JP6895572B1 - ファイバーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外径変動を抑制することに適したファイバーの製造方法を提供する。【解決手段】製造方法は、ノズルから、軟化した線状体を吐出させることと、線状体を、冷却流体が供給される冷却部を通過するように巻き取って、ファイバーを得ることと、を含む。本実施形態の製造方法では、下記式(I)により定められる指標Mが1.6以下である。但し、式(I)において、Qaは、前記冷却部に供給される前記冷却流体の流量(m3/s)であり、Lは、前記冷却部内における前記線状体の移動距離(m)であり、Twは、前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の温度(℃)であり、Taは、前記冷却流体の温度(℃)であり、Dfは、前記ファイバーの外径(m)であり、Dnは、前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の外径(m)であり、Uは、前記線状体の巻き取り速度(m/s)であり、Kは、1.0×108(℃・s2/m3)である。【選択図】なし

Description

本発明は、ファイバー、例えばプラスチック光ファイバー、の製造方法に関する。
プラスチック光ファイバー(POF)などのファイバーを製造する方法の一例として、溶融紡糸法が知られている。溶融紡糸法では、例えば、加熱された樹脂組成物をノズルに送り、当該ノズルから、軟化した線状体を吐出させる。この線状体を冷却して固化させることによってファイバーを作製する。
溶融紡糸法において、線状体の冷却は、例えば、線状体を冷却流体に接触させることによって行われる。冷却流体としては、例えば、冷却風や水が用いられる(特許文献1及び2)。線状体を冷却流体に接触させつつ巻き取ることによって、線状体は、例えば、延伸されながら固化する。これにより、目的の外径を有するファイバーを得ることができる。
特開2009−186772号公報 特開2006−163007号公報
溶融紡糸法では、形成されるファイバーの外径変動を抑制することが求められている。そこで本発明は、外径変動を抑制することに適したファイバーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、線状体を冷却するときに生じる線状体と冷却流体との間での熱移動がファイバーの外径変動に影響を与えることを新たに見出した。本発明者らは、この知見に基づいて検討を進め、熱移動の指標であるヌセルト数から、計測可能なパラメータのみで構成された新たな指標Mを導出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
ノズルから、軟化した線状体を吐出させることと、
前記線状体を、冷却流体が供給される冷却部を通過するように巻き取って、ファイバーを得ることと、
を含み、
下記式(I)により定められる指標Mが1.6以下である、ファイバーの製造方法を提供する。
Figure 0006895572
前記式(I)において、Qaは、前記冷却部に供給される前記冷却流体の流量(m3/s)であり、
Lは、前記冷却部内における前記線状体の移動距離(m)であり、
wは、前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の温度(℃)であり、
aは、前記冷却流体の温度(℃)であり、
fは、前記ファイバーの外径(m)であり、
nは、前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の外径(m)であり、
Uは、前記線状体の巻き取り速度(m/s)であり、
Kは、1.0×108(℃・s2/m3)である。
本発明によれば、外径変動を抑制することに適したファイバーの製造方法を提供できる。
本発明の製造方法を実施するための紡糸装置の一例を説明するための図である。 紡糸装置が備えるノズル及び冷却部の一例を説明するための図である。 製造例1〜15における指標Mと、ファイバーの外径の平均値に対するファイバーの外径の標準偏差の3倍値の比率(3σ/Ave.)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の説明は、本発明を特定の実施形態に制限する趣旨ではない。
図1及び2に示すように、本実施形態の製造方法は、ノズル10から、軟化した線状体1を吐出させることと、当該線状体1を、冷却流体50が供給される冷却部20を通過するように巻き取って、ファイバー5を得ることと、を含む。さらに、本実施形態の製造方法において、下記式(I)により定められる指標Mが1.6以下である。
Figure 0006895572
式(I)において、Qaは、冷却部20に供給される冷却流体50の流量(m3/s)である。Lは、冷却部20内における線状体1の移動距離(m)である。Twは、ノズル10から吐出された直後の線状体1の温度(℃)である。Taは、冷却流体50の温度(℃)である。Dfは、ファイバー5の外径(m)である。Dnは、ノズル10から吐出された直後の線状体1の外径(m)である。Uは、線状体1の巻き取り速度(m/s)である。Kは、ヌセルト数から指標Mを導出するための、温度に関する比例定数であり、1.0×108(℃・s2/m3)である。
本実施形態の製造方法において、指標Mは、好ましくは1.2以下であり、より好ましくは1.0以下であり、さらに好ましくは0.8以下であり、特に好ましくは0.5以下である。指標Mは、0以上であり、0より大きくてもよく、例えば0.01以上である。
上述のとおり、指標Mは、熱移動の指標であるヌセルト数から導出されたものである。本発明者の検討によれば、指標Mが1.6以下になるように製造条件を調整することによって、ファイバー5の外径変動を抑制できる傾向がある。ファイバー5の外径変動は、ファイバー5の外径の平均値(Ave.)に対するファイバー5の外径の標準偏差の3倍値(3σ)の比率(3σ/Ave.)によって評価することができる。本実施形態の製造方法によって得られたファイバー5について、比率3σ/Ave.は、特に限定されず、例えば2.0%以下であり、好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下である。比率3σ/Ave.の下限値は、特に限定されず、例えば0.2%である。なお、ファイバー5の外径は、市販の変位計を用いて測定することができる。ファイバー5の外径の平均値及び標準偏差は、少なくとも50箇所でのファイバー5の外径の測定値から算出された値である。
さらに、指標M及び3σ/Ave.は、下記式(II)及び(III)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たしていてもよい。
3σ/Ave.≧M−0.5 (II)
3σ/Ave.≦M+1 (III)
指標Mが1.6以下である限り、冷却部20に供給される冷却流体50の流量Qaは、特に限定されず、例えば0m3/s〜1.0×10-23/sであり、好ましくは0m3/s超1.0×10-23/s以下であり、より好ましくは0.5×10-43/s〜1.0×10-33/sである。
同様に、冷却部20内における線状体1の移動距離Lは、特に限定されず、例えば0.1m〜2.0mである。
ノズル10から吐出された直後の線状体1の温度Twは、特に限定されず、例えば100℃以上であり、好ましくは150℃〜300℃である。冷却流体50の温度Taは、特に限定されず、例えば50℃以下であり、好ましくは5℃〜40℃である。
ファイバー5の外径Dfは、特に限定されず、例えば1.0×10-5m〜1.0×10-3mである。ファイバー5の外径Dfは、詳細には、少なくとも50箇所でのファイバー5の外径の測定値から算出された平均値を意味する。ノズル10から吐出された直後の線状体1の外径Dnは、特に限定されず、例えば1.0×10-4m〜1.0×10-2mであり、好ましくは1.0×10-3m〜1.0×10-2mである。
線状体1の巻き取り速度Uは、特に限定されず、例えば0.05m/s〜10m/sであり、好ましくは0.1m/s〜5m/sである。
次に、図1及び2を参照して、本実施形態の製造方法を実施するための紡糸装置100の一例を説明する。なお、図2では、説明のため、線状体1のハッチングが省略されている。
ノズル10及び冷却部20は、紡糸装置100が備える部材である。ノズル10は、例えば、上方の第1開口部11と下方の第2開口部12とにおいてその内部空間が外部と連通している筒状の部材である。第1開口部11及び第2開口部12のそれぞれは、典型的には、平面視で円の形状を有する。第2開口部12の直径は、第1開口部11の直径と同じであってもよく、第1開口部11の直径より小さくてもよく、第1開口部11の直径より大きくてもよい。第2開口部12は、線状体1を吐出するためのノズル10の開口に相当する。第2開口部12の直径が第1開口部11の直径以下である形態において、上記の式(I)の外径Dnは、例えば、第2開口部12の直径と同じである。
ノズル10は、例えば、縮径部13及び筒状部14を有する。筒状部14は、縮径部13の下方において、縮径部13と接続している。ノズル10において、例えば、第1開口部11が縮径部13の端部に形成され、第2開口部12が筒状部14の端部に形成されている。縮径部13は、例えば、第1開口部11から筒状部14に向かって縮径する円錐台の形状を有する。筒状部14の形状は、例えば、円筒状である。
ノズル10の材料は、特に限定されず、金属、樹脂などが挙げられる。
本実施形態の製造方法では、例えば、軟化した線状体1がノズル10の第1開口部11に供給される。線状体1は、縮径部13及び筒状部14を通過して、第2開口部12から吐出される。本明細書では、第1開口部11に供給される線状体を「線状体1a」と呼び、第2開口部12から吐出される線状体を「線状体1b」と呼ぶことがある。ただし、第1開口部11には、線状体1aではなく、溶融樹脂や粘性液体が供給されてもよい。この場合であっても、溶融樹脂や粘性液体がノズル10によってファイバー状に成形されるため、第2開口部12からは線状体1bが吐出される。
第1開口部11に供給された線状体1aは、例えば、縮径部13を通過することによって、その外径が減少する。すなわち、ノズル10に供給される前の線状体1aに比べて、ノズル10から吐出された線状体1bの外径が小さい。第2開口部12から吐出された直後の線状体1bの外径は、通常、第2開口部12の直径と等しい。なお、線状体1は、典型的には、第2開口部12の周縁に接触しながらノズル10から吐出される。そのため、第2開口部12付近のノズル10の温度を上記の式(I)の温度Twとみなしてもよい。
冷却部20は、例えば、筒状の冷却管30を有する。冷却管30の形状は、例えば、円筒状である。冷却管30は、上方の第1開口部34aと下方の第2開口部34bとにおいてその内部空間35(特に、内部空間35の一部に相当する、後述のフィルタ40の内部空間45)が外部と連通している。冷却管30は、例えば、ノズル10に接続され、かつノズル10から下方に向かって延びている。冷却管30の第1開口部34aは、例えば、ノズル10の第2開口部12を囲んでいる。
冷却管30は、例えば、本体部31及び筒状部37を有する。本体部31は、内壁32、外壁33、及び、内壁32と外壁33との間に形成された収容空間36を含む。内壁32及び外壁33のそれぞれの形状は、筒状であり、好ましくは円筒状である。内壁32及び外壁33のそれぞれの形状は、円筒状である必要は必ずしもなく、例えば、角筒状であってもよい。内壁32及び外壁33のそれぞれは、第1開口部34aから第2開口部34bまで延びている。内壁32に囲まれた空間が冷却管30の内部空間35に相当する。
収容空間36には、例えば、冷却管30の内部空間35に供給された冷却流体50を冷却するための冷媒51が導入されている。詳細には、外壁33には、例えば、冷却管30の第2開口部34bの近傍において、第1開口部38aが形成されている。第1開口部38aは、例えば、冷媒51を収容空間36に供給するための冷媒供給経路56に接続されており、冷媒入口として機能する。第1開口部38aを通じて、収容空間36に冷媒51を導入することができる。さらに、外壁33には、冷却管30の第1開口部34aの近傍において、第2開口部38bが形成されていてもよい。第2開口部38bは、例えば、冷媒51を収容空間36から排出するための冷媒排出経路57に接続されており、冷媒出口として機能する。本実施形態では、冷媒排出経路57が冷媒供給経路56に接続されており、冷媒51が、冷媒供給経路56、収容空間36及び冷媒排出経路57を循環するように構成されていてもよい。なお、図2では、冷媒51が、収容空間36において、下方から上方に移動する様子を示している。ただし、冷却管30は、収容空間36において、冷媒51が上方から下方に移動するように構成されていてもよい。すなわち、外壁33に形成された第2開口部38bが冷媒入口として機能し、第1開口部38aが冷媒出口として機能してもよい。
筒状部37は、内壁32から外壁33に向かう方向に本体部31を貫通する筒状の部材である。筒状部37は、例えば、内壁32が延びている方向に直交する方向に延びている。筒状部37の外壁33側の端部には、第1開口部39aが形成されている。筒状部37の内壁32側の端部には、第2開口部39bが形成されている。第1開口部39aは、例えば、冷却流体50を筒状部37内に供給するための冷却流体供給経路55に接続されており、冷却流体入口として機能する。筒状部37内に送られた冷却流体50は、第2開口部39bを通じて、冷却管30の内部空間35に供給される。なお、筒状部37には、例えば、内部空間35に供給される冷却流体50の流量Qaを測定するための流量計が配置されている。
筒状部37の位置は、冷却流体50を冷却管30の内部空間35に十分に供給できる限り、特に限定されない。例えば、筒状部37と冷却管30の第1開口部34aとの距離が、筒状部37と冷却管30の第2開口部34bとの距離と等しくてもよく、等しくなくてもよい。図2では、筒状部37が冷却管30の長さ方向における中央付近に位置している。ただし、筒状部37は、冷却管30の端部(上部又は下部)付近に位置していてもよい。また、図2では、1つの冷却流体供給経路55が1つの筒状部37に接続している。ただし、本実施形態において、冷却管30が複数の筒状部37を有しており、複数の冷却流体供給経路55が、それぞれ、複数の筒状部37に接続されていてもよい。
冷却部20は、冷却流体50を整流する筒状のフィルタ40をさらに有していてもよい。フィルタ40の形状は、例えば、円筒状である。フィルタ40は、例えば、不織布、織布、メッシュなどで構成されており、冷却流体50が透過可能である。フィルタ40は、例えば、冷却管30の内部空間35に位置し、冷却管30と同じ方向に延びている。フィルタ40の長さは、冷却管30と同じであってもよく、異なっていてもよい。フィルタ40は、上方の第1開口部41と下方の第2開口部42とにおいてその内部空間45が外部と連通している。フィルタ40の内部空間45は、冷却管30の内部空間35の一部とみなすことができる。同様に、フィルタ40の開口部41及び42も、それぞれ、冷却管30の開口部34a及び34bの一部とみなすことができる。フィルタ40は、例えば、ノズル10に接続されている。フィルタ40の第1開口部41は、例えば、ノズル10の第2開口部12を囲んでいる。フィルタ40の第2開口部42の直径は、フィルタ40の内径と同じあってもよく、異なっていてもよい。
なお、冷却部20は、フィルタ40に代えて、冷却流体50が透過しない筒状の壁部を有していてもよい。筒状の壁部の形状は、例えば、フィルタ40で例示した形状と同じである。冷却部20が筒状の壁部を有する場合、線状体1は、冷却流体50と直接接触しない。このような形態であっても、冷却管30によれば、外部に存在する空気による外乱を抑制できる。筒状の壁部を介して、冷却流体50が、壁部で囲まれた内部空間中に存在する空気と熱交換することもできる。指標Mは、線状体1が冷却流体50と直接接触しない場合であっても、ファイバー5の外径変動を抑制するための指標として利用できる。
冷却部20は、例えば、フィルタ40の第2開口部42を除いた冷却管30の第2開口部34bの部分を閉じる蓋43をさらに有している。蓋43は、例えば、冷却管30の端部及びフィルタ40の端部のそれぞれに接続されている。蓋43は、線状体1に接触しない限り、フィルタ40の第2開口部42の一部をさらに閉じていてもよい。蓋43は、冷却管30と一体化されていてもよい。蓋43によれば、例えば、冷却流体50が、線状体1と接触せずに、冷却管30の外部に放出されることを抑制できる。
本実施形態において、冷却流体50は、例えば、気体である。気体の冷却流体50としては、空気;ヘリウムなどの不活性ガスなどが挙げられ、好ましくは空気である。冷媒51としては、例えば、水などの液体を用いることができる。冷媒51の温度は、特に限定されず、例えば20℃以下である。
冷却管30の本体部31及び筒状部37の材料は、特に限定されず、ガラス、金属などが挙げられる。フィルタ40の材料としては、特に限定されず、例えば金属及び樹脂が挙げられる。
本実施形態の製造方法では、筒状部37を通じて、冷却流体50が冷却管30の内部空間35に送られる。内部空間35に送られた冷却流体50は、内部空間35内を満たす。冷却部20が蓋43を有している場合、冷却流体50は、蓋43で閉じられていない冷却管30の第2開口部34bの部分から外部に放出される。ただし、冷却部20が蓋43を有しておらず、冷却管30の第2開口部34bの全体が冷却部20の外部に露出していてもよい。この場合、冷却流体50は、第2開口部34b全体から外部に放出される。さらに、冷却流体50が冷却管30の第1開口部34aからも放出されるように、ノズル10と冷却管30との間に隙間が存在してもよい。冷却部20がフィルタ40を有している場合、冷却流体50は、フィルタ40を透過して内部空間45内も満たす。冷却流体50は、フィルタ40を透過することによって整流される。
ノズル10の第2開口部12から吐出された線状体1は、冷却管30の第1開口部34a(又はフィルタ40の第1開口部41)を通じて冷却管30の内部空間35(又はフィルタ40の内部空間45)に導入される。内部空間35又は45に導入された線状体1は、冷却流体50と接触する。このように、本実施形態の製造方法では、冷却部20において、線状体1を冷却流体50と接触させて冷却する。線状体1は、冷却流体50によって冷却されるにつれて、徐々に固化する。冷却流体50がフィルタ40によって整流されている場合、線状体1は、冷却流体50と均一に接触することができる。線状体1が冷却流体50と均一に接触すると、得られるファイバー5の外径変動がより抑制される傾向がある。
線状体1は、冷却されながら内部空間35又は45を通過して、冷却管30の第2開口部34b(又はフィルタ40の第2開口部42)に送られる。図2では、線状体1は、冷却管30が延びている方向に沿って内部空間35を移動している。この形態において、冷却部20内における線状体1の移動距離Lは、冷却管30の長さに等しい。
なお、線状体1は、冷却部20内で徐々に延伸される。これにより、線状体1の外径は、例えば、線状体1が冷却部20を通過するにつれて、徐々に減少する。
内部空間35に供給された冷却流体50は、冷却管30の内壁32を介して冷媒51と熱交換するとともに、内部空間35を通過する線状体1とも熱交換する。そのため、内壁32の付近及び線状体1の付近において、冷却流体50には、温度勾配が生じる。ただし、内壁32及び線状体1から離れた内部空間35の位置では、冷却流体50について、温度勾配はほとんど生じない。上記の式(I)の温度Taは、冷却流体50の温度勾配がほとんど生じない内部空間35の位置における冷却流体50の温度を意味する。一例として、式(I)の温度Taは、フィルタ40付近での冷却流体50の温度であってもよい。フィルタ40付近での冷却流体50の温度は、例えば、フィルタ40が延びている方向に実質的に一定である。言い換えると、フィルタ40を透過する冷却流体50の温度は、実質的に均一である。
冷却部20は、上述のものに限定されず、例えば、冷却管30に代えて、液体の冷却流体を貯留可能な貯留槽を有していてもよい。液体の冷却流体としては、例えば水が挙げられる。この場合、冷却部20の貯留槽は、例えば、冷却流体を貯留槽内に導入するための冷却流体入口と、冷却流体を外部に排出するための冷却流体出口とを有する。ノズル10から吐出された線状体1は、例えば、貯留槽内を通過するように巻き取られる。
図1に示すように、紡糸装置100は、例えば、ノズル10に供給される線状体1aを作製するために、第1押出装置90a、第2押出装置90b、第3押出装置90c、第1室95、第2室96及び第3室97をさらに備えている。第1室95、第2室96及び第3室97は、鉛直方向下方にこの順で並んでいる。第3室97は、ノズル10に接続されている。
第1押出装置90aは、第1樹脂組成物80aを収容する収容部91aを有し、収容部91aにガスを導入することによって第1樹脂組成物80aを収容部91aから押し出すことができる。第1押出装置90aは、例えば、収容部91aに収容された第1樹脂組成物80aを加熱するヒーター(図示せず)を備えている。第1樹脂組成物80aは、例えば、加熱されることによって軟化して流動可能となる。軟化した第1樹脂組成物80aは、収容部91a内に導入されたガスによってその上面が押圧され、第1押出装置90aから押し出される。なお、収容部91aに送られるガスは、窒素ガスなどの不活性ガスであることが好ましい。第1樹脂組成物80aの加熱温度は、第1樹脂組成物80aの組成に応じて適宜設定することができ、例えば100℃〜300℃である。第1押出装置90aから押し出された第1樹脂組成物80aの粘度μは、特に限定されず、例えば1〜7000Pa・sである。
第1押出装置90aから押し出された第1樹脂組成物80aは、例えば、鉛直方向下方に移動し、ファイバー状の成形体(コア2)に成形される。すなわち、本実施形態の製造方法は、例えば、コア2が形成されるように、第1樹脂組成物80aを第1押出装置90aにより押し出すことをさらに含む。コア2は、第1押出装置90aから第1室95まで送られる。
第1樹脂組成物80aは、POFのコアに適した組成であることが好ましい。第1樹脂組成物80aは、例えば、含フッ素重合体(重合体(P))を含む。重合体(P)は、C−H結合の伸縮エネルギーによる光吸収を抑制する観点から、実質的に水素原子を含んでいないことが好ましく、炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子に置換されていることが特に好ましい。本明細書において、重合体(P)が実質的に水素原子を含んでいないとは、重合体(P)における水素原子の含有率が1モル%以下であることを意味する。
重合体(P)は、含フッ素脂肪族環構造を有することが好ましい。含フッ素脂肪族環構造は、重合体(P)の主鎖に含まれていてもよく、重合体(P)の側鎖に含まれていてもよい。重合体(P)は、例えば、下記式(1)で表される構成単位(A)を有する。
Figure 0006895572
式(1)中、Rff 1〜Rff 4は各々独立に、フッ素原子、炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1〜7のパーフルオロアルキルエーテル基を表す。Rff 1及びRff 2は、連結して環を形成してもよい。「パーフルオロ」は、炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子に置換されていることを意味する。式(1)において、パーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1であることがさらに好ましい。パーフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基などが挙げられる。
式(1)において、パーフルオロアルキルエーテル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。パーフルオロアルキルエーテル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。パーフルオロアルキルエーテル基としては、パーフルオロメトキシメチル基などが挙げられる。
ff 1及びRff 2が連結して環を形成している場合、当該環は、5員環であってもよく、6員環であってもよい。この環としては、パーフルオロテトラヒドロフラン環、パーフルオロシクロペンタン環、パーフルオロシクロヘキサン環などが挙げられる。
構成単位(A)の具体例としては、例えば、下記式(A1)〜(A8)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006895572
構成単位(A)は、上記式(A1)〜(A8)で表される構成単位のうち、構成単位(A2)、すなわち下記式(2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006895572
重合体(P)は、構成単位(A)を1種又は2種以上含んでいてもよい。重合体(P)において、構成単位(A)の含有量は、全構成単位の合計に対し、20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましい。構成単位(A)が20モル%以上含まれることにより、重合体(P)は、より高い耐熱性を有する傾向がある。構成単位(A)が40モル%以上含まれる場合、重合体(P)は、高い耐熱性に加えて、より高い透明性及び高い機械的強度も有する傾向がある。重合体(P)において、構成単位(A)の含有量は、全構成単位の合計に対し、95モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
構成単位(A)は、例えば、下記式(3)で表される化合物に由来する。式(3)において、Rff 1〜Rff 4は、式(1)と同じである。なお、式(3)で表される化合物は、例えば特表2007−504125号公報に開示された製造方法をはじめ、すでに公知である製造方法によって得ることができる。
Figure 0006895572
上記式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式(M1)〜(M8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006895572
重合体(P)は、構成単位(A)以外に、他の構成単位をさらに含んでいてもよい。他の構成単位としては、以下の構成単位(B)〜(D)が挙げられる。
構成単位(B)は、下記式(4)で表される。
Figure 0006895572
式(4)中、R1〜R3は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基を表す。R4は、炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。
重合体(P)は、構成単位(B)を1種又は2種以上含んでいてもよい。重合体(P)において、構成単位(B)の含有量は、全構成単位の合計に対し、5〜10モル%が好ましい。構成単位(B)の含有量は、9モル%以下であってもよく、8モル%以下であってもよい。
構成単位(B)は、例えば、下記式(5)で表される化合物に由来する。式(5)において、R1〜R4は、式(4)と同じである。式(5)で表される化合物は、パーフルオロビニルエーテル等の含フッ素ビニルエーテルである。
Figure 0006895572
構成単位(C)は、下記式(6)で表される。
Figure 0006895572
式(6)中、R5〜R8は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。
重合体(P)は、構成単位(C)を1種又は2種以上含んでいてもよい。重合体(P)において、構成単位(C)の含有量は、全構成単位の合計に対し、5〜10モル%が好ましい。構成単位(C)の含有量は、9モル%以下であってもよく、8モル%以下であってもよい。
構成単位(C)は、例えば、下記式(7)で表される化合物に由来する。式(7)において、R5〜R8は、式(6)と同じである。式(7)で表される化合物は、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレン等の含フッ素オレフィンである。
Figure 0006895572
構成単位(D)は、下記式(8)で表される。
Figure 0006895572
式(8)中、Zは、酸素原子、単結合、又は−OC(R1920)O−を表し、R9〜R20は各々独立に、フッ素原子、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1〜5のパーフルオロアルコキシ基を表す。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。s及びtはそれぞれ独立に0〜5でかつs+tが1〜6の整数(ただし、Zが−OC(R1920)O−の場合、s+tは0であってもよい)を表す。
構成単位(D)は、好ましくは下記式(9)で表される。なお、下記式(9)で表される構成単位は、上記式(8)においてZが酸素原子、sが0、かつtが2の場合である。
Figure 0006895572
式(9)中、R141、R142、R151、及びR152は各々独立に、フッ素原子、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1〜5のパーフルオロアルコキシ基を表す。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。
重合体(P)は、構成単位(D)を1種又は2種以上含んでいてもよい。重合体(P)において、構成単位(D)の含有量は、全構成単位の合計に対し、30〜67モル%が好ましい。構成単位(D)の含有量は、例えば35モル%以上であり、60モル%以下であってもよく、55モル%以下であってもよい。
構成単位(D)は、例えば、下記式(10)で表される化合物に由来する。式(10)において、Z、R9〜R18、s及びtは、式(8)と同じである。式(10)で表される化合物は、2個以上の重合性二重結合を有し、かつ環化重合し得る含フッ素化合物である。
Figure 0006895572
構成単位(D)は、好ましくは下記式(11)で表される化合物に由来する。式(11)において、R141、R142、R151、及びR152は、式(9)と同じである。
Figure 0006895572
式(10)又は式(11)で表される化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CF2=CFOCF2CF=CF2
CF2=CFOCF(CF3)CF=CF2
CF2=CFOCF2CF2CF=CF2
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2
CF2=CFOCF(CF3)CF2CF=CF2
CF2=CFOCFClCF2CF=CF2
CF2=CFOCCl2CF2CF=CF2
CF2=CFOCF2OCF=CF2
CF2=CFOC(CF32OCF=CF2
CF2=CFOCF2CF(OCF3)CF=CF2
CF2=CFCF2CF=CF2
CF2=CFCF2CF2CF=CF2
CF2=CFCF2OCF2CF=CF2
CF2=CFOCF2CFClCF=CF2
CF2=CFOCF2CF2CCl=CF2
CF2=CFOCF2CF2CF=CFCl
CF2=CFOCF2CF(CF3)CCl=CF2
CF2=CFOCF2OCF=CF2
CF2=CFOCCl2OCF=CF2
CF2=CClOCF2OCCl=CF2
重合体(P)は、構成単位(A)〜(D)以外の他の構成単位をさらに含んでいてもよいが、実質的に構成単位(A)〜(D)以外の他の構成単位を含まないことが好ましい。なお、重合体(P)が実質的に構成単位(A)〜(D)以外の他の構成単位を含まないとは、重合体(P)における全構成単位の合計に対し、構成単位(A)〜(D)の合計が95モル%以上、好ましくは98モル%以上であることを意味する。
重合体(P)の重合方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合などの一般的な重合方法を利用できる。重合体(P)を重合するための重合開始剤は、全フッ素化された化合物であってもよい。
重合体(P)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されず、例えば100℃〜140℃であり、105℃以上であってもよく、120℃以上であってもよい。本明細書において、Tgは、JIS K7121:1987の規定に準拠して求められる中間点ガラス転移温度 (Tmg)を意味する。
第1樹脂組成物80aは、重合体(P)を主成分として含んでいてもよく、実質的に重合体(P)のみからなることが好ましい。第1樹脂組成物80aは、屈折率調整剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。第1樹脂組成物80aは、例えば、常温(25℃)で固体である。
第2押出装置90bは、例えば、POFのクラッドに適した組成を有する第2樹脂組成物80bを収容する収容部91bを備えている。第2押出装置90bとしては、第1押出装置90aについて上述したものを用いることができる。第2押出装置90bでは、収容部91bにガスを導入することによって収容部91bから第2樹脂組成物80bを押し出すことができる。
第2押出装置90bから押し出された第2樹脂組成物80bは、第1室95に供給される。第1室95内において、コア2を第2樹脂組成物80bで被覆することによって、コア2の外周に配置され、かつ当該外周を覆うクラッド3を形成することができる。クラッド3に被覆されたコア2は、第1室95から第2室96に移動する。このように、本実施形態の製造方法は、例えば、コア2の側面を、コア2を構成する第1樹脂組成物80aとは異なる第2樹脂組成物80bによって被覆することをさらに含む。
ファイバー5がPOFとして用いられる場合、クラッド3を形成する第2樹脂組成物80bの屈折率は、コア2を形成する第1樹脂組成物80aの屈折率よりも低いことが好ましい。第2樹脂組成物80bに含まれる樹脂材料としては、例えば、含フッ素樹脂、メチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、カーボネート系樹脂等が挙げられる。
第3押出装置90cは、例えば、POFの被覆層(オーバークラッド)に適した組成を有する第3樹脂組成物80cを収容する収容部91c、収容部91c内に配置されたスクリュー92、及び、収容部91cに接続されたホッパー93を備えている。第3押出装置90cは、例えば、第3樹脂組成物80cを加熱するためのヒーター(図示せず)を備えている。第3押出装置90cでは、ペレット状の第3樹脂組成物80cが、ホッパー93を通じて、収容部91cに供給される。収容部91cに供給されたペレット状の第3樹脂組成物80cは、例えば、加熱されながらスクリュー92で混錬されることによって、軟化して流動可能となる。軟化した第3樹脂組成物80cは、スクリュー92によって収容部91cから押し出される。
第3押出装置90cから押し出された第3樹脂組成物80cは、第2室96に供給される。第2室96内において、クラッド3を第3樹脂組成物80cで被覆することによって、クラッド3の外周を覆う被覆層4を形成することができる。これにより、コア2、クラッド3及び被覆層4を有する線状体1aが得られる。線状体1aは、第2室96から第3室97に移動する。
被覆層4を形成する第3樹脂組成物80cに含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、各種エンジニアリングプラスチック、シクロオレフィンポリマー、PTFE、変性PTFE、PFA等が挙げられる。
線状体1aは、第3室97を通過して、ノズル10の第1開口部11まで送られる。第3室97には、線状体1aを加熱するためのヒーター(図示せず)が配置されていてもよい。第3室97において、例えば、線状体1aの温度及び粘度が適切に調整される。第3室97では、線状体1aを加熱することによって、第1樹脂組成物80aに含まれる屈折率調整剤を線状体1a中に拡散させてもよい。
なお、本実施形態では、コア2、クラッド3及び被覆層4を備えた三層構造の成形体を線状体1aとして用いている。ただし、線状体1aの構造は、三層構造に限定されない。線状体1aの構造は、コア2及びクラッド3からなる二層構造であってもよく、コア2からなる一層構造であってもよい。
図1に示すように、紡糸装置100は、例えば、ノズル10から吐出された線状体1bを搬送し、巻き取るために、ニップロール60、ガイドロール63,64,65及び巻き取りロール66をさらに有する。ニップロール60は、例えば、冷却部20の下方に位置する。冷却部20を通過した線状体1は、例えば、ニップロール60が有する2つのロール61及び62の間を通過する。
ガイドロール63,64及び65は、線状体1の搬送方向にこの順で並んでいる。ニップロール60を通過した線状体1は、ガイドロール63,64及び65を経て、ファイバー5として巻き取りロール66に巻き取られる。上記の式(I)の巻き取り速度Uは、巻き取りロール66やニップロール60の回転数などから算出することができる。
紡糸装置100は、巻き取りロール66の近傍、例えばガイドロール65と巻き取りロール66との間、において線状体1の外径を測定する変位計70をさらに備えていてもよい。この変位計70によって測定された線状体1の外径をファイバー5の外径とみなしてもよい。なお、本実施形態の製造方法において、線状体1は、冷却部20内で十分冷却される。そのため、線状体1が冷却部20を通過してから巻き取りロール66で巻き取られるまで、線状体1の温度はほとんど変化せず、線状体1の外径もほとんど変化しない傾向がある。言い換えると、本実施形態の製造方法において、ファイバー5の外径は、冷却部20を通過した直後の線状体1の外径と実質的に同じである。
紡糸装置100は、紡糸装置100を適切に運転するためのプログラムが格納された制御器(図示せず)をさらに備えていてもよい。制御器は、例えば、各ロールの駆動を制御してもよく、各押出装置に配置されたヒーターの制御を行ってもよい。
本実施形態の製造方法によって作製されたファイバー5は、好ましくはPOFである。ただし、ファイバー5は、POF以外の他の用途に用いられてもよい。例えば、膜や不織布に編み込まれる糸として、ファイバー5が用いられてもよい。本実施形態の製造方法は、樹脂組成物以外の材料(例えば、ガラス)を含むファイバーの製造方法として利用することも可能である。
以下に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(製造例1〜15)
製造例1〜15では、ノズル及び冷却部を用いて、表1に記載した条件でファイバーの製造を行った。詳細には、ポリカーボネートから構成された樹脂組成物を押出装置から押し出して、コアを形成した。このコアを線状体としてノズルに導入した。冷却部は、ノズルに接続され、かつノズルから下方に向かって延びている冷却管と、冷却管の内部空間に位置し、冷却流体を整流する筒状のフィルタとを有していた。冷却管の内部空間において、ノズルから吐出された線状体を冷却流体と接触させて冷却した。冷却管の内部空間には、冷却流体として空気を供給した。冷却管の収容空間には、冷媒として水を供給した。ノズルから吐出された直後の線状体の外径は、線状体を吐出するためのノズルの開口の直径と同じであった。
変位計(キーエンス社製のLS−9006M)を用いて、巻き取りロールの近傍において線状体の外径を測定し、得られた測定値をファイバーの外径とみなした。外径の測定周期は0.1秒であり、測定箇所は500点であった。得られた結果に基づいて、比率3σ/Ave.を算出した。指標Mと比率3σ/Ave.との関係を表1及び図3に示す。
Figure 0006895572
表1及び図3からわかるとおり、指標Mが1.6以下である製造例1、2、4〜6及び9〜15では、製造例3、7及び8に比べて、比率(3σ/Ave.)の値が小さく、ファイバーの外径変動が抑制されていた。
本実施形態の製造方法は、POFの製造に適している。
1 線状体
2 コア
3 クラッド
4 被覆層
5 ファイバー
10 ノズル
20 冷却部
30 冷却管
31 本体部
32 内壁
33 外壁
35 内部空間
36 収容空間
40 フィルタ
45 内部空間
50 冷却流体
51 冷媒
80a,80b,80c 樹脂組成物
90a,90b,90c 押出装置
100 紡糸装置

Claims (13)

  1. ノズルから、軟化した線状体を吐出させることと、
    前記線状体を、冷却流体が供給される冷却部を通過するように巻き取って、ファイバーを得ることと、
    を含み、
    前記冷却部は、前記冷却流体を整流するフィルタを有し、
    前記冷却部において、前記冷却流体の温度は、前記線状体が移動する方向に実質的に一定であり、
    下記式(I)により定められる指標Mが1.52以下である、ファイバーの製造方法。
    Figure 0006895572
    前記式(I)において、Qaは、前記冷却部に供給される前記冷却流体の流量(m3/s)であり、
    Lは、前記冷却部内における前記線状体の移動距離(m)であり、
    wは、前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の温度(℃)であり、
    aは、前記冷却流体の温度(℃)であり、
    fは、前記ファイバーの外径(m)であり、
    nは、前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の外径(m)であり、
    Uは、前記線状体の巻き取り速度(m/s)であり、
    Kは、1.0×108(℃・s2/m3)である。
  2. 前記指標Mが1.0以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ノズルから吐出された直後の前記線状体の温度Twが100℃以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記冷却部において、前記線状体を前記冷却流体と接触させて冷却する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記冷却部は、筒状の冷却管を有し、
    前記冷却流体が前記冷却管の内部空間に供給されるとともに、前記線状体が前記冷却管の前記内部空間を通過する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記冷却管は、前記ノズルに接続され、かつ前記ノズルから下方に向かって延びている、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記冷却管は、内壁、外壁、及び、前記内壁と前記外壁との間に形成された収容空間を含む本体部を有し、
    前記収容空間には、前記冷却流体を冷却するための冷媒が導入されている、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記フィルタは、筒状であり、かつ、前記冷却管の前記内部空間に位置し、
    前記線状体が前記フィルタの内部空間を通過する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記冷却流体が気体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記冷却流体が空気である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記線状体が、コアと、前記コアの外周に配置されたクラッドとを有し、
    前記製造方法は、前記コアが形成されるように、樹脂組成物を押出装置により押し出すことをさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記ファイバーの外径の平均値に対する前記ファイバーの外径の標準偏差の3倍値の比率が2.0%以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記ファイバーがプラスチック光ファイバーである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
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