JP6897171B2 - 車両の制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御システムに関する。
一般に、動力源として内燃機関を有する車両は、走行中にアクセルペダルの踏み込みが解除されるとフューエルカット状態となり、エンジンブレーキが作用する。このため、運転者は、例えば下りの急勾配に進入する場合または進入した場合には、アクセルペダルの踏み込みを中止し、ギアポジションを一速(ローギア)に切り替えることによってエンジンブレーキを作用させ、車両の加速を防止または抑制することができる。
特許文献1には、車両に装備される無段変速機の変速制御装置であって、エンジンブレーキ時に所定の減速度の目標値が得られるように変速比を制御する変速比制御手段と、路面勾配を検出する路面勾配検出手段と、この検出手段によって得られた路面勾配に基づいて上記減速度の目標値を変更する減速度変更手段とが備えられていることを特徴とする無段変速機の変速制御装置が開示されている。
特開平10−103469号公報
エンジンブレーキの効きの程度は、変速機のギア段が低速側であるほど(減速比が大きくなるほど)強くなる。このため、特許文献1に開示されている構成では、1速(ロー)などの減速比が大きいギア段で急な下り勾配に進入すると、エンジンブレーキが効きすぎてタイヤスリップが発生するおそれがある。また、通常の1速よりもさらに減速比が大きいギア段(「スーパーロー」や「エクストラロー」などと称する)を有する変速機が設けられている車両がある。このような車両が、通常の一速よりもさらに減速比が大きいギア段で急な下り勾配に進入すると、前記同様にエンジンブレーキが効きすぎてタイヤスリップが発生するおそれがある。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、減速比が大きいギア段において、エンジンブレーキの効きすぎを防止または抑制してタイヤスリップの発生を防止または抑制することである。
前記課題を解決するため、本発明は、内燃機関と、複数のギア段を有し前記内燃機関が出力する回転動力を変速する変速機と、前記内燃機関が出力する回転動力を断接するクラッチと、を有する車両を制御する車両の制御システムであって、前記変速機の前記ギア段が所定の低速のギア段であるギア段条件が成立し、前記内燃機関のエンジンブレーキが作用するエンジンブレーキ作用条件が成立し、かつ、タイヤスリップが発生する可能性が高いと判断されるタイヤスリップ前条件が成立した場合に、前記クラッチの出力側の回転数が減速開始時にタイヤスリップの発生が防止できる目標クラッチ回転数となるように前記クラッチの断接状態を制御し、前記車両の加速度が負値である加速度閾値以下である場合に、前記タイヤスリップ前条件が成立したとして、前記車両が走行している路面の下り勾配が大きくなるにしたがって、前記加速度閾値の絶対値を小さくすることを特徴とする。
本発明によれば、減速比が大きいギア段において、エンジンブレーキの効きすぎを防止または抑制してタイヤスリップの発生の防止または抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係る制御システムと、この制御システムが適用される車両の構成例を模式的に示すブロック図である。 図2(a)は加速度閾値マップの構成の例を模式的に示す図であり、図2(b)は目標クラッチ回転数マップの構成の例を模式的に示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る制御システムの処理の例を示すフローチャートである。 図4は、制御システムによる変速機の制御および車両の挙動の例を模式的に示すタイムチャートである。 図5は、本発明の実施形態に係る制御システムのハードウェア構成の例を模式的に示す図である。
<発明の概要>
本発明は、エンジン(内燃機関)と、複数のギア段を有しエンジンが出力する回転動力を変速する変速機と、エンジンが出力する回転動力を断接するクラッチと、を有する車両を制御する車両の制御システムであって、変速機のギア段が所定の低速のギア段であるギア段条件が成立し、エンジンブレーキが作用するエンジンブレーキ作用条件が成立し、かつ、タイヤスリップが発生する可能性が高いと判断されるタイヤスリップ前条件が成立した場合に、クラッチの出力側の回転数が目標クラッチ回転数となるようにクラッチを制御する。エンジンブレーキはギア段が低速段になるほど強くなり、タイヤスリップが発生しやすくなることから、このような構成によれば、タイヤスリップが発生しやすい低速のギア段において、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
変速機のギア段が一速または一速よりも減速比の大きいギア段である場合に、ギア段条件が成立しているものとする。このような構成によれば、ギア段が減速比の大きい一速である場合、または一速よりもさらに減速比の大きいギア段である場合において、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
アクセル開度がアクセル開度閾値以下であり、かつ、車速が車速閾値以上である場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立しているものとする。このような構成であれば、例えば、下り勾配の走行時に運転者がエンジンブレーキを作用させるためにアクセルペダルの踏み込みを解除した場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立する。したがって、例えば、下り勾配の走行時にエンジンブレーキを作用させた場合において、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
アクセル開度閾値は、フューエルカット状態となるアクセル開度が適用できる。このような構成であれば、フューエルカット状態となってエンジンブレーキが作用している場合に、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
車両の加速度が負値である加速度閾値以下である場合に、タイヤスリップ前条件が成立しているものとする。減速時(加速度が負値である場合)には、加速度の絶対値が大きくなると(減速の度合いが大きくなると)、タイヤスリップが発生しやすくなる。したがって、このような構成によれば、車両の減速の度合いが大きくなった場合に、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
車両が走行している路面の下り勾配が大きくなるにしたがって、加速度閾値の値を大きくする。下り勾配走行時においては、路面勾配が大きくなるにしたがって、タイヤスリップが発生しやすくなる。このため、このような構成によれば、下りの路面勾配が大きい場合に、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
車両が走行している路面の下り勾配が大きくなるにしたがって、目標クラッチ回転数の値を小さくする。下り勾配走行時においては、路面勾配が大きいほど車両が増速しやすくなり、増速するほど減速開始時においてタイヤスリップが発生しやすくなる。このため、路面勾配が大きくなるにしたがって目標クラッチ回転数を小さくする構成であれば、路面勾配が大きくなっても車速の増大を防止または抑制できるから、減速開始時におけるタイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
<実施形態>
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の本発明の実施形態では、「車両の制御システム」を、単に「制御システム」と略して記すことがある。また、本発明の実施形態では、車両にAMT(Automated Manual Transmission)が適用される例を示す。さらに、本発明の実施形態では、通常の一速よりも低速の(減速比が大きい)ギア段を有する変速機が車両に適用されている例を示す。説明の便宜上、通常の一速よりもギア比が大きいギア段を「エクストラロー」と称する。
<制御システムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係る制御システム2と、この制御システム2が適用されている車両1の要部の構成例を示すブロック図である。
車両1は、駆動力源としてのエンジン11(内燃機関)と、エンジン11が出力する回転動力を変速する変速機12と、エンジン11と変速機12との間で回転動力の伝達を断接するクラッチ13とを有する。変速機12には、複数のギア段が設けられている。複数のギア段には、通常の一速(ローギア)よりもさらに低速な(減速比の大きい)エクストラローが含まれている。変速機12には、ギア段を切替える変速機アクチュエータ14が設けられている。クラッチ13には摩擦クラッチが適用される。例えばクラッチ13には、多板クラッチが適用される。クラッチ13には、断接状態(いわゆる「繋がった状態」と「切れた状態」)を切替えるクラッチアクチュエータ15が設けられている。このように、車両1には、アクチュエータ(変速機アクチュエータ14とクラッチアクチュエータ15)の動力によってクラッチ13の断接と変速機12のギア段の切替えとを行うAMTが適用される。なお、変速機12とクラッチ13を備えたAMTであればよく、具体的な構成は特に限定されるものではない。例えば、変速機12の総ギア段数は特に限定されるものではない。また、クラッチ13は、変速機12に含まれている構成であってもよい。
制御システム2は、車速取得部21と、加速度取得部22と、ギア段取得部23と、アクセル開度取得部24と、クラッチ回転数取得部30と、路面勾配取得部25と、制御部26と、記憶部27と、変速機アクチュエータ駆動部28と、クラッチアクチュエータ駆動部29とを有する。車速取得部21は、車両1の現在の走行速度(車速)を取得する。加速度取得部22は、車両1の現在の加速度を取得する。ギア段取得部23は、変速機12の現在のギア段を取得する。アクセル開度取得部24は、現在のアクセル開度(例えば、図略のアクセルペダルの踏み込み量)を取得する。クラッチ回転数取得部30は、クラッチ13の出力側の回転数を取得する。路面勾配取得部25は、現在の路面勾配を取得する。制御部26は、変速機アクチュエータ駆動部28とクラッチアクチュエータ駆動部29を制御する。記憶部27は、制御部26が変速機アクチュエータ駆動部28やクラッチアクチュエータ駆動部29の制御に用いる情報などを記憶する。変速機アクチュエータ駆動部28は、制御部26の制御にしたがって変速機アクチュエータ14を駆動し、変速機12のギア段を切替える。クラッチアクチュエータ駆動部29は、制御部26の制御にしたがってクラッチアクチュエータ15を駆動し、クラッチ13の断接状態を切替える。
<制御の例>
ここで、制御システム2による制御の例について説明する。車両1の走行中にアクセルペダルの踏み込みが解除されるとフューエルカット状態となり、エンジンブレーキが作用する状態となる。エンジンブレーキの効きは、変速機12のギア段が低速側であるほど(減速比が大きいほど)強くなる。そこで、運転者は、車両1が下り勾配に進入した際または進入する前に、アクセルペダルの踏み込みを解除し、変速機12のギア段を例えば一速やエクストラローに切り替えることによってエンジンブレーキを作用させ、下り勾配において車両1の増速を防止または抑制できる。しかしながら、一速やエクストラローなどの減速比が大きいギア段で急な下り勾配に進入すると、エンジンブレーキが効きすぎてタイヤスリップが発生するおそれがある。
そこで、制御システム2は、変速機12のギア段が所定の低速のギア段であるという条件(ギア段条件)が成立し、エンジンブレーキが作用しているという条件(エンジンブレーキ作用条件)が成立し、かつ、タイヤスリップが発生する可能性が高まったという条件(タイヤスリップ前条件)が成立した場合に、クラッチ13の出力側の回転数を制御して、タイヤスリップの発生を防止または抑制する。
・ギア段条件
所定の低速のギア段として、本発明の実施形態では、エクストラローが適用される。ただし、変速機12がエクストラローを有さない場合には、所定のギア段として一速が適用できる。また、変速機12がエクストラローを有する場合において、所定のギア段として、一速とエクストラローの両方を適用してもよい。要は、所定の低速のギア段として、変速機12が有する複数のギア段のうち、最も低速寄り(減速比が大きい側寄り)の1つまたは複数のギア段が適用できる。
・エンジンブレーキ作用条件
本発明の実施形態では、アクセル開度取得部24により取得されるアクセル開度がアクセル開度閾値以下となり、かつ、車速が車速閾値以上となった場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立したものとする。すなわち、アクセル開度がアクセル開度閾値以下であるというアクセル開度条件が成立し、かつ、車速が車速閾値以上であるという車速条件が成立した場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立したものとする。アクセル開度閾値には、例えばフューエルカット状態となるアクセル開度が適用される。車速閾値には、車両1が下り勾配を走行中であるとみなせる車速が適用できる。なお、アクセル開度閾値と車速閾値の具体的な値は特に限定されるものではない。これらは、「車両1がエンジンブレーキを作用させながら下り勾配を走行している」とみなすことができる値であればよい。
・タイヤスリップ前条件
タイヤスリップは、減速時(加速度が負値である場合)においては、負値である加速度の絶対値が大きくなるにしたがって、発生する可能性が高くなる。したがって、本発明の実施形態では、加速度が、負値である加速度閾値よりも小さくなった場合(負値である加速度の絶対値が、負値である加速度閾値の絶対値よりも大きくなった場合)に、タイヤスリップの発生の可能性が高くなったものとする。すなわち、加速度が負値であり、かつその絶対値が負値である加速度閾値の絶対値よりも大きくなった場合に、タイヤスリップ前条件が成立したものとする。なお、タイヤスリップの発生のしやすさは、走行中の路面勾配に応じて異なる。このため、加速度閾値は、路面勾配取得部25が取得した路面勾配に基づいて決定される。
・クラッチ制御
制御部26は、ギア段条件とエンジンブレーキ条件の両方が成立している場合には、路面勾配取得部25により取得された現在の路面勾配に基づいて、負値である加速度閾値を決定する。そして制御部26は、決定した加速度閾値を用いて、タイヤスリップ前条件が成立したか否かを判断する。タイヤスリップ前条件が成立した場合には、制御部26は、目標クラッチ回転数を決定する。この目標クラッチ回転数は、タイヤスリップの発生を防止または抑制できるようなクラッチ13の出力側の回転数である。タイヤスリップの発生のしやすさは、路面勾配に応じて異なることから、制御部26は、路面勾配取得部25により取得された路面勾配に基づいて、目標クラッチ回転数を決定する。そして、制御部26は、クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数となるように、クラッチ回転数取得部30により取得される現在のクラッチ13の出力側の回転数を用いて、クラッチアクチュエータ駆動部29をフィードバック制御する。クラッチアクチュエータ駆動部29は、制御部26による制御にしたがってクラッチアクチュエータ15を駆動してクラッチ13の断接状態を制御する。
図2(a)は、加速度閾値の決定に用いる加速度閾値マップの例を示す図である。制御部26は、路面勾配取得部25が取得した路面勾配を、図2(a)に示すこの加速度閾値マップに当てはめることによって、加速度閾値を決定する。一般に、減速時(加速度が負値である場合)には、負値である加速度の絶対値が大きくなるにしたがって、タイヤスリップが発生しやすくなる。また、下り勾配走行時におけるタイヤスリップの発生のしやすさは、走行中の路面勾配に応じて異なる。具体的には、路面の下り勾配が大きくなるにしたがってタイヤスリップが発生しやすくなる。そこで、タイヤスリップの発生を防止または抑制するため、図2(a)に示すように、加速度閾値マップには、勾配が大きくなるにしたがって、負値である加速度閾値の絶対値が小さくなるように(負値である加速度閾値の値が0に近づくように)規定されている。
図2(b)は、目標クラッチ回転数の決定に用いる目標クラッチ回転数マップの例を示す図である。制御部26は、路面勾配取得部25が取得した路面勾配を、図2(b)に示すこの目標クラッチ回転数マップに当てはめることによって、目標クラッチ回転数を決定する。下り勾配の走行時においては、路面勾配が大きくなるにしたがって車両1が増速し、減速開始時においてタイヤスリップが発生しやすくなる。そこで、タイヤスリップの発生を防止または抑制するためには、下り勾配において車両1の増速を防止または抑制する。本発明の実施形態では、タイヤスリップの発生を防止または抑制するため、図2(b)に示すように、目標クラッチ回転数マップには、目標クラッチ回転数の値は、路面勾配(下り勾配)が大きくなるにしたがって小さくなるように規定されている。
なお、本発明の実施形態では、加速度閾値の決定に加速度閾値マップを用い、目標クラッチ回転数の決定に目標クラッチ回転数マップを用いる構成を示したが、このような構成に限定されない。例えば、制御部26は、計算式(関数)を用いて加速度閾値と目標クラッチ回転数を計算(決定)してもよい。要は、路面勾配が大きくなるにしたがって、負値である加速度閾値の絶対値が小さくなるように(負値である加速度閾値の値が0に近づいていくように)決定されればよい。また、路面勾配が大きくなるにしたがって、目標クラッチ回転数の値が小さくなるように決定される構成であればよい。
なお、車両1が2輪駆動と4輪駆動(全輪駆動)とを切替えられる構成である場合には、2輪駆動時と4輪駆動時とでタイヤスリップの発生のしやすさが異なる。具体的には、2輪駆動時の方が4輪駆動時よりもタイヤスリップが発生しやすい。そこで、この場合には、加速度閾値の決定に用いる加速度閾値マップと、目標クラッチ回転数の決定に用いる目標クラッチ回転数マップとを、2輪駆動時と4輪駆動時とで変更してもよい。具体的には、4輪駆動時は、2輪駆動時に比較してタイヤスリップが発生しにくいことから、4輪駆動時に使用する加速度閾値マップにおいては、2輪駆動時に使用する加速度閾値マップに比較して、加速度閾値の絶対値が大きい値に規定されている。同様の理由により、4輪駆動時に使用する目標クラッチ回転数マップにおいては、2輪駆動時に使用する目標クラッチ回転数マップに比較して、目標クラッチ回転数の値が大きい値に規定されている。このように、4輪駆動時においては、2輪駆動時に比較して、加速度およびクラッチ回転数の条件を緩和してもよい。
・その他の条件
なお、前述のとおり、本発明の実施形態では、アクセル開度取得部24により取得されるアクセル開度がアクセル開度閾値以下であり、車速取得部21により取得される車速が車速閾値以上である場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立したものとする。ただし、このような構成に限定されるものではなく、さらに、運転者がフットブレーキを使用しているか否かを、エンジンブレーキ作用条件の成立条件の判断に追加してもよい。すなわち、フットブレーキが使用されている場合、または、フットブレーキが使用されておりその制動力が大きい場合には、運転者がフットブレーキにより増速の抑制や減速(制動)を意図しているとみなすことができる。そこで、アクセル開度がアクセル開度閾値以下となり、車速が車速閾値以上となった場合に加え、さらに、フットブレーキが使用されてない場合、例えばブレーキ液圧が閾値以下となった場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立したとしてもよい。
この場合、制御システム2は、現在のブレーキ液圧を取得するブレーキ液圧取得部をさらに有する。そして、アクセル開度がアクセル開度閾値以下であり、車速が車速閾値以上であり、ブレーキ液圧がブレーキ閾値以下である場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立しているものとする。すなわち、アクセル開度がアクセル開度閾値以下であるというアクセル開度条件が成立し、車速が車速閾値以上であるという車速条件が成立し、かつ、ブレーキ液圧取得部により取得されるブレーキ液圧がブレーキ閾値以下であるというブレーキ条件が成立している場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立しているものとする。ブレーキ閾値の具体的な値は特に限定されるものではなく、例えばフットブレーキを使用していない、またはほとんど使用していないとみなせる値が適用できる。
<処理フロー>
次に、制御システム2が実行する処理のフローについて、図3を参照して説明する。図3は、制御システム2が実行する処理の例を示すフローチャートである。本発明の実施形態に係る制御システム2は、起動後において図3に示す処理を周期的に継続して実行する。
ステップS101の「ギア段条件成立?」では、制御部26は、ギア段条件が成立しているか、すなわち、ギア段取得部23により取得される変速機12の現在のギア段が所定の低速のギア段であるか否かを判断する。ギア段条件が成立していない場合、すなわち、変速機12の現在のギア段が所定の低速のギア段ではない場合(「No」の場合)には、このステップS101を繰り返す。ギア段条件が成立している場合、すなわち、変速機12の現在のギア段が所定の低速のギア段である場合(「Yes」の場合)には、ステップS102に進む。本発明の実施形態では、ギア段がエクストラローである場合に、ギア段条件が成立しているものとする。ただし、変速機12がエクストラローを有していない場合には、一速である場合にギア段条件が成立しているものとしてよい。また、変速機12がエクストラローを有する場合であっても、現在のギア段が一速とエクストラローのいずれかである場合に、ギア段条件が成立しているものとしてもよい。
ステップS102の「エンジンブレーキ作用条件成立?」では、制御部26は、アクセル開度条件が成立しているか否かと車速条件が成立しているか否かを判断する。前述のとおり、アクセル開度取得部24により取得される現在のアクセル開度が、アクセル開度閾値以下である場合に、アクセル開度条件が成立しているものとする。また、車速取得部21により取得される現在の車速が、車速閾値以上である場合に、車速条件が成立しているものとする。そして、アクセル開度条件と車速条件の両方が成立している場合に、エンジンブレーキ作用条件が成立しているものとする。エンジンブレーキ作用条件が成立していない場合、すなわち、アクセル開度条件と車速条件の一方または両方が成立していない場合には、ステップS101に戻る。エンジンブレーキ作用条件が成立している場合には、ステップS103に進む。
ステップS103の「加速度閾値決定」では、制御部26は、路面勾配取得部25により取得された路面勾配に基づいて、加速度閾値を決定する。本発明の実施形態では、制御部26は、路面勾配取得部25により取得される路面勾配を加速度閾値マップに当てはめることによって、路面勾配に応じた加速度閾値を決定する。ただし、加速度閾値マップを用いず、計算式を用いて加速度閾値を計算してもよい。この場合、加速度閾値を計算するための計算式は、あらかじめ記憶部27に記憶されているものとする。そしてステップS104に進む。
ステップS104の「タイヤスリップ前条件成立?」では、制御部26は、タイヤスリップ前条件が成立しているか否か、すなわち、加速度取得部22により取得される現在の加速度が加速度閾値以下(加速度が負値であり、かつ、その絶対値が加速度閾値の絶対値以上であるか)否かを判断する。現在の加速度が加速度閾値以下ではない場合(「No」の場合)、すなわち、タイヤスリップ前条件が成立していない場合には、ステップS101に戻る。車両1の現在の加速度が加速度閾値以下である場合(「Yes」の場合)には、ステップS105に進む。
ステップS105の「目標クラッチ回転数決定」では、制御部26は、現在の路面勾配に基づいて、目標クラッチ回転数を決定する。本発明の実施形態では、制御部26は、路面勾配取得部25により取得される路面勾配を目標クラッチ回転数マップに当てはめることによって、路面勾配に応じた目標クラッチ回転数を決定する。ただし、目標クラッチ回転数マップを用いず、計算式を用いて目標クラッチ回転数を計算してもよい。この場合、この計算式は、あらかじめ記憶部27に記憶されているものとする。そして、ステップS106に進む。
ステップS106の「クラッチ回転数制御」では、制御部26は、クラッチ13の出力側の回転数が、ステップS105で決定した目標クラッチ回転数となるように、クラッチアクチュエータ駆動部29を制御する。クラッチアクチュエータ駆動部29は、制御部26による制御にしたがってクラッチアクチュエータ15を駆動する。本発明の実施形態では、クラッチ13の断接状態(断接の程度)を制御することによって、クラッチ13の出力側の回転数を制御する。また、本発明の実施形態では、制御部26は、クラッチ回転数取得部30により取得されるクラッチ13の出力側の回転数を用いてフィードバック制御する。そして、ステップS107に進む。
ステップS107の「クラッチ回転数は目標値?」では、制御部26は、クラッチ回転数取得部30により取得されるクラッチ13の出力側の回転数が、ステップS105で決定した目標クラッチ回転数であるか否かを判断する。クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数になっていない場合には、ステップS106に戻る。クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数になった場合にはこの処理を終了する。このように、クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数になるまでは、ステップS106とS107を繰り返す。そして、クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数になった場合には、一連の処理を終了する。
<車両の挙動の例>
次に、本発明の実施形態に係る制御システム2が適用された車両1の挙動の例について、図4を参照して説明する。図4は、車両1の挙動を説明するタイムチャートであり、横軸はいずれも時刻である。ここでは、所定の低速のギア段として、エクストラローが適用される例を示す。そして、車両1が下り勾配に進入した際に、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除し、変速機12のギア段を一速からエクストラローに切り替えた場合を示す。また、図4のタイムチャートは、車両1が下り勾配に進入したタイミングから開始しているものとする。図4に示すように、運転者は図4に示す期間においてはフットブレーキを操作しておらず、ブレーキ液圧は0を維持している(フットブレーキによる制動力は作用していない)。
運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除すると、アクセル開度取得部24により取得されるアクセル開度は低下して0になり、アクセル開度閾値よりも低くなる。図中のタイミングT1は、アクセル開度がアクセル開度閾値以下となったタイミングを示している。そして、このタイミングT1以降は、アクセル開度はアクセル開度閾値以下の状態が継続している。このため、図4に示す例では、このタイミングT1おいてアクセル開度条件が成立し、以降はアクセル開度条件が成立している状態となる。
運転者によりギア段を一速からエクストラローに切替える操作が行われると、制御部26はクラッチアクチュエータ駆動部29を制御してクラッチ13を「切れた状態」に移行させ、引続いて、制御部26は変速機アクチュエータ駆動部28を制御して変速機12のギア段を一速からエクストラローに切り替える。図中のタイミングT2は、クラッチアクチュエータ15がクラッチ13を「切れた状態」に移行させる動作の開始のタイミングを示す。タイミングT3は、変速機アクチュエータ14が変速機12を一速からエクストラローに切り替えたタイミングを示す。タイミングT3以降は、ギア段取得部23により取得されるギア段はエクストラローとなる。そして、このタイミングT3において、ギア段条件が成立し、以降、ギア段条件が成立している状態が継続する。
変速機12のギア段が一速からエクストラローに切り替わると、制御部26はクラッチアクチュエータ駆動部29を制御して、クラッチ13を「切れた状態」から「繋がった状態」へ移行させる。図中のタイミングT4は、クラッチ13を「切れた状態」から「繋がった状態」へ切り替える動作の開始のタイミングを示す。
タイミングT2以降のクラッチ13が「切れた状態」で下り勾配を走行すると、車速が上昇していく。図中のタイミングT5は、車速取得部21により取得される現在の車速が車速閾値以上になったタイミングを示す。このタイミングT5において、車速条件が成立する。前述のとおり、タイミングT1においてアクセル開度条件が成立しているから、タイミングT5において車速条件が成立すると、エンジンブレーキ作用条件が成立することになる。さらに、タイミングT3においてギア段条件が成立しているから、タイミングT5において、ギア段条件とエンジンブレーキ作用条件とが成立することになる。
タイミングT5において、ギア段条件とエンジンブレーキ作用条件が成立した状態となると、制御部26は加速度閾値を決定し、加速度取得部22により取得される車両1の加速度が、決定した加速度閾値以下であるか(加速度が負値であり、その絶対値が加速度閾値以上であるか)否かを判断する。
タイミングT6は、クラッチミートのタイミングを示す。クラッチアクチュエータ15の動作によりクラッチミートすると、エンジンブレーキが作用するため、車速およびクラッチ回転数が低下を開始する。このため、クラッチミートのタイミングT6以降は、エンジンブレーキの作用により、車両1は増速から減速に転じる。すなわち、加速度が正値から負値に転じることになる。クラッチミートのタイミングT6からクラッチ13が完全に「繋がった状態」に近づいていくと、エンジンブレーキの作用する力も大きくなっていくから、加速度が負値でその絶対値が大きくなっていく。
図中のタイミングT7は、加速度取得部22により取得される車両1の加速度が、決定した加速度閾値以下となったタイミングを示す。加速度が負値でその絶対値が大きくなっていき(減速の度合いが大きくなっていき)、決定した加速度閾値以下の値となると、タイヤスリップ前条件が成立する。
タイミングT1以降はギア段条件が成立している状態であり、タイミングT5以降はエンジンブレーキ作用条件が成立している状態である。このため、このタイミングT7においてタイヤスリップ前条件が成立すると、ギア段条件とエンジンブレーキ作用条件とタイヤスリップ前条件とがすべて成立している状態となる。このため、タイミングT7において、制御部26は目標クラッチ回転数を決定し、決定した目標クラッチ回転数となるようにクラッチ13の出力側の回転数の制御を開始する。したがって、図4に示すように、クラッチ13の出力側の回転数は目標クラッチ回転数に近づいていく。タイミングT8は、クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数になったタイミングを示す。クラッチ13の出力側の回転数が目標クラッチ回転数になった場合には、一連の処理を終了する。
<作用および効果>
車両1が下り勾配に進入した際に、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除し、ギア段を所定の低速のギア段に切り替えると、ギア段条件とアクセル開度条件が成立する。そしてこの状態で車速が増大して車速条件が成立すると、エンジンブレーキ作用条件が成立することになり、ギア段条件とエンジンブレーキ作用条件の両方が成立している状態となる。ギア段条件とエンジンブレーキ作用条件の両方が成立すると、制御部26は車両1の加速度が加速度閾値以下であるか、すなわち、タイヤスリップ前条件が成立しているか否かを判断し、タイヤスリップ前条件が成立している場合には、目標クラッチ回転数を決定してクラッチ13の回転数が目標クラッチ回転数となるように制御する。
エンジンブレーキは、変速機12のギア段が低速段になるほど強くなり、タイヤスリップが発生しやすくなる。このため、このような構成によれば、タイヤスリップが発生しやすい低速のギア段において、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
また、アクセル開度がアクセル開度閾値以下であり、かつ、車速が車速閾値以上である場合に、エンジンブレーキ条件が成立するものとする。このような構成であれば、例えば、下り勾配を車速閾値以上の車速で走行時において、運転者がエンジンブレーキを作用させるためにアクセルペダルの踏み込みを解除すると、エンジンブレーキ作用条件が成立することになる。したがって、例えば、下り勾配の走行時にエンジンブレーキを作用させた場合において、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
また、車両1の加速度が負値である加速度閾値以下である場合(加速度が負値であり、その絶対値が加速度閾値の絶対値以上である場合。換言すると、減速の度合いが加速度閾値で規定される減速の度合い以上である場合)に、タイヤスリップ前発生条件が成立するものとする。減速時においては、負値である加速度の絶対値が大きくなるにしたがってタイヤスリップが発生しやすくなる。このため、このような構成によれば、タイヤスリップは発生しやすい条件においてタイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
また、下り勾配をエンジンブレーキを作用させて走行する場合には、勾配が大きくなるにしたがってタイヤスリップが発生しやすくなる。そこで、車両が走行している路面勾配が大きくなるにしたがって、加速度閾値の絶対値を大きくする。このような構成によれば、タイヤスリップが発生しやすい条件においてタイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
下り勾配走行時においては、路面勾配が大きいほど車両1が増速し、減速開始時においてタイヤスリップが発生しやすくなる。そこで、路面勾配が大きくなるにしたがって、目標クラッチ回転数の値を小さくなるように規定する。このような構成であれば、路面勾配が大きくなっても車両1の増速を防止または抑制できるから、路面勾配が大きくなっても減速開始時におけるスリップの発生を防止または抑制できる。
<制御システムのハードウェア構成例>
次に、制御システム2のハードウェア構成例について、図5を参照して説明する。図5は、制御システム2のハードウェア構成例と、制御システム2が適用された車両1の要部の構成例を模式的に示す図である。
車両1には、変速機ECU51(Electric Control Unit)と、車速センサ52と、加速度センサ53と、ギア段センサ54と、アクセル開度センサ56と、勾配センサ57と、エンジンECU58とが設けられている。なお、変速機ECU51は、TCU(Transmission Control Unit)と称することもある。これらは、例えば車内LANなどによって信号を送受信可能に接続されている。
変速機ECU51は、CPU511とROM512とRAM513を有するコンピュータを含んでいる。変速機ECU51のコンピュータのROM512には、変速機12やクラッチ13を制御するためのコンピュータプログラムや、変速機12とクラッチ13の制御に用いる情報が、CPU511により読取可能な形式であらかじめ格納されている。変速機12とクラッチ13の制御に用いる情報には、加速度閾値マップと目標クラッチ回転数マップが含まれている。RAM513は、後述する所定のセンサによる検出結果を一時的に格納しておくことができる。変速機ECU51のコンピュータのCPU511は、ROM512に格納されているコンピュータプログラムを読み出し、RAM513をワークエリアとして用いて実行する。これにより、変速機ECU51が制御部26と記憶部27と変速機アクチュエータ駆動部28とクラッチアクチュエータ駆動部29として機能し、前述の制御が実現する。
車速センサ52は、車速を検出する。車度センサ52は車速取得部21として機能する。車速センサ52の構成は特に限定されるものではなく、公知の各種の車速センサが適用できる。また、車両1が車速センサ52を有さない構成であってもよい。例えば、変速機ECU51は、後述するクラッチ回転数センサ55により検出されるクラッチ13の出力側の回転数と、ギア段センサ54により検出されるとに基づいて、車速を計算してもよい。この場合には、変速機ECU51とクラッチ回転数センサ55とギア段センサ54とが、車速取得部21として機能する。
加速度センサ53は、車両1の加速度を検出する。加速度センサ53は、加速度取得部22として機能する。加速度センサ53の構成は特に限定されるものではなく、公知の各種の構成の加速度センサが適用できる。なお、車両1が加速度センサ53を有さない構成であってもよい。例えば、変速機ECU51が、車速センサ52により検出される車速を微分することにより加速度を計算してもよい。この場合には、変速機ECU51と車速センサ52とが加速度取得部22として機能する。
ギア段センサ54は、変速機12の現在のギア段を検出する。本発明の実施形態では、ギア段センサ54がギア段取得部23として機能する。検出結果は変速機ECU51に送信される。ギア段センサ54は、変速機12の現在のギア段を検出できる構成であればよく、具体的な構成は特に限定されない。ギア段センサ54には、公知の各種のギア段センサが適用できる。
クラッチ回転数センサ55は、クラッチ13の出力側の回転数を検出する。本発明の実施形態では、クラッチ回転数センサ55がクラッチ回転数取得部30として機能する。クラッチ回転数センサ55の構成は特に限定されるものではなく、例えばロータリーエンコーダなどといった、公知の各種の回転数センサが適用できる。
アクセル開度センサ56は、現在のアクセルペダルの踏み込み量(操作量)を検出する。本発明の実施形態では、アクセル開度センサ56がアクセル開度取得部24として機能する。アクセル開度センサ56の構成は特に限定されるものではなく、例えば公知の各種のポジションセンサなどが適用できる。
勾配センサ57は、車両1が現在走行中の路面勾配(すなわち、車両1の傾斜)を検出する。本発明の実施形態では、勾配センサ57が路面勾配取得部25として機能する。勾配センサ57による検出結果は変速機ECU51に送信される。勾配センサ57には、例えば公知の各種の傾斜センサが適用できる。なお、車両1が勾配センサ57を有していなくてもよい。例えば、変速機ECU51が、エンジン11に掛かる負荷と車速との関係から、現在走行中の路面勾配を計算(推測)してもよい。この場合には、車速センサ52により検出される車速とギア段センサ54により検出される現在のギア段とアクセル開度センサ56により検出される現在のアクセル開度とから、エンジン11の負荷を測定できる。したがってこの場合には、変速機ECU51と車速センサ52とギア段センサ54とアクセル開度センサ56とが、路面勾配取得部25として機能する。
なお、ここでは、変速機ECU51が制御部26や記憶部27などとして機能する構成を示すが、このような構成に限定されるものではない。図5に示すように、エンジンECU58も、CPUとROMとRAMとを有するコンピュータを含んでいる。そして、変速機ECU51とエンジンECU58とが協働することにより、変速機ECU51とエンジンECU58とが制御部26や記憶部27などとして機能する構成であってもよい。また、車両1には、変速機ECU51に制御されて変速機アクチュエータ14を駆動する駆動回路と、変速機ECU51に制御されてクラッチアクチュエータ15を駆動する駆動回路とが設けられていてもよい。この場合には、これらが、変速機アクチュエータ駆動部28とクラッチアクチュエータ駆動部29として機能する。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、変速機の構成は特に限定されるものではない。前述のとおり、変速機が通常の一速よりも減速比が大きいギア段を有していてもよい。また、変速機の総ギア段数も特に限定されるものではない。また、クラッチは、完全に繋がった状態では潤ることなく回転動力を伝達するように設計され、いわゆる半クラッチの状態では滑りが生じながら回転動力を伝達できるように設計されたクラッチであればよく、具体的な構成は限定されるものではない。例えば、各種多板クラッチなどといった摩擦クラッチが適用できる。また、本発明の制御システムが適用できる車両の種類や構成も特に限定されるものではない。
本発明は、車両用の制御システムに有効な技術である。そして、本発明によれば、変速機のギア段が所定の低速のギア段である場合に、タイヤスリップの発生を防止または抑制できる。
1:車両、11:エンジン、12:変速機、13:クラッチ、14:変速機アクチュエータ、15:クラッチアクチュエータ、2:車両の制御システム、21:車速取得部、22:加速度取得部、23:ギア段取得部、24:アクセル開度取得部、25:路面勾配取得部、26:制御部、27:記憶部、28:変速機アクチュエータ駆動部、29:クラッチアクチュエータ駆動部、30:クラッチ回転数取得部、51:変速機ECU、511:CPU、512:ROM、513:RAM、52:車速センサ、53:加速度センサ、54:ギア段センサ、55:クラッチ回転数センサ、56:アクセル開度センサ、57:勾配センサ、58:エンジンECU

Claims (4)

  1. 内燃機関と、複数のギア段を有し前記内燃機関が出力する回転動力を変速する変速機と、前記内燃機関が出力する回転動力を断接するクラッチと、を有する車両を制御する車両の制御システムであって、
    前記変速機の前記ギア段が所定の低速のギア段であるギア段条件が成立し、前記内燃機関のエンジンブレーキが作用するエンジンブレーキ作用条件が成立し、かつ、タイヤスリップが発生する可能性が高いと判断されるタイヤスリップ前条件が成立した場合に、前記クラッチの出力側の回転数が減速開始時にタイヤスリップの発生が防止できる目標クラッチ回転数となるように前記クラッチの断接状態を制御し、
    前記車両の加速度が負値である加速度閾値以下である場合に、前記タイヤスリップ前条件が成立したとして、前記車両が走行している路面の下り勾配が大きくなるにしたがって、前記加速度閾値の絶対値を小さくすることを特徴とする車両の制御システム。
  2. 前記変速機の所定の低速のギア段が最も減速比が大きいギア段の1つまたは減速比が大きい側の複数のギア段である場合に、前記ギア段条件が成立したとすることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御システム。
  3. アクセル開度がアクセル開度閾値以下であり、かつ、車速が車速閾値以上である場合に、前記エンジンブレーキ作用条件が成立したとすることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御システム。
  4. 前記アクセル開度閾値は、フューエルカット状態となるアクセル開度であることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御システム。
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