JP6891445B2 - ワイヤレスセンサ付き軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、発電機構を有するワイヤレスセンサ付き軸受に関する。
ワイヤレスセンサ付き軸受の従来例としては、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載されたワイヤレスセンサ付き軸受では、転がり軸受の軸受空間を密封するシールにセンサユニットを設けている。このセンサユニットは、転がり軸受の状態情報を検出するセンサと、このセンサが検出した情報を取り扱う情報取扱手段と、情報取扱手段およびセンサを駆動可能な発電機能を有する電源を有する。
つまり、特許文献1に記載された発明は、既存の転がり軸受のシールをセンサユニット付きのシールに交換するだけで、発電機能を有するワイヤレスセンサ付き軸受を得ることを目指したものと言える。
しかし、特許文献1には、電源に関して、熱発電素子であるゼーベック素子や振動発電素子であるエレクトレット素子を用いた発電機構が適用できると記載されている。これらの発電機構では、転がり軸受の使用初期の低速回転時には、シール表裏面での温度差やシールに生じる振動が小さいことから、必要な電力を得ることが難しい。
また、ワイヤレスセンサ付き軸受の発電機構については、例えば、特許文献2に、内輪よび外輪の一方に、周方向に沿ってN極とS極が交互に配置された環状の磁石を固定し、この磁石と軸方向で対向する環状の導体を他方に固定し、磁石と導体との相対回転により起電力を生じさせる技術も開示されている。これらの環状の磁石および導体は、既存の転がり軸受の構成部品に追加で必要となるものである。
特開2012−149716号公報 特開2003−97582号公報
この発明の課題は、発電機能を有するワイヤレスセンサ付き軸受として、既存の転がり軸受の構成部品の交換などにより簡単に得られ、使用初期や低速回転時であっても必要な電力が得られてセンサ機能が発揮できるものを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様であるワイヤレスセンサ付き軸受は、下記の構成(1) 〜(7) を有する。
(1) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、内輪軌道面と対向配置される外輪軌道面を内周面に有する外輪と、内輪軌道面と外輪軌道面とで形成される軌道に配置された転動体と、を有する。
(2) 転動体を回転自在に保持するポケットを有する保持器を有する。この保持器は環状体からなり、ポケットは環状体の周面を貫通し、ポケットは環状体の周方向に複数個形成され、ポケットの環状体の軸方向両端側が閉塞されている。
(3) 複数の磁石を有する。この磁石は、保持器のポケット同士の間に、環状体の周方向で各磁石のN極とS極が隣り合うように固定されている。
(4) 内輪と外輪との間を軸方向一端部で密封する第一シールを有する。第一シールは保持器に対して相対回転する。第一シールの磁石との対向面に固定されたコイルを有する。内輪と外輪との間を軸方向他端部で密封する第二シールを有する。
(5) 内輪、外輪、および第一シールのいずれかに設置されたセンサを有する。
(6) 第一シールに形成された回路部を有する。この回路部は、磁石とコイルとの相対回転による電磁誘導でコイルに生じた電流を電源供給部へ供給する電源回路と、センサで検出された検出情報から検出値を演算する演算回路と、演算結果を示す無線信号を作成する無線回路と、を備えている。
(7) 無線信号を送信するアンテナを有する。
この発明のワイヤレスセンサ付き軸受によれば、既存の転がり軸受の保持器とシールを交換するだけで簡単に得られ、使用初期や低速回転時であっても必要な電力が得られてセンサ機能が発揮できる。
実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受を示す断面図である。 実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受を構成する磁石、保持器、およびヨークを示す斜視図である。 保持器を構成する第一分割体を示す斜視図(a)と、第二分割体を示す斜視図(b)である。 実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受から第一シールおよび保持器の第二分割体を外した状態を示す斜視図(a)と、保持器の第二分割体を示す斜視図(b)と、第一シールの芯金を示す斜視図(c)である。 実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受が有する回路構成を示す模式図である。 冠型保持器を用いた場合(a)と実施形態の保持器を用いた場合(b)を比較して説明する図である。 第一分割体と第二分割体を磁石で結合する第一例を説明する図である。 第一分割体と第二分割体を磁石で結合する第二例を説明する図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。
また、以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
図1に示すように、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、内輪1、外輪2、ボール(転動体)3と、保持器4と、八個(複数個、偶数個)の磁石5と、ヨーク6と、第一シール7と、第二シール7Aを有する。
内輪1の外周面には、軸方向中央部に内輪軌道面11が形成され、軸方向両端部にシール配置用の周溝12が形成されている。外輪2の内周面には、軸方向中央部に外輪軌道面21が形成され、軸方向両端部にシール取付溝22が形成されている。内輪軌道面11と外輪軌道面21が対向配置され、内輪軌道面11と外輪軌道面21とで形成される軌道に、ボール3が配置されている。
図2に示すように、保持器4は環状体からなり、ボール3を回転自在に保持するポケット41を有する。ポケット41は保持器4の周面を貫通する。ポケット41は保持器4の周方向に八個(複数個、偶数個)形成されている。ポケット41の環状体軸方向両端側が閉塞されている。保持器4の隣り合うポケット41間の部分(柱部)42に、軸方向に伸びる貫通穴43が形成されている。
貫通穴43の内面は、保持器4の外周側の大径面43aと、内周側の小径面43bと、保持器4の径方向に沿った面であって周方向で対向する一対の対向面43c,43dとからなる。貫通穴43は全ての柱部42に一つずつ形成されている。保持器4の軸方向一端面40とは反対側の軸方向他端面44に、軸方向に凹む円環状の凹部44aが形成されている。
また、保持器4は、環状体の軸方向で分割された第一分割体401および第二分割体402が結合されたものである。第一分割体401の軸方向寸法は第二分割体402の軸方向寸法より大きい。図3では、第一分割体401および第二分割体402が分割面を手前にして描かれている。
図3に示すように、保持器4のポケット41は、第一分割体401のポケット部411と第二分割体402のポケット部412に分割されている。柱部42は、第一分割体401の柱部421と第二分割体402の柱部422に分割されている。貫通穴43は、第一分割体401の貫通穴431と第二分割体402の貫通穴432に分割されている。
貫通穴43の内面の大径面43aは、第一分割体401の貫通穴431の大径面431aと、第二分割体402の貫通穴432の大径面432aとに分割されている。貫通穴43の内面の小径面43bは、第一分割体401の貫通穴431の小径面431bと、第二分割体402の貫通穴432の小径面432bとに分割されている。貫通穴43の内面の一対の対向面43c,43dは、第一分割体401の貫通穴431の対向面431c,431dと、第二分割体402の貫通穴432の対向面432c,432dとに分割されている。。
柱部421,422の互いに向かい合う軸方向端面(貫通穴431,432の周囲の部分)421a,422aが、保持器4の分割面となっている。凹部44aは、第一分割体401の分割面421aとは反対側の面(保持器4の軸方向他端面44となる面)に形成されている。
第二分割体402の分割面422aから二対四本のピン45が突出し、各ピン45が嵌まる穴46が、第一分割体401の分割面421aに形成されている。各ピン45を対応する各穴46に嵌めて分割面421aと分割面422aを密着させ、熱圧着することで、第一分割体401および第二分割体402が結合され、保持器4が組み立てられる。
なお、第一分割体401は、通常の転がり軸受で使用される冠型保持器(環状体からなり、環状体の周面を貫通するポケットを有し、ポケットの環状体軸方向一端側が開放されている保持器)と同じである。
磁石5は、ネオジム磁石であり、全ての貫通穴43に一つずつ、図2に示すように、保持器4の軸方向に沿ってN極とS極が並び、保持器4の周方向で各磁石のN極とS極が隣り合うように配置されている。磁石5の形状は保持器4の貫通穴43の内面に対応する形状である。磁石5は、貫通穴43の大径面43aに対応する外面51と、貫通穴43の小径面43bに対応する内面52と、貫通穴43の一対の対向面43c,43dに対応する外面53,54と、保持器4の軸方向一端面40側の軸方向一端面55と、その反対側の面である軸方向他端面56を有する。
磁石5の軸方向一端面55と軸方向他端面56との距離(軸方向に沿った寸法)は、保持器4の軸方向寸法より僅かに小さく、第一分割体401の柱部421の軸方向寸法より大きい。そのため、図1、図3(a)、図4(a)に示すように、貫通穴43に配置された磁石5は、第一分割体401の分割面421a(冠型保持器の軸方向一端面)から突出する。また、図1に示すように、貫通穴43に配置された磁石5は、保持器4の軸方向一端面40からは突出しない。
図2に示すように、ヨーク6は円環状の金属板であって、保持器4の凹部44aに嵌合する寸法を有する。図1に示すように、ヨーク6は凹部44aに嵌合されて、貫通穴43に配置された磁石5の軸方向他端面56に接触している。ヨーク6は電磁鋼等の比透磁率の高い材料で形成されている。
磁石5およびヨーク6の劣化を防ぐために、磁石5およびヨーク6の表面をフッ素ゴム被膜またはパリレン(ポリパラキシレンの通称)の蒸着膜で覆うことが好ましい。
保持器4を構成する第一分割体401および第二分割体402は、それぞれ6,6−ナイロン等の非磁性材料で形成されている。第一分割体401および第二分割体402は、同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。第一分割体401および第二分割体を射出成形で作製する場合、磁石5とヨーク6を金型に配置して一体成形することが好ましい。射出成形された第一分割体401の貫通穴431に磁石5を入れて接着し、射出成形された第二分割体の凹部44aにヨーク6を嵌めて接着してもよい。
第一シール7は、図1に示すように、芯金71とゴム製のシール部72とからなる。図1および図4(c)に示すように、第一シール7の芯金71の内側面(磁石5との対向面)71aに、複数個のコイル8と一つの回路基板9が固定されている。芯金71は電磁鋼等の比透磁率の高い材料で形成されている。芯金71の内側面71aに絶縁膜が形成されている。シール部72は、ゴム製に限らず、6,6ナイロン製やステンレス鋼などの非磁性金属製であってもよい。
コイル8の芯金81は電磁鋼等の比透磁率の高い材料で形成されている。コイル8と磁石5の相対回転で生じる電磁誘導による発電量を向上させるために、コイル8は、薄膜コイルが積層されたものを使用してもよいし、直径が0.025mm以下の金属線が巻かれたものを使用してもよい。
第一シール7は、図1に示すように、シール部72の内周部を内輪1の周溝12に配置し、シール部72の外周部を外輪2のシール取付溝22に弾性変形状態で嵌め入れることで、内輪1と外輪2との間に設置されている。つまり、第一シール7は外輪2に固定されている。
第二シール7Aは、図1に示すように、芯金71Aとゴム製のシール部72とからなる通常のシールである。第二シール7Aは、シール部72の内周部を内輪1の周溝12に配置し、シール部72の外周部を外輪2のシール取付溝22に弾性変形状態で嵌め入れることで、内輪1と外輪2との間に設置されている。つまり、第二シール7Aは外輪2に固定されている。
回路基板(回路部)9は、図4(c)および図5に示すように、電源回路91と制御回路92と無線回路93とアンテナ94を有する。制御回路92上に、加速度センサ、温度センサ、回転センサ、および荷重センサの少なくともいずれかのセンサ92aが設けてある。電源回路91は、電磁誘導でコイル8に生じた電流を、整流、平滑化して、電源供給部(センサ92a、制御回路92、無線回路93)へ供給するとともに、蓄電する。そのために、電源回路91は、整流回路、平滑回路、蓄電回路、蓄電用二次電池、および定電圧出力回路を備えている。
制御回路(演算回路)92は、センサ92aで検出された情報S1を演算し、演算結果を示す信号S2と演算結果の送信周期を示す制御信号S3を、無線回路93に出力する。無線回路93は、制御回路92からの演算結果を示す信号S2を、制御信号S3に従った送信周期で無線信号に変換して、アンテナ94に出力する。アンテナ94は、演算結果(センサ92aで検出された情報)を示す無線信号を所定周期で、外部に設けた受信端末に無線送信する。
上述のように、第一シール7の芯金71の内側面71aに、複数個のコイル8と一つの回路基板9が固定されているが、さらにその上を保護カバーで覆うことが好ましい。これにより、コイル8、回路基板9、およびアンテナ94が、軸受内部に充填されたグリースや使用時に生じる摩耗粉で汚染されることが防止できる。
この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、外輪2をハウジングに固定し、内輪1に軸を嵌合して使用される。この状態で軸を回転させた場合、内輪1が保持器4とともに回転し、外輪2に固定された第一シール7は回転しない(つまり、第一シール7と保持器4は相対回転する)ため、第一シール7に固定されたコイル8と、保持器4に固定された磁石5との間に相対回転が生じる。
これに伴い、コイル8と磁石5との相対回転による磁束密度変化で電磁誘導が生じ、この電磁誘導でコイル8に生じた電流が、電源回路91で整流、平滑化されて、電源供給部(センサ92a、制御回路92、無線回路93)へ供給されるとともに、二次電池に蓄電される。
この供給された電流により、センサ92a、制御回路92、および無線回路93が駆動し、制御回路92で、センサ92aで検出された情報S1が演算され、演算結果を示す信号S2と演算結果の送信周期を示す制御信号S3が、無線回路93に出力される。これに伴い、無線回路93で、制御回路92からの演算結果を示す信号S2が、制御信号S3に従った送信周期で無線信号に変換されて、アンテナ94に出力される。その結果、アンテナ94から、センサ92aで検出された情報を示す信号が所定周期で、外部に設けた受信端末に無線送信される。
この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、既存の転がり軸受の内輪1および外輪2に対する新たな加工が不要である。また、既存の転がり軸受では二つ使用されている第二シール7Aのうちの一つを、コイル8と回路基板9が固定された第一シール7に交換するとともに、既存の転がり軸受で使用されている冠型保持器を磁石5付きの保持器4に交換することで簡単に得られる。
また、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、コイル8と磁石5と間の電磁誘導で発電を行うため、熱発電素子であるゼーベック素子や振動発電素子であるエレクトレット素子を用いた発電を行うワイヤレスセンサ付き軸受では発電が困難であった、振動の少ない使用初期や、低速回転時であっても、必要な電力が得られてセンサ機能が発揮できる。
また、第一シール7にコイル8と回路基板9を固定するとともに、保持器4の柱部42に貫通穴43を設けて、この貫通穴43に配置した磁石5を第一シール7側に突出させているため、既存の転がり軸受と比較した軸受内部空間の低下量は少ない。
また、磁石5の全部が保持器4に埋め込まれた構造となっているため、コイル8に対して垂直磁場変化の強い磁石を使用することが可能となる。その結果、磁石の埋め込み量が少ない構造のものと比較して発電効率が高くなる。
また、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、回路基板9が、演算結果を示す信号をアンテナ94が所定周期で、外部に設けた受信端末に無線送信するように構成されている。これにより、演算時および無線送信時以外には無線回路93およびアンテナ94が作動しないため、常時作動するように構成されているものと比較して、消費電力が低減できる。
さらに、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、第一分割体401と第二分割体402が結合され、ポケット41の環状体軸方向両端側が閉塞された保持器4を使用している。そのため、冠型保持器(環状体からなり、環状体の周面を貫通するポケットを有し、ポケットの環状体軸方向一端側が開放されている保持器)を用いた場合と比較して以下の効果が得られる。
図6(a)に示すように、冠型保持器、すなわち第一分割体401のみからなる保持器では、環状体軸方向一端側が開放されているポケット部411を有する。つまり、冠型保持器のポケットは片持ち梁構造となっている。そして、冠型保持器の柱部421に軸方向端面421aから突出するように磁石5を固定すると、内輪または外輪と磁石5との間に磁石で生じる引力や、回転により生じる遠心力で、冠型保持器が大きく変形する恐れがある。
これに対して、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10で使用している保持器4は、図6(b)に示すように、ポケット41の環状体軸方向両端側が閉塞されている。すなわち、第一分割体401のポケット部411の環状体軸方向一端側が、第二分割体402のポケット部412で閉塞されている。
そのため、第一分割体401の柱部421に軸方向端面421aから突出するように磁石5を固定した場合でも、内輪または外輪と磁石5との間に磁石で生じる引力や、回転により生じる遠心力で、第一分割体401が大きく変形することがない。つまり、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10は、上述の引力や遠心力で変形しにくい構造の保持器4を備えている。
また、保持器4の組み立て時に、第一分割体401と第二分割体402の結合を、二対四本のピン45と穴46との嵌め合いを行った後に、分割面(柱部の軸方向端面)421a,422aを熱圧着して行うため、第一分割体401と第二分割体402の位置決め精度が高くなる。
なお、第一分割体401と第二分割体402の結合は、熱圧着以外に、嵌合、圧着、接着剤による接合で行うこともできる。
さらに、図7に示すように、第一分割体401と第二分割体402の結合を、保持器4の貫通穴43に挿入される挿入部501と、保持器4の軸方向一端面40から突出する突出部502とからなる磁石5Aを用いて行ってもよい。磁石5Aの挿入部501の長さは保持器4の軸方向寸法と同じである。突出部502は、保持器4の周方向での寸法が貫通穴43の開口面より大きい。つまり、突出部502は、貫通穴43の径方向に沿う一対の対向面43c,43dからはみ出す端部502aを有する。
第一分割体401と第二分割体402を結合させる際には、先ず、第一分割体401の上に第二分割体402を位置決めして載せる。次に、磁石5Aの挿入部501を、第二分割体402の貫通穴432側から貫通穴43に挿入し、第一分割体401の貫通穴431まで挿入する。そして、挿入部501の先端面をヨーク6に接触させ、突出部502を保持器4の軸方向一端面40に接触させる。これにより、磁石5Aとヨーク6の引力で第一分割体401と第二分割体402が固定される。また、貫通穴43からはみ出す端部502aを有する突出部502により、磁石5Aが貫通穴34から抜けにくい構造となっている。
さらに、図8に示すように、第一分割体401と第二分割体402の結合を、テーパ面503を有する磁石5Bを用いて行ってもよい。この場合、保持器4の貫通穴43の対向面43c,43d(つまり、第一分割体401の貫通穴431の対向面431c,431dと第二分割体402の貫通穴432の対向面432c,432d)を、磁石5Bのテーパ面503に対応するテーパ状に形成する。
第一分割体401と第二分割体402を結合させる際には、先ず、第一分割体401の上に第二分割体402を位置決めして載せる。次に、磁石5Bの尖端側を、第二分割体402の貫通穴432側から貫通穴43に挿入し、第一分割体401の貫通穴431まで挿入し、磁石5Bの先端面をヨーク6に接触させる。これにより、磁石5Bとヨーク6の引力で第一分割体401と第二分割体402が固定される。また、磁石5Bと貫通穴34との嵌め合い面がテーパ面となっているため、磁石5Bが貫通穴34から抜けにくい。
なお、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10では、アンテナ94が回路基板9の部品実装面に形成されているが、回路基板9の部品実装面とは反対面にアンテナを形成し、芯金71とシール部72に穴を設けて、アンテナを第一シール7から軸受外部に突出させてもよい。
また、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10では、一つの回路基板9に、電源回路91と制御回路92と無線回路93とアンテナ94が形成され、その回路基板9が芯金71に固定されているが、電源回路91と制御回路92と無線回路93とアンテナ94が別々の基板に形成されていてもよい。さらに、電源回路91と制御回路92と無線回路93とアンテナ94は、芯金71の内側面71aに形成された絶縁膜上に直接形成されていてもよい。
また、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10では、センサが制御回路92上に(つまり、第一シール7の芯金71に)形成されているため、既存の転がり軸受を構成する内輪1および外輪2に対する新たな加工が不要であり、外部に突起物が存在しない。
しかし、第一シール7が固定されている外輪2の軸方向端面、外周面、および内周面の少なくともいずれかの面に、センサを固定していもよい。第一シール7が内輪に固定されている場合は、内輪の軸方向端面、外周面、および内周面の少なくともいずれかの面にセンサを固定していもよい。また、上記いずれかの面に、センサを固定するための凹部を設けてもよい。
また、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10では、磁石5として、ネオジム磁石を使用しているが、サマリウムコバルト磁石等の他の磁石を使用してもよい。
さらに、この実施形態のワイヤレスセンサ付き軸受10では、ポケットの環状体軸方向両端部が閉塞されている保持器として、冠型保持器に相当する第一分割体401と、そのポケット部411の開放されている環状体軸方向一端を塞ぐ第二分割体402とが結合された保持器4を使用している。しかし、分割されない構造の保持器、つまり、一定幅の環状体に環状体の幅より小さい寸法のポケットが環状体の周面を貫通している保持器を使用してもよい。
1 内輪
11 内輪軌道面
12 シール配置用の周溝
2 外輪
21 外輪軌道面
22 シール取付溝
3 ボール(転動体)
4 保持器
401 保持器の第一分割体
402 保持器の第二分割体
41 ポケット
40 保持器の軸方向一端面
42 柱部(ポケット間の部分)
43 貫通穴
44 保持器の軸方向他端面
44a 保持器の凹部
5 磁石
5A 磁石
5B 磁石
6 ヨーク
7 第一シール
71 第一シールの芯金
71a 第一シールの芯金の内側面(磁石との対向面)
72 シール部
7A 第二シール
71A 第二シールの芯金
8 コイル
9 回路基板(回路部)
91 電源回路
92 制御回路(演算回路、電源供給部)
93 無線回路(電源供給部)
94 アンテナ
92a センサ(電源供給部)
10 ワイヤレスセンサ付き軸受

Claims (3)

  1. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    前記内輪軌道面と対向配置される外輪軌道面を内周面に有する外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面とで形成される軌道に配置された転動体と、
    前記転動体を回転自在に保持するポケットを有する保持器であって、環状体からなり、前記ポケットは前記環状体の周面を貫通し、前記ポケットは前記環状体の周方向に複数個形成され、前記ポケットの前記環状体の軸方向両端側が閉塞されている保持器と、
    複数の磁石であって、前記保持器の前記ポケット同士の間に、前記環状体の周方向で各磁石のN極とS極が隣り合うように固定された磁石と、
    前記内輪と前記外輪との間を軸方向一端部で密封する第一シールであって、前記保持器に対して相対回転する第一シールと、
    前記第一シールの前記磁石との対向面に固定されたコイルと、
    前記内輪と前記外輪との間を軸方向他端部で密封する第二シールと、
    前記内輪、前記外輪、および前記第一シールのいずれかに設置されたセンサと、
    前記第一シールに形成された回路部であって、前記磁石と前記コイルとの相対回転による電磁誘導で前記コイルに生じた電流を電源供給部へ供給する電源回路と、前記センサで検出された検出情報から検出値を演算する演算回路と、演算結果を示す無線信号を作成する無線回路と、を有する回路部と、
    前記無線信号を送信するアンテナと、
    を有し、
    前記保持器は、前記環状体の軸方向で分割された第一分割体および第二分割体が、前記磁石を用いて結合されたものであり、
    前記保持器は前記磁石を挿入する貫通穴を有し、
    前記磁石は、前記貫通穴に挿入される挿入部と、前記保持器の軸方向一端面から突出する突出部とからなり、
    円環状の金属板であって、前記保持器の軸方向他端面に接するように配置されたヨークを有し、
    前記挿入部の先端面が前記ヨークに接触し、前記突出部が前記保持器の軸方向一端面に接触しているワイヤレスセンサ付き軸受。
  2. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    前記内輪軌道面と対向配置される外輪軌道面を内周面に有する外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面とで形成される軌道に配置された転動体と、
    前記転動体を回転自在に保持するポケットを有する保持器であって、環状体からなり、前記ポケットは前記環状体の周面を貫通し、前記ポケットは前記環状体の周方向に複数個形成され、前記ポケットの前記環状体の軸方向両端側が閉塞されている保持器と、
    複数の磁石であって、前記保持器の前記ポケット同士の間に、前記環状体の周方向で各磁石のN極とS極が隣り合うように固定された磁石と、
    前記内輪と前記外輪との間を軸方向一端部で密封する第一シールであって、前記保持器に対して相対回転する第一シールと、
    前記第一シールの前記磁石との対向面に固定されたコイルと、
    前記内輪と前記外輪との間を軸方向他端部で密封する第二シールと、
    前記内輪、前記外輪、および前記第一シールのいずれかに設置されたセンサと、
    前記第一シールに形成された回路部であって、前記磁石と前記コイルとの相対回転による電磁誘導で前記コイルに生じた電流を電源供給部へ供給する電源回路と、前記センサで検出された検出情報から検出値を演算する演算回路と、演算結果を示す無線信号を作成する無線回路と、を有する回路部と、
    前記無線信号を送信するアンテナと、
    を有し、
    前記保持器は、前記環状体の軸方向で分割された第一分割体および第二分割体が、前記磁石を用いて結合されたものであり、
    前記磁石はテーパ面を有し、
    前記保持器は前記磁石を挿入する貫通穴を有し、前記貫通穴は前記磁石のテーパ面に対応するテーパ面を有し、
    円環状の金属板であって、前記保持器の軸方向他端面に接するように配置されたヨークを有し、
    前記磁石のテーパ面が前記貫通穴のテーパ面に接触し、前記磁石の先端面が前記ヨークに接触しているワイヤレスセンサ付き軸受。
  3. 前記第一分割体の軸方向寸法は前記第二分割体の軸方向寸法より大きく、前記第一分割体は冠型保持器であり、前記第二分割体は、前記冠型保持器のポケット部の開放されている環状体軸方向一端を塞ぐものであり、
    前記ヨークは前記冠型保持器のポケット部の開放されていない環状体軸方向他端に接するように配置されている請求項1または2記載のワイヤレスセンサ付き軸受。
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