以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
また、以下に示す実施の形態においては、健康機器として手首式血圧計を例示して説明を行なうが、健康機器は手首式血圧計に限定されず、流体を供給および排出することで流体袋を膨張および収縮させることを利用した他の健康機器にも適用することができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る手首式血圧計の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る手首式血圧計が左手首に装着された状態での手首の長手方向に対して垂直な断面を模式的に示す図である。
図1および図2に示すように、手首式血圧計1(以下、単に血圧計1と称する)は、主として、使用者の左手首90に取り巻いて装着されるベルト20と、当該ベルト20に一体に取り付けられた本体10とを備える。
ベルト20は、左手首90を周方向に沿って取り巻くように、細長い帯状形状を有する。ベルト20の幅方向Yの寸法(幅寸法)は、たとえば30mm程度である。ベルト20は、外周面20bを構成する帯状体23と、当該帯状体23の内周面23aに沿って取り付けられ、かつ、左手首90に接する内周面20aを構成する第1流体袋としての圧迫カフ21とを含む。圧迫カフ21は、ベルト20と同様に、左手首90の周方向に沿って取り巻くように、細長い帯状形状を有する。
本体10は、ベルト20のうち周方向における一方の端部20eに、たとえば、一体成形により一体に設けられている。なお、ベルト20と本体10とを別体で形成し、ベルト20に対して本体10をヒンジ等の係合部材を用いて一体に取り付けてもよい。
図2に示すように、本体10が配置される部位は、装着状態において左手首90の背側面(手の甲側の面)90bに対応する。橈骨動脈91は、左手首90内で掌側面(手の平側の面)90a近傍を通る。
再び図1に示すように、本体10は、ベルト20の外周面20bに対して垂直な方向に厚さを有する。本体10は、使用者の日常生活の邪魔にならないように、小型で、薄厚に形成されている。本体10は、ベルト20から外向きに突起した四角錐台状の輪郭を有する。
本体10の頂面(被測定部位から最も遠い側の面)10aには、表示画面を有する表示器50が設けられている。また、本体10の側面(図1中、左手前側の側面)10fに沿って、使用者からの指示を入力するための操作部52が設けられている。
ベルト20のうち、周方向における一方の端部20eと他方の端部20fとの間の部位であって、ベルト20の内周面20aを構成する圧迫カフ21の内周面20a上には、第1脈波センサおよび第2脈波センサを構成するインピーダンス測定部40が設けられている。
ベルト20のうち、インピーダンス測定部40が配置された部位の内周面20aには、ベルト20の幅方向Yにおいて互いに離間した状態で6個の板状(シート状)の電極41〜46(以下、これら全体を「電極群40E」と称する)が配置されている。電極群40Eが配置された部位は、装着状態において左手首90の橈骨動脈91(図2参照)に対応する。
図2に示すように、圧迫カフ21における電極群40Eが配置された内周面20aとは反対の外周面21aには、固形物22が、電極群40Eに対応する位置に配置されている。また、固形物22の外周側には、圧迫カフ21の周方向において電極群40Eに対応する領域を局所的に押圧する拡張部材として、押圧カフ24が配置されている。押圧カフ24は、第2流体袋に相当する。
押圧カフ24は、ベルト20を構成する帯状体23の内周面23aに配置されている(図2参照)。押圧カフ24は、ベルト20の厚さ方向に伸縮する流体袋である。押圧カフ24は、流体の供給または排出により加圧状態または非加圧状態となる。
図1に示すように、本体10の底面(被測定部位に最も近い側の面)10bとベルト20の端部20fとは三つ折れバックル15によって接続されている。このバックル15は、外周側に配置された第1板状体材25と、内周側に配置された第2板状体材26とを含む。
第1板状体材25の一方の端部25eは、幅方向Yに沿って延在する連結棒27を介して本体10に対して回動自在に取付けられている。第1板状体材25の他方の端部25fは、幅方向Yに沿って延在する連結棒28を介して第2板状体材26の一方の端部26eに対して回動自在に取付けられている。第2板状体材26の他方の端部26fは、固定部29によってベルト20の端部20f近傍に固定されている。
なお、ベルト20の周方向における固定部29の取り付け位置は、使用者の左手首90の周囲長に合わせて予め可変して設定されている。これにより、血圧計1(ベルト20)は、全体として略環状に構成されるとともに、本体10の底面10bとベルト20の端部20fとが、バックル15によって矢印B方向に開閉可能になっている。
血圧計1を左手首90に装着する際には、バックル15を開いてベルト20の環径を大きくした状態で、図1中に示す矢印A方向に、使用者がベルト20に左手を通す。続いて、図2に示すように、使用者は、左手首90の周りにベルト20角度位置を調節して、左手首90を通っている橈骨動脈91上にベルト20のインピーダンス測定部40を位置させる。これにより、インピーダンス測定部40の電極群40Eが左手首90の掌側面90aのうち橈骨動脈91に対応する部分90a1に当接する。このようにして、使用者は、血圧計1(ベルト20)を左手首90に装着する。
図2に示すように、帯状体23は、たとえば、厚さ方向に可撓性を有し、かつ、周方向(長手方向)に実質的に非伸縮性のプラスチック材料によって構成される。圧迫カフ21は、たとえば、伸縮可能な2枚のポリウレタンシートを厚さ方向に対向させて、それらの周縁部を溶着することで形成される。圧迫カフ21(ベルト20)の内周面20aのうち、左手首90の橈骨動脈91に対応する部位には、上述のようにインピーダンス測定部40の電極群40Eが配置されている。
図3は、実施の形態1に係る手首式血圧計が左手首に装着された状態での、第1脈波センサ、および第2脈波センサを構成するインピーダンス測定用電極の平面レイアウトを示す図である。
図3に示すように、装着状態では、インピーダンス測定部40の電極群40Eは、左手首90の橈骨動脈91に対応して、手首の長手方向(ベルト20の幅方向Yに相当)に沿って並ぶ。電極群40Eは、幅方向Yにおける両側に配置された通電用の電流電極対41,46と、第1脈波センサ401を構成する第1検出電極対42,43および、第2脈波センサ402を構成する第2検出電極対44,45とを含む。
第1脈波センサ401および第2脈波センサ402は、電流電極対41,46の間に配置されている。第1検出電極対42,43および第2検出電極対44,45のそれぞれは、電圧検出用の電極である。
第2検出電極対44,45は、第1検出電極対42,43に対して、橈骨動脈91の血流方向における下流側に配置されている。幅方向Yにおいて、第1検出電極対42,43の中央と第2検出電極対44,45の中央との間の距離D(図5A参照)は、たとえば20mm程度である。この距離Dは、第1脈波センサ401と第2脈波センサ402との間の実質的な間隔に相当する。また、幅方向Yにおいて、第1検出電極対42,43間の間隔、および第2検出電極対44,45間の間隔は、たとえば、いずれも2mm程度である。
このような電極群40Eは、扁平に構成することができる。このため、血圧計1では、ベルト20を全体として薄厚に構成できる。また、電極群40Eは、柔軟性を持つように構成することができる。このため、電極群40Eは、圧迫カフ21による左手首90の圧迫を妨げず、後述のオシロメトリック法による血圧測定の精度を損なうことがない。
再び、図2に示すように、ベルト20を構成する帯状体23の内周面23aには、上述のように、拡張部材としての押圧カフ24が配置されている。押圧カフ24は、たとえば、流体袋によって構成されている。押圧カフ24は、伸縮可能な2枚のポリウレタンシートを厚さ方向に対向させて、それらの周縁部を溶着することにより形成される。押圧カフ24の内周面24aのうち、電極群40Eに対応する位置には、固形物22が配置されている。固形物22は、たとえば、厚さ1mm〜2mm程度の板状の樹脂によって構成されている。固形物22は、たとえばポリプロピレン樹脂によって構成されている。本実施の形態における押圧部は、ベルト20、押圧カフ24、および固形物22によって構成されている。
図4は、実施の形態1に係る手首式血圧計の制御構成を示すブロック図である。図4を参照して、血圧計1の制御構成について説明する。
図4に示すように、血圧計1の本体10には、上述の表示器50、操作部52に加えて、制御部としてのCPU100、記憶部としてのメモリ51、および通信部59が搭載されている。また、本体10には、第1圧力センサ31、流体供給源としてのポンプ32、弁33、および第2圧力センサ34が搭載されている。さらに、本体10には、第1圧力センサ31および第2圧力センサ34のそれぞれからの出力を周波数に変換する発振回路310および発振回路340、ならびに、ポンプ32を駆動するポンプ駆動回路320が搭載されている。また、インピーダンス測定部40には、上述の電極群40Eに加えて、通電および電圧検出回路49が搭載されている。また、ポンプ32および弁33の接続先を、圧迫カフ21または押圧カフ24に切り替える切替弁35が搭載されている。また、血圧計1の本体10には、後述の健康機器用流路形成ユニット500(図5A参照)が搭載されている。健康機器用流路形成ユニット500は、後述するように、健康機器用流路形成部材600、ポンプ32および中継部材700によって構成されている。
表示器50は、たとえば有機ELディスプレイから構成されている。表示器50は、CPU100からの制御信号に従って、血圧測定結果などの血圧測定に関する情報、およびその他の情報を表示する。なお、表示器50は、有機ELディスプレイに限定されず、たとえば、液晶ディスプレイ等の他のタイプの表示器によって構成されていてもよい。
操作部52は、たとえばプッシュ式スイッチによって構成されており、使用者による血圧測定開始または停止の指示に応じた操作信号をCPU100に入力する。なお、操作部52は、プッシュ式スイッチに限定されず、たとえば感圧式(抵抗式)または近接式(静電容量式)のタッチパネル式スイッチ等であってもよい。また、図示しないマクロフォンを備えて、使用者の音声によって血圧測定開始の指示を入力するようにしてもよい。
メモリ51は、血圧計1を制御するためのプログラムのデータ、血圧計1を制御するために用いられるデータ、血圧計1の各種機能を設定するための設定データ、血圧値の測定結果のデータ等を非一時的に記憶する。また、メモリ51は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
CPU100は、メモリ51に記憶された血圧計1を制御するためのプログラムに従って、制御部として各種機能を実行する。たとえば、オシロメトリック法による血圧測定を実行する場合は、CPU100は、操作部52からの血圧測定開始の指示に応じて、第1圧力センサ31からの信号に基づいて、ポンプ32(および弁33)を駆動する。また、CPU100は、たとえば第1圧力センサ31からの信号に基づいて、血圧値を算出する。
CPU100は、脈波伝播時間に基づく血圧測定(推定)を実行する場合には、操作部52からの血圧測定開始の指示に応じて、圧迫カフ21内の空気を排出させるために弁33を駆動する。また、CPU100は、切替弁35を駆動して、ポンプ32(および弁33)の接続先を押圧カフ24に切り替える。さらに、CPU100は、第2圧力センサ34からの信号に基づいて、血圧値を算出する。
通信部59は、CPU100によって制御されて所定の情報を、ネットワーク900を介して外部の装置に送信したり、外部の装置からの情報を、ネットワーク900を介して受信してCPU100に受け渡したりする。このネットワーク900を介して通信は、無線、有線のいずれでもよい。この実施形態において、ネットワーク900は、インターネット(登録商標)であるが、これに限定されず、病院内LANのような他のネットワークであってもよいし、USBケーブルなどを用いた1対1の通信であってもよい。この通信部59は、USBコネクタを含んでいてもよい。
ポンプ32および弁33は、健康機器用流路形成部材600、切替弁35、エア配管39a,39bを介して、圧迫カフ21および押圧カフ24に接続されている。また、第1圧力センサ31は、エア配管38aを介して、圧迫カフ21に接続されている。第1圧力センサ31は、圧迫カフ21内の圧力を検出する。第2圧力センサ34は、エア配管38bを介して押圧カフ24に接続されている。第2圧力センサ34は、押圧カフ24内の圧力を検出する。
切替弁35は、CPU100から与えられる制御信号に基づいて駆動し、ポンプ32および弁33の接続先を圧迫カフ21または押圧カフ24に切り替える。ポンプ32は、たとえば圧電ポンプによって構成される。切替弁35によりポンプ32および弁33の接続先が圧迫カフ21に切り替えられている場合には、ポンプ32は、エア配管39aを通して圧迫カフ21内に加圧用流体としての空気を供給する。これにより、圧迫カフ21内が加圧される。切替弁35によりポンプ32および弁33の接続先が押圧カフ24に切り替えられている場合には、ポンプ32は、エア配管39bを通して押圧カフ24内に加圧用流体としての空気を供給する。これにより、押圧カフ24内が加圧される。
弁33は、ポンプ32に搭載され、ポンプ32のオン/オフに伴って開閉が制御されるように構成されている。
切替弁35により、ポンプ32および弁33の接続先が圧迫カフ21に切り替えられている場合には、弁33はポンプ32がオンされると閉じる。これにより、圧迫カフ21内に空気が供給される。一方で、弁33はポンプ32がオフされると開く。これにより、圧迫カフ21内の空気がエア配管39aを通して大気中へ排出される。
切替弁35により、ポンプ32および弁33の接続先が押圧カフ24に切り替えられている場合には、弁33はポンプ32がオンされると閉じる。これにより、押圧カフ24内に空気が供給される。一方で、弁33はポンプ32がオフされると開く。これにより、押圧カフ24内の空気がエア配管39bを通して大気中へ排出される。
なお、弁33は、逆止弁の機能を有し、排出されるエアが逆流することはない。ポンプ駆動回路320は、ポンプ32をCPU100から与えられる制御信号に基づいて駆動する。
第1圧力センサ31としては、たとえばピエゾ抵抗式圧力センサを採用することができる。第1圧力センサ31は、エア配管38aを介して、ポンプ32、弁33および圧迫カフ21に接続されている。第1圧力センサ31は、エア配管38aを介して、ベルト20(圧迫カフ21)の圧力を検出して時系列の信号として出力する。なお、圧力は、大気圧を基準(ゼロ)として検出される。
発振回路310は、第1圧力センサ31からのピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化に基づく電気信号値に基づき発振する。これにより、発振回路310は、第1圧力センサ31の電気信号値に応じた周波数を有する周波数信号をCPU100に出力する。たとえば、第1圧力センサ31の出力は、圧迫カフ21の圧力を制御するため、および、オシロメトリック法によって血圧値(収縮期血圧と拡張期血圧とを含む)を算出するために用いられる。
一般的なオシロメトリック法に従って血圧を測定する場合、概ね、次のような動作が行なわれる。被験者の被測定部位(腕など)に予めカフを巻き付けておき、測定時には、CPU100は、ポンプ32および弁33を制御して、カフ圧を最高血圧より高く加圧し、その後徐々に減圧していく。この減圧する過程において、カフ圧を圧力センサで検出し、被測定部位の動脈で発生する動脈容積の変動を脈波信号として取り出す。その時のカフ圧の変化に伴う脈波信号の振幅の変化(おもに立ち上がりと立ち下がり)に基づいて、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)とを算出する。
第2圧力センサ34としては、たとえばピエゾ抵抗式圧力センサを採用することができる。第2圧力センサ34は、エア配管38bを介して、ポンプ32、弁33および押圧カフ24に接続されている。第2圧力センサ34は、エア配管38bを介して、押圧カフ24の圧力を検出して時系列の信号として出力する。なお、圧力は、大気圧を基準(ゼロ)として検出される。
発振回路340は、第2圧力センサ34からのピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化に基づく電気信号値に基づき発振する。これにより、発振回路340は、第2圧力センサ34の電気信号値に応じた周波数を有する周波数信号をCPU100に出力する。たとえば、第2圧力センサ34の出力は、押圧カフ24の圧力を制御するため、および、脈波伝播時間に基づく血圧を算出するために用いられる。脈波伝播時間に基づく血圧測定のために押圧カフ24の圧力を制御する場合には、CPU100は、ポンプ32および弁33を制御して、種々の条件に応じてカフ圧の加圧と減圧を行なう。
電池53は、本体10に搭載された要素、本実施の形態においては、CPU100、第1圧力センサ31、ポンプ32、弁33、表示器50、メモリ51、通信部59、発振回路310、ポンプ駆動回路320の各要素へ電力を供給する。また、電池53は、配線71を通して、インピーダンス測定部40の通電および電圧検出回路49へも電力を供給する。配線71は、信号用の配線72とともに、ベルト20の帯状体23と圧迫カフ21との間に挟まれた状態で、ベルト20の周方向に沿って本体10とインピーダンス測定部40との間に延在して設けられている。
図5Aは、実施の形態1に係る手首式血圧計が左手首に装着された状態での、脈波伝播時間に基づく血圧測定を行なう際の手首の長手方向に沿った断面を模式的に示す図である。図5Bは、図5Aにおける血圧測定にて、第1脈波センサおよび第2脈波センサがそれぞれ出力する第1脈波信号の波形および第2脈波信号の波形を示す図である。
インピーダンス測定部40の通電および電圧検出回路49は、CPU100によって制御される。動作時には、CPU100は、図5Aに示すように、手首の長手方向(ベルト20の幅方向Y)における両側に配置された電流電極対41、46間に高周波定電流iを流す。たとえば、高周波定電流iは、周波数50kHz、電流値1mAの電流である。電流電極対41、46間に高周波定電流iが流れている状態で、通電および電圧検出回路49は、第1脈波センサ401を構成する第1検出電極対42,43間の電圧信号v1と、第2脈波センサ402を構成する第2検出電極対44,45間の電圧信号v2とを検出する。
これらの電圧信号v1,v2は、それぞれ、左手首90の掌側面90aのうち第1脈波センサ401および第2脈波センサ402が対向する部分における橈骨動脈91の血流の脈波による電気インピーダンスの変化を表す(インピーダンス方式)。通電および電圧検出回路49は、これらの電圧信号v1,v2を整流、増幅および濾波して、図5B中に示すような山状の波形を有する第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2を時系列で出力する。本実施の形態においては、電圧信号v1,v2は、約1mV程度になっている。また、第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2のそれぞれのピークA1,A2は、たとえば1Vになっている。
なお、橈骨動脈91の血流の脈波伝播速度(PWV)が100cm/s〜2000cm/sの範囲であるとすると、第1脈波センサ401と第2脈波センサ402との間の実質的な間隔D1が20mmであることから、第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2間の時間差Δtは1.0ms〜2.0msの範囲となる。
図5Aに示すように、押圧カフ24は加圧状態となっており、圧迫カフ21は内部の空気が排出されて非加圧状態となっている。押圧カフ24は、橈骨動脈91の動脈方向において、第1脈波センサ401、第2脈波センサ402、および電流電極対41,46に跨って配置されている。また、固形物22も、橈骨動脈91の動脈方向において、第1脈波センサ401、第2脈波センサ402、および電流電極対41,46に跨って配置されている。
したがって、押圧カフ24は、ポンプ32により加圧されると、固形物22を介して、第1脈波センサ401、第2脈波センサ402、および電流電極対41,46を左手首90の掌側面90aに押圧する。
なお、左手首90の掌側面90aに対する、電流電極対41,46、第1脈波センサ401、第2脈波センサ402のそれぞれの押圧力は、適宜設定することができる。
本実施の形態においては、押圧部として流体袋の押圧カフ24を用いているので、ポンプ32および弁33を圧迫カフ21と共通に使用することができ、構成の簡略化を図ることができる。また、固形物22を介して第1脈波センサ401、第2脈波センサ402、および電流電極対41,46を押圧することができるので、被測定部位に対する押圧力が均一になる。これにより、精度よく脈波伝播時間に基づく血圧測定を行なうことができる。
図6は、実施の形態1に係る手首式血圧計が左手首に装着された状態での、オシロメトリック法による血圧測定を行なう際の手首の長手方向に沿った断面を模式的に示す図である。この場合には、押圧カフ24は内部の空気が排出されて非加圧状態となっており、圧迫カフ21は空気が供給された状態となっている。圧迫カフ21は左手首90の周方向に延在しており、ポンプ32により加圧されると、左手首90の周方向を一様に圧迫する。ここで、圧迫カフ21の内周面と、左手首90との間には、電極群40Eしか存在していない。このため、圧迫カフ21による圧迫が他の部材により阻害されることがなく、血管を十分に閉じることができる。したがって、オシロメトリック法による血圧測定を精度よく行なうことができる。
図7は、実施の形態1に係る手首式血圧計がオシロメトリック法による血圧測定を行なう際の動作フローを示す図ある。
オシロメトリック法による血圧測定を行なう際には、使用者が本体10に設けられた操作部52としてのプッシュ式スイッチによってオシロメトリック法による血圧測定を指示すると(ステップS1)、CPU100は動作を開始して、処理用メモリ領域を初期化する(ステップS2)。また、CPU100は、ポンプ駆動回路320を介してポンプ32をオフし、弁33を開いて、圧迫カフ21内の空気を排出する。続いて、第1圧力センサ31の現時点の出力値を大気圧に相当する値として設定する(0mmHg調整)。
続いて、CPU100は、弁33を閉鎖し、その後、ポンプ駆動回路320によってポンプ32を駆動して、圧迫カフ21に空気を供給する。これにより、圧迫カフ21を膨張させるとともにカフ圧を徐々に加圧していく(ステップS3)。
この加圧過程で、CPU100は、血圧値を算出するために、第1圧力センサ31によって、カフ圧をモニタし、これにより被測定部位としての左手首90の橈骨動脈91で発生する動脈容積の変動成分を脈波信号として取得する。
次に、CPU100は、第2血圧算出部として機能し、この時点で取得されている上記脈波信号に基づいて、オシロメトリック法により公知のアルゴリズムを適用して血圧値(収縮期血圧と拡張期血圧)の算出を試みる。
この時点で、データ不足のために未だ血圧値を算出できない場合(ステップS5:NO)は、カフ圧が上限圧力に達していない限り、ステップS3〜S5の処理を繰り返す。なお、上限圧力は、安全のために、たとえば、300mmHgというように予め決定されている。
このようにして血圧値が算出できた場合(ステップS5:YES)には、CPU100は、ポンプ駆動回路320を介してポンプ32を停止し、弁33を開いて、圧迫カフ21内の空気を排出する(ステップS6)。そして最後に、血圧値の測定結果を表示器50に表示するとともに、メモリ51に記録する(ステップS7)。
なお、血圧値の算出は、上述のように加圧過程に限定されず、減圧過程において行なわれてもよい。
図8は、実施の形態1に係る手首式血圧計が脈波伝播時間を取得して、当該脈波伝播時間(PTT)に基づく血圧測定(推定)を行なう際の動作フローを示す図である。
図8に示すように、脈波伝播時間に基づく血圧測定(推定)を行なう際には、使用者が本体10に設けられた操作部52としてのプッシュ式スイッチによって、PTTに基づく血圧測定を指示すると(ステップS10)、CPU100は、切替弁35を駆動して、ポンプ32および弁33の接続先を押圧カフ24に切り替える(ステップS11)。次に、CPU100は、弁33を閉鎖するとともに、ポンプ駆動回路320によってポンプ32を駆動して、押圧カフ24に空気を供給する。これにより、押圧カフ24を膨張させるとともに、カフ圧を徐々に加圧していく(ステップS12)。たとえば、カフ圧を5mmHg/s程度の一定速度で連続的に高くしていく。なお、後述する相互相関係数rを算出するための時間を容易に確保できるように、カフ圧を段階的に高くしてもよい。
この加圧過程で、CPU100は、相互相関係数算出部として機能し、第1脈波センサ401、第2脈波センサ402がそれぞれ時系列で出力する第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2を取得して、これら第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2の波形間の相互相関係数rをリアルタイムで算出する(ステップS13)。
また、CPU100は、押圧力設定部として機能し、算出した相互相関係数rが予め決定された閾値Thを超えているか否かを判断する(ステップS14)。たとえば、閾値Thは、0.99である。
ここで、相互相関係数rが閾値Th以下である場合(ステップS14:NO)、相互相関係数rが閾値Thを超えるまでステップS12〜S14の処理を繰り返す。一方、相互相関係数rが閾値Thを超える場合(ステップS14:YES)には、CPU100は、ポンプ32を停止して(ステップS15)、カフ圧をその時点、すなわち、相互相関係数rが閾値Thを超えた時点の値に設定する。
この状態で、CPU100は、第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2の間の時間差Δt(図5B参照)を脈波伝播時間PTTとして取得する(ステップS16)。具体的には、図5Bにおける第1脈波信号PS1のピークA1と第2脈波信号PS2のピークA2との間の時間差Δtを脈波伝播時間として取得する。
このように脈波伝播時間を取得することにより、脈波伝播時間の測定精度を高めることができる。また、カフ圧を相互相関係数rが閾値Thを超えた時点の値に設定するため、カフ圧を無用に大きくすることなく、脈波伝播時間を取得できる。これにより、使用者の身体的負担を軽減することができる。
次に、CPU100は、第1の血圧算出部として機能し、脈波伝播時間と血圧との間の予め決定された対応式を用いて、ステップS16で取得された脈波伝播時間に基づいて、血圧を算出(推定)する(ステップS17)。
以上のようにして血圧を算出(推定)する場合には、上述のように脈波伝播時間の測定精度を高めているため、血圧測定精度を高めることができる。なお、血圧値の測定結果は、表示器50に表示されるとともに、メモリ51に記録される。
本実施の形態においては、ステップS18において、操作部52によって測定停止が指示されていない場合(ステップS18:NO)には、脈波伝播時間の算出(ステップS16)と、血圧の算出(ステップS17)とを、脈波に応じて第1脈波信号PS1および第2脈波信号PS2が入力されるごとに周期的に繰り返す。CPU100は、血圧値の測定結果を、表示器50に更新して表示するとともに、メモリ51に蓄積して記録する。そして、ステップS18において測定停止が指示された場合(ステップS18:YES)には、測定動作が終了する。
この血圧計1によれば、脈波伝播時間に基づく血圧測定によって、使用者の身体的負担が軽い状態で、血圧を長期間に亘って連続的に測定することができる。
また、この血圧計1によれば、脈波伝播時間に基づく血圧測定(推定)と、オシロメトリック法による血圧測定とを一体の装置で行なうことができる。これにより、使用者の利便性を高めることができる。
図9は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニットを示す斜視図である。図10は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニットを示す分解斜視図である。図11は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニットを示す断面図である。図9から図11を参照して、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500について説明する。
図9から図11に示すように、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500は、第1被取付部材としてのポンプ32と、第2被取付部材としての中継部材700と、健康機器用流路形成部材600とを備える。
ポンプ32は、健康機器用流路形成部材600の一端側が取り付けられる第1被取付面としての下面32cを有する。ポンプ32の下面32cは、たとえば平面形状を有する。ポンプ32は、内部に流体が流れる流体経路32aを有する。流体経路32aの供給口32bは、下面32cに設けられている。供給口32bの内径は、後述する健康機器用流路形成部材600の第1開口部601の内径よりも小さい。
中継部材700は、健康機器用流路形成部材600の他端側が取り付けられる第2被取付面としての下面700cを有する。中継部材700は、内部に流体が流れる流体経路701を有する。流体経路701の導入口702は、下面700cに設けられている。導入口702の内径は、後述する健康機器用流路形成部材600の第2開口部602の内径よりも小さい。
健康機器用流路形成部材600は、被供給体としての圧迫カフ21または押圧カフ24に流体としての空気を供給するための流路604を含む。また、健康機器用流路形成部材600は、第1開口部601、第2開口部602、および接続経路603を含む。これら第1開口部601、第2開口部602、および接続経路603によって流路604が構成されている。
第1開口部601は、流路604の一端に位置する。第2開口部602は、流路604の他端に位置する。接続経路603は、第1開口部601および第2開口部602を接続する。
健康機器用流路形成部材600は、板状体610と接合層620とを備える。板状体610は、扁平形状を有する。板状体610は、厚み方向(後述する第1方向)において互いに表裏関係にある第1主面611および第2主面612を有する。板状体610は、たとえば、射出成形等によって形成される。板状体610は、樹脂部材、または金属部材等によって構成される。
板状体610には、接続経路603が設けられている。接続経路603は、第1主面611に開口する開口形状を有する。接続経路603の一端側には、第1室605が設けられており、接続経路603の他端側には、第2室606が設けられている。第1室605および第2室606は、略円柱形状を有し、接続経路603のうち第1室605および第2室606を接続する部分よりも幅広に構成されている。なお、第1室605および第2室606は、接続経路603のうち第1室605および第2室606を接続する部分と同等の幅で構成されてもよい。
接合層620は、長手形状を有する。接合層620は、たとえば両面テープ、接着剤等によって構成される。接合層620の一端側は、ポンプ32に重なるように配置され、接合層620の他端側は、ポンプ32の外側にはみ出す。接合層620には、第1開口部601および第2開口部602が設けられている。
接合層620は、第1開口部601がポンプ32の流体経路32aに連通するようにポンプ32の下面32c(第1被取付面)に板状体610の一端側を接合する。接合層620は、第2開口部602が中継部材700の流体経路701に連通するように中継部材700の下面700c(第2被取付面)に板状体610の他端側を接合する。
図12は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成部材の上面図である。図13は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニットの第1開口部側を示す断面図であり、図11に示すXIII線に囲まれている部分の拡大図である。図14は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニットの第2開口部側を示す断面図である。図12から図14を参照して、第1開口部601および第2開口部602と接続経路603との位置関係について説明する。
図12および図13に示すように、接合層620と板状体610とが並ぶ第1方向に沿って見た場合に、第1方向に沿って接続経路603を投影した投影像の輪郭線(図12の点線部)の内側に向けて張り出す第1張出部625(図13参照)を接合層620が有するように、第1開口部601は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置されている。
ポンプ32の下面32cに健康機器用流路形成部材600を取り付けた場合には、第1張出部625がポンプ32の供給口32bを取り囲むようにして下面32cに取り付けられる。
このため、ポンプ32から健康機器用流路形成部材600を通って被供給体に空気を供給する場合には、ポンプ32の供給口32bから接続経路603内に向けて供給された空気の一部が、接続経路603の底面部で跳ね返り、第1張出部625をポンプ32の下面32cに向けて押圧する。
これにより、接合層620とポンプ32の下面32cとの密着性が向上する。また、第1張出部625が下面32cに向けて押圧されることにより、接合層620とポンプ32の下面32cとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600とポンプ32との間で良好な気密性が維持される。
図12および図14に示すように、上記第1方向に沿って見た場合に、第1方向に沿って接続経路603を投影した投影像の輪郭線の内側に向けて張り出す第2張出部626を接合層620が有するように、第2開口部602は輪郭線から距離を持って輪郭線の内側に配置されている。
中継部材700の下面700cに健康機器用流路形成部材600を取り付けた場合には、第2張出部626が中継部材700の導入口702を取り囲むようにして下面700cに取り付けられる。
このため、ポンプ32から健康機器用流路形成部材600を通って被供給体に空気を供給する場合には、接続経路603から導入口701aに向けて排出される空気の一部が、第2張出部626を中継部材700の下面700cに向けて押圧する。これにより、接合層620と中継部材700の下面700cとの密着性が向上する。また、第2張出部626が下面700cに向けて押圧されることにより、接合層620と中継部材700の下面700cとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600と中継部材700との間で良好な気密性が維持される。
また、健康機器用流路形成部材600は、ポンプ32の第1被設置面(下面32c)に接合できるように構成されている。このため、ポンプ32の第1被設置面に供給口32bを設け、当該供給口32bに健康機器用流路形成部材600の流路604が連通するように健康機器用流路形成部材600を第1被設置面に直接接合することにより、健康機器用流路形成ユニット500およびこれを備えた血圧計1の低背化(小型化)を図ることができる。
同様に、健康機器用流路形成部材600は、中継部材700の第2設置面(下面700c)に接合できるように構成されている。このため、中継部材700の第2被設置面に導入口702を設け、当該導入口702に健康機器用流路形成部材600の流路604が連通するように健康機器用流路形成部材600を第2被設置面に直接接合することにより、健康機器用流路形成ユニット500およびこれを備えた血圧計1の低背化(小型化)を図ることができる。
(変形例1)
図15は、変形例1に係る健康機器用流路形成ユニットの第1開口部側を示す断面図である。図15を参照して、健康機器用流路形成ユニット500Aについて説明する。
図15に示すように、変形例1に係る健康機器用流路形成ユニット500Aは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500と比較した場合に、健康機器用流路形成部材600Aにおいて接続経路603の形状が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
変形例1においては、一端側に位置する部分の接続経路603は、上記第1方向に接合層620から離れるにつれて先細る先細り部を含む。具体的には、第1室605を規定する部分の板状体610の内側面が、第1方向に接合層620から離れるにつれて傾斜するテーパ形状を有する。
また、他端側に位置する部分の接続経路603は、上記第1方向に接合層620から離れるにつれて先細る先細り部を含む。具体的には、第2室606を規定する部分の板状体610の内側面が、第1方向に接合層620から離れるにつれて傾斜するテーパ形状を有する。
以上のように構成される場合であっても、変形例1に係る健康機器用流路形成部材600Aは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成部材600とほぼ同様の効果が得られる。また、健康機器用流路形成部材600Aを具備する変形例1に係る健康機器用流路形成ユニット500Aおよび健康機器においても、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500および血圧計1とほぼ同様の効果が得られる。
加えて、上述のように一端側および他端側に位置する部分の接続経路603が先細り部を含むことにより、接合層620と、ポンプ32および中継部材700との接合強度を保ちつつ、第1張出部625および第2張出部626の面積を増加させることができる。これにより、健康機器用流路形成部材600Aとポンプ32との気密性および健康機器用流路形成部材600Aと中継部材700との気密性をより良好に維持することができる。
(比較例)
図16は、比較例における健康機器用流路形成ユニットを示す斜視図である。図17は、比較例における健康機器用流路形成ユニットを示す分解斜視図である。図16および図17を参照して、比較例における健康機器用流路形成ユニット500Xについて説明する。
図16および図17に示すように、比較例における健康機器用流路形成ユニット500Xは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500と比較した場合に、ポンプ32X、中継部材700X、および健康機器用流路形成部材600Xの構成が相違する。
ポンプ32Xは、流体経路32aが設けられたノズル321を有する。ノズル321は、ポンプ32Xの下面32cから下方に突出するように設けられている。中継部材700Xは、流体経路701が設けられたノズル711を有する。ノズル711は、中継部材700Xの下面700cから下方に突出するように設けられている。
健康機器用流路形成部材600Xは、可撓性を有するチューブによって構成されている。健康機器用流路形成部材600Xの一端側は、ノズル321に差し込まれる。健康機器用流路形成部材600Xの他端側は、ノズル711に差し込まれる。この状態においては、健康機器用流路形成部材600Xは、折り曲げて流路が変更されており、折曲部651,652を有する。
これにより、ポンプ32X、中継部材700X、および健康機器用流路形成部材600Xによって構成される健康機器用流路形成ユニット500Xの厚さは、ノズル321またはノズル711と、折曲部651または折曲部652の厚みとによって相当程度厚くなる。この結果、健康機器用流路形成ユニット500Xおよびこれを備えた血圧計の小型化が困難となる。
なお、ポンプ32Xと中継部材700Xとを実施の形態1に係る健康機器用流路形成部材600を用いて接続した場合には、上述の折曲部651、652は形成されないため、当該折曲部651、652の厚み分、健康機器用流路形成ユニット、および血圧計を低背化することができる。
(実施の形態2)
図18は、実施の形態2に係る健康機器用流路形成ユニットを示す分解斜視図である。図19は、実施の形態2に係る健康機器用流路形成ユニットの第1開口部側を示す断面図である。図20は、実施の形態2に係る健康機器用流路形成ユニットの第2開口部側を示す断面図である。図18から図20を参照して、実施の形態2に係る健康機器用流路形成ユニット500Bについて説明する。
図18から図20に示すように、実施の形態2に係る健康機器用流路形成ユニット500Bは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500と比較した場合に、健康機器用流路形成部材600Bにおける接続経路603Bおよび板状体610Bの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
板状体610Bは、第1部分610B1および第2部分610B2を含む。第1部分610B1は、プレート形状を有する。第1部分610B1は、板状体610Bの厚み方向(第1方向)の一方側に位置する。第1部分610B1は、後述の第1副経路部6031および第2副経路部6032となる2つの貫通孔が設けられている。
第2部分610B2は、プレート形状を有する。第2部分610B2は、厚み方向の他方側に位置する。第2部分610B2は、厚み方向の上記一方側に向けて開口する溝部を有する。当該溝部は、後述する主経路部6030を規定する。
当該溝部を覆うように第1部分610B1が第2部分610B2上に配置されて固定されることにより、板状体610Bが形成される。
なお、厚み方向における第1部分610B1および第2部分610B2の分割位置は、上記のように限定されず、適宜変更することができる。第1部分610B1に設けられた溝部と、第2部分に610B2に設けられた溝部とが対向するように、第1部分610B1が第2部分610B2上に配置されて固定されることにより、板状体610Bが形成されてもよい。
接続経路603Bは、板状体610Bの内部に設けられた主経路部6030、第1副経路部6031、および第2副経路部6032を含む。
主経路部6030は、板状体610Bの内部に設けられている。主経路部6030の一端側には、第1室605が設けられている。主経路部6030の他端側には、第2室606が設けられている。
図19に示すように、第1副経路部6031は、第1開口部601と主経路部6030とを接続する。接合層620と板状体610Bとが並ぶ第1方向に沿って見た場合に、第1副経路部6031を規定しつつ主経路部6030よりも内側に突出する第1突出部615を板状体610Bが有するように、第1副経路部6031が主経路部6030の内側に配置されている。第1副経路部6031は、第1方向に沿って見た場合に、第1室605の内側に位置する。第1張出部625は、第1突出部615に支持される。
ポンプ32から健康機器用流路形成部材600Bを通って被供給体に空気を供給する場合には、ポンプ32の供給口32bから接続経路603B内に向けて供給された空気の一部が、接続経路603Bの底面部で跳ね返り、第1突出部615をポンプ32の下面32c側に向けて押圧する。これにより、第1突出部615は、第1張出部625をポンプ32の下面32cに向けて押圧する。
このため、接合層620とポンプ32の下面32cとの密着性が向上する。また、第1張出部625が下面32cに向けて押圧されることにより、接合層620とポンプ32の下面32cとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600Bとポンプ32との間で良好な気密性が維持される。
図20に示すように、第2副経路部6032は、第2開口部602と主経路部6030とを接続する。上記第1方向に沿って見た場合に、第2副経路部6032を規定しつつ主経路部6030よりも内側に突出する第2突出部616を板状体610Bが有するように、第2副経路部6032が主経路部6030の内側に配置されている。第2副経路部6032は、第1方向に沿って見た場合に、第2室606の内側に位置する。第2張出部626は、第2突出部616に支持される。
ポンプ32から健康機器用流路形成部材600Bを通って被供給体に空気を供給する場合には、接続経路603から導入口701aに向けて排出される空気の一部が、第2突出部616を中継部材700の下面700c側に向けて押圧する。これにより、第2突出部616は、第2張出部626を中継部材700の下面700cに向けて押圧する。
このため、接合層620と中継部材700の下面700cとの密着性が向上する。また、第2張出部626が下面700cに向けて押圧されることにより、接合層620と中継部材700の下面700cとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600Bと中継部材700との間で良好な気密性が維持される。
以上のように構成される場合であっても、実施の形態2に係る健康機器用流路形成部材600Bは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成部材600とほぼ同様の効果が得られる。また、健康機器用流路形成部材600Bを具備する実施の形態2に係る健康機器用流路形成ユニット500Bおよび血圧計においても、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500および血圧計1とほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
図21は、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニットを示す斜視図である。図22は、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニットを示す分解斜視図である。図23は、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニットを示す断面図である。図21から図23を参照して、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニット500Cについて説明する。
図21から図23に示すように、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニット500Cは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500と比較した場合に、中継部材700の取付位置および健康機器用流路形成部材600Cの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
中継部材700は、板状体610Cの第2主面612側に取り付けられる。中継部材700は、健康機器用流路形成部材600Cの他端側が取り付けられる第2被取付面としての上面700dを有する。中継部材700は、内部に流体が流れる流体経路701を有する。流体経路701の導入口702は、上面700dに設けられている。
健康機器用流路形成部材600Cは、板状体610Cと、接合層620Cと、接続層630とを備える。
板状体610Cは、実施の形態1に係る板状体610と比較した場合に、他端側が第2主面612に開口するように設けられている点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。板状体610Cの第2室606Cは、第1主面611および第2主面612に向けて開口するように設けられている。
接合層620Cには、第1開口部601が設けられている。接合層620Cは、第1開口部601が第1方向において接続経路603Cに重なる部分を除いて接続経路603Cを覆うように第1主面611側に設けられている。接合層620Cは、第1開口部601がポンプ32の流体経路32aに連通するようにポンプ32の下面32cに板状体610Cの一端側を接合する。
接続層630は、略円形状を有する。接続層630は、たとえば、両面テープ、接着剤等によって構成される。接続層630には、第2開口部602が設けられている。接続層630は、第2主面612側に設けられている。接続層630は、第2開口部602が中継部材700の流体経路701に連通するように中継部材700の上面700dに板状体610Cの他端側を接続する。
上記第1方向に沿って見た場合に、第1方向に沿って接続経路603Cを投影した投影像の輪郭線の内側に向けて張り出す第2張出部636を接続層630が有するように、第2開口部602は当該輪郭線から距離を持って当該輪郭線の内側に配置されている。
ポンプ32から健康機器用流路形成部材600Cを通って被供給体に空気を供給する場合には、接続経路603Cから導入口701aに向けて排出される空気の一部が、第2張出部636を中継部材700の上面700dに向けて押圧する。これにより、接合層630と中継部材700の上面700dとの密着性が向上する。また、第2張出部636が上面700dに向けて押圧されることにより、接合層620と中継部材700の上面700dとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600Cと中継部材700との間で良好な気密性が維持される。
以上のように構成される場合であっても、実施の形態3に係る健康機器用流路形成部材600Cは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成部材600とほぼ同様の効果が得られる。また、健康機器用流路形成部材600Cを具備する実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニット500Cおよび血圧計においても、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500および血圧計1とほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
図24は、実施の形態4に係る健康機器用流路形成ユニットを示す斜視図である。図25は、実施の形態4に係る健康機器用流路形成ユニットを示す分解斜視図である。図26は、実施の形態4に係る健康機器用流路形成ユニットを示す断面図である。図24から図26を参照して、実施の形態4に係る健康機器用流路形成ユニット500Dについて説明する。
実施の形態4に係る健康機器用流路形成ユニット500Dは、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニット500Cと比較した場合に、健康機器用流路形成部材600Dの板状体610Dの構成および接続層630Dの構成が相違する。その他の構成は、ほぼ同様である。
健康機器用流路形成部材600Dの板状体610Dは、実施の形態3に係る板状体610Cと比較した場合に、接続経路603Dが、全体的に第1主面611および第2主面612の双方に開口している点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
接続層630Dは、実施の形態3に係る接続層630と比較した場合に形状が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。接続層630Dは、長手形状を有する。接続層630Dは、第2開口部602が第1方向において接続経路603Dに重なる部分を除いて接続経路603Dを覆うように第2主面612側に設けられている。
以上のように構成される場合であっても、実施の形態4に係る健康機器用流路形成部材600Dは、実施の形態3に係る健康機器用流路形成部材600Cとほぼ同様の効果が得られる。また、健康機器用流路形成部材600Dを具備する実施の形態4に係る健康機器用流路形成ユニット500Dおよび血圧計においても、実施の形態3に係る健康機器用流路形成ユニット500Cおよび血圧計とほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態5)
図27は、実施の形態5に係る健康機器用流路形成ユニットを示す分解斜視図である。図28は、実施の形態5に係る健康機器用流路形成ユニットを示す断面図である。図27および図28を参照して、実施の形態5に係る健康機器用流路形成ユニット500Eについて説明する。
図27および図28に示すように、実施の形態5に係る健康機器用流路形成ユニット500Eは、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500と比較した場合に、ポンプ32Eの構成および中継部材700Eの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
ポンプ32Eは、実施の形態1に係るポンプ32と比較した場合に、溝部322を有する点において相違する。溝部322は、環状形状を有し、ポンプ32Eの下面32cに設けられている。溝部322は、第1方向に沿って見た場合に第1張出部625と重なる領域に、第1開口部601を囲むように設けられている。溝部322は、第1方向において健康機器用流路形成部材600から離れる方向に窪む。
ポンプ32Eから健康機器用流路形成部材600を通って被供給体に空気を供給する場合には、ポンプ32Eの供給口32bから接続経路603内に向けて供給された空気の一部が、接続経路603の底面部で跳ね返り、第1張出部625をポンプ32Eの下面32cに向けて押圧する。
この際、第1張出部625の一部は、溝部322内に入り込み、溝部322に貼り付く。これにより、接合層620とポンプ32Eの下面32cとの密着性をより向上させることができる。また、第1張出部625が下面32cに向けて押圧されることにより、接合層620とポンプ32Eの下面32cとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600とポンプ32Eとの間で良好な気密性が維持される。
中継部材700Eは、実施の形態1に係る中継部材700と比較した場合に、溝部720を有する点において相違する。溝部720は、環状形状を有し、中継部材700Eの下面700cに設けられている。溝部720は、第1方向に沿って見た場合に第2張出部626と重なる領域に、第2開口部602を囲むように設けられている。溝部720は、第1方向において健康機器用流路形成部材600から離れる方向に窪む。
ポンプ32から健康機器用流路形成部材600を通って被供給体に空気を供給する場合には、接続経路603から導入口701aに向けて排出される空気の一部が、第2張出部626を中継部材700Eの下面700cに向けて押圧する。
この際、第2張出部626の一部は、溝部720内に入り込み、溝部720に貼り付く。これにより、接合層620と中継部材700Eの下面700cとの密着性をより向上させることができる。また、第2張出部626が下面700cに向けて押圧されることにより、接合層620と中継部材700Eの下面700cとの界面に空気が入り込むことを抑制することができる。この結果、健康機器用流路形成部材600と中継部材700Eとの間で良好な気密性が維持される。
以上のように構成される場合であっても、実施の形態5に係る健康機器用流路形成ユニット500Eおよびこれを備えた血圧計は、実施の形態1に係る健康機器用流路形成ユニット500およびこれを備えた血圧計1とほぼ同様の効果が得られる。
なお、上述した実施の形態1から5および変形例1において説明した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜組み合わせることができる。
また、上述した実施の形態1から5および変形例1においては、健康機器用流路形成部材の第1開口部601側にポンプが設置され、健康機器用流路形成部材の第2開口部602側に中継部材が配置される場合を例示して説明したが、これに限定されず、第1開口部601側に中継部材が配置され、第2開口部602側にポンプが配置されてもよい。また、第2被設置部材が中継部材である場合を例示して説明したが、これに限定されず、流体を出し入れする対象である被供給体であってもよい。
以上説明した本開示に基づく健康機器用流路形成部材は、被供給体に流体を供給するための流路を含み、上記流路の一端側に位置する第1開口部、上記流路の他端側に位置する第2開口部、ならびに、上記第1開口部および上記第2開口部を接続する接続経路が設けられたものであり、上記接続経路が設けられた板状体と、上記第1開口部および上記第2開口部のうち少なくとも上記第1開口部が設けられ、上記第1開口部が第1被取付部材の流体経路に連通するように上記板状体を第1被取付部材に接合する接合層と、を備える。上記接合層と上記板状体とが並ぶ第1方向に沿って見た場合に、上記第1方向に沿って上記接続経路を投影した投影像の輪郭線の内側に向けて張り出す第1張出部を上記接合層が有するように、上記第1開口部は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置されている。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成部材にあっては、上記接続経路は、上記板状体の内部に設けられた主経路部、上記第1開口部と上記主経路部とを接続する第1副経路部、および上記第2開口部と上記主経路部とを接続する第2副経路部を含んでいてもよい。この場合には、上記第1方向に沿って見た場合に、上記第1副経路部を規定しつつ上記主経路部よりも内側に突出する第1突出部を上記板状体が有するように、上記第1副経路部が上記主経路部の内側に配置されることが好ましく、上記第1張出部は、上記第1突出部に支持されることが好ましい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成部材にあっては、上記第2開口部は、上記接合層に設けられていてもよい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成部材にあっては、上記第1方向に沿って見た場合に、上記投影像の上記輪郭線の内側に向けて張り出す第2張出部を上記接合層が有するように、上記第2開口部は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置されていてもよい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成部材は、上記第2開口部が設けられ、上記第2開口部が第2被取付部材の流体経路に連通するように上記板状体を第2被取付部材に接続する接続層をさらに備えていてもよい。この場合には、上記板状体は、上記第1方向において互いに表裏関係にある第1主面および第2主面を有していていることが好ましい。さらに、上記接合層は、上記第1主面側に設けられることが好ましく、上記接続層は、上記第2主面側に設けられることが好ましい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成部材にあっては、上記第1方向に沿って見た場合に、上記第1方向に沿って上記接続経路を投影した投影像の輪郭線の内側に向けて張り出す第2張出部を上記接続層が有するように、上記第2開口部は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置されていることが好ましい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成部材にあっては、上記一端側に位置する部分の接続経路は、上記第1方向に上記接合層から離れるにつれて先細る先細り部を含むことが好ましい。
本開示に基づく健康機器用流路形成部材は、被供給体に流体を供給するための流路を含み、上記流路の一端側に位置する第1開口部、上記流路の他端側に位置する第2開口部、ならびに、上記第1開口部および上記第2開口部を接続する接続経路が設けられたものであり、上記接続経路が設けられた板状体と、上記第1開口部および上記第2開口部のうち少なくとも上記第1開口部が設けられ、上記第1開口部が第1被取付部材の流体経路に連通するように上記板状体を第1被取付部材に接合する接合層と、を備える。上記接合層と上記板状体とが並ぶ第1方向に沿って見た場合に、上記第1方向に沿って上記接続経路を投影した投影像の輪郭線の内側に向けて張り出す第1張出部を上記接合層が有するように、上記第1開口部は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置されている。上記第2開口部は、上記接合層に設けられていている。前記板状体は、前記第1方向において互いに表裏関係にある第1主面および第2主面を有する。前記接続経路は、前記第1主面に開口する開口形状を有する。前記接合層は、前記第1開口部および前記第2開口部が前記第1方向において前記接続経路に重なる部分を除いて前記接続経路を覆うように前記第1主面側に設けられている。
本開示に基づく健康機器用流路形成部材は、被供給体に流体を供給するための流路を含み、上記流路の一端側に位置する第1開口部、上記流路の他端側に位置する第2開口部、ならびに、上記第1開口部および上記第2開口部を接続する接続経路が設けられたものであり、上記接続経路が設けられた板状体と、上記第1開口部および上記第2開口部のうち少なくとも上記第1開口部が設けられ、上記第1開口部が第1被取付部材の流体経路に連通するように上記板状体を第1被取付部材に接合する接合層と、を備える。上記接合層と上記板状体とが並ぶ第1方向に沿って見た場合に、上記第1方向に沿って上記接続経路を投影した投影像の輪郭線の内側に向けて張り出す第1張出部を上記接合層が有するように、上記第1開口部は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置されている。上記健康機器用流路形成部材は、前記第2開口部が設けられ、前記第2開口部が第2被取付部材の流体経路に連通するように前記板状体を第2被取付部材に接続する接続層をさらに備える。前記板状体は、前記第1方向に互いに表裏関係にある第1主面および第2主面を有する。前記接合層は、前記第1主面側に設けられ、前記接続層は、前記第2主面側に設けられている。前記接続経路は、前記第1主面に開口する開口形状を有する。前記接合層は、前記第1開口部が前記第1方向において前記接続経路に重なる部分を除いて前記接続経路を覆うように前記第1主面側に設けられる。
本開示に基づく健康機器用流路形成部材は、被供給体に流体を供給するための流路を含み、上記流路の一端側に位置する第1開口部、上記流路の他端側に位置する第2開口部、ならびに、上記第1開口部および上記第2開口部を接続する接続経路が設けられたものであり、上記接続経路が設けられた板状体と、上記第1開口部および上記第2開口部のうち少なくとも上記第1開口部が設けられ、上記第1開口部が第1被取付部材の流体経路に連通するように上記板状体を第1被取付部材に接合する接合層と、を備える。前記接続経路は、前記板状体の内部に設けられた主経路部、前記第1開口部と前記主経路部とを接続する第1副経路部、および前記第2開口部と前記主経路部とを接続する第2副経路部を含む。前記第1方向に沿って見た場合に、前記第1副経路部を規定しつつ前記主経路部よりも内側に突出する第1突出部を前記板状体が有するように、前記第1副経路部が前記主経路部の内側に配置される。前記第1張出部は、前記第1突出部に支持される。前記第2開口部は、前記接合層に設けられている。前記第1方向に沿って見た場合に、前記投影像の前記輪郭線の内側に向けて張り出す第2張出部を前記接合層が有するように、前記第2開口部は前記輪郭線から距離を持って前記輪郭線の内側に配置される。前記第1方向に沿って見た場合に、前記第2副経路部を規定しつつ前記主経路部よりも内側に突出する第2突出部を前記板状体が有するように、前記第2副経路部が前記主経路部の内側に配置される。前記第2張出部は、前記第2突出部に支持される。
本開示に基づく健康機器用流路形成部材は、被供給体に流体を供給するための流路を含み、上記流路の一端側に位置する第1開口部、上記流路の他端側に位置する第2開口部、ならびに、上記第1開口部および上記第2開口部を接続する接続経路が設けられたものであり、上記接続経路が設けられた板状体と、上記第1開口部および上記第2開口部のうち少なくとも上記第1開口部が設けられ、上記第1開口部が第1被取付部材の流体経路に連通するように上記板状体を第1被取付部材に接合する接合層と、を備える。上記接続経路は、上記板状体の内部に設けられた主経路部、上記第1開口部と上記主経路部とを接続する第1副経路部、および上記第2開口部と上記主経路部とを接続する第2副経路部を含む。上記第1方向に沿って見た場合に、上記第1副経路部を規定しつつ上記主経路部よりも内側に突出する第1突出部を上記板状体が有するように、上記第1副経路部が上記主経路部の内側に配置される。上記第1張出部は、上記第1突出部に支持される。上記第1方向に沿って見た場合に、上記投影像の上記輪郭線の内側に向けて張り出す第2張出部を上記接続層が有するように、上記第2開口部は上記輪郭線から距離を持って上記輪郭線の内側に配置される。上記第1方向に沿って見た場合に、上記第2副経路部を規定しつつ上記主経路部よりも内側に突出する第2突出部を上記板状体が有するように、上記第2副経路部が上記主経路部の内側に配置され、上記第2張出部は、上記第2突出部に支持される。
本開示に基づく健康機器用流路形成ユニットは、上記の健康機器用流路形成部材と、上記健康機器用流路形成部材が取り付けられた上記第1被取付部材と、を備える。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成ユニットにあっては、上記第1被取付部材は、上記健康機器用流路形成部材が取り付けられる第1被取付面を有することが好ましい。この場合には、上記第1被取付面は、上記第1方向に沿って見た場合に上記第1張出部に重なる領域に、上記第1開口部を囲むように設けられ、かつ、第1方向において上記健康機器用流路形成部材から離れる方向に窪む溝部を有することが好ましい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成ユニットにあっては、上記第1被取付部材が、流体を供給する流体供給源であることが好ましい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成ユニットにあっては、上記第2開口部が第2被取付部材の流体経路に連通するように上記健康機器用流路形成部材が取り付けられた上記第2被取付部材をさらに備えることが好ましい。
上記本開示に基づく健康機器用流路形成ユニットにあっては、上記第2被取付部材は、上記健康機器用流路形成部材から中継して被供給体に流体を供給する中継部材であることが好ましい。
本開示に基づく健康機器は、上記の健康機器用流路形成ユニットと、上記健康機器用流路形成ユニットから流体が供給される流体袋とを備える。
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。