JP6887412B2 - 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置 - Google Patents

摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6887412B2
JP6887412B2 JP2018229548A JP2018229548A JP6887412B2 JP 6887412 B2 JP6887412 B2 JP 6887412B2 JP 2018229548 A JP2018229548 A JP 2018229548A JP 2018229548 A JP2018229548 A JP 2018229548A JP 6887412 B2 JP6887412 B2 JP 6887412B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
friction stir
stir welding
hole
accommodating hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018229548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019171466A (ja
Inventor
正泰 蜂谷
正泰 蜂谷
英司 松原
英司 松原
村上 透
透 村上
大内 誠悟
誠悟 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamazaki Mazak Corp
Original Assignee
Yamazaki Mazak Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamazaki Mazak Corp filed Critical Yamazaki Mazak Corp
Priority to JP2018229548A priority Critical patent/JP6887412B2/ja
Publication of JP2019171466A publication Critical patent/JP2019171466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6887412B2 publication Critical patent/JP6887412B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Description

本発明は、摩擦攪拌接合用工具及びこれを適用した摩擦攪拌接合装置に関する。
別体で構成されたピンとショルダとからなる回転工具を回転ヘッドに取り付けて、ピンをショルダに対し相対的に回転させつつワーク内に挿入し、ワークと回転工具との摩擦熱によりワークを加熱して塑性流動を生じさせて接合する、いわゆる摩擦攪拌接合技術が知られている。こうした摩擦攪拌接合によれば、ワークを溶融させることなく接合することにより、ワークへの過剰な入熱が低減できるため、ワークの材質の低下や接合後の変形が抑制できる。
このような摩擦攪拌接合技術の1つとして、例えば特許文献1及び特許文献2に開示された摩擦攪拌接合装置が知られている。このような接合装置は、2つの部材の突合せ部に対する連続的な接合や、重ね合わせ部に対する点接合(スポット接合)等に適用されている。
特表2009−537325号公報 特開2007−313520号公報
特許文献1及び特許文献2に開示された接合装置では、ピンとショルダ部材との間に入り込んだ材料カスとピンとの間で摩擦熱が発生し、ピンが過剰に熱せられて強度が低下したり、あるいは最終的にピンの破損を招く等、工具寿命の低下の一因となる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、ピンとショルダとを別体に構成した場合に、ピンとショルダとの間の隙間からワークの一部が侵入した場合であっても、ピンの強度低下や破損等を抑制できる摩擦攪拌接合用工具及びこれを用いた摩擦攪拌接合装置を提供することにある。
本発明の第一の側面によれば、摩擦攪拌接合用工具は、回転軸を有する攪拌ピンと、第一の面を有するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記攪拌ピンを相対的に前記回転軸周りで回転可能に収容し、前記第一の面に開口する収容穴を含み、前記攪拌ピンは、前記回転軸に沿った一端に、前記収容穴に収容された状態で前記第一の面から突出し、ワークに対して挿入される攪拌部を含み、前記ハウジングには、前記収容穴と前記ハウジングの外部と連通する排出穴が形成されており、前記収容穴は、前記回転軸に沿って互いに接続された第一の収容穴と第二の収容穴を含み、前記第一の収容穴は、前記第一の面に開口し、前記第二の収容穴は、前記第一の収容穴より穴径が大きく、前記排出穴は、前記第一の収容穴と前記第二の収容穴との境界を含む位置に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の第二の側面によれば、摩擦攪拌接合装置は、回転主軸を含む主軸台と、主軸台に取り付けられる上記の摩擦攪拌接合用工具と、ワークを保持する加工テーブルと、主軸台及び加工テーブルの相対的な動きを制御する数値制御装置と、を備えることを特徴とする。
かかる発明によれば、摩擦攪拌接合用工具のハウジングにおいて、攪拌ピンを収容する収容穴とハウジングの外部とを連通する排出穴を備えることにより、攪拌ピンとハウジングの収容穴との隙間から侵入したワークを上記排出穴から排出できるため、攪拌ピンの強度低下や破損等を抑制できる。
本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具を適用した摩擦攪拌接合装置の概要を示す部分断面図である。 本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、使用時の工具先端の概要を示す。 本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、ハウジングの先端近傍の概要を示す。 本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、ハウジングに収容される攪拌ピンの概要を示す。 本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具を用いて2枚の金属板の突合せ部を摩擦攪拌接合したときの概要を示す断面図である。 本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、使用時の工具先端の概要を示す。 本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、ハウジング本体とショルダとの取付構造の概要を示す。 図4Bに示したショルダの具体的な構成を説明するための側面図である。 図4Bに示したショルダの具体的な構成を説明するための下面図である。 図4Bに示したショルダの具体的な構成を説明するための上面図である。 本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、使用時の工具先端の概要を示す。 本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、ハウジング本体とショルダとの取付構造の概要を示す。 本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、使用時の工具先端の概要を示す。 本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、ハウジング本体とショルダとの取付構造の概要を示す。 本発明の実施例5による摩擦攪拌接合用工具の使用時における工具先端の概要を示す断面図である。 本発明の実施例6による摩擦攪拌接合用工具に適用されるショルダの具体的な構成を説明するため側面図である。 本発明の実施例6による摩擦攪拌接合用工具に適用されるショルダの具体的な構成を説明するための下面図である。 本発明の実施例6による摩擦攪拌接合用工具に適用されるショルダの具体的な構成を説明するための上面図である。
摩擦攪拌接合技術の1つとして、ピンとショルダとが別体で構成された摩擦攪拌接合用工具を回転ヘッドに取り付け、ショルダをワークに接触させた状態で、ピンをショルダに対して回転させつつワークの内部に挿入して摩擦攪拌接合する接合装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような接合装置は、接合に必要な摩擦発熱をピンの回転のみで充足し得るという利点があり、2つの部材の突合せ部に対する連続的な接合や、重ね合わせ部に対する点接合(スポット接合)等に適用されている。
このような接合装置では、摩擦攪拌接合用工具がピンとショルダを含むハウジングとが別体で構成されているため、ピンとハウジングとの間には所定のクリアランス(間隙)が存在することは、構造上避けられない。このため、摩擦攪拌接合時に塑性流動したワークの材料の一部が、上記クリアランスを通って工具の内部に侵入することとなる。
このような場合、接合後にワークが冷えると、工具の内部に侵入したワークの一部も冷えて固まるため、ピンとハウジングとの間でワークが凝着してしまい、工具の繰り返しの使用が困難となることがあった。また、侵入したワークは外部に排出されず工具の内部に留まるため、一定のワークが侵入した後は塑性流動したワークの一部は、ショルダとワークの間から漏れ出し、ワークの上面に固着して、接合部表面の品質を低下させる。
このような事象を解消するために、プローブ(ピン)とショルダ部材とを別体に構成したいわゆる複動式回転工具を用いた摩擦攪拌点接合装置(例えば特許文献2参照)において、ショルダ部材の側壁に複数の排出孔を形成するとともに、プローブ外周にも複数の突起物を形成し、摩擦攪拌点接合時にプローブとショルダ部材との間に侵入した材料カスを上記突起物で細かく分断した後、排出孔から排出するようにした改良がなされている。これにより、点接合においては、工具の内部に侵入した材料カスを効率的に外部に排出して、プローブとショルダ部材との凝着を回避することが可能となる。
しかしながら、2つのワークの突合せ部に沿って連続的に接合を行う摩擦攪拌接合装置の場合には、接合の最初から最後まで、すなわちピンの先端が突合せ部に押し込まれてから抜き取られるまでの間に、ピンとショルダとの隙間から連続的にワークの一部がハウジングの内部に侵入することなるため、ハウジングの内部には多量のワークの一部が滞留してしまうことになる。このとき、工具を構成するピンは、連続的に摩擦攪拌接合を行っている間に常に回転しているため、ハウジングの内部に滞留したワークの一部がピンと接触する場合、回転するピンとワークの一部との間で摩擦熱が発生し、ピンが過剰に熱せられて強度が低下したり、あるいは最終的にピンの破損を招く等、工具寿命の低下の一因となる。
一方、上記の摩擦攪拌点接合装置では、プローブとショルダ部材との間に入り込んだ材料カスを外部に排出することが可能であるが、点接合は基本的にワークの接合部表面に沿う工具の移動がなく、また接合の1箇所あたりの接合時間はごく短時間であるため、1回ごとに工具内に侵入する材料カスの量はそれほど多くならない。このため、摩擦攪拌店接合装置においては、侵入した材料カスをプローブに形成された突起物で分断することで、少量の小片として外部に排出することができる。
しかしながら、上記のような排出孔を形成した工具は、プローブとショルダ部材との間に敢えて材料カスを滞留させる空間を形成して、当該空間内においてプローブに形成した突起物で材料カスを細かく分断するように構成されているため、仮にこのような工具を用いて連続的な摩擦攪拌接合を行ったとしても、連続的に侵入する材料カスとプローブとが接触して摩擦熱を発生することに変わりはなく、その摩擦熱のためにプローブの強度低下や破損等による工具寿命の低下は避けられないという問題を内在していた。
そこで、実施形態における摩擦攪拌接合用工具は、ハウジングに、攪拌ピンを収容する収容穴とハウジングの外部とを連通する排出穴を備える。このような排出穴を備えることにより、侵入した材料カスを連続的に排出できるため、プローブの強度低下や破損等を抑制し、工具寿命の低下を避けることができる。なお、発明者によって認識された事項の記述は、実施形態における摩擦攪拌接合用工具についての理解を深めるために参考として記載されたものであり、公知技術を示すものではない。
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具を適用した摩擦攪拌接合装置の概要を示す部分断面図である。図1に示すように、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100を適用した摩擦攪拌接合装置1は、本体部10と、ワーク搬送部20と、制御部30と、を備える。
摩擦攪拌接合装置1の本体部10は、主軸台12と、主軸台送り装置18とにより、構成される。主軸台12は、主軸フレーム14と、主軸フレーム14に対して相対的に回転するよう内包された回転主軸16と、を備える。主軸送り装置18は、主軸台12をXYZの3軸方向に移動させる。主軸フレーム14の下端には、後述する摩擦攪拌接合用工具100のハウジング110が据え付けられる。
一方、回転主軸16には、同じく摩擦攪拌接合用工具100の攪拌ピン120が連結される。これにより、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100において、ハウジング110に対して攪拌ピン120が相対的に回転する。
ワーク搬送部20は、ワークWを載置して支持する加工テーブル22と、当該加工テーブル22をXY方向に移動させる加工テーブル送り装置24と、により構成される。加工テーブル22は、その上面に、接合されるワークWを固定支持する例えばクランプ等の支持機構(図示せず)を備えており、加工テーブル送り装置24の駆動により摩擦攪拌接合用工具100に対してワークWを相対的に移動させる。
制御部30は、例えば、主軸台12や加工テーブル22等を含む摩擦攪拌接合装置1全体の動きを制御する数値制御装置32と、数値制御装置32が実行する加工制御における加工条件等をオペレータが入力するためのインターフェース34と、各種加工プログラムや加工条件等のデータ36aを記憶するメモリ36と、を備えている。数値制御装置32は、本体部10の主軸台12に内蔵される回転駆動部12aに摩擦攪拌接合用工具100の回転を制御する回転指令信号を出力する回転制御部32aと、主軸台送り装置18に内蔵される送り軸駆動部18aに主軸台12の移動を制御する送り指令信号を出力する送り軸制御部32bと、を有する。これにより、主軸台12及び加工テーブル22の相対的な動きや、接合中における摩擦攪拌接合用工具100の回転数、ワークWへの工具挿入深さ等が制御される。
本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100は、主軸フレーム14の下端に取り付けられるハウジング110と、回転主軸16に取り付けられる攪拌ピン120と、を含む。ハウジング110は、上端に主軸フレーム14に据え付けられる据付部116が形成され、下端にワークWに対して非回転の状態で接触する第一の面(ショルダ面)114aを有するハウジング本体112により構成されている。一方、攪拌ピン120は、回転主軸16に取り付けられるピンホルダ122と、当該ピンホルダ122に着脱自在に取り付けられるピン本体124とで構成され、回転軸Cに沿って延伸している。
図2A乃至図2Cは、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、図2Aは使用時の工具先端の概要を示し、図2Bはハウジングの先端近傍の概要を示し、図2Cはハウジングに収容される攪拌ピンの概要を示している。図2Aに示すように、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100は、ハウジング110の内側において、主軸フレーム14に取り付けられる上端側から第一の面114aが形成された下端側にわたって収容穴SHが形成されている。
この収容穴SHは、攪拌ピン120をハウジング110に対して回転軸C周りで相対的に回転可能に収容し、第一の面114aに開口する。さらに、攪拌ピン120は、回転軸Cに沿った一端に、収容穴SHに収容された状態で第一の面114aから突出し、ワークに対して挿入される攪拌部124aを含む。また、ハウジング110には、収容穴SHとハウジング110の外部とを連通する排出穴118が形成されている。
図2Bに示すように、ハウジング110は、ハウジング本体112の下端にワークWの上面と接触する第一の面114aが形成されている。また、ハウジング本体112の収容穴SHは、互いに接続された第一の収容穴H1と、第二の収容穴H2と、を含む。第一の収容穴H1は、第二の収容穴H2に対して第一の面114a側に位置し、第一の面114aに開口する。第二の収容穴H2は、第一の収容穴H1に対して回転主軸16側に位置する。
ここで、第一の面114aは、ワークWに対してハウジング110の投影面積より小さい面積で接触するのが好ましい。このため、ハウジング本体112の下端には、その一例として、外径が縮小した縮径部113が形成されており、さらにその下部から先端に向けて先細となる突出部114が形成され、その端部に位置する第一の面114aが、摩擦攪拌接合を行う際にワークと接触するショルダ面として機能する。
また、突出部114には第二の収容穴H2と接続する第一の収容穴H1が形成されており、攪拌ピン120のピン本体124の一部が収容される。ここで、一例として、第一の収容穴H1及び第二の収容穴H2は、後述する攪拌ピン120のピン本体124の外径より穴径が大きくなるように設定され、第二の収容穴H2は、第一の収容穴H1よりも穴径が大きくなるように設定されている。
一方、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100の特徴として、ハウジング本体112には、収容穴SHからハウジング本体112の外部とを連通する排出穴118が形成されている。ここで、排出穴118は、第一の収容穴H1と第二の収容穴H2との境界Bを含む位置に形成されるのが好ましい。また、排出穴118は、ドリル加工やミーリング加工で内側に貫通する穴を追加的に加工することで形成されてもよい。
図2Cに示すように、攪拌ピン120は、一端に攪拌部124aを有するピン本体124と、ピンホルダ122と、を別体に構成し、ピン本体124が攪拌部124aに対して回転軸Cに沿った反対側でピンホルダ122に取り付けられた状態で構成され、図2Aに示すように、ハウジング本体112の収容穴SHに回転自在に収容される。ピン本体124は、回転軸C周りに回転しつつその一端の攪拌部124aがワークWに押し込まれた状態でワークWと相対的に移動することにより、摩擦攪拌接合を行う。このとき、ハウジング110はワークWに対して非回転で接触し、攪拌ピン120はハウジング110に対して回転する構造となるため、第一の収容穴H1の内面とピン本体124の外面との間には、所定の間隔の間隙(クリアランス)Gが形成される。
図3は、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具を用いて2枚の金属板の突合せ部を摩擦攪拌接合したときの概要を示す断面図である。図3に示すように、加工テーブル22上に固定支持された2枚の金属板からなるワークW1、W2の端面どうしを突合せて摩擦攪拌接合する場合、摩擦攪拌接合用工具100の攪拌ピン120を、回転軸C周りに例えば図示上の回転方向Rに示す方向に回転させつつ、ピン本体124の攪拌部124aを上記した2枚のワークW1、W2の突合せ部に、ハウジング本体112の第一の面114aが接触するまで押し込む。この状態を維持しつつ図示上紙面に対して直交する方向、すなわちワークW1、W2の突合せ部の表面に沿って工具あるいはワークを相対的に移動させると、移動後の突合せ部に摩擦攪拌接合された接合部Jが形成される。
このとき、ワークW1、W2の突合せ部の上面にハウジング本体112の第一の面114aがショルダ面として接触するとともに、突合せ部にはピン本体124の攪拌部124aが挿入される。このため、摩擦攪拌接合の際に摩擦熱で軟化した材料のうち、上記ハウジング本体112のワークW1、W2に沈み込んだ部分や攪拌部124aの突合せ部に挿入された部分の体積に対応する余剰金属Mが、突合せ部の上面側に塑性流動しようとする。ここで、一般的なピンとショルダとが一体である接合用工具を用いた場合は、上記余剰金属Mはショルダの外側に溢れ出て接合部表面の「バリ」となる。
これに対して、ピンとショルダとが別体で構成された本発明のような摩擦攪拌接合用工具100では、余剰金属Mの一部は上記の場合と同様に「バリ」となることもあるが、その多くは図2Aに示した第一の収容穴H1とピン本体124との間隙Gを通って、ハウジング本体112の内部に形成された収容穴SHの第二の収容穴H2内に侵入する。この間隙Gを通る余剰金属Mの侵入量は、接合条件により決定されるピン本体124の形状に対して、異なる第一の収容穴H1の穴径を有するハウジングを用いることにより調整される。
ここで、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100においては、ハウジング本体112の収容穴SHにおける第二の収容穴H2と外部とを連通する排出穴118を形成することにより、上述のとおり第二の収容穴H2に侵入してくる余剰金属Mを、ハウジング本体112の外部に排出するように構成する。これにより、連続的な摩擦攪拌接合の接合中に、摩擦攪拌接合用工具100のハウジング110の収容穴SHの内部に定常的にワークW1、W2の一部である余剰金属Mが侵入したとしても、収容穴SH(特に第二の収容穴H2)にこれらの余剰金属Mが滞留することがないため、攪拌ピン120のピン本体124と余剰金属Mとの間での摩擦発熱を抑制することができる。
さらに、第一の収容穴H1の穴径より第二の収容穴H2の穴径を大きく設定しておくことで、収容穴SHに侵入した余剰金属Mは、収容穴SHの穴径の拡大による回転軸Cから離れる方向に向かう流れと、接合中の攪拌ピン120の回転動作で生じる遠心力により、外部に排出されやすくなる。ここで、排出穴118を第一の収容穴H1と第二の収容穴H2との境界Bを含む位置に形成することで、余剰金属Mが第二の収容穴H2及び排出穴118で滞留することなく、ハウジング本体112の外部へ連続的かつ円滑に排出される。
また、余剰金属Mは、排出穴118を通る間に徐々に冷却され固化された状態でバリとして外部に排出されるため、ワークMに固着して接合部表面の品質を低くすることがない。さらに、より連続的かつ円滑に余剰金属Mを排出するために、排出穴118は、ワークWの一部である塑性流動した余剰金属Mが攪拌ピン120の回転により生じる流れに沿って収容穴SHからハウジング110の外部に排出されるように形成してもよい。
ハウジング本体112において、例えば第一の面114aや第一の収容穴H1の内面、あるいは収容穴SHにおける第二の収容穴H2の内面、ピン本体124等に、ワークWを構成する材料との親和性が低い素材からなる被膜(図示せず)を形成しておくとよい。これにより、余剰金属Mのハウジング110や攪拌ピン120との凝着が低減される。
また、図3に示すように、例えばハウジング110を取り付ける主軸台12の主軸フレーム14等に、ハウジング110の収容穴SHにガス流Fを供給するガス流供給機構(図示せず)をさらに備えるように構成してもよい。これにより、接合中のハウジング110と攪拌ピン120が冷却されるとともに、収容穴SHに侵入する余剰金属Mも冷却して外部への排出が促進される。
かかる構成により、本発明の実施例1による摩擦攪拌接合用工具100は、第一の面114aを含むハウジング本体112の第一の収容穴H1から、ハウジング本体に対して回転するピン本体124を突出させてワークWに挿入する別体型の工具において、ハウジング本体112に収容穴SHと外部とを連通する排出穴118を設けたことにより、第一の収容穴H1とピン本体124との間隙GからワークWの一部である余剰金属Mが侵入した場合であっても、効率良く外部に排出することができる。これにより、ハウジング110内部に形成された収容穴SHにおいてピン本体124と余剰金属Mとが過剰に摩擦発熱することもないため、結果としてピン本体124の強度低下や破損等を抑制することができる。
また、攪拌ピン120は、ピン本体124と、ピンホルダ122とを別体に構成しているため、摩擦攪拌接合中に常にワークWと接触する攪拌部124aを有するピン本体124のみを消耗品として交換することで、攪拌ピン120自体の破損を抑制できる。さらに、ピン本体124のみを消耗品として交換可能なため、摩擦攪拌接合用工具としてのランニングコストを低減できる。
<実施例2>
次に、図4及び図5を用いて、本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具の概要を説明する。なお、以下の説明において、実施例2による摩擦攪拌接合用工具を適用した摩擦攪拌接合装置は、着脱式のショルダを含む摩擦攪拌接合用工具以外の構成は実施例1のものと共通であるため、ここでの再度の説明は省略する。
図4A及び図4Bは、本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、図4Aは使用時の工具先端の概要を示し、図4Bはハウジング本体とショルダとの取付構造の概要を示している。図4Aに示すように、本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具200は、図1に示した主軸フレーム14に据え付けられるハウジング210と、回転主軸16に連結される攪拌ピン220と、により構成される。そして、ハウジング210は、ハウジング本体212と、ハウジング本体212の下端に着脱自在に取り付けられるショルダ230と、を別体として構成されており、ハウジング本体212にショルダ230を取り付けた状態で、その内側には収容穴SHが形成され、攪拌ピン220が回転自在に収容される。また、攪拌ピン220は、着脱自在に取り付けられるピン本体224を含み、回転軸Cに沿って延伸している。
図4Bに示すように、ハウジング210のハウジング本体212には、その下端が開放するとともに、後述するショルダ230を保持する保持部217が形成されている。ハウジング本体212の保持部217は、ショルダ230の被保持面232aを保持する保持面217aと、ショルダ230の上端に形成された位置決め面232bが当接する当接面217bと、を含み、保持面217aは、その一例として、例えば雌ネジが形成される。
一方、ショルダ230は、ハウジング本体212の当接面217bと当接する位置決め面232bが形成された取付部232と、取付部232から高さ方向に連続する縮径部233と、縮径部233からさらに先端に向けて先細となる突出部234と、が一体に形成されている。そして、突出部234の端部に位置する第一の面234aが、摩擦攪拌接合を行う際にワークと接触するショルダ面として機能する。
取付部232の外形は、上述したハウジング本体212の保持面217aと対応する形状の取付構造となっており、その一例として、取付部232の被保持面232aは、例えば雄ネジが形成される。また、ショルダ230の内部には、ハウジング210の収容穴SHの一部を構成する第二の収容穴H2が形成されている。
また、突出部234には第二の収容穴H2と接続し、第一の面234aに開口する第一の収容穴H1が形成されており、攪拌ピン220のピン本体224の一部が収容される。ここで、実施例1の場合と同様に、第一の収容穴H1及び第二の収容穴H2は、ピン本体224の外径より穴径が大きく設定されており、第二の収容穴H2は、第一の収容穴H1よりも穴径が大きくなるように設定されている。
本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具200において、ショルダ230には、収容穴SHとショルダ230の外部とを連通する排出穴238が形成されている。ここで、排出穴238は、実施例1の場合と同様に、第一の収容穴H1と第二の収容穴H2との境界Bを少なくとも含む位置に形成されるのが好ましい。
図5A乃至図5Cは、図4Bに示したショルダの具体的な構成を説明するための図であって、図5Aは側面図、図5Bは下面図、図5Cは上面図をそれぞれ示している。図5Aに示すように、ショルダ230は、上述した取付部232と縮径部233と突出部234とが一体に形成されており、突出部234の下端面が第一の面234aとなる。また、取付部232の被保持面232aには、雄ネジが形成されるとともに、取付部232の上端には、ハウジング本体212の当接面217bと当接する位置決め面232bが形成されている。
図5B及び図5Cに示すように、ショルダ230には、その一部を切り欠く態様で、収容穴SHとショルダ230の外部とを連通する排出穴238が形成されている。このとき、排出穴238は、ワークWの一部である塑性流動した余剰金属Mが攪拌ピン220の回転により生じる流れに沿って第二の収容穴H2からショルダ230の外部に排出されるように形成してもよい。
その一例として、ショルダ230は、攪拌ピン220の回転方向Rにおいて排出穴238の内周面238aと前記第二の収容穴H2の内周面H2aとが接続する接続位置P1を含み、排出穴238は、接続位置P1における第二の収容穴H2の内周の接線方向T1を包含するように形成されている。これにより、接合中のピン本体224の回転によって、余剰金属Mを連続的かつ円滑に外部へ排出することができる。
また、図5Bに示すように、縮径部233の外面は、その一例として、角柱(図5Bの場合は六角柱)の形状となっている。これにより、ショルダ230の取付部232をハウジング本体212の保持部217にネジ込む際に掴みやすくなる。
かかる構成により、本発明の実施例2による摩擦攪拌接合用工具200は、実施例1で得られた効果に加えて、ハウジング210をハウジング本体212の先端にショルダ230を着脱自在に取り付ける構造としたため、例えば、摩擦攪拌接合中に常にワークWと接触する第一の面234aが摩耗等により損傷した場合に、ショルダ230のみを消耗品として交換可能なため、摩擦攪拌接合用工具としてのランニングコストを低減できる。また、ハウジング210全体を交換する必要がないため、工具交換の手間を省くことも可能となる。さらに、接合条件により決定されるピン本体224の形状に対して、異なる第一の収容穴H1の穴径を有するハウジングを用いることで、余剰金属Mの収容穴SHへの侵入量を調整できる。
<実施例3>
次に、図6を用いて、本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具の概要を説明する。なお、以下の説明において、実施例3による摩擦攪拌接合用工具を適用した摩擦攪拌接合装置は、着脱式のショルダを含む摩擦攪拌接合用工具以外の構成は実施例1のものと共通であるため、ここでの再度の説明は省略する。
図6A及び図6Bは、本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、図6Aは使用時の工具先端の概要を示し、図6Bはハウジング本体とショルダとの取付構造の概要を示している。図6Aに示すように、本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具300は、図1に示した主軸フレーム14に据え付けられるハウジング310と、回転主軸16に連結される攪拌ピン320と、により構成される。そして、ハウジング310は、ハウジング本体312と、ハウジング本体312の下端に着脱自在に取り付けられるショルダ330と、を別体として構成されており、ハウジング本体312にショルダ330を取り付けた状態で、その内側には収容穴SHが形成され、攪拌ピン320が回転自在に収容される。
図6Bに示すように、ハウジング310のハウジング本体312には、その下端が開放するとともに、後述するショルダ330を保持する保持部317が形成されている。ハウジング本体312の保持部317は、ショルダ330の被保持面332aを保持する保持面317aと、ショルダ330の回転軸C方向の位置を決める上方位置決め面332bが当接する上方当接面317bと、ショルダ330の回転軸Cの半径方向の位置を決める側方位置決め面332cが当接する側方当接面317cと、を含み、保持面317aは、その一例として、例えば雌ネジが形成される。
一方、ショルダ330は、被保持面332a、上方位置決め面332b、側方位置決め面332cが形成された取付部332と、取付部332から高さ方向に連続する縮径部333と、縮径部333からさらに先端に向けて先細となる突出部334と、が一体に形成されている。そして、突出部334の端部に位置する第一の面334aが、摩擦攪拌接合を行う際にワークと接触するショルダ面として機能する。
また、ショルダ330の内部には、ハウジング310の収容穴SHの一部を構成する第二の収容穴H2が形成されており、突出部334には、第二の収容穴H2と外部とを接続する第一の収容穴H1が形成されている。ここで、実施例1の場合と同様に、第一の収容穴H1及び第二の収容穴H2のは、ピン本体324の外径より穴径が大きく設定されており、第二の収容穴H2は、第一の収容穴H1よりも穴径が大きくなるように設定されている。
取付部332の外形は、上述したハウジング本体312の保持部317と対応する形状の取付構造となっており、その一例として、取付部332の被保持面332aは、例えば雄ネジが形成される。また、取付部332の上端に形成された上方位置決め面332bは、ハウジング本体312の上方当接面317bと当接し、ショルダ330の回転軸C方向の位置を決める。さらに、取付部332上部の側面に形成された側方位置決め面332cは、ハウジング本体312の側方当接面317cと当接し、ショルダ330の回転軸Cの半径方向の位置を決める。
本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具300において、ショルダ330には、収容穴SHとショルダ330の外部とを連通する排出穴338が形成されている。ここで、排出穴338は、実施例2の場合と同様に、第二の収容穴H2と第一の収容穴H1との境界Bを少なくとも含む位置に形成されるのが好ましい。また、排出穴338は、ワークの一部である塑性流動した余剰金属が、攪拌ピン320の回転により生じる流れに沿って第二の収容穴H2からショルダ330の外部に排出されるように形成してもよい。
かかる構成により、本発明の実施例3による摩擦攪拌接合用工具300は、ショルダ330が、ハウジング本体312の上方当接面317bと当接する上方位置決め面332b及びハウジング本体312の側方当接面317cと当接する側方位置決め面332cを有する。このため、実施例1及び2で得られた効果に加えて、ハウジング本体312の側方当接面317cと当接する側方位置決め面332cをはめあい構造にすることで、ショルダ330をハウジング本体312に取り付ける際に、ショルダ330をハウジング本体312に対して回転軸Cの方向及び回転軸Cの半径方向において正確に位置決めし、ショルダ330を交換した場合であっても、交換前後で容易に略同一の接合品質を保つことができる。
<実施例4>
次に、図7を用いて、本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具の概要を説明する。なお、以下の説明において、実施例4による摩擦攪拌接合用工具を適用した摩擦攪拌接合装置は、着脱式のショルダを含む摩擦攪拌接合用工具以外の構成は実施例1のものと共通であるため、ここでの再度の説明は省略する。
図7A及び図7Bは、本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具の要部における具体的な特徴を示す断面図であって、図7Aは使用時の工具先端の概要を示し、図7Bはハウジング本体とショルダとの取付構造の概要を示している。図7Aに示すように、本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具400は、図1に示した主軸フレーム14に装着されるハウジング410と、回転主軸16に連結される攪拌ピン420と、により構成される。
ハウジング410は、実施例2及び3と同様に、ハウジング本体412と、ハウジング本体412の下端に着脱自在に取り付けられるショルダ430と、を別体として構成されており、ハウジング本体412にショルダ430を取り付けた状態で、その内側には収容穴SHが形成され、攪拌ピン420が回転自在に収容される。また、図7Bに示すように、ハウジング410のハウジング本体412には、実施例3と同様に、その下端が開放するとともに、その内面にショルダ430を保持する保持部417が形成されている。
一方、ショルダ430は、実施例3と同様に、ハウジング本体412に取り付けられる取付部432と、取付部432から高さ方向に連続する縮径部433と、縮径部433からさらに先端に向けて先細となる突出部434と、が一体に形成されており、突出部434の端部に位置する第一の面434aが摩擦攪拌接合を行う際にワークと接触するショルダ面として機能する。また、ショルダ430の内部には、ハウジング410の収容穴SHの一部を構成する第二の収容穴H2が形成されており、突出部434には、第二の収容穴H2と接続し、第一の面434aに開口する第一の収容穴H1が形成されている。
ここで、実施例1の場合と同様に、その一例として、第一の収容穴H1及び第二の収容穴H2は、ピン本体424の外径より穴径が大きく設定されており、第二の収容穴H2は、第一の収容穴H1よりも穴径が大きくなるように設定されている。また、実施例4による摩擦攪拌接合用工具400において、収容穴SHの一部を構成する第二の収容穴H2の下端部には、第一の収容穴H1との境界Bに向けて滑らかに縮径する曲面433aが形成されており、収容穴SHに余剰金属Mが侵入したとしても第二の収容穴H2の下部に澱むことがない。
本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具400においても、ショルダ430には、収容穴SHとショルダ430の外部とを連通する排出穴438が形成されている。ここで、排出穴438は、実施例3の場合と同様に、第一の収容穴H1と第二の収容穴H2との境界Bを少なくとも含む位置に形成されるのが好ましい。また、排出穴438は、ワークの一部である塑性流動した余剰金属Mが、攪拌ピン420の回転により生じる流れに沿って第二の収容穴H2からショルダ430の外部に排出されるように形成してもよい。
かかる構成により、本発明の実施例4による摩擦攪拌接合用工具400は、実施例1乃至3で得られた効果に加えて、ショルダ430の収容穴SHの一部を構成する第二の収容穴H2の下端に、第一の収容穴H1との境界Bに向けて滑らかに縮径する曲面433aが形成されてため、ピン本体424と第一の収容穴H1との間隙Gを通って内部に侵入した余剰金属Mが第二の収容穴H2の下部に滞留することを抑制できる。
<実施例5>
図8は、本発明の実施例5による摩擦攪拌接合用工具の使用時における工具先端の概要を示す断面図である。なお、以下の説明において、実施例5による摩擦攪拌接合用工具を適用した摩擦攪拌接合装置は、着脱式のショルダを含む摩擦攪拌接合用工具以外の構成は実施例1のものと共通であるため、ここでの再度の説明は省略する。
図8に示すように、本発明の実施例5による摩擦攪拌接合用工具500は、図1に示した主軸フレーム14に据え付けられるハウジング510と、回転主軸16に連結される攪拌ピン520と、により構成される。そして、ハウジング510は、実施例2及び3と同様に、ハウジング本体512と、ハウジング本体512の下端に着脱自在に取り付けられるショルダ530と、を別体として構成されており、ハウジング本体512にショルダ530を取り付けた状態で、その内側には収容穴SHが形成され、攪拌ピン520が回転自在に収容される。
また、本発明の実施例5による摩擦攪拌接合用工具500においては、ショルダ530の内部に下部に向かって縮径する略テーパ状の第二の収容穴H2が形成されている。ショルダ530には、第二の収容穴H2とショルダ530の外部とを連通する排出穴538が形成されている。ここで、通常の摩擦攪拌接合用工具は、第一の面534aが常にワークWと接触する構造のため、当該第一の面534aを含むショルダ530は鋼等の金属材料で形成される。このとき、ショルダ530の外面及び内面の加工はそれぞれ旋削加工等の機械加工で行われることが多くなるが、図8に示した変形例によるショルダ530では、大きくテーパ状の内面を形成するように旋削加工できる。
かかる構成により、本発明の実施例5による摩擦攪拌接合用工具500は、実施例1乃至4で得られた効果に加えて、排出穴538が略テーパ状の第二の収容穴H2からショルダ530の外部に連通していることにより、第二の収容穴H2に侵入した余剰金属(図3の符号M参照)が、第二の収容穴H2の下部に滞留することを抑制できる。また、ショルダ530の形状を機械加工に適したものとしたことにより、機械加工の工数を低減できるとともに、ショルダ530自体の軽量化を図ることもできる。
<実施例6>
次に、図9を用いて、本発明の実施例6による摩擦攪拌接合用工具の概要を説明する。なお、以下の説明においては、実施例1乃至5で示した摩擦攪拌接合用工具と構成上で異なる点についてのみ説明を行うものとし、その他の共通する構成については実施例2と同一の符号を用いて説明して図示を省略する。
図9A乃至図9Cは、本発明の実施例6による摩擦攪拌接合用工具に適用されるショルダの具体的な構成を説明するための図であって、図9Aは側面図、図9Bは下面図、図9Cは上面図をそれぞれ示している。図9Aに示すように、実施例6におけるショルダ630は、実施例3の場合と同様に、取付部632と縮径部633と突出部634が一体に形成されており、突出部634の端部に位置する第一の面634aが摩擦攪拌接合を行う際にワークと接触するショルダ面として機能する。また、取付部632の被保持面632aは、雄ネジが形成されるとともに、上端部632の上端には、ハウジング本体212の当接面217bと当接する位置決め面632bが形成されている。
図9B及び図9Cに示すように、ショルダ630には、その一部を切り欠く態様で、第二の収容穴H2とショルダ630の外部とを連通する2つの排出穴638、639が形成されている。このとき、排出穴638、639は、ワークWの一部である塑性流動した余剰金属(図3の符号M参照)が攪拌ピン220の回転により生じる流れに沿って収容穴SHからショルダ630の外部に排出されるように形成してもよい。
このような排出穴の一例として、実施例2の場合と同様に、ショルダ630は、攪拌ピンの回転方向Rにおいて排出穴638の内周面638aと第二の収容穴H2の内周面H2aとが接続する接続位置P1を含む。このとき、排出穴638は、接続位置P1における第二の収容穴H2の内周の接線方向T1を包含するように形成されている。
また、ショルダ630は、攪拌ピンの回転方向Rにおいて排出穴639の内周面639aと第二の収容穴H2の内周面H2aとが接続する接続位置P2を含む。このとき、排出穴639は、接続位置P2における第二の収容穴H2の内周の接線方向T2を包含するように形成されている。これにより、接合中の攪拌ピンの回転によって、余剰金属を2つの排出穴638、639から連続的かつ円滑に外部へ排出することができる。
また、2つの排出穴638、639は、第二の収容穴H2の円周方向において互いに対向する位置、すなわち互いに等間隔となるように配置されるのが好ましい。これにより、切り欠かれるショルダ630全体の剛性のバランスを取れるとともに、余剰金属の排出が効率良く実行される。
かかる構成により、本発明の実施例6による摩擦攪拌接合用工具は、実施例1乃至5で得られた効果に加えて、ショルダ630に複数の排出穴638、639を形成したため、余剰金属の排出効率をさらに高めることができる。そして、その結果として、攪拌ピンと余剰金属との過剰な摩擦発熱をさらに抑制し、攪拌ピンの強度低下や破損等を抑制することができる。
以上、本発明による代表的な実施例及びこれに伴う変形例について述べたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、適宜、当業者によって変更され得る。すなわち、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
例えば、実施例1乃至6における摩擦撹拌接合用工具および摩擦撹拌接合装置について、部材の連続的な接合における使用を例示したが、これらの点接合への使用を排除するものではない。
例えば、実施例1乃至6においてハウジングに形成した排出穴を例示したが、ハウジングに、排出穴から排出された余剰金属がワーク上面に落下しないようにこれらの余剰金属を受ける構造をさらに設けてもよい。また、実施例1乃至6において摩擦攪拌接合を行う際にワークと接触するショルダ面(第一の面)を例示したが、当該ショルダ面は平坦な形状だけでなく、凹形状もしくは凸形状であってもよく、ショルダ面上に十字溝やらせん溝等が形成されていてもよい。
なお、上記実施例2乃至5において、ハウジングとショルダとがネジ結合される場合を例示したが、例えば磁力や真空圧による吸着構造や、爪部等によるチャッキング構造等の他の取付構造を適用してもよい。
上記実施例6において、複数設ける排出穴として2つの穴が形成された場合を例示したが、ショルダの全体の剛性と余剰金属の排出効率とを考慮して、3つ以上の排出穴を形成するように構成してもよい。さらに、実施例6では、実施例2乃至5で示した着脱自在のショルダに複数の排出穴を形成した場合を例示したが、このような複数の排出穴を実施例1で示したハウジング本体に形成するように構成してもよい。
1 摩擦攪拌接合装置
10 本体部
12 主軸台
14 主軸フレーム
16 回転主軸
18 主軸台送り装置
20 ワーク搬送部
22 加工テーブル
24 加工テーブル送り装置
30 制御部
32 数値制御装置
34 インターフェース
36 メモリ
100、200、300、400、500 摩擦攪拌接合用工具
110、210、310、410、510 ハウジング
112、212、312、412、512 ハウジング本体
113 縮径部
114 突出部
114a 第一の面
118、238、338、438、538、638、639 排出穴
120、220、320、420、520 攪拌ピン
122、222 ピンホルダ
124、224、324、424、524 ピン本体
124a、224a 攪拌部
217、317、417 保持部
230、330、430、530、630 ショルダ
232、332、432、632 取付部
233、333、433、633 縮径部
234、334、434、534 突出部
234a、334a、434a、534a、634a 第一の面


Claims (13)

  1. 回転軸を有する攪拌ピンと、第一の面を有するハウジングと、を備え、
    前記ハウジングは、前記攪拌ピンを相対的に前記回転軸周りで回転可能に収容し、前記第一の面に開口する収容穴を含み、
    前記攪拌ピンは、前記回転軸に沿った一端に、前記収容穴に収容された状態で前記第一の面から突出し、ワークに対して挿入される攪拌部を含み、
    前記ハウジングには、前記収容穴と前記ハウジングの外部と連通する排出穴が形成されており、
    前記収容穴は、前記回転軸に沿って互いに接続された第一の収容穴と第二の収容穴を含み、
    前記第一の収容穴は、前記第一の面に開口し、
    前記第二の収容穴は、前記第一の収容穴より穴径が大きく、
    前記排出穴の開口は、前記第一の収容穴と前記第二の収容穴との境界を含む位置に前記第二の収容穴の内周に沿って形成され、
    前記ハウジングは、前記攪拌ピンの回転方向において前記排出穴の内周面に前記第二の収容穴の内周面が接続する第一及び第二接続位置をこの順に含み、
    前記排出穴は、前記第一接続位置から、前記回転方向であって前記第一接続位置における前記第二の収容穴の前記内周の接線に沿った方向へ向けた空間を包含するととも、前記回転軸と平行で前記第二接続位置から前記接線と平行方向に延びる平面からなる壁面を含んで形成されている
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用工具。
  2. 前記ハウジングは、前記第一の面及び前記排出穴を有するショルダと、ハウジング本体と、を別体に構成し、
    前記ショルダは、前記ハウジング本体に取り付けられる取付部を含み、
    前記ハウジング本体は、前記取付部を保持する保持部を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  3. 前記取付部は、前記ハウジング本体に前記ショルダを取り付けた際の位置を特定する位置決め面を含み、
    前記保持部は、前記位置決め面に当接する当接面を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  4. 前記排出穴は、前記ハウジングの内部に侵入した前記ワークが前記攪拌ピンの回転により生じる流れに沿って前記収容穴から前記ハウジングの外部に排出されるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  5. 前記排出穴は、2以上形成され、前記収容穴に接続する位置が互いに等間隔となるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  6. 前記ハウジングにおいて、少なくとも前記第一の収容穴の内面には、前記ワークとの親和性が低い被膜が被覆されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  7. 前記ハウジングの前記第一の面は、前記ワークと接触するショルダ面を構成する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  8. 前記攪拌ピンは、前記攪拌部を有するピン本体と、ピンホルダと、を別体に構成し、
    前記ピン本体は、前記攪拌部に対して前記回転軸に沿った反対側で、前記ピンホルダに取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合用工具。
  9. 回転主軸を含む主軸台と、前記主軸台に取り付けられる摩擦攪拌接合用工具と、ワークを保持する加工テーブルと、前記主軸台及び前記加工テーブルの相対的な動きを制御する数値制御装置と、を備えた摩擦攪拌接合装置であって、
    前記摩擦攪拌接合用工具は、回転軸を有する攪拌ピンと、第一の面を有するハウジングと、を備え、
    前記ハウジングは、前記攪拌ピンを相対的に前記回転軸周りで回転可能に収容し、前記第一の面に開口する収容穴を含み、
    前記攪拌ピンは、前記回転軸に沿った一端に、前記収容穴に収容された状態で前記第一の面から突出し、前記ワークに対して挿入される攪拌部を含み、
    前記ハウジングには、前記収容穴から前記ハウジングの外部と連通する排出穴が形成されており、
    前記摩擦攪拌接合用工具の前記収容穴は、互いに接続された第一の収容穴と第二の収容穴を含み、
    前記第一の収容穴は、前記第一の面に開口し、前記第二の収容穴より穴径が小さく、
    前記排出穴の開口は、前記第一の収容穴と前記第二の収容穴との境界を含む位置に前記第二の収容穴の内周に沿って形成され、
    前記ハウジングは、前記攪拌ピンの回転方向において前記排出穴の内周面に前記第二の収容穴の内周面が接続する第一及び第二接続位置をこの順に含み、
    前記排出穴は、前記第一接続位置から、前記回転方向であって前記第一接続位置における前記第二の収容穴の前記内周の接線に沿った方向へ向けた空間を包含するととも、前記回転軸と平行で前記第二接続位置から前記接線と平行方向に延びる平面からなる壁面を含んで形成されている
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
  10. 前記摩擦攪拌接合用工具の前記ハウジングは、前記第一の面及び前記排出穴を有するショルダと、ハウジング本体と、を別体に構成し、
    前記ショルダは、前記ハウジング本体に取り付けられる取付部を含み、
    前記ハウジング本体は、前記取付部を保持する保持部を含む
    ことを特徴とする請求項9に記載の摩擦攪拌接合装置。
  11. 前記摩擦攪拌接合用工具の前記攪拌ピンは、前記攪拌部を有するピン本体と、ピンホルダと、を別体に構成し、
    前記ピン本体は、前記攪拌部に対して前記回転軸に沿った反対側で、前記ピンホルダに取り付けられる
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の摩擦攪拌接合装置。
  12. 前記摩擦攪拌接合用工具の前記ハウジングの前記第一の面は、前記ワークと接触するショルダ面を構成する
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  13. 前記主軸台は、前記ハウジングの内部にガス流を供給するガス流供給機構をさらに備える
    ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1つに記載の摩擦攪拌接合装置。
JP2018229548A 2018-12-07 2018-12-07 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置 Active JP6887412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229548A JP6887412B2 (ja) 2018-12-07 2018-12-07 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229548A JP6887412B2 (ja) 2018-12-07 2018-12-07 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018536300A Division JP6512727B1 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019171466A JP2019171466A (ja) 2019-10-10
JP6887412B2 true JP6887412B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=68166156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018229548A Active JP6887412B2 (ja) 2018-12-07 2018-12-07 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6887412B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7411507B2 (ja) * 2020-06-04 2024-01-11 本田技研工業株式会社 摩擦撹拌接合装置
CN112122768B (zh) * 2020-09-23 2024-03-15 苏州万智新能源科技有限公司 一种静止轴肩搅拌摩擦焊焊具、焊接装置及焊接***
KR102684306B1 (ko) * 2023-03-10 2024-07-10 재단법인 포항산업과학연구원 버 배출이 용이한 마찰 교반 용접 공구

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0115492Y2 (ja) * 1985-01-17 1989-05-09
JPS6316910A (ja) * 1986-07-07 1988-01-23 Fuji Heavy Ind Ltd 穿孔機の切粉や有害ガスの排出装置
US5632579A (en) * 1994-07-13 1997-05-27 Thermwood Corporation Particulate removal device and system for router machines and the like
JP4416634B2 (ja) * 2004-12-13 2010-02-17 Obara株式会社 摩擦撹拌スポット接合用ツ―ルピンの目詰り防止装置
JP4986532B2 (ja) * 2006-08-03 2012-07-25 住友軽金属工業株式会社 摩擦撹拌接合方法
JP4992624B2 (ja) * 2007-09-14 2012-08-08 日立工機株式会社 電動工具
JP2009297826A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 穴あけ工具の切屑回収装置
DE102012010836B3 (de) * 2012-05-31 2013-06-20 Grenzebach Maschinenbau Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Verbesserung der Qualität der Schweißnaht beim Rührreibschweißen, Computerprogramm sowie maschinenlesbarer Träger
JP2018001178A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 株式会社Ihi 摩擦攪拌用工具及び摩擦攪拌用工具を有する摩擦攪拌接合装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019171466A (ja) 2019-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6512727B1 (ja) 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置
JP6887412B2 (ja) 摩擦攪拌接合用工具及び摩擦攪拌接合装置
KR100481782B1 (ko) 마찰교반접합방법
US9352425B2 (en) Material surface modification using friction stir welding hybrid process
JP4912575B2 (ja) 消耗ピン工具を用いる摩擦撹拌溶接のための装置及び方法
EP1614497A1 (en) Method and apparatus for repairing or building up surfaces on a workpiece while the workpiece is mounted on a machine tool
JP5548530B2 (ja) 工具、および工作機械
US11992909B2 (en) Attachment for machining apparatus
JP6099291B1 (ja) 摩擦攪拌接合用工具及び工作機械
JP3954547B2 (ja) 摩擦撹拌接合方法と摩擦撹拌接合部
JP2004001166A (ja) 工作機械用スピンドルアセンブリー
JP5086845B2 (ja) 摩擦攪拌接合装置
JP2017170603A (ja) 工具ホルダおよび工作機械
KR20130085682A (ko) 머시닝센터의 팔레트 클램핑 장치
KR102466656B1 (ko) 원심력이 최소화되면서 호환성이 향상된 건드릴 어셈블리
JP5121361B2 (ja) 中空ワークの内面加工装置
JP6776480B1 (ja) 攪拌ピン、摩擦攪拌接合用工具、および、工作機械
JP5455187B2 (ja) マシニングセンタ用座ぐり工具
JP2020082319A (ja) 工具ユニット
KR102466657B1 (ko) 원심력이 최소화되는 건드릴 어셈블리
KR100677823B1 (ko) 마스터 스핀들
JP2001138133A (ja) リーマ
JP2014030891A (ja) チップホルダ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200702

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200702

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20200714

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200821

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200825

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20201023

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20201110

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201117

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210225

C302 Record of communication

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C302

Effective date: 20210225

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210226

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210402

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210511

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6887412

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250