JP6900770B2 - 印刷システム、印刷制御装置およびプログラム - Google Patents

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本発明は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))などの印刷出力装置による印刷出力を制御する印刷制御装置、およびそれに関連する技術に関する。
印刷ジョブを複数の印刷出力装置で分担して並列的に実行する分散印刷処理技術が存在する。たとえば、特許文献1には、印刷出力物(印刷物)を使用する目的地を考慮して、複数の印刷出力装置を結ぶ回収経路および各印刷出力装置に対するジョブ配分を決定するジョブ分割装置が示されている。より詳細には、現在地から目的地へ向かう経路に沿って配置された複数の印刷出力装置のそれぞれによる印刷出力物をユーザが回収しつつ、当該経路に沿って目的地へと移動することが記載されている。なお、印刷システム内の多数の印刷出力装置のうち、実際に使用される当該複数の印刷出力装置は、ユーザによって指定される。
特開2013−235446号公報
しかしながら、上述の特許文献1の技術においては、目的地は考慮されているものの、目的地への到着時刻は考慮されていない。また、幾つの印刷出力装置(および何れの印刷出力装置)を使用するかは、ユーザの指定操作に委ねられている。
そのため、当該技術においては、ユーザによって指定された印刷出力装置(指定装置)による分散処理では、全ての印刷出力処理が所望の時刻(あるいはその一定時間前)までに完了せず、当該所望の時刻までに目的地に到着できない可能性も存在する。
なお、逆に、当該所望の時刻までには未だ余裕が存在するにもかかわらず、非常に多くの印刷出力装置で分散して印刷出力が行われる可能性も存在する。分散処理を分担する印刷出力装置の数が増大すると、印刷出力物の分散数が増大するため、当該複数の印刷出力装置による複数の印刷出力物を統合するユーザ作業が煩雑になるなどの問題も存在する。
そこで、この発明は、印刷ジョブを複数の印刷出力装置で分担して並列的に実行する分散印刷処理技術において、ユーザが所望の時刻までにより確実に目的地に到着することが可能な技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、複数の印刷出力装置のうちの2以上の使用対象装置によって分散して処理される印刷ジョブを制御する印刷制御装置であって、出発地から目的地へと移動するユーザが前記2以上の使用対象装置による印刷出力物を受け取っていく前記印刷ジョブに関して、前記目的地への前記ユーザの到達目標時刻に関する情報を取得する取得手段と、前記印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する前記2以上の使用対象装置を、前記複数の印刷出力装置の中から決定する決定手段と、を備え、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置を経由して前記出発地から前記目的地に到達する経路の経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づき、前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することが可能である旨が判定されることを条件に、前記2以上の使用対象装置を決定することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、各使用候補装置にて印刷出力処理が可能な残り時間である各残存時間であって前記各使用候補装置による印刷出力物を受け取った前記ユーザが前記到達目標時刻までに前記目的地に到着できることを前提として規定された各残存時間を、前記ユーザの予定移動速度に基づいて求め、前記印刷ジョブを分割した前記複数の分割ジョブのうち、N個(ただし、Nは自然数)の使用候補装置の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブが存在し且つ当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置の各残存時間を利用すると前記複数の分割ジョブの全てを処理可能であると判定される場合、当該(N+1)個の使用候補装置を前記2以上の使用対象装置として決定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、前記出発地から前記各使用候補装置の位置までの各経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づいて前記ユーザの各使用候補装置の位置への各到達予定時刻を算出し、前記各使用候補装置の位置への前記各到達予定時刻に基づいて、前記各使用候補装置における各残存時間を算出することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2の発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、前記目的地への前記到達目標時刻と前記各使用候補装置から前記目的地までの各経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づいて、前記到達目標時刻までに前記目的地に到達するための各地点での最も遅い通過時刻である各最遅通過時刻を算出し、前記各使用候補装置の位置での前記各最遅通過時刻に基づいて、前記各使用候補装置における各残存時間を算出することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2から請求項4のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、前記経路上の複数の使用候補装置のうち前記目的地に近い装置から順に分割ジョブを割り当てていくことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2から請求項4のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、前記経路上の複数の使用候補装置のうち前記出発地に近い装置から順に分割ジョブを割り当てていくことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブである保護分割ジョブに関しては、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置に対して、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内に前記ユーザが存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む条件付き印刷指令を付与することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達時点において前記特定の使用対象装置にて未着手の割り当て済み分割ジョブが存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブの割り当て先を、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に変更することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達が、当該特定の使用対象装置にて割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点以後にまで遅れそうである旨が判定される場合、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に割り当てられていた未処理の分割ジョブを前記特定の使用対象装置に割り当てることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置に印刷不能事象が発生した場合、前記印刷不能事象の発生時点で前記特定の使用対象装置にて未処理の分割ジョブを、前記特定の使用対象装置以外の使用対象装置に割り当てることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記印刷ジョブは、連続番号が付された前記複数の分割ジョブに分割され、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザがk番目(kは、所定の自然数)に到達する第kの使用対象装置に対して、連続する一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当て、前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザが(k+1)番目に到達する第(k+1)の使用対象装置に対して、連続する他の一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの前記一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当て、前記第kの使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と第(k+1)の使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に分割ジョブを割り当てることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、i番目(iは自然数)までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報を前記ユーザに通知する通知動作を制御する通知制御手段、を備えることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段と、前記ユーザの現在位置に基づき前記ユーザの実際の移動進捗状況を判定し、前記ユーザの実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合に、前記ユーザの移動進捗状況に基づく情報を前記ユーザに通知する通知制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記決定手段は、前記印刷ジョブを前記複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても前記複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することができない旨が前記複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合、前記印刷ジョブに関する印刷設定を自動的に変更して前記印刷ジョブの処理時間を短縮した後に、前記複数の分割ジョブに関する再割り当て処理を実行することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項1から請求項14のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記印刷制御装置は、サーバコンピュータであることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項1から請求項14のいずれかの発明に係る印刷制御装置において、前記印刷制御装置は、画像形成装置であることを特徴とする。
請求項17の発明は、複数の印刷出力装置のうちの2以上の使用対象装置によって分散して処理される印刷ジョブを制御するコンピュータに、a)出発地から目的地へと移動するユーザが前記2以上の使用対象装置による印刷出力物を受け取っていく前記印刷ジョブに関して、前記目的地への前記ユーザの到達目標時刻に関する情報を取得するステップと、b)前記印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する前記2以上の使用対象装置を、前記複数の印刷出力装置の中から決定するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップb)においては、前記2以上の使用対象装置を経由して前記出発地から前記目的地に到達する経路の経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づき、前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することが可能である旨が判定されることを条件に、前記2以上の使用対象装置が決定されることを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項17の発明に係るプログラムにおいて、前記ステップb)は、b−1)各使用候補装置にて印刷出力処理が可能な残り時間である各残存時間であって前記各使用候補装置による印刷出力物を受け取った前記ユーザが前記到達目標時刻までに前記目的地に到着できることを前提として規定された各残存時間を、前記ユーザの予定移動速度に基づいて求めるステップと、b−2)前記印刷ジョブを分割した前記複数の分割ジョブのうち、N個(ただし、Nは自然数)の使用候補装置の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブが存在し且つ当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置の各残存時間を利用すると前記複数の分割ジョブの全てを処理可能であると判定される場合、当該(N+1)個の使用候補装置を前記2以上の使用対象装置として決定するステップと、を備えることを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項17または請求項18の発明に係るプログラムにおいて、c)前記複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブである保護分割ジョブに関して、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置に対して、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内に前記ユーザが存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む条件付き印刷指令を付与するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項17または請求項18の発明に係るプログラムにおいて、d)前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達時点において前記特定の使用対象装置にて未着手の割り当て済み分割ジョブが存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブの割り当て先を、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に変更するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項17または請求項18の発明に係るプログラムにおいて、e)前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達が、当該特定の使用対象装置にて割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点以後にまで遅れそうである旨が判定される場合、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に割り当てられていた未処理の分割ジョブを前記特定の使用対象装置に割り当てるステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項17または請求項18の発明に係るプログラムにおいて、f)前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置に印刷不能事象が発生した場合、前記印刷不能事象の発生時点で前記特定の使用対象装置にて未処理の分割ジョブを、前記特定の使用対象装置以外の使用対象装置に割り当てるステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項17から請求項22のいずれかの発明に係るプログラムにおいて、前記印刷ジョブは、連続番号が付された前記複数の分割ジョブに分割され、前記ステップb)においては、前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザがk番目(kは、所定の自然数)に到達する第kの使用対象装置に対して、連続する一連の分割ジョブが、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当てられ、前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザが(k+1)番目に到達する第(k+1)の使用対象装置に対して、連続する他の一連の分割ジョブが、その番号の昇順と降順とのうちの前記一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当てられ、前記第kの使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と第(k+1)の使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に対して分割ジョブが割り当てられることを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項17から請求項23のいずれかの発明に係るプログラムにおいて、g)i番目(iは自然数)までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報を前記ユーザに通知するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項17または請求項18の発明に係るプログラムにおいて、h)前記ユーザの現在位置に基づき前記ユーザの実際の移動進捗状況を判定し、前記ユーザの実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合に、前記ユーザの移動進捗状況に基づく情報を前記ユーザに通知するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項26の発明は、請求項17または請求項18の発明に係るプログラムにおいて、前記ステップb)においては、前記印刷ジョブを前記複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても前記複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することができない旨が前記複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合、前記印刷ジョブに関する印刷設定が自動的に変更されて前記印刷ジョブの処理時間が短縮された後、前記複数の分割ジョブに関する再割り当て処理が実行されることを特徴とする。
請求項27の発明は、印刷システムであって、複数の印刷出力装置と、前記複数の印刷出力装置のうちの2以上の使用対象装置によって分散して処理される印刷ジョブを制御する印刷制御装置と、を備え、前記印刷制御装置は、出発地から目的地へと移動するユーザが前記2以上の使用対象装置による印刷出力物を受け取っていく前記印刷ジョブに関して、前記目的地への前記ユーザの到達目標時刻に関する情報を取得する取得手段と、前記印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する前記2以上の使用対象装置を、前記複数の印刷出力装置の中から決定する決定手段と、を備え、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置を経由して前記出発地から前記目的地に到達する経路の経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づき、前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することが可能である旨が判定されることを条件に、前記2以上の使用対象装置を決定することを特徴とする。
請求項28の発明は、請求項27の発明に係る印刷システムにおいて、前記決定手段は、各使用候補装置にて印刷出力処理が可能な残り時間である各残存時間であって前記各使用候補装置による印刷出力物を受け取った前記ユーザが前記到達目標時刻までに前記目的地に到着できることを前提として規定された各残存時間を、前記ユーザの予定移動速度に基づいて求め、前記印刷ジョブを分割した前記複数の分割ジョブのうち、N個(ただし、Nは自然数)の使用候補装置の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブが存在し且つ当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置の各残存時間を利用すると前記複数の分割ジョブの全てを処理可能であると判定される場合、当該(N+1)個の使用候補装置を前記2以上の使用対象装置として決定することを特徴とする。
請求項29の発明は、請求項27または請求項28の発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷制御装置は、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブである保護分割ジョブに関しては、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置に対して、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内に前記ユーザが存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む条件付き印刷指令を付与することを特徴とする。
請求項30の発明は、請求項27または請求項28の発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷制御装置は、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達時点において前記特定の使用対象装置にて未着手の割り当て済み分割ジョブが存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブの割り当て先を、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に変更することを特徴とする。
請求項31の発明は、請求項27または請求項28の発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷制御装置は、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達が、当該特定の使用対象装置にて割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点以後にまで遅れそうである旨が判定される場合、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に割り当てられていた未処理の分割ジョブを前記特定の使用対象装置に割り当てることを特徴とする。
請求項32の発明は、請求項27から請求項31のいずれかの発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷ジョブは、連続番号が付された前記複数の分割ジョブに分割され、前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザがk番目(kは、所定の自然数)に到達する第kの使用対象装置に対して、連続する一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当て、前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザが(k+1)番目に到達する第(k+1)の使用対象装置に対して、連続する他の一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの前記一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当て、前記第kの使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と第(k+1)の使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に分割ジョブを割り当てることを特徴とする。
請求項33の発明は、請求項27から請求項32のいずれかの発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷制御装置は、i番目(iは自然数)までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報を前記ユーザに通知する通知動作を制御する通知制御手段、をさらに備えることを特徴とする。
請求項34の発明は、請求項27または請求項28の発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷制御装置は、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段と、前記ユーザの現在位置に基づき前記ユーザの実際の移動進捗状況を判定し、前記ユーザの実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合に、前記ユーザの移動進捗状況に基づく情報を前記ユーザに通知する通知制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項35の発明は、請求項27または請求項28の発明に係る印刷システムにおいて、前記決定手段は、前記印刷ジョブを前記複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても前記複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することができない旨が前記複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合、前記印刷ジョブに関する印刷設定を自動的に変更して前記印刷ジョブの処理時間を短縮した後に、前記複数の分割ジョブに関する再割り当て処理を実行することを特徴とする。
請求項1から請求項35に記載の発明によれば、印刷ジョブを複数の印刷出力装置で分担して並列的に実行する分散印刷処理技術において、ユーザが所望の時刻までにより確実に目的地に到着することが可能である。
特に、請求項2に記載の発明によれば、比較的少ない数の装置を使用対象装置として決定することが可能である。
第1実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図である。 MFP(印刷出力装置)の機能ブロックを示す図である。 印刷制御装置の構成について説明する。 複数のMFPが配置されている様子を示す図である。 サーバ(印刷制御装置)の動作を示す図である。 第1のスケジューリング動作を示す図である。 第2のスケジューリング動作を示す図である。 第3のスケジューリング動作を示す図である。 第4のスケジューリング動作を示す図である。 分割ジョブの割り付け例を示す図である。 他の割り付け例を示す図である。 別の割り付け例(第2のスケジューリング動作による割り付け例)を示す図である。 図12の割り付け例において負荷の平準化を図る例を示す図である。 第3のスケジューリング動作による割り付け例を示す図である。 第4のスケジューリング動作による割り付け例を示す図である。 第2実施形態に係る印刷システムの構成を示す図である。 第2実施形態に係る印刷制御装置の動作(再スケジューリング動作)を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る分割ジョブの割り付け変更例を示す図である。 最後の使用対象装置(MPF)に対して分割ジョブが降順に割り当てられている様子を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る分割ジョブの割り付け変更例を示す図である。 図20の割り付け例における各MFPでの印刷出力物を示す図である。 印刷出力物の統合に関する説明画面を示す図である。 分割ジョブの実行順序に関する他の例を示す図である。 携帯端末の表示画面を示す図である。 第3実施形態に係る印刷制御装置の動作(再スケジューリング動作)を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る分割ジョブの割り付け変更例を示す図である。 第3実施形態に係る分割ジョブの他の割り付け変更例を示す図である。 第3実施形態に係る分割ジョブの別の割り付け変更例を示す図である。 第4実施形態に係る分割ジョブの割り付け変更例を示す図である。 第5実施形態に係る分割ジョブの割り付け変更例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.システム構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷システム1の構成を示す概略図である。図1に示されるように、印刷システム1は、複数のプリンタ(印刷出力装置とも称する)10(10a,10b,10c,10d,10e,...)と当該複数のプリンタを制御するサーバコンピュータ(印刷制御装置とも称する)50とクライアントコンピュータ70とを備える。
各プリンタ(印刷出力装置)10とサーバコンピュータ(印刷制御装置)50とクライアントコンピュータ70とは、ネットワーク108を介して互いに接続される。ネットワーク108は、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワーク108に対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。
<1−2.プリンタの構成>
図2は、印刷出力装置(プリンタ)10の機能ブロックを示す図である。ここでは、印刷出力装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。図2においては、MFP10の機能ブロックが示されている。MFP10は、画像形成装置などとも表現される。
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。このプリンタ10は、電子写真方式のプリンタ(フルカラープリンタ)であり、印刷出力部3は、露光部、現像部、転写部、定着部などの各種のハードウエア機構を有している。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワーク108を介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(たとえば、印刷制御装置50)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部4は、各種データを送信する送信部4aと各種データを受信する受信部4bとを有する。
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(図1参照)が設けられ、当該操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(図1参照)を有している。タッチパネル25は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの操作入力を受け付けることが可能である。たとえば、タッチパネル25においては、メニュー画面等の各種の画面(ボタン画像等を含む)等が表示される。操作者は、タッチパネル25内に仮想的に配置されるボタン(ボタン画像で表現されるボタン)を押下することによって、MFP10の各種設定内容を変更することなどが可能である。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。
コントローラ(制御部)9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM(登録商標))内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてMFP10にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワーク等を経由してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、図2に示すように、コントローラ9は、当該プログラムの実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13と印刷出力制御部15とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部11は、他の装置(印刷制御装置50等)との間の通信動作を制御する処理部である。たとえば、通信制御部11は、通信部4等と協働して、印刷制御装置50からの印刷指令等を受信する。
表示制御部13は、表示部6bにおける表示動作を制御する処理部である。表示制御部13は、MFP10を操作するための操作画面等を表示部6bに表示させる。
入力制御部12は、操作入力部6aに対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部12は、操作画面に対する操作入力を受け付ける動作を制御する。
印刷出力制御部15は、MFP10における印刷出力動作を制御する制御部である。印刷出力制御部15は、印刷制御装置50からの指令および操作者による操作指示等に応じて、MFP10における印刷出力動作を制御する。
<1−3.印刷制御装置50の構成>
次に、図3を参照しながら、印刷制御装置50の構成について説明する。図3は、印刷制御装置50の機能ブロックを示す図である。
印刷制御装置50は、いわゆるコンピュータ装置などの情報処理装置により構成される。印刷制御装置50は、印刷サーバあるいは管理サーバなどとも表現される。
印刷制御装置50は、図3の機能ブロック図に示すように、通信部54、格納部55、操作部56およびコントローラ59等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
通信部54は、ネットワーク108を介したネットワーク通信を行うことが可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、印刷制御装置50は、所望の相手先(プリンタ10等)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部54は、各種データを送信する送信部54aと各種データを受信する受信部54bとを有する。
格納部55は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
操作部56は、印刷制御装置50に対する操作入力を受け付ける操作入力部56aと、各種情報の表示出力を行う表示部56bとを備えている。
図3のコントローラ(制御部)59は、印刷制御装置50に内蔵され、印刷制御装置50を統括的に制御する制御装置である。コントローラ59は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ59は、CPUにおいて、記憶部(半導体メモリ等)内に格納されている所定のプログラム(プリンタドライバ等)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、可搬性の記録媒体(CD−ROMおよびUSBメモリなど)に記録され、当該記録媒体から読み出されて印刷制御装置50にインストールされてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワーク等を経由してダウンロードされて印刷制御装置50にインストールされるようにしてもよい。
コントローラ59は、当該プログラムの実行により、通信制御部61と入力制御部62と表示制御部63と印刷制御部64と情報取得部65と決定部66と位置取得部67と通知制御部68とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部61は、通信部54等と協働して、プリンタ10等との通信動作を制御する処理部である。たとえば、通信制御部61は、通信部54等と協働して、各プリンタ10への印刷指令の送信動作等を制御する。
入力制御部62は、操作入力部56aに対する操作入力動作を制御する制御部である。
表示制御部63は、表示部56b等における表示動作を制御する処理部である。
印刷制御部64は、プリンタ10による印刷出力動作を制御する処理部である。
情報取得部65は、印刷ジョブに関する各種の情報(目的地へのユーザの到達目標時刻に関する情報等を含む)を取得する処理部である。
決定部66は、印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する使用対象装置を決定する処理部である。決定部66は、到達目標時刻までに各分割ジョブを実行することが可能な使用対象装置を、印刷システム1内の複数の印刷出力装置の中から決定する。
位置取得部67は、ユーザの現在位置を取得する処理部である。
通知制御部68は、ユーザへの通知動作を制御する処理部である。
<1−4.クライアントコンピュータ70の構成>
クライアントコンピュータ70は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成される。クライアントコンピュータ70は、サーバコンピュータ50と同様の物理的構成を有しており、通信部、操作部、格納部、コントローラ(CPUおよび半導体メモリ等を含む)等を備えている。
クライアント70のコントローラは、そのCPUにおいて、所定のプログラム(プリンタドライバ等)を実行することによって、各種の処理部を実現する。
クライアントコンピュータ(以下、単にクライアントとも称する)70には、プリンタドライバがインストールされている。
クライアント70のプリンタドライバは、ユーザからの印刷指示(印刷ジョブ)を受け付けると、当該印刷指示をサーバ(印刷制御装置)50に送信する。サーバ50は、クライアント70からの当該印刷指示に基づいて、印刷ジョブを制御する。より具体的には、サーバ50は、複数のMFPによって分散処理される印刷ジョブを制御する。
<1−5.動作概略>
図4は、或る会社内等において、複数のMFP10(10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,...)が点在して配置されている様子を示す図である。当該複数のMFP10は、或る会社内の同一の社屋内に存在してもよく、あるいは、或る会社内の異なる社屋(別棟)内に存在してもよい。
ユーザU1は、スタート地点(開始位置)Psにおいて、クライアント70のプリンタドライバを用いて、印刷指示を付与する。当該印刷指示は、クライアント70からサーバ50へと送信され、サーバ50は、当該印刷指示に基づく印刷ジョブJ1を制御する。具体的には、後述するように、サーバ50は、複数のMFP10の中から、当該印刷ジョブJ1に(実際に)使用する使用対象装置を決定するとともに、各使用対象装置で印刷出力すべき内容(詳細には、当該印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブのうち、各使用対象装置で担当する分割ジョブ(担当分割ジョブとも称する))を決定する。そして、サーバ50は、使用対象装置として決定されたMFP10に対して、各分割ジョブ(各担当分割ジョブ)の実行指令を付与する。
ユーザU1は、スタート地点(移動開始位置あるいは出発地などとも称する)Psからゴール地点(目的位置あるいは目的地などとも称する)Peへと向かう途中に、使用対象装置として決定された幾つかのMFP10(たとえば、3つのMFP10a,10c,10f)に立ち寄る。上述のように、これらの使用対象装置10(たとえば、3つのMFP10a,10c,10f)に対しては、上述の印刷指示に応じて分割ジョブの実行指令がサーバ50から付与されている。また、基本的には、ユーザU1が各MFP10に到達するまでに、各MFP10での分割ジョブに関する印刷出力は完了している。ユーザU1は、各MFP10の地点(載置場所)に到達するごとに、各MFP10での印刷出力物を回収し、最後に目的地Peに到達する。
より具体的には、多数ページ(たとえば、1200ページ)を有する会議資料を会議の直前に印刷する状況等が想定される。自席(開始位置)に存在するユーザU1が、会議開始前の所定時間(たとえば、30分)以内に印刷出力物を得つつ、会議室(目的地)に到達したい場合等が考えられる。MFPの印刷出力速度の限界(たとえば、30ページ/分)のため、単一のMFPでは印刷ジョブを所望の期間内に完了できないことがある。これに対して、複数のMFPを用いて並列的に(分散して)印刷ジョブを実行することによれば、当該印刷ジョブを所望の期間内に完了することが可能である。
<1−6.動作>
図5は、サーバ50(印刷制御装置)の動作を示す図である。以下では、図5等を参照しつつ、サーバ50の動作等について詳細に説明する。
スタート地点Ps(ユーザU1の自席等)に存在するユーザU1がクライアント70のプリンタドライバを用いて印刷指示を付与すると、当該印刷指示がクライアント70からサーバ50へと転送され、サーバ50は当該印刷指示を受信する(ステップS11)。
当該印刷指示には、通常の印刷情報(依頼元ユーザU1の情報、印刷対象ファイルの情報および印刷設定情報等)に加えて、ユーザによるその他の指定情報(具体的には、依頼元ユーザU1の現在位置(スタート地点)Psの位置情報、目的地Peの位置情報、および到達目標時刻の情報等)が含まれる。たとえば、スタート地点Psの位置情報としては、ユーザU1の自席の位置情報(座標情報等)が含まれ、目的地Peの位置情報としては、会議室の位置情報(座標位置等)が含まれる。また、到達目標時刻Tdの情報としては、「15時00分」(現在時刻(14時30分)の30分後)等が含まれる。なお、到達目標時刻Tdとしては、スタート地点Psから目的地Peまでの区間の移動時間(当該区間を通常の移動速度で移動するのに要する時間)を現在時刻(開始時刻)に対して加えた時点Tp(到達予定時刻Tp(後述))以後の時刻が設定されるものとする。
サーバ50は、このような印刷指示を受信することによって、目的地へのユーザU1の到達目標時刻Td等を含む各種の情報を取得する。
次のステップS12において、サーバ50は、スタート地点(出発地)Psとゴール地点(目的地)Peとを結ぶ経路(ルート)付近のMFPをサーバ50内のマップ情報(図4等参照)に基づいて検索する。当該マップ情報は、各MFP10の載置場所の位置情報(座標位置等)と複数のMFP10を相互に接続する各経路の情報(長さ等)とを含む。
たとえば、図4に示すような配置においては、スタート地点Psとゴール地点Peとを結ぶ経路として複数の経路(ルート)が抽出されて作成される。より具体的には、MFP10a,10c,10fを経由する経路(Ps,10a,10c,10f,Pe)と、MFP10a,10c,10gを経由する経路(Ps,10a,10c,10g,Pe)と、MFP10b,10c,10gを経由する経路(Ps,10b,10c,10g,Pe)と、MFP10b,10c,10fを経由する経路(Ps,10b,10c,10f,Pe)とを含む複数の経路が抽出される。
ステップS13においては、これらの複数の経路(ルート)のうち一の経路が注目経路(注目ルート)として決定される。たとえば、図4に示すような経路(Ps,10a,10c,10f,Pe)が注目ルートとして決定される。
ステップS14〜ステップS19においては、当該注目ルートに関する分割ジョブの割り付け(割り当てとも称する)が試行される。この結果、たとえば、図10に示すような分割ジョブの割り付けが行われる。図10においては、印刷ジョブJ1が12個の分割ジョブG1〜G12に分割される場合における割り当て例が示されている。詳細には、先ず(位置P1のMFP10aの)残存時間TM1に対して2個の分割ジョブG1,G2が割り当てられ、次に(位置P2のMFP10cの)残存時間TM2に対して4個の分割ジョブG3〜G6が割り当てられ、最後に(位置P3のMFP10fの)残存時間TM3に対して残りの6個の分割ジョブG7〜G12が割り当てられる。なお、図10では、目的地への到達目標時刻Tdと目的地への到達予定時刻Tp(後述)とが等しい場合が示されている。
ここにおいて、各分割ジョブは、目的地への到達目標時刻Tdまでに当該各分割ジョブを実行することが可能なMFPに対して割り当てられる。より具体的には、各分割ジョブは、各MFPの残存時間TMi(後述)内に実行することが可能な当該各MFPに対して割り当てられる。ここで、印刷ジョブJ1の開始時刻(印刷ジョブ受付時刻)T0から各MFPの残存時間TMiが経過した時刻は、目的地への到達目標時刻Td以前の時刻である。そのため、各分割ジョブは、遅くとも目的地への到達目標時刻Tdまでに実行され得る。
まずステップS14において、印刷ジョブJ1の受付時刻(印刷ジョブJ1の開始時刻)T0とユーザU1の予定移動速度(予め定められた値)とに基づいて、注目ルート内の各MFPへの到達予定時刻Ti(図6も参照)が算出される。
次に、ステップS15では、注目ルートを構成する複数のMFPのうちの1つのMFPを「使用予定MFP」に追加する。たとえば、注目ルートを構成する3つのMFP10a,10c,10fのうちの1つのMFP10aを「使用予定MFP」に追加する。
ステップS16では、当該使用予定MFPに対して分割ジョブが割り当てられる。そのため、まず、残存時間TMiが求められる。各MFPの各残存時間TMiは、各MFPにて(分割ジョブに関する)印刷出力処理が可能な残り時間である。各残存時間TMiは、各MFPによる印刷出力物を受け取ったユーザU1が到達目標時刻Tdまでに目的地Peに到着できることを前提として規定された時間である。各残存時間TMiは、ユーザU1の予定移動速度(次述)等に基づいて算出される。
ここでは、図6に示されるように、ジョブ開始時刻T0から各MFPへの各到達予定時刻Tiまでの時間が、各残存時間TMiとして規定される。具体的には、出発地Psから各MFP(使用候補装置)10の載置場所Piまでの各経路長とユーザU1の予定移動速度(ここでは通常の移動速度(所定の速度))とに基づいてユーザU1の当該各MFPへの各到達予定時刻Tiが算出され、当該各MFPへの各到達予定時刻Tiに基づいて当該各MFPにおける各残存時間TMiが算出される。なお、図6の曲線L1は、ユーザU1が各載置場所Piに対して各時刻Tiに到達しつつ通常の移動速度で出発地から目的地へと移動する様子を示す曲線である。
そして、当該使用予定MFP10aに対して、残存時間TMi内に処理可能な分割ジョブが割り当てられる。たとえば残存時間TM1(たとえば8分)(図6参照)の間に、MFP10aでは最大で2つの分割ジョブG1,G2(合計7分)が実行可能であると判定されると、MFP10aに対して分割ジョブG1,G2が割り当てられる。
なお、ここでは、印刷ジョブ(1200ページの印刷ジョブ)J1が100ページずつの複数の分割ジョブ(たとえば、12個の分割ジョブ)G1〜G12に分割されているものとする。分割ジョブG1は、第1ページから第100ページまでの印刷出力物に対応し、分割ジョブG2は、第101ページから第200ページまでの印刷出力物に対応する。以降、同様に、分割ジョブGiは、第(100*(i−1)+1)ページから第(100*i)ページまでの印刷出力物に対応する。このように、印刷ジョブJ1は、(そのページ順に)連続番号が付された複数の分割ジョブ(ページ順に配列された複数の分割ジョブ)に分割される。
ステップS17にて、全ての分割ジョブ(G1〜G12)の割り当てが完了したか否かが判定される。割り当てが未完了の場合には、ステップS18に進む。一方、全ての分割ジョブ(G1〜G12)の割り当てが完了した場合には、ステップS17からステップS19に進む。
ステップS18では、注目ルートを構成する複数(たとえば3つ)のMFP10のうち、未使用の使用候補装置(MFP)が未だ存在しているか否かが判定される。
割り当て未完了の分割ジョブ(G1〜G12)が残っており且つ未使用の使用候補装置(MFP)が存在しない場合には、当該注目ルートでのスケジューリングが失敗した旨が判定され、ステップS18からステップS21に進む。ステップS21では、ステップS12で抽出された全てのルートについて検討が終了したか否かが判定される。未検討のルートが残っている場合には、ステップS13に進み、未検討の次のルートが注目ルートに設定されて、ステップS14以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS18にて、未使用の使用候補装置(MFP)が未だ存在している旨が判定される場合には、ステップS18からステップS15に再び進む。
そして、ステップS15では、注目ルート内の新たなMFP(たとえば、10c)が使用予定MFPに追加される。そして、ステップS16では、MFP10cに関する残存時間TM2(16分)の間に、MFP10cでは最大で4つの分割ジョブG3〜G6(合計14分)が実行可能であると判定されると、MFP10cに対して分割ジョブG3〜G6が割り当てられる。その後、ステップS17,S18を経て、未使用の使用候補装置(MFP)が未だ存在している旨が判定される場合には、再びステップS15に戻る。
そして、ステップS15では、注目ルート内の新たなMFP(たとえば、10f)が使用予定MFPに追加される。そして、ステップS16では、MFP10fに関する残存時間TM3(24分)の間に、MFP10fでは最大で6つの分割ジョブG7〜G12(合計20分)が実行可能であると判定されると、MFP10cに対して分割ジョブG7〜G12が割り当てられる。その後、ステップS17に進む。
全ての分割ジョブ(G1〜G12)の割り当てが完了した場合には、ステップS17からステップS19に進む。
ステップS19では、到達目標時刻TdまでにユーザU1が目的地Peに到達することが可能である旨の条件C1の充足性が判定される。具体的には、使用対象装置として決定された2以上のMFP10(たとえば、3つのMFP10a,10c,10f)を経由して出発地Psから目的地Peに到達する経路の経路長とユーザの予定移動速度とに基づき、当該条件C1が充足されるか否かが判定される。具体的には、目的地Peに到達する到達予定時刻Tp(たとえば、14時26分)が、当該経路長とユーザの予定移動速度とに基づいて算出される。この到達予定時刻Tpが到達目標時刻Td以前であるとき(到達目標時刻Tdと等しいか或いは当該到達目標時刻Tdよりも前であるとき)には、スケジューリングが成功した旨が判定され、ステップS20に進む。
ステップS19からステップS20に進むと、各使用対象装置(MFP10a,10c,10f)に対して、各分割ジョブの印刷指令が送信される。詳細には、サーバ50は、分割ジョブG1,G2を印刷すべき旨の印刷指令をMFP10aに送信し、分割ジョブG3〜G6を印刷すべき旨の印刷指令をMFP10cに送信し、分割ジョブG7〜G12を印刷すべき旨の印刷指令をMFP10fに送信する。このような印刷指令に基づき、各MFP10は、担当分割ジョブの印刷出力を実行する。
このようなスケジューリングおよび印刷指令がサーバ50によって行われた後、ユーザU1は、MFP10a,10c,10fに順次に立ち寄り、各MFP10a,10c,10fによる印刷出力物をそれぞれ回収して(受け取って)、目的地Peに向かう。これによって、ユーザU1は、印刷ジョブに係る印刷出力物を回収した上で、到達目標時刻Tdまでに目的地に到達することが可能である。
以上のように、ステップS14〜S18において、到達目標時刻Tdまでに各分割ジョブを実行することが可能な複数の使用予定MFP(使用対象装置)が決定される。そして、当該決定された2以上のMFP10を経由して出発地Psから目的地Peに到達する経路の経路長とユーザU1の予定移動速度とに基づき、到達目標時刻TdまでにユーザU1が目的地に到達することが可能である旨が判定される(ステップS19)ことを条件に、印刷ジョブの分散処理に使用される使用対象装置が決定される。したがって、印刷ジョブを複数の印刷出力装置10で分担して並列的に実行する分散印刷処理において、ユーザU1は、到達目標時刻Tdまでに印刷ジョブに関する全ての印刷出力物を受け取りつつ、且つ、到達目標時刻Tdまでにより確実に目的地Peに到着することが可能である。
また、図10の例では、印刷ジョブJ1を分割した複数の分割ジョブG1〜G12のうち、N個(ただし、Nは自然数)(たとえば、N=2)の使用候補装置(2つのMFP10a,10c)の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブ(たとえば、分割ジョブG7〜G12)が存在する。さらに、当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置(3つのMFP10a,10c,10f)の各残存時間を利用すると、複数の分割ジョブG1〜G12の全てを処理することが可能である。このような判定がステップS17,S18等にて行われる場合、当該(N+1)個(3個)の使用候補装置が、印刷ジョブの分散処理に使用される使用対象装置として決定される。端的に言えば、全ての分割ジョブG1〜G12を実行し得る比較的少数((N+1)個)の使用候補装置が、印刷ジョブJ1の分散処理で使用される2以上の使用対象装置(処理分担装置とも称する)として決定される。換言すれば、第1のスケジューリング動作(後述)において、注目ルート上の複数のMFPのうち最低個数の使用候補装置が、使用対象装置として決定される。
このように、最小限の台数のMFP10による分散処理がスケジューリングされるので、分散処理を分担する印刷出力装置の数を抑制することができる。換言すれば、比較的少ない数の装置を使用対象装置として決定することが可能である。それ故、印刷出力物の分散数が抑制されるので、複数の印刷出力装置にて個別に印刷出力された複数の印刷出力物を統合するユーザ作業の煩雑さを抑制することが可能である。
なお、ここでは、簡単化のため、全てのMFPの印刷出力速度が同一である場合を想定しているが、これに限定されず、各MFPの印刷出力速度が互いに異なっていてもよい。その場合には、ステップS16の割り当て処理において、各MFP10の印刷出力速度が反映されればよい。たとえば、比較的高速なMFP10では、比較的多くのジョブを実行することが可能である。
また、各MFP(使用予定MFP)に対して他の印刷ジョブ(他の印刷ジョブの分割ジョブ等)が既に割り当てられている場合には、ステップS16の処理において、各残存時間TMiは、当該既に割り当てられたジョブ(割り当て済みジョブとも称する)の実行に要する時間を差し引いて算出されればよい。たとえば、上述のような算出手法によって残存時間TM3が「24分」として算出される場合において、「5分」を要する他のジョブがMFP10fに既に割り当てられている場合には、当該他のジョブの実行に要する時間(「5分」)を当該残存時間TM3から更に差し引いた「19分」が、更新後の残存時間TM3として算出されればよい。
<1−7.スケジューリング動作>
<第1のスケジューリング動作>
上記においては、図6に示されるように、出発地Psから各MFP(使用候補装置)10の載置場所Piまでの各経路長とユーザU1の予定移動速度(ここでは、通常の移動速度(所定の速度))とに基づいてユーザU1の当該各MFPへの各到達予定時刻Tiが算出され、当該各MFPへの各到達予定時刻Tiに基づいて当該各MFPにおける各残存時間TMiが算出されている。なお、図6の曲線L1は、ユーザU1が通常の移動速度で出発地から目的地へと移動する様子を示す曲線である。
具体的には、時刻T0に出発地Psに存在していたユーザU1は、通常の移動速度で移動し、時刻T1にMFP10aの載置場所P1に到達する。この場合、MFP10aにおける残存時間TM1は、時刻T0から時刻T1までの期間の長さとして算出される。
同様に、当該ユーザU1は、通常の移動速度で移動し、時刻T2にMFP10cの載置場所P2に到達する。この場合、MFP10cにおける残存時間TM2は、時刻T0から時刻T2までの期間の長さとして算出される。
さらに、当該ユーザU1は、通常の移動速度で移動し、時刻T3にMFP10fの載置場所P3に到達する。この場合、MFP10fにおける残存時間TM3は、時刻T0から時刻T3までの期間の長さとして算出される。
そして、各MFPでの印刷出力処理が残存時間TMi内に終了するように、各MFPに対して分割ジョブが割り当てられる。
これによれば、ユーザU1が出発地Psから目的地Peに向けて通常の速度で移動しながら各MFP10で各印刷出力物を回収していくことによって、印刷ジョブに関する全ての印刷出力物を得ることが可能である。
また、上記においては、スタート地点Psから目的地Peに至る経路上の複数のMFPのうち、スタート地点Psに近い方のMFPから順に、分割ジョブGの割り当てが行われている。これによれば、目的地Peに近い装置に負荷が集中することを抑制することが可能である。特に、会議室などの特定の場所が目的地Peに選ばれることが多い場合に、当該特定の場所の近傍のMFPに負荷が集中することを抑制することが可能である。
ただし、スケジューリング動作は、上記のようなスケジューリング動作(第1のスケジューリング動作とも称する)に限定されない。たとえば、次述するような第2〜第4のスケジューリング動作が行われるようにしてもよい。
<第2のスケジューリング動作>
図7は、第2のスケジューリング動作を説明する図である。
第2のスケジューリング動作は、スタート地点Psから目的地Peに至る経路上の複数のMFPのうち、「目的地Pe」に近い方のMFPから順に、分割ジョブGの割り当てが行われる点で、第1のスケジューリング動作と相違する。
より詳細には、ステップS15にて追加される使用予定MFPとして、「目的地Pe」に近い方(換言すれば、スタート地点から遠い方)のMFP10fから順に(10f,10c,10aの順に)割り当てが行われればよい。なお、この際には、複数の分割ジョブG1〜G12のうち、先頭の分割ジョブG1から順に割り当てられてもよく、あるいは、逆に末尾の分割ジョブG12から順に(逆順に)割り当てられてもよい。第2のスケジューリング動作以外の動作に関しても同様である。
たとえば、複数の分割ジョブG1〜G12のうち、先ず(MFP10fの)残存時間TM3に対して複数の分割ジョブG7〜G12が割り当てられ、次に(MFP10cの)残存時間TM2に対して複数の分割ジョブG3〜G6が割り当てられ、最後に(MFP10aの)残存時間TM1に対して複数の分割ジョブG1,G2が割り当てられるようにしてもよい(図10も参照)。
また、図12に示すように印刷ジョブJ1が7つの分割ジョブG1〜G7に分割される場合には、先ず(MFP10fの)残存時間TM3に対して分割ジョブG2〜G7が割り当てられ、次に(MFP10cの)残存時間TM2に対して分割ジョブG1が割り当てられるようにしてもよい。
なお、印刷ジョブJ1が7つの分割ジョブG1〜G7に分割される場合において、第1のスケジューリング動作が行われるときには、図11に示すような割り付け動作が行われる。具体的には、先ず(MFP10aの)残存時間TM1に対して複数の分割ジョブG1,G2が割り当てられ、次に(MFP10cの)残存時間TM2に対して複数の分割ジョブG3〜G6が割り当てられ、最後に(MFP10fの)残存時間TM3に対して分割ジョブG7が割り当てられる。
図12においては、図11と比較すると判るように、目的地Peに近い装置に対して優先的に分割ジョブを割り当てて、目的地Peに近い装置に比較的多数の分割ジョブを実行させることによって、分割ジョブを実行するMFPの台数を3台(図11参照)から2台(図12参照)に低減することが可能である。ひいては、複数の印刷出力装置にて個別に印刷出力された複数の印刷出力物を統合するユーザ作業の煩雑さを抑制することが可能である。
なお、図12の状態でスケジューリング動作を終了してもよいが、これに限定されず、使用される2台のMFP(10f,10c)の間で装置負荷を平準化するようにしてもよい(図13参照)。図13においては、分割ジョブG2,G3の実行対象装置をMFP10fからMFP10cに変更することによって、負荷の平準化が図られている。
<第3のスケジューリング動作>
図8は、第3のスケジューリング動作を説明する図である。図8においては、到達目標時刻Tdが、ユーザU1の目的地Peへの到達予定時刻Tp(上述)よりも相当程度遅い時刻に設定されているものとする。なお、図8の曲線L5は、ユーザU1が、各MFPに対して各最遅通過時刻Ti5(後述)にて立ち寄りつつ通常の移動速度で出発地Psから目的地Peへと移動する様子を示す曲線である。
第3のスケジューリング動作は、第1のスケジューリング動作と比較して、次のような値が各MFPの各残存時間TMiとして規定される点で相違する。具体的には、図8に示されるように、ジョブ開始時刻T0から各MFPへの各最遅通過時刻(最遅到達時刻とも称する)Ti5(次述)までの時間が、各残存時間TMiとして規定される。より具体的には、目的地Peへの到達目標時刻Tdと各MFP(使用候補装置)から目的地Peまでの各経路長とユーザU1の予定移動速度とに基づいて、到達目標時刻Tdまでに目的地Peに到達するための各地点での最も遅い通過時刻(到達時刻)である各最遅通過時刻(最遅到達時刻)Ti5が算出される。そして、当該各MFPでの各最遅通過時刻Ti5に基づいて、当該各MFPにおける各残存時間TMiが算出される。
なお、時刻Ti5は、通常の移動速度での移動によって到達目標時刻Tdまでに目的地Peに到達するために、各MFPの載置場所(各地点)Piに到着しておくべき最も遅い時刻である。各時刻Ti5は、各地点Piから目的地Peまでの経路を予定移動速度で移動するために要する時間ti5(当該経路の経路長を予定移動速度で除した値)を、到達目標時刻Tdから遡った時刻として、算出される(Ti5=Td−ti5)。
たとえば、印刷ジョブJ1が12個の分割ジョブG1〜G12に分割される場合、図14に示すように、先ず(MFP10aの)残存時間TM1に対して3個の分割ジョブG1〜G3が割り当てられる。次に(MFP10cの)残存時間TM2に対して5個の分割ジョブG4〜G8が割り当てられ、最後に(MFP10fの)残存時間TM3に対して残りの4個の分割ジョブG9〜G12が割り当てられる。
第3のスケジューリング動作における残存時間TMiは、第1のスケジューリング動作における残存時間TMiよりも長い時間として算出される。たとえば、残存時間TM1は、時刻T0から(時刻T1ではなく)時刻T15までの時間として算出される。同様に、残存時間TM2は、時刻T0から(時刻T2ではなく)時刻T25までの時間として算出され、残存時間TM3は、時刻T0から(時刻T3ではなく)時刻T35までの時間として算出される。
これによれば、各MFPにおいて比較的長い時間(第1のスケジューリング動作に比べて長い時間)が残存時間TMiとして設定されるので、各MFPにおいて比較的多い分割ジョブが割り当てられ得る。ひいては、MFPの使用台数を抑制することが可能である。
なお、仮にいずれかのMFPにおいて比較的多い分割ジョブが割り当てられた場合には、ユーザU1が当該MFPに到達しても未だそのMFPでの印刷出力が完了していないことも考えられる。たとえば、ユーザU1がMFP10aに対して時刻T1に到達しても、分割ジョブG3の印刷出力は未完了である。
ただし、その場合には、ユーザU1は、当該MFPでの印刷出力の完了を待った後に当該MFPでの印刷出力物を回収し、次のMFP(10c)等を目指して通常の速度で順次に移動することによって、到達目標時刻Tdまでに目的地Peに到着することが可能である。このように、ユーザU1は、1つ或いは幾つかの印刷出力装置で待つことになるかもしれないものの、各MFPで各印刷出力物を順次に回収していくことによって印刷ジョブに関する全ての印刷出力物を得るとともに到達目標時刻Tdまでに目的地Peに到着することが可能である。
<第4のスケジューリング動作>
図9は、第4のスケジューリング動作を説明する図である。
第4のスケジューリング動作は、第3のスケジューリング動作と第2のスケジューリング動作との組合せに係る動作である。具体的には、第4のスケジューリング動作においては、第3のスケジューリング動作と同様にして各MFPの残存時間TMiが算出されるとともに、第2のスケジューリング動作と同様にして「目的地Pe」に近い方のMFPから順に分割ジョブGの割り当てが行われる。
たとえば、図15に示されるように、複数の分割ジョブG1〜G12のうち、先ず(MFP10fの)残存時間TM3(ここでは時刻T0〜時刻T35)に対して7個の分割ジョブG6〜G12が割り当てられる。次に(MFP10cの)残存時間TM2(ここでは時刻T0〜時刻T25)に対して残りの5つの分割ジョブG1〜G6が割り当てられる。
これによれば、第3のスケジューリング動作による利点と第4のスケジューリング動作による利点とを得ることが可能である。
具体的には、各MFPにおいて比較的長い時間(第1のスケジューリング動作に比べて長い時間)が残存時間TMiとして設定されるので、各MFPにおいて比較的多い分割ジョブが割り当てられ得る。また、目的地Peに近い装置に対して優先的に分割ジョブが割り当てられ、目的地Peに近いMFP10fが比較的多数の分割ジョブを割り当てられている。これによれば、MFPの使用台数を3台から2台(図12参照)に低減することが可能であり、ひいては、複数の印刷出力装置にて個別に印刷出力された複数の印刷出力物を統合するユーザ作業の煩雑さを抑制することが可能である。
なお、上記においては、各残存時間TMiは、時刻T0から各時刻Ti(あるいはTi5)までの時間として算出されているが、これに限定されない。たとえば、各残存時間TMiは、時刻T0から各時刻Ti9までの時間として算出されてもよい。ここで、時刻Ti9は、駆け足の移動(通常の移動速度V1よりも速い所定速度V9での移動)によって到達目標時刻Tdまでに目的地Peに到達するために、各地点Piに到着しておくべき最も遅い時刻である。各時刻Ti9は、各地点Piから目的地Peまでを駆け足の移動速度V9で移動するために要する時間ti9を到達目標時刻Tdから遡った時刻として算出される(Ti9=Td−ti9)。図6〜図9等の曲線L9は、ユーザU1が各MFPに対して各時刻Ti9にて立ち寄りつつ駆け足で出発地から目的地へと移動する様子を示す曲線である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。第2実施形態においては、第1実施形態のスケジューリング動作が行われた後の動作(再スケジューリング動作等)について説明する。
第2実施形態では、第1実施形態によるスケジューリング動作の後に実際にユーザU1が目的地Peに向けて移動している際に、ユーザU1の位置情報が検出され、当該位置情報に基づいて各MFPへの分割ジョブの割り当てが動的に変更される。
図16は、第2実施形態に係る印刷システム1(1B)の構成を示す図である。
第2実施形態においては、ユーザU1は、携帯端末90(図16参照)を所持(携帯)しているものとする。携帯端末90は、たとえば、スマートフォンあるいはタブレット端末等によって構成される。当該携帯端末90は、現在位置を検出する位置検出部91(図16参照)を内蔵している。位置検出部91は、たとえば、社屋内外の複数の位置に配置された複数の基地局とのブルートゥース(登録商標)通信における電波強度を計測することによって、当該複数の基地局との各距離を計測する。そして、位置検出部91は、当該複数の基地局の位置情報および計測された当該各距離等に基づくことによって携帯端末90の位置を検出することが可能である。携帯端末90は、検出した自装置の位置をサーバ50に送信し、サーバ50は、携帯端末90(ユーザU1)の現在位置を取得する。
ユーザU1が時刻T0にて出発地Psから目的地Peに向けて移動を開始すると、第2実施形態に係るシステム1(1B)(図16参照)は、ユーザU1の携帯端末90の位置情報に基づき、ユーザU1の現在位置を特定する。具体的には、携帯端末90は自装置の位置を特定すると、当該位置情報をサーバ50に送信する。サーバ50は、携帯端末90から受信した位置情報(携帯端末90の位置情報)をユーザU1の現在位置の位置情報として取得する。このような位置取得動作等は一定時間間隔(たとえば、数秒間隔)で定期的に実行される。
さて、第2実施形態においては、ユーザU1が各使用対象装置(詳細にはその載置場所)に予定よりも早く到達した場合に分割ジョブの割り当て内容を一部変更する態様について、図18等を参照しながら説明する。なお、図18においては、ユーザU1が急ぎ足で位置P1から位置P2に向かうことによって、位置P2(MFP10cの載置場所P2)に対して予定よりも一定程度以上早く到達する状況(曲線L21参照)等が示されている。曲線L21は、ユーザU1の位置変動(移動)を示している。
たとえば、ユーザU1が或るMFP10cの載置場所P2に予定よりも一定程度以上早く到達し、当該MFP10cに割り当てられた分割ジョブであって当該MFP10cにて未着手の分割ジョブG6(図18参照)が存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブG6が別のMFP10fに割り当てられる。換言すれば、特定の使用対象装置10cにユーザU1が到達した時点において当該特定の使用対象装置10cにて未着手の割り当て済み分割ジョブG6が存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブG6の割り当て先が、特定の使用対象装置10c以外の使用対象装置(詳細には、特定の使用対象装置10cの位置P2よりも目的地側の位置P3に配置された他の使用対象装置10f)に変更される。
これによれば、ユーザU1は、予定よりも早い時点(たとえば、分割ジョブG5の実行中の時点P22)にて位置P2に到着した場合、位置P2から位置P3への移動行動に関する自由度を増大させることができる。たとえば、ユーザU1は、分割ジョブG5の完了に応じて分割ジョブG5による印刷出力物を位置P2(MFP10c)にて回収した後に、次の位置P3に向けて通常の移動速度よりも遅い速度で移動することが可能である。あるいは、ユーザU1は、寄り道(経路近傍の自動販売機等で飲み物を購入すること等)をしつつ、次の地点P3に向けて移動することも可能である。
図17は、このような動作(サーバ50の動作)を示すフローチャートである。図17を参照しつつ、第2実施形態に係る動作について説明する。なお、図17においては、第1実施形態の動作(図5参照)の後に実行される動作が示されている。
まず、サーバ50は、ユーザU1の携帯端末90からの情報等に基づいてユーザU1の位置情報を取得する(ステップS31)と、ステップS32に進む。ユーザU1が目的地Peに到達している旨がステップS32で判定されると、図17の処理は終了する。一方、ユーザU1が目的地Peに未だ到達していない旨がステップS32で判定されると、ステップS33に進む。
ステップS33では、次の使用対象装置(たとえばMFP10c)の載置場所にユーザU1が到達したか否かが判定される。たとえば、ユーザU1の位置とMFP10cの載置場所P1との距離が所定距離(たとえば2〜3メートル)以下に低減されると、ユーザU1がMFP10cの載置場所P1に到達した旨が判定される。換言すれば、MFP10cの載置場所P1から所定距離(たとえば2〜3メートル)以内の範囲にユーザU1が到達(接近)すると、ユーザU1がMFP10cに到達した旨が判定される。
ユーザU1が或る使用対象装置に未だ到達していない旨が判定される場合には、ステップS33からステップS31に戻る。一方、ユーザU1が或る使用対象装置に到達した旨が判定されると、ステップS33からステップS34に進む。
ステップS34では、サーバ50は、その載置場所にユーザU1が到達した使用対象装置(MFP10c等)に対して、ユーザU1の到達を通知するとともに、当該使用対象装置に対して、ユーザU1のジョブの進行状況の通知要求を送信する。当該使用対象装置は、当該通知要求に応答して、ユーザU1のジョブの進行状況を送信する。ステップS35においてサーバ50が当該ユーザU1のジョブの進行状況を受信すると、ステップS36に進む。
ステップS36では、サーバ50は、当該使用対象装置に対して割り当てられていた分割ジョブのうち、未着手のものが存在するか否かを判定する。たとえば、ユーザU1が到達した使用対象装置(MFP10a)に対して割り当てられていた分割ジョブ(たとえば、G1,G2)のうち、未着手のものが存在しない場合には、ステップS31に戻る。
一方、ユーザU1が到達した当該使用対象装置(たとえばMFP10c)に対して割り当てられていた分割ジョブ(割り当て済み分割ジョブとも称する)(たとえば、G3、G4,G5,G6)のうち、未着手の分割ジョブ(G6)が存在する場合には、サーバ50は、当該未着手の分割ジョブの割り当ての変更を試行する。たとえば、未着手の分割ジョブG6の割当先を次の使用対象装置(MFP10f)に変更することが試行される。
そして、そのような変更(リスケジュールとも称する)が成功する(MFP10fの残存時間TM3内に分割ジョブG6を完了できる旨が判定される)と、ステップS37からステップS38に進む。なお、当該リスケジュールが失敗した場合には、未着手の分割ジョブの割り当ての変更は行われない。
ステップS38,S39では、未着手の分割ジョブの割り当ての変更動作が行われる。ステップS38では、サーバ50は、未着手の分割ジョブ(G6)が割り当てられていた使用対象装置(10c)に対して、当該分割ジョブ(G6)をキャンセルする旨を通知する。また、ステップS39において、サーバ50は、当該分割ジョブ(G6)の新たな割り当て先装置(たとえば、次の使用対象装置10f)に、新たな割り当て内容(分割ジョブG6)を通知する。
第2実施形態では、このような動作が行われる。これによれば、上述したように、ユーザU1は、予定よりも早い時点(たとえば、分割ジョブG5の実行中の時点P22)にて位置P2に到着した場合、以後の行動(たとえば、位置P2から位置P3への移動行動等)に関する自由度を増大させることが可能である。
<分割ジョブの実行順序>
ここで、各使用対象装置における分割ジョブの実行順序について説明する。
上記実施形態においては、複数の分割ジョブGiが複数の使用対象装置(MFP10)に分散して割り当てられ、且つ、各使用対象装置においては、その番号(分割ジョブの番号)の小さい順(昇順)に少なくとも1つの分割ジョブが割り当てられている。そして、各使用対象装置においては、当該割り当て順序に従って、その番号の昇順に(小さいものから順に)少なくとも1つの分割ジョブが実行されている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
たとえば、サーバ50は、2以上の使用対象装置のうち、k番目(kは、所定の自然数)の使用対象装置B(k)に対して、連続する一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当てる。一方、サーバ50は、2以上の使用対象装置のうち、次の装置((k+1)番目の使用対象装置B(k+1))に対しては、連続する他の一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの当該一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当てる。また、使用対象装置B(k)に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と使用対象装置B(k+1)に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に分割ジョブが割り当てられる。
詳細には、図19に示すように、k=2のとき、3つの使用対象装置(10a,10c,10f)のうち、2番目の使用対象装置B(2)(位置P2のMFP10c)に対しては、連続する4つの分割ジョブG3〜G6が、その番号の昇順(G3,G4,G5,G6の順)がその処理実行順序となるように割り当てられる。一方、3番目の使用対象装置B(3)(位置P3のMFP10f)(換言すれば、最後の使用対象装置)に対しては、連続する6つの分割ジョブG7〜G12が、その番号の降順(G12,G11,G10,G9,G8,G7の順)がその処理実行順序となるように割り当てられる。また、使用対象装置B(2)(位置P2のMFP10c)に割り当てられた一連の分割ジョブのうち処理実行順序の末尾の分割ジョブG6の番号(たとえば、「6」)と使用対象装置B(3)(位置P3のMFP10f)に割り当てられた他の一連の分割ジョブのうちの処理実行順序の末尾の分割ジョブの番号(たとえば、「7」)とが連続するように、両装置に対して分割ジョブが割り当てられる。
このような分割ジョブの割り当て処理が予め行われる場合において、たとえば、上記第2実施形態において、分割ジョブG6の割り当て先が、使用対象装置B(2)(MFP10c)から使用対象装置B(3)(MFP10f)へと変更されると、図20および図21のような処理が行われる。図20および図21においては、変更後において、使用対象装置B(2)(MFP10c)にて分割ジョブG3,G4,G5がこの順序で処理され、使用対象装置B(3)(MFP10f)にて分割ジョブG12,G11,G10,G9.G8,G7,G6がこの順序で処理されることが示されている。このような態様によれば、図18と比較すると判るように、使用対象装置B(3)(MFP10f)での印刷出力物の取り扱いが容易である。
図18においては、位置P3のMFP10fにて、7つの分割ジョブG7,G8,G9,G10,G11,G12,G6がこの順序で印刷出力される。そのため、ユーザU1は、最後の分割ジョブG6の印刷出力物をその直前の分割ジョブG12の印刷出力物の次の位置から最初の分割ジョブG7の印刷出力物の前の位置へと移動することを要する。
一方、図20および図21においては、位置P3のMFP10fにて、7つの分割ジョブG12,G11,G10,G9.G8,G7,G6がこの順序で印刷出力される。すなわち、連続する7つの分割ジョブが、その分割ジョブ番号がその番号順(詳細にはその逆順)に従って連続した状態で出力される。そのため、ユーザU1は、これらの7つの分割ジョブG12〜G6の印刷出力物を順序を入れ替えることを要しない。
また、図21等に示すように、位置P3のMFP10fでは、その直前の位置P2のMFP10cでの各分割ジョブの印刷出力順序(分割ジョブ番号の昇順あるいは降順)とは逆順で印刷出力が行われる。また、MFP10cとMFP10fとでは、各分割ジョブ内での各ページの印刷出力順序も逆の順序であり、ページの表裏も逆である。
詳細には、MFP10cでは、3つの分割ジョブG3〜G5がこの順序で印刷出力され、且つ、各分割ジョブG3〜G5での印刷出力順序はページ順序と同じ順序(正順)であり且つページのおもて面(印刷面)を下側にして(フェースダウンで)印刷出力される。なお、MFP10aでの印刷出力も同様である。MFP10aでは、2つの分割ジョブG1,G2がこの順序で印刷出力され、且つ、各分割ジョブG1,G2での印刷出力順序はページ順序と同じ順序(正順)であり且つページのおもて面(印刷面)を下側にして(フェースダウンで)印刷出力される。
一方、MFP10fでは、7つの分割ジョブG12〜G6がこの順序で印刷出力され、且つ、各分割ジョブG12〜G6での印刷出力順序はページ順序とは逆の順序(逆順)であり且つページのおもて面(印刷面)を上側にして(フェースアップで)印刷出力される。
そして、ユーザU1は、MFP10fでの印刷出力物とそれまでに他のMFP10a,10cで印刷出力された印刷出力物と統合することによって、印刷ジョブJ1に関する最終的な印刷出力物を完成させることが可能である。
この際、MFP10f(詳細にはそのタッチパネル25等)においては、図22に示すような画面310が表示されることが好ましい。ユーザU1は、画面310による操作支援を受けることによって、印刷ジョブJ1に関する最終的な印刷出力物を比較的容易に完成させることが可能である。
当該画面310は、サーバ50からの情報に基づいて生成されて表示されればよい。たとえば、サーバ50は、ステップS20での出力指示の送信に際して、各MFP10での操作支援用の説明画面の表示用データを生成し、当該表示用データを各MFP10に予め送信しておく。詳細には、サーバ50は、各MFP10に割り当てられた一連の分割ジョブの印刷完了に伴って当該説明画面を表示すべき旨の表示指示とともに、当該表示用データを各MFP10に予め送信する。その後、各MFP(たとえば、10f)は、割り当てられた分割ジョブ(G12〜G6)の印刷出力完了時点等において、表示用データに基づき説明画面(310)を表示すればよい。このようにして、サーバ50は、各MFP10に当該説明画面等を表示させ、当該説明画面に含まれる説明情報をユーザに通知することが可能である。
画面310(図22)の左下側には、これまでに別のMFP10a,10cで印刷出力された印刷出力物Q2が示されている。印刷出力物Q2は、MFP10aでの印刷出力物(分割ジョブG1,G2の印刷出力物)の上にMFP10cでの印刷出力物(分割ジョブG3〜G5の印刷出力物)を積み重ねることによって、ユーザU1によって既に生成されているものとする。印刷出力物Q2は、ページのおもて面(印刷面)を下側にして(フェースダウンで)積層されている。印刷出力物Q2の最上層には、分割ジョブG5の最後のページに関する用紙がその裏面(非印字面)を上にした状態で配置されている。
また、画面310(図22)の右上側には、このMFP10fで印刷出力された印刷出力物Q3が示されている。上述のように、印刷出力物Q3は、ページのおもて面(印刷面)を上側にして(フェースアップで)積層されている。印刷出力物Q3の最上層には、分割ジョブG6の最初のページに関する用紙がそのおもて面(印字面)を上にした状態で配置されている。
図22においては、印刷出力物Q3の上面を下にするように印刷出力物Q3全体を反転させた(ひっくり返した)後に、当該印刷出力物Q3を印刷出力物Q2(詳細には、その最上層)の上に載置すべき旨の操作指示が、文字列および図を用いて記載されている。
ユーザU1は、このような画面310内の指示に従って、MFP10fでの印刷出力物Q3とそれまでに他のMFP10a,10cで印刷出力された印刷出力物Q2と統合する。この結果、印刷出力物Q2の最上層(分割ジョブG5の最後のページ)の直上に、分割ジョブG6の最初のページに関する用紙が重ねられた状態で、印刷出力物Q2と印刷出力物Q3とが統合され、印刷ジョブJ1に関する最終的な印刷出力物が完成する。
このように、(1番目から)i番目(iは自然数(ここではi=2))までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報をユーザに通知する通知動作(画面310の表示動作等)が行われることが好ましい。
なお、印刷出力物Q2(図22参照)に関する統合作業(分割ジョブG1の印刷出力物(図21参照)に対して分割ジョブG2の印刷出力物を積み重ねて統合する作業)の際にも、画面310と同様の操作支援画面が表示されることが好ましい。
また、このような説明情報の通知(操作支援画面310の表示等)は、上述の第1実施形態および後述する各実施形態等においても行われることが好ましい。

<分割ジョブの実行順序に関する他の例>
図23は、分割ジョブの実行順序に関する他の例を示す図である。図23においては、
21個の分割ジョブG1〜G21が位置P1〜P5の5台のMFP10に分散して割り当てられている。図23の例においては、図19の例と比較して、比較的多数の分割ジョブが比較的多数のMFPに分散して割り当てられている。
特に、位置P2に配置された2番目の使用対象装置B(2)と位置P3に配置された3番目の使用対象装置B(3)との両装置の間で分割ジョブG2〜G6と分割ジョブG7〜G12とが、当該両装置における各処理順序の末尾側で連続するように、当該両装置に割り当てられている。その分割ジョブの番号順は、両装置の相互間で互いに逆順(昇順および降順)である。
同様に、位置P4に配置された4番目の使用対象装置B(4)と位置P5に配置された5番目の使用対象装置B(5)との両装置の間で分割ジョブG12〜G20と分割ジョブG21〜G30とが、当該両装置における各処理順序の末尾側で連続するように、当該両装置に割り当てられている。換言すれば、最後の使用対象装置B(5)とその直前の使用対象装置B(4)との両装置に対する各一連の分割ジョブが、当該両装置における各処理順序の末尾側で連続するように、割り当てられている。
このような分割ジョブの割り当て変更処理を行うことによれば、各MFPに割り当てられた一連の分割ジョブの末尾側で順序が調整が自動的に行われる(順序の不連続の発生が回避される)ので、図18と同様の割り当て変更処理が行われる場合に比べてユーザU1の操作性の低下を抑制ないし回避することができる。
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態においては、ユーザU1が各使用対象装置(詳細にはその載置場所)に予定よりも遅く到達しそうな状況において分割ジョブの割り当て内容を一部変更する態様について、図26等を参照しながら説明する。なお、図26においては、曲線L31(ユーザU1の移動を表す曲線)等を用いて、ユーザU1の出発地Ps(および位置P1)から位置P2への移動速度が遅く、ユーザU1が位置P2に予定よりも遅く到着する様子等が示されている。
たとえば、ユーザU1が、或るMFP10aの載置場所P1から次のMFP10cの載置場所P2へと向かう移動に際して、当該次のMFP10cに対して予定よりも一定程度以上遅く到達しそうな場合、更に次のMFP10fに割り当てられていた未処理の分割ジョブ(G7)が、MFP10cに割り当てられる(図26参照)。換言すれば、特定のMFP10cへのユーザU1の到着が、当該特定のMFP10cにて現在の割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点T27以後にまで遅れそうである、と判定される場合に、分割ジョブの割り当てが変更される。具体的には、特定の使用対象装置10cよりも目的地Pe側に配置された他の使用対象装置10f(特定の使用対象装置10cの次の使用対象装置10f)に割り当てられていた未処理の分割ジョブG7(且つ特定の使用対象装置10cにユーザU1が到達するまでにその印刷出力を完了することが可能な分割ジョブ)が、特定の使用対象装置10cに割り当てられる。
これによれば、ユーザU1の位置P2への到着が予定よりも遅くなりそうな状況において、ユーザU1の以後の移動行動に関する自由度を増大させることができる。
詳細には、分割ジョブG7は、位置P3のMFP10fで印刷出力されるのではなく、1つ前の位置P2のMFP10cにて印刷出力される。換言すれば、MFP10fへの割り当て対象の分割ジョブは、6つの分割ジョブG12,G11,...,G8,G7から、5つの分割ジョブG12,G11,...,G8へと1つ低減される。そのため、MFP10fでの印刷出力は、比較的早期に終了する。したがって、ユーザU1は、MFP10f(位置P3)を比較的早期に離れて目的地Peに向かうことが可能である。換言すれば、ユーザU1は、分割ジョブG7の元の終了予定時刻T28(分割ジョブG7がMFP10cに割り当てられていたときの終了予定時刻)よりも早い時点で、MFP10fを離れることができる。
たとえば、ユーザU1は、位置P2からは、それまでに比べて大きな移動速度での移動を開始し、位置P3に対して比較的早期に(元の分割ジョブG7の終了予定時刻T28よりも早い時点にて)到着する。そして、MFP10fでの印刷出力物(5つの分割ジョブG12,G11,...,G8に関する印刷出力物)を回収した直後に(時刻T28よりも早い時点で)位置P3から目的地Peへの移動を開始し、比較的早期に目的地Peに到着することが可能である。
図25は、このような動作(サーバ50の動作)を示すフローチャートである。図25を参照しつつ、第3実施形態に係る動作について説明する。なお、図25においては、第1実施形態の動作(図5参照)の後に実行される動作が示されている。
まず、サーバ50は、ユーザU1の携帯端末90からの情報等に基づいてユーザU1の位置情報を取得する(ステップS41)と、ステップS42に進む。ユーザU1が目的地Peに到達している旨がステップS42で判定されると、図25の処理は終了する。一方、ユーザU1が目的地Peに未だ到達していない旨がステップS42で判定されると、ステップS43に進む。
ステップS43では、ユーザU1の移動が所定の基準よりも遅れているか否かが判定される。たとえば、位置P2のMFP10cにて当初に割り当てられていた4つの分割ジョブG3〜G6が終了した時点T26で、ユーザU1の現在位置が位置P2よりも一定程度以上遠い場合、ユーザU1の位置P2への到達予定時刻(更新後の到達予定時刻)が、それまでのユーザU1の移動速度の実測値等に基づいて推定される。そして、当該更新後の到達予定時刻が、更に1つの分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点T27以後である旨が判定される場合、ステップS44に進む。それ以外の場合には、ステップS41に戻る。
ステップS44においては、分割ジョブの割り当て変更が試行される。具体的には、次の使用対象装置(MFP10c)の次以後に向かう他の使用対象装置(MFP10f)に割り当てられていた未処理の分割ジョブ(G7)を当該次の使用対象装置(MFP10c)へ割り当てる変更処理(図26等参照)が試行される。
そのような変更(リスケジュールとも称する)が成功する(ユーザU1の位置P2への更新後の到達予定時刻(推定時刻)までにMFP10cによって分割ジョブG7を完了できる旨が判定される)と、ステップS47からステップS48に進む。なお、当該リスケジュールが失敗した場合には、分割ジョブの割り当ての変更は行われない。
ステップS48,S49では、分割ジョブの割り当ての変更動作が行われる。ステップS48では、サーバ50は、変更対象の分割ジョブ(G7)の元の割り当て先装置(MFP10f)に対して、当該分割ジョブ(G7)をキャンセルする旨を通知する。また、ステップS49において、サーバ50は、当該分割ジョブ(G7)を新たな割り当て先装置(たとえば、次の使用対象装置10c)に新たな割り当て内容(分割ジョブG7)を通知する。
以上のような動作が行われる。これによれば、ユーザU1が各使用対象装置(詳細にはその載置場所)に予定よりも遅く到達しそうな状況において、ユーザU1の以後の移動行動に関する自由度を増大させることができる。
なお、上記実施形態においては、ユーザU1の位置P2への到達予定時刻(更新後の到達予定時刻)が、更に1つの分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点T27以後である旨が判定される場合に、1つの分割ジョブの割り当て先が変更されているが、これに限定されない。たとえば、図27に示すように、ユーザU1の位置P2への更新後の到達予定時刻が、更に2つの分割ジョブG7,G8を実行可能な時間が経過する時点T61以後である旨が判定される場合(ユーザU1が位置P2に到達するまでに、位置P2のMFP10cにて2つの分割ジョブG7,G8をさらに実行することが可能な場合)に、当該2つの分割ジョブG7,G8の割り当て先が変更されてもよい。具体的には、当該2つの分割ジョブG7,G8の割り当て先が、位置P3のMFP10fから位置P2のMFP10cへと変更されてもよい。より詳細には、MFP10cに対して割り当て済の分割ジョブG6の次に分割ジョブG7,G8がこの順序で割り当てられるようにすればよい。
この再割り当て後においても、MFP10cにおける末尾の分割ジョブG8とMFP10fにおける末尾の分割ジョブG9とはその番号が連続しているので、異なるMFP10で印刷出力された印刷出力物を統合する際に、当該印刷出力物の取り扱いが容易である。なお、図27においては、曲線L32(ユーザU1の移動を表す曲線)等を用いて、ユーザU1の出発地Ps(および位置P1)から位置P2への移動速度が遅く、ユーザU1が位置P2に予定よりも非常に遅く到着する様子等が示されている。
また、図11のような割り当てがなされている場合においてユーザU1の位置P2への到着が遅れそうなときには、図28に示すように、位置P3のMFP10fに唯一割り当てられていた分割ジョブG7が、位置P2のMFP10cに割り当てられるようにしてもよい。この場合、ユーザU1は、1台目のMFP10aにて2つの分割ジョブG1,G2に関する印刷出力物を回収し、2台目のMFP10cにて残りの5つの分割ジョブG3〜G7に関する印刷出力物を回収することによって、印刷ジョブJ1に関する全ての印刷出力物を回収することが可能である。3台目のMFP10fにて分割ジョブG7の印刷出力が既に完了していても、(当該分割ジョブG7の印刷出力物は廃棄されればよく、)3台目のMFP10fの印刷出力物を回収することを要しない。端的に言えば、3台ではなく2台のMFP10(比較的少数のMFP)による分散処理が実現される。したがって、複数の印刷出力装置にて個別に印刷出力された複数の印刷出力物を統合するユーザ作業の煩雑さを抑制することが可能である。
<ユーザの移動動作に関する通知>
また、サーバ50は、ユーザU1の現在位置に基づきユーザU1の実際の移動進捗状況を判定し、ユーザU1の実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合には、ユーザU1の移動進捗状況に基づく情報(ユーザU1の推奨行動等)をユーザU1に通知する通知動作を制御するようにしてもよい。なお、基準進捗状況としては、曲線L1(図6〜図9等参照)で示される基準進捗状況等が例示される。
たとえば、サーバ50は、複数の使用対象装置のうち次にユーザU1が立ち寄るべき使用対象装置の載置場所(位置Pi)への到達予定時刻(当初の到達予定時刻)TiとユーザU1の現在位置から当該載置場所までの距離とに基づいて、ユーザU1が当該到達予定時刻Ti(当初の到達予定時刻)に当該載置場所に到達するための所要速度を算出し、当該所要速度に基づく情報をユーザU1に通知するようにしてもよい。
具体的には、図26〜図28のように、位置P1のMFP10aから位置P2のMFP10cへと移動している際において、サーバ50は、ユーザU1の現在位置から位置P2までの距離と位置P2への到達予定時刻Tiとに基づいて、ユーザU1が当該到達予定時刻Tiに当該載置場所に到達するための所要速度を算出する。たとえば、図27において時刻T26が現在時刻である場合、図27の曲線L33の傾きは、時刻T2までに位置P2に到達するためのユーザU1の所要速度を示している。
そして、当該所要速度がユーザU1の現在の移動速度よりも所定程度以上大きいとき(あるいは、当該所要速度がユーザU1の通常の移動速度よりも所定程度以上大きいとき)に、サーバ50は、当該所要速度に基づく情報(所要速度に基づく推奨行動情報等)をユーザU1に通知するようにしてもよい。具体的には、サーバ50は、図24に示すような画面(「このままでは間に合わないので、少し急いでください。」などの文字を含む画面)の表示用データをユーザU1の携帯端末90に送信し、当該携帯端末90の表示部95(図16参照)に表示させるようにしてもよい。
なお、逆に、図18あるいは図20のように、ユーザU1の現在位置から位置P2までの距離と位置P2への到達予定時刻Ti(当初の到達予定時刻)とに基づいて算出された当該所要速度(たとえば、通常の移動速度程度と同程度の速度)が、ユーザU1の現在の移動速度(たとえば、比較的大きな移動速度)よりも所定程度以上小さいときに、サーバ50は、当該所要速度に基づく情報をユーザU1に通知するようにしてもよい。たとえば、「少し時間に余裕があります。走らなくても大丈夫です。」などの文字列を有する画面の表示用データをユーザU1の携帯端末90に送信し、当該携帯端末90の表示部に表示させればよい。あるいは、当該所要速度がユーザU1の通常の移動速度よりも所定程度以上小さいときに、当該所要速度に基づく情報をユーザU1に通知するようにしてもよい。たとえば、「時間に余裕があります。ゆっくり歩いても大丈夫です。」などの文字列を有する画面の表示用データをユーザU1の携帯端末90に送信し、当該携帯端末90の表示部に表示させてもよい。
このように、ユーザU1の実際の移動進捗状況が基準進捗状況(予定到達時刻Tiに基づく曲線L1)に対して所定程度より大きくずれている場合に、ユーザU1の移動進捗状況に基づく情報が通知されるようにしてもよい。
また、ここでは、各MFPへの到達予定時刻Ti等に基づいて算出された所要速度(ユーザU1の移動に関する所要速度)が考慮されているが、これに限定されない。たとえば、各MFPへの最遅通過時刻Ti5等に基づいて算出された所要速度が考慮されるようにしてもよい。そして、当該所要速度に基づく情報がユーザに通知されるようにしてもよい。
詳細には、ユーザU1の現在位置から、ユーザが次に立ち寄る使用対象装置の載置場所までの距離と、通常の移動速度での移動によって目的地に到達目標時刻Tdまでに到達するために当該載置場所に到達しておくべき最も遅い時刻である最遅到達時刻Ti5とに基づいて、ユーザが最遅到達時刻Ti5に当該載置場所に到達するための所要速度が算出されればよい。そして、当該所要速度に基づく情報がユーザに通知されればよい。より詳細には、当該所要速度がユーザU1の現在の移動速度よりも所定程度以上小さいとき(あるいは、当該所要速度がユーザU1の通常の移動速度よりも所定程度以上小さいとき)に、サーバ50は、当該所要速度に基づく情報(所要速度に基づく推奨行動情報等)をユーザU1に通知するようにしてもよい。
このように、ユーザU1の実際の移動進捗状況が基準進捗状況(最遅到達時刻に基づく曲線L5)に対して所定程度より大きくずれている場合には、ユーザU1の移動進捗状況に基づく情報(ユーザU1の推奨行動等)がユーザU1に通知されるようにしてもよい。
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2実施形態では、特定の使用対象装置にユーザU1が到達した時点において当該特定の使用対象装置にて未着手の分割ジョブ(割り当て済の分割ジョブ)が存在する場合に、当該未着手の分割ジョブの割り当て変更が行われている。
この第4実施形態では、特定の使用対象装置に印刷不能事象が発生した場合に、当該印刷不能事象の発生時点で当該特定の使用対象装置にて未完了の分割ジョブに対して、割り当て変更が行われる。
たとえば、図29に示すように、位置P2の使用対象装置10cに印刷不能事象(用紙切れ、用紙詰まり、および/またはトナー切れ等)が発生した場合に、当該印刷不能事象の発生時点で当該使用対象装置10cにて未完了の分割ジョブG6の割り当て変更が行われる。具体的には、当該分割ジョブG6が、使用対象装置10c以外の使用対象装置(詳細には、当該使用対象装置10cよりも目的地側の位置P3に配置された使用対象装置10f)に割り当てられる。
これによれば、ユーザU1は、印刷不能事象の解消操作(用紙補充操作等)を行うことを要さずに、全ての分割ジョブG1〜G12に関する印刷出力物を全て取得することが可能である。したがって、ユーザU1による位置P2での当該解消操作(用紙補充操作等)に起因してユーザU1の目的地への到着が遅れること、を抑制ないし回避することが可能である。
<5.第5実施形態>
第5実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2実施形態では、特定の使用対象装置にユーザU1が到達した時点において当該特定の使用対象装置にて未着手の分割ジョブ(割り当て済の分割ジョブ)が存在する場合に、当該未着手の分割ジョブの割り当て変更が行われている(図18および図20等参照)。
この第5実施形態においては、複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブ(保護分割ジョブとも称する)(たとえばG6(図30参照))に関しては、当該保護分割ジョブの印刷出力は、当該印刷出力の実行装置(たとえばMFP10c)の載置場所にユーザU1が到着した時点以後に行われる。なお、たとえば、分割ジョブG6がセキュリティ保護の対象となる場合としては、分割ジョブG6内の全ページ(たとえば、501ページから600ページまで)がセキュリティ保護の対象となる場合と、分割ジョブG6内の一部のページのみ(たとえば、521ページから563ページまでのみ)がセキュリティ保護の対象となる場合とが存在する。セキュリティ保護の指定の有無および保護対象範囲等は、ユーザU1からの印刷指示に含まれているものとする。
具体的には、図30に示すように、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブG6は、分割ジョブG6の割当先装置(MFP10c)に対してユーザU1が到着した時点T66以後に、且つ、ユーザU1が当該MFP10cの近傍に存在する状況にて行われる。分割ジョブG6の直前の分割ジョブG5の印刷出力が完了している場合であっても、ユーザU1が未だMFP10cに到達していないときには(ユーザU1の移動曲線L41を参照)、分割ジョブG6の印刷出力は未だ開始されない。
より具体的には、ステップS20(図5)において、複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護対象の分割ジョブ(保護分割ジョブ)(たとえば分割ジョブG6)に関しては、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置(たとえばMFP10c)に対して、条件付き印刷指令が付与される。当該条件付き印刷指令は、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内にユーザU1が存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む印刷指令である。当該特定の印刷出力装置は、保護分割ジョブに関する当該条件付き印刷指令を受信し、当該条件付き印刷指令に従った印刷動作を実行する。すなわち、特定の印刷出力装置は、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内にユーザU1が存在する状態でのみ、保護分割ジョブ(たとえば分割ジョブG6)に関する印刷出力を開始する。
これによれば、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブ(G6等)が、ユーザU1が不在の状況で印刷出力されることを回避ないし抑制することが可能である。したがって、秘匿すべき内容がユーザU1以外の人物の目に触れる可能性を低減することが可能である。
<6.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態等においては、電子写真方式の印刷出力装置を例示したが、これに限定されず、インクジェット方式などの他の方式の印刷出力装置であってもよい。
また、上記各実施形態等においては、サーバ50が印刷制御装置として機能する態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、複数のMFP10のうちのいずれかのMFP10が印刷制御装置として機能するようにしてもよい。
また、上記各実施形態等においては、ステップS21(図5)にてYESと判定された場合(換言すれば、何れのルートによっても、その経路上の複数のMFPで分散出力した上で到達目標時刻TdまでにユーザU1が目的地Peに到達することはできない、と判定された場合)には、スケジューリング動作が行われない態様が示されているが、これに限定されない。たとえば、そのような判定がなされた場合、印刷ジョブJ1に関する印刷設定内容を自動的に変更して印刷所要時間(複数の分割ジョブに関する印刷出力の合計時間)を低減した上で、再スケジューリングが行われるようにしてもよい。たとえば、印刷ジョブJ1のページ集約設定(「Nin1」設定)に関する設定内容を「2in 1」(あるいは「4in1」等)に変更することによって、印刷に要する時間を低減(たとえば、約1/2に低減)することが可能である。あるいは、印刷画質を低減することによって、印刷に要する時間を低減するようにしてもよい。なお、印刷画質の低減は、特にインクジェット方式の印刷出力装置等に有用である。
このように、印刷ジョブを複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で到達目標時刻TdまでにユーザU1が目的地Peに到達することができない旨が複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合には、サーバ50は、印刷設定を自動的に変更して印刷ジョブJ1の処理時間を短縮した後に再スケジューリング(複数の分割ジョブの再割り当て処理)を行うようにしてもよい。これによれば、複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で到達目標時刻TdまでにユーザU1が目的地Peに到達することが可能となるように、割り当て処理が行われ得る。
なお、このような印刷設定の自動変更を許容するか否かは、ユーザ設定画面等においてユーザによる設定変更が可能であることが好ましい。
1 印刷システム
10 MFP(印刷出力装置)
50 印刷制御装置
70 クライアントコンピュータ
90 携帯端末
108 ネットワーク
G1〜G30 分割ジョブ
Ps 出発地(移動開始位置)
Pe 目的地
Pi 載置場所
Td (目的地への)到達目標時刻
Tp (目的地への)到達予定時刻
Ti (各MFPの載置場所への)到達予定時刻
Ti5 (各MFPの載置場所への)最遅通過時刻
TMi 各MFPにおける各残存時間

Claims (35)

  1. 複数の印刷出力装置のうちの2以上の使用対象装置によって分散して処理される印刷ジョブを制御する印刷制御装置であって、
    出発地から目的地へと移動するユーザが前記2以上の使用対象装置による印刷出力物を受け取っていく前記印刷ジョブに関して、前記目的地への前記ユーザの到達目標時刻に関する情報を取得する取得手段と、
    前記印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する前記2以上の使用対象装置を、前記複数の印刷出力装置の中から決定する決定手段と、
    を備え、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置を経由して前記出発地から前記目的地に到達する経路の経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づき、前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することが可能である旨が判定されることを条件に、前記2以上の使用対象装置を決定することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 請求項1に記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、
    使用候補装置にて印刷出力処理が可能な残り時間である各残存時間であって前記各使用候補装置による印刷出力物を受け取った前記ユーザが前記到達目標時刻までに前記目的地に到着できることを前提として規定された各残存時間を、前記ユーザの予定移動速度に基づいて求め、
    前記印刷ジョブを分割した前記複数の分割ジョブのうち、N個(ただし、Nは自然数)の使用候補装置の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブが存在し且つ当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置の各残存時間を利用すると前記複数の分割ジョブの全てを処理可能であると判定される場合、当該(N+1)個の使用候補装置を前記2以上の使用対象装置として決定することを特徴とする印刷制御装置。
  3. 請求項2に記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、
    前記出発地から前記各使用候補装置の位置までの各経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づいて前記ユーザの各使用候補装置の位置への各到達予定時刻を算出し、
    前記各使用候補装置の位置への前記各到達予定時刻に基づいて、前記各使用候補装置における各残存時間を算出することを特徴とする印刷制御装置。
  4. 請求項2に記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、
    前記目的地への前記到達目標時刻と前記各使用候補装置から前記目的地までの各経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づいて、前記到達目標時刻までに前記目的地に到達するための各地点での最も遅い通過時刻である各最遅通過時刻を算出し、
    前記各使用候補装置の位置での前記各最遅通過時刻に基づいて、前記各使用候補装置における各残存時間を算出することを特徴とする印刷制御装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、前記経路上の複数の使用候補装置のうち前記目的地に近い装置から順に分割ジョブを割り当てていくことを特徴とする印刷制御装置。
  6. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、前記経路上の複数の使用候補装置のうち前記出発地に近い装置から順に分割ジョブを割り当てていくことを特徴とする印刷制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、
    をさらに備え、
    前記決定手段は、前記複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブである保護分割ジョブに関しては、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置に対して、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内に前記ユーザが存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む条件付き印刷指令を付与することを特徴とする印刷制御装置。
  8. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、
    をさらに備え、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達時点において前記特定の使用対象装置にて未着手の割り当て済み分割ジョブが存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブの割り当て先を、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に変更することを特徴とする印刷制御装置。
  9. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、
    をさらに備え、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達が、当該特定の使用対象装置にて割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点以後にまで遅れそうである旨が判定される場合、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に割り当てられていた未処理の分割ジョブを前記特定の使用対象装置に割り当てることを特徴とする印刷制御装置。
  10. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置に印刷不能事象が発生した場合、前記印刷不能事象の発生時点で前記特定の使用対象装置にて未処理の分割ジョブを、前記特定の使用対象装置以外の使用対象装置に割り当てることを特徴とする印刷制御装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記印刷ジョブは、連続番号が付された前記複数の分割ジョブに分割され、
    前記決定手段は、
    前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザがk番目(kは、所定の自然数)に到達する第kの使用対象装置に対して、連続する一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当て、
    前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザが(k+1)番目に到達する第(k+1)の使用対象装置に対して、連続する他の一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの前記一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当て、
    前記第kの使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と第(k+1)の使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に分割ジョブを割り当てることを特徴とする印刷制御装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    i番目(iは自然数)までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報を前記ユーザに通知する通知動作を制御する通知制御手段、
    を備えることを特徴とする印刷制御装置。
  13. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段と、
    前記ユーザの現在位置に基づき前記ユーザの実際の移動進捗状況を判定し、前記ユーザの実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合に、前記ユーザの移動進捗状況に基づく情報を前記ユーザに通知する通知制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする印刷制御装置。
  14. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記決定手段は、前記印刷ジョブを前記複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても前記複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することができない旨が前記複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合、前記印刷ジョブに関する印刷設定を自動的に変更して前記印刷ジョブの処理時間を短縮した後に、前記複数の分割ジョブに関する再割り当て処理を実行することを特徴とする印刷制御装置。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記印刷制御装置は、サーバコンピュータであることを特徴とする印刷制御装置。
  16. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の印刷制御装置において、
    前記印刷制御装置は、画像形成装置であることを特徴とする印刷制御装置。
  17. 複数の印刷出力装置のうちの2以上の使用対象装置によって分散して処理される印刷ジョブを制御するコンピュータに、
    a)出発地から目的地へと移動するユーザが前記2以上の使用対象装置による印刷出力物を受け取っていく前記印刷ジョブに関して、前記目的地への前記ユーザの到達目標時刻に関する情報を取得するステップと、
    b)前記印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する前記2以上の使用対象装置を、前記複数の印刷出力装置の中から決定するステップと、
    を実行させるためのプログラムであって、
    前記ステップb)においては、前記2以上の使用対象装置を経由して前記出発地から前記目的地に到達する経路の経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づき、前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することが可能である旨が判定されることを条件に、前記2以上の使用対象装置が決定されることを特徴とするプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムにおいて、
    前記ステップb)は、
    b−1)各使用候補装置にて印刷出力処理が可能な残り時間である各残存時間であって前記各使用候補装置による印刷出力物を受け取った前記ユーザが前記到達目標時刻までに前記目的地に到着できることを前提として規定された各残存時間を、前記ユーザの予定移動速度に基づいて求めるステップと、
    b−2)前記印刷ジョブを分割した前記複数の分割ジョブのうち、N個(ただし、Nは自然数)の使用候補装置の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブが存在し且つ当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置の各残存時間を利用すると前記複数の分割ジョブの全てを処理可能であると判定される場合、当該(N+1)個の使用候補装置を前記2以上の使用対象装置として決定するステップと、
    を備えることを特徴とするプログラム。
  19. 請求項17または請求項18に記載のプログラムにおいて、
    c)前記複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブである保護分割ジョブに関して、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置に対して、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内に前記ユーザが存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む条件付き印刷指令を付与するステップ、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  20. 請求項17または請求項18に記載のプログラムにおいて、
    d)前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達時点において前記特定の使用対象装置にて未着手の割り当て済み分割ジョブが存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブの割り当て先を、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に変更するステップ、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  21. 請求項17または請求項18に記載のプログラムにおいて、
    e)前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達が、当該特定の使用対象装置にて割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点以後にまで遅れそうである旨が判定される場合、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に割り当てられていた未処理の分割ジョブを前記特定の使用対象装置に割り当てるステップ、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  22. 請求項17または請求項18に記載のプログラムにおいて、
    f)前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置に印刷不能事象が発生した場合、前記印刷不能事象の発生時点で前記特定の使用対象装置にて未処理の分割ジョブを、前記特定の使用対象装置以外の使用対象装置に割り当てるステップ、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  23. 請求項17から請求項22のいずれかに記載のプログラムにおいて、
    前記印刷ジョブは、連続番号が付された前記複数の分割ジョブに分割され、
    前記ステップb)においては、
    前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザがk番目(kは、所定の自然数)に到達する第kの使用対象装置に対して、連続する一連の分割ジョブが、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当てられ、
    前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザが(k+1)番目に到達する第(k+1)の使用対象装置に対して、連続する他の一連の分割ジョブが、その番号の昇順と降順とのうちの前記一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当てられ、
    前記第kの使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と第(k+1)の使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に対して分割ジョブが割り当てられることを特徴とするプログラム。
  24. 請求項17から請求項23のいずれかに記載のプログラムにおいて、
    g)i番目(iは自然数)までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報を前記ユーザに通知するステップ、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  25. 請求項17または請求項18に記載のプログラムにおいて、
    h)前記ユーザの現在位置に基づき前記ユーザの実際の移動進捗状況を判定し、前記ユーザの実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合に、前記ユーザの移動進捗状況に基づく情報を前記ユーザに通知するステップ、
    を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
  26. 請求項17または請求項18に記載のプログラムにおいて、
    前記ステップb)においては、前記印刷ジョブを前記複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても前記複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することができない旨が前記複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合、前記印刷ジョブに関する印刷設定が自動的に変更されて前記印刷ジョブの処理時間が短縮された後、前記複数の分割ジョブに関する再割り当て処理が実行されることを特徴とするプログラム。
  27. 印刷システムであって、
    複数の印刷出力装置と、
    前記複数の印刷出力装置のうちの2以上の使用対象装置によって分散して処理される印刷ジョブを制御する印刷制御装置と、
    を備え、
    前記印刷制御装置は、
    出発地から目的地へと移動するユーザが前記2以上の使用対象装置による印刷出力物を受け取っていく前記印刷ジョブに関して、前記目的地への前記ユーザの到達目標時刻に関する情報を取得する取得手段と、
    前記印刷ジョブを分割した複数の分割ジョブを分担して実行する前記2以上の使用対象装置を、前記複数の印刷出力装置の中から決定する決定手段と、
    を備え、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置を経由して前記出発地から前記目的地に到達する経路の経路長と前記ユーザの予定移動速度とに基づき、前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することが可能である旨が判定されることを条件に、前記2以上の使用対象装置を決定することを特徴とする印刷システム。
  28. 請求項27に記載の印刷システムにおいて、
    前記決定手段は、
    各使用候補装置にて印刷出力処理が可能な残り時間である各残存時間であって前記各使用候補装置による印刷出力物を受け取った前記ユーザが前記到達目標時刻までに前記目的地に到着できることを前提として規定された各残存時間を、前記ユーザの予定移動速度に基づいて求め、
    前記印刷ジョブを分割した前記複数の分割ジョブのうち、N個(ただし、Nは自然数)の使用候補装置の各残存時間を利用しても処理できない分割ジョブが存在し且つ当該N個の使用候補装置にさらに別の使用候補装置を加えた(N+1)個の使用候補装置の各残存時間を利用すると前記複数の分割ジョブの全てを処理可能であると判定される場合、当該(N+1)個の使用候補装置を前記2以上の使用対象装置として決定することを特徴とする印刷システム。
  29. 請求項27または請求項28に記載の印刷システムにおいて、
    前記印刷制御装置は、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、
    をさらに備え、
    前記決定手段は、前記複数の分割ジョブのうち、セキュリティ保護の対象となる分割ジョブである保護分割ジョブに関しては、当該保護分割ジョブの印刷出力を行う特定の印刷出力装置に対して、当該特定の印刷出力装置から所定範囲内に前記ユーザが存在する状態で印刷出力を開始すべき旨を含む条件付き印刷指令を付与することを特徴とする印刷システム。
  30. 請求項27または請求項28に記載の印刷システムにおいて、
    前記印刷制御装置は、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、
    をさらに備え、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達時点において前記特定の使用対象装置にて未着手の割り当て済み分割ジョブが存在する場合、当該未着手の割り当て済み分割ジョブの割り当て先を、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に変更することを特徴とする印刷システム。
  31. 請求項27または請求項28に記載の印刷システムにおいて、
    前記印刷制御装置は、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段、
    をさらに備え、
    前記決定手段は、前記2以上の使用対象装置のうちの特定の使用対象装置への前記ユーザの到達が、当該特定の使用対象装置にて割り当て済の分割ジョブに加えて更に1つ以上の分割ジョブを実行可能な時間が経過する時点以後にまで遅れそうである旨が判定される場合、前記特定の使用対象装置よりも前記目的地側に配置された他の使用対象装置に割り当てられていた未処理の分割ジョブを前記特定の使用対象装置に割り当てることを特徴とする印刷システム。
  32. 請求項27から請求項31のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
    前記印刷ジョブは、連続番号が付された前記複数の分割ジョブに分割され、
    前記決定手段は、
    前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザがk番目(kは、所定の自然数)に到達する第kの使用対象装置に対して、連続する一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの一の順序がその処理実行順序となるように割り当て、
    前記2以上の使用対象装置のうち前記ユーザが(k+1)番目に到達する第(k+1)の使用対象装置に対して、連続する他の一連の分割ジョブを、その番号の昇順と降順とのうちの前記一の順序とは逆の順序がその処理実行順序となるように割り当て、
    前記第kの使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号と第(k+1)の使用対象装置に対してその処理実行順序の末尾に割り付けられた分割ジョブの番号とが連続するように、それぞれ、各使用対象装置に分割ジョブを割り当てることを特徴とする印刷システム。
  33. 請求項27から請求項32のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
    前記印刷制御装置は、
    i番目(iは自然数)までの使用対象装置から回収した印刷出力物と(i+1)番目の使用対象装置から回収した印刷出力物との統合に関する説明情報を前記ユーザに通知する通知動作を制御する通知制御手段、
    をさらに備えることを特徴とする印刷システム。
  34. 請求項27または請求項28に記載の印刷システムにおいて、
    前記印刷制御装置は、
    前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段と、
    前記ユーザの現在位置に基づき前記ユーザの実際の移動進捗状況を判定し、前記ユーザの実際の移動進捗状況が基準進捗状況に対して所定程度より大きくずれている場合に、前記ユーザの移動進捗状況に基づく情報を前記ユーザに通知する通知制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする印刷システム。
  35. 請求項27または請求項28に記載の印刷システムにおいて、
    前記決定手段は、前記印刷ジョブを前記複数の印刷出力装置によって分散処理したとしても前記複数の印刷出力装置による印刷出力物を回収した上で前記到達目標時刻までに前記ユーザが前記目的地に到達することができない旨が前記複数の分割ジョブに関する割り当て処理にて判定される場合、前記印刷ジョブに関する印刷設定を自動的に変更して前記印刷ジョブの処理時間を短縮した後に、前記複数の分割ジョブに関する再割り当て処理を実行することを特徴とする印刷システム。
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