JP6901189B1 - 石英ガラス基板に微細凹凸表面構造を製造する方法 - Google Patents

石英ガラス基板に微細凹凸表面構造を製造する方法 Download PDF

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Abstract

比較的簡単な製造プロセスによって、大きな面積の石英ガラス基板に所望の形状の微細凹凸表面構造を安定的に製造することのできる製造方法を提供する。石英ガラス基板に平均ピッチが50ナノメータから5マイクロメータの微細凹凸表面構造を製造する方法であって、2個の電極を有するイオンエッチング装置において、第1の電極に高周波電源を接続し第2の電極を接地し該石英ガラス基板を該第1の電極に接して配置した状態でアルゴンガスによるイオンエッチングを実施するステップと、同じ状態でトリフルオロメタン(CHF3)ガスまたはトリフルオロメタン(CHF3)及び酸素の混合ガスによる反応性イオンエッチングを実施するステップと、を含む。

Description

本発明は、石英ガラス基板に微細凹凸表面構造を製造する方法に関する。
石英ガラス基板に光の波長またはそれ以下の小さなピッチ(周期)で配列された微細凹凸表面構造からなる反射防止構造が光学素子に使用されている。このような微細凹凸表面構造の製造方法として、電子ビーム描画によってパターンマスクを作成しエッチングを実施して微細凹凸表面構造を製造する方法(特許文献1)、スパッタリングによってパターンマスクを作成しエッチングを実施して微細凹凸表面構造を製造する方法(特許文献2)、ナノ粒子を表面に分布させて微細凹凸表面構造を製造する方法(特許文献3)が知られている。
しかし、上記の従来の方法には以下に示す欠点がある。電子ビーム描画による方法は加工に時間がかかり大きな面積に微細凹凸表面構造を製造するのが困難である。スパッタリングによる方法は、所望の微細凹凸表面構造を得るためのマスクの制御が困難であり、高い反射防止機能が得られない。ナノ粒子による方法は、石英ガラスとナノ粒子との間の中間層を形成する工数かかかり、また高価なナノ粒子を使用するのでコストが高い。
また、反応性イオンエッチングによってガラス基板に微細凹凸表面構造を製造する方法が開発されている(特許文献4)。この方法は、ガラスとエッチングガスとの化学反応で生成されガラス表面にランダムに配置されるポリマーをエッチングマスクとして利用する。しかし、この方法はエッチングマスクを生成するために化学反応を利用するので、ガラスの種類や表面状態が微細凹凸表面構造の形状に影響しやすく、また所望の形状の微細凹凸表面構造を安定的に製造するのが困難である。
このように、比較的簡単な製造プロセスによって、大きな面積の石英ガラス基板に所望の形状の微細凹凸表面構造を安定的に製造することのできる製造方法は開発されていない。
そこで、比較的簡単な製造プロセスによって、大きな面積の石英ガラス基板に所望の形状の微細凹凸表面構造を安定的に製造することのできる製造方法に対するニーズがある。
特開2001-272505 特開2019-008082 特開2006-259711(特許4520418) US8187481B1
本発明の技術的課題は、比較的簡単な製造プロセスによって、大きな面積の石英ガラス基板に所望の形状の微細凹凸表面構造を安定的に製造することのできる製造方法を提供することである。
本発明による石英ガラス基板に平均ピッチが50ナノメータから5マイクロメータの微細凹凸表面構造を製造する方法は、2個の電極を有するイオンエッチング装置において、第1の電極に高周波電源を接続し第2の電極を接地し該石英ガラス基板を該第1の電極に接して配置した状態でアルゴンガスによるイオンエッチングを実施するステップと、同じ状態でトリフルオロメタン(CHF)ガスまたはトリフルオロメタン(CHF)及び酸素の混合ガスによる反応性イオンエッチングを実施するステップと、を含む。
本発明による製造方法は、反応性イオンエッチングを実施する前にアルゴンガスによるイオンエッチングを実施するので、石英ガラス基板の表面の原子配列が変化し、石英ガラス基板の表面は、その初期状態によらず、反応性イオンエッチングによって微細凹凸表面構造が形成されやすくなる。したがって、反応性イオンエッチングによって、大きな面積の石英ガラス基板に所望の形状の微細凹凸表面構造を安定的に製造することが可能となる。
本発明の第1の実施形態の製造方法において、該混合ガスに対する酸素ガスの流量比率は0から50パーセントの範囲である。
本実施形態によれば、上記の範囲の流量比率の酸素ガスを供給することにより、トリフルオロメタン(CHF)ガスから生成され石英ガラス基板の表面に付着するポリマーを除去し、反射防止機能を向上させることができる。
本発明の第2の実施形態の製造方法は、該第1の電極を接地し該第2の電極に該高周波電源を接続し、該石英ガラス基板を該第1の電極に接して配置した状態でトリフルオロメタン(CHF)ガスまたは酸素ガスによるラジカルエッチングを実施するステップをさらに含む。
本実施形態によれば、ラジカルエッチングによって反射防止機能がさらに向上する。また、トリフルオロメタン(CHF)ガスによるラジカルエッチングによって撥水性が向上し、酸素ガスによるラジカルエッチングによって親水性が向上する。
本発明の第3の実施形態の製造方法は、該反応性イオンエッチングを実施するステップの後に該石英ガラス基板にウェットコーティングを実施するステップをさらに含む。
本実施形態によれば、ウェットコーティングによって反射防止機能がさらに向上する。
本発明の一実施形態による微細凹凸表面構造の製造方法に使用されるエッチング装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を示す流れ図である。 本発明の一実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。 本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。 本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。 第3のエッチングによる、石英ガラス基板に形成された微細凹凸表面構造の形状の変化を説明するための図である。 微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の透過率を示す図である。 微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の反射率を示す図である。 上記の微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板による反射と微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板による反射を比較する写真である。 微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。 第3のエッチングとしてトリフルオロメタン(CHF)ガスによるエッチングを実施した、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。 第3のエッチングとして酸素ガスによるエッチングを実施した、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。 本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を示す流れ図である。 本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。 ウェットコーティングによる、石英ガラス基板に形成された微細凹凸表面構造の形状の変化を説明するための図である。 ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の透過率を示す図である。 ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の反射率を示す図である。 ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えていない石英ガラス基板の反射率を示す図である。 微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。 ウェットコーティングされていない微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。 ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。 微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の透過率を示す図である。 本発明の微細凹凸表面構造の製造方法を総括的に示す流れ図である。
図1は、本発明の一実施形態による微細凹凸表面構造の製造方法に使用されるエッチング装置100の構成を示す図である。エッチング装置100は反応室101を有する。真空排気された反応室101には、ガス供給口111からガスが供給される。供給されるガスの量は調整することができる。さらに、反応室101にはガス排気口113が設けられ、ガス排気口113には図示しないバルブが取り付けられている。バルブを操作することにより、反応室101内のガス圧力を所望の圧力値とすることができる。反応室101には、通常は接地される上部電極103、及び通常は高周波電源107に接続される下部電極105が備わり、両電極間に高周波電源107により高周波電圧をかけて反応室101内のガスからプラズマを発生させることができる。下部電極105には、処理されるターゲットが配置される。下部電極105は、冷却装置109によって所望の温度に冷却することができる。冷却装置109は、たとえば、冷却に水冷式チラーを使用するものである。下部電極105を冷却するのは、基板101の温度を所望の温度とすることによりエッチング反応を制御するためである。
図2は本発明の一実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を示す流れ図である。
図3は本発明の一実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。
図2のステップS1010において、下部電極105上に石英ガラス基板200を配置し、エッチング装置100にアルゴンガスを供給し、下部電極105に高周波電源107によって高周波電圧を供給する。高周波電圧によってアルゴンガスはプラズマ化しアルゴンイオンが発生する。アルゴン陽イオンは、電子によって負に帯電した下部電極105に引き寄せられ石英ガラス基板200の表面に衝突し表面の物理的エッチングが進行する。本ステップのエッチングを第1のエッチングとも呼称する。
図3に示すように第1のエッチングによって石英ガラス基板200の表面の原子配列が変化し、石英ガラス基板200の表面は、その初期状態によらず、後に説明する第2のエッチングによって微細凹凸表面構造が形成されやすくなる。
図2のステップS1020において、エッチング装置100にトリフルオロメタン(CHF)ガスまたはトリフルオロメタン(CHF)及び酸素の混合ガスを供給し、下部電極105に高周波電源107によって高周波電圧を供給する。高周波電圧によってトリフルオロメタン(CHF)ガスまたは酸素ガスはプラズマ化し、トリフルオロメタン(CHF)陽イオンまたは酸素陽イオンが発生する。トリフルオロメタン(CHF)陽イオンまたは酸素陽イオンは、電子によって負に帯電した下部電極105に引き寄せられ石英ガラス基板200の表面に衝突し表面の物理的エッチングが進行する。また、トリフルオロメタン(CHF)イオンまたはラジカルが石英ガラスの成分である二酸化ケイ素(SiO)と反応しフッ化シリコン(SiF)、酸素(O)などの種々の反応生成物が生成される。これらの反応生成物が基板200の表面から離れることによってもエッチングが進行する。酸素ガスは、トリフルオロメタン(CHF)ガスから生成され石英ガラス基板200の表面に付着するポリマーを除去し反射防止機能を向上させる。酸素ガスの流量比率は0から50パーセントの範囲であるのが好ましい。本ステップのエッチングを第2のエッチングとも呼称する。
図3に示すように第2のエッチングによって石英ガラス基板200に微細凹凸表面構造が形成される。
図4は本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。
図5は本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。
図4のステップS2010において、図2のステップS1010と同様に第1のエッチングが実施される。
図4のステップS2020において、図2のステップS1020と同様に第2のエッチングが実施される。
図4のステップS2030において、上部電極103に高周波電源107を接続し下部電極105を設置する。エッチング装置100にトリフルオロメタン(CHF)ガスまたは酸素ガスを供給し、上部電極103に高周波電圧を与える。本ステップにおいて、トリフルオロメタン(CHF)陽イオンまたは酸素陽イオンは上部電極に引き寄せられるので石英ガラス基板200の表面の物理的なエッチングには寄与しない。本ステップにおいては、図5に示すように、トリフルオロメタン(CHF)のラジカルまたは酸素のラジカルと石英ガラス基板200の表面との反応による化学的エッチングが進行する。ここでラジカルとは、全体の電荷が零であり、不対電子対を有する分子を指す。本ステップにおけるエッチングは、第2のエッチングと比較して等方的で緩やかなエッチングである。本ステップのエッチングを第3のエッチングとも呼称する。
第3のエッチングによって石英ガラス基板200に形成された微細凹凸表面構造の形状が変化する。この形状の変化について以下に説明する。
図6は、第3のエッチングによる、石英ガラス基板に形成された微細凹凸表面構造の形状の変化を説明するための図である。第3のエッチングは第2のエッチングと比較して等方的であるので、微細凹凸表面構造の凸部の側面が削られて凸部の形状は円錐形に近づくと考えられる。一般的に、微細凹凸表面構造の凸部の形状が円錐形に近づくと反射防止性能は向上する。したがって、第3のエッチングによって反射防止機能が向上することが期待される。
表1は、第1−第3のエッチングの加工条件を示す表である。
Figure 0006901189

高周波電源107の周波数は13.56MHzである。表1に示す温度とは冷却装置109によって制御される下部電極105の温度である。
表1において、イオンエッチングとは、イオンをターゲットに衝突させることによる主として物理的なエッチングを意味し、ラジカルエッチングとは、ラジカルとターゲット表面の化学反応による化学的エッチングを意味する。
石英ガラス基板に形成された微細凹凸表面構造の平均ピッチは120ナノメータであり平均深さは280ナノメータである。
一般的に、電力及び加工時間の少なくとも一方を増加させると微細凹凸表面構造の平均ピッチ及び平均深さは増加する。加工条件を適切に定めることにより、微細凹凸表面構造の平均ピッチを50ナノメータから5マイクロメータの範囲及び平均深さを50ナノメータから10マイクロメータの範囲で変化させることができる。本発明の製造方法によってこのようにして得られた微細凹凸表面構造は180ナノメータから10マイクロメータの波長の光に対して反射防止性能を有する。
図7は、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の透過率を示す図である。図7の横軸は波長を示し、図7の縦軸は透過率を示す。横軸の単位はナノメータであり、縦軸の単位はパーセントである。図7において、「加工」と記載された実線は微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の透過率を示し、「未加工」と記載された破線は微細凹凸表面構造が形成さていない石英ガラス基板の透過率を示す。図7によると全波長域にわたり「加工」の基板の透過率は「未加工」の基板の透過率と比較して5乃至7パーセント高い。
図8は、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の反射率を示す図である。図8の横軸は波長を示し、図8の縦軸は反射率を示す。横軸の単位はナノメータであり、縦軸の単位はパーセントである。図8において、「加工」と記載された実線は微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の反射率を示し。「未加工」と記載された破線は微細凹凸表面構造が形成さていない石英ガラス基板の反射率を示す。図8によると全波長域にわたり「加工」の基板の反射率は「未加工」の基板の反射率と比較して2.5乃至3.5パーセント低い。
図9は、上記の微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板による反射と微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板による反射を比較する写真である。図9において、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板には「加工後」と記載され、微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板には「加工前」と記載されている。「加工後」の基板には文字が映し出されていないが、「加工前」の基板には文字が明瞭に映し出されていことで「加工後」の基板の反射率が低下していることが確認できる。
図10は、微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。
図11は、第3のエッチングとしてトリフルオロメタン(CHF)ガスによるエッチングを実施した、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。
図12は、第3のエッチングとして酸素ガスによるエッチングを実施した、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。
図10−図12の水滴の接触角は、それぞれ51.4度、141度及び9.1度である。接触角は、一般に「静止液体の自由表面が、固体壁に接する場所で、液面と固体面とのなす角(液の内部にある角をとる)」(岩波理化学辞典第4版)と定義される。接触角が大きいほど撥水性が大きく親水性が小さい。
図10−図12によると、第3のエッチングとしてトリフルオロメタン(CHF)ガスによるエッチングを実施することによって撥水性が大きくなり、第3のエッチングとして酸素ガスによるエッチングを実施することによって親水性が大きくなる。このように、第3のエッチングによって表面の撥水性または親水性を変化させることができる。
第3のエッチングとしてトリフルオロメタン(CHF)ガスによるエッチングを実施すると、トリフルオロメタン(CHF)ラジカルによる化学反応のみが進行し微細凹凸表面構造の表面でフッ化系の疎水基が成長し撥水性が大きくなると考えられる。
第3のエッチングとして酸素ガスによるエッチングを実施すると、酸素ラジカルが微細凹凸表面構造の表面で第2のエッチングで生成された生成物と反応し、OH、CHO、COOHなどの親水基が生成され親水性が大きくなると考えられる。
図13は本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を示す流れ図である。
図14は本発明の他の実施形態の微細凹凸表面構造の製造方法を説明するための図である。
図13のステップS3010において、図2のステップS1010と同様に第1のエッチングが実施される。
図13のステップS3020において、図2のステップS1020と同様に第2のエッチングが実施される。
図13のステップS3030において、石英ガラス基板200をエッチング装置100から取り出し、図14に示すように容器内の撥水コート液(一例として、フロロテクノロジー製FG-5080F130-0.1)または親水コート液(一例として、東京応化工業製SPRA-101)に浸すことによってウェットコーティングを実施する。ウェットコーティングとは液体への浸漬によってコート膜を付与する技術である。
図15は、ウェットコーティングによる、石英ガラス基板の表面に形成された微細凹凸表面構造の形状の変化を説明するための図である。ウェットコーティングによって微細凹凸表面構造の表面にコート膜が形成される。図15に示すように、この膜によって微細凹凸表面構造の凸部の形状が変化する。微細凹凸表面構造の平均ピッチは、一例として、上述のように120ナノメータであり、膜の厚さは10−20ナノメータである。また、コート膜の材料であるコート液の屈折率は石英の屈折率と空気の屈折率との間の値であるので、反射防止性能の観点から石英と空気との間の中間層として好ましい。
図16は、ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の透過率を示す図である。ウェットコーティング液は撥水コート液(フロロテクノロジー製FG-5080F130-0.1)である。図16の横軸は波長を示し、図16の縦軸は透過率を示す。横軸の単位はナノメータであり、縦軸の単位はパーセントである。図16において、「コート後」と記載された実線はウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の透過率を示し、「コート前」と記載された破線はウェットコーティングされていない微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の透過率を示し、「未加工」と記載された点線は微細凹凸表面構造が形成さていない石英ガラス基板の透過率を示す。図16によると全波長域にわたり「コート後」の基板の透過率は「未加工」の基板の透過率と比較して5乃至6.5パーセント高い。また、450−800ナノメータの波長領域で「コート後」の基板の透過率は「コート前」の基板の透過率よりも高い。
図17は、ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の反射率を示す図である。図17の横軸は波長を示し、図17の縦軸は反射率を示す。横軸の単位はナノメータであり、縦軸の単位はパーセントである。図17において、「コート後」と記載された実線はウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の反射率を示し、「コート前」と記載された破線はウェットコーティングされていない微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の反射率を示し、「未加工」と記載された点線は微細凹凸表面構造を備えていない石英ガラス基板の反射率を示す。図17によると全波長域にわたり「コート後」の反射率は「未加工」の反射率と比較して2.5乃至3.5パーセント低い。また、450−800ナノメータの波長領域で「コート後」の基板の反射率は「コート前」の基板の反射率よりも低い。
図18は、ウェットコーティングされた、微細凹凸表面構造を備えていない石英ガラス基板の反射率を示す図である。図18の横軸は波長を示し、図18の縦軸は反射率を示す。横軸の単位はナノメータであり、縦軸の単位はパーセントである。図18において、「コート有」と記載された破線はウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えていない石英ガラス基板の反射率を示し、「コート無」と記載された実線はウェットコーティングされていない微細凹凸表面構造を備えていない石英ガラス基板の反射率を示す。
図18によれば、微細凹凸表面構造を備えていない石英ガラス基板の反射率はウェットコーティングに影響されない。したがって、ウェットコーティングによって反射率が低下するのは、微細凹凸表面構造に特有の現象であることが確認された。
図19は、微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。
図20は、ウェットコーティングされていない微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。
図21は、ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の表面の水滴を示す写真である。
図19−図21によると、微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の表面の撥水性は、微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板の表面の撥水性と比較して低下するが、ウェットコーティングされた微細凹凸表面構造を備えた石英ガラス基板の表面の撥水性は、微細凹凸表面構造が形成されていない石英ガラス基板の表面の撥水性と比較して大幅に向上する。
上記の製造方法は可視光の反射防止機能を向上させる微細凹凸表面構造を形成するものである。以下において、深紫外光の反射防止機能を向上させる微細凹凸表面構造を形成する製造方法について説明する。
深紫外光の反射防止機能を向上させる微細凹凸表面構造の製造方法は、図2の流れ図に示した製造方法と同じである。ただし、深紫外の波長に対応して微細凹凸表面構造の平均ピッチ及び平均深さを小さくするように加工条件を定める必要がある。
表2は、深紫外光の反射防止機能を向上させる微細凹凸表面構造を形成するための第1及び第2のエッチングの加工条件を示す表である。
Figure 0006901189

微細凹凸表面構造の平均ピッチ及び平均深さを小さくするように第2のエッチングの加工時間は表1に示す可視光の場合の加工時間よりも短い。深紫外光の場合の微細凹凸表面構造の平均ピッチは65ナノメータであり、平均深さは200ナノメータである。
図22は、微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の透過率を示す図である。図22の横軸は波長を示し、図22の縦軸は透過率を示す。横軸の単位はナノメータであり、縦軸の単位はパーセントである。図22において、「加工」と記載された実線は微細凹凸表面構造が形成された石英ガラス基板の透過率を示し、「未加工」と記載された破線は微細凹凸表面構造が形成さていない石英ガラス基板の透過率を示す。図22によると全波長域にわたり「加工」の基板の透過率は「未加工」の基板の透過率と比較して5乃至6.5パーセント高い。
図23は、本発明の微細凹凸表面構造の製造方法を総括的に示す流れ図である。
図23のステップS4010において、加工条件の初期値を定める。
図23のステップS4020において、第1のエッチングを実施する。
図23のステップS4030において、第2のエッチングを実施する。
図23のステップS4040において、第3のエッチングまたはウェットコーティングを実施する。第1乃至第3のエッチングはエッチング装置内で実施し、ウェットコーティングは基板を容器内のウェットコート液に浸漬することによって実施する。
図23のステップS4050において、微細凹凸表面構造を備えた基板の撥水性または親水性を評価する。評価結果が肯定的であればステップS4060に進む。評価結果が否定的であればステップS4070に進む。なお、ステップS4040及びステップS4050は省略してもよい。
図23のステップS4060において、微細凹凸表面構造を備えた基板の反射防止性能を評価する。評価結果が肯定的であればプロセスを終了する。評価結果が否定的であればステップS4070に進む。
図23のステップS4070において、加工条件を修正し、ステップS4020に戻る。

Claims (4)

  1. エッチングに先立ってマスクを形成することなく、石英ガラス基板に平均ピッチが50ナノメータから5マイクロメータの微細凹凸表面構造を製造する方法であって
    オンエッチング装置において、第1の電極に高周波電源を接続し第2の電極を接地し該石英ガラス基板を該第1の電極に接して配置した状態でアルゴンガスによって該石英ガラス基板にイオンエッチングを実施
    その後に、同じ状態でトリフルオロメタン(CHF)ガスまたはトリフルオロメタン(CHF)及び酸素の混合ガスによって該石英ガラス基板に反応性イオンエッチングを実施する製造方法。
  2. 該混合ガスに対する酸素ガスの流量比率は0から50パーセントの範囲である請求項1に記載の製造方法。
  3. 該第1の電極を接地し該第2の電極に該高周波電源を接続し、該石英ガラス基板を該第1の電極に接して配置した状態でトリフルオロメタン(CHF)ガスまたは酸素ガスによるラジカルエッチングを実施するステップをさらに含む請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 応性イオンエッチングを実施した後に該石英ガラス基板にウェットコーティングを実施するステップをさらに含む請求項1または2に記載の製造方法。
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