JP6895226B2 - 壁パネルの目地工法および目地構造 - Google Patents

壁パネルの目地工法および目地構造 Download PDF

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Description

本発明は、壁パネル同士を突き合わせることによって形成される目地を埋める工法及び目地構造に関する。
従来、軽量気泡コンクリートパネルなどの外装パネルの目地を埋める技術が知られている(特許文献1参照)。この種の技術では、例えば、防水性能を向上させるために、外装パネルの目地にシーリング材が充填される。
ここで、壁パネルの目地にシーリング材を充填したとしても、目地自体は模様として残るので、この目地を消すためには、シーリング材の上からパテなどを充填して目地を埋めてから塗装仕上げを行う必要がある。しかしながら、シーリング材が収縮することにより、目地に被さる部分に凹みが生じ、目地を完全には隠すことができず、特に大壁風の仕上げ処理を施す場合、美観を損なう恐れがある。
このため、できるだけ目地を目立たなくする技術が開発されている(特許文献2参照)。これは、シーリング材を施工後、所定の期間養生させてシーリング材の収縮が完了した後、凹部に目地埋め材を充填し、その後仕上げ材を塗布する方法である。また、さらにはシーリング材と壁パネルとの接着を阻止するための絶縁材をシーリング材と壁パネルとの間に配置したり、あるいは、目地埋め材とシーリング材との接着を阻止するための絶縁材を目地埋め材とシーリング材の間に配置することにより、シーリング材の収縮が表面に現れないようにしている。
特開2001−49830号公報 特開2014−145189号公報
しかし、これらの方法をとっても、特に目地の目立ちやすい漆喰調など、平坦に近い仕上げを施す場合においては、目地を完全に目立ち難くすることはできないという問題があった。また、シーリング材の収縮が収まるまでの期間分だけ工程に時間がかかってしまうという問題があった。さらに、シーリング材の揮発分が仕上げ材の内側にたまって、仕上げ材の膨れを生じさせてしまうことがあるという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、目地を目立ち難くすることができ、工期を短縮でき、さらに仕上げ材の膨れの問題を解決できる壁パネルの目地工法及び目地構造を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、シーリング材を用いないことにより、シーリング材の収縮に起因した塗装面の凹みの発生を抑制できることに想到し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[]
複数枚の壁パネルが縦横に並べられてなり、大地震時に隣り合う該壁パネル間の最大変位が5mm以下である壁の目地工法であって、以下の工程:
(1)壁パネル同士が突き合わされて形成される目地に沿って設けられた凹部の底面に透湿材を配置し、
(2)前記透湿材が配された前記凹部に目地埋め材を充填し、
(3)前記目地埋め材の表面に仕上げ材を塗布する、を有し、
前記透湿材の通気度は、フラジール通気度で50cc/cm2/sec以上であることを特徴とする目地工法。

前記凹部の深さが0.5〜5mmである、[]に記載の目地工法。

前記壁パネルが、ALCパネルである、[1]または[2]に記載の目地工法。

前記透湿材は、通気性基材の少なくとも一面に粘着材が塗布されてなる透湿テープである、[1]〜[]のいずれかに記載の目地工法。

前記目地埋め材は、ウレタン樹脂系またはアクリル樹脂系の弾性パテ材である、[1]〜[]のいずれかに記載の目地工法。

前記目地埋め材の、所定の養生期間の前後での体積収縮率が5%以下である、[1]〜[]のいずれかに記載の目地工法。

前記目地埋め材が硬化した後に、再度目地埋め材を充填する、[1]〜[]のいずれかに記載の目地工法。

前記仕上げ材は、弾性塗料あるいは微弾性塗料である、[1]〜[]のいずれかに記載の目地工法。

複数枚の壁パネルが縦横に並べられてなり、大地震時に隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下である壁の、壁パネル同士を突き合わせて形成される目地構造において、前記壁パネル同士の突き合わせによって形成される目地に沿って設けられた凹部と、凹部の底面に配置された透湿材と、前記透湿材上に配置された目地埋め材と、前記目地埋め材を覆う仕上げ材と、を有し、
前記透湿材の通気度は、フラジール通気度で50cc/cm2/sec以上であることを特徴とする目地構造。
本発明では、大地震時に隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下におさまる壁であるため、シーリング材を用いなくとも、地震などの外力によっても目地切れを起こすことがない。シーリング材を用いないことにより、シーリング材の収縮に起因した塗装面の凹みの発生を抑制でき、従って、目地が目立ち難い平滑な塗装面に仕上げることができる。さらに、シーリング材を用いないため、シーリング材の養生期間と収縮が収まるのに要する期間分の工期を短縮することができる。
壁パネル構造を一部破断して示す斜視図である。 壁パネル同士を突き合わせた目地に沿って形成された凹部の拡大断面図である。 透湿材が配置された状態を示す凹部の拡大断面図である。 透湿材の上に目地埋め材が充填された状態を示す凹部の拡大断面図である。 目地埋め材の充填面に仕上げ材が塗布された状態の凹部を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態は壁パネルの目地工法及び目地構造の一例を示すものであり、本発明はこれに限られるものではなく、変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
本実施形態に係る壁パネル構造(図1)は、大地震時に隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下におさまる壁となっていなければならない。
図1に示されるように、本実施形態に係る壁パネル構造5(壁)は、柱または間柱(以下、総称して「柱」という)W1に構造用合板2が取り付けられており、その外側に外張り断熱用の断熱材パネル3(例えば、旭化成建材(株)製「ネオマフォーム」)が取り付けられており、その外側に木製あるいは樹脂製の胴縁4が取り付けられており、最も外側に複数の壁パネル1が取り付けられていることにより形成されている。更に、壁パネル構造5では、壁パネル1は目地1aも含めて仕上げ材13によって覆い隠されており、平面意匠を長期にわたって形成することを目的とした大壁風の仕上げ処理が施されている。壁パネル1は、外壁材として適用可能なコンクリート製部材であり、例えば「ヘーベルパワーボード」(登録商標)などの軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)である。以下では、壁パネル1としてALCパネルを例に説明する。
壁パネル1の長さは、1800mm〜2000mm程度であり、壁パネル1の厚みは、35mm〜100mm程度である。壁パネル1の長さに直交する方向の幅は500〜700mm程度である。なお、壁パネル1は切断加工されて使われてもよく、例えば、長さ又は幅は100mm程度まで切断加工されてもよい。
壁パネル1の少なくとも一方の面、具体的には、外壁材として用いた場合の室外側の面(間柱に取り付けられる側とは反対の面)には、周縁に沿って切欠き1bが形成されている。二枚の壁パネル1の小口面同士を突き合わせると、その突き合わせによって目地1aが形成され、目地1aを挟んで対向する切欠き1b同士によって凹部10が形成される(図2参照)。図2に示されるように、断面視したときの凹部10の形状は、一辺が開放された矩形であり、深さは1mm〜3mm程度であり、底面10aの幅は8mm〜25mm程度である。後述するように、本発明の目地工法ではシーリング材を用いないため、シーリング材を用いる場合よりも目地の深さを浅くすることができる。深さは0.5〜5mmであることが好ましく、1〜3mmがより好ましい。目地の幅については8〜25mmであることが好ましい。
本発明の目地工法は、複数枚の壁パネルが縦横に並べられてなり、地震時の変位が5mm以下である壁の目地工法であって、以下の工程:
(1)壁パネル同士が突き合わされて形成される目地1aに沿って設けられた凹部10の底面に透湿材11を配置し、
(2)透湿材11が配された凹部10に目地埋め材12を充填し、
(3)目地埋め材12の表面に仕上げ材13を塗布する、を有することを特徴とする。
本発明の壁パネルの目地工法では、大地震時に隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下におさまる壁であるため、シーリング材を用いなくとも、地震などの外力によっても目地切れを起こすことがない。本発明ではシーリングを用いないために、シーリング材の収縮に起因した塗装面の凹みの発生を抑制でき、従って、目地が目立ち難い平滑な塗装面に仕上げることができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
(1)壁パネル同士が突き合わされて形成される目地1aに沿って設けられた凹部10の底面に透湿材11を配置する(透湿材配置ステップ)。
まず図3に示すように、複数の壁パネルを柱の所定位置に取り付けた後、目地1aに沿って設けられた凹部10の底面に透湿材11を配置する。
透湿材を配置することにより以下の効果がある。まず、目地の隙間の奥(目地奥)への目地埋め材の進入を防ぐことができる。つぎに、仕上げ材や目地埋め材に含まれる揮発成分、あるいは仕上げ材を通して外部から侵入した水分による水蒸気が、仕上げ材が固まった後に、仕上げ材と目地埋め材の間にたまって仕上げ材の膨れを生じさせるのを防ぐことができる。さらに、透湿材の壁材に対する接着力が弱いことで、目地埋め材と壁材との間にあって接着を阻止する役割も果たし、地震等で目地にせん断がかかった時に透湿材と壁材との間が剥離することにより、目地の一部に応力が集中するのを防ぎ、目地に亀裂を生じさせてしまうのを防止することができる。すなわち、透湿材と壁材が強固に接着していると、目地にせん断がかかった時に、例えば壁材と目地埋め材との界面に応力が集中しその部分に亀裂が生じてしまう。それに対し、透湿材と壁材との間が剥離すると、透湿材の幅全体でせん断を受けるため、応力が分散し、一部に亀裂が生じるのを防ぐことができる。また、目地埋め材といえどもわずかに収縮するが、透湿材の壁材に対する接着力が弱いことで、透湿材と壁材との間が剥離することにより目地埋め材の収縮を吸収することができ、仕上げ面側に表れる目地埋め材の収縮による凹みを大きく減じることができ、目地を非常に目立ち難くする。
本発明で用いる透湿材11は、布、不織布、紙、透湿テープ等を用いることができるが、透湿テープを用いる方法が施工性も良く好ましい。
透湿テープは、不織布などの通気性基材の片面あるいは両面に粘着材を塗布した構造を有する。通気性基材はPP不織布やPET不織布が好ましい。
通気性基材の目付は、5g/m以上、350g/m以下が好ましく、15g/m以上100g/m以下がより好ましい。粘着材の量は4g/m以上、150g/m以下が好ましく、10g/m以上、50g/m以下がより好ましい。厚さは0.1〜1.0mmが好ましい。透湿材11の通気度は、フラジール通気度で50cc/cm/sec以上であることが好ましい。
透湿材11の壁材に対する接着力は、施工時にはがれない程度に弱いことが望ましく、0.1〜3.0N/10mm以下であることが好ましい。接着力が5N/10mmを超えると、地震等で目地にせん断がかかった時に、透湿材11と壁材との間が剥離することがないため目地の一部に応力が集中し、目地に亀裂を生じさせてしまう可能性があり、また、透湿材と壁材との間が剥離することにより目地埋め材の収縮を吸収して目地を非常に目立ち難くするという効果を減じてしまう可能性がある。透湿材の幅は、目地凹部の底面の幅以下であれば施工できるが、目地にせん断がかかった時にできるだけ応力を分散させるため、および目地埋め材の収縮をできるだけ吸収させるために、底面の幅とほぼ等しくするのが好ましい。
透湿材の配置には、接着剤を用いてもよいし、機械的固定方法でもよい。この際、透湿材に透湿テープを用いれば、透湿材と凹部底面との間に接着剤等を利用することなく配置できるので施工性が改善される。透湿材としては、例えば、日東ライフテック(株)製の透湿テープ「ニトスルーAP0300」(PET系不織布、不織布目付25g/m、片面に粘着材、粘着材量30g/m、厚さ0.15mm、フラジール通気度170cc/cm/sec、ALCへの23℃での接着力0.75N/10mm)や、「ニトスルーAP0203」(PP系不織布、不織布目付70g/m、片面に粘着材、粘着材量20g/m、厚さ0.50mm、フラジール通気度170cc/cm2/sec)等を用いることができる。
(2)透湿材11が配された凹部10に目地埋め材12を充填する(目地埋め材充填ステップ)。
次に図4に示すように、透湿材11が配された凹部10に目地埋め材12を充填する。
本発明で用いる目地埋め材12はパテ材が好ましい。パテ材の種類としては、モルタル系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系などが挙げられ特に限定されないが、伸縮性能に優れるウレタン樹脂系またはアクリル樹脂系の弾性パテ材であることが好ましく、仕上げ材13の塗布性能に優れ、体積収縮率が小さく、硬化期間が短いウレタン樹脂系弾性パテ材が特に好ましい。目地埋め材としては、例えば、オート化学工業(株)製の弾性パテ材「オートンアドハー3500」(ウレタン樹脂系、体積収縮率2.2%)等を用いることができる。パテ材を用いることで、目地埋め材自身のヤセは小さくなり、更に、弾性パテ材であれば、仕上げ材13との界面における寸法変化を吸収して仕上げ材13の凹みを生じにくくすることができる。
目地埋め材の充填後、壁パネルの表面と平滑になるように入念にヘラ押えをして処理する。その後、目地埋め材を1〜2日程度養生させる。また、目地埋め材の養生後に、再度目地埋め材を充填する方法を取れば、さらに目地を目立ちにくくすることができる。
目地埋め材12の体積収縮率は、下記の養生期間の前後の収縮率が5%以下であることが好ましい。
体積収縮率測定のための養生方法:23℃50%RH28日間→70℃7日間→23℃50%RH28日間
前述したように、目地の深さは5mm以下が好ましく、そのうち透湿材は0.1mm以上が好ましいので、目地埋め材の深さは、5−0.1=4.9mm以下が好ましいことになる。すると、前述したように、目地埋め材の体積収縮率は5%以下であることが好ましいため、この目地に目地埋め材を充填した際の深さ方向の収縮は、4.9mm×5%=0.245mm以下と非常に小さくなり、仕上げ材を塗布した後には目地が非常に目立たなくなる。一方、シーリング材は、体積収縮率が5〜10%であり、ここで言う目地埋め材とは異なる。
目地埋め材12を充填する際には、一度の充填で十分に目地が目立ち難くなるが、目地埋め材12といえどもわずかに収縮が起きるので、目地埋め材12が硬化し収縮が終了する0.5日後から3日後に再度目地埋め材12を充填する方法を取れば、さらに目地を目立ちにくくすることができる。この方法を取ることで、目地の非常に目立ちやすい例えば漆喰調仕上げのような平面に近い仕上げの場合であっても、さらに目地が目立ち難くなる。
(3)目地埋め材12の表面に仕上げ材13を塗布する(塗装ステップ)。
図5に示すように、目地埋め材12の表面に仕上げ材13を塗布し、例えば、23℃の外気温の場合に、24時間以上養生させて仕上げる。
本発明で用いる仕上げ材13は、弾性塗料あるいは微弾性塗料が好ましく、弾性塗料がより好ましい。ここで言う弾性塗料とは、JIS A6909(2003)に規定される防水形外装薄塗材E、防水形複層塗材E、防水形複層塗材CE、防水形複層塗材RE、防水形複層塗材RSのいずれかであるか、あるいは、JISA6909(2003)に規定される伸び試験および伸び時の劣化試験の結果が前記塗料と同等の基準を満たす塗料のことである。また、微弾性塗料とは、JIS A6909(2003)に規定される20℃での伸び試験の結果が20%以上、120%未満の塗料のことである。仕上げ材13を弾性塗料あるいは微弾性塗料とすることにより、隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下で目地にひび割れが生じるのを防ぐ効果が大きくなる。
仕上げ材13は、下塗材+主材+上塗材、下塗材+主材、あるいは主材のみの構成とすることが好ましい。また、仕上げ面の形状については、ゆず肌調、さざ波調、凹凸調、砂壁調、土壁調、漆喰調、スタッコ調、京壁調、繊維壁調、掻き落とし調、平坦調等、公知の形状のいずれも用いることができる。このうち、砂壁調、漆喰調、京壁調、平坦調等の平坦に近い仕上げであっても、本発明の目地工法とすることにより、ほとんど目地がわからないように仕上げることができる。仕上げ材13の厚さは、0.5mm以上、20mm以下とすることが好ましく、1mm以上、10mm以下とすることがより好ましい。
壁パネル1の全面を仕上げ材13で塗装することにより、目地1aを消すことができるので大壁風の平面意匠を実現できる。
以上の各ステップを実行することで目地構造および壁パネル構造5(壁)が形成される。図1及び図5に示されるように、壁パネル構造5の目地構造は、壁パネル1の目地1aに沿って設けられた凹部10を有する。凹部10の底面10aには透湿材11が配置され、透湿材11上には目地埋め材12が配置されており、目地埋め材12上の充填面を含む壁パネル1の全面を仕上げ材13が覆っている。
このような本発明の壁パネルの目地工法では、大地震時に隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下におさまる壁であるため、シーリング材を用いなくとも地震などの外力によっても目地切れを起こすことがない。また、目地埋め材を覆う仕上げ材を塗布することによっても、目地切れを防いでいる。さらに、透湿材の壁材に対する接着力が弱いことで、目地埋め材と壁材との間にあって接着を阻止する役割も果たし、地震等で目地にせん断がかかった時に透湿材と壁材との間が剥離することにより、目地の一部に応力が集中するのを防ぎ、目地に亀裂を生じさせてしまうのを防止することができる。
また、本発明ではシーリング材を用いないために、シーリング材の収縮に起因した塗装面の凹みの発生を抑制でき、目地が非常に目立ち難い平滑な塗装面に仕上げることができる。さらに、目地凹部に透湿材を配置することにより透湿材と壁材との間が剥離し、目地埋め材の収縮を吸収して目地を非常に目立ち難くする。
また、シーリング材の収縮が収まるまでの期間分だけ養生する工程が不必要になり、工期が短縮される。例えば、特許文献2の第1実施形態ではシーリング材の収縮が収まり次の工程に移るのに3日以上が好ましいとしているが、本発明ではその期間が必要ない。
さらに、透湿材を用いることにより、仕上げ材や目地埋め材に含まれる水分による水蒸気、あるいは仕上げ材を通して外部から侵入した水分による水蒸気、あるいはまた仕上げ材やパテ材中の揮発成分が、仕上げ材が固まった後に、仕上げ材と目地埋め材の間にたまって仕上げ材の膨れを生じさせるのを防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明による工法を用いることで、塗装面の凹みの発生を抑制して目地が目立ち難い平滑な塗装面に仕上げることができるものとなり、壁パネルの目地工法として広く利用することができる。
1 :壁パネル
1a :目地
1b :切欠き
5 :壁パネル構造
10 :凹部
10a:底面
11 :透湿材
12 :目地埋め材
13 :仕上げ材

Claims (9)

  1. 複数枚の壁パネルが縦横に並べられてなり、大地震時に隣り合う該壁パネル間の最大変位が5mm以下である壁の目地工法であって、以下の工程:
    (1)壁パネル同士が突き合わされて形成される目地に沿って設けられた凹部の底面に透湿材を配置し、
    (2)前記透湿材が配された前記凹部に目地埋め材を充填し、
    (3)前記目地埋め材の表面に仕上げ材を塗布する、を有し、
    前記透湿材の通気度は、フラジール通気度で50cc/cm2/sec以上であることを特徴とする目地工法。
  2. 前記凹部の深さが0.5〜5mmである、請求項に記載の目地工法。
  3. 前記壁パネルが、ALCパネルである、請求項1または2に記載の目地工法。
  4. 前記透湿材は、通気性基材の少なくとも一面に粘着材が塗布されてなる透湿テープである、請求項1〜のいずれか一項に記載の目地工法。
  5. 前記目地埋め材は、ウレタン樹脂系またはアクリル樹脂系の弾性パテ材である、請求項1〜のいずれか一項に記載の目地工法。
  6. 前記目地埋め材の、所定の養生期間の前後での体積収縮率が5%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の目地工法。
  7. 前記目地埋め材が硬化した後に、再度目地埋め材を充填する、請求項1〜のいずれか一項に記載の目地工法。
  8. 前記仕上げ材は、弾性塗料あるいは微弾性塗料である、請求項1〜のいずれか一項に記載の目地工法。
  9. 複数枚の壁パネルが縦横に並べられてなり、大地震時に隣り合う壁パネル間の最大変位が5mm以下である壁の、壁パネル同士を突き合わせて形成される目地構造において、前記壁パネル同士の突き合わせによって形成される目地に沿って設けられた凹部と、凹部の底面に配置された透湿材と、前記透湿材上に配置された目地埋め材と、前記目地埋め材を覆う仕上げ材と、を有し、
    前記透湿材の通気度は、フラジール通気度で50cc/cm2/sec以上であることを特徴とする目地構造。
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