第2実施形態に係る吐出ポンプの縦断面図である。 図6の吐出ポンプの動作を説明する図である。 第3実施形態に係る吐出ポンプの縦断面図である。 の吐出ポンプの動作を説明する図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の吐出ポンプについて図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図1に示すように、吐出ポンプ1Aは、容器本体3の口部に装着される装着キャップ30と、内部に収容室S1が形成された筒状のステム2と、ノズル筒部73を有するノズル部材70と、収容室S1に収容された逆止弁4と、トリガー部材100と、を備える。容器本体3は、有底筒状に形成されるとともに、内部に内容物が収容される。吐出ポンプ1Aは、トリガー部材100が操作された際に、ノズル部材70がトリガー部材100に押下され、ノズル部材70とともにステム2が下方移動することで、容器本体3の内容物がノズル筒部73の吐出孔73aから吐出されるように構成されている。
(方向定義)
ここで本実施形態では、ステム2、容器本体3の口部、および装着キャップ30の各中心軸が共通の軸線上に配置されている。以下、この共通の軸線をポンプ軸Oといい、ポンプ軸Oに沿う方向を上下方向という。また、上下方向に沿う容器本体3の底部側を下方といい、ノズル部材70側を上方という。
また、上下方向から見た平面視において、ポンプ軸Oに交差する方向を径方向といい、ポンプ軸O回りに周回する方向を周方向という。径方向のうち、ノズル筒部73が延びる方向を前後方向という。前後方向のうち、ポンプ軸Oに対する吐出孔73a側を前方といい、その反対側を後方という。上下方向および前後方向の双方に直交する方向を左右方向という。
吐出ポンプ1Aはさらに、ステム2に連係して上下動する空気用ピストン20および液用ピストン80と、内部に空気用ピストン20が上下摺動自在に設けられた空気用シリンダ11と、内部に液用ピストン80が上下摺動自在に設けられた液用シリンダ16と、吐出ポンプ1Aの流路内に設けられた発泡部材60と、を備えている。吐出ポンプ1Aは、空気用シリンダ11から移送される空気と液用シリンダ16から移送される内容物とを収容室S1内で混合して気液混合体とし、発泡部材60によってこの気液混合体を発泡させることができる。すなわち、本実施形態の吐出ポンプ1Aは、泡状の内容部を吐出孔73aから吐出させる泡吐出ポンプ(フォーマポンプ)である。
なお、空気用ピストン20、液用ピストン80、空気用シリンダ11および液用シリンダ16は、いずれもポンプ軸Oと同軸の筒状である。
(装着キャップ)
図2に示すように、装着キャップ30は、平面視で環状の天壁部31と、天壁部31の外周縁から下方に延びる装着筒部32と、天壁部31の内周縁から上方に向けて延びる傾斜筒部33と、傾斜筒部33の上端部から下方に向けて延びるガイド筒部34と、傾斜筒部33およびガイド筒部34の後方に配設されたトリガー支持部35と、を備える。装着筒部32の内周面には、容器本体3の口部に形成された雄ネジ部に螺着される雌ネジ部が形成されている。
トリガー支持部35は、左右方向に間隔を空けて配置された一対の側壁部35aと、側壁部35aの後端同士を接続する後壁部35bと、を備える。一対の側壁部35aはそれぞれ、傾斜筒部33の外周面から後方に向けて突設されている。各側壁部35aの上端にはそれぞれ、上方に向けて突出する突出部36が形成されている。一対の突出部36の外側面にはそれぞれ、左右方向に延在する円柱状の揺動軸37が突設されている。
(トリガー部材)
トリガー部材100は、揺動軸37を介してトリガー支持部35に取り付けられており、この揺動軸37回りで揺動可能に設けられている。
トリガー部材100は、ノズル部材70の上方に配設された天板部101と、天板部101の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在する操作部102と、天板部101の左右両側の側端縁から各別に垂下された一対の側板部103と、を備える。
天板部101には、この天板部101を上下方向に貫通し、前後方向に延在する長孔部101aが形成されている。長孔部101aには、ノズル部材70のノズル筒部73が挿通されている。また、操作部102は、吐出孔73aの下方に位置しており、吐出ポンプ1Aを操作する際に指などをかけるための指掛部分となっている。
側板部103の内側面には、ステム2を押し下げるための押下部104が設けられている。押下部104は、ステム2の上端部を左右両側から挟む一対の板状部材であり、押下部104の下端には、円弧状の押下切欠部104aが形成されている。また、側板部103の後部には、トリガー支持部35の揺動軸37がその中心軸回りに摺動可能に挿通された軸孔部105が形成されている。
(ステム)
ステム2は、装着キャップ30内に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されている。ステム2は、空気用ピストン20および液用ピストン80に連係する下ステム50と、下ステム50の上端部に取り付けられた上ステム40と、を備えている。なお、上ステム40および下ステム50は一体に形成されていてもよい。
上ステム40は、上下方向に延びる連通筒部41と、連通筒部41の上端部から径方向外側に向けて延びる環状の吸引壁部42と、吸引壁部42の内周縁から上方に向けて延びるテーパ筒部43と、吸引壁部42の外周縁とテーパ筒部43との間から上方に向けて延びる筒状の吸引ピストン44と、連通筒部41から下方に向けて延びる嵌合筒部45と、を有している。
連通筒部41の内部には、発泡部材60が嵌合されている。連通筒部41の内周面には、上下方向に延び、かつ発泡部材60の上方に位置するステム内リブ41aが形成されている。ステム内リブ41aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。発泡部材60がステム内リブ41aの下端部に突き当てられることで、発泡部材60の上下方向の位置が決まっている。
テーパ筒部43の内径は上下方向の全長にわたって同等となっており、テーパ筒部43の外径は上方に向かうに従って漸次小さくなっている。吸引ピストン44の外周面は、上方に向かうに従って漸次拡径している。嵌合筒部45は、下ステム50の上端部に外嵌されており、これによって上ステム40が下ステム50に固定されている。嵌合筒部45とガイド筒部34との間には、径方向の隙間が形成されている。嵌合筒部45の外周面には、上下方向に延びる第1縦溝45aが形成され、嵌合筒部45の内周面には、上下方向に延びる第2縦溝45bが形成されている。第1縦溝45aおよび第2縦溝45bはそれぞれ、周方向に間隔を空けて複数形成されている。嵌合筒部45の下端部には、下方に向けて延びる外側摺動部45cが形成されている。外側摺動部45cと下ステム50との間には、径方向の隙間が形成されている。
下ステム50は、上下方向に延びる筒状に形成されている。下ステム50には、フランジ部51と、第1摺動部52と、台座部53と、が設けられている。フランジ部51は、下ステム50の外周面における上下方向中央部から径方向外側に向けて突出する環状に形成されている。第1摺動部52は、下ステム50の外周面に形成された、下ステム50における他の部分よりも外径が大きい部分である。第1摺動部52は、フランジ部51から上方に向けて延びている。第1摺動部52の外周面には、径方向内側に向けて窪むステム溝52aが形成されている。ステム溝52aは、第1摺動部52の上下方向における全長にわたって形成されている。ステム溝52aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。
台座部53は、下ステム50の内周面から径方向内側に向けて突出する環状座部と、環状座部の内周縁から上方に突出する筒状座部と、を有している。上下方向において、台座部53の下端部は、第1摺動部52の上端部と同等の位置であり、フランジ部51から上方に離れた位置に配置されている。下ステム50内の空間のうち、台座部53よりも上方に位置する部分が、先述の収容室S1となっている。収容室S1内には、球状の逆止弁4が配置されている。逆止弁4は、発泡部材60の後述するケーシング61と台座部53との間で、上下動可能に設けられている。筒状座部の上面は、逆止弁4の形状に合わせて、下方に向けて凸の曲面状を呈している。なお、本実施形態の収容室S1は、液体の内容物と気体とを混合させる気液混合室として機能する。
(シリンダ部材)
本実施形態の吐出ポンプ1Aは、空気用シリンダ11および液用シリンダ16が一体に形成されたシリンダ部材10を備えている。なお、空気用シリンダ11および液用シリンダ16は別体であってもよい。
空気用シリンダ11は、上方に向けて開口する有底筒状に形成されている。空気用シリンダ11は、ステム2の径方向外側かつ容器本体3の口部の径方向内側に位置しており、ポンプ軸Oと同軸上に配置されている。空気用シリンダ11の上端部には、径方向外側に向けて突出する環状の取付部12が形成されている。取付部12と容器本体3の口部との間には、環状のパッキンが配置されている。装着キャップ30が容器本体3の口部に螺着される際、このパッキンが取付部12と容器本体3との間で圧縮されることで、口部が密閉される。
空気用シリンダ11には、この空気用シリンダ11を径方向に貫通し、空気用シリンダ11内と容器本体3内とを連通する第1空気孔11cが形成されている。第1空気孔11cは、空気用ピストン20の後述する空気筒部22と径方向で対向しており、空気筒部22によって開放可能に閉塞されている。空気用ピストン20が下方移動した際、第1空気孔11cを通じて外気が容器本体3内に導入され、内容物が吸い上げられることによる容器本体3内の負圧が解消される。空気用シリンダ11の底壁部15は、径方向に延びる環状の水平部と、水平部の内周縁から径方向内側に向かうに従って漸次上方に向けて延びる傾斜部と、を有している。
液用シリンダ16は、空気用シリンダ11の底壁部15における傾斜部の内周縁から下方に向けて延びている。図1に示すように、液用シリンダ16の下端部には、下方に向かうに従って漸次縮径するテーパ部17が設けられている。液用シリンダ16の内面におけるテーパ部17との接続部分には、上下方向に延びる縦リブ16aが形成されている。縦リブ16aは、周方向に間隔をあけて複数配置されている。テーパ部17の下端には、下方へ向けて延びる垂下筒18が形成されている。垂下筒18内には、吸い上げパイプPが嵌合されている。
液用ピストン80は、下ステム50の下端部に取り付けられている。液用ピストン80は、下ステム50内に嵌合された連結筒部81と、下ステム50よりも下方に配置され、かつ液用シリンダ16の内周面に摺接する液筒部82と、を備えている。連結筒部81の上端部には、径方向内側に向けて突出する弁座部81aが形成されている。
液用ピストン80と液用シリンダ16との間には、付勢部材5が圧縮状態で配設されている。本実施形態における付勢部材5は、コイルばねである。付勢部材5は、液用ピストン80を上方付勢状態で下方移動可能に支持している。
液用シリンダ16、液用ピストン80、および付勢部材5の径方向内側には、弁部材90が設けられている。弁部材90は、上下方向に延びる軸状に形成されている。弁部材90の上端部には上部弁体91が形成されており、弁部材90の下端部には下部弁体92が形成されている。
上部弁体91は、中空逆円錐状に形成されている。上部弁体91は、液用ピストン80の弁座部81aに対して、該弁座部81aの上方から離間可能に着座している。上部弁体91は、液用シリンダ16内と下ステム50内との連通及びその遮断を切替える切換弁である。
下部弁体92は、液用シリンダ16のテーパ部17から上方に離間して配置される。下部弁体92は、弁部材90が下方移動したときに、テーパ部17に当接して液用シリンダ16の下端開口部を閉塞する。
(空気用ピストン)
図2に示すように、空気用ピストン20は、下ステム50の第1摺動部52を囲繞する内筒部21と、内筒部21の径方向外側に位置する空気筒部22と、内筒部21と空気筒部22とを連結する連結部23と、を備える。
連結部23は、多段の筒状に形成されており、内筒部21および空気筒部22の上下方向における中央部同士を、全周にわたって連結する。連結部23によって、空気用シリンダ11の内部が、上室11aと下室11bとに分けられている。連結部23には、この連結部23を上下方向に貫通する第2空気孔23aが形成されている。第2空気孔23aは、連結部23の上方に位置する上室11aと、連結部23の下方に位置する下室11bと、を連通させる。
内筒部21は、下ステム50の第1摺動部52に対して、上下摺動自在に嵌合している。内筒部21の下端は、フランジ部51に対して上方から当接している。内筒部21がフランジ部51に当接することにより、ステム溝52aを通じた収容室S1と下室11bとの連通が遮断される。内筒部21は、フランジ部51に対して上方へ離間可能である。
内筒部21の上端部には、上方に向けて延びる筒状の内側摺動部24が形成されている。内側摺動部24は、下ステム50の第1摺動部52と上ステム40の外側摺動部45cとの間の隙間に位置している。内側摺動部24は、外側摺動部45cに対して摺動する。内側摺動部24と上ステム40の嵌合筒部45との間には、上下方向の隙間が形成されている。また、外側摺動部45cと連結部23との間にも、上下方向の隙間が形成されている。このため、内側摺動部24と嵌合筒部45とが接触するまで、空気用ピストン20に対するステム2の下方移動が許容されている。
内筒部21には、外気導入弁26が突設された弁筒25が取り付けられている。弁筒25は、内筒部21の外周面のうち、連結部23との接続部分よりも下方に位置する部分に外嵌されている。外気導入弁26は、弁筒25の下端部から径方向外側に向けて突出しており、平面視で環状に形成されている。外気導入弁26は、上下方向に弾性変形可能である。外気導入弁26は、第2空気孔23aを下方から開放可能に閉塞し、上室11aと下室11bとの連通を遮断する。外気導入弁26の外周端部は、連結部23の下面に離間可能に当接する。
(発泡部材)
発泡部材60は、筒状のケーシング61と、ケーシング61内に装着された2つの発泡エレメント62と、を備える。ケーシング61は、発泡エレメント62が収容される大径部と、大径部の下方に位置する小径部と、大径部と小径部とを接続する段部と、を備える。大径部は上ステム40内に嵌合しており、小径部は下ステム50内に嵌合している。小径部の外周面および段部の下面には、ケーシング溝63が形成されている。ケーシング溝63は、上ステム40の第2縦溝45b内と収容室S1とを連通させている。上ステム40の第1縦溝45a、下ステム50のステム溝52a、およびケーシング溝63は、空気用シリンダ11内と収容室S1内とを連通させる空気通路となっている。
2つの発泡エレメント62はそれぞれ、筒体の一端開口部に、所定の粗さの網目を有するメッシュ部材が張設された構成を有している。2つの発泡エレメント62は、上下に2段に重なった状態で、ケーシング61における大径部の内側に装着されている。この際、2つの発泡エレメント62のうち、下側に位置する発泡エレメント62のメッシュ部材は下側を向き、上側に位置する発泡エレメント62のメッシュ部材は上側を向くように配置されている。
(ノズル部材)
ノズル部材70は、上ステム40の上端部に配設されている。ノズル部材70は、周壁部71および頂壁部72を有する有頂筒状に形成されるとともに、周壁部71の上端から前方に突設されたノズル筒部73を有している。ノズル筒部73は、前方に向かうに従って、漸次上方に向けて延びている。ノズル筒部73の先端に形成された吐出孔73aは、前方に向けて開口している。周壁部71の外周面には、径方向外側に向けて延びる一対の被押下部74が形成されている。一対の被押下部74はそれぞれ、左右方向に延びている。各被押下部74の上面は、上方に向けて凸の曲面状を呈しており、トリガー部材100の押下切欠部104aに当接している。
ノズル部材70の内部には、吐出孔73aおよび収容室S1の双方に連通する吸引空間S2が設けられている。吸引空間S2は、吐出ポンプ1Aにおける、収容室S1と吐出孔73aとの間の流路に含まれている。吸引空間S2は、ノズル部材70の周壁部71および頂壁部72と、ステム2の吸引壁部42、吸引ピストン44、およびテーパ筒部43と、により形成されている。
また、ノズル部材70の内部には、頂壁部72から下方に向けて延び、かつ周壁部71の径方向内側に位置する中筒部75と、中筒部75から下方に向けて延びるノズル付勢体76と、が形成されている。
ノズル部材70の周壁部71は、上ステム40の吸引壁部42および吸引ピストン44を径方向外側から囲繞している。周壁部71の内周面には、第2摺動部71aおよび抜け止め部71bが形成されている。第2摺動部71aは、ノズル筒部73の後端部から周壁部71の上下方向中央部にかけて、上下方向に延びている。抜け止め部71bは、第2摺動部71aに対して上下方向に間隔を空けて配置されている。抜け止め部71bは、周壁部71の下端部から径方向内側に突出している。第2摺動部71aはステム2の吸引壁部42よりも上方に位置しており、抜け止め部71bは吸引壁部42よりも下方に位置している。
第2摺動部71aおよび抜け止め部71bの径方向内端部は、吸引壁部42の外周縁よりも径方向の内側に位置している。この構成により、ノズル部材70がステム2に対して上下動可能となっており、ノズル部材70のステム2に対する所定量以上の上下動が吸引壁部42によって規制されている。第2摺動部71aの内周面には、ステム2の吸引ピストン44における上端部が気密に当接している。第2摺動部71aおよび吸引ピストン44は、気密状態を保ったまま、互いに上下方向に摺動する。
図3(a)、(b)に示すように、ノズル付勢体76は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。複数のノズル付勢体76は、1つの円筒形状が部分的に切り欠かれた形状を有しており、各ノズル付勢体76の内径、外径、および上下方向における長さは互いに同等である。上下方向において、各ノズル付勢体76の下端部は、テーパ筒部43の上端部よりも下方に位置している。各ノズル付勢体76の内径は、テーパ筒部43の上端部における外径よりも大きい。各ノズル付勢体76は、テーパ筒部43の上端部を径方向外側から囲繞しており、テーパ筒部43の外周面に当接している。ノズル付勢体76は、ノズル部材70がステム2に対して下方移動したときに、テーパ筒部43の外周面に沿って径方向外側に向けて弾性変形する。ノズル付勢体76の弾性変形に伴って、ノズル部材70には上方付勢力が作用する。ノズル付勢体76による上方付勢力は、付勢部材5による上方付勢力よりも小さい。
次に、以上のように構成された吐出ポンプ1Aの作用について説明する。なお、液用シリンダ16内には、容器本体3の内容物が予め吸い上げられているものとする。
吐出ポンプ1Aを使用する際、先ず、トリガー支持部35とともに、トリガー部材100の操作部102を握る等の操作によって、揺動軸37を中心としてトリガー部材100を下方に向けて揺動させる。これにより、押下切欠部104aの内面と被押下部74の上面とが摺動しつつ、押下部104が被押下部74を下方に押し下げる。すなわち、トリガー部材100の操作により、ノズル部材70が押下される。このとき、ノズル部材70がステム2に対して下方移動するのに伴い、図4(a)に示すように、ノズル付勢体76がテーパ筒部43の外周面に沿って径方向外側に弾性変形する。さらに、吸引ピストン44が第2摺動部71aに対して摺動し、吸引空間S2の内容積が減少することで、吐出孔73aと収容室S1との間の流路の内容積が減少する。ノズル部材70がステム2に対して所定量下方移動すると、第2摺動部71aの下端部がステム2の吸引壁部42に当接し、ノズル部材70に作用する下方に向けた力がステム2に伝えられる。
図4(b)に示すように、ノズル部材70とともにステム2が下方移動すると、液用ピストン80もステム2と一体となって下方移動する。このとき、空気用ピストン20の内筒部21が、ステム2の第1摺動部52の外周面上を摺動する。また内側摺動部24が、外側摺動部45cの内周面上を摺動する。これにより、空気用シリンダ11に対する空気用ピストン20の上下方向の位置が保持された状態で、ステム2が空気用ピストン20に対して下方移動し、内筒部21がフランジ部51から上方に離間する。この結果、ステム溝52a、第2縦溝45b、およびケーシング溝63を通じて、下室11bと収容室S1とが連通する。
さらに、内側摺動部24の上端部と嵌合筒部45の下端部とが当接するまでトリガー部材100を操作すると、ステム2とともに空気用ピストン20が下方移動し、空気用ピストン20の空気筒部22が、空気用シリンダ11の内周面上を下方に向けて摺動する。このとき、外気導入弁26は連結部23の下面に当接した状態であり、第2空気孔23aは外気導入弁26によって閉塞されている。このため、下室11b内の空気が圧縮され、この空気が、ステム溝52a、第2縦溝45b、およびケーシング溝63を通じて、収容室S1に移送される。
また、上述した過程において、液用ピストン80の下方移動に伴って弁部材90も下方移動し、弁部材90の下部弁体92が液用シリンダ16のテーパ部17に当接して、液用シリンダ16の下端開口が閉塞される。液用ピストン80がさらに下方移動すると、液用ピストン80の弁座部81aが弁部材90の上部弁体91から下方に離間する。これにより、液用シリンダ16内と下ステム50内とが連通する。さらに液用ピストン80が下方移動すると、液用シリンダ16の下端開口が閉塞されていることから、液用シリンダ16の内圧が上昇し、液用シリンダ16内の内容物が下ステム50内を流動して逆止弁4を押し上げる。以上の作用により、逆止弁4を台座部53から上方に離間させて、内容物を収容室S1内に移送することができる。
収容室S1に移送された空気および内容物は、収容室S1で合流して混合され、気液混合体となる。この気液混合体は、発泡部材60のケーシング61内に移送され、下方の発泡エレメント62のメッシュ体および上方の発泡エレメント62のメッシュ体をこの順に通過し発泡させられて、泡体(泡状の内容物)となる。泡体は、連通筒部41内、吸引空間S2内、およびノズル筒部73内を通過し、吐出孔73aから外部に吐出される。
次いで、トリガー部材100の操作を停止すると、付勢部材5の弾性復元力により、液用ピストン80が上方へ押し上げられる。これにより、液用ピストン80の弁座部81aが弁部材90の上部弁体91に当接し、弁座部81aと上部弁体91との間の隙間が閉じられて、収容室S1への内容物の移送が停止される。
また、液用ピストン80とともにステム2が上方移動し、フランジ部51が空気用ピストン20の内筒部21に当接することで、下室11bと収容室S1との連通が遮断されて、収容室S1への空気の移送が停止される。さらに、付勢部材5の弾性復元力がフランジ部51を介して空気用ピストン20に伝えられ、空気用ピストン20も上方移動する。これにより、下室11b内が負圧状態となり、外気導入弁26が下方に弾性変形させられて、第2空気孔23aが開放される。これにより、嵌合筒部45とガイド筒部34との間の隙間および第2空気孔23aを通して、下室11b内に外気が導入される。下室11bの内圧が吐出前の状態に戻ると、外気導入弁26が再び第2空気孔23aを閉塞する。
また、液用ピストン80が液用シリンダ16内を上方移動することで、液用シリンダ16内は減圧されて負圧状態となるため、吸い上げパイプPを通じて容器本体3内の内容物が液用シリンダ16内に導入される。これにより、次回の吐出に備えることができる。
また、図4(c)に示すように、トリガー部材100の操作の停止に伴い、ノズル付勢体76が生じさせる上方付勢力によって、ノズル部材70がステム2に対して上方移動する。この結果、ノズル部材70内の吸引空間S2の内容積が増大する。吸引空間S2の内容積、すなわち吐出孔73aと収容室S1との間の流路の内容積が増大すると、この流路内が負圧になることでバックサクション作用が得られ、吐出孔73a近傍の内容物が吸引空間S2に向けて吸引される。これにより、吐出孔73a近傍の内容物がノズル筒部73の先端から垂れ落ちることが抑制される。
トリガー部材100の操作および操作の解除を繰り返すと、以上の一連の作用により、吐出孔73aを通じた泡状の内容物の吐出および内容物の吸引空間S2に向けた吸引が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態の吐出ポンプ1Aでは、ノズル部材70が、ステム2に対して下方に向けて弾性変位可能に設けられている。また、ノズル部材70が押下されたときに、ノズル部材70がステム2に対して下方移動し、収容室S1と吐出孔73aとの間の流路の内容積を減少させた状態で、ノズル部材70がステム2とともに下方移動する。この構成により、ノズル部材70の復元変位に伴ってバックサクション作用が生じ、吐出孔73a近傍の内容物が吸引される。従って、吐出孔73aから内容物が垂れ落ちることを抑止することができる。
また、バックサクション作用を生じさせる吸引空間S2およびノズル付勢体76が、ノズル部材70の内部に設けられていることで、吐出ポンプ1Aのかさ張りが抑えられて吐出ポンプ1Aをコンパクトにすることができる。
また、ノズル付勢体76による上方付勢力が、付勢部材5による上方付勢力よりも小さいことで、ステム2の下方移動に先立って、ノズル部材70をステム2に対して下方移動させることができる。これにより、内容物を吐出させた後で、上記したバックサクション作用を確実に作動させて、内容物が垂れ落ちることをより確実に抑制することができる。
また、トリガー部材100の操作部102が吐出孔73aの下方に位置しているが、このような配置であっても、バックサクション作用により吐出孔73a近傍の内容物が吸引されるため、吐出孔73aから内容物が垂れて操作部102に付着するのを抑えることができる。
また、本実施形態の吐出ポンプ1Aは、収容室S1が気液混合室として機能し、内容物を泡状にして吐出させる泡吐出ポンプである。従来から、このような泡吐出ポンプでは、内容物として粘度の小さい液体が用いられている。内容物の粘度が小さいと、ノズル筒部73内に留まっている泡状の内容物が液状に戻ったときに、この液状の内容物が吐出孔73aから垂れ落ちやすい状態となる。さらに、泡吐出ポンプでは、泡をスムーズに吐出させるために吐出孔73aの内径が比較的大きく設計される場合がある。吐出孔73aの内径が大きいと、吐出される泡の勢いが小さくなり、吐出孔73a近傍に内容物が残留し易くなり、吐出孔73aから内容物が垂れ落ちやすい状態となる。このような泡吐出ポンプに対して上述したようなバックサクション機能を付与することで、泡をスムーズに吐出させつつ、吐出後に内容物が垂れ落ちることを抑止することができる。
なお、上記実施形態では、吸引ピストン44などが上ステム40と一体に形成されていたが、これらは別体に形成されていてもよい。例えば、図5に示すように、連通筒部41の上端に、上ステム40と別体の吸引部材110を設けてもよい。吸引部材110は、上ステム40の上端部に外嵌された取付筒部111と、取付筒部111の上端部から径方向内側および径方向外側に延びる環状部112と、環状部112の外周縁から径方向外側に延びる規制部113と、環状部112の外周縁から上方に延びる筒状の吸引ピストン114と、環状部112の内周縁から上方に延びるテーパ筒部115と、を有している。
規制部113は、径方向外側に向かうに従って漸次下方に向けて延びており、上下方向において、ノズル部材70の第2摺動部71aおよび抜け止め部71bの間に位置している。規制部113の径方向外端部は、第2摺動部71aおよび抜け止め部71bの径方向内端部よりも径方向外側に位置している。この構成により、規制部113は、ノズル部材70の吸引部材110に対する所定量以上の上下動を規制する。吸引ピストン114およびテーパ筒部115は、図2の吸引ピストン44およびテーパ筒部43と同様の形状および役割を有している。このような形態であっても、図2に示す実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図6に示すように、本実施形態の吐出ポンプ1Bでは、ノズル部材70に中筒部75およびノズル付勢体76が形成されていない。また、上ステム40の上端部には保持部材6が取り付けられており、保持部材6の上端部には、ノズル部材70とは別体のノズル付勢体7が取り付けられている。
保持部材6は、ノズル付勢体7をノズル部材70内で保持している。保持部材6は、上ステム40の上端部に外嵌された取付筒部6aと、取付筒部6aの上端部から径方向内側および径方向外側に延びる環状部6bと、環状部6bの外周縁から径方向外側に延びる規制部6cと、環状部6bの外周縁から上方に延びる保持筒部6dと、を有している。規制部6cは、径方向外側に向かうに従って漸次下方に向けて延びている。規制部6cは、上下方向において、ノズル部材70の第2摺動部71aおよび抜け止め部71bの間に位置している。規制部6cの径方向外端部は、第2摺動部71aおよび抜け止め部71bの径方向内端部よりも径方向外側に位置している。この構成により、規制部6cは、ノズル部材70の保持部材6に対する所定量以上の上下動を規制する。保持筒部6dの外周面には、径方向外側に向けて突出する保持突起6eが形成されている。
ノズル付勢体7は、例えばゴムやエラストマーなどの、弾性を有する軟材質により形成されている。ノズル付勢体7は、保持筒部6dに外嵌された筒状の固定部7aと、固定部7aの内周面から径方向内側に突出する嵌合突起7bと、固定部7aの上端開口部を覆うドーム部7cと、を有している。固定部7aの下端部は、下方に向かうに従って漸次拡径しており、第2摺動部71aの内周面に気密に当接している。固定部7aは、第2摺動部71aとの間で気密状態を保ったまま、第2摺動部71aに対して上下方向に摺動する。嵌合突起7bは、保持突起6eにアンダーカット嵌合している。ドーム部7cは、固定部7aから上方に突出しており、上方に向けて凸となる薄膜の曲面状に形成されている。ドーム部7cの上面は、ノズル部材70の頂壁部72に当接している。ドーム部7cの前方の部分には、切欠部7dが形成されている。切欠部7dは、ノズル筒部73の後端開口部と前後方向で対向しており、ノズル筒部73内とドーム部7c内とを連通させている。
本実施形態では、ノズル付勢体7がノズル部材70を上方付勢するとともに、ドーム部7cの内部が吸引空間S2として機能する。ノズル付勢体7による上方付勢力は、付勢部材5による上方付勢力よりも小さい。
図7(a)に示すように、トリガー部材100の操作によりノズル部材70が下方に押し下げられると、ノズル部材70が保持部材6に対して下方移動し、ノズル部材70の頂壁部72がドーム部7cに押し付けられる。これによりドーム部7cが弾性変形して、吸引空間S2の内容積が減少する。
トリガー部材100の操作を継続すると、規制部6cに第2摺動部71aが当接し、図7(b)に示すように、ノズル部材70とともにステム2が下方移動する。これにより、泡状の内容物が、保持部材6内およびドーム部7c内に流入した後、切欠部7dを通じてノズル筒部73に流入し、吐出孔73aから吐出される。このように、切欠部7dは内容物の流路となる。
トリガー部材100の操作を解除すると、付勢部材5の上方付勢力によってステム2が上方移動するとともに、ノズル付勢体7の上方付勢力によって、ノズル部材70が保持部材6に対して上方移動する。これにより、ドーム部7cが復元変形するとともに、吸引空間S2の内容積が増大する。その結果、第1実施形態と同様のバックサクション作用が得られ、吐出孔73a近傍の内容物が吸引空間S2に向けて吸引される。
以上説明したように、本実施形態の吐出ポンプ1Bでも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態の吐出ポンプ1Cでは、ノズル部材70に第2摺動部71aが形成されていない。また、上ステム40の上端部には保持部材8が取り付けられており、保持部材8はコイルバネであるノズル付勢体9を保持している。また、ノズル部材70の周壁部71内には、シールリングRが嵌合されている。
保持部材8は、上ステム40の上端部に外嵌された取付筒部8aと、取付筒部8aの上端部から径方向内側および径方向外側に延びる環状部8bと、環状部8bから上方に向けて延びる保持筒部8cと、を有している。保持筒部8cの径方向内側にはノズル付勢体9が配置されている。ノズル付勢体9の下端部は環状部8bに接し、ノズル付勢体9の上端部はノズル部材70の頂壁部72に接している。保持筒部8cの上端部のうち前方に位置する部分には、切欠き8dが形成されている。切欠き8dは、ノズル筒部73の後端開口部と前後方向で対向している。
シールリングRは、ポンプ軸Oと同軸の筒状に形成されている。シールリングRの下端部は、下方に向かうに従って漸次縮径しており、保持筒部8cの外周面に対して気密に当接している。シールリングRと保持筒部8cとは、気密状態を保ちつつ、上下に摺動する。
本実施形態では、コイルバネであるノズル付勢体9がノズル部材70を上方付勢するとともに、ノズル部材70内のシールリングRよりも上方の空間が吸引空間S2として機能する。ノズル付勢体9による上方付勢力は、付勢部材5による上方付勢力よりも小さい。
図9(a)に示すように、トリガー部材100の操作によりノズル部材70が下方に押し下げられると、ノズル部材70が保持部材8に対して下方移動し、吸引空間S2の内容積が減少する。
トリガー部材100の操作を継続すると、保持筒部8cの上端部にノズル部材70の頂壁部72が当接し、ノズル部材70とともにステム2が下方移動する(図9(b)参照)。これにより、泡状の内容物が保持筒部8c内に流入した後、切欠部8dを通じてノズル筒部73に流入し、吐出孔73aから吐出される。このように、保持筒部8cの切欠部8dは内容物の流路となる。
トリガー部材100の操作を解除すると、付勢部材5の上方付勢力によってステム2が上方移動するとともに、ノズル付勢体9の上方付勢力によって、ノズル部材70が保持部材8に対して上方移動する(図9(c)参照)。これにより、吸引空間S2の内容積が増大し、第1実施形態と同様のバックサクション作用が得られ、吐出孔73a近傍の内容物が吸引空間S2に向けて吸引される。
以上説明したように、本実施形態の吐出ポンプ1Cでも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態の吐出ポンプ1A〜1Cは泡状の内容物を吐出させるフォーマーポンプであったが、内容物を液体のまま吐出させる液体ポンプに本実施形態の構成を適用してもよい。この場合でも、吐出孔から液体の内容物が垂れ落ちるのを抑制することができる。
また、ノズル付勢体76、7、9の上方付勢力は、付勢部材5の上方付勢力と同等若しくはそれより大きくてもよい。
また、前記実施形態では、吸引空間S2の内容積を変化させることでバックサクション作用を生じさせたが、収容室S1と吐出孔73aとの間の流路のうち、他の部分の内容積を変化させてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1A〜1C…吐出ポンプ 2…ステム 4…逆止弁 5…付勢部材 7、9…ノズル付勢体 11…空気用シリンダ 16…液用シリンダ 20…空気用ピストン 60…発泡部材 80…液用ピストン 30…装着キャップ 70…ノズル部材 73…ノズル筒部 73a…吐出孔 76…ノズル付勢体 100…トリガー部材 102…操作部 S1…収容室 S2…吸引空間

Claims (4)

  1. 下方移動可能に配設されたステムと、
    前記ステムの上端部に配設され、かつ前方に突出するとともに吐出孔が形成されたノズル筒部を有するノズル部材と、
    前記ステム内に形成された収容室内に収容された逆止弁と、
    前記ステムを上方付勢する付勢部材と、を備え、
    前記ステムを下方移動させたときに、内容物が前記ステムを通じて前記吐出孔から吐出される吐出ポンプであって、
    前記ノズル部材は、前記ステムに対して下方に向けて弾性変位可能に設けられ、
    前記ノズル部材が押下されたときに、前記ノズル部材は前記ステムに対して下方移動し、前記収容室と前記吐出孔との間の流路の内容積が減少し、
    前記流路には、前記ノズル部材の内部に位置する吸引空間が含まれ、
    前記ノズル部材の内部には、前記ノズル部材を前記ステムに対して上方付勢するノズル付勢体が設けられ、
    前記ノズル付勢体が前記ノズル部材に作用させる上方付勢力は、前記付勢部材が前記ステムに作用させる上方付勢力よりも小さく、
    前記ノズル部材が前記ステムに対して下方移動したときに、前記吸引空間の内容積が減少することを特徴とする、吐出ポンプ。
  2. 前記ノズル部材が押下されたときに、前記流路の内容積を減少させた状態で、前記ノズル部材が前記ステムとともに下方移動することを特徴とする、請求項1に記載の吐出ポンプ。
  3. 前記ノズル部材を下方移動させるトリガー部材を備え、
    前記トリガー部材は、前記吐出孔の下方に位置する操作部を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の吐出ポンプ。
  4. 前記ステムに連係して上下動する空気用ピストンおよび液用ピストンと、
    内部に前記空気用ピストンが上下摺動自在に設けられた空気用シリンダと、
    内部に前記液用ピストンが上下摺動自在に設けられた液用シリンダと、を備え、
    前記収容室内では、前記空気用シリンダから移送される空気と前記液用シリンダから移送される内容物とが混合され、
    前記流路には、前記収容室内で混合された気液混合体を発泡させて内容物を泡状にする発泡部材が設けられていることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の吐出ポンプ。
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