JP6903840B2 - 中空ブロックの継手装置及び同装置に用いる継手部材 - Google Patents

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本発明は、六面体より成るブロック本体の内部に中空部を有し、上記中空部とブロック本体の外部を通じる開口部を六面全部又は一部に有する中空ブロックの継手装置及び同装置に用いる継手部材に関するものである。
立方体より成るブロック本体の内部に中空部を有し、上記中空部とブロック本体の外部を通じる円形の開口部を六面全部又は一部に有するコンクリート製の中空ブロックがあり、ポカラ(POKARA)という商品名で流通している。ポカラのような中空ブロックはほぼ80%を超える空隙率を有し、かつ、軽いという長所があり、また、その一方、重さが必要なときは内部に土やコンクリートなどを充填することも可能である。
この種の中空ブロックは特開平11−5205号、特開平11−105024号に開示されており、かつまた、特開平11−36314号によって接ぎ手が開示されている。上記接ぎ手は接ぎ手それ自体もコンクリート製の大きなブロックから成り、それが中空ブロック間に介在するため、構造物全体の空隙率は、例えば84%程度とさらに高くなり、それも一つの技術的特徴となる。しかし、このような接ぎ手ブロックは、上下4個の中空ブロックのそれぞれのコーナー部の突き合わせ部に嵌め込まれて相互に接合する構造を取るため、材料費から施工費に至るまでのコストが高く経済性の良くないことも指摘される。
また、上下4個の中空ブロックのそれぞれのコーナー部の突き合わせ部に接ぎ手ブロックを嵌め込んで相互に接合する構造は、中空ブロックの荷重を負担する際に問題となって現れる。すなわち、中空ブロックに外力として加わる隣接ブロックの荷重、土圧及び水圧は接ぎ手ブロックの荷重と共にコーナー部に掛かるため、継手ブロック4個の水平、垂直を取ることが大事であり、そこに不備を生じた場合にはコーナー部間の梁部分に曲げ応力が現れる。このため、中空ブロックの破損の原因となるというような問題が起こり得る。しかしながら、ポカラのような中空ブロックでは接ぎ手ブロックも空隙率の大きさに寄与しており、上記の問題が起こり得ると認識されるには至っていない。
特開平11−5205号 特開平11−105024号 特開平11−36314号
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、上記のような中空ブロックを使用してもコーナー部間の梁部分における曲げ応力がほとんど問題とならない中空ブロックの継手装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、中空ブロックを用いる施工において、材料費から施工費に至るまでのコストがより低価格であり、経済性の良い中空ブロックの継手装置を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は、六面体より成るブロック本体の内部に中空部を有し、上記中空部とブロック本体の外部を通じる開口部を六面全部又は一部に有する中空ブロックの継手装置について、中空ブロックをXYZ方向へ連結するために、ブロック本体の角部に設ける継手手段と、上記継手手段の箇所にてブロック本体同士を引き寄せ締結するボルトを有し、上記継手手段は、XYZ方向の何れかの方向へ隣接のブロック本体同士を連結する際に、ブロック本体に加えられる外力を軸力として受け支える支圧プレートと、ボルトによる締結力をブロック本体に伝達する継手部材を有し、また、ボルト操作のためにブロック本体の角部に操作口を有するものとするという手段を講じたものである。
本発明の対象とする中空ブロックは、背景技術において言及したポカラ(商品名)のようなコンクリート製の中空ブロックであり、従って、前記特開平11−5205号、特開平11−105024号と共通の基本的構成を有する中空ブロックと考えて良い。中空ブロックがポカラ(商品名)の場合、中空部とブロック本体の外部を通じる開口部は円形であり、六面全部又は一部に有している。従って、本発明の場合もブロック本体の六面の一部には開口部を設けることなく、閉塞した壁面を形成することができるが、開口部は円形に限らない。なお、ブロック本体が正六面体の場合、中空部は中心が一致する球状か、或いは円筒形状のXYZ方向交差形状として形成される。
支圧プレートはブロック本体に加えられる外力を軸力として受け支えるものであるから剛体から成ることが求められる。支圧プレートに適した剛体部材は硬質プラスチック、鉄合金その他の金属を用いた変形し難いシート状部材である。また、このような支圧プレートはおおむね中空ブロック柱部の最少断面積部分を通る軸線上に配置される。そして、支圧プレートは接着剤又は両面テープ類を用いてブロック本体に貼り付け、固定される。
ボルトの締結力によってブロック本体に応力を生じさせない角部近傍の位置に、中空ブロックを連結するボルトを通すボルト孔を有し、かつ、上記ボルト孔を有する箇所と、中空ブロック柱部の最少断面積部分を通る軸線上に、支圧プレートが配置されることも望ましい形態である。継手手段を設けるブロック本体の角部からやや離れた箇所でも、ブロック本体に変形を生じさせない箇所であれば、ボルトの締結力を軸力として伝達することが可能であるからである。上記ブロック本体に応力を生じさせない角部近傍の位置とは、例えば有限要素法を用いて決められるが、応力を無視し得る領域中の任意の位置ということができる。これによって、外力がブロック本体に作用してもブロック本体に変形を生じさせずに済む。
このような角部からやや離れた位置での連結は、角部に例えばXZ方向の継手手段がある場合に、Y方向への継手手段として必要になり、かつ、有効である。そして、この場合にはボルト孔を有する箇所とブロック本体角部の継手手段の箇所に支圧プレートを配置すれば良い。従って、上記の最少断面積部分は中空ブロックの形態上柱部にあり、その軸線上に継手手段の箇所がある。
本発明の装置において、ボルトは隣接の中空ブロックを引き寄せ連結するための手段であり、ボルトによる締結力や荷重及びその他の外力は、上記継手手段の支圧プレートによって中空ブロックのXYZ方向の柱部(と梁部)に軸力として伝達される。継手手段はXYZ方向の何れか一又は二方向に通じて隣接の中空ブロック同士を連結するボルトの挿入孔を有するとともに、上記挿入孔におけるボルト操作のために中空ブロックに設けた操作口を中空ブロックの角部に有する。
継手部材には、XYZ方向の何れか二方向に隣接する中空ブロックに通じるボルト孔を有する継手片Iと、XYZ方向の何れか一方向に隣接する中空ブロックに通じるボルト孔を有する継手片IIの二種類があると良い。この場合、中空ブロックは上記二種類の継手片I又は継手片IIの何れかを備える。
継手片I又は継手片IIはXYZ方向の何れかの方向に伸び、かつ、継手片の面と直交方向のボルト孔を有する扁平な片部と、上記片部一体に設けられて片部と同方向に伸びる延長片を有する形態も適切である。継手片と延長辺によって、中空ブロックを構成するコンクリートとの接触面積が増大する。
また、継手片IIは、XYZ方向の何れか一方向にて隣接の中空ブロック同士を引き寄せ連結するために、ボルトの挿入孔の反対側に位置してボルトの締結力を受ける支圧プレートと組み合わされる。この場合、XY方向のボルトであれば、その位置は中空ブロックの角部からやや離れた箇所に位置する。
また、本発明は、ボルト孔の内方端部に位置するチューブと、ボルト孔軸と開口部の傾斜状の面とが形成する交差角度にて上記チューブと一体的に設けられ、上記傾斜状の面と面接触するプレートとから構成された中空ブロックの継手装置に用いる継手部材を含む。上記傾斜状の面は、開口部が円形の場合円弧状の面の接線を取って傾斜角度を決めることができる。この継手部材は開口部と面接触するので外力の伝達が好適に行なわれ、また、単品の金具として形成することができるので、製造、保管、使用上非常に有効である。
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するもので外力を確実に軸荷重として受け支えるから、中空ブロックを使用してもコーナー部間の梁部分における曲げ応力がほとんど問題とならない中空ブロックの継手装置を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、中空ブロックの連結手段はブロック本体に備わっているものとボルト程度で済み、大きな接ぎ手ブロックを必要としないので、中空ブロックを用いる施工において、材料費から施工費に至るまでのコストがより低価格であり、経済性の良い中空ブロックの継手装置を提供することができる。
本発明による中空ブロックの継手装置に用いる中空ブロックの例1を示すものでAは斜視図、Bは角部を拡大して示す断面図である。 例1のブロックに関するもので、Aは正面図、BはIIB−IIB線に沿う断面図である。 本発明による中空ブロックの継手装置によるXZ方向の連結状態を示すもので、Aは斜視図、Bは断面図である。 本発明による中空ブロックの継手装置によるXY方向の連結状態を示すもので、Aは斜視図、Bは断面図である。 同じく本発明による中空ブロックの継手装置に用いる中空ブロックの例2を示すもので、Aは斜視図、Bは図6BのVB−VB線に沿う断面図である。 例2のブロックに関するもので、Aは正面図、Bは図6AのVIB−VIB線に沿う断面図である。 同じく本発明による中空ブロックの継手装置に用いる中空ブロックの例3を示す斜視図である。 例3のブロックに関するもので、Aは平面図、Bは図8AのVIIIB−VIIIB線に沿う断面図、Cは右側面図、Dは背面図である。 現場打ちによる施工領域外郭の基礎コンクリートと中空ブロックとの間に充填する止水手段の例を示す斜視図である。 本発明による中空ブロックの継手装置により構築した貯溜槽の一例を示す斜視説明図である。 同じく本発明による中空ブロックの継手装置により構築した自立型擁壁の一例を示す斜視説明図である。
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1に示す中空ブロックの例1は本発明による継手装置に用いるもので、ブロック本体10は正六面体(立方体)より成り、その内部に中空部11を有している。例1のブロック本体10は六面全部に中空部11とブロック本体10の外部を通じる円形の開口部12を有するブロックである。ブロック本体10は正六面体であり、中空部は円筒形状のXYZ方向交差形状として形成されている。開口部は符号12で示すが、特にその位置を示す場合、正面はf、右側面はr、左側面はl、背面はb、上面はt、下面はsを補助符号として区別することがある。
中空ブロックをXYZ方向へ連結するために、ブロック本体10の角部に設ける継手手段として、XYZ方向の何れかの方向へ隣接のブロック本体同士を連結する際に、ブロック本体に加えられる外力を軸力として受け支える支圧プレートPが用いられる(図3)。支圧プレートPは一定の厚みを有し、かつ、変形を無視し得る、硬質プラスチック、鉄合金その他の金属を用いたシート状の剛体部材から成り、おおむね中空ブロック柱部の最少断面積部分を通る軸線上に配置される。
支圧プレートPが一定の厚みを有することは、ブロック本体同士の直接接触によって、外力が梁部分(中空ブロックの柱部)に入力されることを避けるために必要とされる条件である。このような支圧プレートPは、例えば接着剤又は両面テープ類を用いてブロック本体10に貼り付けられ、固定される。
例1として示した中空ブロックは、XZ二方向へ隣接する中空ブロックに通じるボルト孔13X、13Zを有する継手部材I15を正面と背面の四隅の角部に有している(図1B参照)。この継手部材I15は直交するXZ二方向へ曲げられた継手片14X、14Zと、上記継手片14X、14Zの面と同方向に伸びる延長片16X、16Zを有している(図3A)。
上記継手片14X、14Zは中空ブロック柱部の最少断面積部分17とほぼ重なる大きさの片状部分であり(図1B、図3A参照)、かつ、ボルト孔13X、13Zの中心は上記最少断面積部分17の中心軸線とほぼ一致する。最少断面積部分17は継手部材I15の稜線の中間点にある。なお、継手部材I15は防錆処理された鉄合金等の金属部材によって形成されており、継手片14X、14Zと棒状の延長片16X、16Zとは溶接されて一体に形成されている。
ブロック本体10は、XZ二方向に通じて隣接の中空ブロック同士を引き寄せ、連結するボルト挿入口18X、18Zを継手手段として有するとともに、上記ボルト挿入口18X、18Zにおけるボルト操作のために中空ブロックに設けた操作口19を中空ブロックの角部、つまり正面と背面の四隅に有している(図1、図2)。これらにより、中空ブロックをXZ方向に連結する構成が整う。
さらに、本装置は中空ブロックをX方向又はY方向へ連結する継手手段を備えている。継手手段として、中空ブロックは中空ブロックを一方向連結するボルト28を通す一方向ボルト孔21X、21Yが、ブロック本体10の角部と最少断面積部分17との間にて互いに抵触しない間隔を開けて設けられている(図3B、図4B参照)。上記ボルト孔21X、21Yはボルトの締結力によってブロック本体に応力を生じさせない角部近傍の位置にある。なお、ボルトについては同じ符号28を用いているが、目的や用途に応じて任意の種類のものを使用し得ることは当然である。
上記継手手段は、XYの一方向に隣接する中空ブロックに通じるチューブ22Xを有する継手部材II23Xと、XYの他の一方向に隣接する中空ブロックに通じるチューブ22Yを有する継手部材II23Yを有して構成されている。また、連結には、チューブ22X、22Yの反対側に位置し、ボルト孔24X、24Yに挿入されるボルト28の締結力を受ける、支圧プレートP’が組み合わされる(図4参照)。
上記継手部材IIは、ボルト孔21X、21Yの内方端部に位置するチューブ22X、22Yと、ボルト孔軸と円形開口部12の円弧状の面12aとが形成する交差角度にて上記チューブ22X、22Yと一体的に設けられ、上記円弧状の面12aと面接触するプレート25X、25Yとから構成されている。軸線との交差角度については、ボルト孔21X、21Yの内方端部における接線で円弧状の面12a(の傾斜)を代表させることができる(図5)。上記プレート25X、25Yは円形開口部と面接触するので外力の伝達が好適に行なわれ、単品の金具として形成することができるので、製造、保管、使用上非常に有効である。また、その形態については施工部位の形状や構造に応じて、長方形のほか円形、楕円形その他の形態を選択することができる。
上記支圧プレートP’は、角部に設けられる支圧プレートPと同様に一定の厚みを有しており、変形を無視し得る、硬質プラスチック、鉄合金その他の金属を用いたシート状の剛体部材から成る。ボルト孔21X、21Yはボルトの締結力によってブロック本体に応力を生じさせない角部近傍の位置にあるので、より内側の部分にてボルト、ナットによる締結力が加えられても、その締結力は角部の支圧プレートPに軸力として伝達される。このようにして、本発明では、外力は軸荷重として受け支えられる。
なお、継手部材II23X、23Yは、どちらもチューブ22X、22Yにブロック本体10に開けられた開口部12の曲面に配置されるので、ボルト、ナットによる締結操作は容易である。上記により、本発明による中空ブロックの継手装置に必要な中空ブロックをXY方向に連結する構成が整う。加えて、中空ブロックには隣接する中空ブロック同士の位置関係を規定するために、中空ブロックの外面に形成されたダボ穴26と、上記ダボ穴26に嵌合するダボ27とから成る位置決め手段も必要に応じて設けられる。
本発明による継手装置に用いる中空ブロックは、中空部とブロック本体の外部を通じる円形の開口部を六面全部又は一部に有していれば良い。従って、例1のブロック本体10の六面の一部は開口部がなくても良く、閉塞した壁面を有する中空ブロックを構成することができるので、以下にその例を示す。図5、図6は背面を閉塞した例2の中空ブロックであって、ブロック本体20は正六面体より成り、その内部に中空部11を有している点、例1のものと変わりはない。
従って、例2以下の場合、例1と共通の構成については符号を援用し、詳細な説明は繰り返さない(例2は一面閉塞のブロック本体20の例であり、閉塞箇所は図示の場合に止まらない。)。説明の便宜上開口部12に補助符号を付したが、例2の場合背面の開口部を示す12bは閉じて存在しない。例2の中空ブロックは背面が閉塞された壁29になるため(図6B参照)、背面が外面になるように中空ブロックを配置すると、外部に対して閉じた構造体を構築することができる。
例2の中空ブロックの正面と断面を示した、図6によってより良く理解されるように、ブロック本体20は一面だけが閉塞されているので、貯水池その他の液体貯溜槽などの壁面部分の構築に好適である。例えば、図11は角を除く外周が例2の中空ブロックの背面の壁29で囲まれており、貯溜槽を構築する場合に重要な役割を果たす。
次に、図7、図8により背面と左側面を閉塞した例3の中空ブロックを示す。例3の中空ブロックは、上記二面が閉塞されたブロック本体30であるので、上記貯溜槽のような構築物の角を占めるブロックなどとして利用できる。一面閉塞のブロック本体20、二面閉塞のブロック本体30では、継手手段の一部を省略することができる。何れも閉塞された壁であって、ボルト、ナットによる緊締力によって撓むべき梁に該当する部分がないからである。
図8に示されているように、例3の中空ブロックではブロック本体30向かって正面の右側と背面右側及び左側などに操作口19が設けてある(なお、例3は二面閉塞ブロック本体の例であるので、閉塞箇所は上記に限られない。)。例3についても例1と共通の構成については符号を援用し、詳細な説明は繰り返さないが、二面閉塞以外の構成は例1及び例2のものと共通である。
よって、例3のブロック本体30は正面と右側面及び上下の四面にて中空部と外部とが通じており、背面と左側面に閉塞された壁29、31が形成される(図8B参照)。以上説明した閉塞面を有する例2及び例3のブロック本体20、30は、水平面(XY平面)における構造体の周囲を囲む壁として使用することを主要な目的としているが、しかし、これらに限らず上面、下面或いはその他の面の開口部12についても、壁を設けることが可能である。
以上のように構成された中空ブロックの継手装置は、中空ブロック同士を前後、左右又は上下に配置するとともに、配置された状態において、隣接している中空ブロック同士を引き寄せ連結することができる。すなわち、図3Aに示したように、右下に位置するブロック本体10の継手部材I15に対して、左下に位置するブロック本体10の操作口19からボルト28を差し込み、ナット32を用いて締結し、引き寄せて連結する。その際、右下ブロック本体10と左下ブロック本体10とは、左下ブロック本体10の支圧プレートPにて外力の伝達が行なわれる。
同様に上下2個の中空ブロックの連結においては、図3Aにおいて、左下に位置するブロック本体10の支圧プレートPの部分において、左下に位置するブロック本体10の操作口19からボルト28を差し込み、ナット32を用いて締結がなされる。このようにして、XZ方向に配置された左右、上下の三個の中空ブロックを連結することができる(図3B参照)。
また、横に隣接する中空ブロックを連結するには、例えば右側に位置するブロック本体10のチューブ22Yから左側のブロック本体10のボルト孔21Yに向けて、ボルト28を差し込み、ナット32を用いて締結することができる。前後に隣接する中空ブロックについても同様に、前側に位置するブロック本体10のボルト挿入口21Xから後側のブロック本体10の挿入口21Xに向けて、ボルト28を差し込み、ナット32を用いて締結し、引き寄せて連結する。この場合、ボルト28とナット32はそれぞれ開口部12において取り扱われる。
さらに、図9によりXYZ方向における組立図を示す。この例では一面閉塞のブロック20と二面閉塞のブロック30を併用しており、例えば後述する貯溜槽などの角部に適用される。図中の符号35は止水手段35を示しており、この実施形態の場合水膨張性ゴムを使用している。
図10は前記の貯溜槽であり、本発明による中空ブロックの継手装置を用いて構築される構造体の例一である。例一の構造体は予め施工された基礎33の上に、平面形状が田の字型になるように施工されており、外部の四隅に例3のブロック本体30が上下二段に配置され、それらの間には構造体の周壁となる例2のブロック本体20が同様に上下二段に配置されている。また、田の字の十字に相当する部分には例1のブロック本体10が配置されている。
図10のような貯溜槽では、ブロック本体20とブロック本体30によって槽の全周が囲まれ、その層構造は内側の十字型構造によって強化されている。また、貯溜量はブロック本体10、20、30が高い空隙率を有するので、従来の実績によればほぼ80%と、ポカラ単体とほとんど変わらない空隙率を維持できることになる。しかも、大きな接ぎ手ブロックが不必要であるから荷重も大幅に軽減される。このような貯溜槽は、地下にも地上にも設置することができる。なお、中空ブロック同士及び中空ブロックと現場打ちの基礎コンクリートと中空ブロックとの間における上記の止水手段35が必要になるが、その場合には水膨張性ゴムなどが間に充填される。
図11は本発明による中空ブロックの継手装置を用いて構築される、構造体の例二であり、自立式擁壁を示している。例二の構造体は予め施工され階段状の基礎34を有し、その階段の上に、例1のブロック本体10を積み重ね、下から2段目を除く正面壁は例2のブロック本体20で構築している。この構造のため、下から2段目の開口部12が通水可能な構造に保たれている。このように構成される構造体では、現場打ちのコンクリートによって構築される、基礎や境界の壁面などとの組み合わせによって全体が形をなすことになる。
本発明の継手装置の場合、ブロック本体10同士の全ての連結においてブロック本体に加えられる外力を支圧プレートによって軸力として受け支えることができ、締結部分にて支圧プレートに加えられる外力は圧縮のみである。この継手装置ではブロック本体同士をボルトで引き寄せ、連結して構造体を形成するが、外力が面荷重から軸荷重に変換され、軸力として伝達されるため、理論的に座屈が発生せず、剛体構造が可能になる
P、P’ 支圧プレート
10、20、30 ブロック本体
11 中空部
12 円形の開口部
13X、13Z ボルト孔
14X、14Z 継手片
15 継手部材I
16X、16Z 延長片
17 最少断面積部分
18X、18Z ボルト孔
19 操作口
21X、21Y ボルト孔
22X、22Y チューブ
23X、23Y 継手部材II
24X、24Y ボルト孔
25X、25Y プレート
26 ダボ穴
27 ダボ
28 ボルト
29、31 壁、
32 ナット
33、34 基礎

Claims (5)

  1. 六面体より成るブロック本体の内部に中空部を有し、上記中空部とブロック本体の外部を通じる開口部を六面全部又は一部に有し、かつ、ボルト操作のためにブロック本体の角部に操作口を有する中空ブロックの継手装置であって、
    中空ブロックをXYZ方向へ連結するために、ブロック本体の角部に設ける継手手段と、上記継手手段の箇所にてブロック本体同士を引き寄せ締結するボルトを有し、
    上記継手手段は、XYZ方向の何れかの方向へ隣接のブロック本体同士を連結する際に、ブロック本体に加えられる外力を軸力として受け支える支圧プレートと、ボルトによる締結力をブロック本体に伝達する継手部材を有し、
    前記XYZ方向の何れかの方向のうち、前記中空ブロックをXZ方向へ連結するために、前記継手部材は、直交するXZ二方向へ曲げられた2つの継手片と、
    上記2つの継手片のそれぞれの面と同方向に伸びる2つの延長片と、
    前記2つの継手片のそれぞれに、前記中空ブロックに通じるボルト孔をそれぞれ有し、
    前記ブロック本体の操作口から前記ボルトを差し込んで連結する中空ブロックの継手装置。
  2. 支圧プレートは剛体から成り、かつ、おおむね中空ブロック柱部の最少断面積部分を通る軸線上に配置される請求項1記載の中空ブロックの継手装置。
  3. ボルトの締結力によってブロック本体に応力を生じさせない角部近傍の位置に、中空ブロックを連結するボルトを通すボルト孔を有し、かつ、上記ボルト孔を有する箇所と、中空ブロック柱部の最少断面積部分を通る軸線上に、支圧プレートが配置されている請求項1又は2記載の中空ブロックの継手装置。
  4. 六面体より成るブロック本体の内部に中空部を有し、上記中空部とブロック本体の外部を通じかつ、ボルト操作のための円形の開口部を六面全部又は一部に有し、かつ、ボルト孔を有する中空ブロックの継手装置であって、
    中空ブロックをXYZ方向へ連結するために、ブロック本体の角部に設ける継手手段と、上記継手手段の箇所にてブロック本体同士を引き寄せ締結するボルトと、を有し、
    上記継手手段は、XYZ方向の何れかの方向へ隣接のブロック本体同士を連結する際に、ブロック本体に加えられる外力を軸力として受け支える支圧プレートと、ボルトによる締結力をブロック本体に伝達する継手部材を有し、
    上記継手部材は、
    前記XYZ方向の何れかの方向のうち、前記中空ブロックをXY方向へ連結するために、前記ボルト孔の内方端部に位置するチューブと、ボルト孔軸と開口部の円弧状の面とが形成する交差角度にて上記チューブと一体的に設けられ、上記円弧状の面と面接触するプレートとから構成され、
    前記円形の開口部においてボルト操作をする中空ブロックの継手装置
  5. 支圧プレートは剛体から成り、かつ、おおむね中空ブロック柱部の最少断面積部分を通る軸線上に配置される請求項4記載の中空ブロックの継手装置。
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