JP6886649B2 - 変性セルロース及びこれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、変性セルロース及びこれを用いた樹脂組成物に関する。
木材パルプ等を構成するセルロース繊維は、天然由来の再生可能原料として、紙や衣服、包装材料等の用途に古くから利用されている。セルロース繊維は、多糖類であり、通常、分子としては存在せず、そのセルロース分子が集合したセルロースミクロフィブリル(MFC)、そのMFCが集まったミクロフィブリル束、その集合体等の多層構造をとっている。
また、セルロース繊維に機械的処理及び/又は化学的処理を施して、ナノサイズにまで解繊したセルロースナノファイバー(CNF)を得る技術も開発されている。CNFは、繊維幅4〜100nm程度、繊維長5μm程度以上の繊維であり、低比重且つ高強度な樹脂用複合材料として注目されている。CNFは、セルロース繊維に水媒体中で機械処理を施すことで通常は得られる。
セルロース繊維は、軽量であり、強度があり、線熱膨は低い。そこで、樹脂等のマトリックス中にセルロース繊維を配合し、樹脂組成物の機械的強度を高める技術が開発されている。しかし、セルロース繊維は、水酸基を有し、親水性が高いため、疎水性の樹脂との相溶性に劣る側面がある。
また、水中でナノレベルまで解繊した後に得られるCNFも、水酸基を多量に含有し、親水性が極めて高い。このCNF間でネットワークが形成され、CNFのスラリーの粘度及び保水性が非常に高い。そのため、CNFの水分散液(スラリー)から濾過等により脱水する際には、濾水時間が長くかかっていた。また、その濾水後のCNFは一度乾燥してしまうとCNF間の水素結合により凝集してしまい、CNFを均一に再分散することは困難であった。そのため、親水性の高いCNFを樹脂中に複合化させることも困難であった。
そこで、化学処理によりセルロース又はCNFに官能基導入して、セルロース繊維又はCNFと樹脂との相溶性を向上させることが試みられてきた(特許文献1及び2)。
また、本出願人は、カチオン性CNFのカチオン基をアニオン性添加剤で中和して得られる変性CNFを開発している(特許文献3)。この技術によれば、変性CNFの回収時の濾水時間は短縮されており、変性CNFは樹脂中で均一に分散され、強度の高い変性CNF含有樹脂組成物を得ることができる。
上記従来技術は、セルロース繊維又はCNFの親水性基に、直接疎水性基を導入することで得られる疎水化されたセルロース繊維又はCNFを用いる技術である。
特開2010-106251号公報 特開2011-047084号公報 特許第5150792号
本発明は、セルロース繊維及びCNFを回収する際に、濾水性が高いセルロース繊維及びCNFを含む組成物、或いはセルロース繊維及びCNFを含む複合体を提供することを目的とする。
本発明は、また、樹脂中でのセルロース繊維の分散性が良好である、セルロース繊維を含む組成物或いはセルロース繊維を含む複合体を提供することを目的とする。つまり、樹脂組成物中では、セルロース繊維の分散性が良好である。
本発明は、セルロース繊維を含む組成物或いはセルロース繊維を含む複合体を含有し、高い強度を示す樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、非繊維状アニオン化多糖で表面処理されたセルロース繊維をカチオン化剤で中和することにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明者らは、セルロース繊維を、先ず非繊維状アニオン化多糖で表面処理し、次いでカチオン化剤で中和することにより、セルロース繊維を水媒体中から回収する際の濾水時間が短くなることを見出した。本発明者らは、このセルロース繊維、又はこれを更に解繊して得られるセルロースナノファイバー(CNF)は、樹脂中で均一に分散していることや、これらセルロース繊維やCNFを含有する樹脂組成物から調製された樹脂成形体は、強度が増していることが見出した。
項1.
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤とセルロース繊維とを含む組成物。
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との複合体と、セルロース繊維とを含む組成物。
非繊維状アニオン化多糖とセルロース繊維とを含むアニオン性セルロース繊維と、カチオン化剤とを含む組成物。
項2.
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物と、セルロース繊維とを含む組成物。
項3.
前記非繊維状アニオン化多糖が、カルボキシメチルセルロースである、前記項1又は2に記載の組成物。
項4.
前記カチオン化剤が、アルキルケテンダイマーのカチオン性分散剤による分散体、カチオン性ポリスチレン樹脂、カチオン性脂肪酸誘導体、カチオン性ポリ(メタ)アクリル樹脂、カチオン性ポリエステル樹脂、カチオン性ポリオレフィン樹脂、カチオン性ポリエーテル樹脂、カチオン性ポリウレタン樹脂及び四級アンモニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、前記項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.
前記セルロース繊維がCNFである、前記項1〜4に記載の組成物。
項6.
前記項1〜5に記載の組成物、及び樹脂を含有する樹脂組成物。
項7.
前記項6に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
項8.
前記項1〜5に記載の組成物の製造方法であって、
(1)セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、及び
(2)工程1で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理する工程、
を含む製造方法。
項9.
セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している複合体。
項10.
複合体の製造方法であって、
(1)セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、及び
(2)工程1で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理する工程、
を含む製造方法。
項11.
前記複合体が、セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している複合体である、前記項10に記載の製造方法。
本発明により、セルロース繊維(又はCNF)の回収時の濾水時間は大幅に短縮できるセルロース繊維(又はCNF)を含む組成物及びセルロース繊維(又はCNF)を含む複合体を得ることができる。つまり、それら組成物及び複合体は、セルロース繊維(又はCNF)の脱水処理、乾燥処理等にかかる時間が短縮されており、濾水性が高いセルロース繊維(又はCNF)を含む。
その結果、それらセルロース繊維を含む組成物或いはセルロース繊維を含む複合体の製造で消費されるエネルギーが低減される。未処理のセルロース繊維やCNFに比べて、本発明のセルロース繊維(又はCNF)を含む組成物或いはセルロース繊維(又はCNF)を含む複合体を用いると、樹脂中でのセルロース繊維やCNFの分散性が良好である。つまり、樹脂組成物では、樹脂中でセルロース繊維(又はCNF)が均一に分散している。
そのセルロース繊維(又はCNF)を含有する樹脂組成物を用いて調製された樹脂成形体は、未処理のセルロース繊維やCNFを用いた場合に比べて、強度が向上している。
本発明の態様を表す図である。 本発明の態様を表す図である。
以下に、本発明を実施するための形態を詳細に記載する。
以下では、セルロースナノファイバーをCNFとも記す。
(1)組成物及び複合体
本発明の組成物は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤とセルロース繊維とを含む。本発明の組成物は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物と、セルロース繊維とを含む組成物。組成物は、セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理し、次いでカチオン化剤で処理することで製造することができる。
本発明の複合体は、セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している。
前記組成物或いは複合体に含まれるセルロース繊維はCNFであっても良い。
セルロース繊維がCNFである場合、セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理し、次いでカチオン化剤で処理し、更に得られたセルロース繊維を解繊することで製造することができる。また、組成物或いは複合体では、原料として直接CNFを用い、これを非繊維状アニオン化多糖で処理し、次いでカチオン化剤で処理することでも製造することができる。
セルロース繊維又はCNFは、非繊維状アニオン化多糖で処理されることで、セルロース繊維又はCNFと非繊維状アニオン化多糖との複合体を形成する。この複合体では、セルロース繊維又はCNFの繊維状のセルロース(多糖)と非繊維状アニオン化多糖の多糖とが、水素結合、ファンデルワールス力等の分子間力により、相互に作用している。つまり、セルロース繊維又はCNFの繊維状のセルロース(多糖)と非繊維状アニオン化多糖の多糖とが、馴染んでいる。
この作用により、この複合体では、セルロース繊維又はCNFの表面で、非繊維状アニオン化多糖の多糖を介して、非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基が表れた構造を成している。セルロース繊維又はCNF、非繊維状アニオン化多糖の多糖、非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基の順で、繋がっているとも言える。
これが非繊維状アニオン化多糖で処理されたセルロース繊維又はCNF(複合体)であり、複合体全体としてアニオン化されている。これにより、セルロース繊維又はCNFと非繊維状アニオン化多糖とのアニオン性の複合体は、水溶液中での溶解度が大きくなり、水溶液中での分散性が良好である。
非繊維状アニオン化多糖で処理されたセルロース繊維又はCNF(複合体)は、次いでカチオン化剤で処理されることで、組成物又は複合体を形成する。この組成物又は複合体では、セルロース繊維又はCNFの表面に表れた非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基とカチオン化剤のアニオン性の官能基とが、イオン間相互作用等の分子間力により、相互に作用している。つまり、非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基とカチオン化剤のアニオン性の官能基とが、馴染んでいる。
この作用により、組成物又は複合体に含まれるセルロース繊維又はCNFでは、先ず(i)セルロース繊維又はCNFの表面では、非繊維状アニオン化多糖の多糖を介して、非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基が表れている。これは非繊維状アニオン化多糖で処理されたセルロース繊維又はCNF(複合体)である。そして、(ii)その複合体の表面に存在する非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基では、カチオン化剤のカチオン性の官能基を介して、カチオン化剤の樹脂部分(又はモノマー部分)が表れている。セルロース繊維又はCNF、非繊維状アニオン化多糖の多糖、非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基、カチオン化剤のカチオン性の官能基、カチオン化剤の樹脂部分(又はモノマー部分)の順で、繋がっているとも言える。
このことを、本発明の組成物は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物と、セルロース繊維とを含むと表すことができる。
また、本発明の複合体は、セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着していると表すことができる。
本発明の組成物又は複合体に含まれるセルロース繊維又はCNFは、全体として、中和されている。これにより、組成物又は複合体に含まれるセルロース繊維又はCNFは、水溶液中での溶解度が小さくなり、濾水性が高くなる。その結果、組成物又は複合体に含まれるセルロース繊維及び/又はCNFは、水溶液からの回収時の濾水時間を大幅に短縮される。
セルロース繊維は濾水性が高いので、その後の解繊処理に適した材料である。
樹脂組成物は、セルロース繊維又はCNF、並びに樹脂を含有する。その樹脂組成物を成形して成形体を製造することができる。
セルロース繊維又はCNFは、全体として、表面にカチオン化剤の樹脂部分(又はモノマー部分)が表れている。このセルロース繊維又はCNFの表面に表れたカチオン化剤の樹脂部分(又はモノマー部分)と、樹脂(マトリクス材料)とが、疎水性相互作用、水素結合、双極子相互作用、ファンデルワールス力等の分子間力により、相互に作用している。つまり、カチオン化剤の樹脂部分(又はモノマー部分)と樹脂(マトリクス材料)とが、馴染んでいる。
この作用により、樹脂組成物では、セルロース繊維又はCNF、非繊維状アニオン化多糖の多糖、非繊維状アニオン化多糖のアニオン性の官能基、カチオン化剤のカチオン性の官能基、カチオン化剤の樹脂部分(又はモノマー部分)、樹脂の順で繋がっているとも言える。樹脂には疎水性相互作用が働いている。
その結果、セルロース繊維又は変性CNFは、樹脂中で良好に分散している。この樹脂組成物を用いて樹脂成形体を作製すると、樹脂成形体は、強度が良好である。
非繊維状アニオン化多糖は、アニオン性の官能基を持つセルロース構造を有する成分が好ましい。
カチオン化剤は、カチオン性の官能基を持ち、樹脂と馴染み易く、樹脂組成物中で分散され易い成分が好ましい。
(1-1)セルロース繊維
繊維とは、一般に、細長い糸状の物質(固体)で、幅が肉眼では直接測れないほど細く、長さが幅に比べて無限と言えるほど長い成分である。繊維は、一般に、鎖状高分子物質でできている。繊維は、一般に分子間力が大きく、ガラス転移点が高く、結晶性が良い。繊維は、一般に、表面積が大きく、分子が繊維方向に配向している。
セルロース繊維の原料は、特に限定されない。セルロース繊維は、植物繊維であり、パルプを原料として製造されるセルロース繊維が好ましい。多糖類であるセルロースは、通常、分子としては存在せず、そのセルロース分子が集合したセルロースミクロフィブリル(MFC)、そのMFCが集まったミクロフィブリル束、その集合体等の多層構造をとっている。
パルプは、原料として木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、綿、ビート、農産物残廃物、布等の植物原料を用いて製造される植物繊維が好ましい。パルプの原料である木材として、シトカスプルース、スギ、ヒノキ、ユーカリ、アカシア等が好ましい。パルプは、植物原料を化学的及び/又は機械的にパルプ化することで得られる。パルプは、主にセルロース、ヘミセルロース及びリグニンから構成される。パルプ中のリグニン含有量は、通常0〜40重量%程度であり、0〜10重量%程度が好ましい。リグニン含有量の測定は、Klason法により測定することができる。
セルロース繊維は、レーヨン、セロファン等の再生セルロース繊維等が好ましい。セルロース繊維は、市販品を利用することができ、例えばKCフロック(日本製紙ケミカル株式会社)を用いることができる。
(1-2)CNF
セルロースナノファイバー(CNF)は、セルロース繊維を解繊し、その繊維径をナノサイズレベルまで小さくしたセルロース繊維である。CNFは、天然原料由来のナノフィラーであり、低比重且つ高強度な樹脂用複合材料である。
CNFは、一般的には、リファイナー、高圧ホモジナイザー、媒体攪拌ミル(ビーズミル等)、石臼、グラインダー、一軸又は多軸混練機(好ましくは二軸混練機)等を用いて、セルロース繊維含有材料(水懸濁液又はスラリー)を機械的に磨砕及び/又は叩解することによって、解繊又は微細化して製造される。
特開2005-42283号公報に記載の方法等の公知の方法で製造することもできる。
CNFは、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター)等)を利用して製造することもできる。
CNFは、市販品を利用することも可能であり、例えばセリッシュ(ダイセル化学工業株式会社)等を用いることができる。
CNFは、アルカリ溶液(例えば水酸化アルカリ金属水溶液、アンモニア水等)で処理されたものであってもよい。
CNFは、先ず、セルロース繊維含有材料を必要に応じてリファイナーやボールミル、カッターミル等によりアルカリ溶液処理を効率よく行える形状(例えば粉体、繊維状、シート状等)とし、次いでこれをアルカリ溶液処理し、次いでこの処理物をCNFの製造に使用される公知の解繊又は微細化技術、一般的には高圧ホモジナイザー、媒体攪拌ミル、石臼、グラインダー等により磨砕及び/又は叩解することによって得ることができる。
CNFの繊維径は、平均値で4nm〜800nm程度が好ましく、4nm〜400nm程度がより好ましく、4nm〜100nmが更に好ましい。
CNFは繊維径に対する繊維長が非常に長い繊維である。CNFの繊維長は、平均値が繊維径の5倍程度以上が好ましく、10倍程度以上がより好ましく、20倍程度以上が更に好ましい。CNFの繊維長の平均値は、50nm〜200μm程度が好ましく、100nm〜50μm程度がより好ましい。
CNFの比表面積は、70〜300m2/g程度が好ましい。CNFは、その比表面積が大きいと、樹脂と組み合わせて組成物とした場合に、樹脂との接触面積を大きくなる。これにより、CNFを含む樹脂組成物の強度を向上させることができる。
CNFは高比表面積であり、軽量であり且つ高強度である。CNFは熱変形が小さい(低熱膨張)。
CNFの繊維径の平均値及び繊維長の平均値(平均繊維径及び平均繊維長)は、電子顕微鏡の視野内のCNFの少なくとも50本以上について測定することで算出する。
(1-3) 非繊維状アニオン化多糖
非繊維状アニオン化多糖は、繊維状構造を有さない多糖である。非繊維状構造の固体、つまり繊維状構造を有さない固体とは、例えば構成単位において、その長さがその幅に対してそれほど長くない固体や、一定の方向に依存しない等方的な固体を表す。
非繊維状アニオン化多糖は、多糖の主鎖に存在するカルボキシメチル基を有する多糖が好ましい。
非繊維状アニオン化多糖は、カルボキシメチルセルロース又はそのナトリウム塩が好ましい。
非繊維状アニオン化多糖として、これら非繊維状アニオン化多糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を使用することが好ましい。つまり、これら非繊維状アニオン化多糖を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非繊維状アニオン化多糖のアニオン基量は、無水グルコース当り0.5〜1.5個程度が好ましい。
(1-4)カチオン化剤
カチオン化剤は、カチオン性基を有する添加剤である。例えば、アルキルケテンダイマーをカチオン性分散液によって乳化・分散させた水性溶媒分散液、カチオン性ポリスチレン樹脂、カチオン性脂肪酸誘導体、カチオン性ポリ(メタ)アクリル樹脂、カチオン性ポリエステル樹脂、カチオン性ポリオレフィン樹脂、カチオン性ポリエーテル樹脂、カチオン性ポリウレタン樹脂、四級アンモニウム化合物等が挙げられる。その中でも、四級アンモニウム化合物、カチオン性アクリル樹脂が好ましい。
四級アンモニウム化合物
四級アンモニウム化合物は長鎖の脂肪族炭化水素基や芳香族炭化水素基を持つものが好ましい。このような四級アンモニウム化合物として、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン性ポリ(メタ)アクリル樹脂
カチオン性基と(メタ)アクリル骨格を持つ水溶性、又は水分散性樹脂が好ましい。また、(メタ)アクリル樹脂の構造は、樹脂親和性セグメントAとカチオン性基セグメントBとを有し、それぞれが、ランダム構造、ブロック共重合体構造又はグラジエント共重合体構造のいずれの構造を有しても良い。
ブロック共重合体構造とは、性質(例えば極性等)の異なる高分子鎖A、B、C・・・2種類以上直線状に結合した構造(例えばA-B、A-B-A、A-B-C等)のことである。高分子鎖Aと高分子鎖Bが直線状に結合した様な、A-B型ブロック共重合体構造が挙げられる。公知のリビング重合を利用することで、ブロック共重合体構造を得ることができる。
グラジエント共重合体構造とは、性質(例えば極性等)の異なる2種類のモノマーA及びB由来の繰り返し単位からなる共重合体を例にとると、Aユニットに富む高分子鎖の一端からBユニットに富む他端に向かうつれ、Aユニットの割合が減少しBユニットの割合が増加するような、繰り返し単位の分布勾配がある構造である。公知のリビング重合を利用することで、グラジエント共重合体構造を得ることができる。
樹脂親和性セグメントAのモノマー成分として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロデシルメチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。樹脂親和性セグメントAは上記モノマー1種で構成されていても良いし、2種以上で構成されていても良い。
カチオン性基セグメントBのモノマー成分としてカチオン性不飽和単量体が挙げられる。
カチオン性基セグメントBは、カチオン性不飽和単量体1種で構成されていても良いし、2種以上で構成されていても良い。
カチオン性不飽和単量体とは、一分子内に不飽和結合と1〜3級アミノ基を有する化合物及びそれらの塩、4級アンモニウム塩を有する化合物、及び一級アミド基を有する化合物等が挙げられる。
1級アミノ基を有する不飽和単量体としては、アリルアミン、及びメタリルアミン等が挙げられる。
2級アミノ基を有する不飽和単量体としては、ジアリルアミン、及びジメタリルアミン等が挙げられる。
3級アミノ基を有するモノマーとしては、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びN,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、1-ビニルイミダゾール等が挙げられる。
これら1〜3級アミノ基を有する不飽和単量体は、その塩類も使用することができる。塩類としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機塩類、ギ酸塩、酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
また、3級アミノ基を有するモノマーには、
前記2級アミノ基を有する不飽和単量体と、
メチルクロライド、メチルブロマイド、(メタ)アリルクロライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアルキルハライド、ジメチル硫酸、及びジエチル硫酸等のアルキル硫酸、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、及びグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等のグリシジル基含有化合物、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、モノクロロ酢酸等のいずれかとの
反応により、3級アミンの酸塩としたモノマーも挙げられる。
4級アンモニウム塩類となっている不飽和単量体としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジメタリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、ジエチルジメタリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、4級アンモニウム塩類となっている不飽和単量体には、前記3級アミノ基を有する不飽和単量体と、4級化剤との反応によって得られる不飽和単量体も挙げられる。4級化剤としては、メチルクロライド、メチルブロマイド、(メタ)アリルクロライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル硫酸、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、及びグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等のグリシジル基含有化合物、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、モノクロロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
4級化後にイオン交換樹脂等を用いてイオン交換しても良く、例えば、塩化物イオン等を水酸化物イオンに変換後にカルボン酸塩としたり、或いはNTf-(CF3SO3 -)、PF6 -、BF4 -等の対アニオンに変換したりしても良い。
これら4級化剤を用いて合成した、4級アンモニウム塩類となっている不飽和単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、及び2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、4級化剤との反応は、前記3級アミノ基を有する不飽和単量体を重合した後に行っても良い。
一級アミド基を有する化合物としては、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン性(メタ)アクリル樹脂は、必要に応じて樹脂親和性セグメントAとカチオン性基セグメントB以外のモノマー成分を用いていても良い。例えば、カチオン性基セグメントBとして、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート等の親水性モノマー成分とカチオン性モノマー成分との共重合体でも良い。
カチオン化剤として、これらカチオン化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を使用することが好ましい。つまり、これらカチオン化剤を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン化剤のカチオン性基量
カチオン化剤のカチオン化度は、粒子電荷計を用いて、次の方法で算出することができる。
カチオン化剤をイオン交換水で0.02質量%へ希釈した後、そのうち10ccを粒子電荷計のセルにサンプリングする。次いでpH3に調製した後、1/1,000Nポリビニルスルホン酸カリウム(PVSK)水溶液を用い流動電位がゼロになるまで滴定する。1/1,000N PVSK水溶液の滴定量と次式よりカチオン化剤のカチオン化度(酸化)を算出する。
カチオン化度(meq/g)=1/1,000N PVSK水溶液の滴定量(ml)/2
カチオン化剤のカチオン化度は、0.80〜2.00程度が好ましい。
この範囲を満たすことで、カチオン化剤を容易に水溶化若しくは水中に分散化でき、かつカチオン化剤と非繊維状アニオン化多糖の反応が満遍なく、均一に進行し易い。
(1-5) その他の態様
本発明の組成物は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との複合体と、セルロース繊維とを含む、と表すこともできる。本発明の組成物は、非繊維状アニオン化多糖とセルロース繊維とを含むアニオン性セルロース繊維と、カチオン化剤とを含む組成物、と表すこともできる。
前記セルロース繊維はCNFであっても良い。前記組成物及び樹脂を含有する樹脂組成物が好ましい。この樹脂組成物を成形して成形体を調製することが可能である。
本発明の複合体は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物と、セルロース繊維とを含む、と表すこともできる。本発明の複合体は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤とセルロース繊維とを含む、と表すこともできる。本発明の複合体は、非繊維状アニオン化多糖とセルロース繊維とを含むアニオン性セルロース繊維と、カチオン化剤とを含む、と表すこともできる。この場合、非繊維状アニオン化多糖によって処理されたセルロース繊維をアニオン性セルロース繊維と呼ぶ。
本発明の複合体は、非繊維状アニオン化多糖変性セルロース繊維とカチオン化剤との、と表すこともできる。本発明の複合体は、非繊維状アニオン化多糖を含むアニオン性セルロース繊維に、カチオン化剤が吸着している、と表すこともできる。
本発明は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤とを含む変性セルロース繊維、と表すこともできる。本発明は、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物と、セルロース繊維とを含む変性セルロース繊維、と表すこともできる。本発明は、非繊維状アニオン化多糖とセルロース繊維とを含むアニオン性セルロース繊維と、カチオン化剤とを含む変性セルロース繊維、と表すこともできる。この場合、非繊維状アニオン化多糖によって処理されたセルロース繊維をアニオン性セルロース繊維と呼び、更にカチオン化剤を含むことで、全体として変性セルロース繊維と呼ぶ。
本発明は、セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している変性セルロース繊維、と表すこともできる。本発明は、非繊維状アニオン化多糖を含むアニオン性セルロース繊維に、カチオン化剤が吸着している変性セルロース繊維、と表すこともできる。本発明は、非繊維状アニオン化多糖で処理されたセルロース繊維を、カチオン化剤で処理して得られる変性セルロース繊維、と表すこともできる。
本発明は、非繊維状アニオン化多糖とセルロース繊維とを含むアニオン性セルロース繊維と、カチオン化剤とを含む中和物、と表すこともできる。
本発明は、前記複合体及び樹脂を含有する樹脂組成物であり、前記変性セルロース繊維及び樹脂を含有する樹脂組成物である。本発明は、前記樹脂組成物を成形してなる成形体である。
(2) 組成物及び複合体の製造方法
(2-1) 組成物及び複合体の製造方法
本発明の組成物又は複合体は、
(1)セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、及び
(2)工程1で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理する工程、
を含む製造方法により、製造することができる。
得られる複合体は、セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着していることが好ましい。
本発明では、セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理し、次いでカチオン化剤で処理して得られたものを変性セルロース繊維と呼ぶこともできる。
工程1:セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程
工程1は、セルロース繊維を分散させた水分散液に非繊維状アニオン化多糖を加えて混合することができる。非繊維状アニオン化多糖はすぐに水に溶解しないので、予め水に溶解した非繊維状アニオン化多糖を加えることが好ましい。攪拌翼等を用いてセルロース繊維と非繊維状アニオン化多糖を均一に混和することが好ましい。均一に混和することにより、セルロース繊維が満遍なく、均一に非繊維状アニオン化多糖で処理される。
セルロース繊維と非繊維状アニオン化多糖との配合比率
セルロース繊維と非繊維状アニオン化多糖との配合比率は、特に制限されない。セルロース繊維:非繊維状アニオン化多糖の配合比率(質量比)は、100:1〜100:100程度が好ましく、100:5〜100:50程度がより好ましく、100:10〜100:40程度が最も好ましい。この範囲を満たすことで、セルロース繊維のろ水性が良好であり、セルロース繊維の物性が良好である。
工程2:工程1で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理する工程
工程2は、工程1で得られた非繊維状アニオン化多糖で処理されたセルロース繊維の水分散体にカチオン化剤を添加することができる。
カチオン化剤は、繊維状アニオン化多糖との反応を促すために滴下することが好ましい。
滴下時間に特に限定されない。滴下時間は、10分以上が好ましい。10分以上かけることにより、カチオン化剤と非繊維状アニオン化多糖が徐々に進行するため水不溶化が遅くなり反応率が向上する。また、攪拌翼等を用いて非繊維状アニオン化多糖で処理されたセルロース繊維とカチオン化剤を均一に混和することが好ましい。均一に混和することにより、カチオン化剤と非繊維状アニオン化多糖の反応が満遍なく、均一に進行する。
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との配合比率
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との配合比率は、特に制限されない。非繊維状アニオン化多糖:カチオン化剤の配合比率(質量比)は、100:1〜100:10,000程度が好ましく、100:5〜100:2,000程度がより好ましく、100:10〜100:500程度が最も好ましい。この範囲を満たすことで、中和反応が進み、濾水性が高くなる。
セルロース繊維と変性部との配合比率
セルロース繊維と変性部(非繊維状アニオン化多糖+カチオン化剤)との配合比率は、特に制限されない。セルロース繊維:変性部の配合比率(質量比)は、100:1〜100:1,000程度が好ましく、100:10〜100:500程度がより好ましく、更には100:40〜100:200程度が最も好ましい。この範囲を満たすことで、セルロース繊維のろ水性が良好であり、セルロース繊維の物性が良好である。
(2-2) 組成物及び複合体の製造方法(CNFの場合1)
本発明の組成物又は複合体に含まれるセルロース繊維がCNFである場合、
(1)セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、
(2)工程1で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理する工程、及び
(3)工程2で得られた変性セルロース繊維を解繊する工程
を含む製造方法により、製造することができる。
工程1:セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程
前記変性セルロース繊維の製造方法の工程1と同様である。
工程2:工程1で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理する工程
前記変性セルロース繊維の製造方法の工程2と同様である。
工程3:工程2で得られた変性セルロース繊維を解繊する工程
工程3は、工程2で得られた変性セルロース繊維に、溶媒又は樹脂中で機械的せん断力を与えることにより解繊することができる。
この変性セルロース繊維とは、セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理し、次いでカチオン化剤で処理して得られたものであり、前述の「非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤とセルロース繊維とを含む組成物」、「非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物と、セルロース繊維とを含む組成物」、又は「セルロース繊維に、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している複合体」等である。
解繊処理は、成形用樹脂との混合のし易さの点で、樹脂中で解繊処理を行うことが好ましい。
せん断力を与える手段としては、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、一軸押出機、二軸押出機等の押出機、バンバリーミキサー、グラインダー、加圧ニーダー、2本ロール等の公知の混練機等の手段を用いることが好ましい。
(2-3) 組成物及び複合体の製造方法(CNFの場合2)
本発明の組成物又は複合体に含まれるセルロース繊維がCNFである場合、
(1)CNFを非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、及び
(2)工程1で得られたCNFをカチオン化剤で処理する工程、
を含む製造方法により、製造することができる。
工程1:CNFを非繊維状アニオン化多糖で処理する工程
工程1は、原料とCNFを用い、CNFを分散させた水分散液に非繊維状アニオン化多糖を加えて混合することができる。非繊維状アニオン化多糖はすぐに水に溶解しないので、予め水に溶解した非繊維状アニオン化多糖を加えることが好ましい。また、攪拌翼等を用いてCNFと非繊維状アニオン化多糖を均一に混和することが望ましい。均一に混和することにより、CNFが満遍なく、均一に非繊維状アニオン化多糖で処理される。
CNFと非繊維状アニオン化多糖の比率
CNFと非繊維状アニオン化多糖との配合比率は、特に制限されない。セルロース繊維:非繊維状アニオン化多糖の配合比率(質量比)は、100:1〜100:100程度が好ましく、100:5〜100:50程度がより好ましく、100:10〜100:40程度が最も好ましい。この範囲を満たすことで、セルロース繊維のろ水性が良好であり、セルロース繊維の物性が良好である。
工程2:工程1で得られたCNFをカチオン化剤で処理する工程
工程1で得られたCNFをカチオン化剤で処理する工程は、工程1で得られた非繊維状アニオン化多糖で処理されたCNFの水分散体にカチオン化剤を添加すればよい。カチオン化剤は、繊維状アニオン化多糖との反応を促すために滴下することが望ましい。滴下時間に特に限定は無いが、10分以上が好ましい。10分以上かけることにより、カチオン化剤と非繊維状アニオン化多糖が徐々に進行するため水不溶化が遅くなり反応率が向上する。
また、攪拌翼等を用いて非繊維状アニオン化多糖で処理されたCNFとカチオン化剤を均一に混和することが望ましい。均一に混和することにより、カチオン化剤と非繊維状アニオン化多糖の反応がまんべんなく進行する。
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の比率
非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との配合比率は、特に制限されない。非繊維状アニオン化多糖:カチオン化剤の配合比率(質量比)は、100:1〜100:10,000程度が好ましく、100:5〜100:2,000程度がより好ましく、100:10〜100:500程度が最も好ましい。この範囲を満たすことで、中和反応が進み、濾水性が高くなる。
CNFと変性部(非繊維状アニオン化多糖+カチオン化剤)の比率
CNFと変性部(非繊維状アニオン化多糖+カチオン化剤)との配合比率は、特に制限されない。セルロース繊維:変性部の配合比率(質量比)は、100:1〜100:1,000程度が好ましく、100:10〜100:500程度がより好ましく、更には100:40〜100:200程度が最も好ましい。この範囲を満たすことで、セルロース繊維のろ水性が良好であり、セルロース繊維の物性が良好である。
(3) セルロース繊維及びCNFの回収
セルロース繊維又はCNFを回収する方法として、水媒体中の固形物を分離する方法が好ましい。フィルターろ過、フィルタープレス、遠心分離等の方法が好ましい。
回収したセルロース繊維又はCNFは、更に乾燥機で乾燥することができ、粉砕機等で粉末状に調製することができる。回収したセルロース繊維又はCNFは、また、乾燥してシート状に調製することができる。
本発明では、セルロース繊維又はCNFを回収する前の状態又はセルロース繊維又はCNFを回収した後の状態を組成物又は複合体と呼ぶことができる。
(4)樹脂組成物
(4-1)樹脂へのセルロース繊維及びCNFの配合
水媒体(組成物又は複合体)中より濾水して回収したセルロース繊維又はCNFは、成形用樹脂に好適に配合することができる。本発明では、前記組成物又は複合体を成形用樹脂に配合することも可能である。
成形用樹脂として、熱硬化性樹脂、ラジカル硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が好ましい。
熱硬化性樹脂
公知の熱硬化性樹脂を使用することができる。フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂等が好ましい。
これらの成分は、少なくとも1種の成分を使用することが好ましい。
ラジカル硬化性樹脂
ラジカル硬化性樹脂は、熱を特に必要とせず、光、放射線によるラジカル硬化、常温で放置することによりラジカル硬化する樹脂が好ましい。アクリル樹脂等が好ましい。
熱可塑性樹脂
基本的に限定されるものではなく、公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂が好ましい。ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート等のアクリル樹系脂が好ましい。ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン-スチレン樹脂、アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン樹脂、アクリロニトリル-エチレンゴム-スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル-スチレン樹脂、スチレン-ブタジエン-スチレン樹脂等のスチレン樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂、ポリアクリルニトリル、ナイロン等のポリアミド樹脂が好ましい。エチレン-酢酸ビニル樹脂、エチレン-アクリル酸樹脂、エチレン-エチルアクリレート樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素樹脂が好ましい。ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましい。オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等が好ましい。種以上の混合物が挙げられる。
これらの成分は、少なくとも1種の成分を使用することが好ましい。
成形用樹脂へのセルロース繊維及びCNFの配合
前記樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を使用することが好ましい。つまり、これら樹脂を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成形用樹脂へセルロース繊維又はCNFを配合する方法は特に限定されない。セルロース繊維又はCNFのシート又は凝集体に成形用樹脂を含浸させることができる。セルロース繊維又はCNFを乾燥・粉砕して成形用樹脂と混合することができる。また、高温で混練を行う成形用樹脂の場合は、ウエット状態のセルロース繊維又はCNFと成形用樹脂を混合し、混練に水分を除いても良い。
セルロース繊維又はCNFの含有量
樹脂組成物のセルロース繊維又はCNFの含有量は、変性部を除いたCNFが0.1〜30質量%程度が好ましい。CNFの含有率がこの範囲を満たすと、CNFによる補強効果を良好に発揮することができ、樹脂組成物を良好に成形することができる。
(4-2) 樹脂組成物への添加物
樹脂組成物は、発明の効果を損なわない範囲であれば、各種添加剤を含有していてもよい。例えば、有機又は無機のフィラー、顔料、増粘剤、減粘剤、可塑剤、耐光性添加剤(紫外線吸収剤、安定剤等)、酸化防止剤、オゾン化防止剤、活性剤、耐電防止剤、滑剤、耐摩擦剤、表面調節剤(レベリング剤、消泡剤、ブロッキング防止剤等)、防カビ剤、抗菌剤、分散剤、難燃剤及び加流促進剤や加流促進助剤等の添加剤を配合することができる。
これら添加物を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(5)樹脂成形体
成形体の製造
樹脂組成物は、公知慣用の成形用樹脂組成物の成型方法で製造することができる。圧縮成型、射出成型、押出成型、発泡成形等の成型方法を用いることが好ましい。成型の条件は樹脂の成型条件を必要に応じて適宜調節して適応することができる。
成形体の用途
得られる変性CNF含有樹脂成形体は、軽量且つ高強度である。
変性CNF含有樹脂成形体は、機械強度が要求される分野で使用できる。例えば、自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器の内装材、外装材、構造材等に使用することが好ましい。パソコン、テレビ、電話等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等に使用することが好ましい。建築材、文具、OA機器等の事務機器等の筐体に使用することが好ましい。スポーツ・レジャー用品、構造材等に使用することが好ましい。
(1)セルロース繊維及びカチオン化剤の調製
製造例1:パルプ1(セルロース繊維)
針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)のスラリー(スラリー濃度:2質量%)を、シングルディスクリファイナー(熊谷理機工業株式会社製)にて、カナディアンスタンダードフリーネスが100mL以下となるまで、リファイナー処理を繰り返した。加圧ろ過により脱水を行い、パルプ1を得た。
このパルプ1の水分率を、株式会社ケット科学研究所製赤外線水分計FD-720を用いて110℃の条件にて測定したところ、81.2質量%であった。
以下、水分率の測定には株式会社ケット科学研究所製赤外線水分計FD-720を用いて110℃の条件で行った。
カチオン化剤1:アクリル樹脂
カチオン性基と(メタ)アクリル骨格を持ち、樹脂親和性セグメントAとカチオン性基セグメントBとを有する水分散性樹脂である。
樹脂親和性セグメントAのモノマー成分:ラウリルメタクリレート
カチオン性基セグメントBのモノマー成分:アクリルアミド
温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール600部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に昇温させた後、滴下装置より合成ラウリルメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマー(登録商標)SLMA」)100部、アクリルアミド300部、t-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)(日油株式会社製「パーブチル(登録商標)」O)27部の混合液を2時間30分かけて滴下した。
滴下終了後、更に同温度で11時間反応を継続させた。滴下が終了した時点から3時間後及び6時間後に、t-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)(日油株式会社製「パーブチル(登録商標)O」)を2部ずつ添加した。反応終了後、室温まで1,000gの水を加えた。
イソプルピルアルコール(IPA)を減圧留去し、更に水を加えて4質量%のアクリル樹脂の水溶液を得た。
カチオン化剤2:ブロック分散剤1
カチオン性基と(メタ)アクリル骨格を持ち、ブロック共重合体構造の樹脂親和性セグメントAとブロック共重合体構造のカチオン性基セグメントBとを有する水分散性樹脂の4質量%溶液である。
ポリマーブロックA(樹脂親和性セグメント)のモノマー成分:
ジメチルジグリコール(DMDG):106部
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(DCPOEMA):62部
ヨウ素:1.0部
ジフェニルメタン(DPM):0.2部
ポリマーブロックB(カチオン性基セグメント)のモノマー成分:
メメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA):38部
カチオン化剤3:ブロック分散剤2
カチオン性基と(メタ)アクリル骨格を持ち、ブロック共重合体構造の樹脂親和性セグメントAとブロック共重合体構造のカチオン性基セグメントBとを有する水分散性樹脂の4質量%溶液である。
ポリマーブロックA(樹脂親和性セグメント)のモノマー成分:
DMDG:106部
DCPOEMA:85部
ヨウ素:1.0部
DPM:0.2部
ポリマーブロックB(カチオン性基セグメント)のモノマー成分
DMAEMA:15部
カチオン化剤4:市販品(4質量%)
日油株式会社製のジオレイルジメチルアンモニウムクロライド
ニッサンカチオン(登録商標)2-OLR
カチオン化度の算出方法
スペクトリス(株)社製粒子電荷計PCD-02を用いてカチオン化度を求めた。
以下に測定方法を示す。
カチオン化剤をイオン交換水で0.02質量%へ希釈した後、そのうち10ccをPCD-02のセルにサンプリングした。次いでpH3に調製した後、1/1,000Nポリビニルスルホン酸カリウム(PVSK)水溶液を用い流動電位がゼロになるまで滴定した。1/1,000N PVSK水溶液の滴定量と次式よりカチオン化剤のカチオン化度(酸価)を算出した。
カチオン化度(meq/g)=1/1,000N PVSK水溶液の滴定量(ml)/2
Figure 0006886649
(2)組成物又は複合体(セルロース繊維又はCNFを含むもの)の調製
実施例
実施例1:セルロース繊維1の製造
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略す)) 40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液を作製した(非繊維状アニオン化多糖)。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を750g(固形分30g)及び水を2,718g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のアクリル樹脂の水溶液(カチオン化剤1)を2,350g(固形分94g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。
その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維1を得た。
このセルロース繊維1の水分率は30%未満であった。セルロース繊維1を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維1を得た。粉末状のセルロース繊維1の水分率は2.0質量%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
濾水性の評価
加圧ろ過を行った後のセルロース繊維1の水分率を測定した。
濾水性×:水分率が70%以上の場合
濾水性△:水分率が30%以上70%未満の場合
濾水性○:水分率が30%未満の場合
以下、実施例2〜9、比較例1〜5についても同様に判定した。
セルロース繊維(CNF)含有組成物1(PE複合体1)の製造
サンテック(登録商標)J320(旭化成ケミカルズ株式会社製高密度ポリエチレン(PE))を1.3mmのスクリーンを使用し粉砕器粉砕した。前記セルロース繊維1を45.7g(固形分44.8g)と粉砕したPE(J320)を155.2g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:1)mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE1(CNF複合PE1)を得た。
フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
目視による分散性及び偏光顕微鏡による分散性の確認
上記ペレット化したCNF複合PE1を0.5g、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製ルミラー(登録商標)T60#188)にてはさみ、更に外側を厚さ3mmの金属板で挟んだ。それを160℃の熱プレス機にセットした。3,000kg/cm2、160℃の条件で3分間プレスした。
室温まで冷却し、セルロースナノファイバー複合PEフィルム1(CNF複合PEフィルム1)を得た。
CNF複合PEフィルム1を目視で凝集物の有無を確認した。
目視分散性×:凝集物があるもの
目視分散性○:凝集物がないもの
次に、CNF複合PEフィルム1を偏光顕微鏡にて80倍で観察した。
偏光顕微鏡分散性×:セルロースの塊が確認されたもの
偏光顕微鏡分散性○:セルロースの塊が確認されなかったもの
以下、実施例2〜9、比較例1〜5についても同様に判定した。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE1を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機」)を使用した。
セルロース繊維の微細化状態の判定
上記成形により得られた試験片から、ミクロトームにより切片を切り出し、セルロース繊維を透過型顕微鏡(TEM)により観察した。10,000倍の写真を10枚撮影した。
微細化状態○:500nm以下のセルロース繊維の本数の割合が50%以上である場合
微細化状態△:500nm以下のセルロース繊維の本数の割合が10%以上50%未満である場合
微細化状態×:500nm以下のセルロース繊維の本数の割合が10%未満である場合
以下、実施例2〜9、比較例1〜5についても同様に判定した。
実施例2:セルロース繊維2の製造
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のCMC)20gを水480gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を375g(固形分15g)及び水を3,093g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のアクリル樹脂の水溶液(カチオン化剤1)を1,175g(固形分47g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。
その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維2を得た。
このセルロース繊維2の水分率は30%未満であった。セルロース繊維2を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維2を得た。粉末状のセルロース繊維2の水分率は1.9質量%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロース繊維(CNF)含有組成物2(CNF複合PE2)の製造
前記セルロース繊維2を33.0g(固形分32.4g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を167.6g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE2(CNF複合PE2)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE2を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例3:セルロースナノファイバー複合PE3(CNF複合PE3)の製造
実施例2のセルロース繊維2を99.1g(固形分97.2g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を102.8g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物を、ペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE3(CNF複合PE3)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE3を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例4:セルロース繊維3の製造
CMCダイセル(登録商標)1330(ダイセルファインケム株式会社製のCMC)40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を925g(固形分37g)及び水を2,543g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のアクリル樹脂の水溶液(カチオン化剤1)を1,575g(固形分63g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維3を得た。
このセルロース繊維3の水分率は30%未満であった。セルロース繊維3を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維3を得た。粉末状のセルロース繊維3の水分率は2.4質量%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロース繊維(CNF)含有組成物4(CNF複合PE4)の製造
前記セルロース繊維3を41.0g(固形分40.0g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を160.0g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE4(CNF複合PE4)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE4を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例5:セルロース繊維4の製造
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のCMC)40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
10Lのステレンス容器に、セルロースナノファイバー(CNF)(ダイセルファインケム株式会社製のセリッシュ(登録商標)KY-100G、固形分濃度:10質量%))250g(固形分25.0g(セルロース繊維))、4質量%のLC-100水溶液187.5g(固形分7.5g)、水4,562.5gを仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のアクリル樹脂の水溶液(カチオン化剤1)を587.5g(固形分23.5g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、CNF4を得た。
このCNF4の水分率は30%未満であった。CNF4を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のCNF4を得た。粉末状のCNF4の水分率は2.1%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロースナノファイバー(CNF)含有組成物5(CNF複合PE5)の製造
前記CNF4を45.8g(固形分44.8g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を155.2g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したCNF含有組成物5(CNF複合PE5)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE5を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例6:セルロース繊維5の製造
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のCMC) 40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
ニッサンカチオン(登録商標)2-OLR(日油株式会社製のジオレイルジメチルアンモニウムクロライド)を水で希釈して、4質量%のカチオン化剤4の溶液とした。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を850g(固形分34g)及び水を2,618g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、カチオン化剤4の溶液を1,650g(固形分66g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維5を得た。
このセルロース繊維5の水分率は30%未満であった。セルロース繊維5を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維5を得た。粉末状のセルロース繊維5の水分率は2.5%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロース繊維(CNF)含有組成物6(CNF複合PE6)の製造
前記セルロース繊維5を41.0g(固形分40.0g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を160.0g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したCNF含有組成物6(CNF複合PE6)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE6を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例7:セルロース繊維6の製造
CMCダイセル(登録商標)1330(ダイセルファインケム株式会社製のCMC) 20gを水480gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
ニッサンカチオン(登録商標)2-OLR(日油株式会社製ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド)を水で希釈して、4質量%のカチオン化剤4の溶液とした。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を425g(固形分17g)及び水を3,043g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、カチオン化剤4の溶液を825g(固形分33g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維6を得た。
このセルロース繊維6の水分率は30%未満であった。セルロース繊維6を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維6を得た。粉末状のセルロース繊維6の水分率は1.9%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロース繊維(CNF)含有組成物7(CNF複合PE7)の製造
前記セルロース繊維6を30.6g(固形分30.0g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を170.0g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE7(CNF複合PE7)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE7を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例8:セルロース繊維7の製造
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のCMC) 40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を750g(固形分30g)及び水を2,718g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のブロック分散剤1の溶液(カチオン化剤2)を1,300g(固形分52g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維7を得た。
このセルロース繊維7の水分率は30%未満であった。セルロース繊維7を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維7を得た。粉末状のセルロース繊維7の水分率は1.8%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロース繊維(CNF)含有組成物8(CNF複合PE8)の製造
前記セルロース繊維7を37.1g(固形分36.4g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を163.6g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE8(CNF複合PE8)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE8を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
実施例9:セルロース繊維8の製造
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のCMC) 40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液(非繊維状アニオン化多糖)を作製した。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1(セルロース繊維)を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を750g(固形分30g)及び水を2,718g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のブロック分散剤2の溶液(カチオン化剤3)を2,300g(固形分92g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維8を得た。
このセルロース繊維8の水分率は30%未満であった。セルロース繊維8を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維8を得た。粉末状のセルロース繊維8の水分率は2.3%であった。また、乾燥重量から計算した非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤の吸着量は99%以上であった。
セルロース繊維(CNF)含有組成物9(CNF複合PE9)の製造
前記セルロース繊維8を45.4g(固形分44.4g)と実施例1で粉砕したPE(J320)を155.6g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロースナノファイバー複合PE9(CNF複合PE9)を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーが確認できた。また、フィルムの目視確認では凝集物は観察されなかった。偏光顕微鏡での観察においても、CNFはきれいに分散されていた。
成形性の評価
前記ペレット化したCNF複合PE9を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
比較例
比較例1
成形性の評価
サンテック(登録商標)J320(旭化成ケミカルズ株式会社製の高密度ポリエチレン)を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。試験機には万能試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製のインストロン3365型試験機)を使用した。
比較例2
製造例1で製造したパルプ1を106g(固形分20.0g)、と実施例1で粉砕したPE(J320)を180.0g混合し、二軸混練機((株)テクノベル製のKZW、スクリュー径:15mm、L/D:45、スクリュー回転数:200rpm)にて140℃で1パスさせた。得られた溶融混練物をペレタイザー((株)テクノベル製)を用いてペレット化したセルロース繊維複合PE10を得た。
TEM観察により微細化を確認したところ、ナノファイバーはほとんど確認できなかった。また、フィルムの目視確認では多数の凝集物が観察された。偏光顕微鏡での観察においても、セルロースはきれいに分散されていなかった。
成形性の評価
前記ペレット化したセルロース繊維複合PE10を用いて、ASTMD638に従って、引張試験を行った。試験サイズは、TYPE IVを使用した。尚、射出成形機には射出成型機(住友重機械工業株式会社製iM18)を使用し、射出温度は160℃、金型温度は40℃の条件下で成形を行った。
大きな凝集物が存在しかつきれいに成形できなかったため、引張試験は行わなかった。
比較例3
セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬株式会社製のCMC) 40gを水960gに溶解し、4質量%のCMC水溶液を作製した。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1を532g(固形分100g)、4質量%のCMC水溶液を750g(固形分30g)及び水を2,718g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
その後、加圧ろ過にて脱水を行ったが、ほとんどろ過が出来なかった。濾紙上の残渣は分散液の状態で取出しが出来なかった。
比較例4
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1を532g(固形分100g)、及び水を3,468g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて、4質量%のアクリル樹脂の水溶液(カチオン化剤1)を2,350g(固形分94g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維9を得た。
セルロース繊維9の水分率は70%以上であった。セルロース繊維9を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状のセルロース繊維9を得た。乾燥重量から計算したカチオン化剤の吸着量は1%未満でアクリル樹脂1のみでは変性できなかった。
比較例5
ニッサンカチオン(登録商標)2-OLR(日油株式会社製ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド)を水で希釈して、4質量%のカチオン化剤溶液1を作製した。
10Lのステレンス容器に、製造例1で製造したパルプ1を532g(固形分100g)、及び水を3,468g仕込み、攪拌翼を用いて、150rpmの回転数で2時間攪拌した。
150rpmの回転数で攪拌しながら、液中に10分かけて4質量%のカチオン化剤溶液1を1,650g(固形分66g)滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行った。その後、0.3MPaで加圧ろ過を行った。ろ液が1分以上出てこなくなるまでろ過を行い、セルロース繊維10を得た。
セルロース繊維10の水分率は70%以上であった。セルロース繊維10を、110℃の乾燥機で16時間乾燥した後、粉砕器(三庄インダストリー株式会社製のサニタリークラッシャー)で粉砕し、粉末状の変性セルロース繊維10を得た。乾燥重量から計算したカチオン化剤の吸着量は1%未満でニッサンカチオン(登録商標)2-OLR(日油株式会社製カチオン界面活性剤)のみでは変性できなかった。
Figure 0006886649
Figure 0006886649
Figure 0006886649
産業上の利用可能性
本発明のセルロース繊維及びCNFを含む組成物及び複合体は、成形用樹脂の強化剤として好適に使用することが可能である。
本発明のCNF含有成形用樹脂組成物及び成形体は、高い機械強度を有しており、例えば従来のCNF成形物が使用されていた分野に加え、より高い機械強度(曲げ強度等)が要求される分野にも使用できる。
本発明のCNF含有成形用樹脂組成物及び成形体は、例えば、自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器の内装材、外装材、構造材等や、パソコン、テレビ、電話等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等、建築材、文具、OA機器等の事務機器等の筐体、スポーツ・レジャー用品、構造材として有効に使用することができる。

Claims (6)

  1. セルロースナノファイバーに、非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している複合体、及び樹脂を含有する樹脂組成物
  2. 前記非繊維状アニオン化多糖が、カルボキシメチルセルロースである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記カチオン化剤が、アルキルケテンダイマーのカチオン性分散剤による分散体、カチオン性ポリスチレン樹脂、カチオン性脂肪酸誘導体、カチオン性ポリ(メタ)アクリル樹脂、カチオン性ポリエステル樹脂、カチオン性ポリオレフィン樹脂、カチオン性ポリエーテル樹脂、カチオン性ポリウレタン樹脂及び四級アンモニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法であって、
    (1)セルロース繊維を非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、
    (2)工程で得られたセルロース繊維をカチオン化剤で処理して変性セルロース繊維を得る工程、
    (3)工程(2)で得られた変性セルロース繊維を解繊して、セルロースナノファイバーに非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している複合体を得る工程、及び
    (4)工程(3)で得られた複合体を樹脂に配合して樹脂組成物を得る工程、
    を含む製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法であって、
    (1)セルロースナノファイバーを非繊維状アニオン化多糖で処理する工程、
    (2)工程(1)で得られたセルロースナノファイバーをカチオン化剤で処理して、セルロースナノファイバーに非繊維状アニオン化多糖とカチオン化剤との中和物が吸着している複合体を得る工程、及び
    (3)工程(2)で得られた複合体を樹脂に配合して樹脂組成物を得る工程、
    を含む製造方法。
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