JP6893944B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、カプリルヒドロキサム酸、増粘剤及び有機酸を含む皮膚外用剤に関する。
ヒアルロン酸、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コラーゲンのような増粘効果を持つ水溶性高分子は皮膚外用剤の汎用原料であり、その優れた増粘作用とクッション性などの使用感は極めて有用であり、皮膚外用剤の乳化安定化や粘度安定化の目的でも使用されている。
しかしながら、近年の皮膚外用剤で好まれる弱酸性皮膚外用剤を調整するために、有機酸を配合する事により、著しく減粘してしまう問題があった。
そのため、粘度の安定化をはかる目的で水溶性高分子を多く配合すると、よれやもたつきなどで使用感が悪くなる等の問題があった。
また、これらの水溶性高分子は光によって加水分解されやすいため、その使用に際しては、容器などに遮光性の措置を施し、使用しなければならない問題があった。この様な措置のためには容器に着色剤や、紫外線吸収剤等を含有させることが必要であり、容器作成の自由度が失われるため、光安定性に優れる製剤の開発が望まれていた。
一方、カプリルヒドロキサム酸は、防腐効果を持つこと(文献1)、5αレダクターゼ阻害活性を持つこと(文献2)、ADAM活性を阻害してシワを改善すること(文献3)、さらにはクエン酸と同様に、2価、3価鉄のキレート効果を持つこと(文献4、文献5)が知られている。
しかしながら、カプリルヒドロキサム酸と増粘剤とを組み合わせると、光安定性に優れる皮膚外用剤が得られることは知られていなかった。
WO2009−70736号 特開2011−6462号 再公表2009−123215号 特開平07-238037号 油化学、第32巻、第11号、p695−699、1983年
本発明は、粘度安定性が高く、さらに美白効果も併せ持つ皮膚外用剤を提供することを目的とする。
また、光照射による影響が抑制されているため、本発明の皮膚外用剤は、品質管理し易い透明性の高い容器に充填することができ得る。
本発明者らはヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩、カルボキシビニルポリマー、その誘導体、又はそれらの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コラーゲン等の水溶性高分子と、有機酸又はその塩とに、カプリルヒドロキサム酸を配合する事により、粘度変化を抑制し、所定の使用感を維持し得ることを見出し、さらには美白効果を持つことを見出して本発明に至った。
項.1(A)カプリルヒドロキサム酸又はその塩、(B)水溶性高分子、及び(C)有機酸又はその塩を含有する皮膚外用剤。
項.2(B)水溶性高分子が、ヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩、カルボキシビニルポリマー、その誘導体、又はそれらの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コラーゲンから選ばれる1種以上である、項1に記載の皮膚外用剤。
項.3(C)有機酸がコハク酸、クエン酸、乳酸、及びそれらの塩から選ばれる1種以上である、項1又は2に記載の皮膚外用剤。
項.4さらにアルカンジオールを含有する、項1〜3に記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、粘度安定性がよく、美白効果を有する。
本発明におけるカプリルヒドロキサム酸又はその塩は、市販品をそのまま用いてもよい。用い得る市販品としては、たとえば、商品名Spectrastat、SpectrastatE、SpectrastatG&G2(INOLEX社)等を例示することができる。
本発明におけるカプリルヒドロキサム酸又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.00001重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらに好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。
また、本発明におけるカプリルヒドロキサム酸又はその塩の含有量は、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらに好ましく、0.05重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
本発明における水溶性高分子には、ヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩、カルボキシビニルポリマー、その誘導体、又はそれらの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コラーゲン等を挙げることができ、それらは市販品をそのまま用いてもよい。用い得る市販品としては、たとえば、ヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩としては、商品名:バイオヒアルロン酸ナトリウムHA9N、バイオヒアルロン酸ナトリウムHA12N、バイオヒアルロン酸ナトリウムHA20N、バイオヒアルロン酸SZE、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム(資生堂)、商品名:ヒアルロンサンHA−AM、ヒアルロンサンHA−QSE、ヒアルロンサンHA−QA、ヒアルロンサンHA−LQ、ヒアルロンサンHA−LQH、ヒアルロンサン液HA−LQ1、ヒアルロンサン液HA−LQH1、ヒアルロンサン液HA−LQH1P、ヒアロオリゴ、ヒアロベール、ヒアロベールMPF、ヒアロリペア、ヒアロジンク(キューピー)、商品名:ヒアルロン酸FCH−SU(紀文フードケミファ)、商品名:ヒアルロン酸FCH−60、ヒアルロン酸FCH−120、ヒアルロン酸FCH−121C(キッコーマンバイオケミファ)等を例示することができ、カルボキシビニルポリマー、その誘導体、又はそれらの塩としては、商品名:カーボポール934、カーボポール940、カーボポール1342(BFグッドリッチ)、商品名:カーボポールUltrez10、ETD2050、カーボポール980、カーボポール981、(日本ルーブリゾール)、商品名:AQUPEC HV−505E(住友精化)、商品名:ハイビスワコー104、ハイビスワコー105、シンタレンK、シンタレンL、(和光純薬工業)、ジュンロン(日本純薬)等を例示することができ、ヒドロキシプロピルセルロースとしては、商品名:HPC−L、HPC−H(日本曹達)、商品名:メトローズ60SH4000、メトローズ65SH4000、HPC−LEP、HPC−LEG(信越化学工業)、サンジェロース60L(大同化学工業)等を例示することができ、コラーゲンとしては、商品名:コラーゲン・トリペプチドF、(ゼライス)、商品名:プロモイスW−4000(成和化成)、商品名:ニッピペプタイドFCP(ニッピ)、商品名:イクオスHDL−500C、マリンジェンSP−03(新田ゼラチン)、商品名:シージェムマルチコラーゲン(片倉チッカリン)等を例示することができる。
本発明に使用されるヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩の分子量は、繰り返し単位の数や、種類によって様々であり、限定はされないが、重量平均分子量において数百〜数百万であり得る。ヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩の効果を十分に発揮する観点から、重量平均分子量において、10万〜500万であることが好ましく、50万〜400万であることがより好ましく、60万〜250万であることがさらに好ましい。
本発明における水溶性高分子の含有量は、組成物の全量に対して、0.00001重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらに好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。
また、本発明における水溶性高分子の含有量は、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
本発明におけるカプリルヒドロキサム酸に対する水溶性高分子の含有量は、カプリルヒドロキサム酸1重量部に対して、0.00001重量部以上が好ましく、0.0001重量部以上がより好ましく、0.001重量部以上がさらに好ましく、0.01重量部以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、カプリルヒドロキサム酸又はその塩の美白効果が充分に発揮できる。
また、本発明におけるカプリルヒドロキサム酸に対する増粘剤の含有量は、カプリルヒドロキサム酸1重量部に対して、10重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましく、0.5重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
本発明における有機酸及びその塩から選ばれる1種以上は、コハク酸、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸トリエタノールアミン、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸トリエタノールアミン等を挙げることができ、市販品をそのまま用いてもよい。
本発明における有機酸又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.00005重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.005重量%以上がさらに好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、カプリルヒドロキサム酸又はその塩の美白効果が充分に発揮できる。
また、本発明における有機酸又はその塩の含有量は、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
本発明におけるカプリルヒドロキサム酸に対する有機酸又はその塩の含有量は、カプリルヒドロキサム酸1重量部に対して、0.00001重量部以上が好ましく、0.0001重量部以上がより好ましく、0.001重量部以上がさらに好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、カプリルヒドロキサム酸又はその塩の美白効果が充分に発揮できる。
また、本発明におけるカプリルヒドロキサム酸に対する有機酸又はその塩の含有量は、カプリルヒドロキサム酸1重量部に対して、40重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、1重量部以下がさらに好ましく、0.5重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
本発明におけるアルカンジオールは、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等を挙げることができ、市販品をそのまま用いてもよい。たとえば、ペンタンジオールとしては、商品名HYDROLITE−5(シムライズ)、HYALU−CAGE SYSTEM(IRA srl)等を例示することができ、ヘキサンジオールとしては、たとえば商品名:KMO−6(大阪有機化学工業)、HYDROLITE−60(感光社)等を例示することができ、オクタンジオールとしては、たとえば商品名:HYDROLITE−8、オーディーエイト(感光社)等を例示することができる。
本発明におけるアルカンジオールの含有量は、組成物の全量に対して、0.00001重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらに好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。
また、本発明におけるアルカンジオールの含有量は、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
本発明におけるカプリルヒドロキサム酸に対するアルカンジオールの含有量は、カプリルヒドロキサム酸1重量部に対して、0.00001重量部以上が好ましく、0.0001重量部以上がより好ましく、0.0005重量部以上がさらに好ましく、0.001重量部以上がさらにより好ましい。
また、本発明におけるカプリルヒドロキサム酸に対するアルカンジオールの含有量は、カプリルヒドロキサム酸1重量部に対して、5重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましく、0.5重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物中に安定に配合することができる。
基剤または担体
本発明において、外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品や医薬部外品に使用されるその他の公知の基剤または担体を含むことができる。基剤または担体は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
基剤または担体としては、パラフィン、流動パラフィン、スクワラン、白ロウ、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、セレシン、ワセリン、ハードファット、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸のような脂肪酸;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなトリ脂肪酸グリセリド;セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、ジメチルポリシロキサンのようなシリコーン油;エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート、ヘキシレングリコールジアセタート、および2−メチル−2−プロペン−1,1−ジオールジアセタートのようなグリコールアセタート;トリエチレングリコールジバレラート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチラート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチラートのようなグリコールエステル;エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、プロピレングリコールモノアクリラート、2,2−ジメチル−トリメチレングリコールジアクリラート、および1,3−ブチレングリコールジアクリラートのようなグリコールアクリラート;エチレングリコールジニトラート、ジエチレングリコールジニトラート、トリエチレングリコールジニトラート、およびプロピレングリコールジニトラートのようなグリコールジニトラート;2,2′−[1,4−フェニレンジオキシ]ジエタノール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスエリットのようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;水等の水系基剤等をあげることができる。
なかでも、炭化水素(特に、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、軽質流動パラフィン、流動パラフィン)、トリ脂肪酸グリセリド(特に、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、高級アルコール(特に、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)、シリコーン油(特に、メチルポリシロキサン、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、ジメチルポリシロキサン)、エステル類(特に、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット)、多糖類(特に、デキストリン、マルトデキストリン)、グリコールエーテル(特に、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、水が好ましい。
添加剤 本発明において、外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品や医薬部外品に添加される公知の添加剤、たとえば、増粘剤、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料、パール光沢付与剤等を添加することができる。添加剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
増粘剤としては、たとえば、デキストリン脂肪酸エステル等の油溶性高分子をあげることができる。
界面活性剤としては、たとえば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸のようなグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤等をあげることができる。
なかでも、グリセリン脂肪酸類(特に、モノステアリン酸グリセリル)、ポリグリセリン脂肪酸類(特に、モノステアリン酸ポリグリセリル)、硬化ヒマシ油誘導体(特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(特に、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60))、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンセチルエーテル)、シリコーン系界面活性剤(特に、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)が好ましい。
保存剤、防腐剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール等をあげることができる。なかでも、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノールが好ましい。
pH
本発明の外用組成物のpHは、2.5以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらにより好ましい。また、9以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、安定な製剤が作成できる。
製剤形態
本発明の外用組成物は、カプリルヒドロキサム酸及びその塩、水溶性高分子及び有機酸を、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に通常使用される薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体、及び必要に応じて医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に通常使用される添加剤と共に混合して、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の外用組成物とすることができる。
医薬品用の外用組成物の形態は特に限定されず、たとえば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤等が挙げられる。これらの製剤は、第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合も、上記の医薬品と同様の形態にすることができる。また、それ以外にも、スティック剤、及び不織布に薬液を含浸させたシート剤等が挙げられる。
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、たとえば化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、リップクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;ファウンデーション、口紅、チークカラー、及びアイカラーのようなメイクアップ化粧料;並びに洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料等が挙げられる。また、これら基礎化粧料、メイクアップ化粧料、及び洗浄用化粧料等の製剤機能を少なくとも2つ以上を1つの製剤にまとめた多機能型製剤も挙げられる。
その他の有効成分
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。
その他の有効成分の具体例としては、たとえば、保湿成分、抗菌又は殺菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、及び収斂成分、紫外線防御成分等が挙げられる。
保湿成分としては、たとえば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、及びジグリセリンのような多価アルコール;グルコース、マルトース、及びトレハロースのような糖類;ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、及びキトサンのような高分子化合物;
グリシン、及びアスパラギン酸のようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、及びピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、及びリン脂質のような脂質;並びにカミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、及びシソエキスのような植物抽出エキス等が挙げられる。
抗菌又は殺菌成分としては、たとえば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、イオウ、レゾルシン、エタノール、塩化ベンゼトニウム、アダパレン、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、
ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、グリセリン脂肪酸エステル、塩酸アルキルジアミノグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、パラフェノールスルホン酸亜鉛、及びアゼライン酸等が挙げられる。
ビタミン類としては、たとえば、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、及びニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロール等のビタミンD類;フィロキノン、及びファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、及びプテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、及びビオチン等のビオチン類;並びにカルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、γ−オリザノール等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、たとえば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、並びにアシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、及びパルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、たとえば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、及びクレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、たとえば、γ-アミノ酪酸、及びε-アミノカプロン酸等のアミノ酸類;チアミン、リボフラビン及びパントテン酸類等のビタミン類;グリコール酸、及び乳酸等のα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、並びに感光素301号等が挙げられる。
老化防止成分としては、たとえば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、及びメバロノラクトン等が挙げられる。
血行促進作用成分としては、たとえば、植物(たとえば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、及びトウモロコシ)に由来する成分;並びにグルコシルヘスペリジン等が挙げられる。
角質軟化成分としては、たとえば、尿素、サリチル酸、グリコール酸、フルーツ酸、フィチン酸、及びイオウ等が挙げられる。
収斂成分としては、たとえば、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、メントール、及びエタノール等が挙げられる。
紫外線防御成分としては、たとえば、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
その他の有効成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、本発明における美白効果とは、皮膚のくすみやしみ、肝斑等に特に関係しているメラニン色素等による皮膚の色素沈着を改善、抑制・低減・防止、予防、または遅延させるものをいう。上記美白剤は、皮膚を白く保つ美白作用を有している。
なお、本発明におけるメラニン産生抑制剤とは、メラニン産生を阻害、抑制、防止、予防または低下させるものをいう。
使用方法
本発明の外用組成物は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別等によって異なるが、たとえば以下の方法とすればよい。即ち、1日数回(たとえば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、1回当たり適量(たとえば、約0.05〜5g)を皮膚に塗布すればよい。また、カプリルヒドロキサム酸の1日使用量が、たとえば、約0.0005〜0.05g、好ましくは約0.001〜0.02g、より好ましくは約0.002〜0.01gとなるように外用組成物を塗布すればよい。
また、塗布期間は、特に制限はないが、たとえば、約2週間〜6ヶ月、好ましくは約1〜6ヶ月間とすればよい。
本発明の外用組成物は、カプリルヒドロキサム酸の生理活性を期待して、種々の皮膚疾患や皮膚トラブルを有する人に好適に使用できる。特に、シワ、タルミを有する人、皮膚のキメが乱れている人、敏感肌の人が好適な対象となる。また、特に非光老化による皮膚トラブルの予防のため、正常な皮膚を有する人も好適な使用対象となる。さらに、紫外線からの皮膚の保護、日焼けの予防等のための日焼け止め化粧料としても好適に使用することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例1、2、4、5、7〜13は参考例とする。
試験例1 粘度安定性試験
表1−1〜表2−3に従い各試験液を調製した。試験液をそれぞれガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に10mLずつ充填し、光安定性試験装置(「Light−Tron LT−120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用い、D65蛍光ランプを光源として、25℃条件下において、5000lxで約120時間(合計60万lx・hr)の光照射を行った後、25℃における粘度を、以下の測定条件で測定した。
測定には第16改正日本薬局方 一般試験法 粘度測定法 第2法回転粘度計法に記載されている「(2)円すい−平板回転粘度計(コーンプレート型粘度計)」の試験法に準拠して、RE85(東機産業)を用いた。
測定条件 温度25℃、回転数20rpm、ローター1°34’x24
測定値 1分間ごとの粘度を3分まで計測したものの平均値の粘度を測定値とした。
未照射試料及び照射試料のそれぞれの粘度を測定し、未照射試料の粘度を100として、照射後の粘度を相対粘度で表して粘度保持率とし、変化量を比較した。
粘度保持率(%) =(照射試料の粘度)/(未照射試料の粘度)×100
基本的には、図1に示すように、円すい1と平円板2との間の角度αの隙間に試料を入れ、円すい1又は平円板2を一定の角速度ω若しくはトルクTで回転させ、定常状態に達したときの平円板2又は円すい1が受けるトルク若しくは角速度を測定し、試料の粘度ηを次式により算出する。
η =100×(3α/2πR3)・(T/ω)
η :試料の粘度(mPa ・s)(Pa ・s =103 mPa・s )
α :平円板2と円すい1がなす角度(rad)
π :円周率
R :円すいの半径(cm)
T :平円板2又は円すい1面に作用するトルク(10-7N・m)
ω :角速度(rad/s)
図1
Figure 0006893944
表1−1 単位:w/w%
Figure 0006893944
表1−2 単位:w/w%
Figure 0006893944
表1−3 単位:w/w%
Figure 0006893944
クエン酸、コハク酸緩衝液中ではヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度が低下したが、カプリルヒドロキサム酸を配合することにより粘度低下が抑制された。しかし、リン酸緩衝液中においてはヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度低下は起こらず、よってカプリルヒドロキサム酸を配合しても変化がなかった。
1,2−オクタンジオールを加えると、さらに安定性が改善した。
表2−1 単位:w/w%
Figure 0006893944
表2−2 単位:w/w%
Figure 0006893944
クエン酸、コハク酸、乳酸の濃度を低くした時でも、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーと配合すると粘度低下が起きたが、カプリルヒドロキシサム酸を配合する事により粘度安定性が良くなった。
試験例2 メラニン産生抑制評価
マウス由来メラノーマ細胞を用いたメラニン産生抑制試験を行った。
具体的には、マウス由来メラノーマ細胞を、10%FBS含有DMEM培地を用いて、1.5×104cell/wellの密度で6ウェルプレートに播種し、37℃、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で1日間培養した。その後、培地交換を行うと共に、各濃度にエタノールにより調製したカプリルヒドロキサム酸、またはコントロールとしてエタノールをそれぞれ15μLずつ加え、さらに各濃度に蒸留水により調整したクエン酸、コラーゲン、ヒアルロン酸ナトリウムをそれぞれ60μ\ochLずつ添加した。同条件下において3日間培養した後、上清を除去し、PBS(−)で1回洗浄した。その後、5N NaOHを400μL添加し、60℃で2時間加温することで細胞を溶解させ、475nmの吸光度を測定することによりメラニン産生量を求めた。これを測定値(被験試料測定値、コントロール測定値)とし、コントロール値に対するメラニン産生率として次式(式1)により求めた。
また、細胞溶解液25μLずつを96well plateに採取し、BCA protein assay kitにより蛋白量を測定することで、細胞生存率を求めた。これを測定値(被験試料測定値、コントロール測定値)とし、コントロール値に対する細胞生存率として次式(式2)により求めた。
さらに、式1で求めたメラニン産生率を、それに対応する細胞生存率で割ることにより、式3により単位蛋白あたりのメラニン産生率を求めた。
式1:メラニン産生率=[(被験物質の475nmにおける吸光度)/(コントロールの475nmにおける吸光度)]×100(%)
式2:細胞生存率=[(被験物質の蛋白量)/(コントロールの蛋白量)]×100(%)
式3:単位蛋白あたりのメラニン産生率(%)=(式1で求めたメラニン産生率)/(対応する試験例の細胞生存率)
表3−1 単位蛋白あたりのメラニン産生率
Figure 0006893944
表3−2 単位蛋白あたりのメラニン産生率
Figure 0006893944
各成分、2成分での組み合わせではメラニン産生は抑制されなかったが、3成分を含むことで、メラニン産生が抑制された。
以下に、処方例を示す。調合方法は常法に準じる。
処方例1(化粧水)
グリセリン 3
エタノール 3
カプリルヒドロキシサム酸 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
コハク酸 0.3
コハク酸ナトリウム 0.5
精製水 残量
合計 100重量%
処方例2(ジェル)
グリセリン 5
1,3−ブチレングリコール 5
カルボキシビニルポリマー 0.3
アルギニン 0.3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
カプリルヒドロキシサム酸 0.05
乳酸(70%溶液) 0.5
精製水 残量
合計 100重量%
処方例3(化粧水)
カプリルヒドロキシサム酸 0.05
トラネキサム酸 2
サリチル酸 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
濃グリセリン 2
1,3−ブチレングリコール 10
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.2
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
クエン酸ナトリウム 0.1
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%
処方例4(化粧水)
アスコルビン酸グルコシド 2
サリチル酸 0.05
濃グリセリン 3
プロピレングリコール 5
ソルビトール 1
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
0.5
キサンタンガム 0.05
ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション 0.3
加水分解ヒアルロン酸 0.1
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.01
カプリルヒドロキシサム酸 0.1
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
クエン酸 0.05
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%
処方例5(乳液)
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
アルブチン 0.1
ジプロピレングリコール 5
1,3−ブチレングリコール 8
濃グリセリン 3
モノステアリン酸グリセリン 1
カルボキシビニルポリマー 0.2
キサンタンガム 0.05
メドウフォーム油 5
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
メチルポリシロキサン 1
トリエタノールアミン 0.1
トコフェロール 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
カプリルヒドロキシサム酸 0.05
コハク酸 0.1
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%
処方例6(クリーム)
トラネキサム酸 1
アルブチン 3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.15
ジプロピレングリコール 8
ジグリセリン 5
濃グリセリン 3
ヒドロキシエチルウレア 3
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5
モノステアリン酸グリセリン 0.4
セトステアリルグルコシド・セトステアリルアルコール 1.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.5
メドウフォーム油 0.5
スクワラン 3
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.5
メチルポリシロキサン 1
ベヘニルアルコール 0.2
ステアリルアルコール 0.3
キサンタンガム 0.2
水酸化ナトリウム 0.2
カプリルヒドロキシサム酸 0.05
乳酸ナトリウム 0.1
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%
本発明の外用組成物は、カプリルヒドロキシサム酸、水溶性高分子、及び有機酸又はその塩を含み、粘度安定性、美白効果に優れるため、商品価値が高いものである。

Claims (4)

  1. (A)カプリルヒドロキサム酸又はその塩、(B)ヒアルロン酸、その誘導体、又はそれらの塩、カルボキシビニルポリマー、その誘導体、又はそれらの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びコラーゲンから選ばれる1種以上の水溶性高分子、(C)有機酸又はその塩、及び(D)ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びオクタンジオールから選ばれる1種以上のアルカンジオールを含有する皮膚外用剤であって、(B)水溶性高分子の含有量が皮膚外用剤の全量に対して0.00001重量%以上5重量%以下であり、(D)アルカンジオールの含有量が皮膚外用剤の全量に対して0.00001重量%以上1重量%以下であり、
    (C)有機酸又はその塩が、コハク酸、クエン酸、乳酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上である皮膚外用剤。
  2. 線状セルロース粒子(linear cellulose particles)を含む組成物を除く、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 硫酸化セルロース及びその塩から選ばれる1種以上と、多価アルコールとを含有する組成物を除く、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. (A)カプリルヒドロキサム酸又はその塩の含有量が皮膚外用剤の全量に対して0.00001重量%以上5重量%以下であり、(C)有機酸又はその塩の含有量が皮膚外用剤の全量に対して0.00005重量%以上5重量%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
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