JP6888150B2 - 移植可能デバイスに細胞を装填するための機器および方法 - Google Patents

移植可能デバイスに細胞を装填するための機器および方法 Download PDF

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Description

政府による支援の陳述
本研究は、カリフォルニア再生医療研究所からの助成金(助成金第DR1−01423号)によって一部が可能になったものである。本文献の内容は、もっぱら本発明者の責任であり、CIRMまたはカリフォルニア州の他の任意の機関の公的な見解を表すものとは限らない。
本発明は概して、細胞治療、ならびに移植可能デバイスに細胞を装填し充填してデバイスに細胞を密封するための手段および方法に関する。
いくつかの疾患の細胞補充療法では、特定の疾患を有する患者に細胞、組織、または器官を移植することによる治療を施すことができる。商業的な細胞治療に対する主要な障害は依然として、再生可能な細胞源、および宿主免疫に対する同種異系保護を可能にするカプセル化源である。理想的には、そのような移植可能デバイスは同種異系保護を可能にし、患者による長期的な免疫抑制剤の使用を最低限に抑えるかまたは不要にする。
出願人は以前、少なくとも、グルコース刺激に応答して生体内でインシュリンを生成するために膵臓始原細胞を送達する目的に適した、再生可能な細胞源とマクロカプセル化薬物送達システムの両方について説明した。たとえば、少なくとも、2008年4月8日に出願された「METHODS OF PRODUCING PANCREATIC HORMONES」という名称の特許文献1、2009年11月13日に出願された「ENCAPSULATION OF PANCREATIC LINEAGE CELLS DERIVED FROM HUMAN PLURIPOTENT STEM CELLS」という名称の特許文献2、2013年12月12日に出願された「IN VITRO DIFFERENTIATION OF PLURIPOTENT STEM CELLS TO PANCREATIC ENDODERM CELLS (PEC) AND IMMATURE BETA CELLS」という名称の特許文献3、2014年3月7日に出願された特許文献4、および2014年3月13日に出願された「IN VITRO DIFFERENTIATION OF PLURIPOTENT STEM CELLS TO PANCREATIC ENDODERM CELLS (PEC) AND ENDOCRINE CELLS」という名称の特許文献5、2014年3月7日に出願された「3-DIMENSIONAL LARGE CAPACITY CELL ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献6、2011年12月12日に出願された特許文献7、2011年12月12日に出願された特許文献8、2012年5月31日に出願された特許文献9、2013年3月13日に出願された特許文献10、2014年3月7日に出願された「3-DIMENSIONAL LARGE CAPACITY CELL ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献11〜18、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称の特許文献19、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称の特許文献20および2014年4月16日に出願された「CASE FOR AN ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献21、ならびに2014年4月16日に出願された「DEPLOYMENT TOOL FOR AN ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献22、2014年4月16日に出願された「SIZING TOOL FOR AN ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献23、2014年4月16日に出願された「FILL POUCH ASSEMBLY FOR ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献24を参照されたい。これらの出願はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
本明細書および出願人の上記の先行開示において説明する細胞補充療法は概して、市販されない、糖尿病治療用のマクロカプセル化された移植可能な細胞生成物(「配合剤」)に関する。そのような移植可能デバイスに細胞を装填し充填するための半自動化された無菌方法および機器は、以下に詳細に説明する方法および機器を除いて存在しない。
米国特許出願第12/099,759号明細書 米国特許出願第12/618,659号明細書 米国特許出願第14/106,330号明細書 米国特許出願第14/201,630号明細書 国際出願第PCT/US2014/026529号明細書 国際出願第PCT/US2014/022109号明細書 米国意匠出願第29/408,366号明細書 米国意匠出願第29/408,368号明細書 米国意匠出願第29/423,365号明細書 米国意匠出願第29/447,944号明細書 米国意匠出願第29/484,363号明細書 米国意匠出願第29/484,359号明細書 米国意匠出願第29/484,360号明細書 米国意匠出願第29/484,357号明細書 米国意匠出願第29/484,356号明細書 米国意匠出願第29/484,355号明細書 米国意匠出願第29/484,362号明細書 米国意匠出願第29/484,35号明細書 国際出願第PCT/US2014/034425号 米国特許出願第14/254,844号明細書 米国特許出願第29/488,209号明細書 米国意匠出願第29/488,204号明細書 米国意匠出願第29/488,191号明細書 米国意匠出願第29/488,217号明細書 米国特許第5,349,166号明細書 米国特許第4,013,860号明細書 米国特許第7,226,425号明細書 米国特許第8,376,741号明細書 米国特許第5,267,464号明細書
本明細書では、移植可能デバイスに細胞を無菌状態で装填し充填して、デバイスを少なくとも1つの他の滅菌容器内に密封するための器具、装置、および/または機器が開示される。
一実施形態では、移植可能デバイスに細胞を装填するための無菌システムが提供される。システムは、(i)細胞源および/または治療薬源と、(ii)細胞および/または治療薬を取得し、移植可能デバイスに細胞および/または治療薬を分注するためにポンプに連結されたチューブ組立体と、(iii)少なくとも第1の位置および第2の位置に調整することのできる少なくとも2つの構成要素であって、そのような位置が、実行される機能に依存する、構成要素と、(iv)移植可能デバイスを滅菌容器またはパッケージ内部に選択的に密封するための密封手段と、の、複数の構成要素および要素を備える。
一実施形態では、回転可能プラットフォームからなる細胞装填システムであって、回転可能プラットフォームが、細胞を取得し且つ移植可能デバイスに前記細胞を分注するための手段をさらに備える細胞装填システムが提供される。一実施形態では、細胞を取得するための手段は、チューブ組立体を備える。一実施形態では、回転可能プラットフォームは、約0°から約180°の間、好ましくは0°から約90°の間、好ましくは約90°、好ましくは約45°に配置される。一実施形態では、細胞装填システムは、手動で動作させることができ、あるいは完全に自動化するかまたは半自動化することができる。たとえば、一実施形態では、細胞装填システムは、チューブ組立体をポンプに取外し可能に連結し、ポンプをリモートで制御することによって半自動化される。好ましい実施形態では、細胞装填システムは、チューブ組立体を移植可能デバイスポートに取外し可能に連結し、ポンプをリモートで制御することでチューブ組立体内の細胞をポートを通じてデバイスに分注することによって半自動化される。一実施形態では、移植可能デバイスは膵型細胞を含む。好ましい実施形態では、移植可能デバイスは、膵型細胞と膵臓始原細胞とを含む。
一実施形態では、移植可能デバイスに細胞を装填するための方法であって、デバイスポートを有する移植可能デバイスをコンパートメント内に配置するステップであって、デバイスポートが、細胞溜めを備えるチューブ組立体に連結され、デバイスが回転可能プラットフォームに取外し可能に結合された、ステップと、プラットフォームを約0°から約180°の間の位置まで回転させるステップと、細胞をチューブ組立体から移植可能デバイス内に分注し、それによって移植可能デバイスに細胞を装填するステップと、を含む方法が提供される。一実施形態では、移植可能デバイスは滅菌パッケージ内部に位置する。一実施形態では、移植可能デバイスおよび滅菌パッケージは、45°から90°の間に配置される。一実施形態では、移植可能デバイス上のデバイスポートは、無菌手段によって密封され、この手段は、デバイスを収納する滅菌パッケージを密封することなしにデバイスポートを密封することができる供給源である。一実施形態では、無菌手段は、無線周波数(RF)エネルギー源である。一実施形態では、移植可能デバイスに装填される細胞は、懸濁液中の細胞集塊である。好ましい実施形態では、細胞は、膵型細胞または膵臓始原細胞である。
一実施形態では、バッグ、たとえば、デバイスケース保存バッグから残留空気を放出するための方法であって、プレートの第1のセットおよび第2のセット内にバッグを収納することによって少なくとも液体培地を含み、プレートの第1のセットが、バッグを固定し、プレートの第2のセットが、バッグを開閉することができ、第2のプレート同士を密閉するとバッグからバッグ内の残留空気が押し出され、それによってバッグから残留空気が放出される方法が提供される。一実施形態では、デバイスケース保存バッグとプレートの第1のセットは、バッグをプレート上に固定するように整列する。
一実施形態では、無線周波数(RF)エネルギーに感応する材料を無菌状態で選択的に密封する方法であって、RFエネルギーに感応する第1の材料をRFエネルギーに感応しない第2の材料の内部に配置するステップと、第1の材料と第2の材料にRFエネルギーを同時に印加するステップと、を含み、RFエネルギーに感応する第1の材料が密封され、RFエネルギーに感応しない第2の材料が密封されず、それによってRF感応材料が無菌状態で選択的に密封される方法が提供される。一実施形態では、RF感応材料は、ポリカーボネート−ウレタン、塩化ポリビニル(PVC)、ウレタン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、または所定のナイロンもしくはテレフタル酸ポリエチレンからなる群から選択される生体適合ポリマーによって構成される。別の実施形態では、RF不感応材料は、テレフタル酸ポリエチレン(商標はマイラー)または延伸テレフタル酸ポリエチレン(PET)から作られたポリエステル膜またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フルオロポリマー膜、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE/テフロン(登録商標))、ポリエチレン、もしくはポリメタクリル酸メチル、またはエポキシ、シリコーン、もしくはパリレンによって構成される。
一実施形態では、少なくとも1つのデバイスポートを有するデバイスを無菌状態で密封するための方法であって、少なくとも1つのポートを含むデバイスを滅菌容器内に配置するステップと、滅菌容器内のデバイスポートを選択的に密封し、一方、滅菌容器は密封しないステップと、を含む方法が提供される。一実施形態では、デバイスポートを密封するステップはRFエネルギーを含む。別の実施形態では、デバイスポートを密封するステップは、デバイスポートの周りのリングまたはバンドを含む。別の実施形態では、シーリングリングまたはバンドは、圧着可能である。
一実施形態では、移植可能デバイスに細胞を装填する方法であって、少なくともまず所定のフラッシング量、細胞量、およびプライミング量をチューブ組立体に装填するステップと、まず所定のフラッシング量、細胞量、およびプライミング量をチューブ組立体から移植可能デバイスに分注し、それによって移植可能デバイスに細胞を装填するステップと、を含む方法が提供される。
本発明の他の実施形態について、以下の番号付きのパラグラフのリストを参照して説明する。
1.回転可能プラットフォームを備える細胞装填システムであって、回転可能プラットフォームが、細胞を取得し且つ移植可能デバイスに前記細胞を分注するための手段をさらに備える細胞装填システム。
2.チューブ組立体をさらに備え、
チューブ組立体は、所定の細胞投与量を含む細胞溜めである、請求項1に記載の細胞装填システム。
3.回転可能プラットフォームは、約0°から約180°の間に配置される、請求項1に記載の細胞装填システム。
4.回転可能プラットフォームは、約0°から約90°の間に配置される、請求項1に記載の細胞装填システム。
5.回転可能プラットフォームは、約90°に配置される、請求項1に記載の細胞装填システム。
6.回転可能プラットフォームは、約45°に配置される、請求項1に記載の細胞装填システム。
7.手動であるか、あるいは完全に自動化されるかまたは半自動化された、請求項1に記載の細胞装填システム。
8.チューブ組立体をポンプに取外し可能に連結し、ポンプを制御することによって自動化された、請求項7に記載の細胞装填システム。
9.チューブ組立体は、移植可能デバイスポートに取外し可能に連結され、ポンプは、チューブ組立体内の細胞をポートを通じてデバイスに分注する、請求項8に記載の細胞装填システム。
10.細胞は膵型細胞である、請求項1に記載の細胞装填システム。
11.細胞は膵臓始原細胞である、請求項10に記載の細胞装填システム。
12.移植可能デバイスに細胞を装填する方法であって、
a.デバイスポートを有する移植可能デバイスをコンパートメント内に配置するステップであって、デバイスポートが、細胞溜めを備えるチューブ組立体に連結され、デバイスが、回転可能プラットフォームに取外し可能に結合される、ステップと、
b.プラットフォームを約0°から約180°の間の位置に回転させるステップと、
c.細胞をチューブ組立体から移植可能デバイスに分注し、それによって、移植可能デバイスに細胞を装填するステップと、を含む方法。
13.デバイスは、滅菌パッケージ内部に位置する、請求項12に記載の方法。
14.デバイスおよびパッケージは、回転可能プラットフォーム上に位置し、45°から90°の間に配置される、請求項13に記載の方法。
15.デバイスポートは、無菌手段によって密封される、請求項14に記載の方法。
16.無菌手段は、デバイスポートを選択的に密封し、デバイスの外部の滅菌パッケージは密封しない、請求項15に記載の方法。
17.無菌手段はRF密封である、請求項15に記載の方法。
18.細胞は、懸濁液中の細胞集塊である、請求項12に記載の方法。
19.細胞は、膵型細胞である、請求項12に記載の方法。
20.少なくとも液体培地を含むバッグから残留空気を放出するための方法であって、プレートの第1のセットおよびプレートの第2のセットを用意するステップを含み、プレートの第1のセットが、バッグを固定し、プレートの第2のセットが、バッグを開閉することができ、第2のプレートを密閉すると、バッグからバッグ内の残留空気が押し出され、それによってバッグから残留空気が放出される方法。
21.バッグとプレートの第1のセットは、バッグをプレート上に固定するように整列する、請求項20に記載の方法。
22.無線周波数(RF)エネルギーに感応する材料を無菌状態で選択的に密封するための方法であって、
a.RFエネルギーに感応する第1の材料をRFエネルギーに感応しない第2の材料の内部に配置するステップと、
b.第1の材料と第2の材料にRFエネルギーを同時に印加するステップであって、RFエネルギーに感応する第1の材料が密封され、RFエネルギーに感応しない第2の材料が密封されず、それによって、RF感応材料が無菌状態で選択的に密封される、ステップと、を含む方法。
23.RF感応材料は、ポリカーボネート−ウレタン、塩化ポリビニル(PVC)、ウレタン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、または所定のナイロンもしくはテレフタル酸ポリエチレンからなる群から選択される生体適合ポリマーによって構成される、請求項22に記載の方法。
24.RF不感応材料は、延伸テレフタル酸ポリエチレン(PET)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フルオロポリマー膜から作られたテレフタル酸ポリエチレン(商標はマイラー)もしくはポリエステル膜、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE/テフロン(登録商標))、ポリエチレン、またはポリメタクリル酸メチル、あるいはエポキシ、シリコーン、またはパリレンによって構成される、請求項21に記載の方法。
25.少なくとも1つのデバイスポートを有するデバイスを無菌状態で密封するための方法であって、
a.少なくとも1つのポートを備えるデバイスを滅菌容器に入れるステップと、
b.滅菌容器内のデバイスポートを選択的に密封し、一方、滅菌容器は密封しないステップと、を含む方法。
26.デバイスポートを密封するためのRFエネルギーをさらに含む、請求項25に記載の方法。
27.デバイスポートの周りのシーリングリングまたはバンドをさらに含む、請求項25に記載の方法。
28.シーリングリングまたはバンドは、圧着可能である、請求項27に記載の方法。
29.移植可能デバイスに細胞を装填する方法であって、
(a)少なくともまず所定のフラッシング量、細胞量、およびプライミング量をチューブ組立体に装填するステップと、
(b)まずステップ(a)からの所定のフラッシング量、細胞量、およびプライミング量を移植可能デバイスに分注し、それによって移植可能デバイスに細胞を装填するステップと、を含む方法。
本発明の上記の実施形態、特徴、および利点ならびに追加の実施形態、特徴、および利点が、開示され、以下から明らかになり、特に、本発明の好ましい実施形態の説明、添付の図面、および特許請求の範囲から明らかになろう。
本発明の実施形態およびその利点をより完全に理解するために、次に、以下に簡単に説明する添付の図面に関連して以下の説明を参照する。
プライミングおよび細胞装填システムであって、組立体が、シリンジおよびシリンジポンプと、投与チューブ組立体と、フレックスプレート架台に取外し可能に連結された回転可能プラットフォームと、細胞源(バイアル)およびデバイス充填パウチ組立体(DFPA)を収容することができる多位置ブロックと、DFPAネスティングブロックと、多位置ブロックおよびDFPAネスティングブロックを連結したスライディングキャリッジと、からなり、回転可能プラットフォームが0°から180°の間だけ回転することができる、プライミングおよび細胞装填システムの斜視図である。 投与チューブ組立体の斜視図である。 本発明の一実施形態による、デバイスケースと移植可能デバイスとを内部に含むDFPAが、プライミングおよび装填時にどこに存在するかを二点鎖線によって示す、プライミングおよび細胞装填システムの斜視図である。 本発明の一実施形態による、移植可能デバイスを内部に含むデバイスケースの斜視図である。 本発明の一実施形態による、回転可能プラットフォームを回転させ、ベースから90度に配置した、プライミングおよび細胞装填システムの斜視側面図である。 本発明の一実施形態による、格納位置におけるハンドヘルド無線周波数(RF)シーラの斜視図である。 本発明の一実施形態による、デバイスポートを密封する係合位置におけるハンドヘルド無線周波数(RF)シーラの斜視図である。 RF反応部分または感応部分を有するデバイスケース保存バッグを保持するための第1のホルダプレートの対と第2の揺動プレートの対とを有するデバイスケース保存バッグホルダと、第1のプレートと第2のプレートの対の各プレート用の調整可能な開閉システムと、からなるデバイスケース保存バッグシーラであって、ホルダが、ホルダをシーリングヘッド組立体の下方の装填位置から移動させてデバイスケース保存バッグを密封することができるスライディングキャリッジ上に位置する、デバイスケース保存バッグシーラの斜視図である。 本発明の一実施形態による、デバイスケース保存バッグホルダ用のスライディングキャリッジおよび調整可能な開閉システム上に位置する、デバイスケース保存バッグが開かれ密封されていない、デバイスケース保存バッグホルダのより大きい斜視図である。 本発明の一実施形態による、デバイスケース保存バッグが閉じられ密封された、デバイスケース保存バッグホルダのより大きい斜視図である。 本発明の一実施形態による、シーリングヘッド組立体の下方のデバイスケース保存バッグホルダの側面図である。 本発明の一実施形態による、デバイスケース保存バッグを収容するための運搬バッグ、および運搬バッグを密封するためのシーラの斜視図である。 本発明の一実施形態による、所定のフラッシング量、細胞量、およびプライミング量を有するチューブ組立体を装填するための総合的なステップを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による、フラッシング量、細胞量、およびプライミング量をチューブ組立体に分注するための総合的なステップを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による、デバイスを密封し、デバイスケース保存バッグを保存し密封して、運搬バッグを密封するための総合的なステップを示すフローチャートである。
以下に、本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作について、添付の図1〜図11を参照して詳細に説明する。同じ参照符号は同じ要素を指し、本発明は、図面または実施形態において説明する要素に限定されない。
本発明の実施形態については、膵臓始原細胞および/または未成熟β細胞を含む移植可能デバイスに関して説明するが、当業者には、本発明が、限定はしないが、甲状腺細胞、副甲状腺細胞、膵臓細胞、腸細胞、胸腺細胞、肝細胞、内分泌細胞、皮膚細胞、造血細胞、骨髄幹細胞、腎細胞、筋細胞、神経細胞、幹細胞、胚性幹細胞、系限定細胞、始原細胞、前駆細胞、遺伝子組換え細胞、腫瘍細胞、および限定はしないが糖尿病を含む1つ以上の疾病または疾患の治療のためのそれらの細胞の誘導体および組合せを含む、細胞集塊懸濁液、治療薬、またはそれらの混合物を含む任意の種類の細胞のマクロカプセル化に適用可能であることが容易に理解されよう。治療指標用のタンパク質(たとえば、ホルモンおよび/または人間の疾病などにおいて不足するその他のタンパク質)、抗体、抗生物質、リンフォカインなどの、細胞ベースの生成物を生成する細胞も考えられる。当業者には、本実施形態が様々な移植可能デバイスタイプ、材料、サイズ、および/または構成に適用可能であることも理解されよう。
「デバイス」または「移植可能デバイス」という用語が本明細書において使用されるときは、本発明の実施形態に従って、限定しないが本発明の移植可能デバイスを含む、本明細書において説明するプライミングおよび装填に使用することのできる任意のマクロカプセル化デバイスまたは細胞カプセル化デバイスを指す。このようなマクロカプセル化デバイスまたは細胞カプセル化デバイスには、限定はしないが、2014年3月7日に出願された、3-DIMENSIONAL LARGE CAPACITY CELL ENCAPSULATION DEVICEという名称を有する、出願人の特許文献6、ならびに2011年12月12日に出願された出願人の特許文献7、2011年12月12日に出願された出願人の特許文献8、2012年5月31日に出願された出願人の特許文献9、2013年3月13日に出願された出願人の特許文献10、2014年3月7日に出願された、出願人の特許文献11〜18が含まれる。
本明細書において「ケース」または「ケージ」または「デバイスケース」または「デバイスケージ」74という用語が使用されるときは、デバイスを収容することができる任意の容器を指す。ケースは、たとえば、本発明の実施形態に従って、デバイスをプライミングし装填して、デバイスの完全性および滅菌性を維持するためにデバイスポートを密封する際に使用することができ、このようなケースには、限定はしないが、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称の特許文献19、2014年4月16日に出願された「FILL POUCH ASSEMBLY FOR ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献24、および2014年4月16日に出願された「CASE FOR AN ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献21が含まれる。
本明細書において「充填パウチ」、「デバイス充填パウチ」、または「デバイス充填パウチ組立体」もしくは「DFPA」62は、デバイスおよびケースを収容することができる任意の容器またはパウチを指す。DFPAは、たとえば、本発明の実施形態に従って、デバイスのプライミングを行ってデバイスを装填し、ケースおよびデバイスの完全性および滅菌性を維持するためにデバイスを密封するときに使用することができ、このようなDFPAには、限定はしないが、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称を有する、出願人の特許文献19、および2014年4月16日に出願された「FILL POUCH ASSEMBLY FOR ENCAPSULATION DEVICE」という名称を有する、出願人の特許文献24が含まれる。
本明細書において「デバイスケース保存バッグ」または「保存バッグ」124という用語が使用されるときは、本発明の実施形態による、内部にデバイスケースおよびデバイスを密封するように収容することができる任意のバッグまたはパウチあるいは滅菌可能なバッグまたはパウチを指し、このようなデバイスケース保存バッグには、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称を有する、出願人の特許文献19で説明される保存バッグが含まれる。一般に、デバイスケース保存バッグ124は、RF反応部を有する。
本明細書において「運搬バッグ」、「運搬パッケージ」、または「運搬パウチ」126という用語が使用されるときは、本発明の実施形態による、限定はしないが、デバイスケース保存バッグ、デバイスケース、およびケースを含む複数の要素を内部に密封するように収容することができる任意のバッグまたはパウチあるいは滅菌可能なバッグまたはパウチを指し、このような運搬バッグには、限定はしないが、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称を有する、出願人の特許文献19で使用される運搬バッグが含まれる。
本明細書において「組立体」、「システム」、「取付け具」、「装置」、「構成要素」、「プラットフォーム」、および/または「手段」1、2、68、76という用語が使用されるときは、本発明の実施形態に従って、同じ意味であり、区別せずに使用される。
本明細書において「調整可能な」、「移動可能な」、または「多位置」14、22、58、106が使用されるときは、本発明の実施形態による、限定はしないが、横方向の移動、垂直方向の移動、または様々な位置での0度から180度以上までの回転が可能であるか、あるいは開放構成、半開放構成、半閉鎖構成、または閉鎖構成を有する構成要素、およびこれらの構成を実現するための任意の手段を指す。
本明細書において「流体溜め」、「細胞溜め」、「細胞源」、「細胞容器」、および/または「アリコートバイアル」36という用語が使用されるときは、本発明の実施形態による、細胞を保存し保持することができるチューブまたは容器を指す。
本明細書において「細胞」または「細胞集塊」という用語が使用されるときは、その文脈に応じて区別せずに使用される場合があるが、様々な実施形態をそのようなものに限定することは意図されない。本明細書において説明するプライミングおよび装填システムの実施形態は、集塊だけではなく、様々な形態の様々な種類の細胞源に利用されてもよい。
本明細書において「膵臓内胚葉細胞」、「PDX1陽性膵臓内胚琶」、「PEC」、および「膵臓始原細胞」という用語が使用されるときは、本発明の実施形態による治療細胞源を指し、このような治療細胞源には、限定しないが、2008年4月8日に出願された「METHODS OF PRODUCING PANCREATIC HORMONES」という名称を有する、出願人の特許文献1、2009年11月13日に出願された「ENCAPSULATION OF PANCREATIC LINEAGE CELLS DERIVED FROM HUMAN PLURIPOTENT STEM CELLS」という名称を有する、出願人の特許文献2、2013年12月12日に出願された「IN VITRO DIFFERENTIATION OF PLURIPOTENT STEM CELLS TO PANCREATIC ENDODERM CELLS (PEC) AND IMMATURE BETA CELLS」という名称を有する、出願人の特許文献3、2014年3月7日に出願された特許文献4、および2014年3月13日に出願された「IN VITRO DIFFERENTIATION OF PLURIPOTENT STEM CELLS TO PANCREATIC ENDODERM CELLS(PEC) AND ENDOCRINE CELLS」という名称を有する、出願人の特許文献5が含まれる。
本明細書において「細胞装填システム」または「プライミングおよび細胞装填システム」または「装填システム」という用語が使用されるときは、デバイスに治療薬または細胞を装填するための任意のシステムを意味する。
本明細書において「投与チューブプラットフォーム」または「チューブ架台」という用語が使用されるときは、チューブ組立体を架台上に保持されたままにするための手段を構成する任意のプラットフォームまたは架台を意味する。
本明細書において「デバイス装填ポート」または「デバイス装填チューブ」または「デバイスポート」または「デバイスチューブ」という用語が使用されるときは、薬剤および/または細胞のプライミングを行うかあるいは薬剤および/または細胞をデバイス内に装填し、後でデバイスを密封するための任意のチューブを意味する。
本明細書において「無線周波数」、「電磁エネルギー」、またはそれらの均等物が使用されるときは、一定の熱可塑性膜材料を選択的に密封し、他の熱可塑性膜材料は密封しない手段である。
本明細書において「細胞用量」または「用量」という用語が使用されるときは、一般に、任意の数の細胞または細胞集塊または治療薬の参照である。たとえば、細胞容器またはバイアルは、1個〜10個、10個、10個以上の細胞を有する場合があるが、これらの実施形態では、1つの細胞バイアル中の任意の上記の量が、1細胞用量と呼ばれ、細胞の数を示さない。プライミングおよび細胞装填システム1は、少ない細胞量および多い細胞量を問題なく試験しており、したがって、システム1は様々な量を収容することができ、したがって、多数の細胞用量を収容することができる。一実施形態では、システム1は、治療に必要であり、ならびに/あるいは製造ランごとに特定のサイズのデバイスまたは複数のデバイスを充填する必要がある細胞用量の数に応じて1つ、2つ、3つ、4つ、5つなどの細胞用量を保存するようにプログラムすることができる。このシステムに関する1細胞用量に関する細胞の量および複数の細胞用量に関する細胞の量の決定は、追加の発明を必要とせず、当業者の範囲内で行われる。
本明細書において「結合システム」、「取付けシステム」、「密閉システム」、「ロックシステム」、「ラッチシステム」、またはそれらの均等物は、ヒンジ、スナップ、ボタン、ストリング、フック、ラッチ、ファスナ、クリップ、クランプ、ナット、ボルト、または構成要素もしくは固定具を互いに取外し可能にもしくは永久的に連結するのに使用される他の種類のファスナなどの1つ以上の構成要素を取り付け、結合し、連結し、またはラッチするための任意の手段を指す。
本明細書では、所定の構成要素または部品は、構成要素を閉じるかそれとも開くかに関して重要ではない、引かれることまたは押されること(たとえば、下方に押すことまたは上方に引くこと)を実行されるラッチまたはカムレバーを使用することによって閉じられるかまたは開かれる。構成要素の開閉が、ラッチまたはカムレバーが引かれるかそれとも押されるかと無関係であるのは、いずれの動き(引くことまたは押すこと)がいずれの機能(開くことまたは閉じること)を実行することも可能であるからである。
本明細書において使用される「装填された」という用語は、何かを何か他のものに充填するかまたは入れること、たとえば、デバイスを充填または装填すること、あるいは投与チューブ組立体を装填することの参照である。
移植可能デバイス
本実施形態の目的ではないが、本出願の全体にわたって移植可能デバイスについて説明し例示する。たとえば、図2、図3、図4、図5、図6、および図8は、移植可能デバイス200が内部に固定されたデバイスケース74を示す。しかし、本明細書において説明する実施形態は、これらの移植可能デバイスに限定されず、他の移植可能デバイスまたは移植不能なデバイスでも可能である。当業者には、一般的な実施形態から逸脱せずに本明細書において説明するプライミングおよび細胞装填システム1を他のデバイス向けに修正することができる。出願人は、限定はしないが、自己拡張型の移植可能デバイス、大容量またはマクロカプセル化、平面状および非平面状の移植可能デバイス、あるいは3次元マクロカプセル化移植可能デバイスを含む、様々な平面状および非平面状(たとえば、3次元)の移植可能デバイスについて説明した。たとえば、2014年3月7日に出願された「3-DIMENSIONAL LARGE CAPACITY CELL ENCAPSULATION DEVICE」という名称を有する、出願人の特許文献6、2011年12月12日に出願された出願人の特許文献7、2011年12月12日に出願された出願人の特許文献8、2013年5月31日に出願された出願人の特許文献9、2013年3月13日に出願された出願人の特許文献10、2014年3月7日に出願された「3-DIMENSIONAL LARGE CAPACITY CELL ENCAPSULATION DEVICE」という名称を有する、出願人の特許文献11〜18によって、他のカプセル化移植可能デバイスについて説明した。
治療細胞および薬剤
本明細書の実施形態では、治療細胞および治療薬のプライミングを行って治療細胞および治療薬を移植可能デバイスに装填することについて説明する。特に、細胞集塊懸濁液からなる治療細胞および薬剤について説明する。出願人は、糖尿病に関する細胞治療、詳細には糖尿病を治療するためのカプセル化細胞治療を開発しており、様々な内胚葉系譜細胞または胚体内胚葉系譜細胞、詳細には本明細書において説明する実施形態とともに使用される膵臓系譜細胞について詳細に説明した。たとえば、出願人は、少なくとも、2008年4月8日に出願された「METHODS OF PRODUCING PANCREATIC HORMONES」という名称の特許文献1、2009年11月13日に出願された「ENCAPSULATION OF PANCREATIC LINEAGE CELLS DERIVED FROM HUMAN PLURIPOTENT STEM CELLS」という名称の特許文献2、2013年12月12日に出願された「IN VITRO DIFFERENTIATION OF PLURIPOTENT STEM CELLS TO PANCREATIC ENDODERM CELLS (PEC) AND IMMATURE BETA CELLS」という名称の特許文献3、2014年3月7日に出願された特許文献4、および2014年3月13日に出願された「IN VITRO DIFFERENTIATION OF PLURIPOTENT STEM CELLS TO PANCREATIC ENDODERM CELLS (PEC) AND ENDOCRINE CELLS」という名称の特許文献5において中内胚葉細胞および胚体内胚葉系譜型細胞について詳細に説明した。好ましい一実施形態では、移植可能デバイスは、治療薬、生体細胞、内胚葉系譜細胞、胚体内胚葉系譜細胞、膵臓始原細胞、多能性細胞(ヒト胎芽または胎児、臍帯血幹細胞、誘導多能性幹細胞、再プログラム化細胞、単為生殖細胞、性腺生殖細胞、および間葉系幹細胞または造血幹細胞の非破壊を使用した誘導を含む、現在公知であるかまたは将来発見される方法によって誘導されたヒト胚性幹細胞)とは異なる膵臓始原細胞、PDX−1陽性膵臓始原細胞、内分泌前駆細胞、内分泌細胞、未成熟β細胞、未成熟膵島細胞などからなる。
本明細書では、科学雑誌論文、特許文献、および特許を含む様々な文献が参照され、それらの文献の各々の開示の全体が参照により組み込まれている。たとえば、膵臓始原細胞集団および/または未成熟β細胞集団を生成し、デバイスの滅菌、保存、固定、および移送を行い、解剖学的部位のサイズを測定して準備し、配合剤を移植部位に送達して配置し、ホルモン分泌細胞を体内で機能させるための機器および方法が、出願人の上記の特許出願において開示され、全体が参照により本明細書に組み込まれている。
プライミングおよび装填システム
図1〜図3は、細胞(または治療薬を含む任意の流体懸濁液)のプライミングを行って細胞を移植可能デバイスに装填するためのシステム1の非限定的で非排他的な実施形態を示す。システム1は、少なくとも、(i)流体溜め44および投与チューブ38(集合的に投与チューブ組立体44、38)を装填すること、(ii)それぞれ投与チューブ組立体44、38およびデバイス200をDFPA62内部に装填できるように細胞バイアル36とデバイスケース74およびデバイス200を内部に含むDFPA62とを捕捉すること、(iii)細胞のプライミング、装填、または充填を行い、デバイスへの細胞のフラッシングを行うことの各機能を実行するために様々な要素を備える。すべての機能(機能i、iiおよびiii)が、制御下で、無菌状態で、手動によって、半自動的に、ならびに/あるいは自動的に実行される。
図1〜図3は、シリンジ54およびシリンジポンプ52と、投与チューブプラットフォーム10と、流体溜め44および投与チューブ38と、フレックスプレート架台16、回転軸受48に連結された回転ハンドル50、および釣合い重り12を有する回転可能プラットフォーム14と、第1のバイアル位置4および第2のDFPA位置6を有する調整可能な多位置ブロック58ならびにDFPAネスティングブロック30を含む調整可能なスライディングキャリッジ22と、を含む本発明の非限定的で非排他的な実施形態を示す。すべての構成要素は、ベース34上に取り付けられたフレーム60(投与チューブプラットフォーム10、回転可能プラットフォーム14、およびスライディングキャリッジ22)に連結される。特定の実施形態について以下により詳細に説明する。
プライミングおよび細胞装填システム1は、「細胞ローダ」、「細胞ローダシステム」、または「細胞充填組立体」もしくはそれらの均等物とも呼ばれる。任意の実施形態において、プライミングおよび細胞装填システム1は、その機能を無菌状態で実行し、それによって、システムの様々な構成要素および/またはシステムとともに使用される構成要素の完全性および滅菌性が維持される。一実施形態では、本明細書で説明されるすべてのシステム、構成要素、手段、および方法が、適性製造基準(GMP)による適切なクリーンルームにおいて少なくとも米国およびヨーロッパの規制機関に従って実行される。
追加の構成要素、たとえば、細胞カウンタ、圧力変換器、熱センサ、速度センサなどの外部センサをプライミングおよび細胞装填システム1に付加することができる。
投与チューブ組立体
滅菌性を確保するために、流体溜め44と投与チューブ38とを備える使い捨て投与チューブ組立体44、38が、シリンジ54に連結され、さらにシリンジポンプ52に連結される。投与チューブ38は、装填チューブ38と呼ばれることもある。流体溜め44は、デバイス200をプライミングするための液体培地を保持し、デバイス200への細胞集塊のフラッシングを行うために細胞集塊または液体培地を保存するのに使用される。一実施形態では、流体溜め44と投与チューブ38を分離する管継手42もあり、これがシリンジに連結され、これらの構成要素は一緒に1つのユニットとして滅菌される。この滅菌ユニットは次いで、シリンジポンプ52に連結される。一実施形態では、投与チューブ組立体44、38は均一直径チューブである。チューブの直径は、プライミングおよび細胞装填システム1の様々な構成要素間の連結(たとえば、シリンジ54、フレックスプレート架台16、およびデバイスポート72との連結)を容易にするように選択された。全体的に一定の直径を有するチューブを利用すると、チューブサイズ(直径)が変化する場合には必要になる、遷移部分および追加の管継手または弁が不要になる。たとえば、チューブ直径が変化するとき、チューブのサイズの変化に対処するのに管継手または弁が使用され、この変化によって、細胞、特に懸濁液集塊が、場合によってはチューブシステムにおけるそれぞれに異なる領域において詰まるか、あるいは輸送時に管継手に閉じ込められるか(たとえば、細胞集塊が管継手の小さい溝に沈殿して他の細胞集塊の移動に影響する場合がある)、あるいは特により小さい直径のチューブに遷移する場合にせん断によって破壊されることがある。したがって、チューブシステムに関して一定の直径を維持すると、細胞集塊が連結部または管継手の近傍または内部に閉じ込められる可能性が低くなるので有利である。一定の直径を有するチューブはまた、限定はしないが、滅菌リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」または「生理食塩水」)、幹細胞培地などを含む液体ポンピング培地を使用する際に応答性の流体量移動を可能にする。より少ない管継手42および/または弁を有する流体溜め44では、機械的に感応する材料、特に、限定はしないが、懸濁液中の動物、人間、および/または植物の細胞、ウィルス、タンパク質沈殿物の塊成物、タンパク質結晶、天然タンパク質、抗体、リポソーム、細胞集塊を含む、せん断の影響を受ける生体材料をより優しく輸送することが可能になる。管継手の数を少なくすると、特に人間が使用する場合に、汚染の可能性も低くなり、滅菌された無菌環境が維持される。一実施形態では、細胞を装填する場合に投与チューブ38をデバイスポート72に直接挿入することができるように、デバイスポート72よりも小さい半径のチューブを使用することによって投与チューブ38における追加の管継手を避けることができ、場合によっては投与チューブ38および/またはデバイスポート72ならびにその内部のデバイス200の汚染が防止される。
流体溜め44の様々なサイズ、直径、長さ、テーパ、球状部、バルーン、およびその他の特徴が可能であり、吸引し装填すべき材料および/またはそのような材料を受け入れるためのデバイスに依存してもよい。投与チューブ38の先端は、移植可能デバイス200のデバイスポート72に連結され、したがって、上述したのとまったく同じ理由で投与チューブ38はデバイスポート72とほとんど同じ直径を有するべきである。
一実施形態では、生理食塩水は、投与チューブ組立体44、38におけるポンピング流体として使用される。このことは、チューブ組立体を通じてポンピング空気よりも高度な制御をポンピング流体に施すことができるので有利である。さらに、空気を使用する際の規制順守は、液体ポンピング流体の場合よりも面倒で厄介である。
一実施形態では、選択されるチューブの長さは、最大容量のデバイスを装填する場合の培地および細胞集塊の最大容量に部分的に依存する。たとえば、約20フィートのチューブ長では、少なくともEN250デバイス(約250μL)を装填する場合に約5mLの総チューブ容量を保持することができる。
一実施形態では、流体溜め44を投与チューブプラットフォーム10上に取り付けるかまたは保持するか、あるいは当技術分野において公知の他の手段によって収容することができる。
チューブプラットフォーム
投与チューブプラットフォーム10は、投与チューブ44、38、特に流体溜め44を維持または保持するための手段を構成し、たとえば、より長い投与チューブを架台10上で巻き保持することができる。架台10は、流体溜め44を水平姿勢に維持し、流体および空気がシリンジポンプ52を介して通過するときにチューブ内に気泡が形成されるのを防止する。たとえば、流体溜め44が(水平ではなくて)より垂直な位置を実現しようとした場合、後続の培地の流頭がエアボーラスの下方に潜り込み気泡を形成する場合がある。チューブを水平方向に維持することで、これを防止する。
一実施形態では、投与チューブプラットフォーム10はさらに、円柱形のくぼみ40と、回動保持ラッチ、および/またはチューブを固定し且つ/あるいは適切な位置に維持するための固定つまみねじと、から構成することができる。
シリンジおよびシリンジポンプ
代表的な外科用(手動)シリンジは、ピストンおよびシリンダを使用し、日々の実験室での研究に使用される測定された少量の流体を送り込む(分注する)のに適している。たとえば、出願人は、少量の膵臓始原細胞を測定し、移植される移植可能デバイスに装填するためにハミルトン製シリンジを使用することを説明した。少なくとも、2008年4月8日に出願された「METHODS OF PRODUCING PANCREATIC HORMONES」という名称の特許文献1、および2009年11月13日に出願された、「ENCAPSULATION OF PANCREATIC LINEAGE CELLS DERIVED FROM HUMAN PLURIPOTENT STEM CELLS」という名称の特許文献2を参照されたい。しかし、多数のデバイス、またはより大きいデバイス、または3次元デバイスのプライミングを行いそれらのデバイスを充填する必要がある商業的な治療では、手動のハンドヘルドシリンジの装填はこの密封のためには効果的ではない。したがって、細胞の生存能力を維持しつつ(たとえば、せん断応力を低減させつつ)多数の投与量のプライミングおよび装填(分注)を厳密にかつ正確に行うことができる自動化システムまたは半自動化システムが必要である。
図1および図2は、シリンジ54およびシリンジポンプ52の非限定的で非排他的な実施形態を示す。シリンジ54およびシリンジポンプ52は、限定はしないが、Cavro、Parker、Kloehn、およびHamiltonなどを含む様々な製造業者から市販されている。
ポンプは、1マイクロリットル〜50ミリリットルの範囲の量を分注するための様々なサイズのシリンジとともに利用することができる。シリンジポンプは概して、シリンジバレルと、入口弁および出口弁と、ピストンと、モータと、で構成される。一実施形態では、シリンジバレルは直接弁に差し込まれ、シールを使用して弁をシリンジから実質的に分離することができる。この例では、シリンジ面積およびピストンの直線変位によって分注されるシリンジ流体量が規定される。別の実施形態では、シリンジポンプは、ピストンとシリンダとからなり、その場合、ピストンが弁機能を実現することができる。好ましい実施形態では、シリンジバレルは直接(弁ではなく)管継手に差し込まれ、シールを使用して管継手をシリンジから実質的に分離することができる。さらに、別の実施形態では、シリンジピストンの変位を制御(または移動)するのにモータ(たとえば、ステッピングモータ)が使用される。
好ましい実施形態では、Norgren Kloehn Versa pump(「Kloehnポンプ」)を利用して、出願人の候補細胞生成物である膵臓始原細胞集塊懸濁液(またはPEC)を吸引し分注した。ポンプは、DC24V電源ブリックによって電力を供給され、フルストロークごとに12000ステップ、24000ステップ、または48000ステップにおいて動作可能なステッピングモータ精密シリンジポンプからなる。ポンプのフルストロークは約6cm(60mm)である。25μLから50mLまでの様々なサイズのシリンジをポンプに取り付けることができる。吸引および分注量は、シリンジ容量とストローク当たりステップ数によって正確に判定され、シリンジの容量が小さいほど精度が高くなる。一実施形態では、ポンプのフルストローク当たり約48000ステップが可能な10mLシリンジを使用して細胞装填システムEN250(最大容量約250μL)デバイスおよびEN20(最大容量約20μL)デバイスを実現することができる。この組合せによって実現される公称流体量分解能は、約0.2μL/ステップである。たとえば、EN250デバイスおよびEN20デバイスを装填するのにZinsser North America(北米)による10mLシリンジを使用することができる。
シリンジポンプ制御装置
コンピュータを使用して様々な吸引(引張り、陰圧)コマンド、休止コマンド、および分注(陽圧)コマンドに関してシリンジポンプ52と通信することができる。Kloehnポンプは、たとえば、多数の機能を有するコマンドセットを備え、様々なコマンドストリングが、コントローラソフトウェアアプリケーションに記憶され、ユーザから要求があったときにポンプ52に送られる。ポンプ52からの応答が、コントローラアプリケーションにおいて受信され表示される。
別の実施形態では、ポンプ52は、そのコマンドを内部(内蔵不揮発性RAM)に記憶し、ハードウェア入力を介して実行することができ、したがって、単純な押しボタンインターフェースによって、シリンジポンプ52に必要に応じて吸引、休止、および分注を行うように命令することが可能である。
別の実施形態では、シリンジポンプ52は、統合組立体機械制御システムからハードウェア入力を受信することができる。コンピュータを使用することは便宜上選択されているが、流体または細胞、特に細胞懸濁液集塊の吸引、休止、および分注を行うための任意の自動化された方法または手動の方法が当業者には合理的である。
回転可能プラットフォーム
プライミングおよび装填システム1の独特な特徴は、スライディングキャリッジ22(以下により詳細に説明する)に連結された回転可能プラットフォーム14であり、回転可能プラットフォーム14とスライディングキャリッジ22はその両方が一緒に0度から180度まで回転することができる。回転可能プラットフォーム14は、さらにフレックスプレート架台16(以下により詳細に説明する)から構成することができる。プライミングおよび細胞装填システム1のフレーム60およびベース34に取り付けられた回転軸受48の周りを移動する回転ハンドル50を使用して、回転可能プラットフォーム14を垂直方向下向きから垂直方向上向きに180°回転運動させることができる。プライミングおよび細胞装填システム1の側面斜視図を示す図3を参照されたい。図3は、ベースに対して約90度回転させた回転プラットフォーム14およびスライディングキャリッジ22も示す。回転可能プラットフォーム14を所望の位置に固定するかまたは締め付ける場合、回転軸受48を1つ以上のロックナットによって固定することができる。他の実施形態では、限定はしないが、トグルクランプ、摩擦クラッチ、ラチェットなどを含む代替固定機構またはロック機構によって回転可能プラットフォーム14の位置を固定することも可能である。
一実施形態では、バイアル36および/またはDFPA62の取外しおよび設置を行う場合、図1および図2に示すのと同様に回転可能プラットフォーム14を垂直方向下向きに向ける。より小さいデバイス(たとえば、EN20デバイスなどの最大容量が20μLのデバイス)の場合、ウェッティングまたはプライミングが様々な方位角度において実現されてもよい。より大きいデバイス(たとえば、EN250デバイスなどの最大容量が250μLのデバイス)の場合、ウェッティングまたはプライミングは、図3と同様に回転可能プラットフォームが垂直方向上向きに向けられた場合により効率的になる。所望のデバイスを装填するように回転可能プラットフォーム14の位置を最適化し変化させることは当業者の知識の範囲内であり、たとえば、いくつかのデバイスでは回転可能プラットフォーム14を水平方向に向けて装填するのが適切であり、一方、他のデバイスでは上向きに配置して装填するのがより適切であり、それによって、回転可能プラットフォーム14はたとえば180°から90°の間の角度に配置される。デバイスの分注および装填を行うように回転角を変化させることは、デバイスチャンバの内部で細胞をより均等に分配する助けにもなり、形成される場合がある気泡またはポケットの数を減らすことがある。デバイスの内部に閉じ込められた気泡またはポケットは、細胞集塊を受け入れるデバイスの能力に悪影響を与える場合があり、これによってデバイス内の細胞分布が悪影響を受けることがあり、さらに気泡の部位における細胞の成長、増殖、成熟、および発達またはその部位の近くでの細胞の成長、増殖、成熟、および発達が影響を受ける場合がある。したがって、気泡の形成を回避することは、細胞分布を適切な(均等な)ものにするうえで重要であり、回転可能プラットフォーム14は、方位に影響を与える小さい動きまたは大きい動きによって容易に操作できるようにすることによってこの回避を容易にしてもよい。
一実施形態では、多位置ブロック58およびDFPAネスティングブロック30などの重量成分に起因して、回転可能プラットフォーム14は、安定性が得られるようにプラットフォーム14の近位部に釣合い重り12を有してもよい。
フレックスプレート架台
フレックスプレート架台16は、投与チューブ38をバイアル36の中心に配置することが提示されたときにそのように働き、投与チューブ38をデバイスポート72と整列することが提示されたときにそのように働く。フレックスプレートは、わずかにたわんでもよく、DFPA62の内部で投与チューブ38とデバイスポート72の管継手とが完全に係合したときにチューブ38とデバイスポート72の管継手との間に密閉された連結部を維持するための一定の力を加える。一実施形態では、フレックスプレート架台16は、管継手42を選択することによって様々なサイズの流体溜めチューブ44および投与チューブ38を収容することができる。
一実施形態では、1つ以上の投与チューブ組立体44、38、1つ以上の管継手42、および1つ以上のラッチ46を追加することによって、1つ以上のデバイスの同時装填または同期的な装填に対処することができる。したがって、フレックスプレート架台16は、いくつかのプライミングおよび装填機能を実行するように調整または最適化することができる。フレックスプレート架台16へのそのような修正は、当業者によって実現することができる。
一実施形態では、複数の投与チューブシステム44、38を複数の管継手42とともに使用することができるが、同じデバイスまたはそれぞれに異なるデバイスに同時にまたは同期的に装填することができる。
一実施形態では、図10においてさらに説明するように移植可能デバイス200に細胞を装填する際、フレックスプレート架台がたわみ、DFPA62内部での投与チューブとデバイスポート72との間の緊密な連結を維持する。
スライディングキャリッジ
回転可能プラットフォーム14は、スライディングキャリッジ22に取外し可能に連結され、ロッド18の対上を移動する。ロッド18は、キャリッジ22をロッド18上で上方または下方に移動させることによって投与チューブ38の係合および離脱を行うことができる。
好ましい実施形態では、3つの主要な活動および量、すなわち、プライミング量によるプライミング、細胞量における細胞、およびフラッシング量によるフラッシングがある。投与チューブ組立体44、38は、上述のようにフレックスプレート架台16によって所定の位置に維持される。フレックスプレート架台16は、スライディングキャリッジ22に取外し可能に連結され、スライディングキャリッジ22は、投与チューブ38の先端に対して3つの位置に配置することができる。デバイス200に細胞を装填または充填可能にするには、まず、以下にさらに詳細に説明するように投与チューブ組立体44、38にフラッシング量、細胞集塊量、およびプライミング量を装填または充填する。
(2)中央位置:スライディングキャリッジ22が中央位置に配置され、それによって、投与チューブ38がバイアル培地内に浸漬され、バイアル36の底部よりも上方(沈殿した細胞集塊の真上)に懸垂される。一実施形態では、この中央位置を使用して(細胞集塊を吸引せずに)細胞量またはフラッシング量のみを投与チューブ組立体44、38内に吸引するかまたは引き込むことができる。投与チューブ組立体44、38内に細胞集塊を装填せずに細胞培地を装填することが望ましいのは、細胞培地が、(i)デバイス200のウェッティング(または「プライミング」)を行うのに使用されること、および(ii)投与チューブ組立体44、38からデバイス内への細胞のフラッシング(または「チェイシング」)を行うのに使用されることの、少なくとも2つの機能を有するからである。
(1)完全係合:スライディングキャリッジ22が最も近位に配置され、回転可能プラットフォーム14およびフレックスプレート架台16に当接するかまたは近接する。多位置ブロック58が第1のバイアル位置4に位置する場合(図2A)、投与チューブ38は、バイアル36の上方に心合わせされ、投与チューブ38の先端はバイアル36の底部の近傍に位置する。多位置ブロック58が第2の充填位置6に位置する場合、投与チューブ38の先端はDFPA62内のデバイスポート72に整列され挿入される。別の実施形態では、たとえば、投与チューブ38とデバイスポート72がそれぞれに異なる半径を有する場合、デバイスポート72と投与チューブ38との間に管継手を設けることができる。一実施形態では、この完全係合位置は、細胞集塊を投与チューブ組立体44、38内に引き込むのに使用される。
(3)完全離脱:スライディングキャリッジ22は、投与チューブ38がデバイスポート72および/またはDFPA62もしくはバイアル36から完全に離脱するように最も遠い位置(フレックスプレート架台16および回転可能プラットフォーム14から最も遠く)に配置される。一実施形態では、この離脱位置はDFPA62またはバイアル36を取り外すかまたは設置するのに使用される。
一実施形態では、これらの3つの位置(中央位置、完全係合位置、完全離脱位置)のうちのどれを使用するかおよびそれらの位置をいつ使用するかは、バイアル内の細胞または治療薬によって決まる。たとえば、本明細書には、投与チューブ組立体44、38の装填およびデバイス200の装填について説明する好ましい実施形態が記載されるが、システム1が、より均質な混合物であってもよい治療薬とともに使用されるとき、別々の物理層はなくてもよい。そのような実施形態では、治療薬のプライミングおよびフラッシングを行うための細胞培地を含む別々のバイアルを使用することが必要になる場合がある。
投与チューブ組立体44、38を装填しデバイス200を装填する1つの好ましい実施形態について図9および図10において説明する。
スライディングキャリッジ22をその位置に維持するには、磁石を使用してキャリッジ22の位置をそれぞれに異なる移動位置に保持またはロックすることができる(「停止」)。一実施形態では、いずれかの方向に移動させたときにいずれかの端部において磁石に接触することができる磁気調整ねじを付加することによって微細なチューニング及び微調整に対処することができる。この停止によって、キャリッジ22のさらなる移動、およびDFPA62またはバイアル36のいずれかに対する投与チューブ38の位置ずれが防止される。磁石、および他の機械的手段を含む他の停止方法を、以下により詳細に説明する調整可能な多位置ブロック58において使用することもできる。
一実施形態では、スライディングキャリッジ22はさらに、以下により詳細に説明するように調整可能な多位置ブロック58およびDFPAネスティングブロック30からなる。
調整可能な多位置ブロック
一実施形態では、スライディングキャリッジ22はさらに、調整可能な多位置ブロック58からなる。調整可能な多位置ブロック58は、少なくとも2つの位置を有する横方向に滑るプラットフォームである。図2は、バイアル36をブロック58に挿入することができる第1の位置4(「バイアル位置」)およびDFPA62が部分的または完全に多位置ブロック58内に位置することができる第2の位置6(「充填位置」)を示す。したがって、多位置ブロック58は、機能に応じて調整することができる。一実施形態では、投与チューブ組立体44、38に細胞または所望の治療薬を装填する場合、第1のバイアル位置4が使用され、第1のバイアル位置4では細胞容器またはバイアル36を収容することができる。別の実施形態では、投与チューブ組立体44、38からデバイスに細胞を分注する(またはデバイスを装填する)場合、第2の充填位置6が使用され、第2の充填位置6では、ポートを有するデバイス200を含むDFPAまたは同様の滅菌デバイスを収容することができる。以下に、これらの実施形態の各々について、図9および図10を参照してより詳細に説明する。
DFPAネスティングブロック
別の実施形態では、スライディングキャリッジ22は、DFPAネスティングブロック30をさらに備え、任意のデバイスケースおよびデバイス形状、たとえば、DFPA62内部に保持された、図2Bにおいて説明したのと同様なデバイスケース74およびデバイス200を収容することができる。したがって、DFPAネスティングブロック30は、デバイスケースおよびデバイスの形状およびサイズに対処するくぼみを有することができる。
一実施形態では、DFPAネスティングブロック30はまた、以下により詳細に説明するように、デバイスポート72を密封するようにデバイスケース74およびデバイス200を直立させて保持する。
オーバーセンター(「トグル」)クランプ
一実施形態では、調整可能な多位置ブロック58およびDFPAネスティングブロック30はさらに、バイアル36またはDFPA62を所定の位置に固定するためのオーバーセンタークランプ(またはトグルクランプ)28、32からなる。一実施形態では、トグルクランプ28、32は、動作時に所定の位置に入ってアリコートバイアル36および/またはDFPA62を保持する細長い接触バーの形であってもよい。一実施形態では、クランプ(またはこの例では接触バー)28、32はクランプレバー24、26に連結され、クランプレバー24、26は、バイアル36またはDFPA62を保持するためにクランプを開放し解放するように動作させられる。他の実施形態と同様に、バイアル36またはDFPA62を所定の位置に固定または保持するための方法は、クランプ状のグリップまたはホルダを開閉することができる任意の数の用途で実現することができる。クランプ28、32は、クランプ上のフィンガがバイアル36のサイズまたはDFPA62の厚さの変化に対処するのを可能にし、それによって、プライミングおよび装填システム1を様々なデバイスに使用しそれらのデバイス向けに最適化するのを可能にする可撓性材料によって作ることができる。少なくとも、調整可能な多位置ブロック58に関しては、任意のクランプ32によって、調整可能な多位置ブロック58が、クランプ28、32が完全に押し下げられた状態でブロック58の2つの位置の間を滑るのを可能にすべきである。限定はしないが、ラッチ、スナップ、ロック雌部分および雄部分、タブなどを含む他の保持機構も考えられる。
したがって、プライミングおよび細胞装填システム1の実施形態は、様々な機能および用途に対処するための複数の調整可能な構成要素を含む特徴を有する。調整可能な多位置ブロック58は、フラッシング量、細胞量、およびプライミング量4を有する投与チューブ組立体38、44内に細胞を吸引するための第1のバイアル位置4から、プライミング量、細胞量、およびフラッシング量を分注するための第2の充填6位置まで滑る。さらに、デバイス200を装填した後、デバイス200がまだデバイスケース74の内部およびDFPA62の内部に位置する間デバイスポート72を容易に密封することができる。この多重機能によって、動作が1つの領域において実行されるので汚染の恐れが低減する。様々なシステム1の構成要素は、使用中のデバイスに基づくユーザ最適化を可能にする。
デバイスポートシーラ
移植可能デバイスのプライミング(ウェッティング)が行われ、デバイスに細胞が装填され、投与チューブから細胞がフラッシングされた後、デバイスに装填された治療細胞および/または治療薬が漏れるのを防止するためにデバイスを密封する必要がある。図4は、そのようなデバイスポートシーラ68の非限定的で非排他的な実施形態を示す。
一般に、デバイスポートシーラ68は、少なくとも4つの部分、すなわち、RF発生装置と、伝送ケーブルと、内部マッチングネットワークを有するシーリングワンドと、電極がC字形顎部の端部に位置するシーラ電極70のカスタムセットと、を備える。このC字形構成は、デバイスポート72へのアクセスを可能にする。好ましい実施形態では、C字形顎部はデバイスケース74の密封ポート領域を覆って、DFPA62を破壊せずにデバイスポート72を密封する。このC字形ではまた、顎部が各側からDFPA62の上方を滑るのが可能であり、通常デバイスポート72が存在するDFPA62の概ね中心に電極が直接アクセスするのが可能になる。シーラ電極70は、円柱形であり、デバイスケース74における対応する円柱形の切欠き部分と嵌まり合う。電極位置は、シーラワンドハンドルが完全に閉じられたときに一定の電極隙間が存在するのを可能にするように顎部内で調整可能である。顎部内のシーラ電極70は、RFアーキングに起因して汚れるか、損傷を受けるか、またはへこんだ場合に迅速に交換することができる。他の電極形状および構成も実現可能である。
一実施形態では、デバイス装填ポート72を無菌状態で密封するのにハンドヘルドデバイスポートシーラ68からの無線周波数(RF)電力が使用される(すなわち、デバイス装填ポート72は、まだデバイスケース74およびDFPA62の内部に位置する間密封される)。
好ましい実施形態では、デバイス200は、デバイス200からの細胞の偶発的な漏れまたはクリープを防止するように所定の位置に維持される限り、必ずしも調整可能な多位置ブロック58上の第2の充填位置6にあるとは限らないがまだDFPAネスティングブロック30内に位置する間密封される。
一実施形態では、デバイス装填ポート72は、RFエネルギーに特定的または選択的に応答し、内部が急速に加熱され冷却される、生体適合性を有する任意の可撓性プラスチックチューブによって作られ、これに対して、DFPA62およびデバイスケース74の他の材料がRFエネルギーに対して同様に応答することはない。たとえば、適度な圧力を使用することで、加熱されたデバイス装填ポート72を閉じるように圧迫して、さらなる密封材料(たとえば、封止材または接着フィルム)を導入することも、あるいはデバイス装填ポート72を損傷することもなしにチューブ内に永久的なシールを形成し、同時にケース74およびDFPA62をRFシーラの影響を受けない(密封されず、たとえば、DFPAシート同士が溶融しない)ようにしておくことができる。この例では、DFPA材料は緩衝材料として働く。他の緩衝材料については以下において説明する。デバイスが充填された後でデバイスチューブを無菌状態で永久的に密封するこの能力は、このシステム独特の能力である。
一実施形態では、デバイスポート72は、図4に示すようにデバイスケース74を越えて延びるか、あるいは必要に応じて、投与チューブ38との連結に対処するように延び、デバイスポートは、これらの領域のいずれかにおいて密封することができるが、通常は、デバイス200自体の本体に最も近い領域において密封される。
したがって、移植可能デバイス200のプライミングおよび装填の間、デバイス200は、人間の手に触れられることがなく、最低限の操作を受け、あらゆる操作がDFPA62の無菌環境の範囲内である。
RFエネルギーに反応しない緩衝材料
一実施形態では、DFPAまたは他の滅菌バッグおよびパウチを作るのに使用される緩衝材料が利用された。DFPAは、公称厚さが約0.0025インチ(または0.0065mm、または約0.01mm)である、ポリエステル(たとえば、マイラー)およびポリエチレンの薄い積層板からなる。この材料は、デバイスポート72とシーラ電極70との間の保護表面を構成し、それによって、電極がデバイス装填ポートに直接接触することはなく、それにもかかわらずデバイス装填ポートを密封することができる。密封の間、デバイスポート72は加えられたRFエネルギーに反応して発熱し、一方、たとえば、DFPA62の緩衝材料積層板はRFエネルギーに反応しない。したがって、適度なクランプ圧力の下で、加熱されたデバイス装填ポート72は永久的なシールを形成し、同時に、より低温の緩衝材料積層板が、加熱された装填ポートに固着することも付着することもない。密封の後で圧力を解放すると、密封されたポートが緩衝材料積層板から解放される。
別の実施形態では、RFエネルギーに応答しない任意の材料または材料の積層板を緩衝材料として使用することができる。緩衝材料の実際の厚さは重要ではないが、より薄い材料の方が使いやすくかつコストが低いので好ましい。代替材料には、ポリエチレン(たとえば、Tyvek)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどが含まれる。実施形態では、ポリエステル/ポリエチレン積層板が選択された。その理由は、ポリエステル/ポリエチレン積層板が薄く使いやすいシートとして低コストで入手可能であるからである。さらに透明である緩衝材料、たとえば、マイラーポリエステルは、術者が得られたシールをDFPA62を開く必要なしに無菌状態で迅速に目視検査するのを可能にする。
さらに、緩衝材料の他の材料が、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称の特許文献19、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称の特許文献20、および2014年4月16日に出願された「CASE FOR AN ENCAPSULATION DEVICE」という名称の特許文献21に記載されている。
無線周波数(RF)発生装置
一実施形態では、デバイスポート72を密封するのに利用されるRF発生装置は、2つの出力条件の一方が満たされるまで出力される自己調整電力出力を含む。(i)総エネルギーしきい値が実現されるまで電力が供給されるか、あるいは(ii)所定の期間(たとえば、2秒)が経過するまで電力が供給される。RF発生装置およびシーリングワンド内の固定マッチングネットワークの設計に起因して、実際の電力出力は、シールが完成するまで変動する。公称電力出力は約25Wである。特許文献25は、チューブ密閉用途に関するRFエネルギーの電力生成および供給について詳細に説明している。
一実施形態では、「Haemonetics」(以前は「Sebra」と呼ばれていた)モデル2600RF発生装置を使用してRF電力を供給し、移植可能デバイスの装填ポート72を密封した。この発生装置は、業界標準の50オームBNCコネクタを介して、FCCによって義務付けられた周波数40.68MHzでRF電力を出力する。別の実施形態では、他の周波数13.56MHz、27.12MHz、および40.68MHzが適用されてもよい。モデルR601 RF発生装置は、最高電力出力が600Wであり、パルスモードまたは連続モードにおいて駆動することができる。代替RF発生装置を使用することができるが、その場合、デバイス装填チューブを適切に密封するのに必要な特定の持続時間にわたって適切な電力を供給するために追加の制御装置が必要になることがある。そのような特徴を有するRF発生装置は、限定はしないが、Seren IPS、Comdel、Lesker、MKS Instrumentsなどを含む他の製造業者から市販されている。
RFケーブル
一実施形態では、RFエネルギーをRF発生装置からシーリングワンドに伝送するために、二重遮蔽付き業界標準50オームインピーダンスRG−223RFケーブルが使用される。このケーブルの長さは、約95.8”であり、この長さでは、40.68MHzにおいて1/2波長になるように特定的に同調する。この長さは、伝送効率を最大にし、RF発生装置とシーリングワンドとの間の後方反射を最小限に抑える。
別の実施形態では、他の50オームRFケーブルを使用することができる(RG−6、RG−58、RG−174など)が、剛性、遮蔽(効率の低下)、または電流容量が一定ではない。
一実施形態では、「Haemonetics」(以前は「Sebra」と呼ばれていた)シーリングワンドを使用してRF源と負荷との間でRFインピーダンスを整合させるとともに、ユーザが密封顎部をDFPA62の周りの位置に配置する人間工学的アクセスを可能にする。デバイス装填ポートシーラ68の顎部の独特の形状および構成に起因して、シーラヘッド負荷インピーダンスは業界標準50オーム抵抗インピーダンスとは異なる。この違いを補正するために、RF源と負荷との間に中間補正誘導/容量インピーダンス(マッチングネットワーク)が配置される。シーリングワンドは、一定値のキャパシタおよびインダクタからなる内部マッチングネットワークを備える。シーリングワンドマッチングネットワークは、工場において手作業によって調整され、軽量で小型で効率的なマッチングネットワークとなる。特許文献26(全体が参照により組み込まれている)は、シーリングワンド内部に位置する一定値のマッチングネットワークについて詳細に説明している。
別の実施形態では、同調可能なマッチングネットワークを使用することができるが、その場合、追加のコストおよび空間消費量が必要になる。他の同調可能なマッチングネットワークは、限定はしないが、Seren IPS、TC Power Conversion、Manitousys、Materials Science Inc.などを含む特定の製造業者から市販されている。固定マッチングネットワークを有するHaemonetics Model 1105シーリングワンドを使用すると、よりコストが低く、より小型の密封解決手段が得られる。
デバイスケース保存バッグシーリングステーション
図5〜図7は、デバイスケース保存バッグ124を密封または密閉するためのデバイスケース保存バッグシーリングステーション2の非限定的で非排他的な実施形態を示す。デバイスケース保存バッグ124はさらに、デバイスケース74内部の装填された移植可能デバイス200からなる。
概して、シーリングステーション2は、少なくとも、ベース100上のデバイスケース保存バッグホルダ76とシーリングヘッド組立体78とからなる。
デバイスケース保存バッグ
図6Aおよび図6Bは、細胞が充填または装填されたデバイス(あるいは細胞がカプセル化されたデバイス)を保存バッグ124内に保存するための手段の非限定的で非排他的な実施形態を示す。
デバイスケース保存バッグ124の構成は、シーリングステーション2に関連して設計された。シーリングステーション2上の要素は、たとえば、デバイスケース保存バッグ124と直接相互作用し、(i)運搬および運送時にデバイスおよびデバイス内部の治療細胞または治療薬を保護すること、および(ii)最終的なシールが無菌状態で付与されるのを可能にすることの、少なくとも2つの基本要件に基づくものであった。この保存バッグおよび同様の保存バッグについての詳細な説明は、2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称を有する、出願人の特許文献19、および2014年4月16日に出願された「TOOLS AND INSTRUMENTS FOR USE WITH IMPLANTABLE ENCAPSULATION DEVICES」という名称を有する、出願人の特許文献20に記載されている。
一実施形態では、第1のホルダプレート88上の対応する要素またはマーキング(たとえば、インクマーキング)と整列する穴または切欠きなどの特定の要素を、設計および製造時にデバイスケース保存バッグ124に組み込むことができる。このことは、ラッチまたは管継手の雄部分および雌部分と同様である。したがって、任意のシーリングステーション2が、密封される部分の要素を組み込んでもよく、あるいは密封される部分における対応する要素(たとえば、デバイスケース保存バッグ124およびシーリングステーション2上の位置合わせ要素)を有してもよい。
デバイスケース保存バッグホルダ
一実施形態では、デバイスケース保存バッグホルダ76は、スライディングキャリッジ106上に位置し、第1のホルダプレート88と第2の揺動プレート90とからなる。一実施形態では、ホルダプレート88を構成する2枚のプレートは、異なるように移動または回動し、たとえば、後部プレートが静止している間に前部プレートが回動する。第1のホルダプレート88は、デバイスケース保存バッグ124を保持し、さらにバーまたはプレート110に連結されたカムまたはレバー112によって制御され、プレート110は、ばね108に連結され、バー/プレート110を回動させるレバー112を移動(または回動)させることができる。たとえば、デバイスケース保存バッグを第1のホルダプレート88にロックする場合、レバー112が上方に引かれ、第1のホルダプレート88が前部プレート88まで機械的に並進し、デバイスケース保存バッグホルダ124をホルダ76に挟み、デバイスケース保存バッグ124を解放する場合、レバー112が下方に押される。
デバイスケース保存バッグホルダ76は、デバイスケース保存バッグ124をデバイスケース74および細胞が装填されたデバイス200とともに保持する。一実施形態では、デバイスケース保存バッグ124を密封する前に、デバイスケース74内部の細胞が装填されたデバイス200が取り外され、DFPA62から、開かれ密封されていないバッグ124に移される。第1のホルダプレート88は、主として保存バッグ124を所定の位置に維持する働きをし、保存バッグ124が充填される間、すなわち、デバイスケース74およびデバイス200が保存バッグ124内に移される間ならびにデバイスケース74およびデバイス200を長期的な保存用の液体培地、すなわち、保存緩衝剤に浸漬するかまたはそのような液体培地によって覆うのに十分な程度に保存バッグ124が充填される間開かれる。
別の実施形態では、第2の揺動プレート90は、現在のデバイスおよび培地が充填され密封されていないデバイスケースの保存バッグ124を閉じる働きをする。第2の揺動プレート90の開閉は、カムガイドの周りを移動するカム92およびカムレバー98によって制御される。
一実施形態では、デバイスケース保存バッグ124を密封する前に、密封後のバッグ124内の空気の量ができるだけ少なくなるようにバッグ124内の残留空気または余分な空気を除去する必要がある。バッグ124内の残留空気を除去する場合、カムガイドに沿って回転可能なカムレバー98を閉位置に移動させ、それによって、カムレバー98は、第1のホルダプレート88同士の間に存在するデバイスケース保存バッグ124を圧縮する。この動作は残留空気をデバイスケース保存バッグ124から上方に押し出して除去し、それによって、保存培地が密封の前にバッグ124の頂部近傍に位置する。デバイスケース保存バッグ124の密封については以下により詳細に説明する。
デバイスケース保存バッグスライディングキャリッジ
デバイスケース保存バッグホルダ76はスライディングキャリッジ106上に位置することができ、スライディングキャリッジ106は、ホルダ76を、特にシーリングステーション2のシーリングヘッド78の下方において水平方向(左右)に移動させることができる。
一実施形態では、スライディングキャリッジ106は、任意の数のレールまたは溝上に位置すること又は載置することによって前後に滑る。別の実施形態では、レールは、スライディングキャリッジ106がさらに走行するかまたは外れるのを防止するために各端部に停止部102、116を有する。たとえば、一実施形態では、スライディングキャリッジ106は2つのレール上に位置し、停止部102、116はベース100上に取り付けられるかまたは配置されるが、任意の数のレールが作用することができ、停止部102、116を任意の位置に配置することができ、それによって、停止部102、116はスライディングキャリッジ106のさらなる移動を防止する。
スライディングキャリッジ106は、デバイスケース74および装填された移植可能デバイスを受け入れ、本明細書において説明するシーラを使用して保存バッグ内に密封することができるように、開かれた(密封されていない)デバイスケース保存バッグ124を捕捉するための無菌作業環境を、デバイスケース保存バッグホルダ76とともに構成する。
シーリングヘッド組立体
一実施形態では、シーリングステーション2は、シールド80によって保護されたシーリングヘッド組立体78と、取り付けられた、水平方向において互いに向かい合うRF電極84、86と、からなる。後部電極84は、エアシリンダ81上に取り付けられ、前部電極86は固定される。デバイスケース保存バッグ124を密封する場合、スライディングキャリッジ106がホルダ76全体をシーリングヘッド組立体78の下方に移動させる。
保存バッグ124を密封する場合、公称隙間によって、電極84、86間にデバイスケース保存バッグ124を挿入する(それによって2つの電極を分離する)ことが可能になり、エアシリンダ81が延ばされ、後部電極84が前進してデバイスケースバッグ124を2つの電極84、86間に密閉し、RF電力を印加することによって、バッグ124のRF反応部分が加熱され、バッグ124上にシールが形成される(図6B)。エアシリンダ81を引き込むと、デバイスケース保存バッグ124が電極84、86から解放され、スライディングキャリッジ106をシーリングヘッド組立体78の下方から離れた(図示のように左に移動させた)位置に戻すことができる。
RFシーラの自動化
デバイスケース保存バッグ124を密封するための動作を完全に自動化するかまたは半自動化することができる。一実施形態では、密封動作を実行するためにRF発生装置(たとえば、Seren RF Generator)およびマッチングネットワーク(たとえば、Seren Matching Network)と通信するのにパーソナルコンピュータ(PC)が使用される。RF発生装置とマッチングネットワークはどちらも、様々なユーザ適用例向けに完全に構成可能であるが、少なくともSerenのRF発生装置およびマッチングネットワークの例では、外部コントローラからの特定の動作コマンドを必要とする(すなわち、RF発生装置とマッチングネットワークは、上述の動作を実行するうえでプログラムされたソフトウェアによって動作可能にされることはない)。
さらに他の実施形態では、他の制御方式が可能である。たとえば、プログラム可能な論理コントローラ(PLC)は、様々なSeren初期設定およびRF生成コマンドストリングを維持し、次いで、ユーザの要求に応じてこれらのコマンドをSeren RF発生装置に送ることができる。Serenマッチングネットワークは通常、その初期構成が経験的に判定され、内部構成が行われた後で周期的なコマンドを発行する必要はない。一実施形態では、制御方式用のPCが使用される。
別の実施形態では、単純なアクティブ化スイッチ104を使用してシーリングステーション2を制御することができる。
RF発生装置
一実施形態では、Seren Industrial Power Supplies R601 Radio Frequency Generatorを利用してRF電力を厳密に印加して、デバイスケース保存バッグ124のRF応答EVA層の加熱および密封を実現した。FCCは、これらの種類の用途に周波数13.56MHz、27.12MHz、および40.68MHzを義務付けており、一実施形態では40.68MHzが選択された。モデルR601 RF発生装置は、最高電力出力が600Wであり、パルスモードまたは連続モードにおいて駆動することができる。このRF発生装置のRF出力は、業界標準Nコネクタおよび業界標準50オームインピーダンス伝送ケーブルを介した出力である。同様の特徴を有するRF発生装置は、他の製造業者(たとえば、Comdel、Lesker、MKS Instrumentsなど)から市販されている。豊富な要素セットおよびシリアルコマンド機能を利用できるようにSerenを選択した。
マッチングネットワーク
デバイスケース保存バッグ124上の最終的なシールの独特な形状および構成に起因して、シーラヘッド負荷インピーダンスは業界標準50オーム抵抗インピーダンスと大幅に異なっていた。この違いを補正するために、RF源と負荷との間に中間補正誘導/容量インピーダンスが配置される。Seren ATS- 10M Matching Networkは、この中間補正を実現し、RS−232シリアル通信を介して可能になる術者による単純な同調調整を実現する。
別の実施形態では、マッチングネットワークを、必要に応じて固定インダクタおよびキャパシタを含めて手動で構成することができる。この技法では、インピーダンスを整合させるためにインダクタンスとキャパシタンスの両方の違いを同時に経験的に試験するのは時間がかかるので、最終コストがより低くなるが、人件費が高くなる。
他の同調可能なマッチングネットワークは特定の製造業者(たとえば、TC Power Conversion、Manitousys、Materials Science Inc.など)から市販されている。RF発生装置とマッチングネットワークとの間のベンダー互換性を確保するためにSerenを選択した。
圧着シーラ
代替実施形態では、圧着可能なバンドまたはリングをデバイスポート72の周りに使用してデバイスポート72の可撓性の性質を抑制してもよい。圧着可能なバンドまたはリングは、金属または金属材料または高強度ポリマー材料によって構成されてもよい。一実施形態では、この金属またはポリマー材料は、デバイスポートの形成材料よりも強度が高い。
別の実施形態では、リングまたはバンドは、デバイスポート72の周りにスナップばめされるように構成される。
図4において説明したハンドヘルド器具と概念的に同様に、一実施形態では、密封が圧着器具によって実現される。圧着器具の例は、限定はしないが、参照により全体が本明細書に組み込まれている特許文献27〜29を含む特許文献に記載されている。そのような圧着器具は、デバイスポート上の圧着部分(たとえば、デバイス200に最も近い領域)を一定の位置に定めるのを可能にする停止部を設けることによって、圧着の位置を調節するための機構を構成してもよい。
運搬バッグシーラ
図8は、たとえばデバイスケース保存バッグ124、デバイスケース74、およびデバイスを内部に含む運搬バッグ126を密封するかまたは閉じるための密封システム120の非限定的で非排他的な実施形態を示す。
一実施形態では、シーラは、一般にヒートシーリングパウチまたはバッグにおいて使用できるように設計された、温度調節される空気圧インパルスヒートシーラである。一実施形態では、ヒートシーラは、Accu−Sealから市販されているImpulse Sealer(たとえば、Model 5300-5400 Series)である。ヒートシーラは、互換性のあるスクリーンを有するデジタル高速プログラム可能論理コントローラ(PLC)によって制御されてもよい。設定可能なパラメータには、温度、密封時間(または休止)、シール解放温度、およびシール圧力が含まれる。これらのヒートシーラおよび他のヒートシーラは、運搬可能であり、ほぼあらゆる卓上位置または台上位置で動作させることが可能である。このヒートシーラは、接触可能なシーラバー122の下方に取外し可能に連結することができる発熱素子を有する。運搬パッケージまたはバッグ126は、バッグ開口部を発熱素子の下方に配置するかまたは接触可能なシーラ加圧バー122の下方に配置し、次いで密封パラメータ(加熱温度、休止、圧力など)を実行することによって密封される。このモデルでは、密封パラメータが実行された後、シールバーが開き、運搬パッケージ126を取り外すことができる。
図8は、密封されたデバイスケース保存バッグ124を無菌状態で受け入れることに備えて運搬バッグ126を保持または配置するためのホルダ118も示す。ホルダ118は、任意の適切な金属またはワイヤによって作ることができ、運搬可能なベース上に取り付けられる。ベースは、術者および実行すべき機能に好都合な任意の場所に移動させることができる。
デバイスならびに関連する保存バッグおよび運搬バッグのプライミング、細胞装填、および密封を行う方法
図9〜図11は、デバイスならびに関連する保存バッグおよび運搬バッグのプライミング、細胞装填、フラッシング、および密封を行うための非限定的で非排他的な方法および手段を示す。
図9では、細胞装填システム1を使用して、チューブ組立体にフラッシング量、細胞量、プライミング量を装填するための準備を行い(306)、フラッシング量を装填し(308)、細胞量を装填し(310)、プライミング量を装填する(312)ための実施形態および/または動作について説明する。動作306では、まず投与チューブ組立体44、38を装填することによってシステム1を準備し組み立てる。投与チューブ組立体44、38を事前にシリンジ54に連結しておき、この2つを一緒に滅菌し、次いでさらにシリンジポンプ52に連結する。動作308では、ポンプ52をオンにし、それぞれ陰圧または陽圧を加えて様々な流体量を投与チューブ組立体44、38に引き込み(または装填または吸引し)、投与チューブ組立体44、38から分注(または装填)する。別の動作310では、流体量を、この量を分注する順序と逆の順序で投与チューブ組立体44、38内に装填する。たとえば、細胞をデバイス200に装填する際、まずデバイスのプライミングまたはウェッティングを行い(プライミング量)、次いで細胞を装填し(細胞量または細胞集塊量)、最後に投与チューブ組立体44、38からの細胞のフラッシングまたはチェイシングを行う(フラッシング量またはチェイシング量)。この順序を図9の動作308、310、および312において逆転し、同じ量を逆に投与チューブ組立体44、38に装填する。したがって、投与チューブ組立体44、38にまず動作308においてフラッシング量を装填し、動作310において細胞集塊量を装填し、次いで動作312においてプライミング量を装填する。
別の好ましい実施形態では、細胞集塊を含む細胞バイアル36がすべての3つの量、フラッシング量、細胞集塊量、およびプライミング量を備える。特に多位置ブロック58が第1のバイアル位置4にあるときに投与チューブ38の先端がアリコートバイアルまたは細胞バイアル36から上記の量のうちの特定の量を吸引するように、スライディングキャリッジ22を上述のように垂直方向(y軸)において調整する(中央位置、係合位置、離脱位置)。すべての3つの量を1つのバイアルから装填できる場合、中央位置においてフラッシング量を吸引し、完全係合位置において細胞集塊量およびプライミング量を吸引するように先端を調整することができる。しかし、3つの容量または追加の量(たとえば、洗浄量、追加のプライミングまたはウェッティング量、追加の細胞、追加の治療薬など)を単一のバイアルから装填できない場合、それに応じて特定の量を含む複数のバイアルを挿入することができる。
図10では、細胞装填システム1を使用して、プライミング量(316)、細胞量(318)、およびフラッシング量(320)を投与チューブ組立体44、38からデバイス200に分注するための実施形態および/または動作について説明する。動作314では、多位置ブロック58を第2の充填位置6に移動させ、DFPA62の遠位部をDFPAネスティングブロック30に挿入しDFPA62の近位部を第2の充填位置6に挿入するようにスライディングキャリッジ22を完全離脱位置へ移動させることによって、システム1を準備する。次いで、スライディングキャリッジ22を完全係合位置へ移動させ、投与チューブ38をデバイスポートに連結し、回転可能プラットフォームをベース34に対して45度〜90度の間に配置する。デバイスに細胞を装填する場合、動作316、318、320において、ポンプをオンにし、陽圧を加えてプライミング(またはウェッティング)量を分注して(316)デバイス200のウェッティングを行い、細胞集塊量を分注し(318)、次いでフラッシング量を分注して(320)細胞(投与チューブ組立体44、38に残留している細胞)のチェイシングまたはフラッシングを行う。
充填すべきデバイスが複数ある場合にはこれらの量を繰り返すことができ、あるいはデバイスの機能および種類に応じてより少ない量または追加の量を投与チューブ組立体44、38から吸引し分注することができるとともに、個々の各量をそれぞれに異なるバイアルまたは細胞源、治療薬源、もしくは培地源によって供給されるように投与チューブ組立体44、38に吸引できることが、当業者には明らかになろう。一実施形態では、プライミング量、細胞量、およびフラッシング量に関する動作を、必要に応じて、十分なチューブ長がある限り、投与チューブ組立体44、38への同じバイアルまたは流体溜めによって2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上繰り返すことができる。別の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上の量を様々なバイアルまたは流体溜めから投与チューブ組立体44、38に吸引することができる。
図11では、デバイスを密封するためのステップおよび/または動作(322)、デバイスケース保存バッグの保存および密封を行うためのステップ(324)、運搬バッグ、少なくとも、デバイスケース保存バッグ、デバイスケース、および細胞が装填されたデバイスを含む運搬バッグを密封するためのステップ(326)について説明する。
動作322では、上述のようにデバイス200を装填した後、直ちにまたは迅速にデバイスポート72を密封することによって、デバイス200からの細胞の漏れを防止する。DFPAがまだDFPAネスティングブロック30内に位置する状態で、ハンドヘルドRFシーラ68のC字形顎部をDFPAの周りにおけるデバイスポート72領域の近傍に配置するかあるいはデバイスケース74のデバイスポート密封領域の近くに配置する。シーラハンドルを閉じると、デバイスポート72上の電極70に十分な量の圧力が加えられ、RFエネルギーが生成され、それによってデバイスポート72が密封される。重要なこととして、RF電極は、DFPA62の各シートを一緒に密封することも、あるいはDFPA62をデバイスポート72に対して密封することもない。上述のように、RFエネルギーに選択的に反応する他の材料があり、一方、他の材料はRFエネルギーに反応しない。DFPA62またはデバイス200用の(1つの材料によって作られた)任意のバッグもしくは容器用のRFエネルギー反応材料および不反応材料の利点は、(第2の材料によって作られた)デバイスポート72を、まだDFPA62内に位置する間無菌状態で密封できることである。
デバイスに細胞を装填しデバイスポート72を密封した後、細胞が充填または装填されたデバイスを保存し移植のための移植場所または手術場所に運搬する準備が整う。図10では、デバイスケース保存バッグシーリングステーション2を使用して、細胞が装填されたデバイスをデバイスケース保存バッグ124に保存するための動作326について説明する。デバイスケース74および細胞が充填されたデバイスを準備する場合、デバイスケース保存バッグ124をデバイスケース保存バッグホルダ76の第1のホルダプレート88同士の間に配置し整列し、クランプレバー112を引き上げることによって閉じる。次いで、デバイスケース74および細胞が充填されたデバイスをDFPA62から慎重に取り外し(たとえば、DFPAの前側または一方の側の脆弱で取外し可能な透明窓を介して取り外し)、余分なデバイスポート72を取り外す。次いで、デバイスケース74および細胞が充填されたデバイスをデバイスケース保存バッグ124に入れ、バッグに液体保存培地を充填する。十分な培地を使用してデバイスケース74と細胞が充填されたデバイスとの両方を浸漬させる。デバイスケースバッグ124から残留空気を除去または放出する場合、カムレバー98を使用して第2の揺動プレート90を閉じる。揺動プレート90およびホルダプレート88は、互いに独立に動作させることもあるいは結合することもできる。一実施形態では、プレート90、88を結合し、揺動プレート90を閉じることによって、第1のホルダプレート88も閉じ、デバイスケース保存バッグ124に圧力を加え、すべての残留空気を、開かれた密封されていないバッグ124の頂部まで押し出す。別の実施形態では、プレート90、88は結合されず、あるいは互いに独立しており、一方を閉じても他方が閉じることはない。
デバイスケース保存バッグホルダ76は、スライディングキャリッジ106上に位置し、スライディングキャリッジ22は次いで、ホルダ76をシーリングヘッド組立体78の下方に移動させて、開かれた密封されていない保存バッグ124を密封する。ホルダ76がシーリングヘッド組立体78の下方に移動すると、保存バッグ124の開口部が2つの電極84、86の間に位置する。エアシリンダ81を延ばし、RF電極84、86をオンにして、デバイスケース74および細胞が充填されたデバイスを内部の保存培地に浸漬させた保存バッグ124を密封する。
細胞が充填されたデバイスケース74が安全な状態で保存バッグ124内に位置すると、保存バッグ124を手術場所または移植場所に運搬する準備が整う。動作326において、滅菌運搬バッグ126を運搬バッグホルダ118に入れ、密封されたデバイスケース保存バッグ124を滅菌運搬バッグ126に挿入する。運搬バッグ126を密封する場合、バッグ126の密封されていない部分または開かれた部分をシーリングバー122の下方に配置し、シーリングバー122を下降させ発熱を自己作動させて運搬バッグ126を密封する。
本明細書において使用した用語および表現は、限定ではなく説明の用語および表現として使用されており、そのような用語および表現の使用において、図示し説明した特徴のあらゆる均等物またはその一部を除外することは意図していない。さらに、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、当業者には、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、本明細書において開示された概念を組み込んだ他の実施形態が使用されてもよいことが明らかになろう。特に、本発明の実施形態は、本明細書において説明した特徴のすべてを含む必要も、本明細書において説明した利点のすべてを有する必要もない。その代わりに、本発明の実施形態は特徴および利点の任意の一部または組合せを有してもよい。したがって、上述の実施形態は、すべての点において例示的なものとしてのみ見なされ、限定的なものとは見なされない。
1 細胞装填システム
2 デバイスケース保存バッグシーリングステーション
4 第1のバイアル位置
6 第2の充填位置
10 投与チューブプラットフォーム
12 釣合い重り
14 回転可能プラットフォーム
16 フレックスプレート架台
18 ロッド
22 スライディングキャリッジ
24 クランプレバー
28 トグルクランプ
30 DFPAネスティングブロック
34 ベース
36 細胞バイアル
38 投与チューブ
40 円柱形のくぼみ
42 管継手
44 投与チューブ組立体
48 回転軸受
50 回転ハンドル
52 シリンジポンプ
54 シリンジ
58 調整可能な多位置ブロック
60 フレーム
62 DFPA
68 デバイスポートシーラ
70 シーラ電極
72 デバイスポート
74 デバイスケース
76 デバイスケース保存バッグホルダ
78 シーリングヘッド組立体
80 シールド
81 エアシリンダ
84 RF電極
88 第1のホルダプレート
90 第2の揺動プレート
92 カム
98 カムレバー
100 ベース
102 停止部
104 作動スイッチ
106 スライディングキャリッジ
108 ばね
110 バー/プレート
112 クランプレバー
118 運搬バッグホルダ
120 密封システム
122 接触可能なシーラ加圧バー
124 デバイスケース保存バッグ
126 運搬バッグ
200 移植可能デバイス

Claims (18)

  1. 移植可能デバイスに細胞を装填する方法であって、
    (a)フラッシング量、細胞量およびプライミング量を含む容器を得るステップと、
    (b)まず前記フラッシング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記プライミング量を前記容器から投与チューブ組立体内へと、ポンプにより発生させられた陰圧の下で吸引するステップであって、前記投与チューブ組立体の第1の端部は前記ポンプに対して取り外し可能に結合される、ステップと、
    (c)まず前記プライミング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記フラッシング量を前記投与チューブ組立体から前記移植可能デバイス内へと、前記ポンプにより発生させられた陰圧の下で、移植可能デバイスポートを経て分注するステップであって、分注の動作中、前記投与チューブ組立体の第2の端部は、前記移植可能デバイスに細胞が装填されるように前記デバイスポートに取り外し可能に接続される、ステップと
    を含む方法。
  2. 前記投与チューブ組立体の前記第1の端部は、前記ポンプに対して取り外し可能に接続されたシリンジに対して取り外し可能に接続される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投与チューブ組立体は流体溜めおよび投与チューブを備える、請求項1に記載の方法。
  4. 前記投与チューブ組立体の前記第1の端部は前記流体溜めを備える、請求項3に記載の方法。
  5. いったん吸引された前記フラッシング量、前記細胞量および前記プライミング量は、前記流体溜めに含まれる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記投与チューブ組立体の前記第2の端部は前記投与チューブを備える、請求項3に記載の方法。
  7. 分注の動作中、前記投与チューブは管継手によって前記デバイスポートに取り外し可能に接続される、請求項6に記載の方法。
  8. 細胞は、膵臓系譜細胞であり、あるいは細胞は膵臓系譜細胞凝集塊である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記膵臓系譜細胞あるいは膵臓系譜細胞凝集塊は、膵臓始原細胞、PDX−1陽性膵臓始原細胞、内分泌前駆細胞、内分泌細胞、未成熟β細胞、または未成熟膵島細胞である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記方法は、自動化されるか、半自動化されるか、あるいは手動である、請求項1に記載の方法。
  11. ステップ(c)の後、前記デバイスポートを密封するステップ(d)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記移植可能デバイスは複数のデバイスポートを備え、前記ステップ(b)は、フラッシング量、細胞量およびプライミング量の複数のセットを前記容器から前記投与チューブ組立体内へと吸引するステップを含み、かつ、前記ステップ(c)は、プライミング量、細胞量およびフラッシング量の各セットを前記デバイスポートの一つを介して、前記移植可能デバイス内へ分注するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記移植可能デバイスは複数の移植可能デバイスからなり、前記ステップ(b)は、フラッシング量、細胞量およびプライミング量の複数のセットを前記容器から前記投与チューブ組立体内へと吸引するステップを含み、かつ、前記ステップ(c)は、プライミング量、細胞量およびフラッシング量の各セットを前記移植可能デバイスの一つの中へ分注するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 移植可能デバイスに細胞を装填する方法であって、
    (a)フラッシング量、細胞量およびプライミング量を含む容器を得るステップと、
    (b)まず前記フラッシング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記プライミング量を前記容器から投与チューブ組立体内へと吸引するステップと、
    (c)まず前記プライミング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記フラッシング量を前記投与チューブ組立体から前記移植可能デバイス内へと、前記移植可能デバイスに細胞が装填されるように、移植可能デバイスポートを経て分注するステップと
    を含む方法。
  15. 前記ステップ(b)は、(i)前記容器から前記フラッシング量を吸引するステップであって、前記フラッシング量は細胞を含まない液体からなるステップと、(ii)前記容器内で細胞を再浮遊させるためにポンプを用いて前記容器に対して陽圧を加えるステップと、(iii)前記容器から前記細胞量を吸引するステップであって、前記細胞量は浮遊細胞を含む液体からなるステップと、(iv)前記容器から前記プライミング量を吸引するステップであって、前記プライミング量は細胞を含まない液体からなるステップと
    を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ステップ(b)は、前記投与チューブ組立体の第1の端部がポンプに対して流体的に結合され、かつ、前記投与チューブ組立体の第2の端部の先端が前記容器内に挿入された状態で、まず前記フラッシング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記プライミング量を前記容器から前記投与チューブ組立体内へと、ポンプにより発生させられた陰圧の下で吸引するステップを具備し、前記ステップ(c)は、前記投与チューブ組立体の前記第1の端部が前記ポンプに対して流体的に結合され、かつ、前記投与チューブ組立体の前記第2の端部の先端が前記移植可能デバイスポートに接続された状態で、まず前記プライミング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記フラッシング量を前記投与チューブ組立体から前記移植可能デバイス内へと、前記ポンプにより発生させられた陰圧の下で、移植可能デバイスポートを経て分注するステップを具備する、請求項14に記載の方法。
  17. 移植可能デバイスに細胞を装填する方法であって、
    (a)フラッシング量を含む第1の容器と、細胞量を含む第2の容器と、プライミング量を含む第3の容器とを得るステップと、
    (b)投与チューブ組立体に、まず前記第1の容器から前記フラッシング量を、続いて前記第2の容器から前記細胞量を、続いて前記第3の容器から前記プライミング量を装填するステップと、
    (c)まず前記プライミング量を、続いて前記細胞量を、続いて前記フラッシング量を前記投与チューブ組立体から前記移植可能デバイス内へと、前記移植可能デバイスに細胞を装填するために、デバイスポートを経て分注するステップと
    を含む方法。
  18. 前記フラッシング量は実質的に細胞を含まない液体からなり、前記細胞量は浮遊細胞を含む液体からなり、前記プライミング量は実質的に細胞を含まない液体からなる、請求項14または請求項17に記載の方法。
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