JP6908173B2 - 銅/セラミックス接合体、絶縁回路基板、及び、銅/セラミックス接合体の製造方法、絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

銅/セラミックス接合体、絶縁回路基板、及び、銅/セラミックス接合体の製造方法、絶縁回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、銅又は銅合金からなる銅部材と、窒素含有セラミックスからなるセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体、窒素含有セラミックスからなるセラミックス基板の表面に銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板、及び、銅/セラミックス接合体の製造方法、絶縁回路基板の製造方法に関するものである。
パワーモジュール、LEDモジュール及び熱電モジュールにおいては、絶縁層の一方の面に導電材料からなる回路層を形成した絶縁回路基板に、パワー半導体素子、LED素子及び熱電素子が接合された構造とされている。
例えば、風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子は、動作時の発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、を備えた絶縁回路基板が、従来から広く用いられている。なお、絶縁回路基板としては、セラミックス基板の他方の面に金属板を接合して金属層を形成したものも提供されている。
例えば、特許文献1には、セラミックス基板の一方の面及び他方の面に、銅板を接合することにより回路層及び金属層を形成した絶縁回路基板が提案されている。この特許文献1においては、セラミックス基板の一方の面及び他方の面に、Ag−Cu−Ti系ろう材を介在させて銅板を配置し、加熱処理を行うことにより銅板が接合されている(いわゆる活性金属ろう付け法)。この活性金属ろう付け法では、活性金属であるTiが含有されたろう材を用いているため、溶融したろう材とセラミックス基板との濡れ性が向上し、セラミックス基板と銅板とが良好に接合されることになる。
また、特許文献2においては、Cu−Mg−Ti系ろう材を用いて、セラミックス基板と銅板とを接合した絶縁回路基板が提案されている。
この特許文献2においては、窒素ガス雰囲気下にて560〜800℃で加熱することによって接合する構成とされており、Cu−Mg−Ti合金中のMgは昇華して接合界面には残存せず、かつ、窒化チタン(TiN)が実質的に形成しないものとされている。
特許第3211856号公報 特許第4375730号公報
ところで、SiC等を用いた高温半導体デバイスにおいては、半導体素子が高密度に実装されることがあり、これに用いられる絶縁回路基板には、より高温での動作を保証する必要がある。
このため、従来よりも厳しい冷熱サイクルを負荷した場合であっても、セラミックス基板の割れの発生を抑制することが必要となる。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、厳しい冷熱サイクルを負荷した場合であっても、セラミックス基板の割れの発生を抑制でき、冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、絶縁回路基板、及び、銅/セラミックス接合体の製造方法、絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の銅/セラミックス接合体は、銅又は銅合金からなる銅部材と、窒素含有セラミックスからなるセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、前記銅部材と前記セラミックス部材との間においては、前記セラミックス部材側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層が形成され、この活性金属窒化物層と前記銅部材との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層が形成されており、前記活性金属窒化物層の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子が分散されており、前記セラミックス部材側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C1(原子%)と、前記銅部材側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C2(原子%)との比C2/C1が0.8以下であることを特徴としている。
本発明の銅/セラミックス接合体によれば、前記セラミックス部材側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層が形成され、この活性金属窒化物層と前記銅部材との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層が形成されているので、界面反応が十分に進行しており、銅部材とセラミックス部材とが強固に接合されている。
そして、前記活性金属窒化物層の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子が分散されているので、冷熱サイクル負荷時において、硬い活性金属窒化物層における応力を緩和でき、この活性金属窒化物層に隣接するセラミックス部材の割れの発生を抑制することができる。
また、前記活性金属窒化物層において、前記セラミックス部材側の銅濃度が前記銅部材側の銅濃度よりも高いため、界面反応が十分に進行しており、銅部材とセラミックス部材とがさらに強固に接合されている。
ここで、本発明の銅/セラミックス接合体においては、前記Cu含有粒子の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記Cu含有粒子の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされているので、活性金属窒化物層における応力緩和効果を十分に奏功せしめることができ、この活性金属窒化物層に隣接するセラミックス部材の割れの発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の銅/セラミックス接合体においては、前記活性金属窒化物層の内部に、Mgが存在することが好ましい。
この場合、前記活性金属窒化物層の内部に存在するMgによって、活性金属窒化物層における応力緩和効果を得ることができ、この活性金属窒化物層に隣接するセラミックス部材の割れの発生をさらに抑制することができる。
本発明の絶縁回路基板は、窒素含有セラミックスからなるセラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板であって、前記銅板と前記セラミックス基板との間においては、前記セラミックス基板側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層が形成され、この活性金属窒化物層と前記銅板との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層が形成されており、前記活性金属窒化物層の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子が分散されており、前記セラミックス基板側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C1(原子%)と、前記銅板側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C2(原子%)との比C2/C1が0.8以下であることを特徴としている。
本発明の絶縁回路基板によれば、前記セラミックス基板側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層が形成され、この活性金属窒化物層と前記銅板との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層が形成されているので、界面反応が十分に進行しており、銅板とセラミックス基板とが強固に接合されている。
そして、前記活性金属窒化物層の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子が分散されているので、冷熱サイクル負荷時において、硬い活性金属窒化物層における応力を緩和でき、この活性金属窒化物層に隣接するセラミックス基板の割れの発生を抑制することができる。
また、前記活性金属窒化物層において、前記セラミックス基板側の銅濃度が前記銅板側の銅濃度よりも高いため、界面反応が十分に進行しており、銅板とセラミックス基板とがさらに強固に接合されている。
ここで、本発明の絶縁回路基板においては、前記Cu含有粒子の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記Cu含有粒子の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされているので、活性金属窒化物層における応力緩和効果を十分に奏功せしめることができ、この活性金属窒化物層に隣接するセラミックス基板の割れの発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の絶縁回路基板においては、前記活性金属窒化物層の内部に、Mgが存在することが好ましい。
この場合、前記活性金属窒化物層の内部に存在するMgによって、活性金属窒化物層における応力緩和効果を得ることができ、この活性金属窒化物層に隣接するセラミックス基板の割れの発生をさらに抑制することができる。
本発明の銅/セラミックス接合体の製造方法は、上述の銅/セラミックス接合体を製造する銅/セラミックス接合体の製造方法であって、前記銅部材と前記セラミックス部材との間に、Ti,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属及びMgを配置する活性金属及びMg配置工程と、前記銅部材と前記セラミックス部材とを、活性金属及びMgを介して積層する積層工程と、活性金属及びMgを介して積層された前記銅部材と前記セラミックス部材とを積層方向に加圧した状態で、真空雰囲気下において加熱処理して接合する接合工程と、を備えており、前記活性金属及びMg配置工程では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内とし、前記接合工程では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持し、その後、700℃以上の温度で15min以上保持することを特徴としている。
この構成の銅/セラミックス接合体の製造方法によれば、前記活性金属及びMg配置工程では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内としているので、界面反応に必要な液相を十分に得ることができる。よって、銅部材とセラミックス部材とを確実に接合することができる。
そして、前記接合工程では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持しているので、中間温度で保持した際に、固相状態でセラミックスの分解反応が進み、局所的にMgを含む液相が発生し、セラミックス部材の内部にMgが侵入する。
また、中間温度で保持した後に、700℃以上の温度で15min以上保持するので、活性金属窒化物層が生成する。また、セラミックス部材の内部では、Mgが侵入した部分を起点にCu−Mg液相が生成し、セラミックス部材の内部にCuが侵入し、Cu含有粒子が分散することになる。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、上述の絶縁回路基板を製造する絶縁回路基板の製造方法であって、前記銅板と前記セラミックス基板との間に、Ti,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属及びMgを配置する活性金属及びMg配置工程と、前記銅板と前記セラミックス基板とを、活性金属及びMgを介して積層する積層工程と、活性金属及びMgを介して積層された前記銅板と前記セラミックス基板とを積層方向に加圧した状態で、真空雰囲気下において加熱処理して接合する接合工程と、を備えており、前記活性金属及びMg配置工程では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内とし、前記接合工程では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持し、その後、700℃以上の温度で15min以上保持することを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板の製造方法によれば、前記活性金属及びMg配置工程では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内としているので、界面反応に必要な液相を十分に得ることができる。よって、銅板とセラミックス基板とを確実に接合することができる。
そして、前記接合工程では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持しているので、中間温度で保持した際に、固相状態でセラミックス分解反応が進み、局所的にMgを含む液相が発生し、セラミックス基板の内部にMgが侵入する。
また、中間温度で保持した後に、700℃以上の温度で15min以上保持しているので、Mgが侵入した部分を起点にCu−Mg液相が生成し、セラミックス基板の内部にCuが侵入し、Cu含有粒子が分散することになる。
本発明によれば、厳しい冷熱サイクルを負荷した場合であっても、セラミックス基板の割れの発生を抑制でき、冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、絶縁回路基板、及び、銅/セラミックス接合体の製造方法、絶縁回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る絶縁回路基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の回路層(金属層)とセラミックス基板との接合界面の観察結果である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の回路層(金属層)とセラミックス基板との接合界面の拡大説明図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の製造方法のフロー図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の製造方法の概略説明図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係る銅/セラミックス接合体は、セラミックスからなるセラミックス部材としてのセラミックス基板11と、銅又は銅合金からなる銅部材としての銅板22(回路層12)及び銅板23(金属層13)とが接合されてなる絶縁回路基板10である。図1に、本実施形態である絶縁回路基板10を備えたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、セラミックス基板11に回路層12及び金属層13が配設された絶縁回路基板10と、回路層12の一方の面(図1において上面)に接合層2を介して接合された半導体素子3と、金属層13の他方側(図1において下側)に配置されたヒートシンク30と、を備えている。
半導体素子3は、Si等の半導体材料で構成されている。この半導体素子3と回路層12は、接合層2を介して接合されている。
接合層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材で構成されている。
ヒートシンク30は、前述の絶縁回路基板10からの熱を放散するためのものである。このヒートシンク30は、Cu又はCu合金で構成されており、本実施形態ではりん脱酸銅で構成されている。このヒートシンク30には、冷却用の流体が流れるための流路31が設けられている。
なお、本実施形態においては、ヒートシンク30と金属層13とが、はんだ材からなるはんだ層32によって接合されている。このはんだ層32は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材で構成されている。
そして、本実施形態である絶縁回路基板10は、図1に示すように、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13と、を備えている。
セラミックス基板11は、絶縁性および放熱性に優れた窒素含有セラミックスで構成されており、本実施形態では、窒化アルミニウム(AlN)で構成されている。このセラミックス基板11の厚さは、例えば、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。窒化アルミニウム(AlN)以外にも窒化ケイ素を用いることもできる。
回路層12は、図5に示すように、セラミックス基板11の一方の面(図5において上面)に、銅又は銅合金からなる銅板22が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、回路層12は、無酸素銅の圧延板からなる銅板22がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
なお、回路層12となる銅板22の厚さは0.1mm以上2.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
金属層13は、図5に示すように、セラミックス基板11の他方の面(図5において下面)に、銅又は銅合金からなる銅板23が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、金属層13は、無酸素銅の圧延板からなる銅板23がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
なお、金属層13となる銅板23の厚さは0.1mm以上2.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
セラミックス基板11と回路層12(金属層13)との接合界面においては、図2及び図3に示すように、セラミックス基板11側に、Ti,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物からなる活性金属窒化物層41が形成され、この活性金属窒化物層41に積層するようにMg固溶層45が形成されている。
Mg固溶層45は、回路層12(金属層13)とセラミックス基板11との接合界面を、EPMA装置(日本電子株式会社製JXA−8539F)を用いて、倍率2000倍、加速電圧15kVの条件で接合界面を含む領域(縦400μm×横600μm)を観察し、セラミックス基板11表面から回路層12(金属層13)側に向かって10μm間隔の10点で定量分析を行い、Cu濃度+Mg濃度=100原子%として、Mg濃度が0.01原子%以上6.9原子%以下である領域である。なお、接合界面は測定しない。よって、Mg固溶層45は、セラミックス基板11表面から銅板回路層12(金属層13)側に向かって、10μm以上離れた領域に存在する。
なお、本実施形態では、活性金属としてTiを用いることが好ましく、この場合、活性金属窒化物層41は、窒化チタン(TiN)で構成されることになる。
ここで、本実施形態においては、活性金属窒化物層41の厚さが50nm以上1200nm以下の範囲内とされていることが好ましい。なお、活性金属窒化物層41の厚さの下限は100nm以上であることがさらに好ましく、150nm以上であることがより好ましい。一方、活性金属窒化物層41の厚さの上限は800nm以下であることがさらに好ましく、600nm以下であることがより好ましい。
そして、活性金属窒化物層41の内部には、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子42が分散されている。
なお、上述のCu含有粒子42は、活性金属窒化物層41のセラミックス基板11側に多く存在しており、活性金属窒化物層41のうちセラミックス基板11との界面から500nmまでの界面近傍領域に、活性金属窒化物層41内で観察されるCu含有粒子42の65%以上(個数基準)が分布している。なお、上記界面近傍領域に分布するCu含有粒子42のより好ましい割合は85%以上であり、さらに好ましくは95%以上であり、上限値は100%である。
ここで、本実施形態においては、Cu含有粒子42は、粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
なお、活性金属窒化物層41の内部に分散するCu含有粒子42の円相当径は15nm以上であることがさらに好ましく、20nm以上であることがより好ましい。一方、上述のCu含有粒子42の円相当径は70nm以下であることがさらに好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態においては、活性金属窒化物層41の内部には、Mgが存在していてもよい。この場合、活性金属窒化物層41の内部に存在するMgによって、活性金属窒化物層41における応力緩和効果を得ることができ、この活性金属窒化物層41に隣接するセラミックス基板11の割れの発生をさらに抑制することができる。
ここで、Mgが存在しているとは、活性金属窒化物層41に対し、STEM−EDX分析でMg濃度がCu+Mg+活性金属(Ti,Zr,Nb,Hf)=100原子%としたとき、0.01原子%以上70原子%以下であった場合をMgが存在していると定義する。
さらに、本実施形態においては、セラミックス基板11側界面から活性金属窒化物層41の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C1(原子%)と、回路層12(金属層13)側界面から活性金属窒化物層41の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C2(原子%)との比C2/C1が0.8以下であることが好ましい。
なお、上述の銅濃度の比C2/C1の下限に特に限定はないが、0.01以上とすることが好ましい。
以下に、本実施形態に係る絶縁回路基板10の製造方法について、図4及び図5を参照して説明する。
(活性金属及びMg配置工程S01)
まず、窒化アルミニウム(AlN)からなるセラミックス基板11を準備し、図5に示すように、回路層12となる銅板22とセラミックス基板11との間、及び、金属層13となる銅板23とセラミックス基板11との間に、それぞれTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属及びMgを配置する。
本実施形態では、回路層12となる銅板22とセラミックス基板11との間、及び、金属層13となる銅板23とセラミックス基板11との間に、Mg箔25と活性金属箔26を配設している。
ここで、活性金属及びMg配置工程S01では、配置する活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内とする。
なお、配置する活性金属量は0.9μmol/cm以上とすることが好ましく、2.8μmol/cm以上とすることがさらに好ましい。一方、配置する活性金属量は9.4μmol/cm以下とすることが好ましく、6.6μmol/cm以下とすることがさらに好ましい。
また、配置するMg量は21μmol/cm以上とすることが好ましく、28μmol/cm以上とすることがさらに好ましい。一方、配置するMg量は72μmol/cm以下とすることが好ましく、57μmol/cm以下とすることがさらに好ましい。
(積層工程S02)
次に、銅板22とセラミックス基板11を、活性金属箔26及びMg箔25を介して積層するとともに、セラミックス基板11と銅板23を、活性金属箔26及びMg箔25を介して積層する。
(接合工程S03)
次に、積層された銅板22、活性金属箔26、Mg箔25、セラミックス基板11、Mg箔25、活性金属箔26、銅板23を、積層方向に加圧するとともに、真空炉内に装入して加熱し、銅板22とセラミックス基板11と銅板23を接合する。
ここで、接合工程S03においては、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持する中間保持工程と、その後、加熱して700℃以上の温度で15min以上保持する高温保持工程と、を備えている。
Cu−Mgの共晶温度(484℃)未満の中間温度で保持することで、接合界面において固相状態でセラミックス基板11とMgとが反応し、セラミックスの分解反応が進み、局所的にMgを含む液相が発生し、セラミックス基板11の内部にMgが侵入する。
ここで、中間保持工程における保持温度が440℃未満では、セラミックス基板11と活性金属との反応が不十分となるおそれがある。また、中間保持工程における保持温度が480℃以上となると、接合界面に液相が生じ、固相状態でセラミックス基板11とMgとを反応させることができず、後述する高温保持工程において、活性金属窒化物層41の内部にCu含有粒子42を十分に分散させることができないおそれがある。
よって、中間保持工程における保持温度は440℃以上であり、好ましくは445℃以上であり、さらに好ましくは450℃以上である。一方、中間保持工程における保持温度は480℃未満であり、好ましくは475℃以下であり、さらに好ましくは470℃以下である。
また、中間保持工程における保持時間が30min未満では、セラミックス基板11と活性金属との反応が不十分となるおそれがある。また、中間保持工程における保持時間が150min以上を超えると、固相状態での反応が過剰に進行し、銅板22,23とセラミックス基板11とを接合できなくなるおそれがある。
よって、中間保持工程における保持時間は30min以上であり、好ましくは45min以上であり、さらに好ましくは60min以上である。一方、中間保持工程における保持時間は150min以下であり、好ましくは120min以下であり、さらに好ましくは90min以下である。
中間保持工程の後、700℃以上の温度で15min以上保持する高温保持工程により、接合界面に液相が形成され、活性金属窒化物層41が生成し、セラミックス基板11と銅板22,23とが強固に接合されることになる。また、セラミックス基板11の内部では、Mgが侵入した部分を起点にCu−Mg液相が生成し、セラミックス基板11の内部にCuが侵入し、Cu含有粒子が分散する。
ここで、高温保持工程における加熱温度が700℃未満では、十分に液相を確保できず、セラミックス基板11と銅板22,23とを強固に接合できないおそれがある。
よって、高温保持工程における加熱温度は700℃以上であり、好ましくは730℃以上であり、さらに好ましくは750℃以上である。なお、高温保持工程における加熱温度は、850℃以下とすることが好ましく、830℃以下とすることがより好ましい。
また、高温保持工程における保持時間が15min未満では、セラミックス基板11と銅板22,23とを強固に接合できないおそれがある。
よって、高温保持工程における保持時間は15min以上であり、好ましくは30min以上であり、さらに好ましくは45min以上である。なお、高温保持工程における保持時間は、150min以下とすることが好ましく、120min以下とすることがより好ましい。
以上のように、活性金属及びMg配置工程S01と、積層工程S02と、接合工程S03とによって、本実施形態である絶縁回路基板10が製造されることになる。
(ヒートシンク接合工程S04)
次に、絶縁回路基板10の金属層13の他方の面側にヒートシンク30を接合する。
絶縁回路基板10とヒートシンク30とを、はんだ材を介して積層して加熱炉に装入し、はんだ層32を介して絶縁回路基板10とヒートシンク30とをはんだ接合する。
(半導体素子接合工程S05)
次に、絶縁回路基板10の回路層12の一方の面に、半導体素子3をはんだ付けにより接合する。
上述の工程により、図1に示すパワーモジュール1が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態の絶縁回路基板10(銅/セラミックス接合体)によれば、セラミックス基板11側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層41が形成され、この活性金属窒化物層41と回路層12(金属層13)との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層45が形成されているので、界面反応が十分に進行しており、回路層12(金属層13)とセラミックス基板11とが強固に接合されている。
そして、本実施形態においては、活性金属窒化物層41の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子42が分散されているので、冷熱サイクル負荷時において、硬い活性金属窒化物層41における応力を緩和でき、この活性金属窒化物層41に隣接するセラミックス基板11の割れの発生を抑制することができる。
また、本実施形態において、Cu含有粒子42の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされている場合には、Cu含有粒子42による活性金属窒化物層41における応力緩和効果を十分に奏功せしめることができ、この活性金属窒化物層41に隣接するセラミックス基板11の割れの発生をさらに抑制することができる。
さらに、本実施形態において、活性金属窒化物層41の内部にMgが存在する場合には、このMgによって、活性金属窒化物層41における応力緩和効果を得ることができ、この活性金属窒化物層41に隣接するセラミックス基板11の割れの発生をさらに抑制することができる。
また、本実施形態においては、セラミックス基板11側界面から活性金属窒化物層41の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C1(原子%)と、回路層12(金属層13)側界面から活性金属窒化物層41の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C2(原子%)との比C2/C1が0.8以下である場合には、活性金属窒化物層41において、セラミックス基板11側の銅濃度が回路層12(金属層13)側の銅濃度よりも高いため、界面反応が十分に進行しており、回路層12(金属層13)とセラミックス基板11とがさらに強固に接合されている。
本実施形態である絶縁回路基板の製造方法によれば、活性金属及びMg配置工程S01では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内としているので、界面反応に必要な液相を十分に得ることができる。よって、銅板22,23とセラミックス基板11とを確実に接合することができる。
そして、接合工程S03では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持し、その後、700℃以上の温度で15min以上保持する構成としているので、上述の中間温度で保持した際に、固相状態でセラミックス分解反応が進み、局所的にMgを含む液相が発生し、セラミックス基板11の内部にMgが侵入する。
また、中間温度で保持した後に、700℃以上の温度で15min以上保持しているので、活性金属窒化物層41が生成する。また、セラミックス基板11の内部では、Mgが侵入した部分を起点にCu−Mg液相が生成し、セラミックス基板11の内部にCuが侵入し、Cu含有粒子が分散することになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、絶縁回路基板に半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板の回路層にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
また、本実施形態の絶縁回路基板では、回路層と金属層がともに銅又は銅合金からなる銅板によって構成されたものとして説明したが、これに限定されることはない。
例えば、回路層とセラミックス基板とが本発明の銅/セラミックス接合体で構成されていれば、金属層の材質や接合方法に限定はなく、金属層がなくてもよいし、金属層がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていてもよく、銅とアルミニウムの積層体で構成されていてもよい。
一方、金属層とセラミックス基板とが本発明の銅/セラミックス接合体で構成されていれば、回路層の材質や接合方法に限定はなく、回路層がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていてもよく、銅とアルミニウムの積層体で構成されていてもよい。
さらに、本実施形態では、銅板とセラミックス基板との間に、活性金属箔とMg箔を積層する構成として説明したが、これに限定されることはなく、Mgと活性金属の合金箔を配設してもよい。また、セラミックス基板及び銅板の接合面に、Mg、活性金属、Mgと活性金属の合金等からなる薄膜を、スパッタ法や蒸着法等によって成膜してもよい。また、MgまたはMgHを用いたペーストや、活性金属または活性金属水素化物を用いたペースト、および、これらの混合ペーストを用いてもよい。
なお、本実施形態において、接合工程S03における加圧荷重は、0.049MPa以上3.4MPa以下の範囲内とすることが好ましい。さらに、接合工程S03における真空度は、1×10−6Pa以上5×10−2Pa以下の範囲内とすることが好ましい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
(実施例1)
まず、表1,2に示すセラミックス基板(40mm×40mm)を準備した。本発明例1〜4及び比較例1〜5においては、厚さ0.635mmの窒化アルミニウム(AlN)を使用し、本発明例11〜14及び比較例11〜15においては、厚さ0.32mmの窒化ケイ素(Si)を使用した。
このセラミックス基板の両面に、無酸素銅からなる銅板(37mm×37mm×厚さ0.3mm)を表1,2に示す条件で接合し、絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)を得た。なお、接合時の真空炉の真空度は6×10−3Paとした。
得られた絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)について、接合界面におけるMg固溶層の有無、活性金属窒化物層におけるCu含有粒子(Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方)の有無及び円相当径、活性金属窒化物層におけるMgの有無、冷熱サイクル負荷後のセラミックス基板の割れの有無について、以下のように評価した。
(Mg固溶層)
銅板とセラミックス基板との接合界面を、EPMA装置(日本電子株式会社製JXA−8539F)を用いて、倍率2000倍、加速電圧15kVの条件で接合界面を含む領域(縦400μm×横600μm)を観察し、セラミックス基板表面から銅板側に向かって10μm間隔の10点で定量分析を行い、Cu濃度+Mg濃度=100原子%としてMg濃度が0.01原子%以上6.9原子%以下である領域をMg固溶層とした。測定は5視野で行い、一か所でもMg固溶層が観察された場合を「有」として、表3及び表4に記載した。
(活性金属窒化物層)
銅板とセラミックス基板との接合界面を、走査型電子顕微鏡(カールツァイスNTS社製ULTRA55)を用いて、倍率15000倍(測定範囲:6μm×8μm)、視野数5で観察を行い、活性金属窒化物層の有無を確認し、活性金属窒化物層におけるCu含有粒子の有無を確認した。また、観察されたCu含有粒子の円相当径を算出した。
さらに、活性金属窒化物層におけるMgの有無を確認した。活性金属窒化物層におけるMgの有無の確認は上述した方法によって行った。測定は5視野で行い、一か所でもMgが観察された場合を「有」として、表3及び表4に記載した。
(セラミックス基板の割れ)
−78℃×2min←→350℃×2minの冷熱サイクルを負荷させた後、SAT検査により、銅板とセラミックス基板の接合界面を検査し、セラミックス割れを確認し、割れが確認されたサイクル数を評価した。
なお、セラミックス基板として窒化アルミニウム(AlN)を用いた本発明例1〜4及び比較例1,2においては、上述の冷熱サイクルを10サイクルまで実施し、10サイクル後に割れが確認されなかったものは「>10」と表示した。
また、セラミックス基板として窒化ケイ素(Si)を用いた本発明例11〜14及び比較例11,12においては、上述の冷熱サイクルを20サイクルまで実施し、20サイクル後に割れが確認されなかったものは「>20」と表示した。
Figure 0006908173
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中間温度保持工程を実施しなかった比較例1においては、活性金属窒化物層にCu含有粒子が存在せず、冷熱サイクル負荷後にセラミックス基板の割れが発生した。
中間温度保持工程における保持温度が200℃と低い比較例2においては、活性金属窒化物層にCu含有粒子が存在せず、冷熱サイクル負荷後にセラミックス基板の割れが発生した。
中間温度保持工程における保持時間が5minと短い比較例11においては、活性金属窒化物層にCu含有粒子が存在せず、冷熱サイクル負荷後にセラミックス基板の割れが発生した。
Mg量が7μmol/cmと少ない比較例3及び比較例13、活性金属量が0.1μmol/cmと少ない比較例4、中間温度保持工程における保持温度が520℃と高い比較例5及び比較例15、中間温度保持工程における保持時間が500minと長い比較例12、活性金属量が0.2μmol/cmと少ない比較例14においては、銅板とセラミックス基板とを接合することができなかった。このため、その後の評価を中止した。
これに対して、活性金属窒化物層にCu含有粒子が分散している本発明例1−4,11−14においては、冷熱サイクル負荷後にセラミックス基板の割れが確認されなかった。
(実施例2)
次に、表5,6に示すセラミックス基板(40mm×40mm)を準備した。本発明例21〜28においては、厚さ0.635mmの窒化アルミニウム(AlN)を使用し、本発明例31〜38においては、厚さ0.32mmの窒化ケイ素(Si)を使用した。
このセラミックス基板の両面に、無酸素銅からなる銅板(37mm×37mm×厚さ0.3mm)を表5,6に示す条件で接合し、絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)を得た。なお、接合時の真空炉の真空度は6×10−3Paとした。
得られた絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)に対して、接合界面におけるMg固溶層の有無、および、活性金属窒化物層におけるCu含有粒子(Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方)の有無について、実施例1に記載した方法で評価した。また、活性金属窒化物層における銅濃度、および、冷熱サイクル負荷後のセラミックス基板の割れの有無について、以下のように評価した。
(活性金属窒化物層における銅濃度)
銅板とセラミックス基板との接合界面を、走査型透過電子顕微鏡(FEI製Titan ChemiSTEM)を用いて、加速電圧200kV、倍率2万倍から20万倍で厚さ方向のCu、Mg、N及び活性金属(Ti,Zr,Nb,Hf)のライン分析を実施した。そして、縦軸を銅濃度(Cu、Mg、N、活性金属の合計量を100原子%とした時の銅濃度)、横軸を測定位置としてグラフを作成した。
活性金属窒化物層の界面位置は、セラミックス基板又は銅板から見て窒化物形成元素がはじめて10原子%以上となった位置と定義した。そして、セラミックス基板側界面から活性金属窒化物層の全厚の25%位置まで領域の銅濃度の平均値をC1、銅板側界面から活性金属窒化物層の全厚の25%位置まで領域の銅濃度の平均値をC2とし、濃度比C2/C1を算出した。測定は、5視野、各1ラインで行い、得られた濃度比C2/C1の平均値を求め、それを表7,8に記載した。
(セラミックス基板の割れ)
−78℃×5min←→350℃×5minの冷熱サイクルを負荷させた後、SAT検査により、銅板とセラミックス基板の接合界面を検査し、セラミックス割れを確認し、割れが確認されたサイクル数を評価した。
なお、セラミックス基板として窒化アルミニウム(AlN)を用いた本発明例21〜28においては、上述の冷熱サイクルを8サイクルまで実施し、8サイクル後に割れが確認されなかったものは「>8」と表示した。
また、セラミックス基板として窒化ケイ素(Si)を用いた本発明例31〜38においては、上述の冷熱サイクルを16サイクルまで実施し、16サイクル後に割れが確認されなかったものは「>16」と表示した。
Figure 0006908173
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活性金属窒化物層における銅濃度の比C2/C1が0.8以下とした本発明例21〜27においては、上述の銅濃度の比C2/C1が0.8を超える本発明例28に比べて、冷熱サイクル負荷時の割れの発生を抑制できることが確認された。
また、本発明例31〜38においては、同一の活性元素を比べた場合には、活性金属窒化物層における銅濃度の比C2/C1が小さい方が冷熱サイクル負荷時の割れの発生を抑制できることが確認された。
以上の結果、本発明例によれば、厳しい冷熱サイクルを負荷した場合であっても、セラミックス基板の割れの発生を抑制でき、冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、絶縁回路基板、及び、銅/セラミックス接合体の製造方法、絶縁回路基板の製造方法を提供可能であることが確認された。
10 絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)
11 セラミックス基板(セラミックス部材)
12 回路層(銅部材)
13 金属層(銅部材)
41 活性金属窒化物層
42 Cu含有粒子(Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子)
45 Mg固溶層

Claims (8)

  1. 銅又は銅合金からなる銅部材と、窒素含有セラミックスからなるセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、
    前記銅部材と前記セラミックス部材との間においては、前記セラミックス部材側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層が形成され、この活性金属窒化物層と前記銅部材との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層が形成されており、
    前記活性金属窒化物層の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子が分散されており、
    前記セラミックス部材側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C1(原子%)と、前記銅部材側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C2(原子%)との比C2/C1が0.8以下であることを特徴とする銅/セラミックス接合体。
  2. 前記Cu含有粒子の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の銅/セラミックス接合体。
  3. 前記活性金属窒化物層の内部に、Mgが存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅/セラミックス接合体。
  4. 窒素含有セラミックスからなるセラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板であって、
    前記銅板と前記セラミックス基板との間においては、前記セラミックス基板側にTi,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属の窒化物を含む活性金属窒化物層が形成され、この活性金属窒化物層と前記銅板との間にCuの母相中にMgが固溶したMg固溶層が形成されており、
    前記活性金属窒化物層の内部に、Cu粒子及びCuと活性金属の化合物粒子のいずれか一方又は両方からなるCu含有粒子が分散されており、
    前記セラミックス基板側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C1(原子%)と、前記銅板側界面から前記活性金属窒化物層の全厚の25%位置までの領域の平均銅濃度C2(原子%)との比C2/C1が0.8以下であることを特徴とする絶縁回路基板。
  5. 前記Cu含有粒子の粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項4に記載の絶縁回路基板。
  6. 前記活性金属窒化物層の内部に、Mgが存在することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の絶縁回路基板。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の銅/セラミックス接合体を製造する銅/セラミックス接合体の製造方法であって、
    前記銅部材と前記セラミックス部材との間に、Ti,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属及びMgを配置する活性金属及びMg配置工程と、
    前記銅部材と前記セラミックス部材とを、活性金属及びMgを介して積層する積層工程と、
    活性金属及びMgを介して積層された前記銅部材と前記セラミックス部材とを積層方向に加圧した状態で、真空雰囲気下において加熱処理して接合する接合工程と、
    を備えており、
    前記活性金属及びMg配置工程では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内とし、
    前記接合工程では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持し、その後、700℃以上の温度で15min以上保持することを特徴とする銅/セラミックス接合体の製造方法。
  8. 請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記銅板と前記セラミックス基板との間に、Ti,Zr,Nb,Hfから選択される1種以上の活性金属及びMgを配置する活性金属及びMg配置工程と、
    前記銅板と前記セラミックス基板とを、活性金属及びMgを介して積層する積層工程と、
    活性金属及びMgを介して積層された前記銅板と前記セラミックス基板とを積層方向に加圧した状態で、真空雰囲気下において加熱処理して接合する接合工程と、
    を備えており、
    前記活性金属及びMg配置工程では、活性金属量を0.4μmol/cm以上18.8μmol/cm以下の範囲内、Mg量を14μmol/cm以上86μmol/cm以下の範囲内とし、
    前記接合工程では、440℃以上480℃未満の中間温度で30min以上150min以下保持し、その後、700℃以上の温度で15min以上保持することを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
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