JP6889290B2 - トルクレンチの音声通知手段 - Google Patents

Description

本発明は、レンチに関し、より詳しくは、トルクレンチに取り付けられ且つ警告を提示できる音声通知手段に関する。

機械式トルクレンチは、機械構造で構成され、中空の管状体および前記管状体内および前記管状体外に設置された複数の機械構造で構成されている。機械構造同士の摩擦によって、抵抗力が形成され、トルクレンチの精度に影響を与え、摩耗が増加する。したがって、どのように機械式トルクレンチにおける部材同士の摩擦抵抗を低減し、トルク値の精度を維持することは、当業者にとって、直面すべきである。

音声通知手段は、機械式トルクレンチにおける一つの構造であり、通常、管状体内に設けられ、圧縮ばねによって弾性支持されている。圧縮ばねによる前記音声通知手段への支持力を変更すると、前記トルクレンチの設定トルク値を調整することができる。トルクレンチの操作中に、前記音声通知手段がレンチの管状体内で摺動し、管状体の内壁に摩擦する。なお、従来技術では、音声通知手段の摩擦状況に対して、解決策を提案しているが、良い効果を達成しておらず、さらなる改善の必要がある。本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、トルクレンチの音声通知手段の摩擦状況を改善するために、研究を進み、本発明を提案した。

本発明の目的は、音声通知手段とトルクレンチの管状体の内壁との間の摩擦抵抗を低減して前記レンチのトルク値が精度を有するトルクレンチの音声通知手段を提供することである。

本発明は、トルクレンチの音声通知手段を提供し、前記トルクレンチの音声通知手段は、ベース部と外部スリーブと少なくとも１つの油収容溝とを備え、前記外部スリーブは、硬度が前記ベース部の硬度よりも柔らかい金属材料で構成され、前記外部スリーブは、中空の周壁を有し、且つ前記周壁によって前記ベース部を嵌合し、前記油収容溝は、前記周壁の外周面に設けられる。これによって、前記音声通知手段は、前記油収容溝によって潤滑油を収容し、前記声通知手段は、比較的に長時間の潤滑効果を有することで、レンチ内での動作中、長時間の潤滑効果で低摩擦抵抗を得られ、当該レンチが長時間の一定の精度を維持することができる。

好ましくは、前記油収容溝が底壁を有し、前記底壁は、前記油収容溝内部に潤滑油を十分に収容できる幅を有する。

好ましくは、前記外部スリーブの外周面において、前記油収容溝は、前記作動端に近くでより高い設置密度を有する。

好ましくは、前記油収容溝は、横方向の溝、環状溝、直線状溝、傾斜状溝または螺旋状溝である。

本発明の目的、特徴および達成される効果を理解するために、図面を参照しながら、以下、例示する本発明のいくつかの好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明の一つ好ましい実施形態における音声通知手段をトルクレンチに装着した状態の断面図である。 本発明の第１好ましい実施形態における音声通知手段の斜視図である。 図２に示した構造の分解斜視図である。 図２の縦断面図である。 図１に示す構造の局在部の拡大図であり、本発明の音声通知手段がトルクレンチ内に装着された状態を示している。 本発明の第２好ましい実施形態における音声通知手段の斜視図である。 本発明の第３好ましい実施形態における音声通知手段の斜視図である。 本発明の第４好ましい実施形態における音声通知手段の斜視図である。 本発明の第５好ましい実施形態における音声通知手段の斜視図である。 図９に示した音声通知手段がトルクレンチ内に装着された状態を示す局在部の断面図である。

図１に示すように、本発明が提供したトルクレンチの音声通知手段１０は、トルクレンチ４０の管状体４２内に設けられ、当該レンチがねじ部材（ボルトまたはナット）を回転させる応力が所定のトルク値を達すると、当該音声通知手段１０が音を発して警告効果を奏する。以下、この警告効果の詳細を説明する。

図２および図３に示すように、本発明の第１好ましい実施形態が提供する音声通知手段１０は、ベース部２０および外部スリーブ３０を備える。

当該ベース部２０は、鉄または鋼などのより硬い金属材料で構成されている。当該ベース部２０は、両端部を有し、その一端部は、作動部位を形成できる作動端２１である。詳細には、当該ベース部２０の作動端２１には、収容室２２が凹設されている。また、ローラー２４は、軸部材２５を中心として回転するように、当該収容室２２に設けられ、且つ、ローラー２４の一部が前記ベース部２０から突出している。前記ローラー２４は、前記作動部位を形成している。前記作動部位は、本好ましい実施形態に示されているローラーに限定されず、他の構造であっても良い。例えば、図９に示す第５好ましい実施形態のように、ベース部の作動端２１において、凹入部が設けられることで、前記作動部位を形成することができる。

当該外部スリーブ３０は、例えば、銅、アルミニウム、または銅とアルミニウムとを含む合金など、硬度が当該ベース部２０の硬度より柔らかい金属材料で製造される。当該外部スリーブ３０は、中空構造であり、中空の周壁３２を有している。一つ以上の油収容溝３４は、当該周壁３２の外周面に設けられている。前記油収容溝３４は、本実施形態において、三つの横方向の溝を有し、好ましくは、前記油収容溝３４が三つの環状溝である。当該外部スリーブ３０の当該周壁３２は、前記ベース部２０の外周面に嵌合されるように緊密に固定されている。これによって、外部スリーブ３０が当該ベース部を嵌合することができる。前記外部スリーブ３０が前記ベース部２０の外周面を嵌合することによって、本発明の音声通知手段１０を形成しており、前記外部スリーブ３０は、前記音声通知手段１０の外周面を柔らかくし、且つ、油収容溝３４を有する。

図１および図５に示すように、本発明の音声通知手段１０は、機械式トルクレンチ４０の管状体４２内に取り付けられ、且つ、前記管状体４２内で摺動することができる。前記レンチ４０はヘッド４４を有し、前記ヘッド４４が螺接部材（ボルトまたはナット）またはソケットを嵌合して回転させることができる。前記ヘッド４４は、アーム部４６の前端部に固定され、前記アーム部４６は、軸部材４７によって、前記管状体４２の前端部に回転可能に連結され、且つ、前記軸部材４７を支点として回転することができる。前記アーム部４６の後端部が管状体４２内に位置される。棒部材４８は、前記アーム部４６の後端部に設置され、且つ、一部が前記アーム部から突出する。

前記音声通知手段１０は、アーム部４６の後方に位置され、他端が圧縮ばね５０によって弾性的に支持されることで、前記ローラー２４と前記棒部材４８とが弾性接触している。前記音声通知手段５０の作動端２１と前記アーム部４６の後端部とがトリップ機構を形成している。前記レンチ３０を回転させる応力が所定のトルク値よりも大きい時、前記アーム部４６の後端部の棒部材４８は、前記音声通知手段１０のローラー２４から摺動して脱離（滑り落ち）し、この滑り落ち動作では、振動および音を発生させる。これによって、操作者に警告を提示し、レンチのトルク値が設定されたトルクに達したことを知らせ、操作者が操作を停止する。

前記音声通知手段１０は、圧縮ばね５０によって支持され、滑り落ち動作中、前記管状体４２内で摺動しており、この音声通知手段１０の摺動がスムーズにさせるために、音声通知手段１０の外周面と管状体４２の内壁との間に、摩擦抵抗を減らすために、潤滑油を塗布する。

本発明では、前記音声通知手段１０の外周面に、油収容溝３４を有し、潤滑油が前記油収容溝３４内に収容されることができる。油収容溝３４内の潤滑油は、音声通知手段１０と管状体４２の内壁との接合面において潤滑させる効果を奏する。また、図４に示すように、本実施形態に設けられた各油収容溝３４は、底壁３４１を有し、前記底壁３４１は一定な幅を有する。その幅は、油収容溝３４の開口の幅と同じ、わずかに小さい、または大きい幅を有する。これによって、前記油収容溝３４の内部に、適量の潤滑油を収容するのに十分な収容空間が設けられており、潤滑油の損失を回避するために油収容溝に付着して蓄積することができる。

上記の構造によって、前記音声通知手段１０の外周面は、潤滑油を長期間にわたってゆっくり放出することができので、音声通知手段１０と管状体４２の内壁との間に長期且つ十分な潤滑効果を得ることができる。これによって、音声通知手段と管状体との間に潤滑性を得ることができる。前記音声通知手段１０長時間にわたって潤滑され、音声通知手段の摩擦抵抗を長時間にわたって低減することができ、その結果、前記レンチは、そのトルク値の制度を長期間維持することができる。

図６は、本発明の音声通知手段の第２好ましい実施形態を示している。符号１０'は、第１好ましい実施形態に使用された符号で示す構造と同じであり、詳細を省略する。

前記音声通知手段１０'は、同様に、ベース部２０と外部スリーブ３０とを備え、前記ベース部２０の作動端２１は、回転できるローラー２４を設け、前記外部スリーブ３０は、ベース部２０の外周面を嵌合して設けられる。１つ以上の直線溝構造を有する油収容溝３４'は、前記外部スリーブ３０の周壁３２の外周面に設けられている。前記直線溝構造は、各油収容溝３４'の方向が前記ベース部２０の両端部が形成された方向（すなわち、前記ベース部の縦方向）に沿っている。本実施形態では、複数の直線溝構造の油収容溝３４'は、前記外部スリーブ３０の外周面に、適宜の間隔で周設される。

図７は、本発明の音声通知手段の第３好ましい実施形態を示している。符号１０''は、好ましい実施形態に使用された符号で示す構造と同じであり、詳細を省略する。

本実施形態の音声通知手段１０''は、同様に、ベース部２０と外部スリーブ３０とを備えている。相違点は、１つ以上の傾斜溝状構造を有する油収容溝３４''は、潤滑油を収容するために、前記外部スリーブ３０の周壁３２の外周面に設けられている。本実施形態では、複数の傾斜溝状構造を有する油収容溝３４''は、前記外部スリーブ３０の外周面に、適宜の間隔で周設される。

図８は、本発明の音声通知手段の第４好ましい実施形態を示している。符号１０'''は、第１好ましい実施形態に使用された符号で示す構造と同じであり、詳細を省略する。本実施形態における音声通知手段１０'''は、同様に、ベース部２０と外部スリーブ３０とを備えている。１つ以上の螺旋状の油収容溝３４'''は、前記外部スリーブ３０の周壁３２の外周面に螺旋状に設けられており、潤滑油が前記油収容溝３４'''に収容されている。

上述した第２〜第４好ましい実施形態における音声通知手段では、油収容溝３４、３４'、３４''、３４'''のいずれも潤滑油を収容することができ、下図第１好ましい実施形態に示された底壁３４１を有する。

図９は、本発明の音声通知手段１０''''の第５好ましい実施形態を示している。同様に、ベース部２０と外部スリーブ３０とを備えている。前記ベース部２０の一端は、作動端２１であり、前記作動端２１に凹入部２６が設けられることで、前記作動端の作動部位を形成する。前記外部スリーブ３０は、その周壁３２によって、前記ベース部２０を嵌合する。１つ以上の油収容溝３４は、潤滑油を収容するように、前記周壁３２の外周面に設けられる。本好ましい実施形態における油収容溝は、前述した第１〜第４好ましい実施形態に示された油収容溝３４、３４'、３４''、３４'''のいずれであっても良い。

図１０に示すように、前記音声通知手段１０''''は、トルクレンチ４０'の管状体４２内に取り付けられ、アーム部４６の後方に位置され、且つ、圧縮ばね５０の弾性により支持されている。当該アーム部４６の後端部に凹入部４９が設けられ、前記凹入部４９は、前記音声通知手段１０''''の凹入部２６に対応する。ブロック５２は、両端がそれぞれ前記２つの凹入部２６、４９に接触する。前記音声通知手段１０''''の作動端２１、前記ブロック５２、および前記アーム部４６の後端部とは、トリップ構造を形成する。前記レンチ３０を回転させる応力が所定のトルク値に達した時、前記アーム部４６の後端部と音声通知手段１０の作動端２１とが摺動して脱離し、振動および音を発生して警告を提示することができる。

本発明が提供した音声通知手段１０、１０'、１０''、１０'''、１０''''は、外周面が、潤滑油を収容する油収容溝を有する。従来技術での音声通知手段の潤滑油が短時間で無くなることに対して、本発明は、音声通知手段が長時間潤滑効果を維持することができる。トルクレンチは、長時間使用しても前記音声通知手段が潤滑されているので、音声通知手段と管状体の内壁との低摩擦抵抗を長時間維持し、トルクレンチのトルク値が長時間使用しても精度を維持することができる。また、当該硬度の柔らかい外部スリーブ（硬度がベース部の硬度よりも低い）では、前記音声通知手段が比較的に柔らかい外層を有することになり、音声通知手段と管状体との間に、比較的に低い摩擦抵抗を有することになる。

また、本発明のすべての好ましい実施形態は、油収容溝の設置位置を前記音声通知手段の作動端に集中するように実施することができ、例えば、図２の第１好ましい実施形態および図９の第５好ましい実施形態のように、三つの前記油収容溝３４が音声通知手段１０、１０''''の作動端２１に近くに位置されるので、音声通知手段（外部スリーブ）における作動端に近い外周面において、油収容溝は比較的に近い距離で設置されている。一方で、音声通知手段の他端の外部スリーブの周面において、油収容溝は比較的に遠い距離で設置されている。前述した潤滑作用では、音声通知手段の作動端が応力を受けるため、本発明の油収容溝が作動端２１の近くで設置密度が高いので、前記音声通知手段の作動端の応力状態に対応することができる。

前述した実施形態は、本発明の技術的特徴を例示するものにすぎず、限定するものではない。例えば、本発明と同等の構造設計は本発明の範囲内に含まれるべきである。また、本発明により提供される音声通知手段は、当該技術分野における新規性的な構造であり、且つ顕著な効果を有し、特許法に従って適用される発明である。

１０、１０'、１０''、１０'''、１０'''' 音声通知手段
２０ ベース部
２１ 作動端
２２ 収容室
２４ ローラー
２５ 軸部材
２６ 凹入部
３０ 外部スリーブ
３２ 周壁
３４、３４'、３４''、３４''' 油収容溝
３４１ 底壁
４０、４０' トルクレンチ
４２ 管状体
４４ ヘッド
４６ アーム部
４７ 軸部材
４８ 棒部材
４９ 凹入部
５０ 圧縮ばね
５２ ブロック

Claims (10)

1. トルクレンチの音声通知手段であって、ベース部と外部スリーブと一つ以上の油収容溝とを備え、
   前記ベース部は、金属材料で構成され、且つ２つの端部を有し、一端部が作動端であり、
   前記外部スリーブは、硬度が前記ベース部の硬度よりも柔らかい金属材料で構成され、前記外部スリーブは、中空の周壁を有し、且つ前記周壁によって前記ベース部を嵌合し、
   前記油収容溝は、前記周壁の外周面に設けられ、前記油収容溝が潤滑油を収容する、ことを特徴とするトルクレンチの音声通知手段。
2. 前記油収容溝は底壁を有し、前記底壁の幅は、前記油収容溝の開口の幅と同じ、大きい、または小さいである、ことを特徴とする請求項１に記載の音声通知手段。
3. 油収容溝は、前記外部スリーブの外周面の前記作動端側に設けられる、ことを特徴とする請求項１に記載の音声通知手段。
4. 前記油収容溝は、一つ以上の横方向の溝である、ことを特徴とする請求項１に記載の音声通知手段。
5. 前記油収容溝は環状溝である、ことを特徴とする請求項４に記載の音声通知手段。
6. 前記油収容溝は、直線溝状または傾斜溝状である、ことを特徴とする請求項１に記載の音声通知手段。
7. 前記油収容溝が螺旋状であり、前記外部スリーブの周壁の外周面に螺旋状に形成される、ことを特徴とする請求項１に記載の音声通知手段。
8. 前記ベース部の作動端に収容室が凹設され、前記収容室に、回転できるローラーが設けられる、ことを特徴とする請求項１〜請求項７のいずれか一つに記載の音声通知手段。
9. 前記ベース部の作動端に、凹入部が設けられる、ことを特徴とする請求項１〜請求項７のいずれか一つに記載の音声通知手段。
10. 前記外部スリーブは、銅、アルミニウム、または銅とアルミニウムとを含む合金の金属材料で構成される、ことを特徴とする請求項１に記載の音声通知手段。

Images