JP6902059B2 - 消音換気構造 - Google Patents

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Description

本発明は、換気フード等の消音換気構造に係る。詳しくは、本発明は、壁に設けられ、通気性を維持したまま高い消音効果を有する外部フード型の消音換気構造に関する。
従来、通風性が求められる換気フード、換気スリーブ、及びガラリ等の換気構造は、空気と同時に音も通過させてしまうことから、騒音対策が求められる場合がある。従来の換気構造においては、消音性能を得るために構造内に吸音材を設置することが行われている(特許文献1、2、3、4、及び5参照)。
特許文献1に記載の技術は、屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される屋外フードである。この屋外フードは、カバー内に装填されて風路を形成すると共に風路内に侵入する音を吸収する消音材とを備え、風路は、室外側開口と室内側開口との間に折れ曲がって形成された風路本体部と、風路本体部の内部空間が一部拡大されて形成された風路拡張部と、を含んでいる。この屋外フードは、カバーが大型化することなく、圧力損失が悪化することがなく、高い吸音性能とすることができるとしている。
特許文献2に記載の技術は、壁材に設けられた排気口を境に内側には排気用ファンが設けられ、外側には排気口を覆う排気口用フードが設けられた防音式強制換気口である。この防音式強制換気口では、排気用フードは、コンクリート板で形成されてなると共に、コンクリート板の内側には、無機質系吸音材料で形成した板状吸音材が、脱着可能に取り付けられている。板状吸音材の表面は、貼着剥離自在の防汚フィルムで覆われている。この防音式強制換気口は、例えば調理用の強制排気口として使用される環境下においても、換気性能と防音性能とを充分に両立維持できるとしている。
特許文献3に記載の技術は、過給機に取り付けられる消音器である。この消音器は、気体が流入する流入部を有し環状に形成される環状部と、環状部の中心軸線方向での一方側の開口部を閉塞する閉塞部と、中心軸線方向での他方側に向けて気体が排出される排出口とを備え、排出口から入る音を減衰させるものである。閉塞部は、パンチングメタル等からなる貫通孔を有する保持板と、保持板の排出口側と反対の側に配置された閉塞板と、これら保持板と閉塞板との間に挟持された閉塞部吸音材とを備えている。この消音器は、良好な消音性能を発揮できるとしている。
特許文献4に記載の技術は、建物内外の換気を行う屈曲形状の通気路を多段状に配設し、通気路を通過する騒音音波の音圧を低減させるようにしたガラリ構造の消音装置である。この消音装置は、隣り合う通気路同士を隔てる、屈曲形状に形成された羽根体と、羽根体の内側の空間に吸音材を収容する消音室と、通気路に臨む羽根体の表面に設けられ、通気路の一方の第1通風口から進入する騒音音波を消音室の内部に導く板状部材(曲面形状の音波反射板)とを備えている。このガラリ構造の消音装置では、通気路の長さを短くすることができると共に、通気路と消音室を壁面全体にわたって多段状に積層させることができ、遮音性を備えながら優れた通気性を得ることができるとしている。
特許文献5に記載の技術も、特許文献4と同様に、建物内外の換気を行う屈曲形状の通気路を多段状に配設し、通気路を通過する騒音音波の音圧を低減させるようにしたガラリ構造の消音装置である。この消音装置は、騒音音波を反射する曲面形状の第1、及び第2の音波反射板と、それぞれ吸音材を収容し、第1、及び第2の音波反射板によって反射された騒音音波を導入して音圧を低減させる第1、及び第2の消音室と、を備え、第1の消音室と第2の消音室とは通気路内に連続して配置されている。このガラリ構造の消音装置でも、特許文献4の消音装置と同様に、通気路の長さを短くすることが可能になると共に、通気路と消音室を壁面全体にわたって多段状に積層させることができ、遮音性を備えながら優れた通気性を得ることができるとしている。
特開2010−266156号公報 特開2004−232909号公報 特開2014−005760号公報 特開2008−144996号公報 特開2008−122023号公報
ところで、換気構造において、消音性能を得るために吸音材を設置することが有効であるが、消音性能を高め、高い消音性能を得るために吸音材を多く設置してしまうと、通風性が損なわれるという問題があった。
また、特許文献1に記載の技術では、消音材によって形成される風路内に、風路本体部に加え、その内部空間が一部拡大され風路拡張部を形成している。このため、消音材の量が増えるばかりか、屋外フード自体が大きくなるという問題があった。また、風路拡張部では、換気されるべき空気が淀んでしまうという問題があった。また、消音材によって風路が形成されているため、効率よく消音できていないという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術では、防汚フィルムが吸音材表面全体に貼りつけられているため、音が吸音材に接触し難くなることから、防汚フィルムが吸音を阻害し、効率良く音を吸収することが難しくなるという問題があった。
また、特許文献3に記載の技術では、吸音材は、パンチングメタル等の均等に穿孔された貫通孔を有する保持板に覆われているため、製造コストが高くなるばかりか、効率よく消音できないという問題があった。
また、特許文献4、及び5に開示の技術では、ガラリ構造が前提であり、化粧板と外周壁(コンクリート壁)との間に、消音室(羽根体)間の通気路を多段状に重ねて配設することは空間制約から難しいという問題があった。また、特許文献4、及び5に開示の技術では、曲面形状の音波反射板を用いたり、パンチングプレートを用いたりしているため、コスト高となるという問題があった。
したがって、換気フード等の消音換気構造、例えば屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造において、高い消音性能と通風性を両立させるためには、同一体積の吸音材を用いながら、より高い効率で音を吸収することが求められていた。
本発明は、上記従来技術の問題点及び課題を解決し、換気フード等のフード型の消音換気構造、例えば屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造において、通気性を維持したまま消音性能を高めることができ、従来の吸音材、及び気柱共鳴構造よりも高い消音効果を有する消音換気構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の消音換気構造は、フード型の消音換気構造であって、フード本体、及びフード本体に接続され、フード本体内の空間と連通するスリーブを備えるフードと、フード本体に設けられる少なくとも1つの第1開口部と、スリーブに設けられる少なくとも1つの第2開口部と、フード本体の内部に備えられた吸音材と、吸音材の表面の一部を選択的に被覆する被覆材と、を有し、第1開口部を通る音の進行方向と、第2開口部を通る音の進行方向とは、異なるものであり、被覆材は、吸音材の表面の他の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分を換気フード内の空間と接触する少なくとも1つの接触面として構成し、吸音材は、スリーブが接続されている面と対向するフード本体の内面、及び第1開口部と対向するフード本体の内面に貼り付けられており、被覆材は、音を通さない材質の材料であり、音を通さない材質の材料は、使用される被覆材と同じ厚みの板状の材料を、音響管の導波路を全て塞ぐように設置した構成で、4マイク法にて評価した場合において250Hz〜4000Hzに渡って透過損失5dB以上である材質の材料であり、少なくとも1つの接触面は、100Hz以上、かつ可聴域における周波数の共鳴モードの次数を低い側から、n=1、2、…(正の整数)とし、n次の共鳴モードの周波数に対応する波長をλnとする時、共鳴モードの波長のいずれかに該当する音波の音圧の極大となる点からλn/16の範囲内に存在する。
ここで、少なくとも1つの接触面は、100Hz以上、かつ可聴域における周波数の共鳴モードの次数を低い側から、n=1、2、…(正の整数)とし、n次の共鳴モードの周波数に対応する波長をλnとする時、フード本体内の角端部からλn/16の範囲内に存在することが好ましい。
また、正の整数nは、3以下であることが好ましい。
また、第1開口部を通る音の進行方向と、第2開口部を通る音の進行方向とは、90°異なるものであることが好ましい。
また、少なくとも1つの接触面は、吸音材の表面の全面積に対して、1.0%〜50%の面積を占めることが好ましい。
また、吸音材は、第1開口部、及びスリーブの接続部を除くフード本体の内面の全面積に対して、50%以上の面積に貼り付けられていることが好ましい。
また、吸音材の体積は、フード本体の体積の1.0%〜50%あることが好ましい。
また、消音換気構造は、屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造であり、フード本体は、屋外に配置され、スリーブは、壁を貫通するように配置されることが好ましい。
また、更に、フードの少なくとも1つの側面にフード内の空間に開口する開口部を有する少なくとも1つの管状体を有し、管状体の内部には吸音材が充填されており、管状体の開口部は、吸音材の表面の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分をフード内の空間と接触する接触面として構成することが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の態様の消音換気構造は、フード型の消音換気構造であって、フード本体、及びフード本体に接続され、フード本体内の空間と連通するスリーブを備えるフードと、フード本体に設けられる少なくとも1つの第1開口部と、スリーブに設けられる少なくとも1つの第2開口部と、フードの少なくとも1つの側面にフード内の空間に開口する開口部を有する少なくとも1つの管状体と、管状体の内部に備えられた吸音材と、を有し、第1開口部を通る音の進行方向と、第2開口部を通る音の進行方向とは、異なるものであり、管状体の開口部は、吸音材の表面の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分をフード内の空間と接触する接触面として構成する。
ここで、接触面は、100Hz以上、かつ可聴域における周波数の共鳴モードの次数を低い側から、n=1、2、…(正の整数)とし、n次の共鳴モードの周波数に対応する波長をλnとする時、共鳴モードの波長のいずれかに該当する音波の音圧の極大となる点からλn/16の範囲内に存在すること、又はフード本体内の角端部からλn/16の範囲内に存在することが好ましい。
また、正の整数nは、3以下であることが好ましい。
また、第1開口部を通る音の進行方向と、第2開口部を通る音の進行方向とは、90°異なるものであることが好ましい。
また、接触面は、第1開口部、及び第2開口部を除くフードの内面の全面積に対して、1.0%〜50%の面積を占めることが好ましい。
また、吸音材の体積は、フードの内容積の1.0%〜50%であることが好ましい。
また、管状体は、フード本体内に配置されることが好ましい。
また、管状体は、管状体は、フード外に配置され、管状体の開口部は、フードの少なくとも1つの側面に開口していることが好ましい。
また、消音換気構造は、屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造であり、フード本体は、屋外に配置され、スリーブは、壁を貫通するように配置されることが好ましい。
また、管状体は、屋外に突出した状態で配置される、又は壁の側に突出した状態で壁に埋まっており、管状体の開口部は、フードの少なくとも1つの側面に開口していることが好ましい。
また、管状体は、音を通さない材質で構成されていることが好ましい。
また、管状体の一端側の開口部の中心から管状体の他端側の端部までの管状体の内部空間の長手方向の長さをLdとし、フード内を進行する音の進行方向における開口部の幅をLoとし、フードの共鳴モードの次数が1である共鳴モードの周波数の波長をλとする時、長手方向の長さをLdは、下記式(1)、及び(2)を満足することが好ましい。
Ld>Lo …(1)
0.011×λ<Ld<0.25×λ …(2)
また、フード内の音の進行方向に平行な断面において、管状体の内部空間の長手方向の長さに直交する方向の内部空間の幅をLwとする時、内部空間の幅Lwは、下記式(3)を満足することが好ましい。
0.001×λ<Lw<0.061×λ …(3)
また、管状体の開口部の面積をS1とし、管状体の内部空間の内面の全表面積をSdとし、管状体の一端側の開口部の中心から管状体の他端側の端部までの管状体の内部空間の長手方向の長さをLdとし、フードの共鳴モードの次数が1である共鳴モードの周波数の波長をλとする時、面積Sdに対する面積S1の割合S1/Sd、及び長手方向の長さをLdは、下記式(4)、及び(2)を満足することが好ましい。
0<S1/Sd<40% …(4)
0.011×λ<Ld<0.25×λ …(2)
本発明によれば、換気フード等のフード型の消音換気構造、例えば屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造において、通気性を維持したまま消音性能を高めることができ、従来の吸音材、及び気柱共鳴構造よりも高い消音効果を有する消音換気構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る消音換気構造の一例を示す模式的断面図である。 図1に示す消音換気構造から吸音材、及び被覆材を取り外した場合の音圧分布の一例を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る消音換気構造の一例を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る消音換気構造の他の一例を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る消音換気構造の他の一例を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る消音換気構造の他の一例を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る消音換気構造の他の一例を示す模式的断面図である。 参考例の消音換気構造を示す模式的断面図である。 比較例1の消音換気構造を示す模式的断面図である。 本発明の実施例1−1の消音換気構造を示す模式的断面図である。 本発明の実施例1−2の消音換気構造を示す模式的断面図である。 本発明の実施例において用いた基本計算モデルを示す説明図である。 本発明の実施例1−1、実施例1−2、参考例1、及び比較例1の周波数と音圧の絶対値の2乗の平均値との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2に用いられる消音換気構造を示す模式的断面図である。 図14に示す実施例2(音圧の極大点からの距離x=0mm)の消音換気構造の音圧分布の一例を示す模式図である。 本発明の実施例2(音圧の極大点からの距離x=0〜105mm)の消音換気構造の周波数と音圧の絶対値の2乗の平均値との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2の消音換気構造の音圧の極大点からの距離xと音圧の絶対値の2乗の平均値との関係を示すグラフである。 音響管4マイク測定法を実施する音響特性測定系の模式図である。
以下に、本発明に係る消音換気構造を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の第1の実施形態の消音換気構造は、フード型の消音換気構造であって、フード本体、及びフード本体に接続され、フード本体内の空間と連通するスリーブを備えるフードと、フード本体に設けられる少なくとも1つの第1開口部と、スリーブに設けられる少なくとも1つの第2開口部と、フード本体の内部に備えられた吸音材と、吸音材の表面の一部を選択的に被覆する被覆材と、を有し、第1開口部を通る音の進行方向と、第2開口部を通る音の進行方向とは、異なるものであり、被覆材は、吸音材の表面の他の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分を換気フード内の空間と接触する少なくとも1つの接触面として構成することを特徴とする。
また、本発明の第2の実施形態の消音換気構造は、フード型の消音換気構造であって、フード本体、及びフード本体に接続され、フード本体内の空間と連通するスリーブを備えるフードと、フード本体に設けられる少なくとも1つの第1開口部と、スリーブに設けられる少なくとも1つの第2開口部と、フードの少なくとも1つの側面にフード内の空間に開口する開口部を有する少なくとも1つの管状体と、管状体の内部に備えられた吸音材と、を有し、第1開口部を通る音の進行方向と、第2開口部を通る音の進行方向とは、異なるものであり、管状体の開口部は、吸音材の表面の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分をフード内の空間と接触する接触面として構成することを特徴とする。
本発明は、換気フード等のフード型の消音換気構造、例えば屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造において、フード、特にフード本体の内部に配置された吸音材の一部を選択的に被覆することによって、又は内部に吸音材を備え、選択的に開口された開口部を有する管状体をフード、特にフード本体の内部に接続することによって、通気性を維持したまま消音性能を高めることができる。これにより、吸音材が選択的に覆われていない場合に比較して、効率よく音を吸音材に吸収させることができる。
また、吸音材の一部が被覆されていることで、吸音材の内部で音圧の高い領域と低い領域を、吸音材が被覆されていない場合に比較して顕著に生成することができる。例えば、被覆領域の接触面から奥側の部分では音圧が低くなる。音圧が高い領域と低い領域とが形成されると、その間の領域では粒子速度が大きくなる。粒子速度が抵抗体(吸音材)の中で大きくなると、損失が大きくなる。このため、消音効果を高めることができる。
従来の吸音材では低周波数音の低減効果が十分ではないが、本発明では低周波音が従来のものよりも優れる。
本発明は、吸音材の一部を選択的に被覆することによって、又は内部に吸音材を備える管状体の開口をフード内に向けることによって、消音性能を高めることができる。本発明は、吸音材を、音を通さない材質で選択的に被覆し、一部に選択的に開口を設けることで、吸音材に流れ込む音の粒子速度が大きくなり、これにより吸音材への音の吸収を大きくするという原理に基づいている。
こうして、本発明は、従来の吸音材、及び気柱共鳴構造よりも高い消音効果を有する換気フード等のフード型の消音換気構造を実現することができる。
その結果、本発明の消音換気構造は、装置、及び機器のダクト、換気スリーブ、及び住宅用換気装置等の建築材料等に適用することができる。
(消音換気構造)
以下に、本発明に係る消音換気構造を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態の消音換気構造)
図1は、本発明の第1実施形態に係る消音換気構造の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す本発明の第1実施形態の消音換気構造10は、フード型の消音換気構造であって、直方体形状のフード本体12、及びフード本体12に接続される円管形状のスリーブ14を備えるフード16と、フード本体12の内面に貼り付けられた吸音材18と、吸音材18の表面の一部を選択的に被覆する被覆材20と、フード本体12に設けられる第1開口部22と、スリーブ14に設けられる第2開口部24とを有する。
消音換気構造10は、住宅等の建築物の屋外(外部空間)26と屋内(内部空間)28とを隔てる壁(例えば、外周壁、コンクリート壁)30とを連通するように設けられることが好ましい。即ち、消音換気構造10は、屋外26、及び屋内28の2つの空間を連通するように設けられることが好ましい。
(フード)
フード16は、フード本体12、及びフード本体12に接続されるスリーブ14を備える。スリーブ14は、フード本体12内の空間に連通するようにフード本体12に接続される。フード16は、例えば、屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置されるものであれば良い。また、フード16は、好ましくは、フード本体12を屋外に配置することができ、スリーブを、壁30を貫通するように配置することができれば良い。
フード16は、特に制限的ではなく、換気フード、又は外部フード等に用いられるフードであれば、どのようなものでも良い。
(フード本体)
フード本体12は、縦長の直方体形状を成す中空容器であり、内面に貼り付けられた吸音材18によって消音効果を得るものである。フード本体12は、壁30から突出し、屋外26に配置されることが好ましい。
フード本体12の下方には、第1開口部22を備える。図1に示す例では、第1開口部22をフード本体12の下方に設けることにより、例えば、屋外26に配置された時、雨等が降り込んだり、塵、及び埃等が堆積したりすることを防止することができることで好ましい。第1開口部22は、フード本体12の下方に1つ設けられているが、少なくとも1つ下方に設けられていれば、2つ以上設けられていても良い。
フード本体12の上方には、壁30側にある(屋内28側の)側面に開口する開口13を備える。この開口13には、スリーブ14が接続され、スリーブ14の屋内側の先端に第2開口部24が設けられる。
なお、図1に示す例では、開口13は、フード本体12の屋内28側の側面に1つ設けられているが、2つ以上設けられていても良い。
即ち、第1開口部22から入射した音Sは、フード本体12内を上方に進行する。フード本体12内を図1中点線に沿って上方に進行した音Sは、フード本体12の天井面12b、及び左側面12cが塞がれ、図1に示すフード本体12の右側面に開口13があり、この開口13にスリーブ14が接続されているため、図1中点線に沿って進行方向を90°変え、開口13を経てスリーブ14内を点線に沿って右方向に進行し、第2開口部24から出射する。逆に、第2開口部24から入射した音Sは、スリーブ14内を左方向に進行し、開口13を経てフード本体12内に入り、フード本体12内において90°進行方向を変え、フード本体12内を下方に進行し、第1開口部22から出射する。
なお、図1に示す例では、第1開口部22を進行する音Sの進行方向と、第2開口部24を進行する音Sの進行方向とは、90°異なっているが、本発明はこれに限定されず、異なっていれば、何度異なっていても良い。なお、本発明では、例えば、第1開口部22を進行する音Sの進行方向と、第2開口部24を進行する音Sの進行方向との差は、45°以上、135°以下(45°〜135°)であることが好ましく、60°〜120°であることがより好ましく、90°であることが最も好ましい。
なお、本発明では、第1開口部22を進行する音Sの進行方向は、第1開口部22の開口中心の空気の音響インテンシティのベクトル方向と定義することができるし、第2開口部24を進行する音Sの進行方向は、第2開口部24の開口中心の空気の音響インテンシティのベクトル方向と定義することができる。
ここで、音の粒子速度ベクトルの方向は、Microflown Technologies社の音響粒子速度プローブを用いて、それぞれの開口部の開口面中央付近において音響インテンシティのベクトルを測定することで得られる。
図1に示す例では、フード本体12は、縦長の直方体形状を成す中空容器であるが、本発明は、これに限定されない。フード本体12は、壁30より屋外26に配置でき、縦長であれば、どのような形状の中空容器であっても良い。例えば、直方体、又は円筒等を挙げることができる。
フード本体12の材料は、換気フード、又は外部フード等に用いられ、入射する音を振動等によって増幅したり、外部に伝播したりすることが無ければ、特に制限的ではなく、どのような材料を用いても良い。例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、これらの合金等の金属、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、カーボンファイバ、及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、建造物の壁材と同様なコンクリート、モルタル等を挙げることができる。
なお、フード本体12としては、フード型の消音換気構造に用いられるフード本体であれば、従来公知の換気フード、又は外部フード等のフード本体を用いることができる。
(スリーブ)
スリーブ14は、縦長の円管形状を成し、円筒形状の円管からなり、フード本体12の開口13に接続され、フード本体12内を進行し、所定角度変更されて進行し、開口13から入射した音を進行させて、その先端の第2開口部24から出射させる、又は逆に進行させるものである。スリーブ14の内面に吸音材18が貼り付けられる場合には、吸音材18によって消音効果を得るものである。スリーブ14は、壁30を貫通するように配置される。
図1に示す例では、スリーブ14は、縦長の円管形状を成すが、本発明は、これに限定されない。スリーブ14は、壁30を貫通するように配置できれば、どのような形状であっても良い。例えば、直方体、又は円筒等を挙げることができる。
スリーブ14の材料は、換気スリーブ等に用いられ、入射する音を振動等によって増幅したり、外部に伝播したりすることが無ければ、特に制限的ではなく、どのような材料を用いても良い。例えば、例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、これらの合金等の金属、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、カーボンファイバ、及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、建造物の壁材と同様なコンクリート、モルタル等を挙げることができる。
なお、スリーブ14としては、換気スリーブ、又は外部フード型の消音換気構造に用いられるスリーブであれば、従来公知の換気スリーブ、又は外部フードに用いられるスリーブを用いることができる。
(吸音材)
吸音材18は、その内部を通過する音の音エネルギーを熱エネルギーに変換することで吸音するものである。
吸音材18は、図1に示す例では、第1開口部22と対向するフード本体12の内面(天井面12b)、及びスリーブ14が接続されている面と対向するフード本体12の内面(側面12c)に貼り付けられている。なお、第1開口部22においては、吸音材18の底面は閉じ切られていない。ここで、フード本体12の天井面12b、及び側面12cへの吸音材18の貼り付けの理由は、詳しくは後述するが、図1に示すフード本体12の左上隅の角端部12aに音圧の極大となる点があるからである。即ち、音圧の極大となる点に吸音材18が露出した接触面があると、効率よく吸音することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、フード16内の音圧の極大となる点を含んでいれば、第1開口部22、及び開口13を除く、フード16、又はフード本体12の内面の何処に貼り付けられていても良く、また、全面に貼り付けられていても良いし、スリーブ14の内面の何処に貼り付けられていても良い。
吸音材18としては、特に限定はなく、従来公知の吸音材が適宜利用可能である。例えば、発泡ウレタン、軟質ウレタンフォーム、木材、セラミックス粒子焼結材、フェノールフォーム等の発泡材料、及び微小な空気を含む材料;グラスウール、ロックウール、マイクロファイバー(3M社製シンサレート等)、フロアマット、絨毯、メルトブローン不織布、金属不織布、ポリエステル樹脂不織布、金属ウール、フェルト、インシュレーションボード、及びガラス不織布等のファイバー、及び不織布類材料;木毛セメント板;シリカナノファイバー等のナノファイバー系材料;石膏ボード;種々の公知の吸音材が利用可能である。
ここで、吸音材18の体積は、特に制限的ではないが、小さいと消音効果が低くなり、大きいと、フード16、即ちフード本体12内、又はスリーブ14内の空間が狭くなり換気性が低下するので、フード本体12の内容積の1.0〜50%であることが好ましい。
図1に示す例では、吸音材18は、スリーブ14が接続されている面と対向するフード本体12の内面(側面12c)、及び第1開口部22と対向するフード本体12の内面(天井面12b)に貼り付けられているが、本発明はこれに限定されず、吸音材18による消音効果が得られれば良く、吸音材18は、第1開口部22、及び開口13を除くフード本体12の内面の全面積に対して、50%以上の面積に貼り付けられていることが好ましい。
(被覆材)
被覆材20は、吸音材18の表面の一部を選択的に被覆するものである。その結果、被覆材20は、吸音材18の表面の他の一部(被覆された部分以外)を選択的に露出させて、選択的な露出部分をフード本体12内の空間と接触する接触面32として構成するものである。
図1に示す例では、接触面32は、フード本体12の天井面12bに貼り付けられた吸音材18の左表面(図1中左上隅の角端部12a近傍)の接触面32a、及びフード本体12の図1中の左側面12cに貼り付けられた吸音材18の上表面(図1中左上隅の角端部12a近傍)の接触面32bからなることが好ましい。
したがって、被覆材20は、2つの接触面32a、及び32bを除く、吸音材18の表面を被覆する。
ここで、接触面32は、吸音材18の表面の全面積に対して、1.0%〜50%の面積を占めることが好ましい。その理由は、接触面32がこの範囲内の面積であれば、吸音材18の表面の全面積を被覆材20によって全く被覆しない従来の場合に比べて消音効果を向上させることができるからである。
なお、本発明においては、吸音材18は、例えば表面が凸凹している場合などの厳密な計算が難しいので、吸音材18の接触面32の面積は、被覆材20の開口部分の面積と定義する。ここで、被覆材18の開口部分の面積は、被覆材20の開口枠を含む平面、又は滑らかな曲面で近似した面の面積と定義する。被覆材18の開口部分の面積は、上述した従来公知の面積の算出方法と同様な方法で算出すれば良い。
ところで、図2は、図1示す消音換気構造10から吸音材18、及び被覆材20を取り外した場合(後述する図8参照)の音圧分布を示す模式図である。この音圧分布は、後述する図8に示す消音換気構造50において、第1開口部22から周波数300Hzの音がフード本体12内に入り込み、フード本体12内を進行し、開口13からスリーブ14に入り、スリーブ14内を進行し、第2開口部24から出ていく時の音圧分布である。また、この音圧分布は、周波数300Hzの音の音圧レベル(音圧の絶対値の対数値log10(|p|))を濃度で表したものである。なお、横軸、及び縦軸は、共に、図2中の0を原点とした座標系の座標(距離)を表わす。
図2に示すように、第1開口部22からフード本体12内に入り込んだ音がフード本体12内において伝播する時、開口13と対向するフード本体12の側面12cと、フード本体12の天井面12bとが接する角端部(フード本体12内の左上の角部)12aが、音圧の極大になる。即ち、吸音材18が配置されていない消音換気構造50(図8参照)の場合、左上角端部12aが音圧の極大点pmaxとなる。なお、図2は、後述する管状体42の開口部を音圧の極大点pmax近傍に配置すれば良いことも示している。
この場合、吸音材18の表面が、極大点pmaxの位置に近い場合に消音効果が高くなる。したがって、フード本体12内に、吸音材18を配置する場合、吸音材18の表面が、音圧の高い部分の近く位置すると、吸音材18に音が効率よく吸収され、消音効果が高くなる。特に、消音換気構造50(図8参照)を通りやすい周波数の音は、左上隅の角端部12aの部分で音圧が高くなるため、角端部12aの部分に吸音材18の表面がくるように置くことが好ましい。
このため、吸音材18の接触面32(32a、及び32b)を、フード本体12の左上隅の角端部12aの近傍部分に設けることが好ましい。こうすることにより、吸音材18を音圧の極大点の位置に配置して効率よく吸音することができ、高い消音効果を得ることができる。
被覆材20は、音を通さない材質の材料であることが好ましい。その理由は、フード本体12の左上隅の角端部12aの音圧の極大となる点において強く吸音するためである。本発明において、音を通さない材質の材料とは、使用状態の材料、例えば使用される被覆材20と同じ厚みの板状の材料を、音響管の導波路を全て塞ぐように設置した構成で、4マイク法にて評価した場合において250Hz〜4000Hzに渡って透過損失5dB以上である材質の材料と定義する。なお、周波数を250Hz〜4000Hzとしたのは、音響管測定で安定して測れるのが250〜4000Hzであるからである。
4マイク法では、図18に示す音響特性測定系60のように、アルミニウム製音響管(管体62)内に被覆材20として用いられる遮音性のある材質の材料70を配置し、音響管(管体62)に配置された4つのマイクロフォン64を用いて伝達関数法による音響特性の測定を行う。
この手法は、「ASTM E2611-09: Standard Test Method for Measurement of Normal Incidence Sound Transmission of Acoustical Materials Based on the Transfer Matrix Method」に従うものである。音響管としては、例えば日本音響エンジニアリング株式会社製のWinZacと同一の測定原理であるものとして、アルミニウム製の管体62を用いる(WinZacについては、ウェブ資料「https://www.noe.co.jp/en/download/pdf/winzac.pdf」を参考にすることができる。)。管体62の下側には内部にスピーカ66を収納した円筒状の函体68を配置し、函体68の上面に管体62を載置した。スピーカ66から所定音圧の音を出力し、4本のマイクロフォン64で測定する。この方法で広いスペクトル帯域において音響透過損失を測定することができる。
具体的には、この手法を用いて、音を通さない材質の材料70を、直径4cmの音響管(管体62)を隙間なく遮るように、図18のごとく配置して、測定を行い、その透過率Tを求め、透過損失TL=10*log10(1/T)を得ることができる。上述したように、この透過損失TLの値が、250Hz〜4000Hzに渡って5dB以上であるものを遮音性のある材質の材料と定義する。
音を通さない材質被覆材20としては、音を通さない材質の材料であれば良く、例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、これらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、カーボンファイバ、及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、建造物の壁材と同様なコンクリート、モルタル等を挙げることができる。
本発明では、接触面32(32a、及び32b)は、好ましくはその中心位置は、フード16(特に、フード本体12)の共鳴モードの周波数の波長をλ、100Hz以上、かつ可聴域における周波数の共鳴モードの次数を周波数の低い側から、n=1、2、…(正の整数)として、n次の共鳴モードの周波数に対応する波長をλnとする時、フード16(特に、フード本体12)内の音圧の極大となる点からλn/16の範囲内に存在することが好ましい。
なお、本発明においては、波長λは、フード16の共鳴モードの周波数の波長に該当する。共鳴モードの周波数とは、フード16の片方(例えば、第1開口部22)から音を流して、もう片方の出口(例えば、第2開口部24)側の屋内28の空間で音圧を測定した際のピーク(極大)の周波数に該当する。具体的には、フードの共鳴モードの周波数とは、フードの片方の出口から距離50cmの位置からスピーカにてホワイトノイズを発生させ、もう片方の側の出口から50cmの位置で音圧を計測用マイクで計測し、音圧の周波数スペクトルを測定した場合の、観測音圧が極大となる周波数と定義する。この際、共鳴モードの次数は、周波数の低い側から、n=1,2,・・・(正の整数)と定義する。それらの理由は、共鳴モードの波長λであって、かつ可聴域に対応する波長の音が、抜けてきやすい音になるので、消さなければならない音になるからであり、接触面32が音圧の極大点に近い方が、消音効果が高く、音圧の極大点から離れると消音効果が弱くなるからである。
また、接触面32(32a、32b)は、好ましくはその中心位置は、n次の共鳴モードの波長λnであって、かつ可聴域に対応する波長において、フード本体12内の角端部12a、好ましくは第1開口部22を通る音の進行方向と、第2開口部24を通る音の進行方向とが屈曲する点に対応するフード本体12内の角端部12aからλn/16の範囲内に存在することが好ましい。その理由は、接触面32が音圧の極大点となるフード本体12内の角端部12aに近い方が、消音効果が高いからである。
ここで、共鳴モードの次数である正の整数nは、3以下であることが好ましい。即ち、特に、共鳴モードの波長λであって、かつ可聴域に対応する波長に該当する音の中でも、共鳴モードの次数n=1,2,3というような、比較的低い周波数の音が抜けてきやすく、低い周波数の音の方が、消す必要があるからである。しかも、低い周波数の音の方が、吸音材18で簡単には消し難い問題があるからである。
本発明の第1実施形態の消音換気構造は、基本的に、以上のように構成される。
(第2実施形態の消音換気構造)
図3は、本発明の第2実施形態に係る消音換気構造の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示す本発明の第2実施形態の消音換気構造40は、図1に示す本発明の第1実施形態の消音換気構造10と、吸音材18がフード本体12の内面に貼り付けられておらず、管状体42を有している点を除いて、同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には、同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の消音換気構造40は、フード型の消音換気構造であって、直方体形状のフード本体12、及びフード本体12に接続される円管形状のスリーブ14を備えるフード16と、フード本体12内の空間に開口する開口部44を有する2つの管状体42(42a、及び42b)と、管状体42(42a、及び42b)の内部に備えられた吸音材18と、フード本体12に設けられる第1開口部22と、スリーブ14に設けられる第2開口部24とを有する。
消音換気構造40も、消音換気構造10と同様に、図1を参照すると、住宅等の建築物の屋外(外部空間)26と屋内(内部空間)28とを隔てる壁(例えば、外周壁、コンクリート壁)30とを連通するように設けられることが好ましい。即ち、消音換気構造10は、屋外26、及び屋内28の2つの空間を連通するように設けられる好ましい。
(管状体)
図3に示す例では、2つの管状体42の内の管状体42a、及び42bは、それぞれフード本体12内の天井面12bの内面、及び左側(例えば屋外26側(図1参照))の側面12cの内面に接するように配置される。管状体42aの長手方向の長さは、フード本体12の天井面12bの内面の長さに等しく、管状体42bの長手方向の長さは、フード本体12(側面12c)の内面の長手方向の長さ)に等しい。
なお、管状体42a、及び42bは、それぞれフード本体12内の空間に選択的に開口する開口部44を有する。
管状体42(42a、及び42b)の内部には吸音材18が充填されて備えられる。なお、第1開口部22の位置における吸音材18の底面は、管状体42bの底面によって閉じ切られている。
管状体42(42a、及び42b)の開口部44(44a、及び44b)は、フード本体12内の左上隅の角端部12aに位置する。管状体42aの開口部44aは、フード本体12内の左上隅の角端部12aの上側に位置する。管状体42bの開口部44bは、フード本体12内の左上隅の角端部12aの左側に位置する。開口部44(44a、及び44b)は、管状体42から吸音材18の表面の一部を選択的に露出させており、吸音材18の露出部分をフード本体12内の空間と接触する接触面32(32c、及び32d)として構成する。
ところで、フード本体12内の空間と接触する管状体42の側面は、被覆材20を構成するともいえる。ここで、管状体42は、音を通さない材質で構成されていることが好ましい。
ここで、管状体42の形状は、フード本体12内の所定の位置に配置でき、開口部44を有し、内部に吸音材18を充填できれば、特に制限的ではない。管状体42の形状は、例えば、四角柱管形状、円管形状、又はラビリンス型形状等を挙げることができる。
また、管状体42の材料は、吸音材18を充填できれば、特制限的ではない。管状体42の材料は、音を通さない材料であることが好ましく、例えばアルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、これらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、カーボンファイバ、及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、建造物の壁材と同様なコンクリート、モルタル等を挙げることができる。
なお、管状体42の開口部44の位置、及びその中心位置は、接触面32の長手方向の位置、及びその中心位置に等しいので、本発明の第2実施形態の消音換気構造40においても、本発明の第1実施形態の消音換気構造10と同様に、共鳴モードの波長λがλ=2L/nを満たし、かつ可聴域に対応する波長において、フード16内の音圧の極大点からλ/8の範囲内に存在すること、又はフード16のフード本体12内の左上隅の角端部12aからλ/8の範囲内に存在することが好ましい。その理由は、管状体42の開口部44(即ち、接触面32)が音圧の極大点に近い方が、消音効果が高く、音圧の極大点から離れると消音効果が弱くなるからである。
また、正の整数nは、3以下であることが好ましい。その理由は、共鳴モードの次数が低い3以下の比較的低い周波数の音が抜けてきやすいため、積極的に消す必要があるからである。
図3に示す例では、2つの管状体42a、及び42bがフード本体12内における左上隅の天井面12bと左側の側面12cに配置されているが、管状体42の開口部44(接触面32)の位置がフード16内の音圧の極大点、又はフード本体12内のフード本体12内の左上隅の角端部12aからλn/16の範囲内にあれば、1つ、又は3以上の管状体42を、フード16内の音圧の極大点、又はフード本体12内の左上隅の角端部12aを含むいずれかの位置に配置しても良い。
また、接触面の面積、及び吸音材の体積は、本発明の第1実施形態の消音換気構造10と同様に規定されることが好ましい。
図3に示す消音換気構造40は、管状体42(42a、42b)をフード本体12内に配置しているが、本実施形態はこれに限定されず、図4に示す消音換気構造40Aのように、管状体42(42a、42b)をフード本体12外に配置しても良い。
消音換気構造40Aにおいては、管状体42a、及び42bは、それらの側面が、それぞれフード本体12の外に、フード本体12の天井面12bの上側、及び左側の側面12cの外側に配置されている。
管状体42(42a、42b)の開口部44(44a、44b)は、フード16の音圧の極大点となるフード本体12の左上隅の角端部12aに対して図4中天井面12bの左側、及び左側面12cの天井側に開口している。管状体42(42a、42b)内の吸音材18の表面は、開口部44(44a、44b)において接触面32(32a、32b)を構成する。
図4に示す消音換気構造40Aにおいて、管状体42aの開口部44aは、フード本体12内の左上隅の角端部12a(λn/16の範囲内)にあり、管状体42bの開口部44bも、フード本体12内の左上隅の角端部12a(λn/16の範囲内)にある。その理由は、管状体42の開口部44(即ち、接触面32)が音圧の極大点に近い方が、消音効果が高く、音圧の極大点から離れると消音効果が弱くなるからである。
しかしながら、本実施形態は上記の構成に限定されず、管状体42の開口部44(接触面32)の位置がフード16内の音圧の極大点、又はフード本体12の左上隅の角端部12aからλn/16の範囲内にあれば、1つ、又は3つ以上の管状体42を、フード16内の音圧の極大点、又はフード本体12内の左上隅の角端部12aを含むいずれかの位置に配置しても良いし、2以上の管状体42の少なくとも1つの管状体42をフード本体12内に、残りの少なくとも1つの管状体42をフード本体12の外に配置しても良い。
例えば、図5に示す消音換気構造40Bのように、フード本体12に対して長手方向のサイズが小さい管状体42cをフード本体12に対して長手方向を揃えて外付けにして、フード16外に配置しても良い。また、図6に示す消音換気構造40Bのように、フード本体12に対して長手方向のサイズが小さい管状体42dをフード本体12に対して長手方向を揃えて内挿して、フード16内に配置しても良い。管状体42c、及び42dにおいても、それぞれの開口部44は、フード16内の音圧の極大点、又はフード本体12内の左上隅の角端部12aを含むいずれかの位置に配置されていることが好ましい。
また、図7に示す消音換気構造40Dのように、管状体46(46a、46b)を、その長手方向をフード本体12の長手方向に一致するようにフード16外に配置して、サイドブランチ型としても良い。この時、管状体46aは、フード16のフード本体12内の天井側の角端部12aを含む天井面12bにおいて、天井面12bと直交するように外側(図7中上側)に突出している。また、管状体46bは、フード16のスリーブ14の天井面14aにおいて、スリーブ14の天井面14aと直交するように外側(図7中上側)に突出している。
管状体46(46a、46b)の開口部48は、フード16のフード本体12の天井面12b、及びスリーブ14の天井面14aに開口している。管状体46(46a、46b)内の吸音材18の表面は、開口部48において接触面32を構成する。
図7に示す消音換気構造40Dにおいては、管状体46aの開口部48(接触面32)は、フード16(フード本体12)内の音圧の極大点の近傍(λn/16の範囲内)、又は、フード本体12内の左上隅の角端部12aの近傍(λn/16の範囲内)にあり、管状体46bの開口部48(接触面32)は、フード16(フード本体12)内の音圧の他の極大点の近傍(λn/16の範囲内)にある。即ち、管状体46(46a、46b)の開口部48(接触面32)は、音圧の極大点からλn/16の範囲内にあることが好ましい。その理由は、管状体46(46a、46b)の開口部48(接触面32)が音圧の極大点に近い方が、消音効果が高いからである。また、正の整数nは、3以下であることが好ましい。その理由は、共鳴モードの次数が低い3以下の比較的低い周波数の音が抜けてきやすいため、積極的に消す必要があるからである。
しかしながら、本実施形態は、上記構成に限定されず、管状体46の開口部48(接触面32)の位置がフード本体12内の音圧の極大点(腹)、又はフード本体12内の左上隅の角端部12aからλn/16の範囲内にあれば、1つ、又は3つ以上の管状体46を、フード16のフード本体12内の天井面12b、又は左側の側面12c、スリーブ14の天井面14aに直交するように外側に突出させても良い。
また、管状体42と管状体46とを併用しても良いし、本実施形態の消音換気構造の吸音材18及び被覆材20と、管状体42と管状体46とを併用しても良い。
また、本発明の第2実施形態においては、例えば、図6、及び図7に示すように、消音換気構造40Cの管状体42、及び消音換気構造40Dの管状体46の内部空間の長手方向の長さをLdとし、フード16内の音波の進行方向における管状体42の開口部44(接触面32)、及び管状体46の開口部48(接触面32)の幅をLoとすると、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さLdは、それぞれ開口部44、及び48(接触面32)の幅Loよりも大きい。
即ち、長さLdは、下記式(1)を満足することが好ましい。
Ld>Lo …(1)
ここで、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さをLdは、管状体42、及び46の内部空間内の音波の進行方向の長さということもでき、シミュレーションにより求めることができる。
図6に示す例においては、管状体42の内部空間は、その長手方向(したがって、フード16内の音波の進行方向)に延在しているため、内部空間内の音波の進行方向は、管状体42の内部空間の長手方向(即ち、フード16内の音波の進行方向、したがって図中上下方向)である。従って、長さLdは、管状体42の内部空間の長手方向において、管状体42の一端側(図中上側)の開口部44(接触面32)の中心位置から管状体42の他端側の端部(内部空間の端面)までの長さである。なお、位置によって管状体42の内部空間の長手方向の長さが異なる場合には、長さLdは、各位置での長さの平均値である。
また、位置によって開口部44(接触面32)の幅が異なる場合には、開口部44(接触面32)の幅Loは、各位置での幅の平均値である。
また、図7に示す例においは、管状体46の内部空間は、フード本体12、及びスリーブ14の天井面に直交する方向に突出しているため、内部空間内の音波の進行方向は、突出方向(図中上下方向)である。従って、長さLdは、突出方向における開口部48(接触面32)から内部空間上端面までの長さである。なお、位置によって管状体46の内部空間の長手方向の長さが異なる場合には、長さLdは、各位置での深さの平均値である。
また、位置によって開口部48の幅が異なる場合には、開口部48の幅Loは、各位置での幅の平均値である。
また、消音換気構造40C、及び40Dのフード16の共鳴モードの次数が1(n=1)である共鳴モードの周波数の波長(即ち、第一共鳴(n=1)の共鳴周波数における音波の波長)λ(=λ1)とすると、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たす。
即ち、長さLdは、下記式(2)をも満足することが好ましい。
0.011×λ<Ld<0.25×λ …(2)
上記式(2)から分かるように、長さLdは、λ/4よりも小さく、管状体42、及び46は、共鳴によって消音するものではない。
なお、長さLdは、0.016×λ<Ld<0.25×λを満たすことがより好ましく、0.021×λ<Ld<0.25×λを満たすのが更に好ましい。
なお、共鳴型の管状体を用いてフード16の最低共鳴周波数(n=1)の音を消音する場合には、少なくとも共鳴周波数の波長λの1/4の長さが必要となり、管状体のサイズが大型化してしまう。そのため、高い通気性と防音性能とを両立することが難しいという問題があった。
また、共鳴型の管状体は、特定の周波数(周波数帯域)の音を選択的に消音するものである。そのため、フード16の共鳴周波数に合わせた設計が必要となり、汎用性が低いという問題があった。
また、フード16の共鳴は、複数の周波数で発生するが、共鳴型の管状体は、特定の周波数の音を消音する。そのため、消音対象となる共鳴音は1つの周波数のみとなり、また、共鳴型の管状体が消音する周波数帯域は狭いので、他の周波数の共鳴音は消音できないという問題があった。
これに対して、本実施形態は、管状体42、及び46内の内部空間の長手方向の長さLdが、フード16内を進行する音の進行方向における開口部44、及び48の幅の幅Loよりも大きく、フード16の第一共鳴(n=1)の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、内部空間の長手方向の長さLdが、上記式(1)、及び(2)を満たす管状体42、及び46内を、フード16の第一共鳴の音場空間に接続して配置するものである。
管状体42、及び46は、管状体42、及び46の壁面近傍における流体の粘性、壁面の凹凸(表面粗さ)、及び管状体42、及び46内に配置された吸音材18等によって音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う。この壁面近傍における流体の粘性、壁面の凹凸(表面粗さ)、及び管状体42、及び46内に配置された吸音材18はエネルギーの変換機構と言える。
ここで、管状体42、及び46の開口部44、及び48の幅Loが、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さLdよりも小さいことによって、フード16内の音波が管状体46内に流入する際に、音圧を保ったまま気体(空気)分子の移動速度が速くなる。上述の変換機構による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率は、音圧および気体分子の移動速度に依存する。そのため、音圧を保ったまま気体分子の移動速度が速くなることによって、上述の変換機構による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が高くなる。
この消音の原理は音波の波長に依存しないので、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さLdがフード16の第一共鳴の共鳴周波数における波長λの1/4よりも小さくても、高い防音性能を発現することができる。従って、管状体42、及び46を小型化してフード16の通気性を維持しつつ、高い防音性能を得ることができる。
また、管状体42、及び46による消音の原理は音波の波長に依存しないので、フード16(フード本体12、及びスリーブ14)の長さおよび形状等が異なる場合でも、防音性能を発現することができ、フード16に合わせた設計が不要であり汎用性が高い。
また、管状体42、及び46による消音の原理は音波の波長に依存しないので、広い周波数帯域の音を消音することができる。
また、上述したように、防音性能および通気性の観点から、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さLdは、上記式(2)(即ち、0.011×λ<Ld<0.25×λ)を満たすことが好ましく、また、0.016×λ<Ld<0.25×λを満たすことがより好ましく、0.021×λ<Ld<0.25×λを満たすことが更に好ましい。
また、フード16内の音の進行方向に平行な断面において、管状体42、及び46の内部空間の長手方向の長さに直交する方向の内部空間の幅をLwとする時、この内部空間の幅Lwは、下記式(3)を満足することが好ましい。
0.001×λ<Lw<0.061×λ …(3)
なお、管状体42、及び46の内部空間の幅Lwは、0.001×λ<Lw<0.051×λを満たすことがより好ましく、0.001×λ<Lw<0.041×λを満たすことが更に好ましい。なお、図7においては、内部空間の幅Lwは、図中左右方向の長さであり、開口部48(接触面32)の幅Loと一致している。
また、本実施形態は、管状体42、及び46の内部空間の内壁の表面積Sdに対する開口部44、及び48の面積S1の比率S1/Sdを0<S1/Sd<40%とすることで、吸音材18等の変換機構の表面積に対して音波が入射する面の面積の割合を小さくして、高い音圧Pを保ったまま吸音材18等の変換機構に流入する音波に対応する気体分子の移動速度を速くして防音性能を高めることができる。
気体分子の移動速度を速くする観点では開口部44、及び48の面積S1(比率S1/Sd)は小さいほど好ましいが、開口部44、及び48の面積S1が小さすぎると音波が内部空間内に流入しにくくなるため防音性能が低くなってしまう。以上の観点から、内部空間の内壁の表面積Sdに対する開口部44、及び48の面積S1は、0.1%<S1/Sd<40%であることが好ましい。
即ち、面積Sdに対する面積S1の割合S1/Sdは、下記式(4)を満足することが好ましい。
0<S1/Sd<40% …(4)
なお、割合S1/Sdは、0.3%<S1/Sd<35%であることがより好ましく、0.5%<S1/Sd<30%であることがより好ましい。
なお、内部空間の内壁の表面積Sdは、分解能を1mmとして測定する。すなわち、1mm未満の凹凸等の微細構造を有する場合には、これを平均化して表面積Sdを求めればよい。
本発明の第2実施形態の消音換気構造は、基本的に、以上のように構成される。
本発明の消音換気構造を実施例に基づいて具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、寸法、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(参考例)
まず、吸音材、及び被覆材が全く貼り付けられていない図8に示す比較例のフード型の消音換気構造50を2次元シミュレーション構造として作製した。
図8に示すように、フード16のフード本体12は、厚みの無い理想的な剛体板で構成され、長手方向(縦方向)の長さ186mm、かつ幅方向(厚さ方向)の長さ95mmの縦長の直方体形状であった。なお、本実施例では、2次元シミュレーションであるので厚みを仮定していない。また、理想的な剛体板とは音を完全に反射する板である。また、2次元シミュレーションであるので奥行き方向は考えていない。
スリーブ14は、厚みの無い理想的な剛体板で構成され、高さ100mm、長さ200mmの直方体の形状であった。スリーブ14が接続される開口13は、フード本体12の長手方向に沿って底面から48mmの位置から高さ100mmの矩形の開口であった。
(比較例1)
次に、図8に示す参考例の消音換気構造50のフード本体12の開口13に対向する側面12cの内面、及び天井面12bの内面に、厚さ20mmの流れ抵抗20000[Pa・S/m]のグラスウールからなる吸音材18を貼り付けて、図9に示す比較例1のフード型の消音換気構造52を2次元シミュレーション構造として作製した。
(実施例1−1)
次に、図9に示す比較例1の消音換気構造52のフード本体12の側面12cの内面、及び天井面12bの内面に貼り付けられた吸音材18の表面の一部を、厚みの無い理想的な剛体板の被覆材20で被覆して、図10に示す本発明の実施例1−1のフード型の消音換気構造10を2次元シミュレーション構造として作製した。図10に示す実施例1−1のフード型の消音換気構造10は、具体的な寸法が入っている以外は、図1に示す本発明の第1実施形態のフード型の消音換気構造10と同じである。2次元シミュレーションであるので厚みの無い理想的な剛体板としているが、具体的に想定しているのは、例えば厚み1mmのステンレス鋼等が挙げられる。
被覆材20は、図10に示す消音換気構造10のフード本体12の天井面12bに貼り付けられた吸音材18の表面を、吸音材18の表面の左上隅から右側に40mm空けて被覆し、フード本体12の側面12cに貼り付けられた吸音材18の表面を、吸音材18の表面の左上隅から下側に40mm空けて被覆した。なお、図10に示す実施例1−1の消音換気構造10のフード本体12の天井面12bの内面に貼り付けられた吸音材18の開口13側の端部は、側面12cと反対側の側面によって閉じ切られているので、管状体42(42a)をフード本体12の天井面12bの内面に接触させて内挿したものと見做すことができるものである。
その結果、図1に示す消音換気構造10のフード本体12の天井面12bにおけるフード本体12の空間に接触する接触面32aは、幅方向40mmの面積の吸音材18の表面であった。また、フード本体12の側面12cにおけるフード本体12の空間に接触する接触面32bは、長手方向40mmの面積の吸音材18の表面であった。
(実施例1−2)
次に、図10に示す実施例1−1の消音換気構造10のフード本体12の側面12cの内面に貼り付けられた吸音材18の底面(第1開口部22の位置における吸音材18の底面)を被覆材20で被覆して閉じ切った図11に示す本発明の実施例1−2のフード型の消音換気構造11を2次元シミュレーション構造として作製した。消音換気構造11では、側面12c、対向する被覆材20、底面を閉じ切った被覆材20、及び側面12cの両側の直交する側面からなる管状体42(42b)をフード本体12の側面12cの内面に接触させて内挿したものと見做すことができるものである。
こうして作製された実施例1−1の消音換気構造10、実施例1−2の消音換気構造10、参考例の消音換気構造50、及び比較例1の消音換気構造52について、図12に示す基本2次元計算モデルを用いて、有限要素法計算ソフトCOMSOL MultiPhysics ver.5.3(COMSOL社)の音響モジュールを用いた有限要素法によるシミュレーション計算を行った。
このようなシミュレーションモデルを用いて、図12に示すように、壁で仕切られた一方の(下側)空間の半球状の面(半径1m)の外側から音波を入射させた。その入射音波を消音換気構造10の第1開口部22を通してフード本体12内に入射させた。次に、フード本体12内に入射した音波を第2開口部24から他方の(右側)空間に出射させた。その結果として、この右側の空間の1/4球状の面(半径1m)に到達する音波を検出した。
こうして、右側の空間の1/4球状の面の各位置(i)における音圧pをm点測定し、音圧pの絶対値の2乗|pの平均値aspを下記式(5)によって算出した。mは測定点の数である。
Figure 0006902059
なお、音圧pが1/4円弧(l)の関数として与えられる場合には、音圧の絶対値の2乗|p|を1/4円弧(l)にそって積分して、下記式(6)で表される音圧の絶対値の2乗の線積分値ispを求める。
こうして求めた音圧の絶対値の2乗の線積分値ispを、半径rの1/4円弧の長さL(=πr/2)で割り算して、下記式(7)で表される音圧の絶対値の2乗|p|の平均値aspを算出すればよい。
Figure 0006902059
asp=isp/(πr/2)=2×isp/(πr) …(7)
こうして得られた実施例1−1、実施例1−2、参考例、及び比較例1の、周波数に対する音圧の絶対値の2乗の平均値aspを図13に示す。
図13から明らかなように、実施例1−1、及び実施例1−2は、200Hzから700Hzの範囲において、参考例、及び比較例1に比べて、音圧の絶対値の2乗の平均値aspが小さくなっており、入射音を低減でき、消音できていることが分かる。これらの結果から、従来の吸音材18を単に設置する場合(比較例1)に比べて、本発明の消音換気構造が消音効果に優れることが示された。
したがって、本発明の有効性を示されたと言える。
(実施例2)
図14に示す実施例2のフード型の消音換気構造10Aをそれぞれ2次元シミュレーション構造として作製した。図14に示す消音換気構造10Aは、図10に示す実施例1−1のフード型の消音換気構造10におけるフード本体12の天井面12bに貼り付けられた吸音材18の表面は閉じ切られて接触面32aが無く、接触面32bの長手方向上側の位置が、フード本体12の長手方向の天井面12bに貼り付けられた吸音材18の表面に位置していたのに対し、xmm下方に位置しているとしている点で異なっているものであった。なお、第1開口部22の位置における吸音材18の底面は、閉じ切られている。
したがって、x=0mmである実施例2は、図10に示す実施例1−1の消音換気構造10と同じであると言える。
次に、フード本体12の天井面12bの吸音材18の表面から接触面32bの上端までの距離xを、0mmから、5mm、25mm、45mm、65mm、85mm、及び105mmと変更した6種類の消音換気構造10Aを作製した。
こうして作製された6種類の消音換気構造10Aについて、図12に示す基本2次元計算モデルを用いて、有限要素法計算ソフトCOMSOL MultiPhysics ver.5.3(COMSOL社)の音響モジュールを用いた有限要素法によるシミュレーション計算を行い、音圧の絶対値の2乗|p|の平均値aspを求めた。
こうして得られた所定の空間内、及び実施例1−1消音換気構造10内の周波数300Hzの音の音圧分布(音圧レベル(dB):log10(|p|))を図15に示す。なお、横軸、及び縦軸は、共に、図2中の0を原点とした座標系の座標(距離)を表わす。
図15から、300Hzの音では、図14に示す消音換気構造10Aにおいて、フード本体12の左上隅の角端部12a対応する点であって、天井面の吸音材18と、側面の吸音材18とが接する左上隅の角端部が音圧の極大点pmaxとなっていることが分かる。
また、こうして得られた図10に示す実施例1−1の消音換気構造10を含む7種類の実施例2の消音換気構造10Aの周波数に対する音圧の絶対値の2乗の平均値aspを図16に示す。
また、図16に示す周波数に対する音圧の絶対値の2乗の平均値aspから、周波数300Hzにおける距離xに対する7種類の実施例2の消音換気構造10Aの音圧の絶対値の2乗の平均値asp値を図17に示す。
図16から、図10に示す実施例1−1の消音換気構造10(x=0mm)は、300Hzにおいて、音圧のピーク(極大点)を持つことが分かる。残りの6種類の実施例2の消音換気構造10A(x=5mm〜105mm)の場合も、300Hz付近において、音圧のピーク(極大点)を持つことが分かる。
また、図16、及び図17から、300Hzに着目すると、300Hzの音が消音換気構造10Aを通過する音圧の極大点pmaxは、図15に示す吸音材18の左上隅の角端部の位置であるから、吸音材18の表面(接触面32)と音圧の極大点pmaxとの距離は、xであると言える。ここで、距離xが小さいほど、即ち、吸音材18の表面(接触面32)と消音換気構造10Aの音圧極大点pmaxが近いほど、消音効果が高くなっていることが分かる。
ここで、共鳴モードの波長λは、1133mm(n=1)であるので、nλ/16は、70mmであるので、図17において、丸で囲んだx=0mm、5mm、25mm、45mm、及び65mmの5点は、丸の外側のx=85mm、及び105mmの2点より、音圧が低く、消音効果高いことが分かる。即ち、吸音材18の表面(接触面32)が音圧の極大となる点からnλ/16以内に存在することにより、より高い消音効果が得られることが分かった。
よって、本発明の有効性が示されたと言える。
以上の実施例1−1、1−2、及び2から、本発明の効果は明らかである。
以上、本発明の消音換気構造について、種々の実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
10、10A,11、40,40A,40B.40C,40D,50,52 消音換気構造
12 フード本体
12a 角端部
12b、14a 天井面
12c 側面
13 開口
14 スリーブ
16 フード
18 吸音材
20 被覆材
22 第1開口部
24 第2開口部
26 屋外(外部空間)
28 屋内(内部空間)
30 壁(外周壁、コンクリート壁)
32、32a、32b、32c、32d 接触面
42、42a、42b、42c、42d、46,46a、46b 管状体
44、44a、44b、48 開口部
60 音響特性測定系
62 管体
64 マイクロフォン
66 スピーカ
68 函体
70 音を通さない材質の材料
asp 音圧の絶対値の2乗の平均値
n 共鳴モードの次数(正の整数)
max 音圧の極大点
S 音

Claims (8)

  1. フード型の消音換気構造であって、
    フード本体、及び前記フード本体に接続され、前記フード本体内の空間と連通するスリーブを備えるフードと、
    前記フード本体に設けられる少なくとも1つの第1開口部と、
    前記スリーブに設けられる少なくとも1つの第2開口部と、
    前記フード本体の内部に備えられた吸音材と、
    前記吸音材の表面の一部を選択的に被覆する被覆材と、を有し、
    前記第1開口部を通る音の進行方向と、前記第2開口部を通る音の進行方向とは、異なるものであり、
    前記被覆材は、前記吸音材の表面の他の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分を前記換気フード内の空間と接触する少なくとも1つの接触面として構成し、
    前記吸音材は、前記スリーブが接続されている面と対向する前記フード本体の内面、及び前記第1開口部と対向する前記フード本体の内面に貼り付けられており、
    前記被覆材は、音を通さない材質の材料であり、
    音を通さない材質の材料は、使用される前記被覆材と同じ厚みの板状の材料を、音響管の導波路を全て塞ぐように設置した構成で、4マイク法にて評価した場合において250Hz〜4000Hzに渡って透過損失5dB以上である材質の材料であり、
    前記少なくとも1つの接触面は、100Hz以上、かつ可聴域における周波数の共鳴モードの次数を低い側から、n=1、2、…(正の整数)とし、n次の共鳴モードの周波数に対応する波長をλnとする時、前記共鳴モードの波長のいずれかに該当する音波の音圧の極大となる点からλn/16の範囲内に存在する消音換気構造。
  2. 前記少なくとも1つの接触面は、100Hz以上、かつ可聴域における周波数の共鳴モードの次数を低い側から、n=1、2、…(正の整数)とし、n次の共鳴モードの周波数に対応する波長をλnとする時、前記フード本体内の角端部からλn/16の範囲内に存在する請求項1に記載の消音換気構造。
  3. 前記第1開口部を通る音の進行方向と、前記第2開口部を通る音の進行方向とは、90°異なるものである請求項1、又は2に記載の消音換気構造。
  4. 前記少なくとも1つの接触面は、前記吸音材の表面の全面積に対して、1.0%〜50%の面積を占める請求項1〜3のいずれか1項に記載の消音換気構造。
  5. 前記吸音材は、前記第1開口部、及び前記スリーブの接続部を除く前記フード本体の内面の全面積に対して、50%以上の面積に貼り付けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の消音換気構造。
  6. 前記吸音材の体積は、前記フード本体の内容積の1.0%〜50%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の消音換気構造。
  7. 前記消音換気構造は、屋内と屋外とを隔てる壁を貫通する換気口の屋外側に設置される外部フード型の消音換気構造であり、
    前記フード本体は、屋外に配置され、
    前記スリーブは、前記壁を貫通するように配置される請求項1〜6のいずれか1項に記載の消音換気構造。
  8. 更に、前記フードの少なくとも1つの側面に前記フード内の空間に開口する開口部を有する少なくとも1つの管状体を有し、
    前記管状体の内部には前記吸音材が充填されており、
    前記管状体の前記開口部は、前記吸音材の表面の一部を選択的に露出させて、選択的な露出部分を前記フード内の空間と接触する前記少なくとも1つの接触面として構成する請求項1〜6のいずれか1項に記載の消音換気構造。
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